【総務企画地域振興常任委員会管内視察 みやま市・久留米市・ひこぼしライン】

私が所属する総務企画委員会の管内視察が2月13-14日に行われました。備忘録代わりに書き留めておきます。

○ みやま市 メタバースによる取組について
国のデジタル田園都市国家構想交付金を利用して、みやま市に現存する国指定無形文化財「幸若舞」、県指定無形文化財「新開能」をメタバースを活用して紹介している取組を視察しました。
残念ながらメタバース体験は出来ませんでしたが、委員各位からは活発な質問が飛び交い、大変関心が高かったです。

○ 久留米市 特設サイトを活用したふるさと納税の取組について
地方自治体の新たな財源として活用されている「ふるさと納税」。令和4年度は全国で約9654億円(5184万件)と過去最大になっています。一方で、人気返礼品を擁する一部自治体に寄附が集中するなど自治体間の二極化が進む中、久留米市の生き残り戦略を視察しました。
久留米市は、外部ポータルサイトの利用とは別に、市独自で特設サイトを立ち上げ、ポータルサイト運営者に払う利用料分を利用者へ還元するような仕組みを構築して努力されています。

○ JR九州 日田彦山線BRT ひこぼしライン
平成29年7月九州北部豪雨により壊滅的なダメージを受けた日田彦山線。地域住民とJR九州の合意形成に向けて、九州自立の会・福岡県議会の共催で勉強会や対話集会などを重ね、最終的にBRTによる復興が決定した経緯があります。


2023年8月28日に開業した日田彦山線BRT「ひこぼしライン」を視察して参りました。


一般道区間では学校や病院など生活に密着したエリアに24駅のBRT駅が増設され、同時に専用道を存続させることで定時制も確保させています。また運賃は鉄道時代と同等、ダイヤは鉄道時以上の本数を設定することが出来ました。地方の公共交通維持が今後の大きなテーマとなるなか、一つの参考事例になる「ひこぼしライン」でした。

今回は自分の地元みやま市を視察しましたが、他地区選出議員の反応が非常に興味深かったです。
今後の県政振興にしっかり役立てて参りたいと思います。

【総務企画地域振興委員会管内視察 大野城・宗像・北九州】

私が所属する総務企画地域振興常任委員会で、8月17−18日に管内視察をしてまいりましたので備忘録代わりに書き留めます。

○ 福岡自治研修センター(まなびのやど福岡)
大野城市にある福岡自治研修センターは、福岡県と県内市町村の職員研修を目的に昭和63年2月に大野城市に建設されました。老朽化が進み、また時代の変化にも対応するために、今までの職員研修だけを目的とする施設では無く、広く県民に学びの場を提供し、学習活動及び交流の促進に寄与するため、2023年4月に民間企業や団体も研修やスポーツ合宿に利用できる「まなびのやど福岡」としてリニューアルオープンしました。


大野城市選出の井上順吾県議が地域の声を聞きながら、行政に働きかけ実現した事業です。
今回の視察では指定管理者であるOMグループから、施設運営のご説明と、施設内の見学をさせていただきましたが、早速地元高校生の国際交流合宿などで新たな賑わいを見せていました。また、リニューアルして一般開放されたレストラン「四王寺の森」は手頃な価格と健康に配慮したメニュー、そしてお味も好評とのことで、ランチなどは人手が足りないほどだそうです。一泊、大人2700円、子供1350円と安価なためスポーツ合宿などで夏休み期間はスポーツ団体からの申込みが殺到してるそうです。

○ さとづくり48プロジェクト「日の里団地 さとのひワンダーベース概要」
宗像市にある日の里団地は旧日本住宅公団(UR都市機構)によって約50年前に完成し、最盛期には約20000人が暮らす九州最大級の共同住宅でした。建物の老朽化と住民の高齢化、空き家空き地の増加が進み、住宅団地の再生事業として西部ガス(株)と東邦レオ(株)が共同で運営しているのが「さとづくり48プロジェクト」です。


ご多忙な中、西部ガスまちづくりソリューショングループ馬場さまと、日の里エリアの活性化を継続して支援していらっしゃる宗像市議の吉田さんにご説明を頂きました。有難うございます。

○ 北九州市エコタウンセンター「次世代エネルギーパーク」
北九州市若松区響灘地区にある北九州市エコタウンセンターを視察しました。この地区は風力発電、太陽光発電、バイオマスなどエネルギー供給の総合ショールームとして、地域の成長を支えると共に環境・エネルギー問題を解決する拠点です。


その中でもランドマークとして有名だった10機の地上風力発電機は、設置から約20年を経て、今年から撤去作業が始まっています。
今回は、地上風力発電に代わり、今後進められる洋上風力発電事業のロードマップ、産業集積、風車市場、拠点港化への広がりなどをご説明頂きました。
以上、駆け足になりましたがレポートです。今回の視察を今後の県政振興にしっかりと繋げてまいります。

【#岸田総理、被災地視察 #激甚災害指定】

#岸田文雄 総理が急遽福岡を訪問し、先日の大雨災害で土石流が発生した #久留米市 #田主丸 を視察されました。

被災された女性が涙ながらに当時の恐怖や生活再建への不安を訴えられ、総理はじめ一同は国県市の連携で一日も早い復旧復興を目指すことをお誓い申し上げました。


また、#自民党 #福岡県連 で取りまとめた国への要望書を岸田総理直々にお渡しすることも出来ました。


#岸田総理は視察後、私どもが要望していた「激甚災害指定」について手続きを迅速に進めることをご決断いただきました。

これにより、県や市が行う災害復旧事業等への国庫補助の嵩上 げや中小企業者への保証の特例等、特別の財政助成措置が講じられます。また農業者の収入保険にも大きな影響があります。

引き続き、一日も早い復旧復興の為に、自分の職責をしっかり果たしてまいります。

【台湾友好議連とワンヘルス調特委の合同視察 in 台湾】

 3泊4日の視察を終え昨日帰国。大変実り多い視察でした。


 台湾総統府 黄重諺 副秘書長(日本では内閣官房副長官に相当)、台湾日本関係協会 笵振國 秘書長、故宮博物院 簫宗煌 院長、新竹サイエンスパーク管理局 王永壮 局長などとの忌憚の無い意見交換の中で、日台関係において福岡県が過去に果たしてきた役割をしっかりお伝えし、未来を見据えた新たな関係構築に前向きな共通認識を持つことが出来ました。


 特に、熊本へ来年進出するTSMCに付随する半導体関連産業誘致や、九州国立博物館で開催された故宮博物院展から10周年を記念する新たな展示会の実施については、大きな一歩が踏み出せたと感じます。


 また、第36回世界獣医師大会ではアジア獣医師会長で自民党県議団相談役でもある藏内勇夫会長が「ワンヘルス特別賞」を受賞され、ラファエル・ラガンス世界獣医師会長より表彰されました。


 ラガンス会長からは藏内会長の尽力により、福岡県議会が世界に先駆けて「ワンヘルス推進基本条例」を成立させた事を高く評価するお言葉を賜り、福岡県がワンヘルスの世界的先進地になりつつある事を改めて実感した次第です。

【参議院自民党政審会「福岡県のワンヘルスの取組」視察】

 服部県知事の主要施策として日本でも最先端の取組が進む「ワンヘルスの推進」を参議院自民党政策審議会の皆様が視察にお越しになりました。
 メンバーは参議院自民党政審会 #松山政司 会長、#大家敏志 会長代理、#中西祐介 副会長、#石井正弘 副会長、#中田宏 参議院議員の5名。


福岡県議会議員からは、先日FAVA会長にも就任された日本獣医師会長 #藏内勇夫 自民党県議団相談役、ワンヘルス特別委員会 #秋田章二 委員長 と私の3人、そしてワンヘルスセンター設置予定地としてみやま市の松島市長・宮本副議長がお迎えしました。

 筑後広域公園で先日お披露目がされた隈研吾氏監修のワンヘルスカーボンゲートを視察の後、九州芸文館にて福岡県ワンヘルス推進室より県の取組とワンヘルス認証制度について詳細な説明がございました。


 その後、日本獣医師会から「ワンヘルス施策の推進に関する要請書」が手交され、藏内勇夫日本獣医師会長から将来的な人獣共通感染症への備えとして法整備や、現在東京にしか施設が無い国立感染症研究所の出先機関を九州に設置する必要性ついてご説明がありました。


 今後国政においても大きなスポットライトが当たる「ワンヘルス」。その主要拠点となる #ワンヘルスセンター が令和9年に #みやま市 の #保健医療経営大学 跡地に開設予定です。県南の飛躍の鍵として県政の中で引き続き全力で取り組んで参ります。

【福岡県ワンヘルス国際フォーラム2022 + FAVA】

 11月12−13日は第21回 #アジア獣医師連合(#FAVA)大会の開催に合わせて「 #福岡県OneHelth国際フォーラム2022+FAVA」 がヒルトン福岡シーホークホテルにて同時開催されました。


 FAVA大会はアジアオセアニア地域23ヶ国の獣医師の皆様約2000人が集結し「アジアからのワンヘルスアプローチ〜動物と人の健康は一つ。それは地球の願い〜」をテーマとされており、福岡県ワンヘルス国際フォーラムは渾然一体となり、一般参加者含め全てがワンヘルスへの理解を深め、今後更なる推進が広がっていく期待に満ちた催しとなりました。以下備忘録

 11月12日(土)福岡県ワンヘルス国際フォーラム+FAVA:

 基調講演:世界医師会オサホン・エナブレレ会長、世界獣医師会ラファエル・ラガンス会長、国連で環境計画等の責任者を務めるドリーン・L・ロビンソン氏が務め、正に「人・動物・環境」の健康を世界の頂点で護る方々のお話しに触れる事が出来ました。


 県民講座:テレビでお馴染みの #坂上忍 さんをお迎えし、#藏内勇夫 #アジア獣医師会長 #服部誠太郎 #福岡県知事 を交えた鼎談。坂上さんが千葉に作られた「#さかがみ家 」という犬猫の保護ハウスのご紹介など、身近な事例を交えてワンヘルスへの理解を深める事が出来ました。坂上さんは藏内会長が大分県九重で進める #九州災害時動物救援センター (大規模災害時にペットなどの長期保護を行う施設)の取組に痛く感心され、坂上忍さんと藏内会長でお互いの施設を見学しようという約束がサプライズでなされました。


 ガラディナー:FAVA大会 藏内勇夫会長、服部誠太郎福岡県知事、高島宗一郎福岡市長から連名でのご招待を頂き、ガラディナーにも参加させて頂きました。前述の世界医師会長・世界獣医師会長はもちろん、麻生太郎自民党副総裁、林芳正外務大臣、横倉義武日本医師会名誉会長をはじめとする豪華絢爛な参加者の皆様とともに福岡の食文化を存分に堪能して頂きながら交流を深める事が出来ました。







 11月13日(日)第21回アジア獣医師会連合(FAVA)大会 特別シンポジウム:

 「アジアからのワンヘルスアプローチを考える」と題して、一般参加も可能な特別シンポジウムが行われました。冒頭、日本獣医師会長でもある藏内勇夫FAVA会長、日本医師会 横倉義武名誉会長、世界獣医師会 ラファエル・ラガンス会長らからそれぞれの会におけるワンヘルスの取組について、そのきっかけとなるエピソードも含めご説明がありました。またWHO(世界保健機構)とOIE(国際獣疫事務局、獣医界のWHOのような存在)の代表者からワンヘルスの取組とそれに寄せる期待が御披瀝されました。


 その後、午後にはワンヘルス先進地である福岡県から草場治雄 福岡県獣医師会長、そしてワンヘルス実践教育が行われている八女農業高校・鞍手高校の生徒さん等からその取組や現場からの率直な感想が疲労されました。八女農業高校・鞍手高校の皆さんは全て英語を使用してのプレゼンテーション、入念に準備された事が伝わってくる素晴らしいプレゼンでした。



 そして最後に「#アジアワンヘルス福岡宣言2022」の提案・採択、そして調印が行われ第21回FAVA大会は無事幕を閉じました。





最後に大会会長として閉会のご挨拶をされた藏内FAVA会長、感無量の安堵された表情が本大会を成功に導くまでの御苦労を物語っているようでした。関係者の皆様、素晴らしい大会を有難うございます。


 福岡県は令和9年に全国初のワンヘルスセンターをみやま市に開設予定です。今大会を通じて得た知見を存分に活用し、私もワンヘルスの推進に自民党県議団の一員として汗を流していきたいと想いを新たに致しました。

【総務企画地域振興委員会 管内視察〜福岡市博多区、福津市、宗像市】

 私が所属する総務企画地域振興委員会で、5月10〜11日に管内視察をして参りましたので備忘録。

○ 博多区役所「新しい博多区役所の概要」
 5月6日に新たに開庁されたばかりの福岡市 博多区役所新庁舎。まだ実営業3日で、会議室には開梱していない段ボールがあったりする中、馬場区長にもご多忙の中ご出席賜り、概要や特徴をご説明頂きました。

 新庁舎は地上10階建て、高さ44.79m、延べ床面積約1万5千㎡。さすがは人口25万人を抱える博多区、外観だけで圧倒されそうでした。

 大規模災害時の防災拠点とするために、旧博多区役所を耐震補強して改築するか、新築するかの議論がありましたが、免震構造や電気・上下水道・再生水のインフラが途絶しても72時間機能継続可能な区役所機能を実現するためには、コスト的に改築より新築の方が安くなるため、新築建替を選択したとのこと。


 また、屋上に太陽光パネルの設置はもちろんですが、窓ガラスにシースルータイプの太陽光発光ガラスや、人検知センサーによる照明空調最適制御システムが採用されています。また、屋上緑化で多肉植物が配置されていたり、SDGs、脱炭素にも充分な配慮がされています。

○ 福津市まちおこしセンター津屋崎千軒なごみ
 2016年、私が総務企画地域振興委員長をしていたときに、福津市の移住定住政策で先進的な取り組みをされていた、津屋崎ブランチの山口覚代表のお話しを伺い、それ以来いつかは訪れたいと思っていた津屋崎千軒をやっと訪問する事が出来ました。

その当時のブログはコチラ↓
2016年11月17日【総務企画地域振興委員会管内視察 福津市、宗像市、糸島市、九州大学伊都キャンパス】https://itahashi.info/blog/20161117015746


 公務ご多忙の中、原崎市長から直々に津屋崎千軒のまちづくりや空き家対策などご説明頂いた後、豊村酒造さん、津屋崎千軒民族館「藍の家」さんを訪問し築120年以上の建築物を活かしたまちづくりについて、御苦労話も交え伺って参りました。


 まちづくりは人づくり。行政主導ではなく、牽引する人を育てる事が重要だと改めて認識させられます。

○ 宗像地区消防本部 管内の状況について
 昭和48年に発生し死者2名重軽傷者9名を出した日の里公団アパートプロパンガス爆発火災を契機に、広域消防の重要性が高まり設立された、宗像市・福津市を所管とする宗像地区消防本部。


 「AEDステーション制度」「コンビニAED制度」など、地域の市民が身近なAEDを利用できる環境作りを進められたり、「ファーストレスポンダー制度」という、事前にファーストレスポンダー(事故、自然災害、テロなどの緊急事態にいち早く到着し、支援を提供する専門的な訓練を受けた人のこと)として認定を受けた消防団員や市民へ、消防本部から出動を要請し、現場に急行して心肺蘇生など応急手当を行う制度があったり、住民の安全安心を高める具体的で独自の仕組みを構築されていました。

 またドローンを火災原因調査や行方不明者の捜索活動に活用されるなか、一方でドローンは規制が進んできており、オペレーターの養成が急務である事を訴えておられました。

 最後に消防救助技術の訓練模様をご披露頂きましたが、ロープブリッジ救出、引き上げ救助ともに全国大会レベルの高い練度で一同拍手が起こりました。


 視察にご対応頂いた皆様、本当に有り難うございました。今回の視察で得た学びを、今後の県行政にしっかり活かして参りたいと思います。

【総務企画地域振興委員会 管外視察 高知・香川】

私が所属する総務企画地域振興常任委員会にて今年度初となる管外視察を11月9-11日の二泊三日の行程で実施しました。備忘録として綴ります。

○ 四万十市役所〜地震津波対策について〜


近い将来南海トラフ地震の発生が予想されるなか、四万十市は土砂災害警戒区域が約1900カ所、3本の一級河川を抱える四万十川流域は、想定最大規模降水時要避難者が2万人を超えると予想されており、四万十市の防災対策について、地震防災課からご説明を頂きました。
特筆すべきは、プライバシーの問題などもあり、多くの自治体で作成に苦労している避難時の要支援者リストがほぼ100%出来ている事です。


四万十市によると、行政が主体としてやるのではなく、地元主体で作成を進めたとの事。最初は地元区長等の負担が大きく不満も出たが、完成してしまうとその価値をよく理解頂けたそうです。

○ 日高村役場〜村まるごとデジタル化事業について〜


高知県日高村は今年5月日本全国に向けて「日本で初めてスマートフォン普及率100%を目指す村」を宣言しました。


日高村で生活する全ての住民をエンパワーメントする事を目的に、Society5.0の実現に向けて、KDDIや(株)チェンジとの包括連携協定などの説明を頂きました。

○ 高知県庁〜濱田省司高知県知事表敬訪問〜


濱田知事は平成7年から福岡県にて財政課長などを務められた経歴があり、その御縁で今回知事表敬が実現しました。
当時の福岡県議会の苦労話など貴重なお話しを伺うことが出来ました。

○ 瀬戸内ワークス(株)〜人と地域を繋ぐ地域活性化の取り組みについて〜


讃岐うどんを学びながら地域を楽しむ「うどんハウス」など様々な事業展開を通して街の関係人口を増やす取り組みを行う瀬戸内ワークス。代表の原田氏は楽天などで地域活性化の取り組みの経験を活かし、父母ヶ浜でブレイクしている香川県三豊市に移住。地域の魅力的なプレイヤーと共に、地域にコミットして多様なチャレンジを行っています。


印象に残ったのは
「都会の人は地方に住むことに興味があっても『地方には仕事が無い』という。一方で地方で新しいチャレンジをしようとする人は『地方には人が居ない』という。ここにミスマッチが起きている」
という言葉。衝撃的でした。

○ 丸亀市川西コミュニティセンター 〜川西地区自主防災会の取り組みについて〜


川西地区自主防災会は平成7年に設立以来、内閣総理大臣表彰・総務大臣表彰を受賞しています。公民館活動からコミュニティ活動へ地域の課題を自主的・自発的に解決しようと進化していった過程を、岩崎会長からご説明頂きました。

○ 高松市役所 〜中心市街地活性化基本計画について〜


人口41万5千人という四国最大の都市である高松市。2019年から2025年にかけて計画されている第三期高松市中心市街地活性化基本計画についてご説明を頂きました。


第二期において目標指標が達成出来ないなどの反省を踏まえ、新たな都市像、基本方針、目標指標と目標値の設定を掲げ、事業が進められています。

今回の視察内容を踏まえ、今後の県政振興にしっかりと活かしていきたいと思います。

【令和3年8月豪雨について】

 8月11日から始まった8月豪雨ですが、降ったり止んだりを繰り返し、やっと本日災害対策本部が廃止(復旧復興本部に移管)となりました。


 自民党県議団においても、災害対策本部を立ち上げ、時節柄参加者を厳選して県内の被災地視察を行っております。


 みやま市においては11日から14日にかけて約1000mmを超す降雨量が記録されました。


 みやま市の被害は、軽症1名、床上浸水10件の他、道路・河川被害や土砂災害が起こっています。


 特に今回は、豪雨が長く続いたことから、地盤が緩み土石流の発生、土砂災害、または地滑りの危険性が高まっている箇所が多く発生しています。


 現場の手を煩わせないようタイミングをずらし、地元区長さんなどの要請に応じて、出来うる限りの現場を拝見させて頂きました。


 国県市よく連携を取り、それぞれ役割分担しながら、一刻も早く安全を確保して、復旧復興出来るよう尽力する所存です。

【果樹振興議員連盟視察ー筑後市・久留米市】

7月14日、私が事務局長を務める、福岡県果樹振興議員連盟(原口剣生会長)が管内視察を行いましたので備忘録。

◎ 筑後市 ブドウ生産圃場
 JAふくおか八女ぶどう部会は部会員数315名、栽培面積158haで巨峰、シャインマスカット、ピオーネ、デラウエアなどw栽培しています。令和2年の出荷量は1928t、販売金額は過去最高の27億7千万円。


 主力品種である巨峰はタネあり栽培から種なし栽培への転換が進み、巨峰全体の6割を占めます。また近年シャインマスカットの生産も拡大しています。


 お暑い中JAふくおか八女岡田専務理事、今村係長、ぶどう部会長江崎様、園主の角整樹様(平成29年 県農林水産まつりにて、農林水産大臣賞受賞(集団指導者の部))にも同席頂き、試食までさせて頂きました。シャインマスカットの糖度は20度を超えて、巨峰より甘いとの事。これは子供達が大好きな訳です。

◎ 福岡県農林業総合試験場資源活用研究センター
 平成26年に、農業総合試験場、森林林業技術センター、病害虫防除所が合併し、資源活用研究センターが久留米市山本町に設置されました。

こちらでは、苗木の試験研究についてご説明を森山センター長、松井苗木花き部長に頂きました。


 人間界は新型コロナウイルスで大混乱しておりますが、柑橘類の世界でもウイルスは存在し、ウイルスに感染すると樹勢の低下や枯死、果実品質や収量が低下するため、安定した果樹製産の為にはウイルスに感染していない健全な苗木(ウイルスフリー苗)の製産が重要です。

 そこで、資源活用研究センターではウイルスフリー苗を生産供給し、苗木生産者自らもウイルス感染の有無が診断できる技術を開発しました。


 現場では実際に、カラタチと温州ミカンの苗木を接ぎ木して生産しているものを見学させて頂きました。苗と苗をくっつけてるだけですが、見事に新しい品種になっている姿を目の当たりにし、植物の生命力の強さを実感しました。

 お忙しい中視察に対応して頂き関係各位には本当に有難うございました。今回の視察を今後の県政振興に活かしていきたいと存じます。

【オーストラリア大使館との意見交換会】

私が副会長を務める福岡県議会国際交流議員連盟では、2018年からオーストラリア ニューサウスウェールズ州(以下、NSW)との関係構築に向けて、領事館や観光局などの出先機関との情報交換や、ラグビーワールドカップ日本大会のプロモーションもかねてオーストラリア訪問などを行ってきました。
今年は、県職員をオーストラリアのCLAIR(自治体国際化協会)に派遣したり、オーストラリア訪問などを計画し友好提携に向けて大きく前進できるかと期待しておりましたが、ご存じの通りコロナのために全く動きが止まってしまいました。
まだまだオーストラリア本国への行き来は難しいものの、オーストラリア大使館と現地の状況を含めた意見交換をしてお互い前向きに取り組む体制作りを目指し、国際交流議員連盟の樋口明会長、井上博行事務局長とで東京に出張してきました。
NSW担当コミッショナーのPeter Knight氏、主席商務官の嶋田氏らとラグビー・サッカー等を軸としたスポーツ交流、農産物を通じた交流、水素エネルギーの研究についての大学間交流、交換留学など、ざっくばらんに意見交換が出来ました。
人と人との交流が困難を伴う今だからこそ、新しい関係性を構築するには、地道ですが膝をつき合わせた定期的な意見交換は必要だと強く感じた次第です。
今回、なんと1月末以来、約9ヶ月ぶりの東京。大学進学して以来、こんなに東京に行かなかったことは初めてでした。週末と祝日の狭間だからかも知れませんが、人や車は少なかった。以前が過密すぎたと思えば、混雑によるストレスがなくて快適とも言えるのかもです。

【総務企画地域振興委員会管外視察 鹿児島・熊本】

私が所属する総務企画地域振興委員会にて鹿児島と熊本に管外視察を行いました。新型コロナウイルス感染症の影響で、今年度初めての管外視察でした。感染症対策には配慮しながら、経済的な視点からも視察のような移動を伴う活動のレベルを少しずつ上げていくことは肝要です。

○ 鹿児島県議会「令和2年度台風など災害対策」「離島における地域振興」
九州南部から南西諸島にかけて台風の通り道となりやすい鹿児島県は、台風の被害を毎年のように受けております。今年の台風9号10号などの被害についてヒアリングをし、鹿児島県防災対策基本条例などをはじめとする、県の危機管理体制について、災害対策課黒﨑課長よりご説明をうけました。


また、鹿児島県は離島人口16万人(全国1位)、離島面積2,476㎢(全国1位)、有人離島数27島(全国4位)と全国有数の離島県であり、鹿児島県離島振興計画に基づく各種事業のほか、県独自の社会基盤や生活基盤の整備、産業振興に取り組んでおり、それらについて離島振興課の大西課長よりご説明を頂きました。

○ 姶良市「中山間地域の定住促進・地域活性化について」「まちづくりNPO法人Lab蒲生郷の地域振興の取組」
姶良市は平成22年に3つの町(姶良町、加治木町、蒲生町)が合併し誕生しました。人口数は平成2年に約6万8千人でしたが、令和元年に77,378人と大きく増加しています。


日豊本線沿いの中心地は鹿児島市のベッドタウンとして、小学校が新たに開校するほど大幅に人口増加していますが、一方で、市の面積の大半を占める中山間地からは人口流出が止まらず、二極化が進んでいます。

持続可能な地域づくりの為に、市内全域ではなく、中山間地に特化した手厚い移住定住促進事業を行い、新たに田舎暮らしを選択する移住者の獲得に尽力されています。

私の地元みやま市も、3つの町が合併して出来た市で、人口減に喘いでいますが、姶良市のメリハリを付けた移住定住促進事業は大変参考になりました。


また、NPO法人Lab蒲生郷 小山田邦弘代表から、中山間地エリアである蒲生の地域活性化のための活動をご説明頂きました。蒲生には日本一の巨大楠があり、それを地域のシンボルとする活動で郷土愛を育んでいる事業は印象的でした。みやま市には、巨大楠は無いものの、楠は市の木であり、中の島公園には国指定天然記念物である900本の楠の森があり、なにかコラボが出来ないか研究してみたいと思います。

○ 益城町「熊本地震後の防災の取り組み」「仮設住宅における被災者の現状・地域コミュニティの取り組み」
震度7x2からの復興、と題して平成28年熊本地震からの復旧復興に取り組んでいらっしゃる益城町。現在はインフラなどの復旧は多くが完了し、生活再建を支える為の災害公営住宅も整備が終わり、ッ加えて町中心部では、土地区画整理事業をはじめとする将来を見据えた新たなまちづくりを着々と進めていらっしゃいます。


会議冒頭、益城町西村町長のお話しが大変印象的だったので抜粋してご紹介します
⇒ 大規模災害に直面して、公助の限界を感じた。消防・自衛隊などが本格的に機能するのは災害発生後半日ほど経ってから。それまでは自助共助が大切である。
⇒ 前震後、多くの被災者が訪れた、指定避難所である総合体育館メインアリーナだったが、屋根が一部剥がれている事が判明。賛否有ったが、急遽非難を受け入れないことにした。翌日の本震で全ての天井が剥がれ落下したため、もし町長としてスタンドプレーをして、避難者を受入れていたら多くの人的被害が出た。冷静に判断出来て良かった。
⇒ 災害時、被災者の行き場のない怒りの矛先は町職員に向かう。町長として、職員をしっかり守ってあげることが大切。
⇒ 過去は学芸会のような、シナリオがある防災訓練をやっていた。実際の災害では、事前にシナリオなどは用意されていない。実情に応じた防災訓練が必要。今は事前に職員町長にも知らせず、抜き打ちで朝6時半に災害訓練実施のメールを発出し、その時最初に到着した職員が、災害対策本部会場の使用の可否の判断、停電を想定して発電機投光器の準備をするなど、本番さながらの訓練を行なっている。
⇒ 大規模災害を経験し、益城町職員には災害対応のノウハウが身についた。災害発生したら被災地に職員を積極的に派遣して貢献するようにしている。それは被災地の為でもあるが、様々な災害対応を職員が経験することにより、益城町が更に災害に強い町になる。
⇒ 台風10号は大きな被害がなかった。災害準備は空振りに終わったという人もいるが、素振りだと思っている。素振りはすればするほど力がつく


プレハブの町役場の入口には「よみがえれ益城!」と書かれたくまモンのオブジェ、職員の皆様の災害対応では絶対に他自治体に負けないという覚悟を感じられる視察となりました。

○ 熊本県「AIチャットボットを活用した子育て相談システム」
熊本県では、子育ての制度や手続き、悩みや困りごとの対応を24時間365日いつでも瞬時にAIが対応する「聞きなっせAIくまもとの子育て」システムを熊本県ではLINEと構築されました。

自治体がLINEと協働でAIによるサービスを採用しているというニュースを耳にすることが増えていますが、今回説明を伺い、そのポイントがよく理解できました。


熊本の子育て関連情報を県内市町村と連携して集約。住民が適切な情報に迅速にアクセスする為に、LINEが窓口になるイメージ。検索ならGoogleでも出来る訳ですが、その違いは、ユーザーが多くの検索結果を提示されても迷子になるだけなので、行政があらかじめ提示したFAQの中から対話形式でピンポイントで適切な答えにアクセス出来るようになります。

また、初期費用、教育コスト、システムのメンテナンスもLINEのシステムを利用するために負担が少なくて済みます。因みに熊本では、最初立ち上げに500万円、その後毎年のランニングコストが400万円/年掛かっています。市町村は負担ゼロです。今後複数の県で協働利用を計画されているそうですが、その場合はコストは更に半額程度に安くなるとの事。福岡県でもこのシステムに乗っかっても良いのではと感じました。

1年間で3000ユーザーが登録・利用されていますが、熊本県では一万三千人毎年子供が産まれるが、とりあえず13000人登録を目指すとのこと。ユーザーが増え、利用頻度が多くなればなるほど、このシステムで収集するビッグデータによって、将来的にさらに住民のニーズに寄り添った政策策定が可能になりそうです。

今回の視察内容を今後の県政振興にしっかり活かしていきたいと思います。

【総務企画地域振興委員会管内視察 福岡市早良区/中央区】

8月4日に私が所属する総務企画地域振興委員会管内視察が行われました。昨年3月以降、コロナ渦の中、各種視察もほとんど取りやめになり、久しぶりの委員会視察となりました。

〇 福岡市民防災センター・早良消防署
福岡市民防災センターは、疑似体験を通じて利用者の防災知識の深化を目指した施設です。平成4年1月に開館して累計来館者数は314万人を超えており、令和元年度は9万人を超える来館者を迎えましたが、今年は新型コロナの影響で、2-4月は休館し、ウイルス対策のために一部体験施設を閉鎖するなどしたため来館者は激減し、夏休みにも関わらず閑散としておりました。



また早良消防署では、九州に2台しかない、「拠点機能形成車輌」を視察。
拠点機能形成車輌とは、緊急消防援助隊の後方支援体制強化をし、大規模災害の被災地において長期の消防応援活動を可能とする車輌です。国の無償使用制度をかつようして整備されました。
全長11.9m、幅2.49m、高さ3.58m、排気量9839cc、その大きさは40m級はしご車とほぼ同等。現地での指揮本部を即座に設営可能とし、100人規模での宿営を可能とします。


平成28年熊本地震や平成30年西日本豪雨の広島県、令和2年7月豪雨で熊本県と、昨今の大規模災害において活躍しています。

〇 天神中央公園西中洲エリア再整備事業について
天神中央公園はアクロス福岡に隣接し、芝生広場・貴賓館・福博であい橋などを有する面積3.1haを誇る県営公園です。


その西中洲エリアは、100年以上の歴史を誇る国の重要指定文化財「貴賓館」を中心とした福岡部と博多部を結ぶ絶好の立地にある公園ですが、以前は鬱蒼とした樹木に囲まれ、くつろげる空間が少なく、多くの人が通行しているにもかかわらず滞在時間が短い公園でした。


そこで、公募設置管理制度を活用したPark-PFIにより再整備が計画され、樹木の整理屋照明演出により明るく安全な環境をつくり、飲食を楽しめる賑わいのある空間創出を目指し、令和元年8月に完成することが出来ました。

【みやま市山川町大谷・真弓・立山地区被災状況視察】

 本日はみやま市の中山間地で土砂災害被害が発生した、山川町大谷・真弓・立山、の3地区を、牛嶋市議会議員の御案内を頂き、大谷・真弓両区長をはじめとする地域の皆様との意見交換の場を頂き視察しました。


 大谷地区で発生した土砂災害は、家屋被害の問題はもちろん、真弓地区へ繋がる生活道路を寸断してしまいました。幸いバックアップの農道により、真弓地区自体が孤立することはありませんでしたが、今後災害対策として孤立しない中山間地のインフラ整備はテーマだと思います。


 また立山地区で発生した、道路崩落についても、どのような事業を用いて出来るだけ迅速に復旧させるか市職員の方と綿密に打合せをさせて頂きました。


 国・県・市、それぞれの災害復旧メニューがありますが、しっかり連携をとって出来る限り迅速に、また効果が発揮出来るような復旧復興策をそれぞれの立場で事業化できるよう努力して参ります。

【久留米市、みやま市山川町・高田町、令和2年7月豪雨被災地視察】

7月19日は午前中、自民党県議団・県連合同災害対策本部にて久留米市の被災状況を視察。
久留米市の中島副市長、久留米市議会永田議長をはじめとする大勢の市議会議員の皆様もご同行頂きました。


まず最初に、久留米市の山ノ井川・筑後川合流地点へ。
山ノ井川が筑後川に注ぐ水門は、2年前の豪雨後にも自民党県議団で視察を行い、その際地域の要望に基づき約6kmにわたり堤防かさ上げを行うことをお約束していた箇所で、事業は動き始めております。
一方で、今回の豪雨でも、筑後川の水位が、山ノ井川より高かったため、水門を開けることができず、バックウォーターのような状況になり周辺に出水してしまいました。有明海の干満などの影響もあったり、治水は複合的な対応をせねばならず一筋縄でいかない部分を感じます。


続いて、久留米市北野町の農作物被災地へ。


JAみい平田組合長をはじめ青年部の多くの皆様と直接お話しを伺う機会を頂きました。


この地域はミズナなど葉物野菜を中心に、雇用型による大規模経営が進んでおり、売上1億円を突破する農業経営者が40名以上いらっしゃるとの事。
しかし、ここ4年連続5回目の被災や、コロナ渦により外国人特定技能労働者受入の問題等が重なり、借入が莫大に増えているとの事でした。


こちらにおいても、過去の被災によりハウスへの浸水被害を防ぐブロック積みなどの補助事業を行っていましたが、それを上回る降水量で被害が出てしまいました。毎年のように過去を上回る豪雨被害のために、更なる抜本的な対策を国県市連携して検討する必要があります。

午後はみやま市に戻り、JAみなみ筑後にて、吉田組合長や北原農政連支部長はじめとする皆様から農業被害の聞き取りと現場視察を、地元選出の藤丸敏衆議院議員やみやま市の松嶋市長・荒巻市議会議長とさせて頂きました。


みやま市においては、農産物、機会、園地修復などで今回の被害額は概算6億4千万円に上ります。
冠水により、茄子の収穫不能・設備損害、セルリーやいちごの設備損害、水稲の生育障害など様々な分野に影響を及ぼしています。作物以外にもJAのグリーンセンター・愛菜館・銀水支店の冠水による損害も甚大でした。

その後、高田町亀谷にて溢水によるアスパラガスハウスの浸水被害と、山川町伍位軒地区のみかん園地の地滑り被害などを視察させて頂きました。


時間の制約もあり、全ての被害箇所を視察するわけには参りませんが、詳細な情報はJAや市役所から報告を頂き、国や県で対応が出来るものについて迅速に復旧復興を行えるよう藤丸代議士と連携を取って進めて参ります。

【九州の自立を考える会 JR日田彦山線現地視察】

昨年9月議会において小川知事が「今年度中に解決したい」と決意を述べられた、平成29年九州北部豪雨にて被害を受け、現在も不通となっているJR日田彦山線復旧問題。
知事が期限とした3月末が間近に迫る中、九州の自立を考える会(藏内勇夫会長)に所属する県議会メンバー有志にて、本日(3月8日(日))東峰村を視察をしてまいりました。


宝珠山駅、大行司駅、筑前岩屋駅を視察した後、渋谷東峰村村長、佐々木東峰村村議会議長、片岡日田彦山線の完全復旧を求める会会長らをお招きし、ヒアリング・意見交換会を開催、忌憚なき意見を交換させて頂きました。


意見交換会の最後に、地元選出の栗原渉議長より下記の様に問題点を取り纏めて頂きました:

1)鉄道輸送による定時性・安定性の確保
2)復旧費用をJRによる試算だけでなく、県など他機関による試算でもっと透明性を高める
3)自由に意見を言える場を設けて欲しい
4)地域振興策の必要性


今後、2月議会においては一般質問・常任委員会・予算特別委員会など県の対応を質す機会がありますのでしっかり審議して参りたいと思います。
マスコミも多くの方が取材にお越しになられており、関心の高さが伺えます。

【九州自立の会・福岡県議会北米視察】

 九州の自立・発展を目的として新しい公共政策課題研究に政財界で取り組む「九州の自立を考える会(九州自立の会)」。その会員である福岡県議会議員有志にて米国(ニューヨーク・ボストン)カナダ(モントリオール・トロント)を2月9-17日に視察して参りました。備忘録代わりに主要な視察箇所について書き留めておきます。
 
○ JETROニューヨーク事務所
畠山事務所長、渡辺室長はじめとする皆さんから米国ニューヨークの経済・ビジネス情勢についてご説明頂きました。ニューヨーク都市圏のGDPは1.8兆ドルでカナダ・韓国・ロシアを上回りますが、特にニューヨークにおけるお茶をはじめとする食品分野市場開拓のポイントにつき、米国では国土の広さから日本と同じではコストが掛かりすぎ、省力化効率化の観点でどう進めるかがポイントとのご指摘。
 
○ JNTOニューヨーク事務所
日本政府観光局(JNTO)ニューヨーク事務所 伊勢所長より米国市場における訪日インバウンドの現状についてご説明頂きました。
現在170万人が北米から日本に訪問しているが、ゴールデンルートの一角である京都から広島までは新幹線で移動してくれる。羽田空港の国際線発着枠50枠の内、半分の25枠が米国便となる。乗り継ぎ利便性の大幅な向上により、北米からのインバウンドの恩恵を九州・北海道へ広げていきたいとの事でした。

○ 八女茶プロモーション
八女市によるニューヨークでの八女茶PR事業を視察してきました。


ニューヨーク市内にあるお茶専門店「29b Teahouse」にて開催。八女伝統本玉露 しずく茶、八女ほうじ茶氷締め、八女煎茶スパークリングなどを試飲させて頂きました。


2月5日から八女茶の最高級7茶葉を世界に発信する、日英2言語・世界7通貨対応の公式オンラインショップ「YAME TEA SHOP」が開設されております。
https://yame-teashop.com/
オンラインと実際の店舗によるPRを融合させ、八女茶ブランドの浸透を目指します。

○ 在ボストン総領事館「CICサテライト・オフィス」
平成30年4月に、在ボストン日本国総領事館が、ボストンの起業支援システムの中心に所在するCIC(ケンブリッジ・イノベーション・センター)にサテライト・オフィスを設置しました。


今回は担当領事からご説明を賜り、CIC内部を視察させて頂きました。

○ カナダ・ケベック州移民フランス語化・統合省
少子高齢化が進展する中、日本でも生産労働人口の減少を克服する為に移民をはじめとする様々な方策について議論が行われているなか、カナダは多文化主義政策の下、約200を超える民族が生活し、毎年20万人以上の移民受入をしています。


ケベック州における移民の促進や、移民がケベック州の開発に携わることが出来るように存在しているのがフランス語化・統合省です。
ケベック州はカナダに置いてフランス語を唯一の公用語として使用しており、またカナダ政府とケベック州間で1991年に「移民と外国人の一時的入国に関する合意」という大変ユニークで期限の無い合意を結んでいます。
昨年の総選挙では移民が争点となったが、移民を増やすか減らすかについて、重要なのは、カナダにとって自国の利益になるかどうかであり、移民がそれに資するかどうか議論が続いているところとの事。その観点から、言語・価値観を移民と共有する事が大切。また、安価な単純労働者不足を補うための移民では無く、移民によってカナダに経済的な成長をもたらすことが目的であり、その点で日本における移民の議論とは考え方が違う部分が大きいと感じました。

○ PROMIS(移民難民社会統合・フランス語化支援団体)
PROMISはケベック州を含めた移民の方々のための機関で、州内には約50箇所の同様の機関が存在しています。


昨年6月移民政策が変更となり、難民保護は政府が行いますが、留学生を含むどのような形式の移民もPROMISで取り扱う事が可能となりました。


昨年は127カ国からの移民を扱い、語学研修、雇用援助、文化適合サポートなど、7種類のサービスを無償で提供しています。

○ 在モントリオール日本国総領事館レセプション
伊澤総領事の主催でレセプションを開催して頂きました。


アンドレア・クレメンツ元在福岡県カナダ領事や、西南学院大学、九州大学や早稲田大学など日本からの留学生にもご出席頂き、意見交換を行いました。


皆さんが口々に「モントリオールの方々は本当に人が良く、住みやすい」とおっしゃっていました。その言葉は我々も滞在中、空港やホテル、視察先いろんな所で深く感じ入るところでした。

○ サイバーコネクトツー(CC2)・モントリオールスタジオ
福岡に本社を置き、ワールドワイドに向けたゲーム開発を行うCC2社のモントリオールスタジオを視察。前日の総領事館でのレセプションにもお越しになった日本の血を引くカナダ人Lucas Yujiさんに御案内頂きました。


日本のゲームマーケットは家庭用ゲーム機から、スマートフォンやPCのオンラインゲームなどで遊ぶアプリの市場が大きく伸びていますが、世界市場においてはロシアや東南アジアなど、今まで嗜好品にお金を掛けられなかった国々が経済成長により家庭用ゲーム機の市場引き続き広がっている状況です。



カナダ政府はゲーム産業を支援しており、開発タイトルや開発者に対して人件費の最大38%の助成が行われています。またカナダは英語・フランス語のバイリンガルが多い為、欧米ユーザーに対する言語的リーチが容易になるなど、CC2社にとって大きなメリットがあります。

○ JETROトロント事務所
江崎次長より「カナダの経済概要」について説明を受けました。


日本においてはまだビジネスパートナーとしてのカナダの存在は薄いが、最近はAI分野などでカナダは世界最先端を行っています。
先進国でありながら、移民政策を上手く取り入れ、人口が増え続けており、2050年には4500万人になる予定。
一方で、カナダの貿易はアメリカに依存(シェアが輸入51%、輸出75%)しており、日本は輸入額で5位、輸出額で4位の相手国ではあるが、2%程度のシェアにとどまっている。
日本とカナダの貿易関係はほぼほぼ均衡しており、相互補完的であり友好的。しかし、直接投資額では日本からカナダへの投資が、カナダから日本への投資額を大きく上回っている。
昨今カナダに進出した「無印良品」の方が「カナダは先進国の空白地帯」と表現したが、カナダは所得レベルが高い購買層が多いが手付かずの市場で、日本企業にとってビジネスチャンスは大きいと考えているとの事。
無印良品やユニクロがカナダ進出に成功したが、アメリカで10年掛かったことが、カナダでは3年で出来たとも言われる。この理由は中国系移民が多いことも一因だと考えられる。
テック系の人件費について米国平均を100とすれば、モントリオール・バンクーバー・オタワなどでは同じレベルの人材を60程度で雇える。その点で、カナダはAI人材・研究などでは大変魅力的。また日本との時差や寒冷な気候(データーセンターなどでコンピューターを扱う企業だと冷却費用が安く済む)安い電気料金なども大変魅力的で、更に日本人とカナダ人のメンタリティはアメリカ等と比較しても大変親和性が高いと印象だそうです。

○ 富士通コンサルティング・カナダ
ディレクターの小川様よりご説明を頂きました。


富士通はグローバルICT企業として、ITサービス分野において日本国内1位、世界で第7位。2017年にトロント大学との戦略的パートナーシップを締結し、Fujitsu Co-Creation Research Laboratory at the university of Tronto (FCCRL)という拠点をトロント大学内に設立。
スマート交通、ネットワーク、金融、医療分野で共同研究を実施しています。


カナダでの研究開発のメリットは(1)カナダ政府系の補助が期待できる。(2)GoogleなどのITカンパニーの研究機関がトロントにも多く存在するためタレントをもった若い人が多く集まっている。(3)たくさんのスタートアップがトロントには存在し、技術のインキュベーションが可能。(4)北米はAI市場として最大規模、こういったところで勝負していくことが自分達の為にもなる、との事でした。

○ 日経文化会館(JCCC)
今回の視察で大変印象深かった視察先の一つです。


1877年にカナダへ初めての日本人移民が渡りましたが、太平洋戦争により日本人移民は敵性外国人として私的財産を没収され収容所送りになるなど不幸な歴史があります。その後迫害が解かれ、1964年に75人の日本人が自宅を担保にお金を借りて、日本文化振興の拠点として設立されたのが日経文化会館(JCCC)です。
東日本大震災の時には150万ドルを募金して、日本に義捐金として送って頂きました。



「open to everyone」という考え方で、戦前の日系カナダ人、戦後の移住者、日本の価値観を共有できる非日系カナダ人の3つのグループをサポートするのがJCCCの役割。JCCCは決して日系人の為だけの施設では無く、どのような方が利用されてもOKで、当日も弓道と柔道の教室が行われいましたが、受講者で日系以外の方も沢山いらっしゃいました。
NPOとして寄附を中心に運営されており、政府からの補助金・助成金などはないそうです。


今回はジェームス・ヘロン館長をはじめ、4人の日本人移住者と1人の留学生と意見交換をさせて頂きましたが、口々にカナダが如何に差別が無く、住みやすいかをお話し頂きました。特にアメリカとの比較において、カナダが差別がなく平等な社会かという事を強調されていたのが印象的です。
最後に、トロントに住み着いて50年以上の山本様の言葉が私には大変刺さったので、ここに書き留めておきます:
「外国にいると日本の事が長所も短所もよく見える。これから日本は多文化共生社会になると思うが、日本は歴史上から同一人種が占めていたので、人間の考え方の根本が同一だという意識が大きい。出る杭は打たれやすい。一方カナダは人は全て違うというのが根本認識。多種多様の国籍、宗教が違う人々が協力し合って仕事をしているのがカナダ。(移民政策においては)日本人の意識改革が第一である。今は(外国人を表面的に)受け入れていても、(根本は)違う人種で宗教であるというのが日本。
一方、カナダ人は日本人と違って非常にいい加減。しかしいい加減は人に対しても、自分に対してもいい加減。他人に対して非常に寛容。これが外国籍が暮らしやすい要因の一つではないか?
日系人としての一番の悩みは、日本人が日本人と結婚しない。97%が日本人以外と結婚する。これはダントツの数字。二世三世四世、本当なら日系人が増えるはずなのに、日本の文化伝統がカナダでは広がっていない」

○ トロント公共図書館
30年前に両親と移民としてトロントに移住したエルサ・ヌガン氏が多文化サービス担当者として説明をして頂きました。


トロントはカナダでも最も移民が多く住んでいる都市で、カナダの人口のうち7.8%を占めているのがカナダ最大の都市トロント。国勢調査ではトロントでは200以上の言語が話されており、人口の44%は英語またはフランス語以外の母国語。また26%は家庭内で英語・フランス語以外の言葉を喋っています。


そんな環境の中、トロント公共図書館は、移民の方々がカナダに慣れ親しんで貰う為に、語学研修、職探し・運転免許の取得、起業支援などを行っています。
トロントの図書館システムはカナダで最大のものになっており、美智子妃殿下(当時)も2009年に視察をされています。


この視察の冒頭「Land Acknowledgement」と呼ばれる、先住民に関する説明が行われました。これは法律的義務ではありませんが、この図書館が先住民が住んでいたい場所に建っていることを確認しました。トロントは過去ほとんどの地域で先住民が住んでいましたが、それを北部に追い出し、現在の姿があることを認識するための説明だそうです。
こういう点を見ても、日本とカナダの国の成り立ちは大きく違い、移民政策なども素晴らしい点が多々あることは理解しますが、そのまま日本に適用されるものでもない事を実感しました。

○ トロント福岡県人会との交流会
1980年4月に創立され、現在128名の会員を擁する、トロント福岡県人会(会長山本昇様)との交流会を開催。


日本の近況やカナダにおける日系人コミュニティはじめとする現状の意見交換を和やかに行わせて頂きました。トロント福岡県人会は今年40周年を迎え、周年行事が予定されており、是非そちらにも参加して欲しい旨のご要請を賜りました。

7泊9日で2カ国4地域、17箇所の視察と、もの凄い強行軍でしたが様々な視点から福岡県の行政運営に資するヒントを沢山頂きました。
この経験をしっかり県政振興に活かしていきたいと存じます。

【産炭地活性化議連・JR福北ゆたか線活性化議連合同視察 北海道】

産炭地活性化議連・JR福北ゆたか線活性化議連の合同視察で2月20-22日に北海道を訪問しました。


旧太平洋炭鉱の炭鉱展示館の事業概要、JR北海道釧路支社にて「釧網線利用促進の取組」、JR北海道本社にて「夕張支線の廃止について」等についてヒアリングを行います。


まず釧路を訪問し炭鉱展示館とJR北海道釧路市社を訪問、その後JRを利用して、JR北海道本社を訪問するために札幌へ移動。

JR北海道釧路市社にてレクチャーを受けた「SL冬の湿原号」が、釧路駅にちょうど停車中でしたが、鉄道ファンを含め多くの人だかりで凄い賑わいでした。SLは見るだけで気分が上がりますね。

【総務企画地域振興委員会 管内視察 県庁災害対策本部、大野城、北九州】

私が所属する総務企画地域振興常任委員会で2月3ー4日に管内視察が行われました。備忘録代わりに書きとめておきます。

◯ 県庁 災害対策本部及び防災関連システムの整備
以前は県庁9階に設置されていた災害対策本部室ですが、(1)通信速度が遅く大容量化やデジタル映像に対応できない、(2)主流のIP方式に対応していなかった、(3)無線設備の多くが特注品で、整備費・維持費が高価、(4)大規模災害に対応できるスペースが不十分、などの理由から再構築され、平成31年4月に県庁3階に新災害対策本部室が完成。また同時に運用が開始された防災情報システムを視察しました。


平成24年の北部九州豪雨災害の時は自衛隊・消防本部などからの応援部隊が入りきれない程手狭だったのですが、面積が従前の337平米から666平米と約2倍の広さになり、十分余裕を持って対応が可能となりました。


また、高速大容量の光回線を活用する事で、大量の情報を高速配信出来るようになり、同時にIP化する事で、設備の相互接続・調達が可能となりコスト削減も実現しております。

新たに導入されたLアラート(災害情報共有システム)では各市町村の被害情報などを様々なメディアを使って共有するシステムです。が、これ現場の市町村が被害情報を適切に入力しなければ絵に描いた餅となります。

Lアラートに実効性を持たせるために、毎年防災情報システムの研修を市町村向けに行い、各地域で適切な運用が出来るようにしています。


また、「SPECTEE」というサービスを導入していましたが、これが結構すごいシステムでした。Twitter、Facebook、YoutubeなどのSNSをAIで分析し、福岡県内の災害について呟きがあった場合、即時に状況をサマリーし、画像付きで報告してくれます。実際我々が視察している間にも、県内某所で水道管が破裂したとの速報が飛び込んできました(ソースは一般人のTwitter)。身近に災害が発生した場合は、一般の方でもTwitterなどで画像とジオタグ付きで呟けば、先ずは第一報が県の災害対策本部に通知されますので、是非積極的に呟いて欲しいなぁと思います。

実は私、2012年10月の決算委員会で、災害発生時に現場にいる消防団の方々がスマホで位置情報付きの写真を写して、それをアップロードしてマッピングするようなシステムを作れば即時状況把握に効果があるのではないか?と質問をしました。

平成23年度決算特別委員会質問「自主防災組織の育成と災害時の情報収集」

平成23年度決算特別委員会質問「自主防災組織の育成と災害時の情報収集」

当時、執行部から前向きな回答は頂きましたが、インフラ的に対応が出来ずきちんと実現できていませんでした。こういう形であの時思い描いた近未来が実現しているとは!AIと集合知の融合ってやつなんでしょうか。未来がやってきたなぁと感激した次第です。

◯ 福岡県職員研修所の概要
県職員研修所は、昭和26年に福岡市百道で新築落成、その後昭和63年2月に大野城市に「福岡自治研修センター」として新築移転し今に至ります。


「福岡自治研修センター」は県職員研修所・市町村職員研修所が共同で管理運営。敷地面積34,644平米、研修室、体育館、食堂、宿泊施設を備えています。宿泊棟には県146人、市町村118人が収容可能です。


平成14年より研修業務をアウトソーシングして、以前は23人いた職員を6人に減らし、約132百万円/年の経費削減効果がありました。


昨今は職員数の減少に伴い、研修受講者はピーク時に比べて減少。土日祝日や宿泊研修の無い平日は宿泊棟が稼働しておらず、施設を更なる利活用する余地があります。
また、施設設備が新築から30年以上経過し、老朽化が目立ち、女性職員の増加、障害者・性的少数者への配慮にも対応できていません。


そこで、老朽化した施設の改修に合わせ、スポーツ合宿や企業等研修を受け入れを可能とし、将来的な施設の有効活用を目指します。令和2年から設計改修をおこない、令和5年以降一般利用開始する予定です。


この研修所の隣は大野城市の市営グラウンドで、研修所自体が体育館を持っていることから、天候に左右されないスポーツ合宿施設として大きな可能性があるのではと思います。我がみやま市も廃校となり使われなくなった(あるいは今後、使われなくなる)小学校の活用で苦慮しているようですが、こういった事例を参考に、積極的で前向きな策を講じて欲しいと期待します。

◯ 北九州東県税事務所 県税の状況について
北九州東県税事務所は、収税業務として門司区・小倉北区・小倉南区、課税業務としてそれに加えて京築地区2市5町、地方税収対策本部として北九州市全域と遠賀地区1市4町、京築地区2市5町を管轄区域とします。


65名の職員のうち男女比率が6:4で県庁平均と比較しても女性の比率が高く。班長以上の役職者比率は男女比率4:5で女性登用が進んでいます。また専門性が必要とされるため、10年以上の税務経験年数を有した方々が55%超いらっしゃいます。
税の公平性を保つため、逃げ得は許さない信念のもと、毅然とした対応で県税の賦課徴収を行われています。また、徴税の際に謂れのない罵詈雑言を受けることがあったり、一方で、県民の方々に寄り添う気持ちを忘れず、生活状況などを考慮して適切なアドバイスを与えるなど、実際の業務上では大変ご苦労もあるとの事でした。

以上、駆け足でレポートです。今後の県政振興の為に今回の視察内容を有効活用していきたいと存じます。

【国際化・多文化共生調査特別委員会管外視察 石川・富山】

私が所属する国際化・多文化共生調査特別委員会の管外視察が1月22〜24日にかけて行われました。備忘録がわりに書き留めておきます。

◯ 石川県国際交流協会「県民の国際理解促進と外国人の日本語教育」


「ホームステイ」はご存知だと思いますが、実は石川県は昭和31年(1956年)に日本で初めてホームステイを受け入れた自治体だそうです。ホームステイ受入れボランティアに登録されている世帯は400世帯で、多くの外国人学生が石川県でホームステイを行っています。中にはその後、駐福岡米国領事館に勤務された方もいるそうで、石川県と海外の人脈を繋ぐ重要な事業になっているとの事です。


またその盛んなホームステイを背景に、石川ジャパニーズ・スタディーズ・プログラム(IJSP)という事業を昭和62年から開始、約4週間の日程で外国人を受入れ、語学や日本文化を学ぶプログラムを格安で提供しており、既に27カ国・地域から約5800人の研修生を受入れた実績があります。


委員からは「金沢出身の八田与一氏は、台湾の偉人で大変好感度が高い。石川県は台湾との国際交流に八田与一さんを上手にPRしたらどうか?」という意見交換などが行われました。

◯ 金沢市観光協会「外国人観光客受入れの取組」
私自身、みやま市観光協会の顧問を務めており、どのような取組みをされているのか大変興味津々でしたが、のっけから衝撃的でした。


金沢市の前市長が口癖のように「わしゃ観光という言葉は嫌いだ。金沢らしさを磨けば必ず人は来てくれる」といつも仰っていたそうで、市職員には「金沢は観光の為に新しいものを作るのではなく、金沢の歴史、文化、伝統を大切に磨き上げて、それを外に向けて発信すれば自ずと金沢に訪れる観光客は増える」という意識が徹底されているそうです。

観光における戦略方針は
「強みを徹底的に磨き高め、本物を売る」
格好良すぎます!

これは外様大名にも関わらず100万石を誇った加賀藩が、徳川幕府から目を付けられないよう、その経済力を学術・文化に傾注したことや、第二次世界大戦で戦禍から免れたれ美しい金沢の街並みが現存していたり、人口あたりの茶道経験者が日本一というお茶文化を持ち、その流れで日本三大菓子どころと呼ばれる食文化があったり、今でも中学3年生には能狂言を鑑賞する授業を行うなど、色々な歴史を踏まえて染み付いたDNAのようなものかも知れません。

50年来の悲願だった北陸新幹線が2015年に開通し首都圏の観光客が170万人になり新幹線開業以来70%増、またホテルの客室数も9800室から13400室と37%増しており、大きな追い風になっている事は間違いありませんが、金沢は周到に、しかしブレずに、自らの強みを徹底的に磨き上げて準備をし、それが実を結んでいるように感じました。

例えば、海外プロモーションは「金沢市の伝えたい魅力と、客のニーズが合致する重要市場」である欧米豪に注力した結果、欧米豪からの観光客が全外国人観光客に占める割合が、全国平均16.4% のところ金沢はなんと35.7%と約2倍だそうです。

特に感動したアイディアが2つ

戦火を免れた昔ながらの街並みを楽しんでいただく為に、「金沢古地図巡り」と題して、古地図を頼りに街歩きを楽しんでいただくアクティビティがありますが、この「古地図」がなんと耐水加工してある丈夫な紙を利用してありました。コストは掛かりますが、日本一雨が多い石川県、実際に手に持って少々雨が降っても地図がグチャグチャにならずに街歩きを楽しんでもらえるようにとの配慮だそうです。対象となる方々が街歩きしている光景を漠然とではなく具体的にイメージして練られた施策であることがヒシヒシと伝わってきます。

また、英会話教材で有名な「スピードラーニング」の会社とコラボして金沢観光英会話研修バージョンのスピードラーニングを制作。ボランティアガイド、タクシー会社、宿泊施設、図書館などに配布して、言葉の面で外国人受け入れ環境の向上を目指しています。教材は版元との契約でなんとコピーフリー!図書館で借りてコピーして自学が可能なんだそうです。これほど具体的で効果が期待できそうな施作なかなかお目にかかる事はありません。

さすが観光先進地域。地域の魅力は、無い物ねだりではなく、あるもの磨きを徹底する事が重要だとつくづく感じさせられました。

◯ JA志賀「農林水産物の輸出について」
石川県は北陸新幹線開通もあり金沢エリアは大変発展しておりますが、能登半島においては少子高齢化が急速に進んでその生き残りに腐心しているのが実態です。


JA志賀は能登半島の羽咋郡志賀町にあり、名産品である干し柿を「能登志賀ころ柿」として平成28年10月にGI(地理的表示保護制度)登録。海外輸出を目指し努力されています。


能登志賀ころ柿は栽培面積84ha、生産戸数139戸、年間生産量約1億円と規模的には大きく有りません。その問題点は、化粧箱16個入りで5000円から10000円と価格が高く、お歳暮需要がメインであるために、干し柿を加工する期間が集中し、労働力不足により生産拡大が困難で、収穫しても加工に到らない柿は多数廃棄される事でした。


そこで、冷蔵設備を整備し生果貯蔵をすることにより、加工期間の拡大を可能として、中国・台湾の春節需要をターゲットとして、未利用果実の活用に取り組みました。その上で、GIを取得しブランド力の向上を目指しています。
ただ、それでも生産者のメインは果樹と加工施設を持った世帯の、定年後の退職者で、若手が「ころ柿」一本で生計を建てるには到っていない模様です。今後、ころ柿を継続して生産するために、集落営農組織などの構築を検討しているとのことでした。


試食をさせて頂きましたが、干し柿の概念が変わる美味しさで、是非ともころ柿生産が継続して行われることを期待しております。

○ 富山県美術館 「県立美術館による文化交流」
報道でご存じとは思いますが、福岡県立美術館は老朽化により大濠公園に移転・建て替えが検討されています。
今回の視察では2016年に開館され、日本で一番新しい美術館である富山県立美術館を訪問し、副館長の杉野秀樹氏より「県立美術館による文化交流」についてお話しを伺いました。


美術館は展示品を見に来ることが目的とされるため、通常は来館者数(美術館自体の来場者)と観覧者数(特別展示の入場者)がほぼ同じになるのが普通だが、富山県美術館は美術展に来場して展示している美術品を鑑賞するだけで無く、様々な利用をされるような館を目指し運営されています。


「展覧会だけではなく、それ以外の楽しみにも与えたい」との想いが、入場料を取る展示スペース以外に、自由に行き来できるスペースがふんだんにあり、屋上には「オノマトペの屋上」と銘打った、グラフィックデザイナーがデザインした遊具を配置した屋上庭園があったり、県営公園内に存在する美術館として、自然に人々が芸術に触れ親しみを感じることが可能な作りで「美術館を公園の一部として子供達が遊び、知らぬ間に芸術に触れている」環境が構築されていました。


我々が訪れたときは、雲がかかり眺望を堪能できなかった立山連峰がまるで一つの展示作品として来場者に感じられるよう設計されているのも印象的でした。


15000点所有されているポスターも常設展示はできないが、タッチパネル付きのデジタルサイネージで来館者が自由に自分の見たいものを見ることが可能となる仕掛けがしてあるなど、新しい刺激を与えられる美術館でした。


新しく建て替えられる福岡県立美術館も富山県美術館に負けない、幅広く美術に触れ親しめる施設になる事を期待します。

以上、駆け足となりましたがレポートします。