【第6回福岡県ワンヘルス国際フォーラム〜地域の取り組みが築く健康な未来〜】

 2月21日にアクロス福岡で開催された「第6回福岡県ワンヘルス国際フォーラム」に出席してまいりました。昨日行われた第221回特別国会の高市早苗総理所信表明演説で「ワンヘルスの推進」が宣言された事も有り、会場は熱気を帯びていました。


 今年のテーマは「都市と生命(いのち)の共存を考える〜気候変動時代のワンヘルス・アプローチ〜」でした。開会式では、服部誠太郎福岡県知事より、人、動物、環境の健康を一つのものと捉えて一体的に守る「ワンヘルス」の理念実践に向けたご挨拶がありました。福岡県は全国初の推進基本条例を制定しており、2027年度中の供用開始を目指して「ワンヘルスセンター」の整備を進めています。また、世界獣医師会次期会長で全国都道府県議長会会長のの藏内勇夫先生からも、感染症対策には世界が一つになる必要があり、最近みやま市でワンヘルスセンターの起工式を行ったとの力強いご報告がありました。


 続いて、世界医師会会長のジャクリーン・キトゥル博士による特別講演が行われました。博士はご出身のケニアからの視点を交え、「世界医師会はワンヘルス・アプローチを強力に支持し、人間、動物、環境の緊密な連携を提唱している」とスピーチされました。さらに、「COVID-19は人獣共通感染症のパンデミックがいかに壊滅的な影響をもたらすかを露呈した」と語り、気候変動や環境悪化が疾病リスクを高める現代において、分野を超えたグローバルな連携がいかに重要であるかを訴えかけられました。
 その後、ワンヘルス実践発表会が行われました。九州大学の横田文彦准教授の英語での発表では、大学の分野横断的な取り組みや、AIを活用した新型コロナウイルスの音声検出研究などが紹介されました。大変感激したのは、日本の公開データを用いてワンヘルスの浸透度を分析した研究の報告です。その中で、「福岡県内においてみやま市のワンヘルス浸透度が突出して高い」という大変素晴らしい結果が示されました。地域産業や行政と連携した実践的な社会実装モデルが、みやま市で着実に実を結んでいる事実は、私たちの活動の大きな励みとなります。


 また、久留米筑水高校の生徒たちによる実践報告にも大変感銘を受けました。地域の伝統産業である櫨の木の保全活動を通じ、廃棄される剪定枝と放置竹林の竹を組み合わせた着火剤や、肌に優しい竹エキス入りハンドクリーム、廃棄野菜を活用したクレヨンなどを開発したそうです。人、環境の健康と地域資源の循環を繋ぎ、若い世代がワンヘルスを自分事として見事に社会実装している姿は非常に頼もしく感じられました。


 地域社会との連携による草の根の活動が、みやま市や高校生たちの取り組みのように確かな形となっていることは、私たちの希望です。今回のフォーラムで得た知見と国際的な連帯の輪を糧に、皆様と共にワンヘルスの理念を地域にさらに広げ、より健康で安全な未来を築くための活動を加速させてまいります。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

【総務企画地域振興委員会 管内視察 〜 福岡市・うきは市】

2月9〜10日に、私が所属する総務企画地域振興委員会の管内視察が行われました。今回の視察先は、外国人支援、地域防災、そして次世代エネルギーという、いずれも福岡県の将来を左右する重要な現場です。それぞれの取り組みについて、備忘録代わりに纏めます。

◎ ルール遵守と治安維持の拠点として「FUKUOKA IS OPENセンター」
 初日は、アクロス福岡3階に昨年10月開設された「FUKUOKA IS OPENセンター」を訪問しました。福岡県内の在留外国人数は2024年末時点で約11万3千人と過去最高を更新しています。労働力不足を補う存在として期待される一方、言葉の壁や生活習慣の違いから、ゴミ出しのルール違反や騒音など、地域住民との間で摩擦が生じる懸念も高まっています。


 このセンターの重要な役割は、外国人が日本の法律や社会のルールを正しく理解し、地域社会の一員として規律ある生活を送れるよう導くことにあります。県、入管、労働局、弁護士会などが連携し、就労から生活相談までをワンストップで管理・指導できる体制を整えました。
 視察では、実際に24言語対応の通訳を介して相談を行う様子を確認しました。適切な指導を行う場があることは、外国人の孤立や生活困窮を防ぎ、結果として犯罪やトラブルの芽を未然に摘むことにつながります。外国人支援は「彼らのため」だけでなく、私たち日本人が安心して暮らせる治安と生活環境を守るための「防波堤」としても機能していることを確認しました。

◎ 観光拠点が命を守る砦に「防災道の駅うきは」
 うきは市の「道の駅うきは」は、年間売上13億円超を誇る九州屈指の人気スポットですが、今回はその裏側にある「広域防災拠点」としての機能を確認しました。国土交通省から「防災道の駅」に選定されており、観光振興だけでなく、有事の際の自衛隊や緊急車両の活動拠点(ベースキャンプ)としての役割を担っています。


 特筆すべきは、視察した「コンテナ型トイレ」の性能です。このトイレは屋根に太陽光パネル、内部に蓄電池と独自の循環式浄水システムを備えており、停電や断水が起きても独立して稼働できます。実際、令和6年の能登半島地震では、このトイレが石川県穴水町などの避難所へ派遣され、約1ヶ月間で6000回以上利用されました。被災地では水不足が深刻だったため、大変感謝されたそうです。


 うきは市は上水道がなく地下水を利用している地域であり、災害時の水源確保は死活問題です。現在、敷地内ではさらに防災倉庫の建設や、無停電化対策が進められています。平時は多くの観光客を受け入れ、災害時には即座に地域住民と支援部隊を守る砦へと変貌する施設整備は、県内他地域のモデルとなる取り組みでした。

◎ 鉄道ホームで挑む次世代発電「JR博多駅 ペロブスカイト太陽電池」
 2日目はJR博多駅のホームへ向かいました。ここでJR九州が実証実験を行っているのが、日本発の次世代技術「ペロブスカイト太陽電池」です。従来のシリコン製パネルは重くて硬いため、設置場所が限られていましたが、この新型電池は「薄い・軽い・曲がる」というフィルムのような特性を持っています。


 実験が行われているのは、博多駅の第2ホーム(北九州方面)の屋根上です。鉄道のホームは、列車の通過による激しい振動、架線からの高電圧、鉄粉や黄砂、台風など、精密機器にとっては極めて過酷な環境です。あえてこの厳しい条件下でデータを取ることで、耐久性と実用性を検証しています。


 現地でモックアップを確認しましたが、従来のパネルとは全く異なり、軽量なシートを貼り付けるだけで設置が完了するため、施工時間が大幅に短縮できる点も大きなメリットです。今回の実験で発電した電気は、すでにホーム上の待合室の照明に利用されています。もしこの技術が確立されれば、耐荷重の低い古い建物の屋根や、ビルの壁面、列車の車体そのものなど、都市のあらゆる場所を発電所に変えることができます。脱炭素社会の切り札として、福岡から技術革新が進むことに大きな期待を寄せました。

 今回の視察を今後の県政運営に反映させるべく努力して参ります。