福島県で活躍する福岡県警察官を激励など、視察報告

11月10日から12日まで、所属する警察常任委員会の管外視察で茨城県・福島県・東京都を訪問しました。その中で幾つかを備忘録代わりにメモしておきます。

福島県では東日本大震災の福島第一原発事故の影響で昨年4月まで立ち入り禁止区域に指定されていた富岡町のJR富岡駅周辺を視察。
現在も居住制限区域となっており、ここは3.11から全く時間が止まったかのような状況でした。

地震が発生した2時46分を指して止まっている時計
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津波で半壊しているビル・家屋、放置されたままの車両
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駅舎が跡形も無く消えている富岡駅
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また、地震直後避難誘導中に津波に呑まれ帰らぬ人となった福島県警双葉署勤務の増子洋一警部補と佐藤雄太巡査部長(役職は当時)が乗車していたパトカーに向かいご冥福をお祈りしました。
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その後、福島第一原子力発電所を有し、管轄区域の多くが避難指定区域である福島県警双葉警察署の臨時庁舎を訪れ現状視察
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双葉署は元々の庁舎が避難区域の為、現在「道の駅ならは」を借りて業務を遂行しています。昨今は除染作業の為に作業者が全国から集まった為に住居が周辺に不足しており、署員の多くがいわき市から1時間ほどかけて通っている状況。避難人口67,355人、一方で完全帰還者2,453人(帰還率3.6%)という状況で留守宅を窃盗などの犯罪から守る為に日夜努力されています。

また同時に福岡県警から福島県警に特別出向している12名の警察官から報告を頂き激励して参りました。
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彼らの腕に輝く「ウルトラ警察隊」の腕章。

これは福島県に全国の警察から特別出向者として集まった皆さん(現在225名)の総称で、遠くM78星雲から地球の平和を守るためにやってきたウルトラマンになぞらえて、円谷英二さんが福島出身という御縁も有り円谷プロの全面支援を受けてこの呼称に決まったそうです。
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大変厳しい任務とは思いますが、しっかり被災地の為に頑張って頂き、大きく成長して福岡県警に戻ってきて頂く事を期待します。

茨城県ひたちなか市にある「自動車学校安全運転センター 安全運転中央研修所」は約100ヘクタール(東京ドーム20個分)の広さを持ち「運転上の危険」を安全に体験出来るコースなどを持つ総合的安全運転研修施設です。例えば路面での横滑りやスリップ、ハイドロプレーニング現象、急停止、突然の障害物から危険回避などなど、これをシミュレーションではなく、実際の車を運転して体験する事が出来ます。またバスや大型車、特殊車両などの専門技能研修や安全運転実技指導者の研修なども行い、これまで30万人以上の研修生を送り出しているそうです。

今回我々も視察の中でテスト走行をし、運転姿勢の指導や時速60kmのスピードでABS(アンチロック・ブレーキ・システム)をしっかり効かせる急停車の体験をさせて頂きました。
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時速60キロで走行する経験はあっても、急ブレーキから急停車という経験はありませんでした。運転上の危険限界を知ることで逆に安全運転への意識が芽生える事を実感しました。

また、常陸多賀駅前に設置されたランドアバウト方式交差点
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大変話題になっており、県議会などでも議論をされております。信号が必要ないので災害に強い(その為、東日本大震災の教訓から宮城県を中心に採用されています)、徐行して交差点に進入するため重大事故が起きにくい、などメリットも多いのですが、(常陸多賀駅前と同じ直径28mのラウンドアバウト交差点の場合)1時間に一方向から800台以上の車両が進入すると車が環状交差点内で数珠つなぎになり機能不全を起こす、信号は不要だがその分交差点の形状が大きくなるため用地確保が必要など、設置環境に左右される交差点のようです。
常陸多賀駅の場合、駅への侵入路はじめ、交差点自体が所謂四つ角ではなく非常に複雑な形状をしており、こういう場所には適しているのではないでしょうか。

他にも色々視察させて頂きましたが、今日はここまで。この経験をしっかりと今後の活動に活かしていく所存です!