【やっと逢えた!憧れの「ばかもの」木村俊昭先生】
1月28日に九州各県議会議員研修会が熊本で開催されました。当初、他のスケジュールとの兼ね合いもあったのですが、その講師が木村俊昭先生(東京農業大学教授)と知り一も二も無く参加する事させていただきました。
2009年にNHKで放送された「プロフェッショナル 仕事の流儀」、「”ばかもの”が、うねりを起こす」というテーマで当時内閣官房・内閣府・企画監として地方創生(当時はそんな言葉はありませんでした)に奔走している木村俊昭さんを知り、その後刊行された「『できない』を『できる!』に変える」という書籍を貪り読み、それまで考えもしなかった故郷への熱い想いを呼び覚まされた事を昨日のように覚えています。
その二年後に会社員の職を辞して県議会議員に挑戦する決断をし、初めての一般質問の結びで「できない理由を探すのではなく、県民のために一緒に知恵を絞り、どうやったらできるのか前向きに取り組んでいただくことを要望する」と知事に伝えたのはまさに木村さんが地域に伝え続ける「できないをできるに変える」精神に感化されてのものです。その想いは今でも全く変わりません。
いつもより短い講演時間だったそうですが、その中で「地域の産業・歴史・文化を徹底的に掘り起こし磨き上げる」「故郷を愛する子供達を育てる」「行政は順番を間違っている」「何故出来ないのか?一部の地域の一部の人が決めているから。広聴が大事」「誰をパートナーにして誰をブレインにするのか?」「3年やって駄目なら永遠に出来ない」などなど、貴重な木村イズムをたっぷり注入して頂きました。
特に皆さんと共有したいのは「順番」の話。行政は最初に企業誘致や移住など外部に助けを求めるのではなく、地元企業・基幹産業の振興⇒地元からの起業⇒企業誘致、或いは、定住促進⇒移住、という順番で今まで地元に住んでいる、地元で商いをしている方々の満足度を上げることが優先順位の最初にこなければならないという内容。私も人口減少対策は、まずは地域の基幹産業に後継者がUターンしてくるような環境を作ることこそが持続可能な地方都市にする一丁目一番地と考えます。その為にも「地域の産業・歴史・文化を徹底的に掘り起こし磨き上げる」事が必要になるんですね。
7年前に故郷に対する考え方を一変させられ、いつかこの人と会いたいと思って、その願いが叶うことに奇跡を感じずにいられませんでした。
ちょっとオーバーですか(^_^;)
でも、この感動を必ず県政振興に反映させるよう努力致します。
また、もう1人の講師である徳島県神山町の「神山プロジェクト」仕掛け人、大南信也先生(NPO法人グリーンバレー理事長)の講演も素晴らしかった。
徳島県神山は人口僅か6000人の中山間地。地域課題を「雇用が無い・仕事が無い」と設定し、「若者が古里へ帰ってこられない」「移住者を呼び込めない」「地域を担う後継人材が育たない」という現状を打破するために「神山プロジェクト」を立ち上げます。
その手法は木村俊昭先生とは全く逆の発想で「IT・映像・デザインなど働く場所を選ばない企業の誘致」「町の将来にとって必要になる働き手や起業者の誘致」「求職者支援訓練制度を活用し、首都圏出身・クリエイター系の若手を呼込み、後継人材の育成」という、町に無いものを外部から招き入れ健全な人口構成や、ビジネスの場としての魅力や産業のバランスを目指すというものでした。
しかし、そのプロジェクトの先には、本丸である地元農業の振興や、資金の地産地消による地域からの起業家の創造という地域内経済循環が最終目的地として存在しており、手法は様々あれど地方創生という頂は同じなのだと納得します。
大南先生の「人口減少は絶対に避けられない。だから過疎化の現状を受け入れ、数では無く内容を改善する」すなわち「創造的過疎」を目指すというコンセプトには唸ってしまいました。弱点を特徴として捉える前向きな発想に裏打ちされる、「隠された図書館」や「山の中の歯医者さん」などの解説には元気づけられます。
書き始めると止らないほど、充実したお二人のご講演でした。じっくり咀嚼して今後の活動に取り入れていきます。木村先生・大南先生ありがとうございました!