【九州北部豪雨から5年、水防訓練が行われました】

九州北部豪雨災害から5年が経ちましたが、災害は忘れた頃にやってきます。

今年も出水期を前にみやま市消防団が菅原新消防団長の下、水防訓練を行い、私も参加して来ました。

日曜にも関わらず21分団から500人近い団員が参加し、本当に心強い限りです。

絶好の晴天の中、積み土嚢工法、シート張り工法、改良積み土嚢工法、チェーンソー取扱などについて訓練が行われ、皆さん真剣な眼差しで、そして時々和気藹々と取り組んでおられました。

年々重みを増す土嚢に歳を感じながら、私もいい汗かきました。舫い結びや巻き結びなどロープワークも勉強になります。

日頃の地道な訓練あってこその有事対応。消防団の皆さん頼りにしてます!

 

【聡政会県政セミナー 山口覚先生「新しい価値観による新しい街づくり」】

昨日は私をサポートして頂いている聡政会主催の県政セミナーを開催しました。

今年の講師は福津市津屋崎にて津屋崎ブランチを立ち上げ、移住者支援・古民家再生や起業支援などを通じまちづくりに尽力してある山口覚先生。演題は「新しい時代の 新しい街づくり」

北九州出身で大手ゼネコン鹿島建設で勤務されていましたが、東京から地方のまちづくりに関わる事に疑問を持ち福津市に移住し津屋崎ブランチを立ち上げまちづくりをされています。

2009年から5年間で34組108名の移住者を呼び込み、その後(山口先生曰く)面倒臭くなって数えてはいませんが国勢調査によると10年間で津屋崎エリアの人口は902名増加しています。

昨年8月、私が委員長を務める総務企画地域振興委員会で視察をした際に津屋崎千軒のまちづくりについてご説明を頂き、その発想と情熱に感動し是非これを地元の皆さんと共有したいと思い立ち、今回の講師依頼に繋がりました。

つい先日の徳島県神山町のまちづくりでも感じましたが、今必要とされるのはメディアや中央官庁ベースで喧伝される「地方創生の成功事例」の逆をいく発想。

今回の山口先生の講演でもそのような目から鱗のお話しを沢山聞けました、例えば

「合併したから昔の町名で呼ばずに、新市の名前で呼んで欲しい」→「一括りにする事で旧町の個性が消えるから、敢えて昔の名前で呼ぼう」
「東京(或いは福岡市)にあって津屋崎に無い物を持ってこよう」→「それでは勝てない。同じ土俵で勝負しない」
「田舎に住みたい」→「でも時々は都会に行きたいのが移住者の心情」
「移住者ツアーは人数を多く集めると盛り上がっているように見える」→「あえて少人数(5名程度)のツアーにしてその代わり参加者には手厚いサポートをする方が実は効果が高い」
「単身者は身軽なので移住しやすい」→「しかし単身者はすぐに転居も出来る。だから敢えてターゲットは30代夫婦+1〜4歳の子持ち」
「誰でもいいから来て下さい」→「地元の文化を大切にして街の担い手になる心意気の有る方を呼ぶ」
「挨拶をしない100人」→「挨拶をしあう50人の方が地域力は強い」

それ以外では
「起業と言っても都会の論理でやるのでは無く、3万円とか5万円のお小遣い程度のプチ起業を目指す。自分の好きなことを活かしお小遣いを稼いで、それが街づくりに繋がる流れを作る」
「田舎で月30万円稼ぐのは大変厳しい。しかし月10万円の仕事を3つ作るという発想ならハードルは低い。しかも月10万円しか稼げない仕事は、誰もやり手がいない仕事になっている」
「金銭的な部分を追い求めるのではなく、誰と生きていくか?どういう暮らしが出来るか?という視点が住民にとって大切になる」
という発想も凄い。

また空き家対策についても「空き家対策の問題点は、大家さんが空き家をリフォームしたり清掃したり初期投資をしないと貸せない状況がネック。大家さんに金銭的な負担を一切させないスキーム作りが大切」と看破されました。

産み出されたスキームは
寄附方式:リフォーム費用が600万円かかるなら、50万円の権利を12口売り出し、それを原資に旅館を作った。権利者は7年間自由に泊まる権利を与える。7年後に物件は大家の手元に戻る。
家賃前払い方式:12年分の家賃を先に貰ってリフォーム&改築。13年目に大家は出て行って貰うか継続して住むか判断する。
自主改修方式:オーナーは津屋崎生まれだが北海道に嫁ぎ二度と津屋崎に戻ってくる予定は無い。しかし自分が津屋崎にルーツがあることを証明するのはその空き家の登記簿だけだから絶対に他人に渡したくない。だったら月々5000円程度の超低価格で貸して、改修は借り主の好きにさせて、管理までして貰う。
などなど。これには多くの社長さんがヒントを得ていたように見えました。

山口先生の刺激的な講演のお陰で、その後の懇親会は話題が途切れず最後まで残って頂ける方が多く大盛況でした。
みなさんのハートに地方創生の火が付いた瞬間だと思います。私も県政の立場からしっかりと盛り上げて参ります。

山口先生、ご参加頂いた皆様本当に有り難うございました。

 

【2月18日 九州オルレ「みやま・清水山コース」オープン!】

オルレは韓国済州島からはじまったトレッキングコースの総称です。ここ九州においては、九州観光推進機構が2012年から韓国からの観光客誘致を目的に「済州オルレ」の姉妹コースとして「九州オルレ」を立ち上げ4コースを選定したのが始まりです。すでに九州に17コースが存在していますが、この度第6次認定が行われ「みやま・清水山コース」と「出水コース」が新たにコースに加わり19コースとなりました。福岡県内にはこれで「宗像・大島コース」「久留米・高良山コース」「八女コース」に続き4コース目、九州内では一番多いんだそうです。

「みやま・清水山コース」は女山の麓にある八楽会教団がスタート地点。国指定文化財である女山神護石をはじめ多くの史跡や美しい竹林がある女山史跡森林公園を通り、清水山の本坊庭園、五百羅漢などを抜けて清水寺・三重塔へ向かい、最後は道の駅みやまでゴールする全庁約11.5キロ(所要時間4−5時間)のコースです。

今日のオープン初日にはなんと600名近くのオルレファンが韓国はもちろん日本からも参集頂き大盛況だったそうです。

一方で、昨日は駐福岡韓国総領事金玉彩さん、済州オルレ理事長Sun Myung Sookさん、そして韓国のテレビ・新聞など多くのメディアの皆さんや旅行代理店関係者40名以上をお招きし祝賀会が開催されたのですが、その中で、九州観光推進機構の高橋専務理事が「オルレはコース認定されてからが大変。コースを美しくメンテナンスし続けるには地元の皆さんの理解と努力が必要になります」と仰いました。

認定されることだけで安心せずに、これを地域の観光資源として磨き上げ、九州オルレの人気コースになるべく周遊性やリピーター向上を目指しみんなで頑張りましょう!

 

【嘉麻市、新消防学校視察】

1月17日からのハワイ州視察から怒濤の視察ラッシュで、レポート連発ですが、これをしっかり残すことが自分の活動の厚みを増すと信じてます、が、流石に1ヶ月弱で5回視察(海外、管外、管内とりまぜて)は結構な時間が必要です。

という事で、2月14日に私が委員長を務める総務企画地域振興委員会で嘉麻市の新消防学校を視察して参りました。

福津市にあった消防学校ですが老朽化が進み建て替えする事になりました。そんな中で県有施設でもある、廃校になった旧県立嘉穂工業高校跡地を活用して、新たに教育訓練機能を強化し防災拠点としても活用できる新消防学校が嘉麻市に建設され平成29年4月1日に供用開始されることになりました。

敷地面積は83,700㎡、延床面積は15,900㎡。総工費70億円。14名の職員(内、教官8名)で運営されます。

訓練施設も豊富です。登坂訓練やロープ渡過やロッククライミングが出来る大きなジャングルジムのような6階建ての救助基本訓練施設はもちろんですが、高層マンションを想定した10階建ての高層訓練棟、燃焼実験や実火災訓練が行える5階建ての中層訓練棟。雨天やカミナリが鳴っても訓練が出来、はしご車も使える約1400㎡の屋内訓練場。火災の7割を占める一般住宅火災での、ベランダからの救助訓練等が出来る2階建ての家屋火災消火訓練施設。最大深度5mの水難救助訓練が出来るプールなどなど、最新のニーズに応えられる素晴らしい施設の数々。
また消防隊員は最初に6ヶ月の研修が課されますが、150人の一団が訓練以外ではプライベートを確保し快適に過ごせるよう工夫と配慮が施された宿泊棟や食堂でした。

嘉穂工業高校校舎から流用しているのは体育館と教育棟に生まれ変わった校舎ですが、体育館は床が貼り替えられたり塗装もやり直しパット見た目新築なのかと見間違うほどです。

そしてなんといっても周辺地域に「ちょっと飲みに行こう」みたいな誘惑が見当たらない立地なので、研修に入っている間消防一筋に集中できる素晴らしい環境!
新消防学校建設を機に福岡県の消防力が益々向上することを期待しています。

 

【超大作、ハワイ州友好議員訪問団視察備忘録】

1月17日〜24日までハワイ州友好議員団としてハワイ州ホノルル、ヒロ、コナを訪問、視察して参りました。
ちょっと時間が経ってしまいましたが、備忘録代わりに纏めておきます、が、無茶苦茶長いですのでご容赦下さい。

福岡県とハワイ州は1981年に姉妹提携をしました。当時は全米初の日系人州知事となった福岡県築上郡出身の日系二世ジョージアリヨシ氏、同じく全米初の日系人連邦下院議員で福岡県横山村(現八女市)出身の日系二世ダニエル・イノウエ氏ら多くの福岡県にルーツを持つ日系人がハワイ州の多種多様なリーダーとして活躍しており、様々な働きかけを経てハワイ州として初めての姉妹提携が福岡県になったとの事です。

翌1982年には福岡県議会とハワイ州議会が議会レベルでの国際友好親善促進の盟約を締結。その後ハワイ州議会が毎年1月に開会される州議会開会式に福岡県議会を招請するなど、互いの国を行き来し、多くの分野で交流を深めてきました。

今年はその盟約締結から35年となり、これを機会に友好関係を更に深化させるべく35周年記念式典や、ハワイ州に4つある福岡県人会の記念式典や福岡フェアを開催し、県からも知事、議長、日米友好議連議員、市町村、経済界などから参加者を募り大訪問団を結成しました。

私も日米友好議連事務局長を仰せつかっていた御縁も有り、3年振りとなる訪問団参加です。

○ ハワイ太宰府天満宮参拝
今回の訪問団には太宰府天満宮の西高辻宮司はじめとする神職・巫女の皆様にもご参加頂いておりました。記念式典では巫女の舞などをご披露頂きましたが、ハワイ到着し先ずは今回の訪問が実り多きものになるよう参拝をさせて頂きました。
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(ハワイ太宰府天満宮にて、太宰府天満宮の西高辻宮司と)
ハワイ太宰府天満宮はハワイ移住者の方々が移住先でも地元の天満宮にお参りしたいと、1952年に太宰府天満宮を勧請したものだそうです。その隣にはハワイ金刀比羅神社が棟続きになっています。初詣、七五三、餅つきなど暦毎の伝統行事が開催されて、日系人や在住日本人が集う場所となっています。ここに限らずハワイには至るところに神社やお寺が存在しており、その当時の移住者にとって故郷に想いを馳せ、心安まる場所になっているそうです。

○ ハワイ州知事表敬訪問
デービット・ユタカ・イゲ知事は2014年12月1日に史上4番目のハワイ生まれの州知事として就任。またジョージ・アリヨシに次ぐ2番目の日系人ハワイ州知事です。イゲ知事のルーツは沖縄で、沖縄出身としては初めての州知事との事。
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(州知事室にて表敬訪問)
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(レセプションにてイゲ州知事と小川知事と共に)

○ ハワイ州議会表敬訪問
Ronald Kouchiハワイ州上院議長、Joseph M Soukiハワイ州下院議長をはじめ、上下院両議会の多くの議員の皆様とご挨拶し州議会の開会式にご招待頂いていることに感謝の意をお伝えしました。Souki下院議長は3年前に訪問したときも議長であり、私の事も覚えて頂いておりました。
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○ ハワイ州議会開会式
福岡県議会訪問団、福岡県訪問団、市町村訪問団にて上院と下院の二手に分かれて出席をしました。
ハワイ州議会は日本の一般的な議会とは全く違う雰囲気で、誰でもすぐに入れるような開かれた雰囲気があります。開会式も型式ばったところがなく、過去の議会の功労者が上席に並んで、議員の家族や有力後援者が議員席の周りに椅子を持ち込み座っていたり、途中でコンサートが始まったり。その中で小川知事と中尾議長は議場内にご招待頂き、我々は傍聴席にてご紹介を賜る栄に浴しました。
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(ハワイ州議会の議場をバックに)
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(州議会に入場前の小川知事、中尾議長と共に)
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(満場の拍手で議場に案内される小川知事と中尾議長)

○ アリゾナ記念館
1941年12月7日の真珠湾攻撃で戦艦アリゾナは乗組員1177名のうち1102名が死亡し撃沈しました。その追悼を含め、真珠湾攻撃自体を記念する施設です。沈没した戦艦アリゾナの真上に建設されていますが、戦後72年経った今でも重油が船から漏れ出して来ています。訪問団として献花を行い、真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊しました。
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○ ハワイ州政府 産業経済開発観光局 観光部門訪問
ハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)のCEOGeorge D Szigetiを初めとする皆様を訪問。観光行政について意見交換を行いました。ハワイが受け入れる観光客は年間860万人(内日本人150万人)。HTAは独立採算制でハワイ州から委託され、世界中に10のオフィスを持っています。4つのゴールとして(1)目的地としての格を上げる (2)安定した経済効果 (3)価値を上げる (4)観光客を増やす、を掲げます。観光地としての価値が上がるのは良いですが、逆に住宅不足が発生しており、Affordable Housing(価格を抑えた住宅)をどうするか州上院議員で議論されています。またカジノ誘致に関しては優先順位が低く、「ハワイは家族で楽しんで貰う観光地」という確固たるブランド戦略を持っているのが印象的でした。

○ ハワイ州政府 産業経済開発観光局 エネルギー部門訪問
Veronica Rocha再生可能エネルギープログラムマネージャーと面談。冒頭福岡が進める「新たなエネルギー社会の実現に向けた福岡県の取り組みに」について説明。一方ハワイにおいてはエネルギーは石油に頼らざるを得ない現状で、石油依存から脱却することが長期の目的です。ちなみに、カリフォルニア州では1kwあたり10セント程度の電気料ですが、ハワイ州では18セントと割高で、経済を圧迫する要因となっています。そこでハワイ州は2030年に電気使用量30%削減し、2045年には石油から再生エネルギーに100%転換すると目標設定しています。
しかしながら現時点でホノルルの街並みを見渡す限り、あまりソーラーパネルを目にしませんでした。尋ねてみると経済力がある地域は税控除制度などを利用して普及を促進しているが、今後は低所得者層向けの普及政策を検討する必要があるそうです。またコンドミニアムやマンションは複数オーナーの場合が多く、設置をするにも同意を取り付けるのが難しいとのこと。
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○ ハワイ・グローバル教育財団
DirectorのNikki Thompsonさん達と教育に関する意見交換。Nikkiさんは元々福岡県生まれでハワイに移住。青少年にハワイ州を中心とした国際交流のための教育プログラムを提供しています。日本からの受入を行う中で、特に大切にされているのは日本人としてのアイデンティティ。いくら国際化といえ、それは英語を話せることだけでなく、日本人としての文化・素養・道徳などをしっかりと身につけた上で初めて国際人になれるという信念のもとで活動されています。

○ ホノルル美術館
東洋美術部の日本美術キュレーターのStephen Salel氏と面談。ホノルル美術館が所蔵する浮世絵などの日本美術を福岡で展覧会が出来ないか等々の意見交換を行いました。
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○ ホノルル日本人商工会議所
会頭のDave Erdman、専務理事石原ウエーンT.氏らと面談。ホノルル日本人商工会議所は1900年(!!)に設立された歴史有る商工会議所です。会頭のDaveさんは全く日系ではないのですが総合マーケティングサービスやメディア事業をやっている会社のCEOでもあり、日本に支社があり取引含め日本とは関わりが深いそうです。2016年7月からホノルル日本人商工会議所の「メンバーを支援するメンバー」というミッションに基づき、日本ーハワイ間の異文化コミュニティーの交流を深め、ハワイのビジネスと経済の成長を目指していらっしゃいます。Daveさんの就任のタイミングで多くの役員が若返り、今後の新たな展開に期待をしているとの事でした。質疑の中で「トランプ大統領就任の影響は?」と聞くと、答えに躊躇する場面も。ハワイ州はご存じの通り民主党支持層が圧倒的に多く、訪問当時はトランプショックからまだ立ち直っていない、困惑しているような状況でした。
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○ 福岡フェア開会式
イゲ知事から頂いた「福岡県訪問団を歓迎するとともに、ハワイにて福岡県をPRするイベントを開催して欲しい」との招請状を元に、アラモアナショッピングセンター内白木屋イベント広場にて1月19日〜22日の4日間「福岡フェア」を開催しました。福岡の食の実演・試食として久留米のモヒカンラーメンさんが登場。県産品PRとしてあまおう・八女茶・お酒の試食・販売。伝統工芸品PRとして小石原焼・まごじ凧の実演や展示。文化公演として柳川の沖の石太鼓、太宰府天満宮巫女舞、アイドルグループによる若者文化の発信などが行われました。
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ジャバニャンの着ぐるみが登場していたのですが、実はハワイ州観光局が「妖怪ウォッチ」を起用したハワイのプロモーション活動を2015年から実施しており、ジバニャンはなんとハワイ州観光局キッズ親善大使でした(2017年3月まで)。ご存じの通り、ジバニャンは福岡県福岡市にある「(株)レベルファイブ」が産み出したキャラ。御縁を感じますよねぇ。
開会式には多くの日系人とくに福岡に縁のある方が多くご参集頂き、最後に山笠の地元から選出されている井上博行議員が「博多祝い唄」と「博多手一本」で締めたのは喜んで頂きました。
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○ 姉妹提携35周年記念式典・レセプション
州知事公邸であるワシントンプレイスでハワイ州・ハワイ州議会の主催で開催されました。
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ハワイ州側からはイゲ知事・知事夫人・御令息、ハワイ州議会のコウチ上院議長、スウキ下院議長、ジョージ・アリヨシ元州知事・夫人や、州議会議員・地元名士の皆様がお迎え下さいました。ご来賓として在ホノルル日本国総領事三澤康様、在福岡米国領事館首席領事ジョイ・ミチコ・サクライ様らがご来臨。
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福岡県・ハワイ州姉妹県州提携確認宣言への署名が小川知事とイゲ知事の間で交わされ、その後福岡県議会・ハワイ州議会 国際友好親善促進の盟約確認の署名が中尾議長と州議会上院・下院議長の間で交わされました。
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また姉妹提携35周年の節目にあたり、両地域の交流促進に顕著な功績があった個人・団体の功労者に対して両県州知事から表彰を行う事としました。
福岡県からはジョージ・アリヨシ元州知事やジョセフ・クロダ元上院議員、そして永きに亘り福岡県ハワイ州連絡調整員やハワイ福岡県人会会長を務めて頂いた諌山皓一氏など5名を表彰。
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ハワイ州からは盟約締結10,20,30周年の際に県議会を代表して盟約を調印した田中久也議員、藏内勇夫県連会長、原口剣生県議団会長、「ホノルル大蛇山を支援し、大蛇山を世界に発信する会」河野起實会長、ハワイ州の高校と1994年から交流を続けている福岡県立水産高校が表彰されました。

○ ハワイ福岡県人会創立60周年記念式典
先日PGAトーナメントであるソニーオープンが開催されたワイアラエ・カントリークラブにて開催。海外ではゴルフ場のレストランなどがレセプション会場になることが結構ありますね。
ハワイ福岡県人会はナガイ・フサヨ氏を会長とし、230名の会員を擁します。1957年に県人会が設立され、会員同士の相互交流を支えてこられる中、福岡県とハワイ州が友好姉妹都市になってからはほぼ毎年訪問している県議会訪問団との交流を進めて頂いています。
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功労者表彰や高齢者敬老祝いなどが行われるなか、訪問団の一員、小池邦弘県議会議員は友好姉妹都市締結を結んだ亀井光元福岡県知事の随行秘書としてハワイも訪れた方の御子息。小池議員から相撲にまつわる様々なグッズが景品として配られました。その中に、翌日初優勝した稀勢の里の手形も。頂いた方はきっと記念になったと思います。
オアフ島での公式行事はここまで。ここからハワイ島に渡りヒロ地区とコナ地区を訪問します。
最後はジョージ・アリヨシ元州知事がバスに乗り込んできてまでご挨拶を頂き、
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そしていつまでも大きく手を振り別れを惜しんでくれました。
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○ ハワイ島福岡県人会創立50周年記念式典(ヒロ)
ハワイ島は自分自身初上陸でしたがホノルルとは全く違う側面を持つ素晴らしい土地でした。
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(出迎えて頂いた能丸会長とクック事務局長)
1967年に設立され、現在は208名の会員数を誇ります。能丸会長は国立天文台ハワイ観測所で勤務する理学博士。また事務局長をつとめるクックさんは日系4世と、歴史は深いですが上手に世代交代し若い世代が引っ張る元気の良い県人会でした。会員208人中120人のご出席を頂き本当に和気藹々とした雰囲気の中で高齢者表彰と功労者表彰が行われました。このハワイ島県人会では2017年度に県費留学生として初めて1名の女性が福岡県に留学をする予定になっています。是非ルーツである福岡を肌身で感じて頂き、ハワイと福岡の友好を進める将来の要になって欲しいと思います。
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ハワイ州の中で最大の大きさの島がハワイ島。ヒロからコナはその端と端に位置しており、山を越えてバス移動ですが結構な距離がありました、途中キラウエア火山の火口を見たり、マウナケアの天文台の麓に立ち寄ったり、素晴らしい自然を満喫させて頂きました。それにしても標高4205m、私達は約2000m付近まで山道を登りましたがハワイなのにあんなに寒い場所があるとは思いませんでした。
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○ コナ福岡県人会創立50周年記念式典
最後の公式訪問はコナ県人会、大福寺曹洞宗ホールで開催されました。約150人もの県人会メンバーにご参集頂きました。ハワイ島県人会とおなじく1967年に設立され、ロナルド・ヒラタさんが会長を務めていらっしゃいます。
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お寺で開催されるだけに先ずは読経から始まりました。来賓祝辞などの後、昨年県人会担い手育成招聘事業で福岡市に滞在した中学2年生のオナカ・ジェイドさんの報告が行われ、ルーツである福岡に初めて訪れた感動が瑞々しく語られました。やはり自分で実際に行って、滞在して貰えれば、自ずと福岡に対する愛着が沸き起こるのでしょうか、ジェイドさんも日本の事が本当に好きになって頂いたようで、これから友達にももっと日本を宣伝したい旨の言葉があり、事業の有効性をはっきりと感じました。
また、コナ福岡県人会は日系人初のアメリカ航空宇宙局宇宙飛行士で、ディスカバリー号にて初飛行をした後、1986年にチャレンジャー号の事故で残念ながら命を落としたエリソン・オニヅカ氏を輩出しています。オニヅカ氏の祖父は福岡県うきは市のご出身。今回は特別栄誉表彰が与えられ、オニヅカ氏のご姉弟がご登壇。小川知事、中尾議長から記念品などをお受け取りになられました。
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(故エリソン・オニヅカ氏の御家族と記念撮影)
また、感動したのは余興です。大正琴の余興では福岡県の県民歌「希望の光」が披露されました。1970年に制定されたこの県民歌、議会でも取り上げられましたが昨今殆ど謳われることがなくなっていましたが、コナ県人会の方にとっては特別な意味があるんだと思うと、この点ちゃんと県としても今後の方向性を考えるべきだと思います。
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さらに、和太鼓のパフォーマンスが圧巻でした。今年の夏に来日して演奏を披露する予定らしいですが、大正琴といい和太鼓といい、日本人の我々が忘れてしまいそうになっている日本人の心を大切に引き継いで頂いてるような気がして感動すると共に我々も文化・伝統にたいする誇りを忘れてはならないと思いました。

来年は日本人がハワイに移住を開始して150周年を迎えるそうです。更なる大きな友情の輪がハワイ州と福岡県の間で広がる事を心より期待致します。
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【総務企画地域振興委員会 管外視察 徳島県・奈良県】

私が委員長を務める総務企画地域振興委員会にて2月6〜8日にかけて徳島県神山町の神山プロジェクト、徳島県庁の消費者庁誘致、大塚国際美術館、奈良国立博物館の取り組みについて視察をして参りました。備忘録代わりに纏めておきます

○ 徳島県神山町NPO法人グリーンバレー 「神山プロジェクトについて」
昨年1月に九州各県議会議員研修会にてご講演頂いたNPO法人グリーンバレー大南信也理事長が中心となり進められている所謂「神山プロジェクト」。
http://itahashi.info/blog/20160130025122
是非この眼で確かめたいと思い、やっとその日がやって来ました。
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大南理事長から約1時間のご説明を頂きました、全てが刺激的で参考になる内容でしたが特に印象に残っていることを4つ

1)過疎の町神山町が仕事や働く場を持っていないなら、仕事を持っている人を呼び込む、というのが「ワークインレジデンス」の発想。シャッター街となった商店街に、「ここにパン屋さん来ませんか?」「デザイナーさんをこの空き家に求めます」と職種指定で募集をかけることで、理想の商店街作りが出来た。今後の不動産業は金額だけのマッチングではなく、街の価値を上げるようなマッチングが求められる。
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2)地方創生では往々にして地域の唯一の産業である「農業」をどうにかしようという発想で進められる。例えばブランド化とか。これで少々の単価は上がるが、最終的に儲けるのは卸売市場であったり都市圏のレストラン。神山町は文化芸術から始まり、移住者、サテライトオフィス、サービス産業と対象が変わってきたが結果として農業に好循環を与えた。足りないサービスを外に求めるとお金は地域から流出する。地域内でサービスを生むことで、地域内経済循環が起こる。
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3)サテライトオフィス(SO)の誘致に関しては、SOと受入側をフラットな立場にする。例えば、自治体が最初に「是非うちに来て下さいお願いします」と謙るから、SO側とフラットな立場になるために補助金を出したりする。今の若い起業家達はそういうのを嫌がる。実際神山町の多くのSO誘致やサービス業誘致のリスクは企業や個人が負っている(自治体が補助金をぶら下げて誘致するような事はしていない)。
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4)神山町の地方創生戦略を立てるにあたり、「まちを将来世代につなぐプロジェクト」が立ち上げられた。その中で「地域に可能性が感じられる状況」が不可欠との認識。そんな中、通常だったら有識者会議を立ち上げ3回位会合を開いて素案を作るような、まるで行政のアリバイ作りの様な策定プロセスを根本から変えた。また策定メンバーをコアチーム(町長はじめ地域のリーダー5名)とワーキンググループ(若手を中心に28名)に分け、ワーキンググループが基本的に話し合いアイディアを出す、コアチームはそれを認証するという役割分担で3ヶ月60回徹底した議論を行い作り上げた。するとワーキンググループが自らこの戦略の実行部隊を志願し、戦略策定と同時に実行部隊まで決まってしまった。
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その後、プラットイーズというテレビの番組情報などを放送局に配信する会社のサテライトオフィスや神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックスなどを視察しました。

○ 徳島県議会 「政府機関の徳島県移転に向けた取り組み状況について」

日本創成会議が2014年に発表した消滅可能性市町村などの報告書。日本の課題として東京一極集中の是正が急務とされ、その手段の一つとして政府関係機関の地方移転が提案され、国もその後まち・ひと・しごと創生総合戦略として政府関係機関について地方移転をする道筋をつけました。そんな中、徳島県は消費者庁・消費者委員会・国民生活センターの移転を提案。何度かの試行を経て昨年消費者行政新未来創造オフィスを平成29年度に徳島県に開設することなどを決定。5.5億円の政府予算がつきました。
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ここでも神山町は活躍していました。理論として政府機関が地方移転すれば良さそうな事はなんとなく分かるが、実際そこにどんなメリットが存在したり問題が横たわるかは分からないため、為にする議論で話が進まなくなりそうなものです。しかし、河野前担当大臣、松本担当大臣、消費者庁長官はじめ多くの官僚が神山で移転試行をするなかで、神山町に存在する具体論が不安を払拭し一歩前へ進む推進力になったのは間違いないそうです。

また県側にとっては、費用負担が一体どれ位出てくるか大変ご心配されていたそうですが、机や椅子といった調度品の貸出しや人的支援は要請ありましたが経費は基本的には消費者庁が持つという方向。7月を目処に50名オフィスを徳島県庁10階の半分を使って設置こととなるそうです。

一方で、この移転は3年を目処に見直しが行われるため、見方によっては「お試し移転」。消費者庁の移転をきっかけに民間企業の移転やサテライトオフィスの設置を期待するが、3年後の動向を不安視されることもあるようです。
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いずれにせよ、先行して政府機関の地方移転を実現する徳島県の取り組みが成功することを心より期待します。

○ 大塚国際美術館
1998年4月の明石海峡大橋の開通に併せて、大塚グループ創立75周年記念事業としてオープンした世界初の陶板名画美術館です。学芸部部長の浅井様に貴重なお時間賜りご説明を頂きました。
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元大塚グループ総帥で初代館長の大塚正士氏は設立の趣旨を、「鳴門海峡の砂を建設材料から付加価値の高い高精度タイル状の製品にして2000年の耐久性を持つ写真陶板として商品化する」「世界の有名美術館や遺跡を訪れずに一同に見られるところがあれば学生などに喜んで貰える」「教育的・観光的生活を併せ持つ滞在時間の長い大きな美術館を鳴門に建てて、人を堰き止めるダムを造る」などと仰っていたそうです。
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敷地面積2万坪、地下5階、地上3階、総事業費400億円、総展示数1075作品。その規模も凄いのですが、エントランスを入ってすぐにある陶板で復元されたシスティーナ礼拝堂で「世界の名作とはいえコピーじゃないの」なんて穿った気持ちは早々に吹き飛ばされました。世界の名画を2000年の耐久性を備えさせ実寸で再現し一カ所に集積することを目指した大塚正士氏の慧眼に感服致します。
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この技術を活用してキトラ古墳の壁画をコピーしたらどうだろう、等というアイディアも出ていましたが芸術的な視点だけでなくビジネスとしても凄い仕掛けです。

○ 奈良国立博物館
ご多忙な中駆けつけて頂いた石垣副館長からご説明を賜りました。
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国立博物館は我が福岡にある九州国立博物館を含め国内に4つあります。奈良国立博物館は明治22年に設置され、仏教美術及び奈良を中心とした文化財を収集、保存管理、展示、調査研究、教育普及事業などを行っています。特に仏教文化の優れた芸術性や背景の歴史を中心に紹介しているのが特色です。
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中国人観光客が近年増えており、英・中・韓の3カ国語の音声ガイドを用意していますが、利用数は中国語が一番多く続いて、英語、韓国語だそうです。近隣には東大寺ミュージアムのような民設の美術館・博物館も多く存在しており、連携を模索するも総論賛成各論反対のような状況。ぐるっと関西のような周遊カードなどが切望されるそうです。

奈良の特徴として、夜が早い(あまり遅くまで店が開いていない、出歩かない)というのがあるらしく、夕方から夜にかけての集客に苦戦しているとのこと。奈良県には14百万人の観光客が訪れていますが、奈良国立博物館は年間46万人の来場者。これをどう引き上げていくか模索されております。

因みに九州国立博物館は一番後発の国立博物館ですが、年間来場者は約90万人と善戦しており、石垣副館長からは特別展を軸に「あそこに行けば一日遊べる」と思わせるイメージ作りが強みではないかと分析されておりました。
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恐らく私が委員長としては最後となる管外視察。今後の県政運営にしっかりと反映出来るよう努力してまいります。

【平成29年新春の集い、有り難うございました!】

2月5日にまいピア高田にて私の新春の集いを開催したところ、ご多忙の中古賀誠元自民党幹事長、大家敏志参議院議員、みやま市柳川市の両市長をはじめとする地域の各種代表各位を含め大変多くの皆様にご参集頂き心より感謝申し上げます。

500人弱の座席を用意しておりましたが、会場に入りきれず、ロビーにてのご参加になられた80名近くの皆様にはわざわざお越し頂いたにも関わらず大変失礼を致しました。会場内でも混雑のためきちんとしたおもてなしも出来ずに本当に申し訳ございません。不馴れなために行き届かない点多々あったと存じますが、どうぞご容赦下さい。
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また、各地域の聡会、ママの会からも50名以上がお手伝いに駆けつけて頂き、後片付けまで長時間有り難うございました。皆さんのお陰でなんとか乗り切ることが出来ました、有り難うございます。
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私からは県政報告として「県南におけるスポーツの力」「シルバーデモクラシー」「続・目指せ奇跡のむらづくり」の3つのテーマでお話しをさせて頂きました。ちょっと時間が押しており駆け足の報告でしたが、年に一度の私自身の所信表明が出来る場。皆さんと想いが共有出来るよう努力致しましたが如何だったでしょうか?今年も各校区にて県政報告会を実施致しますので、そちらで地域地域に合わせたもうちょっと深掘りしたお話しが出来ればと思っています。
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今年も託児コーナーを設けましたが、10名以上の子供達は和室で大盛り上がり。こちらはこちらで完全燃焼だったようです。
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消防団の方が「出初め式が終わらないと年が明けない」とよく仰りますが、私も新春の集いが終わるまでは本当に落ち着かない日々でした。皆さんと共有した想いを胸に、今年も故郷の為に努力して参ります!有り難うございました!
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【子ども子育て調査特別委員会視察&九州沖縄防衛議員連盟連絡協議会総会】

1月30日に私が所属する子ども子育て調査特別委員会の管内視察と1月31日に第11回となる九州沖縄防衛議員連盟連絡協議会総会が行われました。備忘録代わりに

子ども子育て調査特別委員会の視察先は五十川保育園と福岡児童相談所。

五十川保育園は福岡市博多区にある定員245人の所謂都会の保育園。4階建ての園舎ですが、運動場といえるような園庭はありません。しかし知体徳のバランスのとれた成長を即すべく、人間の基礎を形成する教育をバランス良く提供し、ピアノ・英語・日舞・書道・バイオリンなど習い事教室も充実しており、今年は途中入園が出来ないほどの人気になっているそうです。
5歳児(4月から小学生)の園児さんが「あの素晴らしい愛をもう一度」を披露して頂きましたが、5歳児だけで55人。次男の幼稚園の倍、小学校の1学年より多い。
一方でアレルギー対応などは食器の色を変えたり、テーブルを分けていただきますの時間を変えるなど本当にきめ細やかな対応が必要
。発達障害などへの対応も大規模園ならではの御苦労があられます。保護者側が求めるハードルも高くなり、都会の保育園の難しさも感じられました。

福岡児童相談所は春日市に所在して、福岡市を除く福岡地区5市7町を所管します。管轄の児童人口は137,057人と県内6カ所の児童相談所内で最大です。児童虐待相談の対応も平成23年は233件だったのが平成27年には444件となり、県内約1/3を占めます。
虐待防止の為に24時間365日の相談体制を整備するために夜間休日も相談員を配置し、虐待通告が有った場合は48時間以内に子供を目視で確認する体制がとられているとのこと。関係機関である市町村、警察、専門家(事例検討委員会、弁護士、児童精神科医など)との連携を通じて予防・発見、家族見守り体制の構築、助言指導体制を構築しています。
五十川保育園を視察した後、非常に重い話題でありますが、児童虐待を筆頭とする大変難しい問題に最前線で向き合う職員の皆さんに心から敬意を表します。また人権感覚の変化に伴い、施設がどのように有るべきかなどを見直す時期なのかも知れません。

第11回九州沖縄防衛議員連盟連絡協議会総会。毎年持ち回りで開催されていますが、今年は佐賀県でした。
総会後、防衛講話として日本文化チャンネル桜の沖縄支局キャスター我那覇真子氏が「日本を守る沖縄の戦い」というテーマで講演。辺野古基地移設問題についてなかなか普段我々が触れるマスメディアでは取り上げられない視点を御披瀝頂きました。メディアリテラシーの重要性が浮き彫りにされました。
その後、陸上自衛隊目達原駐屯地を視察。徳川幕府時代には鍋島藩の武芸鍛錬場、大東亜戦争末期には対置洗い陸軍飛行学校目達原分校として使用され、特攻機の出撃基地だった駐屯地です。アパッチと呼ばれる戦闘ヘリコプターと熊本大地震でも活躍した多用途ヘリコプターの飛行訓練等を視察。オスプレイ配備の問題等、昨今佐賀県は防衛問題で話題になるのですが、やはりキチンとした情報を元に冷静な議論がされるべきと考えます。大変充実した防衛議連視察になりました。

 

【みやま市制施行10周年 次の10年を見据えて】

本日はみやま市制施行10周年記念式典でした。

自分が東京からみやま市に戻ってきたのが2006年、まさに市制に移行する前年。
それから10年、みやまを中心にこの地域は大きな発展を遂げました。

九州自動車道のみやま柳川IC、九州新幹線が開通し筑後船小屋駅が出来、高田IC・開ICを含め有明海沿岸道路が着々と延伸、それらを繋ぐネットワークも充実し交通インフラは飛躍的に整いました。施設的にも、いまや観光名所となったみやま市道の駅、地域の中核医療施設である新ヨコクラ病院、消防庁舎の新築、昨年オープンした50m公認プールをはじめとする筑後広域公園の整備、ソフトバンクホークスファーム本拠地の移転、全国的に名を馳せる切っ掛けとなるメガソーラー事業などなど此方も充実して参りました。

一方で少子化や人口流出による人口減は進んでおり、地域の方の声を聞くと「寂しくなった」「活気がない」などネガティブな意見が多いのも事実。次の10年を見据えて、先輩方が大切に護り育てて頂いた故郷を、次の世代が自覚と責任を持ち更に磨き上げていく必要があります。

自分の子供や孫が「みやま市に生まれて良かった」「みやま市に住んで良かった」そう言って貰えるようなまちづくりを市民の皆さん全てと共有し、力を合わせて進めて行きたいと思います。

写真左上は「健康なまちづくり」というテーマで記念講演頂いた、私の後援会名誉会長でもある日本医師会長横倉義武先生。右上はみやま市観光大使である、山川町出身の元日本銀行政策審議会審議委員亀崎英敏様、囲碁フェスティバルで毎年お世話頂いている稲葉禄子さん。下は昨年ウィーンでも合唱を披露した瀬高合唱団の皆さんです。

 

【山川 まちと道路のワークショップ開催!】

県が管理する国道443号線は、昨年3月に山川バイパス部分が完成しました。

それにより、今まで大型トラックが狭い道路一杯に走行していた443号線の元道は安全・安心の生活道路になる予定ですが、同時に交通量が激減するため様々な影響が今後出てくると予想されます。この変化をポジティブにまちづくりに活かして貰うべく、県とみやま市で元道の道路改修に絡めたまちづくりのワークショップを開催、第一回目が昨日行われました。

第一回は「まちの現状確認」として熊本大学名誉教授の徳野貞雄様に事前現地調査に基づく基調講演と、意見交換が行われました。

「発想の転換による『まちづくり』のススメ」と題した徳野さんの講演は刺激に満ちており、とても全てを書き切れませんがキーワードだけご紹介すると「(震災で被害を受けた)熊本城の復興は早まるな」「少子高齢は正常」「(今の60歳−80歳の層は)過去に存在していなかった新人類、プレミアム世代」「(車で30分県内に半数の子供が住んでいる現状を鑑みると)一緒に住むことが世帯ではない。世帯=家族ではない」「公共交通は自家用車」「修正拡大集落」「行政の統計では本当の実態は掴んでいない」「住民の意識と実態はズレている」などなど。

その後の意見交換、終了後に徳野先生を囲んでの終わらない立ち話、ワークショップに参加した皆さんのハートに火が付いたのがヒシヒシと感じられました。

今回特に嬉しかったのは山門高校の学生3人が参加してくれたこと。参加者の中で一番長くこの故郷と関わるのが彼らです。臆せず、どんどんアイディアを出して欲しいですね。

私からも挨拶の中で「参加してくれた高校生の皆さんは2−3年したらこの街を出て行くかも知れない、でも彼らが10年後戻ってきたい、子供をここで育てたい、リタイヤしたら老後はここで過ごしたい、そう思われるまちづくりをするのが人生の先輩である我々の役目です」と申し上げましたが、このワークショップが世代を超えて、故郷に向き合い活力を産み出す素晴らしいものに成ることを心より期待しております。

 

【江浦の奇祭「臼かぶり」】

本日はみやま市高田町にある江浦の奇祭「臼被り(うすかぶり)」でした。例年成人式と同じ日程だったので最初の激励だけでしたが、今日はちゃんと最後まで見てきました。いやーこれは凄い、奇祭らしい奇祭。

まず頭(かしら)と呼ばれる祭りの座元の家に地元の若い衆が集まり、締め込みにサラシとハチマキと草鞋姿になります。

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(ここら辺はまだ皆さん余裕の表情)

それから淀姫神社まで裸の一団となって走って行きます。参拝した後、先ず神社の境内に置いてある餅をつく臼(うす、しっかり水を含んでいるので軽いものでも20-30キロ、重いものは50キロ以上!)を頭に被り、豪快に後ろに放り投げ、ホラ貝が鳴り響く中、力水を浴びます。

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(境内前で記念撮影の後、臼かぶりが始まります。凄い数のカメラマンです)


普通そこで終わりそうなんですが、この「うすかぶり」はそれから町内を練り歩き、家々の軒先に置いてある臼を被っては投げ、被っては投げ、ホラ貝の音と共に力水を浴びながらびしょ濡れになって最後に頭の自宅の前で臼を被ります。今日は晴れていましたが、力水(ただの冷水です)をかけられて風の吹く中濡れたサラシで街中を40分近く闊歩するのは、ひょっとして寒中水泳の方がまだマシではないかと思うほど。

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(西鉄線路脇を駆け抜ける白装束の一団!)

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(力水も最初の頃はガンガン掛かってきます)

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(住宅街、走ってるそばからも力水が降ってきます)

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(臼を放り投げた瞬間に力水を浴びせるのがプロの技)

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(頭の家も近づいて来ました、一同かなり疲労の色が滲み出ます。サラシは既に水で透け透けです)

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(うすかぶりを卒業した先輩は力水担当。気合いを入れられます!)

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(見ている方も背中がゾクゾクするくらい寒くなる。シャッターチャンスが沢山有るのか、遠方からもカメラマン多数でした)

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(そして締めは今年の頭、大畑君。盛大に力水を浴びて)

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(見事に臼を放り投げました!お疲れ様でした!!)

で、頭の家で終わりかと思ったら、また淀姫神社まで走って戻って、最後の最後に履いていた草鞋を放り投げ捨てて解散だそうです。終わり方もなんか格好いいですよね!


この行事、江戸時代に山伏の修行として始まったらしいのですが、永らく途絶えていたのものを20年前に酒飲み話で「復活しよう!」と盛り上がり、今に至るそうです。その復活を嗾けた方は既に町外に転出されたという(苦笑)

江浦は夏の大蛇祭りでいつもお世話になっており、地域の絆が祭りと共に培われているなぁと常々感心していましたが、今日のうすかぶりを見て更にその思いは確信となりました。江浦、凄すぎます。

【平成29年みやま市消防団出初め式&成人式】

みやま市では7日に消防団出初め式、8日は成人式が行われました。
山川東部第一、二、三分団の小隊訓練、柳川警察署長が「警察でも小隊訓練は30人でやるのに、40人で合わせるのは凄い」と舌を巻いておられました。また飯江分団のポンプ車操法も9月の県大会で発揮した実力をしっかりと披露する事が出来たと思います。この日のために長きにわたる練習本当にお疲れ様でした。

訓練展示に限らず、みやま市の出初め式の細部にわたる規律正しさは本当にレベルが高いと、他市からお越しの来賓の皆様も絶賛されていました。それぞれお仕事や家庭をお持ちにも関わらず、市民の安全安心の為に常日頃から厳しい訓練を重ねている成果でしょう。団員の皆さんは今年も誇りをもって消防活動に当たって頂きたいです。

成人式は中学生で構成されるジュニアリーダーの皆さんがお手伝いをされ、司会は新成人の代表者が務められる中、厳かな中に執り行われました。今年の新成人は397名。壇上からみると晴れ姿の女性の出席者が、男性より多いように感じました。みんな輝いていましたよ。
私は県議として祝辞を述べさせて頂きました。実は成人式の祝辞は一番緊張するのです。居眠りしている人ももちろん居ますが、成人として第一歩を踏み出す意欲に溢れた方々の真摯な眼差しが痛いくらいに突き刺さります。議員としてではなく、一歩先を生きる社会人として私は毎年「一隅を照らす」という言葉を贈らせて頂いています。成人された皆さんが社会の様々な立場立場でしっかりと頑張って頂き、明るい未来を共に築いていくことを期待しています。

 

【いすゞ自動車九州(株)みやま柳川支店オープン!】

昨日443号線バイパス・みやま市道の駅前にいすゞ自動車九州のみやま柳川支店竣工式が執り行われました。
敷地面積約1万㎡で、この地に大型トラックを含む最新の整備工場が出来たことにいすゞ九州の蛭間社長は「最後のピースが埋まった」と表現をされました。
443号線バイパスは、九州の大動脈である九州自動車道みやま柳川ICと、完成すれば新たな60万人の人口圏を産み出す有明海沿岸道路徳益ICを結ぶ道路。ここを中心に地域の活性化を図っていますが、農業振興地域故の難しさが横たわっており、今回いすゞの支店が進出して貰ったのは大きな一歩だと思います。みやま柳川IC前は企業団地開発の話が持ち上がっており、また443バイパスも延伸含め様々な施策が取り沙汰されています。これを切っ掛けに県南振興を443バイパスが牽引していくよう国・県・市がベクトルを一つにこれからも努力して行かねばなりません。
昨日は天気が良くて、いすゞの赤いロゴが青空に綺麗に映えていました。地域に愛され、地域に溶け込む支店として頑張って頂く事を期待しております。

 

【平成29年、今年もやります新春のつどい!】

明けましておめでとうございます。福岡は天気に恵まれた素晴らしい三が日で、皆様も穏やかなお正月を迎えられたのではと存じます。板橋さとし事務所も1月4日より始動しております。今年もどうぞ宜しくお願い致します。
恒例となりました「新春の集い 県政報告会」を下記のとおり開催します。

日時 2月5日(日)
受付 16:30〜 開会17:00〜
場所 まいピア高田
会費 2,000円
託児コーナー有ります。お母さん大歓迎!(事前に事務所へ御連絡下さい)

昨年は40年振りの大寒波による大雪、琴奨菊関の初優勝が決定する時間帯の開催というスリリングな状況でしたが本当に多くの皆様にご参集頂き心から感謝しております。
今年はとにかくお天気に恵まれることを祈り、県政報告会でご報告する内容を取りまとめているところです。是非一人でも多くの方々と県南に対する私の想いを共有させて頂き、この故郷でより一層の県勢振興を皆様と共に目指したいと願っています。
ご多忙とは存じますが、御家族、ご友人、ご近所様でお誘い合わせの上ご参加頂ければ幸甚です。
宜しくお願い申し上げます。
(写真は昨年の様子です)

 

【みやま市消防団夜間訓練激励】

【みやま市消防団夜間訓練激励】
昨晩はみやま市消防団の夜間訓練の激励に行って参りました。
年明けに行われる出初め式で小隊訓練とポンプ車操法の披露をする為、11月から週三回のペースで山川東部第1・2・3分団と飯江分団の皆さんはお仕事が終わられた後、寒風吹きすさぶ中クリスマスの三連休もなんのその夜間訓練に励んでいらっしゃいます。
新潟県での大火災が起こったばかりですが、みやま市でも今週大きな火災があり、地域住民の生命財産を一番間近で守っている消防団に注目が集まっています。日々の訓練に余念がない団員と指導者の皆さんに頭が下がります。
山川南部第1・2分団の皆さんも激励に駆けつけるなど、みやま市の消防団は本当に結束力も強く、地元住民として本当に誇らしく思います。来週は年末特別警戒も行われますが、体調に留意して活動されることを心から願います。

 

【平成28年12月議会終了、日々勉強】

【平成28年12月議会終了、日々勉強】
約3週間の会期を経て、本日12月定例議会が閉会しました。
「安全・安心、防災対応の強化」「地方創生の推進」「子育て支援、福祉の充実」を柱とした諸施策の実施のために342億5百万円余の補正予算など34件の議案が審議され、可決されました。また国に提出する意見書を3件採択、特に添付写真にある「鳥獣被害防止対策の充実を求める意見書」は県議会においても何度も議論がされており、県南地域の農業者にとっても大きな課題で私自身の初めての一般質問のテーマでした。
県単独の努力だけでは乗り越えられない部分もあります。この意見書によって福岡県の窮状を酌み取ってもらい、国の施策が更に前進し充実する事を願います。

今回は議案付託された総務企画地域振興委員会と県土整備委員会の二つの委員会がそれぞれ紛糾するという異例の事態となりました。
私が委員長を務める総務企画地域振興委員会では、前回11月29日に「知事の危機管理」を議題に開会した委員会において、重要な質問(知事のスケジュール)に対して虚偽と疑われるような、誤った答弁を行っていたことが事後に発覚。執行部と議会の信頼関係を大きく損なったとして、知事に出席を求め、誤った答弁に対する陳謝、議会と執行部の信頼回復及び知事の危機管理について万全を尽くしていく旨の決意表明がされました。
結論だけ書くとあっという間ですが、そこに辿り着くまで委員長として議会内の調整がこんなに大変とは。。初めての経験でしたが、先輩方のご指導と同僚のサポートのお陰でなんとか乗り切ることが出来ました。本当に有り難うございました。

【筑後広域公園プールいよいよオープン】

【筑後広域公園プールいよいよオープン】
12月1日に県営筑後広域公園のプール施設がいよいよオープンします。はそれに先駆け11月27日(日)に竣工式とオープニングセレモニー、そして一般無料開放が行われました。
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筑後地域で唯一の日本水泳連盟公認の屋外50mプールと屋内施設には温水の25mプール・子供プール・幼児プール・ジャグジーを備え、トレーニングルームとフィットネスルームを完備しています。
私が子供の頃は瀬高町営プールという50m公認プールがあり、各種県大会や九州大会が開催され、この地域の競泳のレベルは大変高かったと聞いております。リオオリンピックで柳川出身の坂井聖人選手が銀メダルを取りましたが、筑後広域公園プールも地域の水泳熱を高め競技人口を増やすきっかけとなり、健康増進は勿論、多くの活躍選手を輩出できればと期待します。
特に屋外50mプールは約1400席の観客席があり、九州大会などは十分開催が可能となりました。ハイレベルな競技に間近で触れるのは地域全体のレベル向上に寄与できる事でしょう。
更に25m温水プールにはスロープがついており、若い方だけでなく足腰に不安を抱える高齢者の方や障がいのお持ちの方にも優しい設計となっています。
私が常日頃口にする「スポーツを核とした広域地域振興」へ向けて大きな一歩が踏み出せました。
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オープニングセレモニーにはオリンピック北京大会とロンドン大会に背泳と自由形で出場し、現在はJOCオリンピック・ムーブメント・アンバサダーとして全国を飛び回る伊藤華英先生が登場。
地元本郷小学校、下庄小学校の子供達にオリンピック精神や自身のオリンピック出場の体験談などを熱く語って下さいました。
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その後の泳ぎ初めは、伊藤先生と子供達、そして今年の日本身体障がい者水泳選手権大会、背泳・視覚障害の部で日本新記録を出して優勝した地元本郷出身の浅山賢一さんをはじめとする水泳を愛する障がい者で結成された福岡クローバーシャークSCの皆さんが飾ってくれました。
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私の夢は、このプールに2020年東京オリンピック・パラリンピックのキャンプを誘致したい!子供達に夢を!そして2020年東京大会の熱気を是非県南の皆様とこの地で共に味わいたいんです!その為には地元自治体はじめ多くの皆さんのご理解ご協力が不可欠です。筑後広域公園プール施設の完成が、その機運を醸成することを心から願っております。
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【福岡県産海苔の名称が「福岡有明のり」に!】

【福岡県産海苔の名称が「福岡有明のり」に!】
本日は今シーズンの海苔の初入札でした。福岡県の有明海沖で養殖される海苔は2006年に「福岡のり」と名付けられブランド力を高める努力がされてきました、どうしても「有明海産」のイメージと結びつかず。全国3位の売上高を誇るにも関わらず「福岡のり」というブランドの認知度は20%程度に低迷をしていました。
今年2月の定例議会にて我が自民党会派の代表質問にて、そろそろネーミングの見直しをしてブランド力向上のテコ入れをすべきとの提案を行い、福岡有明海漁連のご意向も踏まえながら、「有明海産」をもっとイメージできるよう「福岡有明のり」という新名称が今日発表されました。
福岡県産の海苔は昨年・一昨年と2年連続で豊作で、漁連の皆さんも3年連続に大きな期待を寄せていらっしゃいました。何枚か試食をさせて頂きましたが、味はもちろん、色づき、口溶けともにいつも以上に美味しく感じました。入札会場にはもちろんご飯はありませんが、「これで塩むすびを食べたい!」と心の中で思ってしまいました。
新生「福岡有明のり」をどうぞ宜しくお願いします!

 

【総務企画地域振興委員会管内視察 福津市、宗像市、糸島市、九州大学伊都キャンパス】

【総務企画地域振興委員会管内視察 福津市、宗像市、糸島市、九州大学伊都キャンパス】
私が委員長を務める総務企画地域振興委員会で11月7-8日にかけて管内視察を行いました。
備忘録代わりに纏めておきます。

○ 福津市役所「津屋崎千軒を核とした移住・交流ビジネス化事業について」
福津市は平成17年に福間町と津屋崎町が合併して出来た市です。県議会の大先輩でもある小山達生市長にご多忙な中ご出席を賜りました。小山市長によると福津市のピーク時の人口は約57000人だったのが平成22年に約55000人まで減少。しかしそれから底を打ち平成28年10月末では61500人(住民基本台帳ベース)に増加しているとの事。
そんな中、福津市への移住サポートやUIターン支援、起業支援、古民家再生など幅広い事業を行っている津屋崎ブランチの山口覚代表にその取り組みをご説明頂きました。
前提として、人口減少の対応はソフト事業が重要。空き家問題については、大学卒業して都会に就職家を購入し永住という、田舎から都会への片道の人口流動に問題が有る。また増加人口は新築物件に入居したがる。空き家では魅力が無いのでリノベーションが必要。
その上で移住者支援は関東の30代夫婦+1〜4歳の子供を持つ世代にターゲットを絞り込み進められ、平成22年から27年の5年間で旧津屋崎町では905人の住民増となったそうです。
個人的に特に興味深かったのは、空き家再生において貸し主の金銭負担が足かせになっているため、負担ゼロの事業スキームを多く産み出されていることです。家賃前払い方式とか自主改修方式、物語銀行(自己資金が足りなければ地域で出資して2〜3年で返済するスキーム)、仏壇のあるところは法事の時だけ利用可能にする等々、なるほどそれなら借り手と貸し手がWin-Winになれるというアイディアに唸りました。
しかし、貸し手と借り主の信頼関係がないとどんな立派なスキームでも上手く行かない。津屋崎ブランチは間に入って仲を取り持つ。そうすると大体2年位経つと信頼関係が出来るそうです。
もう一度じっくり、私の地元の人達を交えてお話しを伺いたいくらい興味深かったです。
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○ 宗像市役所「全国豊かな海づくり大会を活用した地域振興について」
神宿る島宗像・沖ノ島と関連遺産群のユネスコ世界分会遺産登録を控えている宗像市ですが、来年の「全国豊かな海づくり大会」の開催地にもなっており、その準備が本格化しております。全国豊かな海づくり大会とは、水産資源の保護・管理や海・河川の環境保全の大切さを広く国民に伝え、漁業振興・発展を図ることを目的として例年天皇皇后両陛下ご臨席のもと開催される国民的行事です。特に岡県は日本海・太平洋・有明海に面し、筑後川や矢部川など豊かな河川を持っており、県内各地と連携し県民一丸となった大会を目指しています。
宗像市においてはこの機会を活用し、特に全国トップクラスの漁獲量を誇るも知名度が今一歩の鐘崎天然とらふぐなど県内随一の水産業のPRや、宗像市が毎年行っている「宗像国際環境100人会議」との連携を通じ漁業の振興と発展、海や河川の環境保全、世界文化遺産登録活動のPR、市民参加型の大会を目指します。
谷井市長がご多忙の中お顔を見せていただき、冒頭ご挨拶を賜りました。有り難うございます。
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○ 糸島市役所「九州大学との連携したまちづくりについて」
糸島市の月形市長は私が初当選当時の県議会3期生。「議会とはなんぞや?」からはじまり、本当に公私にわたりご指導を頂いた先輩です。今回の視察にあたり最後までご参加を頂き大変有り難うございました。
月形市長曰く「百年の大計をもって九州大学が伊都キャンパスに移転してくる。糸島市も百年の大計をもって胸を張れるまちづくりをしなくてはならない」、その命を受けて奮闘中の市地域振興課さんからご説明を頂きました。九大は平成30年に移転完了予定。面積275ha、約1万8000人規模の学生と教職員が移転対象です。糸島市は「九大を生かした地域づくりプロジェクト」を重点プロジェクトの一つとして、九州大学学術研究都市をつくる事を大目標にヒト、モノ、カネ、コト、情報を糸島市に呼び込むイメージで既に年間100件を超える連携・交流事業を実施しています。
糸島在住・出身の九大職員と糸島市職員の交流団体を設立したり、九大の少人数セミナーにおいて糸島市消防本部が実技訓練等を担当して九大生を郷土・地域を守る地域防災の担い手になることを期待したり、九大生(留学生含む)に体験プログラムを通じて国内外に糸島市の魅力をSNSで発信してもらったり、幅広い取り組みを行っています。
また九大の知的資源を活用する為に、九大の研究者から市民向けの公開講座を実施。糸島市内の地域課題や行政課題の解決、地域資源の掘り起こしを目的として実施する研究に対しては最大100万円の助成金を創設。また、個人的に一番気に入ったのは、小中学生の学習意欲を向上させたり将来の夢の実現の為に実施している、中学生が夏休みに九大伊都キャンパスで学ぶ「伊都塾」、小学生が土曜授業で九大生から学ぶ「九大寺子屋」です。これにより大学生への憧れが高まり、勉強に対する動機付けがされるとの事。羨ましい限りです。
まだまだ課題は有りますが「市民と大学」「大学と市民」をつなぐべく、「まち」と「九大」をつなぐ空間の創出に今後は力を入れていくとのご説明でした。
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○ 九州大学伊都キャンパス「共進化社会システム創成拠点について」
九州大学伊都キャンパスを訪問し、共進化社会システム創成拠点のプロジェクトリーダーである是久洋一先生からお話しを伺いました。
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文科省では平成25年に「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」において10年後の社会のニーズを検討し、そこから導き出される社会の姿、暮らしのありかたをビジョンとして設定しました。そのビジョンを基に科学技術推進機構の支援を得て、国内に多くの拠点を設け基礎研究から実用化を目指して、産学連携の研究開発が行われています。
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九州大学ではICTによる新しい街づくりを目指し、これからの都市が抱える問題を現実世界からのビッグデータを収集し、都市OS上の仮想都市モデルで都市交通の最適化、エネルギーの最適化、市民サービスの最適化をシミュレーションし、実世界へフィードバックさせるという、ここまでちゃんと読んで理解して頂ける方がいらっしゃるか分かりませんが(苦笑)そういう研究が行われています。
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是久先生は民間(パナソニック)出身で、最終的にここで行われた研究の結果を社会実装することを最終目的にされているそうです。
お話しの中でエネルギー分野地域連携の事例として私の地元みやま市のスマートエネルギーの取り組みが紹介されました、それももの凄く高い評価を頂いて!地元に住んでいるとイマイチピンとこないのですが、10年後のよりよい社会を目指す中でみやま市も一役買っていると実感すると嬉しいですね。
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【こども・子育て支援調査特別委員会管外視察 広島・島根】

【こども・子育て支援調査特別委員会管外視察 広島・島根】
福岡の県議会議員は常任委員会と調査特別委員会の二つの委員会に所属します。私が所属するこども・子育て支援調査特別委員会の管外視察で広島県と島根県を訪問しましたので備忘録代わりにレポートします。
今回の視察は少子化対策について先進的な取り組みをしている中国地方の4自治体を訪問しました。私自身、議会に於いて少子化対策については何度も質問しておりますが、他自治体の施策や目標設定などに詳しく触れる事で、地域特性により色んなやり方が有ることを実感し、目から鱗の視察となりました。

○ 広島県:イクボス同盟ひろしま
広島県では女性活躍と保育をセットにして対応する「働く女性応援課」があります。女性活躍の課題として、女性は結婚・出産を機に離職する方が多く、25ー44歳の就業状況が低くなる、所謂「M字カーブ」の解消を目指しています。

その中で広島県は女性の働き方について大変保守的らしく、先ずは職場環境を変えていくために「イクボス」の普及拡大に力を入れています。

広島県の湯﨑知事は、自らが子育て真っ最中の世代。末っ子さんの誕生を切っ掛けに都道府県知事初の「イクボス宣言」。その後、海上自衛隊呉地方総監、広島県警本部長などの御歴歴を巻き込み「イクボス宣言」が行われました。その流れの中で、男女ともに働きやすい職場づくりを目指す経営者の集い「イクメン企業同盟ひろしま(現在は『イクボス同盟ひろしま』)」が結成されました。メンバーは結成時20人から平成28年7月時点で114人に。

プロモーションビデオ「イクボス野球団」作成はじめ、社会全体の男性の意識改革や行動変容を即すための活動を行われています。

また、湯﨑知事は都道府県知事として初めて育児休暇を取得し大きなニュースになりましたが、県としても「いきいきパパの育休奨励金」として男性従業員が一週間以上の育児休暇等を取得した中小企業事業主に対し10〜30万円までの奨励金を支給。こういった施策もあり、他県と比べて倍以上の男性育児休暇取得率(全国平均2.3%、広島県5.1%)を実現しています。

トップリーダーである知事がまさにイクメン真っ最中であり、実体験に基づく理解が功を奏してか、広島県ではイクメン・イクボスの浸透は知事のリーダーシップにより進んでいると感じました。

○ 島根県邑南町(おおなんちょう):日本一の子育て村構想
ここはインパクトがある視察でした。

邑南町は2004年に2町1村が合併して誕生、島根県中央部の広島県との県境に位置する中山間地で、人口は僅か11,294人(平成28.3.1現在)、高齢化率42.5%。高齢過疎化中山間地のイメージそのままの自治体ですが、平成22年度に過疎地域自立促進計画を策定(1)攻めのA級グルメ構想、(2)守りの日本一の子育て村、(3)徹底した移住者ケア、の3点を柱とした「攻めと守りの定住プロジェクト」を立ち上げました。

その結果、平成26年度の合計特殊出生率が2.07人(平成24年度はなんと2.65人!)、平成22年度から27年度までの移住者が合計262人(内、59人が児童)、平成25年からは3年連続で社会動態(転出と転入の差)がプラスに転じるなど目覚ましい成果を上げています。

邑南町の成功の秘訣は、多くの自治体が一昨年の増田レポートから躍起になった人口減少社会対策より一歩先んじて対応を始めたことと、高齢化の町にも関わらず徹底した子育てに関する経済的負担の軽減施策にあると感じます。

例えば、中学校卒業まで医療費が無償、保育料は第二子目以降は第一子の年齢に関わらず完全無料、病児・病後児保育の充実、邑南町にある県立高校への寮費・バス通学定期への補助、ネットを利用して補習授業の講師に現役東大生、医療福祉資格取得・農林業後継者育成・奨学金に関しては将来的に邑南町で働いたり定住すると償還免除となる制度などなど。よくまぁここまで徹底したなぁと感心します。子育て支援関連事業にはおよそ9億円の事業費が充てられており、人口11千人の町にはちょっと大きすぎる気もしますし、実際当初は議会の反発もあったそうですが、着実に結果を出している事で、現在は理解を得られているそうです。財源には過疎対策事業債を最大限活用、邑南町日本一の子育て村推進基金を造成するなどして対応しています。

現在邑南町には各種自治体からの視察が相次いでおり、視察受入の条件は町内で宿泊するか食事をする事となっているそうです。それだけの成果を上げている邑南町、今後の推移にも注目していきたいと思います。

○ 島根県議会:島根県総合戦略〜結婚・出産・子育ての希望をかなえる社会づくり
島根県議会に到着するのが約束の時間より大幅に早かったもので、隣にある物産館を覗くとそこには「島根か鳥取か分からないけどそこら辺に行きました」という衝撃的なネーミングのお土産が。そんな自虐ネタが売りになるほど知名度が今一つで、おそらく過疎化にも苦労をされているのだろうなぁと視察に伺うと、いやいやどうして、素晴らしい少子化対策を行われていました。

島根県は平成15〜16年に合計特殊出生率1.48と歴代最低の値を記録し、国が制定した少子化社会対策基本法(H15年)大綱(H16年)に併せて人口減少対策を開始しました。当初は「少子化対策推進室」を担当部署としていましたが、そこに子育て支援等の機能も取り込み現在では「子ども子育て支援課」に格上げして活動しておられます。

その結果、合計特殊出生率は平成17年以降増加傾向にあり、平成27年度は1.80で沖縄県に次いで全国2位。また出生数も緩やかな下降で踏みとどまり、平成23年以降は5500人台でほぼ横ばい傾向にあります。また婚姻数も同様に約3000件で横ばい。島根県では毎年約5000人、人口が減っていく中、大健闘していると言えます。

親となる若い世代の減少、未婚・晩婚化の進行、子育て環境の変化や負担感・不安感の高まりなど、様々な少子化の背景・要因が有る中、県としては少子化対策の一丁目一番地として「どれだけ家族を増やせるか」を掲げ、結婚支援・子育て支援・仕事と子育ての両立支援に様々な施策を打ち立てていらっしゃいます。

島根県で大変参考になったのは、非常に具体的で明解な目標設定をされている事です。例えば、県が運営する「しまね縁結びサポートセンター」を通じた結婚数 150件/年、とか、合計特殊出生率1.7、とか。普通はこういう数値目標、しかも逃げも隠れも出来ない数値を具体的に目標にすることは役人は嫌がります。実際福岡県では地方創生総合戦略において似たような施策を掲げていますが、その目標設定において合計特出生率は使用せず『県民が「理想とする子どもの数」と「実際に持つつもりの子どもの数」の差を縮小する』とか、結婚数とは言わずに『福岡県が実施する出会い・結婚応援事業による出会い応援イベントへの参加者数を 10,000 人/年(H31 年度)』という目標設定をしています。

やはり、目標設定の仕方で、その後の施策の細部は変わってくると思いますので、誰にも明確で分かり易い目標設定をした島根県の英断を評価したいと思います。執行部からの説明を聞いていても明解で分かり易かったと特別委員会メンバーにも評判でした。

○ 松江市役所:子育て環境日本一実現プロジェクト
リオオリンピック男子テニスで日本勢96年振りとなる銅メダルを獲得した錦織圭選手は松江市出身。松江市役所の入口には大きな垂れ幕が3つ、錦織選手を応援してました。松江市民もさぞ盛り上がっている事でしょう。

松江市も島根県全体における傾向と同じく、若者の人口流出や未婚・晩婚が進んでいます。平成27年に松江市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン第一次総合戦略では、5つの基本目標、10の重点プロジェクトそしてそれにぶら下がる施策を策定した上で、これを「市民運動」と定義。行政主導ではなく、市民を巻き込み、「出生数2000人/年」「平均270人/年の社会増」という二つの挑戦を定義、実現を目指します。

この発想には大いに共感します。人口減少問題で一番ネックになるのは、結婚や出産は極めて個人的な問題でもあり、行政主導で目標を立てることに違和感があるのも否めません。やはりより良い社会を次世代に繋げる為には、行政だけでなく、我々住民自身が積極的に関わる事が必須です。

また松江市では5歳児検診を行っています。普通は3歳児検診ですが、近年増加している発達障害児の早期発見において5歳児検診は大変有効とされており、松江市が設立した発達教育指導センター「エスコ」と緊密に連携し、一次・二次検診を実施するなど充実したサポート体制を構築しており大変参考になりました。

余談ですが、視察の時は早朝ホテルの近所を散歩するようにしています。宍道湖、中海、そして松江城のお堀など豊かな水に囲まれる松江市の街並みは情緒があり大変素敵でした。島根県初上陸でしたが、出来る事なら家族でゆっくり観光に訪れたいなぁ。