筑後広域公園 九州芸文館にて、「第六回 ワンヘルスフェスタ2025 in筑後」が盛大に開催されました。
今回のフェスタは、福岡県のワンヘルス推進において歴史的な節目の開催となりました。それは、県内60の全市町村が先月までに「ワンヘルス推進宣言」を完了し、「全市町村宣言」という快挙を達成した直後だったためです。この成果により、福岡県の取り組みは「新たなステージへと進んだ」と高く評価されています。

来賓挨拶では、藏内勇夫福岡県議会議長が、国会関係者との意見交換を踏まえ、野生動物との共生を「短期的な対処」と「中長期的な目標」の両面から考える必要性を強調されました。
現在、熊が人里に降りてくる問題が深刻化しています。短期的には「人命に関わるため、防除を行わざるを得ない」という現実を受け止めつつも、中長期的には「野生動物と人間が共に生きる社会のあり方を構築することが重要だ」と述べられました。大きな生態系の破壊は、最終的に人間社会にも影響を及ぼすものであり、国際的な信頼にも関わると指摘。ワンヘルスの理念は、人間が引き起こした環境変化を見つめ直し、自然との共生を回復する道を示しています。
福岡県の取り組みは、国レベルでも注目されています。国の「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針)にもワンヘルスアプローチが言及され、国会では高市大臣が「福岡県のワンヘルスセンターの取組を参考に、人共通感染症の脅威に対応していく」と答弁されました。
また国際的にも、マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏の財団関係者が国際フォーラムに派遣され、特に福岡県の高校生による学びの姿勢とその吸収の早さに深い感銘を受けたとのエピソードが紹介されました。

会場の九州芸文館では、体験型の企画が多数展開されました。ワンヘルス子ども研究所やダンボール工作教室、八女工業高校生によるワークショップのほか、「ワンヘルス宣言事業者」による認証商品の販売や展示も実施。屋外では、ふれあい動物園や謎解きウォーキング、グルメキッチンカー、保護猫の譲渡会も開かれ、来場者で賑わいました。
高校生の研究発表では、山門高校のブースにて、ニホンウナギの持続可能な水環境維持に関する研究が披露されました。ウナギの育成水槽に落ち葉を入れ、付着した微生物がアンモニアを吸収して水質を保つという、自然の浄化力を活用した発想が注目を集めました。
今回のフェスタを通じ、ワンヘルスの理念が一層県民に浸透し、健やかで持続可能な暮らしへと繋がっていくことを心より期待しています。

(個人的には、NHKキャスターでワンヘルスの伝道師の佐々木理恵さんと一緒に写真が撮れたのはラッキーでした😁 )

