【🚀小学校から世界へ🌏広がるワンヘルス教育💫】

 11月20日、みやま市立瀬高小学校で開催された「ワンヘルス教育」研究発表会と、それに連携した「ワンヘルス楽校」は、日本、そして世界の未来を考える上で大変意義深い取り組みとなりました。

 今回は、全国都道府県議会議長会会長であり世界獣医師会次期会長の藏内勇夫会長、日本医師会名誉会長の横倉義武先生という、医療・獣医療双方の第一人者をパネリストにお迎えし、子どもたちの学びが専門家の視点と交わる貴重な場となりました。

■ 瀬高小学校の挑戦:「つながろう ひろげよう ワンヘルス」

 瀬高小学校は、令和5年度から3年間、みやま市教育委員会から研究指定を受け、ワンヘルス教育を推進しています。研究発表会のテーマである「つながろう ひろげよう ワンヘルス」は、人・動物・環境の健康が一体であるという理念を端的に示したものです。

 オープニングでは、全校児童によるワンヘルス隊が合唱とダンスで「緑の星」を披露。助け合いをテーマにした歌詞が、子どもたちの連帯感と学びの姿勢を象徴していました。


 児童代表挨拶では、「私のワンヘルス宣言」として、毎日元気に遊ぶこと、食を大切にすること、犬の散歩を続けることなど、生活の中で実践している取り組みが紹介されました。


 公開授業では、1年生から6年生まで全学年でワンヘルス視点を取り入れた学習が展開。


 3・4年生の「菌で健康チャレンジ」「大好き!! 矢部川!!」、高学年による食料生産やまちづくりへの提言など、これを子供達と先生だけで完結させるのでは無く、市職員・JA・農家・飲食店の皆様など地域の人材が実際に関わることで実践的な学びが深められました。

■ 世界的権威が集結した「ワンヘルス楽校」

 研究発表会に続き、毎月開催されている市民講座「ワンヘルス楽校」が行われました。
 パネルディスカッションには、藏内会長・横倉先生のほか、藤岡育代教育長、芝田良倫氏(ワン・ヘルス・クリエイツ理事長)、黒木千佳氏(株式会社クロキ)が登壇。瀬高小・瀬高中・山門高校の児童生徒が自身の研究を発表し、専門家から助言を受けました。

【児童・生徒のハイレベルな発表】

 小学生からは、食品ロス削減、マイクロプラスチック汚染、野生動物との共生など、多様な問題提起が行われました。

 特に注目されたのが、山門高校ワンヘルスクラブによる「ウナギ」をテーマにした研究です。
 100年の森づくり、水質改善、生ゴミ堆肥由来の栄養塩溶液を用いたウナギの行動研究など、高度な内容が披露され、ウナギの遡上行動の一端を示唆する興味深い発見が紹介されました。

 最後に、横倉先生は「子どもたちの主体的な取り組みを高く評価したい」と賞賛し、藏内会長は「皆さん一人ひとりが『マイ・ワンヘルス』を見つけてほしい」と励ましの言葉を贈りました。

■ 未来へ向けた大きな希望

 今回の研究発表会とワンヘルス楽校は、子どもたちの主体的な学びと、国内外のトップレベルの専門家の知見が融合する貴重な機会となりました。

 人・動物・環境の健康という普遍的な課題に対して、子どもたちが自ら考え、行動し始めている姿は、持続可能な社会を実現する上で大きな希望と言えます。

 この流れをみやま市から県・国・世界へ広げていきたいと心から願っています。

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【⚠️危機管理の核心を探る。🗾石垣・那覇視察】

私が所属する総務企画地域振興委員会が7年11月17日から19日にかけ管外視察を行いました。備忘録代わりに書き留めておきます。

◎ 石垣市役所新庁舎:離島の切実な危機管理と特定避難施設
 最初に訪問した石垣市役所新庁舎は、令和3年11月15日に供用開始された新しい庁舎です。


 石垣市の直面する最大の課題は、武力攻撃を想定した特定臨時避難施設(シェルター)の整備です。石垣島は沖縄本島から410km、お隣の台湾からはわずか280kmと近接しており、広域避難の困難性がある地域と見なされています。国は、武力攻撃よりも十分に先立って住民の広域避難を完了することが最も重要としつつも、避難が困難な地域では一定期間(2週間程度)避難可能で堅牢な特定臨時避難施設の整備が必要である、との考え方を示しています。


 石垣市では、市役所隣接地に整備予定の防災公園の地下を、平時は駐車場として利用し、有事の際に特定臨時避難施設として活用する計画を進めています。収容人数は500名を想定し、1人あたり2㎡として概ね1,000平米の施設規模が計画されています。構造体は、外部に面する壁などが厚さ30cm以上の鉄筋コンクリート造が基本です。


 この計画に対し、委員からは、有事の際に民間航空機が飛ぶ保証があるのかという広域避難の実行性への疑問が率直に提起されました。広域避難が不可能に近いのならば、500人規模ではなく、より多くの市民を守るための大規模な地下施設(シェルター)を国が責任を持って整備すべきではないか、という切実な意見も出されました。この議論は、離島地域特有の、危機管理の根幹に関わる重く困難な課題を浮き彫りにしました。

◎ チャレンジ石垣島:地域課題を乗り越える若者の自立
 民設民営の「チャレンジ石垣島」を訪問しました。この施設は、イベントスペースとコワーキングスペースを併設した地域の発信拠点です。


 特筆すべきは、高校生を対象とした市の委託事業である「石垣市公営塾」です。この塾は学力向上を目的とせず、「自分と向き合う場所」をコンセプトに、キャリア教育や探究学習を提供しています。生徒たちは、島内の課題をテーマにプロジェクトを立ち上げ、単なるレポートで終わらず、といった「形にする」実践的な活動を行っています。講師は、答えを与えるのではなく、「どうしたらいいと思う?」と問いを返す伴走者としての対話重視の指導を徹底しており、この活動が総合型選抜(旧AO入試)での大学進学に直結している事例が多く見受けられました。

◎ 那覇第2地方合同庁舎3号館:災害時の命綱、簡易設備の革新
 那覇新都心地区に整備された那覇第2地方合同庁舎3号館は、災害応急対策に従事する4つの国官署が集約された防災拠点庁舎です。ここでは、停電時に最大1週間(168時間)連続稼働できる大容量の自家発電設備を備えるなど、強固な災害対策が施されています。
 特に注目したのは、災害発生時に帰宅困難者や職員の生活を支える「かまどベンチ」と「マンホールトイレ」といった簡易ながら実用性の高い設備です。


 かまどベンチは庁舎前の前庭に設置されており、普段はバス停のベンチとして使われています。災害時には、座面を外して炊き出し用のかまどとして使用し、温かい食事を提供できます。デモンストレーションでは、ベンチが容易にかまどへと変形する様子が確認でき、災害時の食料確保の重要性を再認識しました。


 庁舎の敷地内には、緊急時に利用できるマンホールトイレが5箇所設置されています。地震などで下水管が断絶し、通常のトイレが使えなくなった場合、下水道の経路を切り替え、マンホールの下にある貯蔵層に排水を貯める仕組みです。デモンストレーションでは、マンホールの上に便座と簡易テントが設置される様子が示され、この便座にはロック機構があり、内側から施錠することでマンホールが動かないようになっているなど、実用性への工夫が確認できました。合計5つのホールがあるため、男性用、女性用、車椅子用などに分けて利用可能であり、その簡易性と機能性は、災害時の衛生環境維持にとって極めて重要な対策だと感じました。


◎ まとめ
 今回の沖縄視察は、特に危機管理と防災の分野において、離島地域と本土側の最前線の取り組みを深く比較検討する機会となりました。

 石垣島における特定臨時避難施設の議論は、広域避難の困難性という地理的制約と、それに対処するための堅牢なシェルターの規模に関する本質的な課題を提起しました。これは、単なる地方行政の枠を超え、国の安全保障政策における責任と財政措置のあり方について、私たち総務企画地域振興委員会が今後も深く検討すべきテーマです。

 一方、那覇で確認したかまどベンチやマンホールトイレは、災害発生時の「生きるための環境」を確保する上で、いかに日常的なインフラの整備と、簡易的な設備の備蓄が重要かを明確に示しました。これらの視察結果は、福岡県の防災・危機管理体制の強化、そして地域振興の企画を進める上での具体的な教訓となりました。

 今回の視察を今後の県政運営に反映させるべく努力して参ります。

【🔥心を繋ぐ駅伝の力🏃‍♂️💨 福岡60市町村の激走🌟】

 11月16日(日)、県内すべての市町村から60チームが参加する「令和7年度スポーツフェスタ・ふくおか 第68回福岡県民スポーツ大会 スポーツの総合祭典 第12回市町村対抗福岡駅伝」が、筑後市とみやま市にまたがる県営筑後広域公園にて盛大に開催されました。

 この大会は、ランナーが“わがまち”の誇りを胸に駆け抜けることで、世代間交流や地域の絆の醸成を図ることを目的としており、長年にわたり「地域の思いを託す総合スポーツイベント」として親しまれています。中学生からシニアまで幅広い世代の選手が、周回コース全8区間・総距離25.7kmを舞台に熱戦を展開しました。


 開会式では、主催者として服部誠太郎知事が挨拶に立ち、駅伝とは単に個々の選手が全力で走るだけでなく、「心と力を一つにしてタスキをつなぐ」競技であり、チームとしての総合力が問われると強調されました。さらに、青山学院大学の原監督から伺ったエピソードを引用し、思うように走れなかった選手がいる時こそ、仲間が「少しでも楽に走らせよう」「よし、挽回するぞ」と支え合う姿こそが、真のチーム力だと力強く語られ、選手たちを激励されました。


 続いて来賓として祝辞を述べられた藏内勇夫福岡県議会議長は、競技を通して県民の健康を守る願いが込められた「ワンヘルス カーボンゲート」に言及されました。生命の原点であるDNAをモチーフに作られたこのゲートには、人と地球の健康を守るという理念が込められており、60市町村の絆を象徴する存在として紹介されました。議長は、県議会としてもスポーツを通じた健康づくりとスポーツ振興に今後とも尽力していく決意を述べられました。


 さて、熱戦の結果をご報告いたします。全60チームが出場した総合レースでは、福岡市が1時間18分55秒で見事総合優勝を飾りました。続いて行橋市が1時間19分34秒で2位、3位には北九州市(1時間19分47秒)が入りました。

 選手の皆様、そして大会運営を支えてくださったすべての関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。
 今後とも県営筑後広域公園を拠点として、県南はもとより福岡県全体のスポーツ文化のさらなる発展に努めてまいります。

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【🤝地域の声を聞く夜🏛県政の今を共有】

先日、飯江地区にて県政報告会を開催いたしました。会場となったのは、飯江の“人間交差点”として親しまれている「柿原酒店」です。参加者の皆様と率直に地域課題について意見を交わすことができ、大変有意義な時間となりました。

■ 冒頭の県政報告:県南飛躍への大きな可能性

冒頭では、私が県議会や自民党県連で務めている役職をご報告し、あわせて福岡県議会が初めて全国議長会会長を輩出したこと、その意義とメリットについて説明いたしました。

また、みやま市のみならず県南地域の将来を左右する「一大事業」であるワンヘルスセンターの進捗状況について詳しくお伝えしました。この施設は、10ヘクタールの土地を県へ無償譲渡いただくことで実現したものです。一部には「無償」に対する懸念の声もありましたが、具体的な企業誘致の目途がなかった当時、財政規模の小さいみやま市が管理するより、規模が約100倍の県が直轄で整備・管理する方が大きなメリットを生むことを、改めて丁寧に説明しました。

現在、令和9年の開設に向けて建設工事がすでに進行しており、同じタイミングでみやま柳川インター前に「(株)ワイテック」の工場移転も決定しています。過去に例を見ない規模の雇用創出が期待される中、この好機を確実に生かすため、「住宅施策」や「教育施策」の強化について、みやま市執行部へ働きかけていることもご報告しました。

■ 地域が抱える課題:車座での率直な意見交換

続く車座での意見交換では、地域の皆様が抱える切実な課題について、直接ご相談をお受けしました。特に印象に残ったのは、次のようなご意見です。

深刻化するイノシシ等の害獣対策
地域行政への要望を効果的に伝える方法
地元高校(山門高校)存続の重要性
議員定数削減と地方の声の行方

飯江地区での今回の報告会は、地域の皆様のリアルな声を伺い、行政としてどのように解決の道筋を描くべきかを考える、大変貴重な機会となりました。

今後、他の校区でも開催を予定しております。「ぜひ我が地元でも」とのお声があれば、どうぞお気軽に事務所へご連絡ください。これからも地域に根差した活動を一層進めてまいりますので、皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

【💖若者の本能に響く✨幼児とのふれあい体験👶】

 令和7年度 福岡県『中高生と乳幼児のふれあい体験』が、上庄ひいらぎこども園で開催されました。

 これは、社会が直面する「少子化」という深刻な課題に対し、人間の「種の保存」本能に直接働きかける“エモーショナルな施策”として、昨年の予算特別委員会で提案した「中高生と乳幼児のふれあい体験」を県執行部から形にして頂いたものです。

 参加したのは、私の母校である福岡県立山門高等学校の2年生12名(男子6名・女子6名)と、同園の3〜5歳児クラス49名。

🎨ふれあいの時間:一緒に笑い、一緒に学ぶ

 開会挨拶ののち、高校生たちは3つのクラスに分かれて園児との交流を深めました。
 交流タイムでは、ニックネームを交えた自己紹介に続き、手作りおもちゃを一緒に作る「おもちゃづくりタイム」が行われました。

 3歳児は紙コップけん玉づくり、4歳児はゆび風車づくり、5歳児は手裏剣づくりなどで、それぞれが笑顔で触れ合い、ゲームを楽しみ、最後には、園児と高校生が一緒に給食を楽しむ「給食タイム」が設けられ、教室中が笑顔であふれました。

💬心の変化:理屈ではなく「感じる」体験

 参加した女子生徒の多くは保育士志望で、
 > 「実際に子どもと触れ合って、将来の夢がより具体的になった」
 と目を輝かせて話してくれました。

 男子生徒も、
 > 「最初は緊張したけど、最後は本当に楽しかった!」
 と笑顔で語ってくれました。

 園児たちも感情を素直に表現し、大いにはしゃぎ、笑い、おしゃべりして、別れ際には
 > 「帰らないで〜〜😭」
 と泣き出す子もいたほどです。

 私からは、子育てをした経験を踏まえて、「どんなに仕事で嫌なことが有っても、子供の寝顔を見るだけで全てのストレスが吹っ飛んで明日も頑張ろうって気になる。それ位子供が与えてくれるパワーって凄い!」と、高校生達に子を持つ親の本音をお伝えしました。

 短い時間ではありましたが、園児と高校生の心が確かに通じ合ったことを、肌で感じました。

🧠なぜ今、乳幼児とのふれあいが必要なのか

 近年、社会全体でタイパ(タイムパフォーマンス)やコスパ(コストパフォーマンス)が重視され、
 「出産・育児は非効率」とする価値観が若い世代に広がりつつあります。

 しかし、結婚や出産は理性や効率だけでは成り立ちません。
 私は令和6年度予算特別委員会(2024年3月13日)で、
 > 「結婚には理屈を超えた“エモーション(情緒・感情)”が不可欠である」
 と訴えました。

📎 ご参考:
令和6年度予算特別委員会「福岡県の少子化対策〜乳幼児との触れ合い体験について」https://itahashi.info/blog/20240313172351
令和6年度予算特別委員会 知事保留質疑「福岡県の少子化対策〜乳幼児との触れ合い体験について」https://itahashi.info/blog/20240319122904

 知識や情報ではなく、実際に赤ちゃんを抱き、肌のぬくもりや甘い匂いを感じる——。
 その瞬間に脳内でドーパミンがあふれ、「命って尊い」と心が震えます。
 この感覚こそ、若者に“未来の家族像”を描かせる最も根源的な体験だと確信しています。

🤝縦割りを超えた連携と感謝

 この事業を実現するには、教育庁(高校生側)と福祉労働部(保育側)の連携が不可欠でした。
 私は知事保留質疑(2024年3月19日)で服部知事に対し、
 > 「知事自らが市町村長や教育長に働きかけてほしい」
 と求めたところ、知事から前向きな答弁をいただきました。

 今回の成功は、県職員の皆様、上庄ひいらぎこども園、そして山門高校の皆様のご尽力の賜物です。
 心より感謝申し上げます。

🌱未来へ:若者の心に“命のぬくもり”を

 少子化対策は、一朝一夕に成果が出るものではありません。
 しかし、若者の心に「命の尊さ」を直接届ける取り組みこそ、最も確実で、未来へと続く第一歩です。

 これからも、地道に、そして情熱をもってこの取り組みを広げてまいります。
(ちなみに、私はお爺ちゃんになった時の予行演習の気分で、めっちゃ楽しませていただきました😁)

*写真・動画は掲載許可を頂いております

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【💫有明の恵み🌊次代へ繋ぐ想い】

 令和7年11月11日、福岡県有明海漁業振興対策協議会が開催され、有明海の水産業を次世代へ確実に引き継ぐため、福岡県に対して提出予定の9項目の重要要望事項(案)について審議が行われました。

 令和6年度のノリ養殖は、高水温の影響に加え、12月中旬以降の植物プランクトン増殖による「色落ち」が長期化しました。その結果、生産枚数は平年の約7割にあたる7億7,000万枚にとどまりましたが、単価が高く推移したため、生産額は約190億円に達しました。
 一方、アサリについては、覆砂や稚貝移植などの資源管理対策の成果により、本格的な漁獲再開につながる回復の兆しが見え始めています。
 更に、漁業者の減少や高齢化、さらに漁場環境の変化が今後の大きな懸念材料として指摘されました。

 協議会では、有明海再生の継続を最重要課題と位置づけるとともに、高水温対策としてのノリ養殖技術開発を第2位に繰り上げ、さらにノリ輸入枠(IQ枠)の堅持を強く要望。
 そのほか、漁港泥土処理、アサリ・カキ養殖の推進、燃油免税の恒久化、河川ごみ対策、新規漁業者支援など、全9項目にわたり、持続可能な漁業経営の実現を福岡県に求めました。
 また、会議ではノリのカモによる食害被害が深刻化している現状も共有され、今後の要望書に新たな課題として盛り込む方向で検討が進められています。


 今年度のノリ採苗(種付け)は11月4日に開始され、これは過去最も遅いスタートとなりました。11月10日現在、水温は19.3℃で平年並みに低下していますが、7月以降は栄養塩(DIN)の不足状態が続いています。プランクトン沈殿量は平年並みに推移しているものの、今後の栄養塩動向は予断を許さない状況です。
 有明漁連の堤会長からは「現時点でノリの色調は良好だが、引き続き注意が必要」との意見が述べられ、研究所は海況の詳細な把握ときめ細やかな技術指導を継続して行う方針を示しました。

【🍊山川みかん進化中✨若手と築く新ブランド🍊】

 JAみなみ筑後柑橘部会の皆様と、農政懇談会を開催いたしました。

 柑橘部会の部会員数は現在246名で、わずかに減少傾向にありますが、20代・30代の若手生産者の新規加入も見られ、次世代への継承が着実に進んでいます。生産面積は240haで、毎年7〜8haの改植・更新が計画的に行われています。


 本年の生産予想量は合計5,335tと、豊作であった令和5年とほぼ同水準を見込んでいます。特に極早生品種は、計画の850tを大きく上回る見込みです。一方で、温暖化の影響は深刻で、今年の生育では満開日が平年より約1週間遅れ、着色も10日ほど遅れるなど、気候変動による影響が顕著となっています。

 山川みかんは、「早味かん」の増産を基本方針とし、高品質みかんの安定生産を目指しています。既存品種の整理が進む中で若木の比率が高まり、国庫補助事業などを活用した改植の成果が着実に現れています。

 特筆すべきは、品質向上への強い意欲です。産地の活性化を目的として導入された「マル特」園地制度では、高品質ブランド「博多マイルド」「ハニーみかん」を目指しており、令和7年度のシートマルチ被覆率は前年度の75%から83%へと大幅に上昇しました。また、甲田地区での大規模園地回収工事も着工するなど、将来を見据えた基盤整備が進められています。

 懇談の中では、部会側から「早味かん」や「北原早生」といった強力なブランドによって9〜10月は日本一の価格を維持できている一方、11月以降の中生・普通品種で他産地との差別化が難しいとの課題が示されました。そのため、山川ならではの特色を持つ新品種の開発を求める強い要望が出されました。

 今後の課題は、「美味しさ」に加え、消費者が重視する「皮の薄さ」や「食べやすさ」を兼ね備えた独自品種を生み出し、早生品種の強みを年間を通じて発揮できる体制を築くことです。さらに、高額な贈答品市場、たとえば黒箱を超える「プレミアム」ラインを意識した戦略によって、ブランド全体の価値向上を図ることも重要です。

 私自身、皆様の現場での努力が適正な価格に結びつき、持続可能な農業経営が実現できるよう、現場の声をしっかりと県政に届け、必要な支援策を講じてまいります。今後とも、山川みかんのさらなる発展のために全力を尽くしてまいります。

【💫歴史的瞬間🎤高市新総理が語る「ワンヘルス」推進への決意✨】

 長年にわたり、日本国内、なかでも福岡県が先導してきた「ワンヘルス」の取り組みが、新政権でも重要な政策のひとつとして明確に位置づけられました。
 日本初の女性総理となった高市早苗総理は、11月5日に開かれた臨時国会で初めて答弁に立ち、自民党参議院議員会長の松山政司議員の代表質問に対し、ワンヘルスの理念を踏まえた政策推進への強い意欲を示しました。

 松山議員の質問と高市総理の答弁は、下記の動画でご覧いただけます。
 ぜひ、この歴史的な瞬間をご確認ください。
 ↓↓↓

 ワンヘルス(One Health)は、「人と動物の健康、そして環境の健全性はひとつにつながっている」という考え方のもと、分野の垣根を越えて協力し、地球規模の課題に取り組む国際的なアプローチです。
 この理念は、2013年に日本獣医師会長に就任した藏内勇夫先生(現・世界獣医師会次期会長)と、当時日本医師会会長だった横倉義武先生(現・名誉会長)が、人と動物の感染症に対する危機感を共有したことをきっかけに、具体的な取り組みが本格的に進められるようになりました。

 松山議員は質問の中で、世界人口や人・物の移動が増える中、新型コロナウイルスのような人獣共通感染症(パンデミック)のリスクが高まっている現状を指摘。
 さらに、動物由来の感染症や薬剤耐性菌などの課題に対して、ワンヘルスの考え方に基づく取り組みが広がっていることに触れました。


 福岡県では、「ワンヘルス推進条例」の制定や、県内全60市町村での「ワンヘルス宣言」採択など、全国でも先進的な取り組みが進められています。
 また、アジアのゲートウェイという地理的特性を活かし、「ワンヘルスセンター」の整備や、アジア獣医師会連合(FAVA)ワンヘルスオフィスの開設など、国際的にも注目される活動が行われてきました。

 国レベルでも、人獣共通感染症や薬剤耐性菌への対策を担う「アジア新興人獣共通感染症センター」の設立に向けた準備が進められており、来年4月には31年ぶりに世界獣医師大会が日本で開催される予定です。
 さらに、ワンヘルスの理念は政府の「骨太の方針」やG7広島サミット、日中韓サミットなど、国際的な場でも繰り返し確認されています。


 松山議員が「高まる脅威に対し、内閣としてどのように体制を強化していくのか」と問いかけたのに対し、高市総理は「人・動物・環境という分野横断的な課題に、関係者が連携して取り組むことが重要であり、ワンヘルスの考え方に基づいて総合的に対応していく」との考えを示しました。

 そのうえで、今後の具体的な取り組みとして次の三点を挙げました。
 ① 人・動物・環境を含めた監視体制の強化
 ② 分野横断的な連携の推進
 ③ 地方での取り組み支援(福岡県のワンヘルスセンターなどを参考に)

 この答弁によって、国としてもワンヘルスアプローチを本格的な政策の柱とし、福岡県の先進事例を生かしながら、人・動物・環境が連携する仕組みを全国へ広げていく方針が示されました。
 パンデミックなどの地球規模の脅威に備えるための新たな一歩として、大きな意義を持つ答弁といえます。

【🌸戦後80年:平和への想いを未来へ繋ぐ🕊️✨】

 令和7年11月8日(土)、福岡市天神のFFGホールにて「戦後80年平和記念講演」が開催されました。戦争の悲惨な記憶と平和の尊さを次世代へ伝えることを目的としたもので、当初は8月に予定されていましたが、豪雨災害により延期されていました。


 冒頭、服部知事は、先の大戦で約310万人もの命が失われたこと、福岡市も昭和20年6月に大空襲の被害を受けたことに触れ、犠牲者への哀悼の意を表しました。そして、「二度と戦争の惨禍を繰り返さぬよう、平和の尊さを語り継ぐ責任がある」と述べ、「笑顔あふれる平和な福岡を築いていく」と力強く誓いました。


 続いて挨拶に立った藏内勇夫県議会議長は、「いま私たちが享受する平和は、多くの犠牲の上に築かれたものであり、決して忘れてはならない」と強調。ロシアによるウクライナ侵攻など、世界でなお紛争が続く現状に触れ、「県議会としても平和への意思を国内外に発信していく」と述べました。


 第1部では、福岡県遺族連合会副会長の田中玉喜氏が、自身が6歳の時に父を旧満州で亡くした体験を語り、戦後を生き抜いた母や祖父の姿を通して、戦争の痛みと平和への願いを訴えました。特に、認知症が進んだ母が晩年もなお軍歌「戦友」を口ずさんでいたエピソードは、家族の深い祈りを象徴するものでした。


 田中氏はまた、朝日新聞に掲載された「戦後70年 軍服の速写写真から描く戦争」という記事に心を打たれ、取材対象だった行橋市出身の芸術家・丸山里奈さんを訪ねたことを紹介。彼女が描いた18枚の肖像画は、戦争の記憶を次世代へ伝える貴重な作品として大刀洗平和記念館に展示されました。当日、会場には丸山さんも出席し、「平和は戦没者と遺族の歩みの上に築かれたもの」と語り、今後も芸術を通じて平和を訴えていく決意を示しました。

 本講演は、戦争の記憶と教訓を改めて心に刻み、平凡な日常の尊さを再認識する機会となりました。二度と戦争を繰り返さず、平和な社会を次の世代へとつなげていくことを誓い合う一日となりました。

【🌸筑後から広がる✨ワンヘルスが紡ぐ未来🌿💫】

 筑後広域公園 九州芸文館にて、「第六回 ワンヘルスフェスタ2025 in筑後」が盛大に開催されました。

 今回のフェスタは、福岡県のワンヘルス推進において歴史的な節目の開催となりました。それは、県内60の全市町村が先月までに「ワンヘルス推進宣言」を完了し、「全市町村宣言」という快挙を達成した直後だったためです。この成果により、福岡県の取り組みは「新たなステージへと進んだ」と高く評価されています。


 来賓挨拶では、藏内勇夫福岡県議会議長が、国会関係者との意見交換を踏まえ、野生動物との共生を「短期的な対処」と「中長期的な目標」の両面から考える必要性を強調されました。
 現在、熊が人里に降りてくる問題が深刻化しています。短期的には「人命に関わるため、防除を行わざるを得ない」という現実を受け止めつつも、中長期的には「野生動物と人間が共に生きる社会のあり方を構築することが重要だ」と述べられました。大きな生態系の破壊は、最終的に人間社会にも影響を及ぼすものであり、国際的な信頼にも関わると指摘。ワンヘルスの理念は、人間が引き起こした環境変化を見つめ直し、自然との共生を回復する道を示しています。

 福岡県の取り組みは、国レベルでも注目されています。国の「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針)にもワンヘルスアプローチが言及され、国会では高市大臣が「福岡県のワンヘルスセンターの取組を参考に、人共通感染症の脅威に対応していく」と答弁されました。
 また国際的にも、マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏の財団関係者が国際フォーラムに派遣され、特に福岡県の高校生による学びの姿勢とその吸収の早さに深い感銘を受けたとのエピソードが紹介されました。


 会場の九州芸文館では、体験型の企画が多数展開されました。ワンヘルス子ども研究所やダンボール工作教室、八女工業高校生によるワークショップのほか、「ワンヘルス宣言事業者」による認証商品の販売や展示も実施。屋外では、ふれあい動物園や謎解きウォーキング、グルメキッチンカー、保護猫の譲渡会も開かれ、来場者で賑わいました。


 高校生の研究発表では、山門高校のブースにて、ニホンウナギの持続可能な水環境維持に関する研究が披露されました。ウナギの育成水槽に落ち葉を入れ、付着した微生物がアンモニアを吸収して水質を保つという、自然の浄化力を活用した発想が注目を集めました。

 今回のフェスタを通じ、ワンヘルスの理念が一層県民に浸透し、健やかで持続可能な暮らしへと繋がっていくことを心より期待しています。


(個人的には、NHKキャスターでワンヘルスの伝道師の佐々木理恵さんと一緒に写真が撮れたのはラッキーでした😁 )