昨日は私をサポートして頂いている聡政会主催の県政セミナーを開催しました。
今年の講師は福津市津屋崎にて津屋崎ブランチを立ち上げ、移住者支援・古民家再生や起業支援などを通じまちづくりに尽力してある山口覚先生。演題は「新しい時代の 新しい街づくり」
北九州出身で大手ゼネコン鹿島建設で勤務されていましたが、東京から地方のまちづくりに関わる事に疑問を持ち福津市に移住し津屋崎ブランチを立ち上げまちづくりをされています。
2009年から5年間で34組108名の移住者を呼び込み、その後(山口先生曰く)面倒臭くなって数えてはいませんが国勢調査によると10年間で津屋崎エリアの人口は902名増加しています。
昨年8月、私が委員長を務める総務企画地域振興委員会で視察をした際に津屋崎千軒のまちづくりについてご説明を頂き、その発想と情熱に感動し是非これを地元の皆さんと共有したいと思い立ち、今回の講師依頼に繋がりました。
つい先日の徳島県神山町のまちづくりでも感じましたが、今必要とされるのはメディアや中央官庁ベースで喧伝される「地方創生の成功事例」の逆をいく発想。
今回の山口先生の講演でもそのような目から鱗のお話しを沢山聞けました、例えば
「合併したから昔の町名で呼ばずに、新市の名前で呼んで欲しい」→「一括りにする事で旧町の個性が消えるから、敢えて昔の名前で呼ぼう」
「東京(或いは福岡市)にあって津屋崎に無い物を持ってこよう」→「それでは勝てない。同じ土俵で勝負しない」
「田舎に住みたい」→「でも時々は都会に行きたいのが移住者の心情」
「移住者ツアーは人数を多く集めると盛り上がっているように見える」→「あえて少人数(5名程度)のツアーにしてその代わり参加者には手厚いサポートをする方が実は効果が高い」
「単身者は身軽なので移住しやすい」→「しかし単身者はすぐに転居も出来る。だから敢えてターゲットは30代夫婦+1〜4歳の子持ち」
「誰でもいいから来て下さい」→「地元の文化を大切にして街の担い手になる心意気の有る方を呼ぶ」
「挨拶をしない100人」→「挨拶をしあう50人の方が地域力は強い」
それ以外では
「起業と言っても都会の論理でやるのでは無く、3万円とか5万円のお小遣い程度のプチ起業を目指す。自分の好きなことを活かしお小遣いを稼いで、それが街づくりに繋がる流れを作る」
「田舎で月30万円稼ぐのは大変厳しい。しかし月10万円の仕事を3つ作るという発想ならハードルは低い。しかも月10万円しか稼げない仕事は、誰もやり手がいない仕事になっている」
「金銭的な部分を追い求めるのではなく、誰と生きていくか?どういう暮らしが出来るか?という視点が住民にとって大切になる」
という発想も凄い。
また空き家対策についても「空き家対策の問題点は、大家さんが空き家をリフォームしたり清掃したり初期投資をしないと貸せない状況がネック。大家さんに金銭的な負担を一切させないスキーム作りが大切」と看破されました。
産み出されたスキームは
寄附方式:リフォーム費用が600万円かかるなら、50万円の権利を12口売り出し、それを原資に旅館を作った。権利者は7年間自由に泊まる権利を与える。7年後に物件は大家の手元に戻る。
家賃前払い方式:12年分の家賃を先に貰ってリフォーム&改築。13年目に大家は出て行って貰うか継続して住むか判断する。
自主改修方式:オーナーは津屋崎生まれだが北海道に嫁ぎ二度と津屋崎に戻ってくる予定は無い。しかし自分が津屋崎にルーツがあることを証明するのはその空き家の登記簿だけだから絶対に他人に渡したくない。だったら月々5000円程度の超低価格で貸して、改修は借り主の好きにさせて、管理までして貰う。
などなど。これには多くの社長さんがヒントを得ていたように見えました。
山口先生の刺激的な講演のお陰で、その後の懇親会は話題が途切れず最後まで残って頂ける方が多く大盛況でした。
みなさんのハートに地方創生の火が付いた瞬間だと思います。私も県政の立場からしっかりと盛り上げて参ります。
山口先生、ご参加頂いた皆様本当に有り難うございました。