矢部川・沖端川の堤防決壊と被害状況

7月14日の水害を受けて15日朝から被災地の視察や市・区長さん等への聞き取りをさせて頂きました。
先ず矢部川
14日の様子(以下、全ての画像はクリックすると拡大できます)
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15日の様子
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一気に水が引いたように思いましたが、これは堤防決壊箇所を修復する為に意図的に流量を制限しているようです。

みやま市周辺で堤防決壊した場所が3カ所あります。まず矢部川右岸津留橋付近(以下、地図の緑色矢印が決壊箇所)

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沖端川左岸 中山地区立花いこいの森公園裏

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沖端川左岸 行基橋付近

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決壊というと河川が曲がっていて水が堤防に勢いよくぶつかるような部分が、徐々に浸食されて決壊してしまうようなイメージを持っていました。しかし今回決壊した三カ所はほぼ直線の箇所で、実際見たときも「なんでこんな所が決壊するんだろう?」という印象を持ちました。やはり集中豪雨とそれに伴う急激な水位上昇が大きな要因になっているのではないでしょうか?これは分析を待ちたいと思います。

決壊による浸水被害では、沖端川行基橋付近の決壊箇所は地図をごらんになれば分かるとおり住宅地の真裏で、しかも筑後広域公園と矢部川の堤防に囲まれているため浸水によりため池のような状態になり、避難が一歩遅れていたら大惨事になった可能性があります。また沖端川の2カ所の決壊箇所は1キロも離れておらず、その間に挟まれた本郷地区にはこの両方から水が流れ込んできたため集落一帯広範囲で家屋への浸水が起こってしまいました。
以下は本郷校区瀬戸島地区の被害の様子です、決壊時には一階部分がまるまる浸水するほどの流入だったそうです。
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この地域は高齢化率が高く、被災された家屋の後片付けもままならないため、休日にもかかわらず市から職員80名が急遽派遣されお手伝いをされていました。もちろんご親族・友人・消防団・JA職員をはじめとする多くの方々も駆けつけ応援されています。本当に有り難うございます。(本郷の住民一同そんなグチャグチャの状況で奮闘する中、隣接する筑後広域公園のテニスコートではどこかの高校のテニス部が練習する音が聞こえてきて、一瞬現実感を失いそうになりましたが。)

また直接的な被害を受けていない地域でも、今回の豪雨により堤防下に水みちが出来ていたり、道路整備の過程で堤防が極端に下がって水害の原因になりそうな場所などが判明しました。被災地の復旧復興、今後の水害対策、この二つを成し遂げるために、行政区・市・国としっかり連携を取り適切・迅速な対応を県としても取るように働きかけを行います。

記録的大雨による矢部川の変化

7月14日の記録的な大雨にて被害に遭われた多くの皆様に心からお見舞い申し上げます。

昨日日向神ダムの治水機能についてブログを書いたばかりでしたが、7月14日の未明から降り続いた記録的豪雨により7時台に矢部川はこの状況になりました(全ての画像はクリックすると拡大します↓)
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動画で見るとこんな感じです

普段の矢部川はこんな感じです
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似たようなアングルから取った今日の写真と比較するとその異常さは一目瞭然
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私が幼稚園の頃に一度このような状況に矢部川が増水したことを記憶しています。それ以来ですからほぼ40年ぶり。しかもその頃より2m堤防の高さを上げてこの状況ですから、もし堤防の高さがそのままだったらと思うとゾッとします。

雨雲レーダーを逐一確認していましたが、深夜から午前中までみやま・柳川・筑後・八女と矢部川の流れに沿ったように雨雲が停滞して記録的な雨を降らせており、これはもう人間の力では抗いようのない雨量の仕業としか言いようがありません。
午前中に中山地区の沖端川の堤防がまず決壊し、その後本流・矢部川の津留橋付近の堤防も決壊、それにより本郷地区と上庄地区の多くの世帯が浸水するなど多くの被害が発生しました。

明日以降、被害の実態が明らかになっていくと思いますが、取り急ぎ今日気付いた事を備忘録的に書いておきます

○ 現在避難場所に指定されている下庄小学校・上庄小学校は変更すべき。両校とも最も冠水しやすい低い土地にあり、下庄小学校は冠水して避難者を受け入れる事も出来ず。上庄小学校は沖端川の堤防決壊のあおりで周辺が膝上まで冠水してしまい、避難者が孤立したような状況になっていた(浄化槽も水没しており、レンタル業者に簡易トイレをレンタルしたにせよ、トイレが使えないと言うことはそもそも避難所としての機能を満たしていない)。
○ 福岡県が結んでいる災害協定で食料支給を要請したが時間が掛かりすぎた。今回は全県下で災害が発生しており致し方がない部分もあるが、10時過ぎに要請したにも関わらず救援物資は午後5時に福岡市内発だったとの事。例えば大牟田や久留米など地域の物流センターから発送する事は出来ないのか?
○ 逆に言えば、初動の食料は地域で用意しなければ難しい。給食センターなどとの連携はどうなっているのか?
○ 豪雨の際は防災無線が非常に聞き取りにくい。なにか工夫は出来ないのか?
○ 各地域の被害状況把握にデジタル画像の活用をもっとした方が良い。即時性と正確性が向上し、作業時間短縮も可能。受け側もジオタグ連携したらすぐ地図にて確認出来る。
○ もっとネットを活用した情報発信を!みやま市も柳川市もWebサイトによる情報発信量が少なすぎる。武雄市のようにFacebookなんかを使っても良いのでは?

書き殴りましたが、市の職員や消防団、災害対応をされた建設土木業者の皆さんをはじめ本当に多くの方が少しでも被害を食い止めるために献身的に頑張っておられました。それでも起こってしまうのが天災。常日頃の訓練が大変重視されるのは間違い有りません。

治水ダム 日向神ダム

熊本・大分をはじめとする九州地方では大雨による甚大な被害が発生しています。被災された方には心よりお見舞い申し上げます。
福岡県においても前回の大雨の際に朝倉地区で土砂崩れによる死者が発生しており、災害警戒本部が本庁や各地農林事務所にて立ち上げられています。

みやま市を流れる一級河川矢部川も普段より増水しているようですが、今のところ大きな混乱は見られないようです。これは矢部川上流にある日向神ダムが治水ダムとしての役割を発揮しているのが大きな理由の一つです。
日向神ダムは2100万㎥の貯水量がありますが、梅雨場は意図的に730万㎥まで貯水量を下げ突然の大雨や洪水があっても日向神ダムがバッファとなり矢部川への放水量を調節することで、河川の氾濫に対応出来るようになっています。

一方で、空梅雨だったり梅雨明けが早く訪れた場合は一度下げた貯水量が元に戻らないまま夏場を迎えてしまい、結果として11月から4月の「非灌漑期」と呼ばれる時期の水不足に繋がる可能性があるのです。
非灌漑期は海苔の生産や園芸農家の増加により昨今水の需要が高まっており、私が度々議会にて質問している矢部川水系水源開発の問題はこういった現状に由来しています。

同じダムとは言え治水と利水、二つの機能を持つ訳では無いという事を是非ご理解下さい。

家族の形

ブログの更新が滞ってました。
6月末、祖母が他界した折りには丁重なる御弔意を賜り厚く御礼申し上げます。

祖母には子供が4人、孫が6人おりそれぞれ色んな立場で頑張っておりますが、地元に残っているのは子供は私の母のみ、孫は自分のみ。

たまたま母が海外にいて訃報から帰国まで時間を要したため、地元にいる孫の私が遺体の引き取りから告別式等の段取りまで一連のお手伝いをする事となりました。

自分にとってみれば「良い意味で予行練習できたなぁ」と、大変だったけど充実感もありました。が、一方で、親御さんだけ田舎にいて子供達は全部東京や大阪というご家庭も増えている中、家族の形について色々と案じてしまいました。昨今隣組も高齢化が進み、無常講の風習が無くなってしまい、葬儀の受付のお手伝いをお願いしてもままならないような地域もあります。

これをきっかけに、親とも万が一の時にどうするのか良く話し合っておきたいと思います。こういう事は口にするのも憚られるという方も多いかと思いますが、避けてばかりもいられません。そういう意味で良いきっかけを与えて貰いました。

バタバタしてFacebookの書き込みも出来なかった状態でしたがそろそろ通常モードで行きたいと思います。

山門高校対浪江高校 交流野球試合

3日連続の更新となってしまいました。
被災地との野球交流、一般質問日程
山門高校創立百周年記念野球部招待試合開会行事

我が母校山門高校の百周年記念事業、原発事故により避難生活を余儀なくされている浪江高校野球部を招待しての交流試合ですが、昨日は雨のため中止となり開会式典だけが行われたと書きました。
ところが今朝井上校長から話を伺うと、なんと、浪江高校野球部の申し出により、あの豪雨にも関わらず選手達は練習を午後七時半まで行ったそうです。野球がしたくてしたくてたまらなかったんでしょう、彼らの情熱に驚きました。その情熱のお陰か今日は朝から晴れ間が見える絶好の野球日和となりました。
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学校に到着すると仮設スタンドには応援の生徒達が勢揃い。土日連続の学校行事ですが、学校一丸となって盛り上がっている雰囲気が伝わってきます。

両校選手とも応援スタンドに挨拶
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その後選手宣誓を行い試合開始。
試合は手に汗握るシーソーゲーム
当初から移動時間を考慮して12時までに試合終了を予定していましたが、浪江高校からもし早く試合が終わったら、再度練習試合を行いとにかくギリギリまで試合をさせて欲しいと申し出があったそうです。なんという野球愛。しかし3対3で延長戦突入。最終的には山門高校が10回サヨナラ勝ち、4対3で試合終了になった頃には予定していた12時を過ぎていました。応援スタンドの全校生徒の前に浪江・山門両校野球部が整列し集合写真撮影し一泊二日の百周年記念行事は無事終了しました。

今回感動したのは、応援。浪江高校生徒は野球部以外いないわけで、どのように対応するのかと思っていたら、スタンドは分け隔て無く攻撃側の応援をずっとしていました。山門高校は毎年全校応援と称して夏の甲子園予選に全校生徒で応援に行っており、その時の応援練習が役に立ったそうです。応援スタンドでは浪江高校の選手の名前をみんなが一緒に声を出せるようこんな工夫が凝らされていました
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野球部員が打席の浪江高校選手の名前を大きくプリントしてみんなに見せる。これで全校生徒声を揃えて「かっとばせー、かつや!かつや!かつや!」と応援できるわけです。この仕掛け、すべて生徒達が考えたとのこと。浪江高校攻撃の回でも途切れぬ応援の声。アウェイの選手にとってどれだけ大きな励みになったことでしょう。

浪江高校では山門高校が演奏し全校生徒で合唱した浪江高校校歌の映像をDVDに収め、福島に戻った後に浪江高校全校生徒で鑑賞するそうです。山門高校生が頭を絞って考えたおもてなしの心が多くの皆さんの何かのきっかけになれば有りがたい限りです。



[告知]
私の一般質問のスケジュールが決まりました。
6月21日(月)11時頃からの予定です。ネットで生中継も行われます(Windows Media Player必須)

今回の質問内容は

一 イオンとの包括提携協定
  1 企業と自治体との適切な距離感について
  2 部署を跨がる利益相反について
一 攻めの環境政策について

となっています。見学ツアーも行いますので、興味の有る方は事務所まで御連絡下さい!

山門高校創立百周年記念野球部招待試合開会行事

昨日のブログでも書きましたとおり、我が母校山門高校創立百周年記念事業の一環として東日本大震災の原発事故で避難生活を余儀なくされている福島県立浪江高校野球部を迎え、招待試合が開催されました。
しかし、ご存じの通り筑後地方は朝から大雨洪水警報が発令される程の悪天候。グランドもご覧の通り
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折角の仮設応援スタンドが寂しげです。本当なら16日(土)14:30からと17日(日)9:30からの二試合が予定されていましたが、本日の試合は中止。開会行事のみが体育館にて行われました。
山門高校生徒一同が待ち受ける中拍手のアーチをくぐって浪江高校ナインが入場し舞台に上がります。ホスト役の山門高校野球部は前列に整列。
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井上校長、板橋同窓会長の挨拶の後、浪江高校の野球部長斉藤先生からご挨拶がありました。要旨を掲載します

[斉藤先生ご挨拶要旨]
東日本大震災の原発事故により、(福島原発から半径20キロ以内に位置する浪江高校は)生徒の半分が県内外に散らばり学校を去って行った。生まれた場所を離れなければならない、今もなお故郷に戻れない、そういう状況で生徒を見て感じることは、普通に学校に通って勉強が出来ること、部活に熱中できること、それを通じて志を同じくする仲間が居ることのありがたさを感じることが出来るようになった。
昨年夏より選手9名、マネージャー1名の合計10名で活動している。浪江高校野球部は抜群に優れた選手がいたり技術で秀でている訳では無いが、体格や技術などには現れない部分で他校に何かを感じさせるチーム作りをしていきたい。
今回の山門高校との交流を通じて、山門高校生の皆さんに何かを与えることが出来ればこの上ない喜び。明日の試合はひたむきに頑張りたい。

淡々と語られる内容は、大きな災害に見舞われる経験が少ない筑後地域に住んでいる我々の胸に重くのしかかり、また起こってしまった災害・事故を乗り越えようとしているひたむきさと強さに感銘を受けました。

その後両校野球部の自己紹介。そして山門高校生から浪江高校野球部への質問タイム。これも色々と考えさせられました
Q:地震の後も野球を続けたのは何故ですか?
A: 震災に負けたくなかったから
  人数は少なくなったけど他のチームメイトが頑張っていたから
Q:地震前後で変わったことは?
A: 学校に通えなくなって、違う学校にお世話になっている事
  人数が減って野球の実践的な練習が出来なくなった事
Q:震災後に最初に食べたものは?
A: 避難所で食べた味の無い白いご飯
  (同様に「固いおにぎり」「雑炊もどき」との答えもあり)
  車で食パン

もの凄く特異な答えをしているわけでは無いですが、選手達の口から出る言葉の生々しさはあの震災と避難生活を経験したからこそだと思います。「味の無い白いご飯」という表現は身につまされました。味は無かったんじゃなくて感じられなかったんじゃないだろうか?と。
一方で、「卒業後も野球をしたいか?」という問いには皆さんが「続けたい」と答え、また「震災後に気付いた大切なものは何ですか?」という問いには「仲間」という答え、その屈託のなさに裏付けされる若さ故の適応能力の高さにホッとしたりしました。

そしてブラスバンド部の伴奏に合わせ山門高校の校歌を聴いて頂き、その後浪江高校の校歌を生徒全員で合唱
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歌詞を見ながらの合唱ですが、浪江高校との交流試合が決まった後、急遽校歌をCDで送って貰いブラスバンド部がCDから譜面起こしをして伴奏した心のこもった合唱でした。見ている我々の方がウルウルきてしまいました。

夕方には野球部保護者の手を借りて、両校野球部員は校内でBBQの夕食を懇親を兼ねて行い、その後浪江高ナインはそれぞれ山門高野球部員の家にホームステイをする予定です。

「是非試合をやらせて下さい!」

福岡空港に降り立った浪江高ナインと部長は、雨模様の空にもかかわらず声を揃えてこう言ったそうです。
井上校長は

「明日は絶対に試合をさせる。3回だけでもさせて、必ず浪江高校の選手に山門高校のグランドで一回はバットを振って貰う。」

と意気込んでいます。生徒達もブラスバンド部含め全員雨合羽で両校の応援をするそうです。

学校を後にするとき、校舎入り口に大きなテルテル坊主が飾ってありました。山門高校職員生徒一同の思いがこもったテルテル坊主でした。明日天気になって下さい!
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[告知]
私の一般質問のスケジュールが決まりました。
6月21日(月)11時頃からの予定です。ネットで生中継も行われます(Windows Media Player必須)

今回の質問内容は

一 イオンとの包括提携協定
  1 企業と自治体との適切な距離感について
  2 部署を跨がる利益相反について
一 攻めの環境政策について

となっています。見学ツアーも行いますので、興味の有る方は事務所まで御連絡下さい!

被災地との野球交流、一般質問日程

今朝の西日本新聞に我が母校山門高校の記事が載っていました

浪江高校と野球交流
福岡県みやま市の県立山門高校は16,17日、原発事故のために避難先での生活を余儀なくされている福島県立浪江高校野球部を、山門高グランドに招き、交流試合を行う。山門高の全校生徒590人が浪江校歌を歌って応援する予定で「つらい体験をした選手たちを励ましたい」と対戦を心待ちにしている。
2012年6月15日 西日本新聞28頁 社会面

20120615山門高校野球部記事

何度もご紹介していますが、今年山門高校は創立100周年。その記念事業の一環として被災地の野球部との交流試合を行うものです。遠征費用は保護者からの寄附で全額負担。遠征する浪江高校ナインは山門高校野球部の3年生宅にホームステイ。そして山門高校のブラスバンド部は浪江高校校歌のCDを入手して譜面に落とし試合中に演奏、全校生徒で歌うそうです。

井上校長と話しましたが、生徒たちは自分達で色々考えてどう迎えるかを考えてくれているとの事。頼もしい限りです。心配なのはあとは天気です。土日雨だとしても絶対に一試合は試合させてあげたいと校長は仰ってました。同感です。どんな過酷な状況でも彼らならきっと素晴らしい想い出にしてしまうでしょう。明日は自分も応援に行って山門高校の後輩と浪江高校のナインに声援を送りたいと思います。応援は誰でも入場OKだそうです。

今日から福岡県議会は代表質問。そして私の一般質問のスケジュールが決まりました。
6月21日(月)11時頃からの予定です。ネットで生中継も行われます(Windows Media Player必須)

今回の質問内容は

一 イオンとの包括提携協定
  1 企業と自治体との適切な距離感について
  2 部署を跨がる利益相反について
一 攻めの環境政策について

となっています。見学ツアーも行いますので、興味の有る方は事務所まで御連絡下さい!

山門高校体育祭と和田水路通水式

昨日は母校県立山門高校の大運動会が開催されました。何度も書いていますが、今年山門高校は創立100周年。次の100年へ向けた一歩を踏み出す年と位置付けられて学校運営が成されていますが、生徒たちも同じ気持ちだったのでしょうか、今年のテーマは「虹~未来への架け橋」。
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生徒会長であり運動会実行委員長でもある中村君を先頭に入場行進。一糸乱れぬ入場は美しかったです。
そして青・黄・赤、それぞれのブロックリーダーによる選手宣誓。最近の高校球児とか若いスポーツ選手を見ていて思うんですが、場馴れしているというか、ほんと我々の頃と比べてみんな堂々としていて格好良かったです。
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運動会の花形徒競走も、最近は小学校の運動会ばかり観戦していたので高校生はど迫力でした。そしてみんな熱い!次の予定があったので最後まで見ることは出来ませんでしたが、本当に清々しい気持ちになって学校を後にしました。

その後、和田水路の切り通しの通水式に行ってきました。
矢部川は筑後平野南部に恵みをもたらす農業用水の要となる川ですが、もともと一度大雨となると洪水が起きやすい地形で、遠い昔から地域住民は矢部川の恩恵を受けると同時に、水害と戦いながら農業を営んできました。
和田水路も先人たちが155年前(安政6年、1859年)に山中・禅院地区の治水のために作られたトンネル状の水路。その後長きにわたり地元住民の方々が水路の手入れや水質検査を行って来ましたが、かなり老朽化していることが判明していました。そこで今回県道湯辺田瀬高線の拡幅で道路が水路の上を横切ることになるのを機会に県と市が190mの新水路を建設。その通水式でした。
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式を主催した山中地区の田中区長は新水路建設までのご苦労が頭をよぎったのか、ご挨拶の際に感極まって涙声になられていました。この新・和田水路が今後永きにわたり地域農業・住民に恵みをもたらすことを心よりお祈り申し上げます。

明日からの6月議会を前に大きな元気を頂いた行事でした。頑張ります!

AKB48選抜総選挙と議会広報

三笠宮寛仁殿下の薨去の報にあたり、心より哀悼の意を表します。


一昨日のNHKのニュースウォッチ9では大々的にAKB48第四回選抜総選挙のニュースが取り上げられていました。メインキャスター・大越健介氏の

「『NHKのニュース番組まで今日はAKBの総選挙で大騒ぎか』と、眉をひそめる向きもあるかも知れませんが・・・」

と、なんとも申し訳なさげな口上で始まったこの特集。メディア評論家、高校時代からAKBの追っかけをやっていた男性、大学のゼミでの討論等を紹介し、曰く、AKB48総選挙と実際の政治の選挙を比較して、AKB48選抜総選挙に熱狂する若者の姿に比べ、如何に今の政治が若者の心を捉えておらず魅力的で無いとの事。
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一夜明けてもAKB選抜総選挙と実際の選挙を比較する論調が多くのメディアで見受けられました、が投票権付きのCDを買い集めることで1人で2700票を投じた男性がいたりする中で、そういうのを熱狂と呼んで実際の選挙と比較するのも如何なものかと。また、AKB48という一アイドルグループのプロモーションイベントを公共放送であるNHKはじめ、マスメディアと呼ばれるテレビ・新聞が結果を嬉々として報じるのにもの凄く違和感を感じます。

一方で、公共媒体の威力というか破壊力はやはり凄いですね。

昨年視察に訪れた石川県の地方紙で「北國新聞」という、福岡県に置き換えれば「西日本新聞」のような新聞があります。中身を読んで感動したのですが、北國新聞には1ページ丸ごと石川県政に関する記事が掲載されている「県政面」があります。それも所謂「政治とカネ」の不祥事やゴシップなど所謂3面記事的ネタでは無く、議会や委員会において争点となっているようなお堅い政治的話題について記事にしてありました。西日本新聞は残念ながら、たとえ議会中であったとしても県政関連情報にそこまで紙面は割いてくれません。私自身正直言って「新聞にとって、国政ならまだしも、県政の場で真面目に議論している内容はニュースと思ってもらえないんだろうな」と疑問も持たず現状を受け入れていましが、やはり新聞で毎日1面を割いて県政を報じて貰えることは確実に県民の県政に対する意識を高めることは間違い有りません。

今週、「ふくおか県議会だより」というA3版8ページの広報誌が朝日・読売・毎日・西日本各新聞の折り込みとして福岡県内のご家庭に配布されました。
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これは昨年の予算委員会にて自民党県議団の加地邦雄先生が二元代表制と言えどあまりに知事と比較して議会側の広報が少ない点を指摘したことをきっかけとし、議会広報の充実を目的に発行に至ったものです。編集員会の座長は同じく自民党県議団の松尾統章先生が務めていらっしゃいます。

日本では「飲み屋で政治の話はタブー」と言われたりしますが、もっと気軽に(でも真面目に)政治や行政について語れる土壌をつくる努力をしなければと思います。互いに向き合って話し合える環境にある人には、時間が掛かる場合があれど、徐々に県政について関心を高めて貰うことは出来るのですが、難しいのはそれをどうやって広めていくか。議員個人の力では物理的・時間的制約が頭の痛いところです。ふくおか県議会だよりが県民の皆さんに県議会の活動を知って頂く一助になればと切に願います。

進化する総合防災訓練

本日は平成24年度福岡県総合防災訓練に参加するため糸島市船越漁港に行ってきました。
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小川県知事を総括訓練本部長として、陸・海・空の自衛隊、県警本部、海上保安本部、消防局、九電、西部ガス等官民併せて120機関、地域住民を含む約1900人が参加。訓練車両等もパトカー・消防車などの車両が137台、航空機11機、船舶5隻という大規模な訓練です。
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東日本大震災直後の昨年も参加していましたが、それから1年を経て訓練内容もちょっとずつ進化しておりより実践的になっているように思いました。
具体的には原子力災害対策、離島からの住民避難訓練、小中学校における緊急地震速報対応訓練、海上・沿岸がれき火災防御訓練などが新しい訓練種目に加わっています。
つい先日福岡県は九州電力と原子力安全協定を結んだばかりですが糸島市から約20キロ離れた所に佐賀県玄界原子力発電所が存在しており、県内で一番原発に近い地域。そのまさに糸島の地で原子力災害対策訓練が初めて行われる事は本当に重い意味があります。その訓練内容は

九州電力玄界原子力発電所において、地震により原子炉が自動停止し、その後、炉心冷却機能を失ったことから、このままの状態が続けば炉心が損傷し、放射性物質が放出される事態に至る恐れがあるとの想定で、住民の広域的な避難訓練などを行う。

訓練自体の見た目は地味ですが、かなり生々しい想定です。上記想定に基づき、糸島の住民の皆さんはバスで別会場の修猷館高校に避難、そこで被ばくに関してスクリーニングをして、必要があれば簡易除染訓練を行いました。

総務部長によると準備期間1年以上、昨年と比べると会場が増えたことも有り参加機関との調整など準備には1.5倍の手間・時間が掛かったそうです。

昨年も書きましたが、自衛隊・警察・消防をはじめ各種機関が災害時に混乱せず指揮命令系統に基づき万全の対応をする為にはこのような総合訓練は非常に重要。来年は筑後地域で開催予定との事です。消防団や一部住民の方には参加要請があるかと思いますが、それ以外の一般見学もOKですので、興味の有る方は是非お越し下さい。

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そして今年も頂きました、炊き出しカレー!炊き出しにご協力頂きました糸島市の皆様、子供からお年寄りまで安心して食べられる優しい味でとっても美味しかったです!ごちそうさまでした!

市長と議会の役割分担

Twitter、Facebookの積極的活用をはじめ、震災がれき受入表明などで全国的に有名な佐賀県武雄市の樋渡啓祐市長。
個人的に市政にかける情熱、歯に衣着せぬ物言い、思い立ったらまず行動に移すスピード感に敬服しております。しかしながら本日のブログにある下記の発言は議会の立場からすると看過するわけにはいきません。

地方議会。あまり知られていないんですが、この議会なるもの。強大な権限があります。それは「議決権」。首長には決定権というのは無いんですね。あるのは、役所の人事を除けば、政策の提案権だけ。決めるのはあくまでも議会。そして、議会の決めたこと(議決事項)を誠実に執行する義務が、首長には課せられています。これを、俗に執行権と言いますが、権利じゃ無く義務のような気がします。

引用元: 武雄市長物語 : 地方議会の工夫

これ二元代表制である地方自治の仕組みを蔑ろにするような発言です。樋渡市長自身、元総務省の官僚ですから地方議会のイロハは十分承知の上で武雄市議会に対する牽制の意味を含む発言と思いますが、今や全国区の著名人として影響力を持った方ですから発言は慎重にして頂きたいと思います。

「二元代表制」とは予算や政策の提案権者である首長(知事・市町村長)と、その提案について議決する議員、それぞれを有権者が直接選挙で選出する制度です(国会については「議院内閣制」で検索して調べてみてください)。

樋渡市長の発言通り、地方議会には「議決権」つまり最終的な決定権があります、が、何を決定する権利かというとそれは首長(市長・知事)から提案された予算・政策についてYesかNoかを住民の代表として審議・議決する権利です。

噛み砕けば、お小遣い500円の使い道を提案するのが樋渡市長、その提案を審議して承認するのが議会です。樋渡市長には「今日のお小遣いの総額は500円。ジュースに120円、週刊少年ジャンプ250円、残り130円でお菓子を買います」と詳細を提案する権利がありますが、議会にはありません。あくまで議会は住民の代表として市長や知事の提案するお小遣いの使い道について審議しそれで良いのか駄目なのかを「議決」する機能しか無いのです(厳密には提案された予算を「修正」する事も可能ですが、首長に拒否権が有り現実的にハードルが高いのでここでは端折って説明しています)。

提案権者である市長が提案した予算や政策について、議決権を持つ住民代表の議会が議決する事によってその提案は意思決定され実行されるわけです。
樋渡市長はブログで「議会の決めたことを誠実に執行する義務が首長には課せられている」と仰いますが、そもそも議会が決めるのは首長の提案を承認するかしないかなのです。また、それを「執行権と言いますが、権利じゃ無く義務のような気がします。」と仰いますが、自分で提案したことを議会が承認して、それを執行することについて「権利じゃ無く義務のような気がします」というのは地方自治の二元代表制に照らしても矛盾しています。

一方で議会側も一旦自らが議決したことについては淡々と執行を見届けるのが当然ですので、当該エントリーに記載された「市民病院の民間委譲は「議決」されていたのに、一歩前に提案した私に対して、リコール。」との部分はもう少し詳細が説明されていたり、過去からこのブログの読者なら違う反応をするのかも知れませんが、このエントリーだけを読む限り上述したような想いを抱きます。

(追記 2012.5.31 8:10)
朝起きて読み直して、一部取り消し線で修正しておきます。確かに議会で議決された事は誠実に執行されなければならない訳で「権利じゃ無く義務のよう」という表現はある意味間違ってません。ただし執行する権利は首長にしかなく、やっぱりそれは「執行権」。つまり執行するのは権利であると同時に義務でもあり私の「二元代表制に照らして矛盾している」という言い方は正確では有りませんでした。単に「矛盾を感じる」と書くべきでしたね。関連した部分も取消し、お詫びして修正します。

政治学級二十日クラブと梅野家歴史資料館

先日はみやま市の政治学級二十日クラブにお招き頂き県政報告懇談会を行いました。
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これは福岡県で昭和41年に発足し、有権者の政治意識を高めるための政治学習を行う「まちの政治をみつめよう学級」の一つです。特定のイデオロギーや既存政党等の背景はなく、市の選挙管理委員会と生涯学習課が所管しています。メンバーは現役を引退された先輩方を中心に15名。月一回の定例会以外に街作りの事業を含め活発に活動されており、正直議員歴の浅い私にしてみれば「手強い相手」?心して準備をし当日に臨みました。

その模様は政治学級二十日クラブのブログで詳しくご紹介頂いておりますのでそちらをご覧下さい。しかし普段から高い意識で地元の政治を勉強されていらっしゃるだけあり、ご熱心に私の講演に耳を傾けて頂き、また質疑応答もポンポン飛び出し、10時から13時まで約3時間喋りっぱなしの盛り上がりに盛り上がった懇談会となりました。
質問の内容も非常に前向きで、意見交換をする中で私も多くのヒントを頂きました。

議員は有権者の鏡です。この様に地元の政治に目を向ける方々が増えて、有権者と議員がお互いに切磋琢磨するような環境が整えばきっと地域は良い方向に進んでいくと思います。今回は貴重な機会を頂き本当に有り難うございました、また是非やりましょう!

懇談会の後は、会場となった梅野家歴史資料館をご主人の梅野様よりご案内頂きました。
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国指定遺跡である女山神護石が裏山にある梅野様が地域の歴史的資料を個人で管理・保管されています。
DSC00625DSC00626DSC00631DSC00628中にはこんな素晴らしい庭園も(↓クリックすると大きな画像が見れます)。
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しかしながら個人で資料の管理から裏山の整備、そして庭園の手入れをするのは本当に大変だそうで、それでも地域の歴史を大切にしたいという梅野様の情熱には頭が下がります。

政治学級二十日クラブの懇談会でも申し上げましたが、やはり住民が自分の住んでいる地域を愛していることが地域活性化には重要だと思います。そして地域を愛する気持ちを育むには、その地域の歴史を知ることが土台になるのではないでしょうか?その為に草の根で頑張っておられる皆様に敬意を表しますと共に、どのような形でお手伝いできるか考えていきたいと思います。

地方分権改革シンポジウム参加(後編)

昨日のブログの続きです。
地方分権改革シンポジウムの第二部は基調講演を行った片山善博前総務大臣がコーディネーターとなり「国出先機関の移管実現と地域の自立」をテーマにパネルディスカッション。パネラーは神野直彦東京大学名誉教授、井戸敏三兵庫県知事、嘉田由紀子滋賀県知事、古川康佐賀県知事、村上仁志関経連地方分権委員長、松尾新吾九経連会長とこれまた錚々たるメンバー。
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以下、備忘録↓

神野教授:
○出先機関改革は諸刃の剣。デザイン次第では強烈に国の権限を強くする場合もある。
○今回のアクションプランにも機関委任事務(法的にはあくまで委任した「国の事務」であって、「地方公共団体の事務」とは観念されない事務)的コンセプトを持ち込まれようとしてた。最終的には消えたが、これをやられると折角の権限委譲は骨抜きになる。今後も注意が必要。

井戸知事:
○関西広域連合設立の背景は、関西全体で取り組むべき観光や防災など多くの課題について関西として取り組む主体が無かった。そこで国の対応を待たずにとにかく受け皿を用意して国を動かす為に関西広域連合を作った。
○関西広域連合の委員会は知事、議会は各県議会議員で構成される。つまり住民の意思が反映されやすい仕組みになっている。

嘉田知事:
日本は成長社会から成熟社会へ移行している。成長社会は富の分配を政治は考えれば良かったが、成熟社会ではリスク・負担の分配を考えなければならない。現状のような決定機関が現場に無い仕組みではタイムリーな判断が出来ない。

古川知事:
JR九州とNEXCO、DoCoMo九州とNTT西日本、どちらに親しみがあるか?私は地元九州に本社があるJR九州・DoCoMo九州に親しみを感じるし、地元の感覚に近い判断が出来るのは大きなメリット。

片山氏:
東京は国が乗り出して地域全体のデザインをやっている。関西は誰がやる?近畿整備局?これが進歩の違い。

神野教授:
将来的に財源の問題が立ちはだかる。
フランスの広域連合は課税権がある
スウェーデンは現在道州制の実験中だが、課税権もあるし財政高権もある
EUは通貨高権はあるが財政高権は無い
日本はアクションプランに財源関連の記述はたった一行しかない。

以上、まとめ終り。
雑駁な備忘録ですが、興味の有る方は別途質問して下さい。分かる範囲でお答えします。

ところで大きく話は変わりますが、この動画面白い

橋下徹大阪市長とMBSの女性記者の5月8日登庁時市長囲み取材における「君が代問題」に関するやりとりです。
このインタビューを元にこんな新聞記事が出来上がります

大阪市の橋下徹市長(42)は8日、登庁時の記者団のぶら下がり取材で、大阪府が施行した君が代起立条例に関して“逆質問”を繰り返し、30分近く、まくしたてた。「ここは議会とは違う。対等の立場」「質問に答えなければ回答はしません」「答えられなければここへ来るな」などとヒートアップ。登庁時ぶら下がり取材の全時間、キレ続けた。また同日夕、府市統合本部の会議後に開いた会見でも、終了間際に橋下氏自らこの件を切り出し、約20分にわたり持論を展開した。(以下略)

橋下市長が記者に30分の「公開口撃」 2012年5月9日9時25分 日刊スポーツ

自分は、正直な話、橋下市長について首をかしげる部分も多いのですがこういう訳の分からないマスメディアの取材姿勢と印象操作のカラクリが見えてしまうと多くのまっとうな国民は橋下市長擁護に回るだろうなぁと思います。
このオリジナルのやり取りを元にMBSがどんな編集映像を造り出し「報道」するのか興味津々です。5月11日毎日放送で夕方放送のVOICEで特集されるとのこと。

昔ならテレビに出た画像、新聞の記事、それが我々一般人に伝わる事実となっていましたが、今は一次情報に直接アクセス出来るのが良いですね。取材される側もすべての情報ソースを公開する事により自分を守る事が出来ると思います。

地方分権改革シンポジウム参加(前編)

先日の誕生日には本当に多くの方から御祝いのメッセージをFacebookに頂き有り難うございました。幾つになっても誕生日を祝って頂く事は嬉しいものです、皆さんのお言葉を励みに頑張ります!

一昨日は地方分権改革シンポジウムという経団連主催の会合に参加していました。経団連会館の大ホールは立ち見が出るほどの満席で、この問題に対する関心の高さが感じられました。
基調講演とパネルディスカッションの二部構成で、基調講演は元鳥取都知事で前総務大臣の片山善博氏による「出先機関改革の意義と課題」というテーマでした。
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備忘録代わりに纏めておきます。

出先機関改革の意義:
○出先機関において意思決定を行うトップは国からの人材で1-2年で交代する。色んな分野で知見を持った人間が地域に蓄積した方が良い。
○国・県・市で重なる業務も多く、行政改革の観点から意味がある。
○地域のことは地域で決める方が適切な答えが出るのでは。

出先機関改革に反対する人達:
○官僚・・・組織を改革することは、組織の中で描いた人生設計を壊してしまう可能性が有り、そこに恐れがあるのは理解できる。
○自治体・・市町村は反対も多い。国から補助金を貰っている立場上なかなか賛成しにくい部分もある。県への反発もある。県は日頃から基礎自治体との信頼関係作りに努力すべき。
○業界・・・土木建設業界は既存の出先機関と構築した信頼関係の変化に対する不安があるだろう。
○住民・・・自治体に対する不信感。しかし、地方に業務が降りてくることにより可視化が進めば自ずと不信感は払拭される。

大災害に備えて国直轄などの議論をどう考えるか?:
東日本大震災で活躍したのは自衛隊(国の組織)と消防(市町村の組織)。つまり人員・機材が何処に配置されているかが問題で、何処の組織(国or県or市町村)であるのかはあまり問題でないのでは?

関西広域連合における「奈良問題」をどう乗り越えるか:
いざとなったら関西圏から中部圏に移管して貰ってもよいのでは?政治判断としての決め方の問題。

四国広域連合構想をどう評価するか?:
経産局だけ移管するという戦線縮小の流れは、政府の実績作りに利用されてしまうのではないか?

出先機関改革を進めるための「基礎工事」:
官僚は反発する、だからこそ真の政治主導が必要。
国から地方へ仕事が移るにあたり、地方において住民の信頼を得なくてはならない。

以上、まとめ終り。論点を整理して、もの凄く噛み砕いたお話しだったので勉強になりました。ただし「反対する人達」の項目は反対者があげている出先機関移行のデメリット等をもうちょっと具体的に反駁した方が説得力があるかな、と。パネルディスカッションの後に片山氏自身仰っていましたが、今回は基調講演もパネルも基本的に出先機関移行に賛成の方が参加していたので、議論を深める為に次の機会には反対の立場の方にも参加したらどうだろうの事でした。

長くなりましたのでパネルディスカッションの件は次回書きます。

さて、明日はみやま市の政治学級二十日クラブという団体に招かれ県政報告を行う予定です。大体二ヶ月に一度くらいのペースでこの手の講演を行わせて頂けるようになりました、有りがたいことです。
この団体は名前の通り、地元有権者がもっと地元の政治を学び政治意識を高めることを目的とした団体です。みやま市の選挙管理委員会や生涯学習課が所管しており、イデオロギーに紐付いた団体ではありません。参加者の方の予備知識も豊富でしょうから、期待はずれにならないよう準備も大変です。どんなやり取りになるのか楽しみに資料を作成しています。

山門高校同窓会総会 譲れない言葉

昨日は我が母校山門高校の同窓会総会でした。
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毎年40才になる学年が担当学年として企画からチケット販売、会場設営等々全てを受け持つ手作りの同窓会総会です。
毎年メイン事業として講演会が開催されます、我々の学年では金美齢さんをお招きしました。金さんは本当にサービス精神が旺盛で、熱のこもった講演はもちろん、講演会後の懇親会までしっかりとご参加なさった上でサイン会なども行って頂き担当学年一同感謝感激だったのを昨日のことのように思い出します。
そして今年のメインゲストはなんとメイクアップアーティストのIKKO氏。今をときめく売れっ子だけあって例年とは比較にならない集客でした。同窓生以外の方も講演会の参加は認めていますので、立ち見が出るどころか2階部分までビッシリの超満員御礼となりました。
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↑クリックすると大きな画像を観ることが出来ますが、熱気を感じて頂けるでしょうか?

最後に実行委員長タスキを来年度の担当学年である平成3年卒の代表である黒木雄平君に引継ぎ、最後に担当学年全員がステージに上りご挨拶です
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平成2年卒業の皆さん、本当にお疲れ様でした。平成3年卒の皆さん一年間大変だとは思いますが一生一度の母校へのご奉公と思い全力で頑張って下さい。必ず1年後の今日仲間と共に素晴らしい想い出を分かち合える事を約束します。

今年山門高校は100周年を迎えます。卒業生も既に2万人を超え、我がみやま市唯一の高等学校として地域に根ざし、将来を担う地域の人材を輩出する大事な拠点と言う事に異論は無いと思います。
しかしながら昨今の急速な子供の減少により、今後どの様にして生き残っていくのか大きな課題が横たわっています。この件については昨年の予算委員会で質問させて頂いていますので、是非そちらをご覧下さい⇒平成23年度予算特別委員会質問「県立高校の魅力向上について」

話は変わりますが、ちょっと嬉しいことがありました。
とあるカフェを数週間前に訪れ、同席者に対して議論がエキサイトして政治絡みの話で熱弁を振るう機会がありました。その時、同席した方々はシラッとしていて個人的に「外しちゃったなぁ、熱くなりすぎたなぁ」と反省しておりました。ところが昨日またそのカフェを訪れたら、そこのマスターに「先日あなたが話していた事、ほんとその通りだと思うんですよね」と声をかけて頂きビックリしました。まさか数週間前の話をそんなに克明に覚えて貰っているとは思いもせず、更に共感を頂いていた事に感動しました。正直言って、議員というのは突き詰めれば人気商売。目の前の方にウケの良いことを言いたくなる気持ちも理解できます。それでも自分の発する言葉はちゃんと活きていて、巡り巡って自分自身を造っていく事を忘れてはならないと改めて気を引き締めました。

就任365日と街頭演説

昨年の統一地方選挙は4月11日に行われましたが、県議会議員の任期は4月30日からでしたのでまさに今日が丸一年となります。どうにかこうにか1年が終わりました、早かったようでもあり、色々有ったなぁと振り返れば想い出は尽きず、不思議な感覚です。

議員の任期は4年ですが、これは四季に喩えることが出来ると思います。
当選した年は桜咲く春、二年目は夏、三年目は秋、そして4年目が厳しい冬。この冬を乗り越えてもう一度桜を咲かせられるかは夏の過ごし方に掛かっていると思います。アリになるかキリギリスになるかの分かれ目、慢心せずに心して取り組まねばなりません。

そんなこんなで、4月は年度初めの総会シーズンでもあり基本的に忙しいのですが、別途個人的に目標を立ててあれやこれやと行動を開始、あっという間に時間が過ぎ去りすっかりブログやFacebookの更新すら滞る状態でした。ご了承下さい。

ゴールデンウィーク前半も終了しました。4月28日には自民党青年部・青年局の全国一斉行動として各地で街頭演説が行われました。福岡では天神のツインビルにて開催、参議院議員の大家敏志先生をはじめ多くの福岡県議会議員、福岡市や筑紫野市議会議員が参加されました。
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今回の街頭演説では「憲法改正の実現」「防衛力の整備」「領土問題の解決」がテーマに掲げられ、私が選んだのは憲法問題。
憲法問題と言うと、多くの方々が憲法9条問題を思い起こされますが、敢えて自分は憲法第三章の「国民の権利と義務」があまりに権利と自由ばかりに重きを置いているアンバランスな状況について問いかけさせて頂きました。
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サンフランシスコ講和条約が発効され日本が主権を回復したのが昭和27年4月28日。しかし日本国憲法はアメリカ統治下にある昭和21年に制定されているという時系列から考えても、これが主権国家の最高法規とするのは無理があります。その日本国憲法を基に法律や条令が作られ、国家公務員・地方公務員がこれに従い行動すれば自ずと国民が公共の福祉を軽んじ行きすぎた権利と自由の主張に傾くのは当然の帰結だと思います。

それ以外にも語りたいことが多く、持ち時間は5分程度だったのですが大幅に超過してしまいました。議員になって1年、色んな機会でご挨拶する事は多いのですが地方議員にとって演説の機会は極めて少ない。しかし自分の主張を纏め発表する機会は自らの政治的立ち位置や背景を再確認するためにも本当に大事だと思った一日でした。

伊藤整一海軍大将墓前祭

昨日は伊藤整一海軍大将墓前祭に出席しました。
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伊藤整一海軍大将は我がみやま市高田町にて誕生し、伝習館高校を卒業後海軍兵学校・大学校と軍人の道を歩まれ、第二艦隊司令長官として戦艦大和にて天一号作戦に参加。67年前、1945年4月7日、戦艦大和が坊ノ岬沖海戦にて撃沈される際、退艦を拒否し戦死されました。2005年に公開された映画「男たちの大和 YAMATO」で俳優 渡哲也さんが演じていらっしゃったと言えばピンと来る方も多いのでは?

作家の中田整一さんもお越しになっていました。
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中田さんはWikipedia等には熊本県玉名市出身と書いてありますが、生まれて6才まではまさに伊藤大将のお墓の裏にお住まいで、お名前の「整一」は伊藤大将にちなんで付けられたそうです。昭和史を中心に執筆されているノンフィクション作家ですが、御年70才になられて「最後の作品は伊藤整一大将の事を書きたい」と現在国内のみにとどまらず世界三十数カ国で徹底取材を敢行し、「4月7日の桜」という題名で来年の4月7日までに発売したいと仰っていました。
ご挨拶の中で印象に残ったのが「過去を蓄積し得ない国家は責任の所在が不明確になる。歴史は大切だ」という言葉。

伊藤大将は間違いなくこの地域が生んだ偉人です。しかし残念なことに周辺地域の偉人、例えば柳川市の北原白秋や大川市の古賀政男と比較するとその扱いには寂しいものを覚えます。伊藤大将のお墓はちょっと奥まった分かり難い場所で、案内表示もありません。遠方からみやま市に立ち寄られた方が「伊藤大将のお墓を訪ねたい」と言われても、地元住民が案内することも覚束ない。それどころか伊藤大将の存在すら知らない人が増えつつあるのも事実です。

実際、私達が子供の頃、白秋・古賀メロディーについては様々な機会に学び触れていましたが、伊藤大将の話を学校で教わった記憶がありません。太平洋戦争で破れ戦死した軍人であるからでしょうか?しかし中田整一先生が仰るとおり、伊藤大将があの戦いで何を守ろうとしたのか、そして何を残して貰ったのか、我々は自らを知るためにも学ばなければなりません。そして後世に伝えていかなければなりません。
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記念館が無いとかそういう表面的な事では無く、地元の偉人の足跡を次の世代の人に理解して貰い伝え続けることが「歴史」であり、その惜しみない努力が郷土愛に繋がり、郷土を愛する心は他者を尊重する心、家族を愛する心、自分を大切にする心に通じると信じています。これは教育の問題です。議員生活の大きなテーマとして、私に何が出来るのかからしっかり勉強をしていきたいと思います。

最後に、今でも名文として評される、伊藤大将が出撃前夜に妻に宛てた手紙をご紹介します

此の度は栄光ある任務を与えられ、勇躍出撃、必成を期し致死奮戦、皇恩の万分の一に報いる覚悟に御座候。
此の期に臨み、顧みるとわれら二人の過去は幸運に満ちてるものにして、また私は武人として重大なる覚悟をなさんとする時、親愛なるお前様に後事を託して何ら憂い無きは、この上なき仕合せと喪心より感謝致しり候。
お前様は私の今の心境をよくご了解になるべく、私が最後まで喜んでいたと思われなば、お前様の余生の淋しさを幾分にてもやわらげることと存じ候。
心からお前様の幸福を祈りつつ。

四月五日  整一   いとしき最愛のちとせどの

新年度のスタート!

4月になりました。今日から新社会人としての新たなスタートを切られた方や、転勤や異動で心機一転の方も多いのではないでしょうか?
みやま市では市内の保育園が一斉に入園式を迎えました。
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ご案内頂いた全ての保育園に行きたいのですが、身体は一つなので毎年順番に伺おうかと思っています。
ニュースなどでご存じの通り、都市部では保育園の待機児童が問題になっています。しかし地方では保育園・幼稚園共に少子化のために児童確保が困難を極め経営環境は厳しく、逆の意味で地域の教育・保育に支障が出そうな状況です。一方で特別養護老人ホームや老健施設は順番待ち状態。地域によって全く反対の方向に振れているこの二つの問題は日本の労働力に対するネガティブ要因と捉えれば根っこは同じです。これから減少していく生産労働人口や日本のGDP向上を語る上で避けては通れない問題として取り組んでいく所存です。

昨日は各地で花見日和だったのですが、柳川市の三柱神社境内では流鏑馬が行われました
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桜の時期に合わせた柳川の新しい風物詩にすべく開催され、今年が8回目だったそうです。神事にご招待頂き、初めて鑑賞しましたが、所作が美しく古来から伝わる伝統文化を桜の下で堪能できて大変良い経験をさせて貰いました。

遠方から柳川をお車で観光の際は是非みやま柳川ICをご利用ください。去る3月27日にみやま柳川ICから柳川市街地までを繋ぐ443号バイパスが完成し以前よりグッと時間が短縮されました。私も週末2往復くらいしたのですが今まで25分位掛かっていたのが15分程度になったような気がします。みやま柳川IC近くには先日1周年を迎えた道の駅みやまがあります。地元で取れた新鮮野菜をはじめとする名産品が並んでますので、お土産に是非!
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東日本大震災がれき早期受入に関する決議

31日間に渡って開催されていた二月議会(通称「予算議会」)も本日をもって閉会となりました。議会中は色々とネタはあるのですが、どうしても忙しかったり或いは書くことを躊躇するような状況もありブログの更新が滞ってしまいました。

2月議会の要点は
・小川県政初めての本格予算策定
・福岡県総合計画をはじめとする今後の県施策の背骨となる諸計画の策定/見直し
・議員提案の「福岡県飲酒運転撲滅運動推進条例(飲酒運転撲滅条例)」可決
・東日本大震災による災害廃棄物(がれき)の早期受入に対する決議
だと考えます。

本日全会一致で採択された「がれき受入決議」は特に印象的でした
全会一致で可決
昨年12月にがれき受入を一旦表明した佐賀県武雄市の樋渡市長は1000件以上に及ぶ抗議、そして具体的な職員に対する脅迫・イベント妨害の示唆により撤回を余儀なくされました。
福岡県議会において2月議会の一般質問で、がれきの受入を知事に対して質問した同期当選の川端耕一議員は、がれき受入について質問する事によってもしかしたら大きな反発を受ける可能性を御家族に対し事前説明して議場に向かったそうです。
本日の議場にもがれき受入に対して反対している団体の方10名ほどが傍聴に訪れられていました。そういう背景があっての全会一致での決議だけに感慨一入でした。

様々な風評がある中で、被災地のがれきを受け入れることについて不安を感じられる方がいらっしゃるのも良く理解できます。しかし、今回の決議文では下記のような文言が織り込まれています

「政府は、地方に受入要請するだけではなく、直接、国民に向き合い、放射性物質の安全基準の根拠等、対象廃棄物の安全性を丁寧に説明し、保証した上で各地方に処理量を割り当てるといった公平で毅然とした対応をすべきである。」

「住民の不安を払拭し、理解を得るため、国、県及び市町村が連携して、個別の受け入れ手順を詳細に定めるなど、安全な受入体制の構築を図ることを強く求めるものである」

あくまで国が安全基準をハッキリとさせ安全性を保証し、本当に安全だと皆が納得して頂けるがれきを、地域の処理能力の範囲で被災地復興の為に受入れる事が出来るよう「協議を開始する」のが目的です。その点を是非ご理解頂きたい。
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この写真は昨年7月に宮城県石巻市を訪問した際に撮ったものです。冗談じゃ無く、この光景が延々と何キロも続いている。

今回の福岡県議会の決議は即座にがれきの受入を始めるものではありません、県民の皆さんに一石を投じ大いに議論を巻き起こす事で、東日本大震災からの復興がより良い方向に進み始めることを願ってやみません。

最後に、2012年春の選抜高校野球大会にて宮城県石巻工業高校阿部主将が行った選手宣誓の全文を掲載しておきます

 宣誓。東日本大震災から一年、日本は復興の真っ最中です。
被災をされた方々の中には、苦しくて心の整理がつかず、今も、当時のことや、亡くなられた方を忘れられず、悲しみに暮れている方がたくさんいます。

 人は誰でも答えのない悲しみを受け入れることは苦しくてつらいことです。

 しかし、日本が一つになり、その苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています。

 だからこそ、日本中に届けましょう。感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう、日本の底力、絆を。

 我々、高校球児ができること、それは、全力で戦い抜き、最後まで諦めないことです。今、野球ができることに感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います。

 平成24年3月21日、選手代表、宮城県石巻工業高等学校野球部主将、阿部翔人

先日の一般質問の動画が公開されました

先週行った一般質問の公式録画中継がアップされましたので「議会における活動」に追加しておきました。
             ↓↓↓
平成24年2月議会一般質問「中小企業の地域によるハンディキャップについて 、地域目線の新規就農者支援について」

まだ議事録が上がってませんので代わりに原稿を掲載しています。議場にはちゃんと書記がいらっしゃいますが、全ての議員の質問及び答弁をちゃんと文書化するのは結構な作業のようで、次回議会までに議事録を作成するルールになっています。大体2ヶ月位掛かるという事です。正式な議事録が出来ましたら、そちらを掲載しますのでそれまでは動画にてご確認下さい。

質問のキーとなる「最低賃金」や「青年就農給付金」については、地元住民の方とお話しする中で要望やヒントを頂きこの度質問することとなりました。百点満点の回答とは行きませんが着実に前進出来たと思いますので、これをしっかり後に繋げていくよう努力させて頂きます。

また全体的な話で、今回の一般質問は議会改革の一環で質問者が大幅に増え、36名の議員が質問をする事になりました。私が所属する自民党福岡県議団からは当選一期生12名全てを含む19名が質問に立ち、通常なら当選回数の多い順番で質問していくのですが実験的に一期生から質問させて頂く事となりました。普段よりグッと緊張の度合いが高まりましたが非常に良い経験をさせて頂きました。

2月定例議会も折り返し地点。明日からは常任委員会、そしてその後佳境となる予算特別委員会が開催されます。私は予算特別員会には今回参加しませんが、白熱する議論を期待しております、