【🌸戦後80年:平和への想いを未来へ繋ぐ🕊️✨】

 令和7年11月8日(土)、福岡市天神のFFGホールにて「戦後80年平和記念講演」が開催されました。戦争の悲惨な記憶と平和の尊さを次世代へ伝えることを目的としたもので、当初は8月に予定されていましたが、豪雨災害により延期されていました。


 冒頭、服部知事は、先の大戦で約310万人もの命が失われたこと、福岡市も昭和20年6月に大空襲の被害を受けたことに触れ、犠牲者への哀悼の意を表しました。そして、「二度と戦争の惨禍を繰り返さぬよう、平和の尊さを語り継ぐ責任がある」と述べ、「笑顔あふれる平和な福岡を築いていく」と力強く誓いました。


 続いて挨拶に立った藏内勇夫県議会議長は、「いま私たちが享受する平和は、多くの犠牲の上に築かれたものであり、決して忘れてはならない」と強調。ロシアによるウクライナ侵攻など、世界でなお紛争が続く現状に触れ、「県議会としても平和への意思を国内外に発信していく」と述べました。


 第1部では、福岡県遺族連合会副会長の田中玉喜氏が、自身が6歳の時に父を旧満州で亡くした体験を語り、戦後を生き抜いた母や祖父の姿を通して、戦争の痛みと平和への願いを訴えました。特に、認知症が進んだ母が晩年もなお軍歌「戦友」を口ずさんでいたエピソードは、家族の深い祈りを象徴するものでした。


 田中氏はまた、朝日新聞に掲載された「戦後70年 軍服の速写写真から描く戦争」という記事に心を打たれ、取材対象だった行橋市出身の芸術家・丸山里奈さんを訪ねたことを紹介。彼女が描いた18枚の肖像画は、戦争の記憶を次世代へ伝える貴重な作品として大刀洗平和記念館に展示されました。当日、会場には丸山さんも出席し、「平和は戦没者と遺族の歩みの上に築かれたもの」と語り、今後も芸術を通じて平和を訴えていく決意を示しました。

 本講演は、戦争の記憶と教訓を改めて心に刻み、平凡な日常の尊さを再認識する機会となりました。二度と戦争を繰り返さず、平和な社会を次の世代へとつなげていくことを誓い合う一日となりました。