JAみなみ筑後柑橘部会の皆様と、農政懇談会を開催いたしました。
柑橘部会の部会員数は現在246名で、わずかに減少傾向にありますが、20代・30代の若手生産者の新規加入も見られ、次世代への継承が着実に進んでいます。生産面積は240haで、毎年7〜8haの改植・更新が計画的に行われています。

本年の生産予想量は合計5,335tと、豊作であった令和5年とほぼ同水準を見込んでいます。特に極早生品種は、計画の850tを大きく上回る見込みです。一方で、温暖化の影響は深刻で、今年の生育では満開日が平年より約1週間遅れ、着色も10日ほど遅れるなど、気候変動による影響が顕著となっています。
山川みかんは、「早味かん」の増産を基本方針とし、高品質みかんの安定生産を目指しています。既存品種の整理が進む中で若木の比率が高まり、国庫補助事業などを活用した改植の成果が着実に現れています。
特筆すべきは、品質向上への強い意欲です。産地の活性化を目的として導入された「マル特」園地制度では、高品質ブランド「博多マイルド」「ハニーみかん」を目指しており、令和7年度のシートマルチ被覆率は前年度の75%から83%へと大幅に上昇しました。また、甲田地区での大規模園地回収工事も着工するなど、将来を見据えた基盤整備が進められています。
懇談の中では、部会側から「早味かん」や「北原早生」といった強力なブランドによって9〜10月は日本一の価格を維持できている一方、11月以降の中生・普通品種で他産地との差別化が難しいとの課題が示されました。そのため、山川ならではの特色を持つ新品種の開発を求める強い要望が出されました。
今後の課題は、「美味しさ」に加え、消費者が重視する「皮の薄さ」や「食べやすさ」を兼ね備えた独自品種を生み出し、早生品種の強みを年間を通じて発揮できる体制を築くことです。さらに、高額な贈答品市場、たとえば黒箱を超える「プレミアム」ラインを意識した戦略によって、ブランド全体の価値向上を図ることも重要です。
私自身、皆様の現場での努力が適正な価格に結びつき、持続可能な農業経営が実現できるよう、現場の声をしっかりと県政に届け、必要な支援策を講じてまいります。今後とも、山川みかんのさらなる発展のために全力を尽くしてまいります。

