【幸若舞舞堂が一部リニューアル】
室町時代から続き、唯一みやま市にて継承される、国指定重要無形民族文化財である幸若舞。
織田信長が桶狭間の戦いの前に舞ったと言われる「敦盛」の「人間五十年、下天の内を比ぶれば、夢幻の如く也」と言えばピンと来る方も多いでしょうか。
その舞堂の屋根は茅葺きで出来ておりましたが、短いサイクルでのメンテナンスが必要となり、地域の皆様の負担が非常に大きい。そこで、今回新たに銅葺きに改修され、昨日は落成式が行われました。
筑後地方の御祝いの席では通常「お謡三番」というのが披露されるのですが、幸若舞の御祝いという事で、昨日は幸若舞の演目でもある「日本記」の一節を参加者一同で謡いました。節回しが難しくて、回りに合わせるのが精一杯でしたが室町時代からの歴史の重みの一片を感じる事ができました。
この事業は国・県・市の補助金が使われております。
幸若舞のような「無形文化財」の場合、「舞」そのものが文化財であるために、「舞堂」は基本的に保護対象ではないという理屈があります。
そういう経緯を踏まえ私は平成25年12月議会の一般質問において「地方の時代にふさわしい、地域活性化の為の無形民俗文化財活用について」という質問を行い(議事録とネット録画は下記URL)
http://itahashi.info/blog/20131210110007
その中で
「無形民俗文化財であるお祭りや伝統芸能の保護、継承は地域住民の積極的な参加があって初めて可能であり、またお祭りや伝統芸能が継承され発展することは地域の活性化につながっていく。つまり、無形民俗文化財保護と地域活性化は表裏一体の関係」
と指摘し、もっと積極的な行政の関与を要請しております。
少子化や高齢化により、地域の伝統文化の継承は益々困難になっておりますが、昨日の落成式にお集まりになられた関係者の方々はとても晴れ晴れとしたお顔でした。
また、若手の皆さんが幸若舞の継承を責任と誇りをもって行ってあることがヒシヒシと伝わってきて感動しました。
「無形文化財」の場合、なかなか予算や条件的には厳しい背景がありますが、県においても地域振興における伝統文化継承の重要性を理解して頂けるよう引き続き活動する所存です。
(写真は上が改修後、下が改修前の舞堂)