青少年のインターネット利用状況と課題

11月21日(金)に福岡県青少年問題協議会が開催されました。
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平成26年度上期の少年非行情勢や県青少年健全育成総合計画の進捗についての報告があり、その後青少年のインターネット利用状況と課題、そして適正利用に向けた福岡県の取組と課題について協議が行われました。
モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)の方から大変参考になる現状分析を頂きました、有り難うございます。

私は下記のような趣旨の発言をさせて頂きました(記憶補完モードで備忘録):

インターネットやスマートフォンの普及が及ぼす青少年に対する問題点としては二つあると考える。

一つは違法な有害情報にアクセス出来てしまう問題、もう一つはコミュニケーションの問題。先ず、有害情報の問題はフィルタリングの適切な運用で対策を進めていく。一方でコミュニケーションの問題は、これは「コミュニケーション」そのものの変化では無く、インターネット端末や接続環境の進化によって、「コミュニケーションツール」が進化したため起こっている問題。これは環境の変化であり、数十年たてば自然と収斂していく問題と考えるが、それまで放っていくわけにもいかない。それを踏まえて以下を提言する。

県のインターネット適正利用の取組は生徒に対しての働きかけが多いが、コミュニケーションの基本である家庭の対応が必要。保護者のネットや情報端末に対する知識不足に対する対応をもっと増やすべき。また、昨今、未就学児どころか生まれたばかりの乳幼児などに対して、親御さんがスマホやタブレット端末を触らせてあやす光景をよく目にする。EMAの説明では子供が最初に触れるインターネット端末は携帯ゲーム機と仰ったが、それは間もなく親御さんやおじいちゃんおばあちゃんのスマホに取って変わると考える。これは極端に言えば、三輪車にも乗れない子供にいきなりF1カーの鍵を渡すようなもの。しかも子供がスマホを弄っていると「あらすごいわね」みたいな、自分がよく分からないものを子供が扱っている事に対して手放しでポジティブに捉える傾向を感じる。未就学児や乳幼児の親御さんやお祖父ちゃんお祖母ちゃんに対して、子供とインターネット端末の関わり方について早い段階から学ぶ機会をもっと設けるべきだと考える。

しかし、「メディア依存」の一つとして解説して頂いた「コミュニケーション(きずな)型依存」とか酷いですね。SNSやチャットなどで会話を終わらせることが出来なくてスマホを手放せないとか、一人だけ止めることでグループから阻害とか、想像するだけで暗澹たる思いになります。ネットは生活を便利にしましたが、子供が健やかに成長出来る環境っていったい何だろうか、深く考えさせられました。

先週末は市町村対抗福岡駅伝が開催された筑後広域公園で、本日は福岡県南部グラウンド・ゴルフ交歓大会が開催されました。毎年県内を持ち回りで開催されており、今年はみなみ筑後南部支部グラウンド・ゴルフ協会が主管でした。
全県下からご参集頂いた916名の選手の皆様、最高の天気の下和気藹々とプレイされたのではないでしょうか。
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私のグラウンドゴルフ大会「聡寿杯」でもお世話になった方が多数お世話役として大会運営に携わっていらっしゃいました。ご苦労様でした!

第一回市町村対抗福岡駅伝(くすべえも応援)

先週末は福岡県が主催する「第一回市町村対抗 福岡駅伝」が筑後広域公園にて開催されました。
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県内60市町村がそれぞれジュニア、中学生、一般、シニアの男女選手が9区間30.1キロでタスキを繋ぎます。
結果は9区間の内、5区間で区間賞を勝ち取った北九州市が1時間32分49秒の好タイムで栄えある初代優勝者となりました。以下、福岡市、筑紫野市、久留米市、春日市が続きます。私も所属しているみやま市走ろう会の一丸さんが監督を務めたみやま市チームは1時間52分41秒で32位、選手の皆様、多くのボランティアの皆様本当にお疲れ様でした。来年もそれぞれの目標達成を目指して頑張って欲しいと思います。
シニアの区間(2.7km)で自分も走れないかなとタイムを見てみると区間賞が8分24秒、大体10分ちょっとが平均位か?とてもじゃないけどそんなスピードでは50m位しか走れません。

性別世代を超えた幅広い層の選手達が、地元の誇りをかけてタスキを繋ぐのはまさに「スポーツによる地域振興」。この大会が末永く続き、地域の盛り上がりに一役買うことが出来るよう私も応援していきます。

さて、そんな駅伝選手を応援していたのが、あの「矢部川くすべえ」

丁度、JRの鉄橋をくぐり土手沿いを走るあたりがバッチリのビューポイント。
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ランナーの皆さん、気付いて頂けたでしょうか?

かく言う私も「くすべえに会いたい!」と子供達があまりにせがむので、家族で中の島公園に行ってきました。

至近距離のくすべえ
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写真左下に写っている子供達を見れば、その大きさを感じて貰えると思いますが、デカイ!
そのあまりに非現実的なデカさと、こんなものを実現してしまった「矢部川くすべえ復活委員会」の皆さんの破天荒な実行力にただ笑ってしまいました。

次の目覚めがいつになるのかは、くすべぇのFacebookページをチェックして下さい。
そして、くすべえの目玉のところまでお出かけの時は、是非その周辺でくすべえのお守りをしている委員会メンバーに激励の言葉をかけて上げてください。

くすべえは巨大な生物のため遠くから眺めたり写真に撮ったりする方が多い為、くすべえの間近でお守りをしている裏方さんには皆さんの喜んでいる姿や反応が伝わらないのです。皆さんの励ましに背中を押されて、くすべえが目覚める頻度が増えるかもしれませんので(笑)どうぞ宜しくお願いします!

番外編
まるごとみやま秋穫祭ではみやま市公認ゆるキャラ「くすっぴ」と矢部川くすべぇの出張対応版「ふわふわくすべえ」が遭遇!この2人の関係が気になるところです。
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福島県で活躍する福岡県警察官を激励など、視察報告

11月10日から12日まで、所属する警察常任委員会の管外視察で茨城県・福島県・東京都を訪問しました。その中で幾つかを備忘録代わりにメモしておきます。

福島県では東日本大震災の福島第一原発事故の影響で昨年4月まで立ち入り禁止区域に指定されていた富岡町のJR富岡駅周辺を視察。
現在も居住制限区域となっており、ここは3.11から全く時間が止まったかのような状況でした。

地震が発生した2時46分を指して止まっている時計
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津波で半壊しているビル・家屋、放置されたままの車両
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駅舎が跡形も無く消えている富岡駅
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また、地震直後避難誘導中に津波に呑まれ帰らぬ人となった福島県警双葉署勤務の増子洋一警部補と佐藤雄太巡査部長(役職は当時)が乗車していたパトカーに向かいご冥福をお祈りしました。
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その後、福島第一原子力発電所を有し、管轄区域の多くが避難指定区域である福島県警双葉警察署の臨時庁舎を訪れ現状視察
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双葉署は元々の庁舎が避難区域の為、現在「道の駅ならは」を借りて業務を遂行しています。昨今は除染作業の為に作業者が全国から集まった為に住居が周辺に不足しており、署員の多くがいわき市から1時間ほどかけて通っている状況。避難人口67,355人、一方で完全帰還者2,453人(帰還率3.6%)という状況で留守宅を窃盗などの犯罪から守る為に日夜努力されています。

また同時に福岡県警から福島県警に特別出向している12名の警察官から報告を頂き激励して参りました。
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彼らの腕に輝く「ウルトラ警察隊」の腕章。

これは福島県に全国の警察から特別出向者として集まった皆さん(現在225名)の総称で、遠くM78星雲から地球の平和を守るためにやってきたウルトラマンになぞらえて、円谷英二さんが福島出身という御縁も有り円谷プロの全面支援を受けてこの呼称に決まったそうです。
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大変厳しい任務とは思いますが、しっかり被災地の為に頑張って頂き、大きく成長して福岡県警に戻ってきて頂く事を期待します。

茨城県ひたちなか市にある「自動車学校安全運転センター 安全運転中央研修所」は約100ヘクタール(東京ドーム20個分)の広さを持ち「運転上の危険」を安全に体験出来るコースなどを持つ総合的安全運転研修施設です。例えば路面での横滑りやスリップ、ハイドロプレーニング現象、急停止、突然の障害物から危険回避などなど、これをシミュレーションではなく、実際の車を運転して体験する事が出来ます。またバスや大型車、特殊車両などの専門技能研修や安全運転実技指導者の研修なども行い、これまで30万人以上の研修生を送り出しているそうです。

今回我々も視察の中でテスト走行をし、運転姿勢の指導や時速60kmのスピードでABS(アンチロック・ブレーキ・システム)をしっかり効かせる急停車の体験をさせて頂きました。
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時速60キロで走行する経験はあっても、急ブレーキから急停車という経験はありませんでした。運転上の危険限界を知ることで逆に安全運転への意識が芽生える事を実感しました。

また、常陸多賀駅前に設置されたランドアバウト方式交差点
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大変話題になっており、県議会などでも議論をされております。信号が必要ないので災害に強い(その為、東日本大震災の教訓から宮城県を中心に採用されています)、徐行して交差点に進入するため重大事故が起きにくい、などメリットも多いのですが、(常陸多賀駅前と同じ直径28mのラウンドアバウト交差点の場合)1時間に一方向から800台以上の車両が進入すると車が環状交差点内で数珠つなぎになり機能不全を起こす、信号は不要だがその分交差点の形状が大きくなるため用地確保が必要など、設置環境に左右される交差点のようです。
常陸多賀駅の場合、駅への侵入路はじめ、交差点自体が所謂四つ角ではなく非常に複雑な形状をしており、こういう場所には適しているのではないでしょうか。

他にも色々視察させて頂きましたが、今日はここまで。この経験をしっかりと今後の活動に活かしていく所存です!

決算特別委員会終了&矢部川くすべえ目覚めました!

10月28日から開催されている決算特別委員会が無事11月7日に閉会しました。
私は今回5つの質問を行いました、こまめに報告したかったのですが、1問約20分の持ち時間とは言え、その準備の為にヒアリング等調査に費やす時間は膨大で、結局最終日まで報告出来ませんでした。

正式な議事録が上がるのに3−4ヶ月掛かりますが、取り急ぎ感想など

10月29日(水)新社会推進部「オリンピック等のキャンプ地誘致について」
現在、県内26の自治体がオリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致の意向を示している。が、中にはスポーツ施設は保有していても、それ以外のソフト・ハード面の対応、例えば宿泊施設や通訳スタッフの確保など、単独では対応が困難な自治体に対する支援について県側の意向を確認。
キャンプ地誘致を成功させるためには、中央競技団体とのパイプ構築の必要性を訴え、そのようなネットワークを持つ県内のスポーツ強豪校などを連絡協議会に協力頂く事を要請。今後加速する誘致活動についての取組を質しました。

10月30日(木)農林水産部「鳥獣害対策について」
これ私が初当選後、初めての一般質問で聞いたテーマです。その後補助金を含め、国・県の予算・体制がしっかり構築されつつある鳥獣被害対策ですが、一方で地元を回っていると、まだまだ地域の農業者の皆様はその効果を十分に体感していないと思われました。そこで対策が難しいとされるカラスなど鳥類の被害、捕獲を行う狩猟者の確保、県の市町村への指導等を中心に質問。今後、地域住民が鳥獣害被害の減少が体感出来るよう施策を進めて貰うことを確認しました。

10月31日(金)商工部「伝統産業の維持振興について」
みやま市は木蝋による和蝋燭、天然樟脳、線香花火という国内に留まらず世界的にも希少価値の高い伝統産業が存在しており、これは平成25年2月議会で一般質問をしたテーマです。その後県は市町村、商工会議所・商工会などに聞き取り調査を行い希少性の高い伝統産品の実情把握を進めています。またそれら伝統産業は産業観光的な側面も有り、ルート作りや受入体制強化の為の支援を要請し、進めて行くことを確認しました。

11月4日(火)私学学事振興局「代々木ゼミナール小倉校の撤退問題について」
本年8月に大きくマスコミに取り上げられた代ゼミの予備校閉鎖問題。予備校を含む私立の専修学校や各種学校の設立認可は学校教育法により県知事が行う事になっています、が一方で裁量の幅が小さく基準さえ満たせば設立認可を出さざるを得ないのが現実です。専修学校等に認可されると固定資産税の免除など大きなメリットもあり、社会的存在となるそれら私立学校はそれ相応の社会的責任を果たすべきだと考えます。儲からなくなったら撤退しますでは、学生・職員、あるいは競合することで疲弊していった地元密着の予備校などが不利益に晒されます。今後同じようなケースが再発しないよう県の行政指導の姿勢などを質しました。

11月5日(水)総括質疑(新社会推進部・教育庁)「少子化時代のスポーツ環境について」
決算特別委員会の特徴である総括質疑。これは複数の部署が関わる問題について、横串を通すような質問をします。縦割り行政の問題点を質すという意味で大変重要な意味合いがあります。
今回私は少子化のために運営が大変難しくなっている中学校の運動部活動と、地域に根ざす総合型スポーツクラブの連携について質しました。これは学校と学童保育の関係と似ている側面があり、監督部署がそれぞれ違う部活と地域スポーツクラブ双方が歩み寄りもっと情報共有すれば、生徒達にとってスポーツの選択肢が増え、中1ギャップやイジメの問題などを解消する副次的効果も期待されます。今回教育長からは学校側が総合型地域スポーツクラブに対する理解を深め活用するよう歩み寄る姿勢を示して頂きました。一方新社会推進部からは、生徒の受け皿となるべく総合型スポーツクラブの魅力向上を目指す事をお約束頂きました。

正式な議事録が上がってきたら、またブログで照会します。
ダイジェストで書くとあっさりしていますが、制限時間内で過不足無く一問一答形式の質問に昇華させるまでは入念な準備が必要で、予算委員会が終わったときの解放感は格別でした。
来年度の予算へ反映を目指すだけでなく、今後とも継続して取り組みたいテーマばかりですので引き続き頑張ります!

ところで11月1日、矢部川にある中の島公園で「矢部川くすべえ復活式」が行われました。
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重々しい神事用の祭壇の奥に見える物体、それが300年この地に眠っていた「くすべえ」です
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山門、八女、筑後の3つの青年会議所が共同事業として3年ほど前から進めていた事業。最初はだれもが「なんね、それ?」状態。でも、情熱が人を巻き込みプロジェクトを作り上げました。
最後は福岡県、みやま市、筑後市、JR九州、芸術の森などなど各種団体はじめ多くの人達が参画したこの事業。新聞やテレビ等でも大々的に取り上げて頂いたようです。今後筑後広域公園を中心とした県南のシンボルとして愛されることを期待します。
自分からは出向かない(というか出向けない)、会いに行かなきゃならないゆるキャラ「くすべえ」。明日(11月9日(日))の午前中は眠りを覚ますそうですよ!

平成25年決算特別委員会総括質疑「少子化時代のスポーツ環境について」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋でございます。三時近くなってまいりました。しっかり質問させていただきます。
 私の中学校のころは、中学校に上がると全員部活動に参加するというのが当然でございました。当たり前だろうなと思っていたら、実は、そのころ筑後地区では全員部活という運動が行われていまして、これを通じて、勉学以外の生徒指導を進めようとか、そういう意図があったとのことでした。今、中学校の運動会なんかに行くと、私の母校でも、昔七クラスあったのに、今は四クラスしかないとか、かなり生徒数が減ってきて、そういった部活動なんかの運営も大変ではないかなということで、きょうは少子化時代の子供のスポーツ環境についてというテーマで質問をさせていただきます。
 少子化に伴う生徒数の減少や生徒の価値観の多様化によって、中学校の部活動への参加生徒が少なくなっているのではないかという懸念がございます。また、特に小規模校においては、部活動数、要するに部の数、これ自体が少なく、生徒のニーズに対応できていないのではないかということが想像できます。実際私の知り合いでも、中学校に入ると四つか五つぐらいしか選択肢がないんだよと。だから、自分がやりたい部活がないから、しようがないから部活やめるとか、あるいは意に沿わない部活動に入って幽霊部員になってしまうとか、そういうことをよく耳にします。
 そこで、中学校における運動部活動の加入率及び一校当たりの運動部活動数の推移、平成二十六年度の学校規模別部活動数、一部当たりの部員数の推移について、資料をお願いしたいと思います。

◯松尾統章委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を、委員会資料として要求することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯松尾統章委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については、提出できますか。日高体育スポーツ健康課長。

◯日高教育庁体育スポーツ健康課長 直ちに提出いたします。

◯松尾統章委員長 それでは、資料を正副委員長に確認させてください。
    〔資料確認〕

◯松尾統章委員長 事務局は資料を配付してください。
    〔資料配付〕

◯松尾統章委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 では、簡潔に資料の説明をお願いいたします。

◯日高教育庁体育スポーツ健康課長 それでは説明させていただきます。
 本資料は、本県の中学校体育連盟が調査いたしました中学校の運動部活動の状況をグラフ化したものでございます。
 1)といたしまして、昭和六十年度から平成二十六年度までの中学校一校当たりに設置されている部活動数の推移を棒グラフで、中学生の運動部活動への加入率の推移を折れ線グラフであらわしております。設置数につきましては、おおむね十五から十六部、また加入率につきましては、おおむね六〇%台で推移しておりまして、いずれもほぼ横ばいの状態となっております。
 次に、2)としてあらわしておりますのは、平成二十六年におけます学校規模別の部活動の平均設置数でございます。生徒数三百人以下では一一・三部、三百一人から六百人までの学校においては一八・九部、六百一人以上の学校におきましては二三・一部となっております。
 最後に、3)としてあらわしておりますものは、昭和六十年度から平成二十六年度までの各運動部活動一部当たりの平均部員数の推移でございます。昭和六十年度は一部当たり二十六・四人の部員数があったものが、徐々に減少いたしまして、平成二十六年度においては十三・七人となっており、昭和六十年度当時と比較いたしますと約半分の状況となっております。
 以上でございます。

◯板橋 聡委員 予想に反して、部活動の加入数とか、一校当たりの部の数というのはそんなに変わっていないんですね。御説明のとおり、変化しておるのは、少子化に伴って一部当たりの部員の数がどんどんどんどん減っておるということでございます。つまり部員数が少ないという部においては十分に活動できない、これは十三・七人ということになっていますけれども、これじゃ野球の紅白戦もできんわけですね。そういう意味で、活動がちゃんとできなかったり、例えば試合も、ちゃんと人数がそろわずに試合に出られないとか、そういったことが起きているのではないかと思いますけれども、こういったことに関してはどのように対応をされているのでしょうか。

◯日高教育庁体育スポーツ健康課長 部員が少ない部への対応でございますけれども、本県の中学校体育連盟におきましては、部員数の不足する学校に対応するために、サッカーであるとかバスケットボールであるとかいった個人戦を行えない団体競技につきましては、原則として同一市町村内の二校による合同チームでの大会参加を認めております。なお、平成二十五年度におきます合同チームの出場数は、総合体育大会と言われます夏の大会で二十一チーム、秋から冬にかけて行われます新人大会で二十九チームとなっております。また、試合には単独で出場する学校におきましても、練習に際しては複数校で合同で練習を行うとか、こういった工夫を行っていると聞いております。

◯板橋 聡委員 そういう対応はされているそうですけれども、実際、運動部の活動の指導の多くというのは、学校の先生が監督とか、そういう形で行っていらっしゃいます。専門的に指導できる教員にはもちろん限界があると思いますし、生徒数が減っていますから、各学校の教員の数は間違いなく、これも減っておるわけです、比例して。ところが、部活の数が変わらないということは、その分何かに負荷がかかっておると、指導者が足りないということに間違いなく反映されているのであろうというふうに想像します。
 そのために、地域の指導者を活用するなどの方策が必要と考えますけれども、中学校における運動部活動の充実について、どのようにその点、指導者の部分では取り組んでいらっしゃるか、説明をお願いします。

◯日高教育庁体育スポーツ健康課長 近年、運動部活動におきましては、教員の数の減少などに伴いまして、従来多くの学校で設置されておりました陸上競技であるとか、バレーボールといった部が減少しております。また一方で、生徒のニーズに応じて、新体操とか、硬式テニスといった新たな種目が入ってきている状況がございまして、多様化してきております。こういうことは教員の負担を増している、一つ要因になっているのではないかと考えております。
 このような状況を踏まえまして、運動部活動の適切な運営を図るために、本年三月、福岡県運動部活動運営の指針を策定いたしまして、その中で各学校に対しまして、外部との連携を図ることを指導しておるところでございます。
 また、本年度から運動部活動推進事業といたしまして、学校を指定して、地域の外部指導者を活用した指導体制の実践研究を行っております。あわせまして、教員、それから外部指導者を対象にいたしました両者が連携した指導体制の構築に関する研修会も行っているところでございます。

◯板橋 聡委員 指導体制はそうやって頑張っていらっしゃいますけれども、肝心の生徒が少なければ、やはり先ほど言いましたとおり、紅白戦もままならないということになります。そういう意味では、今、同一市内で二つ、三つの中学校が一緒になって練習をしておったりするということであれば、逆に子供のスポーツ環境を充実させるという観点で、学校だけでスポーツ部活動を抱え込まずに、地域のスポーツクラブが受け皿になったほうが、これはいいんじゃないかというふうに考えます。
 県では、地域住民が主体となって、誰でも、いつでも、どこでも活動できる総合型地域スポーツクラブというものの設立が進んでおるというふうに聞きます。平成七年に全国でも初となる総合型地域スポーツクラブが福岡県内で設立されて、今、県内では四十七市町村七十五クラブが設立されておると、そしてさらに二市六クラブが設立の予定であるというふうに聞いております。
 子供のスポーツ環境を充実させるには、この総合型スポーツクラブと部活動、要するに学校と学校外の地域のクラブを連携させるということも一つの方策だと考えますが、このような事例はございますか。

◯松尾統章委員長 清水県民文化スポーツ課長。

◯清水県民文化スポーツ課長 県内では、この総合型スポーツクラブと部活動が連携して活動している事例はまだ少ない状況でございますけれども、その中でも、部活動の生徒が総合型クラブの練習に参加し、専門的な指導を受けている例がございます。また、総合型クラブの指導者が部活動の実技指導を行ったり、専門のトレーナーを派遣いたしまして、テーピングやマッサージなどのけがの予防、トレーニングの指導などを行ったりする例がございます。

◯板橋 聡委員 なかなか事例がないという状況だというお話ですけれども、総合型クラブと部活動の連携が進まない理由というのは一体どこにあるのか、また、どのように連携を進めればいいのか、お考えをお聞かせください。

◯清水県民文化スポーツ課長 その理由の一つとしまして、総合型クラブの理念やクラブと学校が連携することのメリットなどの情報が学校職員に十分に行き渡っていないということが考えられるというふうに思っております。県では、これまで県体育協会や市町村と協力をいたしまして、教員向けパンフレットの作成など周知に努めてきたところでございますけれども、今後はさらに総合型クラブと連携をいたしまして、学校関係者に対する説明会を開催するなど、総合型クラブに対する理解促進を図ってまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 これは、私が六月の一般質問で質問させていただいた放課後児童クラブと学校の連携と、物すごく似ているんですよね。学校は学校で一生懸命生徒指導をするあまり、放課後児童クラブとうまいぐあいに連携がとれていない。直接に親御さんとの関係も深くて、子供の状態、親御さんの状態、いろんな情報が集まる放課後児童クラブと学校の連携がいま一つとれてないがために、そういった有用な情報を生活指導なんかにうまく使えてないのはもったいないじゃないかという質問をさせていただいて、それは連携を深めていきましょうという話になりました。
 部活動も同じように、スポーツを学校が抱えよう抱えようとして、どうしても外に出したがらない、そこで総合型スポーツクラブとの連携もはかどらないんじゃないかと。
 例えば、小学校、公民館の運動会なんかだと、小学生向けの総合型スポーツクラブのクラブ紹介がばっとあるわけですね。小学生はバスケット部がある、バレー部がある、じゃあ入ろうかななんていうふうに思うわけですけれども、これが中学校の運動会でそんなことをやっているのは見たことがありません。そういう意味では、もっと中学校の中でも総合型クラブと合同練習するなど連携を図ることが子供のスポーツ活動の充実につながるというふうに思いますけれども、このような課題に対して、今後どのように取り組んでいくか、お考えをお聞かせください。

◯日高教育庁体育スポーツ健康課長 先ほど委員から御指摘がございましたように、部活動は学校の教育活動の一環であるということから、教員の中には学校で責任を持って指導しなければならないという意識が強いということがございます。また、組織として総合型クラブなどの外部との連携図る体制が学校側にはまだ十分整っていない状況もございます。今後は、部活動の練習の場として活用することも想定しながら、各種の研修会などさまざま機会を捉えまして、各学校がそれぞれの地域の総合型クラブの活動状況を正しく理解できるように努めてまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 一方で、総合型クラブには中学生の参加がなかなか少ないと。小学校までは結構多くの子供たちが参加しているんですけれども、中学校の加入は、百人を超えるクラブもありますけれども、平均すると加入者全体のわずか五・九%程度なんですね。全国調査でも六・六%ぐらいということで、非常に中学生の参加が少ないのですが、この理由は何だというふうにお考えですか。

◯清水県民文化スポーツ課長 中学生は一般的に、県大会とか全国大会に出場したいといった競技志向が強い傾向がございます。本来、総合型スポーツクラブはこうした競技志向を持つ方々のニーズに対応できることを目指しておりますけれども、現状では指導者等の確保等の問題からなかなか対応が難しい状況でございます。それが理由の一つだというふうに考えております。

◯板橋 聡委員 私も、体育会というか、運動部に入っていたことがありますけれども、地区大会に出たい、県大会に出たい、あわよくば全国大会、これがやっぱりモチベーションになって、厳しい指導、練習にも頑張れた。そして、大会に出られた、あるいは負けたとしてもその達成感というのが非常に、運動部をやるいい理由になっておったと思います。
 そういう意味では、総合型クラブでも参加できるような大会、目標となるような大会、こういったものがあれば、今の総合型クラブに対する魅力の低さというのが解決するのではないかと思いますし、このことは総合型クラブの会員数確保にもつながって、活性化にもつながっていくと思いますけれども、この件についてどうお考えになられますか。

◯清水県民文化スポーツ課長 総合型クラブにおきまして競技志向に対応した活動を行うことは、県民のスポーツ活動の推進、ひいてはクラブの活性化を図る上で重要であるというふうに認識しております。このため、各クラブに対しまして、競技志向への対応など多様な運営が行えるよう、専門のノウハウを有するアドバイザーを派遣するなどして支援を行っている状況でございます。
 総合型クラブの大会につきましては、現状としましては、クラブによって種目が異なっているというような状況から、特定の種目で大会を行うことは難しいと考えております。今後、クラブの活動状況を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 なかなか難しい部分ではありますけれども、これはぜひ学校とうまいぐあいに協力をしながらやっていくと。今、市の中で二つ、三つの中学校が一緒に大会にも出ておるということであるならば、そういう形で総合型クラブに変化していくことも可能だと思いますので、ぜひこれは連携をとっていただきたいというふうに思っております。
 総合型クラブは、放課後の中学生の居場所としての役割を持つものでもあると思います。自分のやりたい種目が学校の部活動にない場合の活動の場であったり、あるいは学校になじめない生徒が異なる年齢の人々とスポーツを楽しめる場であると考えます。例えば、いじめの問題なんかにも非常に有効だと思います。私がやっぱりいじめが一番かわいそうだなと思うのは、学校しか自分の世界がなくて、その中で行き場がなくなると本当に落ち込んでしまって、いじめも深刻になってしまうと。そこで、例えば学校外の総合型クラブなんかで知り合った、同じスポーツの目標を持つ仲間たちと一緒にいることで閉塞感を解消できるとか、あるいは、小学校の高学年から中学校三年まで一緒にスポーツをやることで、中一ギャップなどの問題の解決策の一つとなるのではないかと思います。
 こういった総合型クラブと学校が連携することは、学校が抱える教育問題を解決する上でも意義があると考えますけれども、教育長の認識を問います。その上で、中学校と総合型クラブの連携について、今後どのように取り組まれていくのか、教育長にお考えをお聞きしたいと思います。

◯松尾統章委員長 城戸教育長。

◯城戸教育長 総合型スポーツクラブは、子供たちが生涯にわたりましてスポーツを楽しむ、そのことによって、健康を維持する習慣を身につけるという効果があると考えます。また、学校で指導できない競技種目を行ったりするという面で、学校と総合型クラブというのはお互いに補完し合う関係になり得るのではないかというふうに思っております。委員御指摘のように、総合型スポーツクラブでは異年齢集団の中でスポーツを行うわけでありますので、その交流を通して人間的な成長も期待できるという面もございます。したがいまして、学校と総合型クラブが連携を進めるという点につきましては、我々が抱えておるさまざまな教育課題の解決につながる可能性を持っていると考えておるところでございます。
 現状を見ます限りにおいては、まずは総合型クラブの充実が先決であろうとは考えておりますけれども、県教育委員会といたしましても、県下の総合型クラブの状況把握にまずは努めまして、学校にその情報を提供するなどいたしまして、連携が進むように働きかけてまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 大曲部長、今、教育長から学校側の歩み寄りをお約束いただきました。続いては、今度は受け入れる地域の総合型スポーツクラブの魅力が向上しないと、せっかくのこの歩み寄り、連携もうまくいかないというふうに思います。
 最後に大曲部長に、今後、地域と一緒になった子供のスポーツ環境の充実にどのように取り組むのか、所感をお聞かせください。

◯松尾統章委員長 大曲新社会推進部長。

◯大曲新社会推進部長 この総合型クラブでございますけれども、委員御指摘のように、地域において子供たちのスポーツの機会、この充実を図っていくためには大変有効な方策であると考えております。そして、委員おっしゃいましたように、別の学校に通う子供たち、そういった子供たちが学校の枠を越えて参加ができる形態を有しているこの総合型クラブでございますので、新たな交流を生み出す機会にもなるというふうに考えております。
 県では福岡県スポーツ推進計画、これをことしの三月に策定いたしました。この中には、子供のスポーツ機会の充実を施策の柱の一つに掲げております。その中では、学校と地域、家庭、関係機関や団体等が連携して、子供がスポーツに親しむ、そういった環境を充実させていくための方策を示しているところでございます。この計画に基づきまして、学校と地域、そして地域のスポーツクラブの情報交換の機会を設けるということで合同の会議をまず開催し、これらの連携を一層推進してまいりたいというふうに思っております。
 また、教育長もおっしゃいましたが、学校とまず連携をするということで、中学生に対しまして、総合型クラブと地域のスポーツクラブへの参加を働きかける、そしてクラブに対しましても、やはり魅力のあるものとするために、学校の部活動にない、そういった種目の実施ができるように働きかけを行ってまいります。
 こういったことによりまして、子供たちが県内各地域におきまして、自分に合ったマイスポーツ、これを見つけて、これを継続して、そして実践していく、そういったことが子供たちの夢、そして希望につながっていくと思います。また、こういったことを通じて体力の向上、そして心身の健康といったものにつながっていくとも考えておりますので、こういったことを通じて今後もしっかり取り組んでまいります。

◯板橋 聡委員 よろしくお願いします。終わります。(拍手)

平成25年決算特別委員会質問「代々木ゼミナール小倉校の撤退問題について」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋です。きょう最後の質問になるかと思いますけれども、代々木ゼミナール小倉校の撤退問題について質問させていただきます。
 八月二十三日、代々木ゼミナール小倉校──以下小倉校と呼びますけれども、これが閉鎖されるとの報道がございました。この件に関して質問いたします。
 小倉校は当初、各種学校を経て、現在専修学校という立場になっておりますけれども、私立の専修学校や各種学校の設立はどちらが認可するのでしょうか。

◯松尾統章委員長 安永私学振興課長。

◯安永私学振興課長 私立の専修学校や各種学校の設立に係る認可でございますが、学校教育法により都道府県知事が行うこととなっております。

◯板橋 聡委員 予備校は必ず各種学校や専修学校でないと経営できないというわけではないと思いますけれども、私塾という形で成り立っている学校もたくさんございます。専修学校や各種学校になるメリットは何でしょうか、教えてください。

◯安永私学振興課長 メリットでございますが、専修学校や各種学校の設置の認可を受けました学校法人につきましては、まず校地や校舎に係る登録免許税、それに不動産取得税、それから固定資産税等が非課税となります。これがまず一点でございます。また、生徒の学割定期券の適用がございます。さらには、認可を受けたことによる社会的信用の付与等が考えられるところでございます。

◯板橋 聡委員 小倉校については、各種学校としての設立のときにすんなり認可されなかったと聞いております。
 ここで委員長にお願いします。代々木ゼミナール小倉校認可の経緯について、資料要求をさせていただきたいと思います。

◯松尾統章委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯松尾統章委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。

◯安永私学振興課長 直ちに提出いたします。

◯松尾統章委員長 それでは資料を正副委員長に確認させてください。
    〔資料確認〕

◯松尾統章委員長 事務局は資料を配付してください。
    〔資料配付〕

◯松尾統章委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 では、簡潔に説明をお願いいたします。

◯安永私学振興課長 資料の説明をいたします。この資料は、代々木ゼミナール小倉校の設置認可に至る経過を記したものでございます。
 まず、六十二年の七月三十一日でございますが、学校法人高宮学園から県に対しまして、各種学校として大学受験予備校を配置したいということで、各種学校代々木ゼミナール小倉校の設置認可の申請があったところでございます。この申請に対しまして審査しました結果、翌年の昭和六十三年三月三十一日、県は不認可の決定を行い、高宮学園に通知したところでございます。理由としましては、既存の県内の大学受験教育を行う専修学校、各種学校の状況や、今後の入学予定者の推当からして適当でないという理由でございました。
 これに対し、五月二十七日に高宮学園のほうで、この県の不認可処分を取り消すようにということで取り消し訴訟が提訴されたところでございます。翌平成元年の三月二十二日に福岡地方裁判所のほうから、不認可処分は取り消せという判決が出されたところでございます。県の敗訴でございました。この判決を不服としまして四月に県は控訴したところでございます。この後、十一月二十一日に控訴審でございます福岡高等裁判所による和解勧告が出され、これを両者受け、同年十二月に高宮学園は当初よりも定員を減員した形で設置認可を再申請し、同月の二十五日に県は各種学校代々木ゼミナール小倉校の設置を認可したところでございます。
 以上でございます。

◯板橋 聡委員 県は、高宮学園から最初に申請が行われたとき不認可を決定したということで、先ほど軽く触れられましたけれども、もう少し詳しく、どのような理由で県はこの申請を不認可としたか。その判断に立った理由を教えてください。

◯安永私学振興課長 不認可とした理由でございます。
 まず、先ほど述べましたが、既存の県内にあります専修学校、それから各種学校の形をとっている大学受験予備校の状況、それから今後の入学予定者数を勘案すると、これ以上の新設は必要ないだろうと考えたのが一点でございます。また、二点目としましては、過度の競争が行われているような状況におきまして、これ以上の新設を行った場合、競争の一層の激化を招き、県下の大手受験予備校の健全な発展を脅かすとともに、教育内容に悪影響を及ぼし、ひいては受験生への期待に応えられない結果を招くおそれがあるのではないかと考えたこと、これが二点目ございます。また、三点目といたしましては、この申請者であります高宮学園でございますが、既に県内に大学受験予備校を設置しておりました。既設校はこの新設予定地域から通学圏内にあると認められること、以上を理由として不認可としたものでございます。

◯板橋 聡委員 つまり、過当な競争による県内のそういった予備校事情の混乱を避け、生徒たちを保護するという行政指導だったのかなと理解をします。その県の不認可決定に対して裁判が起こされたわけですけれども、その第一審の判決内容を教えてください。

◯安永私学振興課長 福岡地裁による第一審判決の内容でございます。
 まず一点は、各種学校の設置認可を受けるための要件というのは、原則として省令であります各種学校規程に定められた基準を満たすものであることをもって足りるというのが一点目でございました。また、知事の裁量権は、今申しました各種学校規程の定める要件を満たすか否かの判断をする際におきまして、各種学校に学ぶ生徒の教育を受ける権利を実質的に保障するとの観点に基づくものに限られる、それ以外の事情を考慮することは許されないという内容でございました。
 そういう前提を踏まえまして県が不認可とした理由というのは、当該各種学校規程に根拠を持っておらず、適正配置を理由とする不認可は他事考慮として違法であるという判決内容でございました。

◯板橋 聡委員 今の説明をお聞きしますと、裁判所の判断は、基準を満たしていれば現場がどのような混乱状態になっても、そういうことが想定できたとしても、県は設立認可をしなくてはならないということですか。

◯安永私学振興課長 県の裁量幅が小さく、基準を満たしておれば認可せざるを得ないものであります。

◯板橋 聡委員 県の裁量権が小さいとはいえ、県が当初懸念していたことが今回現実のものとなったわけです。裁判を起こしてまで進出して、地元の中小同業者に影響を与え、年度中途の閉鎖報道で受験生に不安を与えたのではないかと思います。
 実は私も浪人経験がございまして、浪人生にとって正念場である夏から九月の時期にこんな発表をされて、しかも学校にいる教職員の方というのは、自分たちは今度解雇されるかもしれないという可能性におびえていらっしゃると。受験生に動揺するなというのが無理な話で、自分の立場に置きかえたらぞっとします。無責任きわまりないのではないかと思います。
 先ほど、各種学校や専修学校に認可された学校法人は、固定資産税が非課税になるとの説明がございました。ちなみにこの小倉校は小倉北区の馬借という場所にあって、同校の建物構造とか近隣の路線単価からすれば、課税された場合の固定資産税は建物、土地を合わせて年間三千万円は下らないだろうと言われております。このようなメリット、税的な恩恵等、あるいはブランドネームの向上等のメリットを受けて、私塾であればともかく、各種学校なり専修学校であれば、これは社会的存在であると思われます。社会的存在であるということは、当然のことながら相応の社会的責任を負うべきであると思うんですけれども、各種学校などの設立の認可を与えた県として、このことについてどう考えますか。

◯安永私学振興課長 少子化に伴う受験人口の減少や現役志向の高まりに伴う浪人生の減少といったことを理由として、今回、小倉校が撤退されると。今回の撤退という結果になったことはまことに残念であると考えております。
 小倉校につきましては、平成二十六年度いっぱいは現在の校舎での授業と在校生の指導を継続するということでございますので、在校生の不安、動揺を抑えて合格達成に向けて熱心に指導すること、それと、この学校の教職員の今後の身の振り方についても親身に対応するように指導しているところございます。また、この指導は今後とも継続してまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 この指導に対して、どういう反応が相手方から返ってきているか教えていただけますか。

◯安永私学振興課長 それこそ現在いる受験生についてはしっかり熱心に指導してまいりたいと、教職員については早期退職の制度を導入したりとか、近隣校へ振りかえだとか、そういうところは丁寧に説明して対応していきたいと回答をいただいております。

◯板橋 聡委員 学校側の説明としてはそう答えざるを得ないところでしょうけれども、まさにそこに生身の受験生がいて、一年間の浪人生活でこれから後の人生が決まるのではないかというときにこんなことを起こしたということ、それを考えると非常に難しい。県がどれぐらい強制力を持っているかというのは別として、やはりこれはしっかり引き続き指導していただかなければ困ると思います。
 そして、今回のような案件というか事案は、恐らく再び起こり得るでしょう。予備校問題ではなくて、これから生徒数も減ってくる中で、いろいろなほかの「これはもうかりそうだ」とか、「ここにビジネスチャンスがあるな」というときに、こういう事案が再び起こり得るんではないことが容易に推測されるのではないかと思います。今回のような事態が再発しないように、重要な社会的存在である専修学校などの設立に認可を与える県として、今後どのように対応していくのか、お教えください。

◯安永私学振興課長 認可を受け、設立されました学校につきましては、法令に基づき適正に指導助言を行ってまいります。また、設置申請があった場合には、私立学校の適正な運営に向け、厳正かつ適正に審査を行うとともに、必要な行政指導を行ってまいります。行政指導につきましては、相手方のその協力が前提で、強制力がないといった制限はございますが、粘り強く対応してまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 やはり強制力がないというのが一番ネックかなと思うんですけれども、それは県がこういった私企業とどう向かい合っていくかというところにかかわってくるんではないかと思うんですね。ところが昨今、中央の大手企業が地方に進出してくるとなると、自治体はもろ手を挙げて大歓迎する風潮があるんですよ。しかしながら、今回のように裁判まで起こして強引に進出し、もうかるときはしっかりもうけて、しかしながらうまくいかなくなったら社会的責任を放棄して撤退すると。関係者や地元に混乱を生じさせるような事案が再発してはならないと私は思います。
 私自身、一昨年、県と私企業の関係をテーマに執行部とは徹底した議論をさせていただきました。雄県福岡県は、私立学校においても、設立、また、その後の運営について、今回のような轍を踏まないよう、しっかりと指導、審査などに当たってもらわなければならないと考えますが、このことについて私学学事振興局長の決意をお聞かせください。

◯松尾統章委員長 伊藤私学学事振興局長。

◯伊藤私学学事振興局長 私立学校法は、その目的を、私立学校の特性に鑑み、その自主性を重んじ、公共性を高めることによって私立学校の健全な発達を図ることと定めております。この法律、その私立学校の自主性を重んじるというところに非常に重点が置かれた法律でございます。このようなことから、私立学校所轄庁の権限というのが国公立の学校に比べて限定をされております。今まで私立学校に対してなかなか踏み込んだ指導ができなかったという事情がございます。
 ただ、ことしの四月に私立学校法が改正をされまして、学校法人が法令に違反した場合だけではなくて、その運営が著しく適正を欠く場合につきましても必要な措置を命じることができるようになっております。それから学校法人に対しまして、業務、財産の状況について報告を求め、また、学校法人の事務所等に立入検査できるようにもなっております。今後は、認可申請時の厳正な審査はもとより、認可後におきましても私立学校法の改正の趣旨を十分に踏まえて適切な指導に努めてまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 法律改正に伴い随分権限的なものも大きくなったと思いますので、しっかり今回のようなことがないよう、今後とも指導を行っていただきたいんですが、実際この許認可の張本人は知事でございます。ぜひ小川知事の見解を問いたく、知事保留のお取り計らいをお願いいたします。

◯松尾統章委員長 ただいま板橋委員から申し出がありました知事保留質疑を認めることにいたします。
 なお、知事保留質疑は十一月七日金曜日に行う予定でありますので御了承願います。

◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)