平成25年度予算特別委員会質問「子育て支援・県と企業の包括協定について」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。私ごとではありますが、私は子育て真っ最中で、本日は長男、長女の幼稚園の卒園式でございます。議員というのは因果な仕事で、私はここにこうしているわけでございますけれども、かくなる上は、県民のためにしっかりと仕事をいたしますので、執行部の皆さん、心して御答弁ください。
 まずは、子育て支援についてお尋ねをします。
 県が推進する子育て応援の店というものがあります。私の地元のある美容院も子育て応援の店に加盟しております。そこは、店舗の二階にキッズコーナーを設け、地元の子育てサークルと連携したりして保育士を配置し、充実した託児サービスを行っています。子育てで忙しい女性も安心して来店し、ゆっくりとサービスを受けて心身ともにリフレッシュすることができて、大変好評です。また、我が家も親子で何度もお世話になりました。
 子育て応援の店はいろいろな形態があると聞いておりますが、このような特徴ある事例をもっと他社に参考にしてもらったり、努力、工夫をしている店へのインセンティブとして積極的に県民に対し広報したらいかがでしょうか。

◯原口剣生委員長 大田子育て支援課長。

◯大田子育て支援課長 子育て応援の店では、ミルクのお湯の提供や託児サービスなどの「やさしいサービス」や、キッズスペースの設置などの「便利な設備」、商品の割引などの「おトクなサービス」など、それぞれの店舗が取り組むことができるサービスの提供を通じて子育て家庭を応援していただいております。これらの取り組みは、子育て応援の店のホームページで紹介をしており、また、県の広報番組や子育て情報誌などを活用した広報にも取り組んでおります。今後、子育て応援の店の登録や利用のさらなる拡大を図るため、特徴的な取り組みなどについて、子育て応援の店のホームページを初め、県のさまざまな広報媒体を活用して紹介をしてまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 県の施策を見ていますと、就労を軸とした女性の社会参加支援が充実しているように感じます。しかしながら、育児などのために家庭に入ることを選択した女性にもさまざまな形での社会参加があります。例えばPTAや自治会の会合に出席したり、公民館活動のお手伝いをしたり、勉強会や講演会に参加することも立派な社会参加です。その際、未就学児がいると、専業主婦であるがゆえに、逆に託児の問題が発生します。未就学児を子育て中の就労していない女性を支援する制度にはどのようなものがあるかをお教えください。

◯大田子育て支援課長 働いている、働いていないにかかわらず、子育て家庭を支援していくことは重要な課題であると認識をいたしております。子供を一時的に預かる事業といたしましては、保育所や子育て支援センターなどで子供を一時的に預かる一時預かり事業がありまして、今年度、四十八の市や町で実施されております。また、子育てのサポートを受けたい人とサポートをしたい人が会員となって相互に託児などを行うファミリー・サポート・センター事業につきましては、二十八の市や町でサービスが提供されているところでございます。

◯板橋 聡委員 一時預かりやファミリー・サポート・センターは、都市部では実施箇所も多く利用しやすいでしょうが、みやま市や八女市のような田舎には余りないですよね。子育てしやすい社会づくりのために、文化行事やセミナーなど、子育て家庭が参加する行事の場に託児コーナーを設置することが必要ではないかと思います。最初から全ての講習会、講演会でとは言いませんけれども、ここはまず県が率先して実施してみてはいかがでしょうか。県主催の講演会などでの託児コーナーの設置状況はどうなっていますか。また、今後の方策をお答えください。

◯大田子育て支援課長 今年度は、福岡県子育て応援宣言企業四千社突破!大会、あるいは青少年アンビシャス運動シンポジウムなど、県主催の九つのイベントなどにおいて託児コーナーが設置されております。今後とも、子育て家庭からたくさんの参加者が見込まれる県主催のイベントなどについては、担当部局に対して託児サービスの実施について働きかけてまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 また、逆の視点で、民間を含め各種団体が子育て世代の母親向けに勉強会、イベントを行おうとしても、託児の問題が横たわって開催に大変苦労されているのです。例えばPTAの勉強会のような地域の会合における託児コーナーの設置促進について、県として何とか取り組みができないのでしょうか。

◯大田子育て支援課長 先ほどお答えいたしました福岡県子育て応援宣言企業四千社突破!大会など県のイベントでの託児の取り組み事例について、まずは市町村に対して積極的に紹介をしてまいりたいと考えております。
 また、県では、高齢者がその豊かな経験や知識を生かして地域の子育て支援の現場で活躍していただく仕組みとして、今年度、ふくおか子育てマイスター制度を創設し、現在二百七十七名を認定しているところでございます。イベントなどにおける託児サービスの提供に当たっては、ぜひマイスターを活用していただくよう市町村を含め関係団体などに働きかけるとともに、マイスターが地域で活動しやすい仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 就労、未就労にかかわらず、全県的に子育てしやすい社会をつくることは地方の少子化問題の解決策にもなると思いますので、市町村への働きかけ、そしてマイスター制度、これは新しくできた制度ですけれども、この仕組みづくりも含め、これからしっかり子育て支援課には頑張っていただきたい。
 高橋部長、部としてもしっかりサポートしていかないといけないと思いますので、決意をお聞かせください。

◯原口剣生委員長 高橋福祉労働部長。

◯高橋福祉労働部長 仕事と子育ての両立支援、あるいは地域において子育て支援を一体的にやっていくということは、委員が御指摘のように、少子高齢化が進展する我が国におきまして、市町村はもとより県といたしましても、そういうことを進めていくことが大変重要な課題であると認識しております。そういった点を十分に踏まえまして、これまでも子育て応援の店ですとか子育て応援宣言企業の拡大をやってまいりましたし、さまざまなイベントにおいて託児サービスの導入を働きかけてまいりました。それから、今年度から実施しておりますマイスター養成、ぜひいろいろな市町村だけではなく民間企業にも、このマイスターさんを活用していただく、そういうことをこれからも積極的に進めながら、子育てを支援できるような地域社会をつくってまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 次に、ローソンとの包括協定についてお伺いいたします。
 先日、ローソンと福岡県が包括協定を締結したとのプレスリリースがありました。私は、昨年六月議会及び決算特別委員会にて県と企業の包括協定についてさまざまな角度から問題点を指摘いたしました。にもかかわらずこれでは、二元代表制の一翼を担う議会を軽視しているように感じます。ローソンとの協定締結の経緯を御説明ください。

◯原口剣生委員長 重松社会活動推進課長。

◯重松社会活動推進課長 経緯でございます。昨年六月にローソンから包括協定の提案を受けましたが、議会でちょうど議論の最中でありましたことから凍結をしておりました。その後、十一月下旬に庁内での協議を始めまして、三月十三日に協定の調印に至ったところでございます。

◯板橋 聡委員 十一月下旬に庁内協議を開始されたということですから、私が六月議会及び決算特別委員会で問題点を指摘した後の協定締結と理解いたしますけれども、どう反映されたのでしょうか。

◯重松社会活動推進課長 今回の提携の協議に当たりましては、コンビニの特徴でもあります地域に密着した数多くの店舗があること、二十四時間の営業をされていること、若者の来店者が多いこと、こういった特徴を県として最大限に活用できるような提案を行いまして、県民サービスの向上あるいは本県の特性を生かしました地域の振興に資するような協議を進めてきたところでございます。

◯板橋 聡委員 イオンのときと余り変わらないことを言われているように聞こえるんです。ずばり、イオンのときのような、個別の電子マネーカード会員に加入させて、その売り上げに限る寄附などという、県の私企業に対する公平性、公正性を損なうような内容は入っているのでしょうか、いないのでしょうか。

◯重松社会活動推進課長 そのような寄附はございません。

◯板橋 聡委員 少なくともその点は改善が見られることがわかりました。
 一方で、ローソンは三大コンビニチェーンの一つです。小川知事は、活力ある経済と雇用創出のためには中小企業の活性化が必要とおっしゃっています。県内企業の九割を占めるのは中小企業です。にもかかわらず、県が包括協定を締結するのはイオン、ローソンという地元商店街を圧迫している大企業ばかりです。中小企業に対しての配慮はないのでしょうか。

◯重松社会活動推進課長 コンビニチェーンの基本的な業態はフランチャイズでございます。県内のローソンの店舗の大半は、それぞれが地域に密着して活動しておられる小売店の経営者さんでございます。今回の協定はコンビニチェーンの運営会社でありますローソンと締結をするものですけれども、協定に基づく具体的な取り組みにつきましては、地域での社会貢献に資するよう、主に各店舗が取り組んでいかれるものであると認識しております。

◯板橋 聡委員 ちょっとピントがずれているような気がするんです。地域に根差した地場の企業に対してどういう配慮があるのかということをお答えください。

◯重松社会活動推進課長 県内の中小企業の皆さんが社会貢献活動に取り組みやすくなるように、企業向けに社会貢献の活動事例を紹介いたしましたメールマガジンを開始したいと思っております。また、業種、事業所の規模の大小にかかわらず、企業が社会貢献に取り組めるようにという思いから、現在、NPOと企業との協働のさまざまな取り組み事例を県内外から情報を収集しているところでございます。社会貢献活動に関心を持っていただいています企業さんに対しまして、こういった情報を積極的に提供してまいりたいと思っております。

◯板橋 聡委員 私はメールマガジンが余り好きではないんです。なぜかといえば、これは一方的な情報の垂れ流しのような気がするからです。それだけで中小企業にも配慮していますとはとても言えないのではないかと思います。もっと県として地域に出ていって中小企業と膝を突き合わせて情報交換を行うとか、そういった汗のかき方もあるのではないかと思いますけれども、いかがでしょう。

◯重松社会活動推進課長 中小企業家同友会におきまして新しく研修会を開催しようと思っております。この同友会の中に、平成二十三年、NPO交流・ソーシャルビジネス特別委員会という部会が設置されまして、ここで社会貢献等についてさまざまな勉強を行われるとお聞きいたしておりますので、そこに出かけていこうと思っておりますのが一つです。
 それから、県内各地に出向きまして、社会貢献活動に対する地場企業の皆さん方の理解を深める取り組みを行い、企業による社会貢献活動の裾野を広げていきたいと思っております。まずは、福岡県商店街振興組合連合会の協力を得まして、県内各地で社会貢献活動の意義や方法について御説明申し上げようと思っております。

◯板橋 聡委員 中小企業に対する情報提供の働きかけ、取り組みを頑張っていこうという気持ちはよくわかりました。ただ、これは抜本的な中小企業に対する対応にはなかなかできないのかなと。これはぜひ継続して努力をして、中小企業の方に福岡県は頑張っているなと思っていただけるようにしていただきたいと思います。
 ところで、視点を変えまして、福岡県はよく支店経済都市と呼ばれておりまして、大企業の支社、支店が多数存在しております。私自身も、議員になる前は某企業の九州支社で転勤族として勤務しておりました。そのときに漠然と感じたのは、大手企業に勤務していると、会社に対する帰属意識は物すごく強いのですけれども、居住地に対する帰属意識は薄い場合が多いということです。事実、私の周りの社員、特に転勤した方は、地元自治会や公民館の活動に興味が余りなかったんです。地域振興より会社の業績なのです。当たり前といえば当たり前ですけれども、それでは行政としては寂しい部分もございます。
 地方自治の最小単位は地域の行政区です。その中において、昨今の住民の自治会離れは、議会などでも議題になっておりましたけれども、大きな行政課題だと認識しております。例えば、ローソン社員の自治会加入を促すことを協定に盛り込んだらいかがでしょう。

◯重松社会活動推進課長 この協定は、県とローソンが互いの業務について連携をするものでありますので、社員個人の取り組みにつきましては協定に盛り込むことは考えておりません。

◯板橋 聡委員 ただ、包括協定を結ぶときに、全庁的にローソンと取り組むときに何ができるかをヒアリングされたということも聞いております。直接的には自治会の加入とかに関してはそちらの部署の所轄ではないかもしれませんけれども、こういった提案はほかの部署から出てこなかったのでしょうか。

◯重松社会活動推進課長 庁内からそのような提案はございませんでした。

◯板橋 聡委員 今回の包括協定について、最初に重松課長が地域の振興に資するように協議してきたと言われております。もっと積極的に取り組むべきだと思うのですけれども、長谷川部長、いかがでしょう。

◯原口剣生委員長 長谷川新社会推進部長。

◯長谷川新社会推進部長 御指摘のとおり、町内会といった地域のコミュニティーにつきましては、防犯あるいは防災を初め、地域が抱える課題に対応していくためには大変重要な存在であると認識しているところでございます。私たちも、先ほどローソンの社員に対する御指摘がございましたけれども、こうした皆さんにも、こういう思いを持っていただいて、地域コミュニティーの活動に積極的に参加していただきたいという思いはございます。こうしたことから、ローソンに対しましても投げかけを行っていきたいと思います。

◯板橋 聡委員 ローソンに限らず、これから新たに包括協定を大企業と結ばれるかもしれませんけれども、そのときや、あるいは協定の更新の際に同様の投げかけを行っていただけませんでしょうか。

◯長谷川新社会推進部長 機会を捉えまして同様の投げかけを行いたいと思います。

◯板橋 聡委員 一歩踏み込んだ回答をいただきました。もちろん、企業に対して強制できるものではないということは私もわかっております。ただ、このような働きかけにより、大企業の社員の方も自治会活動を通じて地域に根づいた中小企業の方と同じ目線で地域活性化への意識を持ってもらえるとするならば、これは真に地域の活性化に資する包括協定になると思います。我々議会としても、ぜひ応援したいと思います。
 逆に言うと、そんなことも理解せずに包括協定による地域の活性化とか言う企業はおためごかしです。だから、新規の包括協定なり既存協定の延長の際は、先ほどの答弁にもありましたとおり、ここをしっかり見きわめて、今後とも新社会推進部は真に地域の活性化に資する共助社会づくりを目指していただきたいと思います。
 最後に、長谷川部長の決意をお聞かせください。

◯長谷川新社会推進部長 少子高齢化の中で、あるいは人口が減少していく将来像を考えますと、地域におきまして、行政だけではなくて、いろいろな主体が共助社会づくりを推進していただくということが極めて重要であると私は思っております。そういう意味では、最終的な目的である地域振興のために、地場の中小企業等にも十分に意を用いながら、幅広い企業や団体が行政やNPO、ボランティアなどと連携してまちづくりを進めていく、こういうことにしっかり取り組んでまいりたいと思います。今後とも、社会貢献活動に幅広い企業や団体の参画を求めまして、さまざまな取り組みを着実にやっていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)

平成25年度予算特別委員会質問「実態に即した自殺対策」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。
 本日は、実態に即した自殺対策をテーマに質問いたします。
 昨年十二月二十三日、大阪市立桜宮高校バスケットボール部の男子生徒が、顧問から受けた体罰とは到底表現できないような暴行の果てに自殺しました。一月八日に市教育委員会が自殺と体罰の存在を公表すると、この問題は体罰問題を軸にセンセーショナルに報道されました。その後、橋下徹大阪市長が出した桜宮高校体育学科の入試中止方針をめぐり、マスメディアやネットなどを巻き込んでの国民的大論争が巻き起こりました。一月十八日には、「私が死ねば在校生は救われるのでしょうか」という自殺をほのめかす電話が市教委に入ったと報道があり、そして、二月十五日、同じく大阪府大東市の小学校五年生が自分の小学校の統廃合に反対して飛び込み自殺、現場には「どうか一つの小さな命と引きかえに統廃合を中止してください」と書いてあったそうです。
 私は、平成二十三年七月の予算特別委員会において指摘しました世界保健機構(WHO)が公表しています自殺予防メディア関係者のための手引にあるガイドライン、具体的には、自殺の報道を過剰に繰り返し報道しない、自殺をセンセーショナルを扱わない、問題解決法の一つであるかのように扱わないというものが全く守られていない結果、こういう悲劇の連鎖を引き起こしたのではないかと思えて仕方がありません。そこで質問です。
 自殺に関する過剰報道が他の自殺を誘発するという問題について、私の予算特別委員会での指摘以降、どのように検討して対応されたかお答えください。

◯原口剣生委員長 飯田こころの健康づくり推進室長。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 自殺の報道に関してでございますけれども、二十三年七月の委員からの御質問後の対応でございますが、平成二十四年二月の自殺対策推進協議会、これは関係団体、あるいは県の関係機関等が一緒になって自殺対策を総合的に推進していくための体制でございますけれども、この協議会におきまして、自殺の報道のあり方に対する取り組みについてマスコミの委員等からも意見をいただきまして、その際の議論を踏まえまして、平成二十四年三月に先ほどお話がございました手引を県政記者クラブ、それから、県警記者クラブに提供をいたしまして適切な報道のあり方について周知を改めて図ったところでございます。また、同様の手引については県のホームページにも登載をいたしました。加えまして、マスメディアに対する適切な報道について、国に対して県としても要望をしたところでございます。

◯板橋 聡委員 引き続き、ぜひマスメディアや国に対して強力に働きかけをお願いいたします。
 また、一方で、こういうセンセーショナルな自殺、有名人の自殺を含め、そのような報道があった場合に、生徒を保護する観点からも、テレビなんかは全国ネットで放映されていますので、福岡県だけの働きかけではなかなかうまくいかないところがあると思います。そういった観点から、適切な処置がとられるよう学校側、つまり教育庁なんかと連携が必要だと思いますけれども、所見をお聞かせください。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 先ほどお話をいたしました自殺対策推進協議会には、教育庁の担当部局も参画をしております。その場を通じまして連携をしながら対応をしているところでございます。
 教育庁におきましては、学校における自殺対策といたしまして、国が作成いたしました自殺防止マニュアルを活用した研修の実施や教育相談体制の充実を図っているところでございます。また、知事部局といたしましても、来年度、平成二十五年度には教育庁と連携をいたしまして教職員等を対象としたゲートキーパー養成研修等を実施することを検討しているところでございます。

◯板橋 聡委員 ぜひタイムリーな対応が必要だと思いますので、それも引き続きどういう体制がとれるかというのを検討していただければと思います。
 自殺対策の難しさは、亡くなってしまった方から直接話を聞くことができないという点にあると思います。ここで通告しておりました資料「自殺実態白書二〇一三」を要求させていただきたいと思います。委員長、お取り計らいのほどをお願いいたします。

◯原口剣生委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯原口剣生委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。飯田こころの健康づくり推進室長。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 直ちに提出いたします。

◯原口剣生委員長 正副委員長に資料を確認させてください。
    〔資料確認〕

◯原口剣生委員長 それでは、資料の配付をお願いします。
    〔資料配付〕

◯原口剣生委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 資料に関して簡潔な説明をお願いいたします。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 ただいま提出いたしました資料は、自殺対策活動の促進を目的に全国で活動しておりますNPO法人自殺対策支援センターライフリンクというところが、自殺の実態解明を目的に、自殺者五百二十三人とその遺族五百二十三人を対象として調査をして「自殺実態白書二〇一三」として取りまとめをしたものの抜粋でございます。
 まず、一枚目でございます。資料プロジェクトチームが認定した自殺の危機要因でございます。これは調査によって明らかになった自殺の要因についての資料でございます。これによりますと、自殺の危機要因となり得るものが六十九あるとされております。囲みの中にその具体的な要因を七つの区分に分類をしております。括弧の中の数字は自殺に至った要因として抱えられた件数で、健康問題が最も多く、続いて経済・生活問題、家庭問題となっております。
 続きまして、二枚目の資料でございます。自殺の危機経路の事例でございますけれども、これは自殺要因から自殺に至る経過の事例を説明したものでございまして、非雇用者、自営者、学生などの属性によって自殺に至るまでの経路にある一定の規則性があると分析されています。囲みの中に事例として掲げられておりますが、属性によってさまざまな経路をたどっているものの、いずれの場合にも鬱病が大きな要因としてかかわっております。
 三枚目は、その経路をやや具体的に示したものでございまして、例として自営業、それから、みずから起業の危機要因の連鎖図でございます。そこに記載しておりますように、さまざまな要因が重なって最終的に自殺に至ったというのを要因ごとの連鎖という形で分析しておりますけれども、自営業者の特徴といたしましては、自殺に至る年月が他の属性の方々よりも二年と短いということでございます。
 以上でございます。

◯板橋 聡委員 この白書は五百二十三人の自死遺族に対して平均二時間半、最長八時間もの聞き取り調査を行い、四百八十八項目の調査分析を行ったということでございまして、私も非常に示唆に富んでおると思っております。まず、自殺を誘発する危機要因を洗い出して、その危機要因が属性、職業等々によって一定の規則性があると分析をされております。
 ところで、福岡県は、自殺防止の取り組みとして、早期発見、早期治療のために、体制強化として地域における見守り体制、つまりゲートキーパーの要請を一丁目一番地に上げておられますけれども、ゲートキーパーというのはなかなか耳なれない言葉でございます。どのようなものか、具体的な役割とあわせて教えてください。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 ゲートキーパーと申しますのは、日本語で申しますと門番でございまして、地域における周囲の気づきを高める取り組み、悩みを抱えている人に気づき、必要な支援につなげるという人材でございます。自殺というのは、いろいろな悩みを抱えた上で追い込まれた末の死ということでございますので、悩みを抱えた人に少しでも多くの方々が気づくということが自殺を防止する上で非常に重要なことではないかという認識のもとで、そういった悩みを抱えた方々の周囲の方々に気づきを促すためのゲートキーパーとしての役割を担っていただくということで、人材養成の研修等を実施しているところでございます。

◯板橋 聡委員 具体的にはどのような方を対象に養成されているんでしょうか。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 これまでの取り組みといたしまして、昨年度までに三千四百八十五人の方々を対象とした研修を行いました。そこに参加していただいた方々といたしまして、民生委員、それから市町村の職員等、あと、福祉の関係の方々を対象として実施をしてきたところでございます。

◯板橋 聡委員 これは、そういった特殊な職業の方以外に一般の方の啓蒙も含めて広く養成したいということでよろしいでしょうか。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 先ほど申しましたけれども、なるべく一人の多くの方々が周囲の異変に気づくということは、国の自殺総合対策大綱にも書いておりますので、そういった形で進めていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 努力されているのはよくわかりました。
 先ほど、室長のお言葉の中で、ゲートキーパーの役割でまず多くの方が気づいてあげることが必要だということが上げられておりました。つまり自殺のサインを見逃さず、話を聞いて的確に専門家を紹介し、見守るということなんだろうと思いますけれども、気づかないことにはどうしようもないんですよね。ところが、先ほどの自殺実態白書の中にも書いてございましたが、自死遺族全体の五八%の方は自殺のサインがあったと思うと回答されておられるんですけれども、このうち何と八三%の方は、当時、つまり自殺される前にそれがサインだとは気づかなかったとおっしゃっておられます。亡くなられた後になって思い返せば、あの深いため息がひょっとしたらそのサインだったのかなとか、振り返ればあれかと気づけるのですけれども、それでは亡くなってしまって遅いということだと思います。
 ここで、先ほどお配りした資料の二枚目にあります自殺の危機経路の事例をごらんください。
 括弧囲みの中なんですけれども、自殺に至るまでの危機要因というのがいろいろな職種別に書いてございますが、特徴的な文字が浮かび上がってきます。私はちょっと注目したのは、やはり多重債務、自営業や失業者、あるいは無職のところで出てまいります。あと、家族との死別です。これは、10)番のところだけ出ておりますけれども、一枚目の資料を見てみますと、家庭問題の中でも家族との死別、自殺であったりだとか、その他足した数というのはなかなかの数になるのかなと思っております。
 そこで考えられますのは、多重債務者は債務整理のために弁護士とかあるいは司法書士にわらをもすがる思いで相談に伺うわけです。あと、家族と死別された方、私も昨年祖母を亡くし、葬儀社の方に大変お世話になったんですけれども、本当に葬儀社の方に親身に相談をいただいたり、いろいろな銀行口座の件はこうしなさい、この手続はこうしなさいということで的確な指示を与えていただいて本当に頼もしく見えます。そういう自殺の危機要因を抱える、あるいは抱えている可能性のある、しかも物すごい岐路に立っていらっしゃる可能性がある方とかかわる職種の方、つまり先ほど言いました弁護士の方だとか、司法書士の方だとか、葬儀社のそういった窓口の方だとか、こういった方がゲートキーパーとしての訓練を受けたり、また、医療とか福祉とか心理学、こういった分野の方と、これは危ないな、これは精神的にやばいんじゃなかろうかというときに、的確な連携がとれるように体制が築ければ、漠然とゲートキーパーをふやそうという事業展開よりさらに効果を上げることができるのではないかと思いますけれども、所見をお聞かせください。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 今、御指摘がございましたように自殺対策、特に一般的なものからリスクの高い方々への重点的なシフトという形で進めております。具体的には、中高年対策としてのメンタルヘルスの講習会であるとか、今、お話がございましたような多重債務相談会での保健師派遣による相談会の実施、それから、先ほど、資料の説明の中でも申しましたけれども、自殺と関係が深いと考えられている鬱病対策といたしまして、かかりつけ医と精神科医との連携対策の構築、それから、もう一つのハイリスク対策として、自殺未遂者の方が再度企図するという可能性が非常に高いというデータがございますので、そういった未遂者に対するケアといったものを推進してきているところでございます。
 御指摘のようなゲートキーパーの養成に関しましても、やはりリスクの高い方々にかかわる方々を一人でも多くゲートキーパーとして養成していくことが必要であると考えておりまして、今年度からはハローワークの職員、それからケースワーカー、ホームヘルパー職員などに対象を拡大をして実施をしてきたところでございます。平成二十五年度におきましても、先ほど述べました教職員、あるいは薬剤師などに対象を拡大をして実施していきたいと考えております。関係機関の協力を得ながら進めてまいりたいと考えております。
 悩みを抱えて追い込まれた自殺のリスクの高い人の周辺にいる人を幅広くゲートキーパーとして養成をしていくことが非常に効果的であると考えておりますので、その際、どのような団体と連携をしていくのかというのは、関係機関との意見も聞きながら考えたいと考えています。

◯板橋 聡委員 ぜひ、いろいろな可能性を探って、効果が最大に上がるような事業運営をしていただきたいなと思います。
 先ほども述べましたけれども、亡くなってしまった人の胸のうちを知ることはできません。ですから、きょうのやりとりで新たに踏み出される一歩が果たして正しいのかどうかというのは誰もわからないと思います。そういう意味では、執行部はもとより私ども議会側も自殺対策については常に謙虚な姿勢で向き合い、効果を確かめながら最善の策を探し続ける努力を忘れてはならないと思いますけれども、ぜひここは山下部長の決意を最後にお聞かせください。

◯原口剣生委員長 山下保健医療介護部長。

◯山下保健医療介護部長 自殺を減らしていくということは、私ども保険医療介護部の仕事の第一番目にあるのではないかと私自身は思っております。これまでいろいろな対策に取り組んでまいりましたけれども、御指摘がございましたように、最近では県民一般を対象とした対策ということから、いわゆるハイリスク者を中心とした対策に変えて取り組んでいるという状況でございます。今後ともハイリスク者を中心としてより効果的な対策となるように、先ほど話がございました白書、あるいはよその県の先進的な取り組みなどを含め、専門家の意見なども参考にしながら対策に知恵を絞ってまいりたいと思っております。

◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)

平成25年2月議会一般質問「伝統産業のレッドデータ」

3月15日頃から公式動画にて質問内容と知事答弁が動画で確認出来ます。
ーーー

◯十一番(板橋 聡君)登壇 先ほどの黙祷により、震災復興への思いを皆様とともに新たにさせていただきました。皆さん、ともに頑張りましょう。自民党県議団の板橋聡でございます。
 福岡県では、絶滅の危機にある野生生物をリストアップし、保護や保全に結びつけることを目的としたレッドデータブックを作成しておりますが、今回は、伝統産業のレッドデータというテーマで質問いたします。
 みやま市には木ろうと天然しょうのうという伝統産業が存在します。ハゼの木の実から生産される木ろうは、ろうそくや医薬品、化粧品の原料として幅広く使われ、徳川吉宗が一七一六年に行った享保の改革でハゼの木の栽培が奨励されると、柳川藩、久留米藩、福岡藩を初めとする国内多くの地域にて競って栽培されました。幕末の久留米藩を例に挙げますと、久留米絣の生産高九万両に対し木ろうは三十六万両、輸出高は種油に次ぐ二位と、ハゼの木が生む木ろうは財政を支える重要な産物でした。一方、クスの木から生産される天然しょうのうですが、日本では一七〇〇年ごろから生産が始まり防虫剤として有名でしたが、海外では薬品や香料として重宝されました。江戸末期には木ろうと並んで薩摩藩、土佐藩を初めとする多くの藩の財政を支え、貿易で巨額の富を生み、日本専売公社の報告には、この資金によって維新の大業をなし遂げられたと評されています。その後しょうのうは、土佐が開発した土佐式と呼ばれる製法で飛躍的に生産が伸び、しょうのうを材料とするセルロイドの発明により世界市場で日本のしょうのうが引っ張りだことなり、この貿易取引がもたらした富によって賄った軍艦が、日露戦争においてバルチック艦隊を打ち破るのです。かようにアジアの端っこの閉ざされた小国だった日本が国際社会に名乗りを上げ、開化期を迎え、そして西欧列強の植民地支配に一矢を報いることを財政面で支えたのが木ろうと天然しょうのうなのです。しかし、そんな隆盛を誇った木ろう、しょうのうは、石油由来の化学製品によってその地位を追われ、今では木ろうの生産工場は国内わずか四カ所。天然しょうのうに至っては、土佐式製法を継承している工場は何と世界でただ一カ所となってしまいました。それぞれの工場が福岡県みやま市に辛うじて現存しているわけです。
 ここで視点を変えましょう。地球温暖化など環境の変化や、外来種の移入により地域の生態系のバランスが壊れ、絶滅の危機が危ぶまれる動植物が増加しています。これを守る努力が必要なのは持続可能な社会を構築するためにもはや常識であります。私は、日本の歴史の転換点にかかわり、地域の暮らしや文化を担った伝統産業が、時代の変化、イノベーション、経済のグローバリズムで移入してきたどうもうな外来産品、外来企業などにより先細り、まさに絶滅の危機に瀕している様子を見るにつけ、動植物の生態系の破壊を目の当たりにしているような思いであります。
 ここで知事に質問です。このような希少価値の高い伝統産業は、一度途絶えてしまったら復活することは非常に困難です。歴史や伝統に根差し、郷土愛をはぐくみ、地域に活力を与えてきた、つまり知事が繰り返しおっしゃる、福岡に生まれてよかったという意識を醸成する観点からも、希少価値の高い伝統産業は維持、振興されるべきと考えますが、知事の所見をお聞かせください。
 また、みやま市に限らず他地域にも同様の希少価値の高い伝統産業が多数存在すると思いますが、県として市町村と協力の上、まさに伝統産業のレッドリストをつくらなければ、そもそも保護すべき対象も把握できないと思いますが、知事の所見をお尋ねします。
 保護、保護と言うと、よほど魅力がないのかという誤解を生みそうですが、私は今回の一般質問に当たり、さまざまな部署とお話をさせていただきました。そこでわかったのは、予想外に多くの部署が伝統産業にかかわっているということです。例えば木ろうについて、農林水産部では、木ろうの原料であるハゼ栽培に対し中山間地支援や農家所得向上の視点から、今年度より助成事業を行っています。商工部では、産業観光の一つとして木ろうメーカーである荒木製蝋がエントリーされています。それ以外にもハゼの紅葉が地域観光資源になったり、現在全生産高の九〇%が輸出される木ろうが県産品輸出振興の対象となる可能性もあります。企画・地域振興部では、まちおこしの視点からちくご元気計画においてみやま市の木ろうを取り上げています。またこの木ろう工場は、現在地元小学校が社会科見学で訪れており、教育の視点からの活用や文化財指定などの対応から教育庁のかかわりも期待されます。
 これだけ多くの部署が少しずつかかわっている、あるいは今後関与する可能性を認識しているということは、やはり伝統産業の持つポテンシャルは、いわゆる商業的成功にとどまらず、県民幸福度日本一の施策にさまざまな側面で可能性を秘めていると言えます。一方、これらの部署は全く連携がとれておりません。当初、伝統産業の総合的な振興について各部署に相談したところ、見事にどの部署も、ここまでは私どもがやっておりますが、これこれは他の部署でやっておりましてと見事にたらい回しを食らったわけです。小川知事におかれましては、このような縦割り行政に関する弊害是正について理解を示し、改善の努力をされていると私はひそかに評価しています。就任後わずか二年の中で、農林水産部、環境部、保健医療介護部にまたがっていた鳥獣被害対策を畜産課に一本化されたり、中小企業の海外進出をワンストップで支援するアジアビジネスセンターを、これは県が運営すべきかどうかについては議論の余地があると思いますが、設立されたりしました。特筆すべきは、新社会推進部において今年度始まる性犯罪被害者に対するワンストップ支援推進事業です。これは性犯罪被害者が相談窓口、医療、司法、警察などの各機関で繰り返し説明させられることによる被害者負担を軽減させることが目的の一つです。まさに、たらい回しを防ぐ県民視点の事業であります。
 そこで知事に質問です。伝統産業の担い手、その維持、振興を目指す市町村は、知恵、経験、人、金が不足しています。やはりここは県においてノウハウを蓄積し、総合的な対策を打つことが重要です。そのためにも、まずは全体を俯瞰して情報の交通整理ができるワンストップの窓口をつくるべきと思いますが、知事の所見をお聞かせください。
 以上、知事のリーダーシップあふれる答弁を期待して、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)

◯議長(松本 國寛君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 木ろうなどの伝統的な産品についてでございますが、御指摘のありました木ろう、天然しょうのうなどの産品は、長い年月にわたりまして人の手を通じて技術、技法が後世に受け継がれ、地域の歴史、風土を今に伝えるものでありますけれども、一方で、生活様式の変化、あるいは安価な輸入産品の増加によりまして需要が減少している状況にございます。しかしながら、近年こうしたものは天然の素材を用いた環境に優しい製品といたしまして、再評価をされ出しております。このため、木ろうを化粧品の原料として海外に輸出をしたり、しょうのう製造時に発生いたしますクスノキ油をアロマオイルとして発売するなど、新しい販路拡大、製品の開発につなげていく取り組みというものが、これからますます重要になるというふうに考えております。
 これらの伝統的な産品の実情把握についてお尋ねがございました。本県では、五十年以上の歴史を有する伝統的な技術や技法により生産されました産品を対象にいたしまして、申請に基づいてこれらを特産民・工芸品として指定する制度というものを設けております。八女手漉和紙でありますとか、うきは市の棕櫚箒など、現在三十品目を指定させていただいておりまして、その振興を図るため、県庁あるいはアクロス福岡での展示、PRに努め、県のホームページでも広く情報提供しているところでございます。今後は、この指定制度の周知徹底というものを図りまして、新たな指定品目の掘り起こしを市町村と協力して積極的に行っていきたいと考えております。木ろうや天然しょうのうなど希少性の高い伝統的な産品につきましても、その実情を把握するよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、木ろうなど伝統的な産品の支援窓口の一元化についてでございます。今申し上げました産品につきましては、例えば木ろうの場合、和ろうそくの製作体験に人が集まるということで産業観光、あるいは地域活性化の資源となりまして、ハゼや木ろうを使った六次産業化の素材ともなります。県では、このように、先生もお触れになりましたけれども、それぞれの部署がそれぞれの政策目的に応じて支援を行っているところでございます。これからは、先ほども申し上げました特産民・工芸品の振興を担当いたしております商工部中小企業振興課をワンストップの窓口といたしまして、各部署との連携を図りながら、またそこにノウハウを蓄積しながら、伝統的な産品の支援に努めてまいります。

平成23年度決算特別委員会質問「県と私企業の協定について」

◯板橋 聡委員 皆さん、こんにちは。自民党県議団の板橋聡です。
 六月議会にて質問しました県とイオンとの包括協定について、知事から答弁をいただきましたが、県民に対して胸を張って説明できるような内容ではございませんでした。今回、一問一答形式で県と私企業の協定についてただしていきたいと思います。的を射た簡潔な答弁をお願いします。
 多くの企業が社会貢献を行っている中で、イオンとの包括協定の目的と意義を教えてください。

◯冨田徳二副委員長 重松社会活動推進課長。

◯重松社会活動推進課長 実は、イオンから県に対しまして、地域社会への貢献を進めたいということで、昨年の十一月に県に対しまして社会活動協働事業を行うための包括的な提携の申し入れがございました。イオンの場合、当時、既に三十七の都道府県と取り組んでいたことがございますものですから、中身を各部の関係課と協議をいたしまして調整をいたしましたところ、いずれの内容も個別に結んでいくことができる非常に幅広い内容だったということで、私ども、今回、包括的に協定を結ぶという状況となったところでございます。

◯板橋 聡委員 余り目的にも意義にもなっていないと思うんですけれども。個別の社会貢献について協定を結んでいなくてもいろいろと協力していただいている企業はたくさんございます。逆に言うと、どうして個別に社会貢献している企業とは協定を結ばないんですか。

◯重松社会活動推進課長 一つは、やはりこの社会貢献活動は企業さん方の自主的な活動でございますので、常日ごろから私どもの職務として社会貢献の活動に取り組んでいただきたいという促しはしておりますが。実際に私どもに提案があるという状況が、今回イオンから提案がございましたが、今後もしそのような申し出がありましたら、ぜひとも前向きに取り組んでいきたいと思っております。

◯板橋 聡委員 イオンとの包括協定に関しては、提携事項として、地域防災の協力に関すること、地域の安全安心に関することとあります。同様に、イオン九州は福岡県と災害時の物資の供給に関する協定書を結んでいますけれども、七月十四日の九州北部豪雨の際に被災地に物資供給を行った会社はどこですか。藤山防災企画課長、教えてください。
    〔正副委員長交代〕

◯原口剣生委員長 藤山防災企画課長。

◯藤山防災企画課長 被災地からの要請を踏まえまして県のほうから要請をいたしましたのは、ローソンでありますとか、セブンイレブン・ジャパンといった企業でございます。

◯板橋 聡委員 全部ですか、それで。

◯藤山防災企画課長 東筑軒、それから、北九州駅弁当、クラウン製パン、中屋フーズ、リョーユーパン、大福、ローソン、セブンイレブン・ジャパン、ファミリーマートでございます。

◯板橋 聡委員 雨の日にイオンは傘を貸してくれましたでしょうか。
 次の問題点は、包括協定の期間です。このイオンとの包括協定の第四条を読みますと、双方から申し出がない限り協定は自動更新ということで、毎年更新されるようになっております。
 一方、七月十四日の九州北部豪雨以降、被災地の応急処置のために二十四時間体制で頑張り続けた建設業者の皆様と締結している風水害時の緊急対策工事などに関する協定、略して風水害協定、こちらの有効期間はどうなっておりますでしょうか。横枕課長、正確にお答えください。

◯原口剣生委員長 横枕企画交通課長。

◯横枕企画交通課長 風水害時の協定につきましては、例年、六月一日に協定を締結し、翌年五月末までの一年間としております。

◯板橋 聡委員 期間を一年間に限定して、毎年新しく協定を締結しなくてはならない理由は何でしょうか。

◯横枕企画交通課長 風水災害協定を締結する建設業者には、集中豪雨などの厳しい条件の中で安全かつ確実に工事を実施していただかなければなりません。このことから、直近の工事の実績や技術力を審査し、建設業者の施工能力を確認する必要がありますので、一年という期間を設定しております。

◯板橋 聡委員 福岡県民の多くが愛するソフトバンクホークスは過去はダイエーホークスと呼ばれていました。そのダイエーですら二〇〇四年に経営破綻して産業再生機構送りになっております。最近、再上場を果たしたJALは、国策企業だったにもかかわらず経営破綻、オリンパスは不正経理処理であわや上場廃止とささやかれました。超一流と言われる企業でも一寸先は闇。毎年協定を締結し直すことで、協定先が協定を結ぶに値するのかどうかと確認作業を行う県土整備部の姿勢は県として当然だと考えます。一方で、イオンとの包括協定は自動更新と。県の態度としてはちょっとこれは怠慢ではないか。また、これは企業によっての不公平感を物すごく感じます。
 続きまして、イオンとの包括協定の一環として発行された電子マネーカード「ふくおか共創WAON」カードについてお尋ねします。
 プレスリリースと新聞記事の資料要求をさせていただきたいと思いますので、委員長、お取り計らいをお願いします。

◯原口剣生委員長 お諮りします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯原口剣生委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料について提出できますか。

◯重松社会活動推進課長 はい、直ちに提出いたします。

◯原口剣生委員長 資料を正副委員長に確認させてください。
    〔資料確認〕

◯原口剣生委員長 事務局は資料の配付をお願いします。
    〔資料配付〕

◯原口剣生委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 では、簡潔に説明をお願いします。

◯重松社会活動推進課長 お手元に三枚の資料を置かせていただきました。
 まず、一枚目でございます。これは本年四月十八日に行われました知事の定例会見の要旨でございます。発表事項は福岡県とイオン株式会社との包括提携協定の締結についてで、その要旨でございます。
 続きまして、二枚目をごらんください。二枚目の資料は、四月二十日に行われました福岡県とイオン株式会社との包括提携協定の際のイオン株式会社から記者へ提供された資料でございます。
 次に、三枚目です。これはこの包括協定を行いました翌日の四月二十一日の朝刊に掲載をされました記事でございます。

◯板橋 聡委員 その三枚それぞれに電子マネーカード、ふくおか共創WAONカードについて説明がございます。
 一枚目の真ん中あたりに、小川知事は「イオン株式会社と包括提携協定を締結することに合意しました。特徴は二点です」ということで、第一点は新たな電子マネーを発行し、その利用金額の一部を寄附すると。二枚目のイオン株式会社のプレスリリースの三段落目に書いてありますけれども、本協定の取り組みの第一弾として、ふくおか共創WOANカードを発行すると。三枚目はそれをもとにして書かれた西日本新聞の記事ですけれども、最初の一段目の五行目ぐらいから、「協定の一環として二十一日からは買い物金額の〇・一%が福岡県に寄附される電子マネーカードが発行される」と書いてあります。
 小川知事みずから、この協定の特徴とおっしゃって、イオン側も取り組みの第一弾として、その位置づけで大々的に電子マネー、ふくおか共創WAONカードを宣伝しているわけですね。
 寄附の定義というのは、寄附者がみずからの意思に基づき金銭、財産を対象機関、施設へ無償で供与することです。なぜ協定で寄附の枠組みをつくらなければならないのでしょうか。そのリスクを検討されたことがありますか、重松課長。

◯重松社会活動推進課長 今回、包括提携の申し出がありましたときに多くの事項が協定の中で示されたわけですけれども、その中の一つとしまして、このICカードを使って、私どもが取り組んでおります共助社会づくりに向けた地域での社会貢献活動に支援をしたいという申し出がありましたものですから、協定事項の一つとして受けとめたところでございます。
 この仕組みなんですけれども、委員御承知のように、イオンが独自でつくった仕組みでございまして、その収益の中から一部を地域に寄附するという仕組みを提示されまして、私どもは、今現在も企業さんが地域に寄附という形で貢献されるという形が広く広がっているものですから、その一つとして受けとめたところでございます。

◯板橋 聡委員 先ほど課長のお話の中にもあったとおり、企業の売り上げに連動した寄附というのは既にございます。博多に工場を持つアサヒビールはスーパードライ関連の対象商品の売り上げ一本につき一円を福岡の自然景観保全活動のために寄附されていますが、これについて協定は結ばれていますか。

◯重松社会活動推進課長 アサヒビールにつきましては、協定という形では結んではございません。

◯板橋 聡委員 ちなみに、イオンの初年度目標募金金額は幾らですか。また、同様に、アサヒビールの商品売り上げ連動のことしの募金金額は幾らですか。

◯重松社会活動推進課長 金額につきましては承知をしておりません。

◯板橋 聡委員 先ほど配っていただいたこの資料の中に書いてございますけれども、資料を見てないんですか。そちらが出した資料ですけど。

◯重松社会活動推進課長 新聞の報道でございますけれども、これは会見が終わりました後に、直接、記者の方がイオンさんにインタビューをされて答えられた、そういう数字だと認識しております。

◯板橋 聡委員 ただ、そちらにつくっていただいた資料ですよね。出していただくときに中身ぐらいは見て提出していただきたいと思います。まあ、余りこれは言いません。二百万円と書いてありますね。ちなみに、アサヒビールの商品の売り上げ連動のことしの募金金額に関しては大体千四百万円ぐらいということを私は重松課長から教えていただきましたので、これは一応、念のために言っておきます。以上を考えても、わざわざイオンと包括協定を結んで、雄県福岡県の私企業に対する公平性、公正性をおとしめるような必要はないと思います。福岡県が一私企業と適切な関係性を維持するためには、少なくとも協定期間を一年ごとの満期にし、毎年締結し直し、かつ福岡県とふくおか共創WAONカードはかかわりがないことを誰から見ても誤解のないよう明示することを求めたいと思いますが、長谷川部長、見解をお聞かせください。

◯原口剣生委員長 長谷川新社会推進部長。

◯長谷川新社会推進部長 毎年の契約の問題でございます。先ほど委員御指摘のとおり、このイオンとの提携については、その内容で更新について一年とすると。それを基本として、お互い協定の有効期限の満了一カ月前までに特段の申し出をしないときは、という条件つきで一年間更新する取り扱いとしているところでございます。
 それから、もう一点、カード自体が県とかかわりのないということの宣言といいますか、表明ということにつきましては、基本的には、これは資料の中の知事の記者会見でもありますように、私企業でありますイオンが独自の考え方で仕組みをつくって寄附をしたいという申し出によって協定したということでございます。その協定先は当然、県でございますので、県としては、県とイオンとの関係で言えばカードというのは一つの項目でございまして、そのほか広範にわたる協定をしているいわば協定のパートナーでございますので、これについて全く関係ないというお話を差し上げるというのは逆に誤解を招くのではないかと考えております。

◯板橋 聡委員 では、視点を変えて、電子マネーの法的位置づけを再確認させていただきます。
 電子マネーは国が発行してその価値を保証する通貨ではありません。サービスを提供する会社による私製貨幣の一種です。ふくおか共創WAONカードは、最初に前払い金をイオンに支払い、その前払いされた金銭価値を支払いの際に相殺するという仕組みです。銀行預金に適用される預金保険もふくおか共創WAONカードには適用外です。
 平成二十一年に改正された資金決済に関する法律により前払い金額の二分の一は供託金として保全されておりますけれども、残りの二分の一は保護されません。イオンがもし経営破綻した場合、ふくおか共創WAONカードの利用者から未使用前払い金の返還訴訟が起こる可能性があります。ふくおか共創WAONカード一枚当たり前払い金額の上限は幾らですか、重松課長。

◯重松社会活動推進課長 五万円でございます。

◯板橋 聡委員 ふくおか共創WAONカードのことしの目標の発行枚数は、イオンのプレスリリースによると五万枚と書いてございます。保護されない前払い金額は、理論上、五万円掛ける五万枚、イコール二十五億円の半分ということで、十二・五億円となります。こういったリスクは協定締結前に検討されたのでしょうか。

◯重松社会活動推進課長 リスクにつきましては、約款であるとかの内容は検討しましたけれども、今委員がおっしゃいましたような数字を含めたところの検討はしておりませんでした。

◯板橋 聡委員 もちろん福岡県はWAONの事業者でも発行者でもございません。ところが、ここで知事の記者会見とかプレスリリースが物すごくきいてくるんですよ。ふくおか共創WAONカードは福岡県とイオンの包括協定の特徴であり、包括協定の第一弾であり、包括協定の一環として表現されておるんですね。
 これは弁護士に確認したところ、こういう知事の発言、イオンのプレス、あるいは新聞記事をもとに福岡県がかかわっているカードであると認識して信頼してWAONカードをつくった消費者の期待は保護されるべきで、福岡県に対しては商法上の名板貸責任も発生し得るとの見解を得ました。つまり、住民訴訟のリスクを福岡県自体も抱えるということです。そんなリスクをはらんだ協定ですけれども、議会側に事前に相談はありましたか、長谷川部長。

◯長谷川新社会推進部長 企業との協働を進めていくということにつきましては本来の私の仕事だという認識から、まずはこういった枠組みが締結できるものかどうかということを詰めてまいりました。そういう意味で、あらかじめ議会にお諮りしたということはございません。

◯板橋 聡委員 では、誰が協定内容に責任を持ち、万が一、訴訟なんかが起こった場合、対応するのはどちらの部署になりますか。これは行政経営企画課長のほうでお答えください。

◯原口剣生委員長 大西行政経営企画課長。

◯大西行政経営企画課長 訴訟についてでございますけれども、通常、訴訟につきましては、担当する各課で対応いたしまして、私ども行政経営企画課といたしましては、助言でありますとか、顧問弁護士の紹介といったことで支援をしておるところでございます。

◯板橋 聡委員 つまり、社会活動推進課ということだと理解します。
 そして、ふくおか共創WAONカードで万が一、返還騒動なんかが起こって、県の相談窓口というのは消費者保護行政を担当している生活安全課と認識しておりますが、山下課長、生活安全課の所属する部は何ですか。

◯原口剣生委員長 山下生活安全課長。

◯山下生活安全課長 新社会推進部でございます。

◯板橋 聡委員 だから、当初は商工部と社会活動推進課、新社会推進部の利益相反を問題視しておったんですけれども、イオンとの協定というのは新社会推進部内ですら利益相反を引き起こしておるということなんですね。先ほど幾つか挙げましたけれども、これらの幾つかの重大なリスクを事前にきちんと理解した上で知事はイオンとの包括協定に小川洋とサインされたのでしょうか、長谷川部長。

◯長谷川新社会推進部長 協定を締結するに当たり、考え得る全てのリスクを想定して検討したということまではございません。やはりまずは企業との取り組みを具体的に進めたいということが一点、それから、私どもが提携した時点では都道府県で三十八番目でございましたので、こういう取り組みについて、他県の例も踏まえて対応したところでございます。そういう意味で、知事に、先ほど言いました想定し得る最大限のリスクはこうですという説明までは私はいたしておりません。

◯板橋 聡委員 他県がやっているから福岡もいいだろうというのはちょっと理屈としてはおかしいのではないかと思いますし、それを検討されなかったということに関しては非常に問題だと思います。これを知事自身がどう認識しておられるかというのは今の質問もあわせて確認しないとわかりませんので、委員長、これはぜひ知事保留とさせていただきたいと思います。

◯原口剣生委員長 ただいま板橋委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることといたします。
 なお、知事保留質疑は十一月八日木曜に行う予定でありますので、御了承願います。

◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)

平成23年度決算特別委員会質問「福岡県の海外戦略」

◯板橋 聡委員 おはようございます。自民党県議団の板橋聡です。本日は、福岡県の海外戦略について質問させていただきます。
 福岡県の世界に対する橋頭堡というべき海外事務所の扱いについては、我が会派の代表質問を初め何度か質問をされております。過去の答弁を確認しましたが、私自身は知事の意見にうなずく部分も多々ございます。イノベーションの北米、EU、伸び行くアジア、福岡県の多様な産業構造を考えれば、両方大切です。
 一方で行政の無謬性というか、一度つくってしまったから事務所の存続や体制にこだわり過ぎると、世界経済の変化のスピードに追いついていけないと思いますが、課長の所見をお伺いいたします。

◯原口剣生委員長 武田国際経済観光課長。

◯武田国際経済観光課長 本県の海外事務所の役割といたしまして、県内企業の海外ビジネス展開支援、県産品の販路拡大・開拓支援、海外企業誘致、それから、県の先端産業のプロジェクト推進、海外からの観光客の誘致活動などがあります。これらを行う目的で平成十五年に香港、上海、ソウル、フランクフルト、サンフランシスコの五カ所に事務所を設置したところでございます。
 その後、ソウル事務所に関しましては、経済分野を中心に両地域で緊密なネットワークが築かれ、民間ベースでそれぞれ円滑な交流が行われており、総領事館等の関係機関との連携協力が進んだという判断で、平成二十二年三月に事務所を廃止し、情報収集などを行う交流プロモーターを設置したところでございます。また、安価で豊富な労働力や多くの人口を抱え成長著しい、消費市場としても有望であるという判断でASEANの重要性が増しているということで、平成二十二年十月にはバンコク事務所を新たに設置するなど、随時体制を見直してきたところでございます。海外事務所については、今後も随時見直しを行っていきたいと考えているところでございます。

◯板橋 聡委員 つまり、随時見直しを行っていくべきというお答えだと考えております。
 リーマンショックからギリシャ、スペイン、イタリアと一連の欧州債務危機が発生したりと、景気がいいニュースに事欠く欧州ですけれども、福岡県のフランクフルト事務所で、今、力を入れている事業とは何ですか。

◯武田国際経済観光課長 先ほど申し上げましたとおり、海外事務所の役割といたしましては、県内企業の海外ビジネス支援や県産品の販路拡大、あるいは海外企業誘致など、地域の特性に合わせてさまざま行っているところでございます。フランクフルト事務所においては、県内企業等から多くの要望がございます、また主に支援をしております県産品の販路拡大、あるいは欧州での県内企業のビジネス展開に関する支援、これらを中心に行っております。
 県産品の販路拡大に関しまして言えば、例えば八女茶や伝統工芸品である織物、これらの欧州各地での販売先を紹介するなどしておりまして、これが実際の取引につながっております。これらについては今後も支援要請があっております。
 また、欧州で事業展開を目指します県内企業について、取引先の企業紹介や市場動向の情報提供等の依頼がありまして、これも欧州進出につながっている事例があります。

◯板橋 聡委員 八女茶とか小倉織などのマーケットは、今伸びていくアジアではちょっとないのかなと個人的には思っております。やはり付加価値を認めて、日本文化に親しみを持ってくれている欧州をターゲットにするというのは、これは一つ正解だなと。これはまさに物ではなくて和の文化の輸出です。八女茶を小倉織のテーブルクロスで飲んで、大木町のイグサでつくった畳が欲しいとか、庭には八女の灯籠が欲しいとか、そういう広がりがある可能性がございます。
 文化の浸透というのは、非常に時間はかかりますけれども、広がりがあって競争力もあります。例えば液晶はシャープからサムソンにぱっと変えたりすることができますけれども、文化は互換性がなく、唯一無二のコンテンツとも言えるかなと思っております。そういう意味では、ひとり立ちして利益を出すまで非常に時間はかかりますけれども、これは行政としての大切な役割と考えますが、課長の所見はいかかでしょう。

◯武田国際経済観光課長 フランクフルトの事務所が行います活動の中でも、八女茶や、先ほど御指摘がありました小倉織などの工芸品、県産品販路拡大に関する支援は、申し上げましたとおり県内企業からも非常に要請があり、ニーズも高く、一定の成果を上げていると思っております。このようなお茶や工芸品の販路、販売促進が、日本や本県の文化もあわせて広く欧州に伝えていくことにつながっているという認識でおります。さらに、これが多くの県産品の販路拡大につながっていければと期待しているところでございます。こういった面も、今後とも県行政として支援していく必要があると考えているところでございます。

◯板橋 聡委員 欧州事務所が重要な役割を担っているということは理解しますし、県として必要な機能だという認識も共有できたと思っております。
 ここで、福岡県の海外拠点の資料を要求させていただきます。委員長、お取り計らいのほどをお願いいたします。

◯原口剣生委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求のありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯原口剣生委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料について提出できますか。

◯武田国際経済観光課長 直ちに提出いたします。

◯原口剣生委員長 資料を正副委員長に確認をさせてください。
    〔資料確認〕

◯原口剣生委員長 事務局は資料の配付をお願いいたします。
    〔資料配付〕

◯原口剣生委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 この資料にありますとおり、海外拠点は事務所を県単独で持つという形態以外にも、研修生としてCLAIRなどに派遣をしたり、あるいは海外在住のプロモーターに委託したりと、さまざまな形態がございます。コストや効果もそれぞれ違うと思いますけれども、県財政に厳しい制限がある中、世界経済の状況を踏まえて最大の効果が上がるよう、県が世界に持つ資産、これは決して人や事務所だけではなく、無形の人脈やノウハウ、情報を含み、これをポートフォリオとして管理する必要があると考えますけれども、過去、自民党県議団も何度もただしてきた中で、部長は、今の福岡県の海外戦略の中で欧州事務所の見直しを考えておられると思いますけれども、所見をお聞かせください。

◯馬場商工部長 海外事務所につきましては、世界におけます各地域の経済、あるいは産業の動向、それから、市場としての魅力、あるいは県内企業の進出動向、それに海外企業立地の可能性といういろいろな視点から検討を進めてきております。現在の世界経済の状況を見ますと、今のお手元の資料にもございますように、三極体制で行っているわけでございますけれども、この中でやっぱりヨーロッパが債務危機等の影響もございまして経済成長も低迷しているということで、地域としての重要性のウエートが低下してきているということが上げられます。そういう意味で、このような中で本県の人的な資源、あるいは予算といったものを適正に配分するという視点から、言ってみれば費用対効果という観点になるわけですけれども、こういう観点から欧州のフランクフルト事務所につきましては今年度をもって廃止したいと考えております。
 ただ、その際に、先ほど課長のほうからも答弁させていただきましたけれども、県内企業のニーズといたしまして欧州へのビジネス展開、あるいは八女茶を初めとします県産品の販路の拡大といったこの二つについては支援の要望が引き続きございますので、ぜひこの二つについてはヨーロッパにおきましても機能として残したいと考えております。
 具体的にこの機能をどういう形で残すかということでございますけれども、これは今、委員御指摘の、これまでフランクフルト事務所が現地で構築してきていますネットワークを含めた資産を残して有効に使うという視点が一つ。それと、この二つの機能を最も効率的に進めていくといった観点から、現地に在住しています方の中からそういった分野に造詣の深い、精通している、業界に詳しい方々に対して業務を委託するという方式でやっていきたいと考えているところでございます。

◯板橋 聡委員 踏み込んだ御答弁をいただきました。
 一つだけ念を押しておきたいのは、環境は常に変わり続けます。今、隆盛をきわめるアジア経済圏も将来失速する可能性はゼロではございません。同様に、欧州が経済危機を乗り越えて新たなるイノベーションとともに息を吹き返す日もそう遠くはないでしょう。経済の流れを的確に捉え、素早く人、事務所の配置を最適化させることが福岡県の海外戦略として重要と考えますが、部長の所見をお聞かせください。

◯馬場商工部長 世界経済情勢の変化に応じた対応ということでございます。これにつきましては、その状況に応じまして適切に対応してまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 素早くは対応されないんでしょうか。

◯馬場商工部長 失礼しました。適切にというのは素早くということも含めてでございます。

◯板橋 聡委員 以上です。(拍手)

平成23年度決算特別委員会質問「自主防災組織の育成と災害時の情報収集」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡でございます。
 本日は、自主防災組織の育成と災害時の情報収集をテーマに質問させていただきます。
 まず、自主防災組織の組織率に関する資料を先日要求させていただいておりましたので、委員長、お取り計らいのほどお願いいたします。

◯原口剣生委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求のありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯原口剣生委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。増本消防防災指導課長。

◯増本消防防災指導課長 直ちに提出させていただきます。

◯原口剣生委員長 それでは、資料を正副委員長に確認をさせてください。
    〔資料確認〕

◯原口剣生委員長 事務局は資料の配付をお願いいたします。
    〔資料配付〕

◯原口剣生委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 昨年の予算特別委員会におきまして、避難活動コミュニティー助成事業について質問させていただきました。私の初めての特別委員会での質問でございました。これは自主防災組織の設立や避難活動の活性化のために、総額二億円を福岡県から市町村に対して助成した平成二十三年度の単年度事業でございます。それから一年三カ月がたちました。お約束どおり、事業の成果について御説明を、増本課長お願いいたします。

◯増本消防防災指導課長 事業の成果でございます。この事業につきましては、市町村に対して自主防災組織を新たに設立するよう、この事業を活用して実施してほしいということで取り組んだところでございます。その成果でございますが、この事業により自主防災組織が新たに設立されたところです。その成果を資料に基づきまして御説明したいと思います。説明する前に言いますと、これまで自主防災組織の組織率については、二十四年四月現在で取りまとめたもので説明してまいりましたが、このたび二十四年十月現在で精査しまして、最新の数字で御説明したいと考えております。
 組織率ですけれども、この組織率とは何かといいますと、右の欄のほうに世帯数が書いてありますが、組織世帯数ということで自主防災組織がカバーする世帯数を全世帯数で割ったものでございます。組織率につきましての推移ですが、二十三年四月一日、一番下に合計欄がありますけれども、六三・一%から、二十四年四月一日、七八・二%と大きく伸びているところでございます。組織数のほうの増減ですけれども、真ん中の増減の欄の一番下、千八十二の組織が新たにふえているところでございます。

◯板橋 聡委員 組織率が上がって、組織数もふえて、大変効果があったような御説明だったんですけれども、若干私はどうなんだろうという思いを持っております。例えば一番上の北九州市は、三千四十四組織で六六・四%の組織率。つまり全世帯数から組織世帯数を割ると六六・四%と。福岡市は人口は一・五倍ぐらいですけれども、ぐっと低くて百四十七組織で九八・五%の組織率と。私の地元のみやま市は、昨年度一団体なんですね。一団体で一〇〇%。同じく中間市も一団体で一〇〇%。粕屋町とか水巻町なんかも、一団体とか四団体でかなりの部分をカバーしておるということで、非常にここら辺、少数の団体で多くの世帯をカバーしているような数字だと読み取れるわけですけれども、その理由を教えていただけますか。

◯増本消防防災指導課長 この資料につきましては、総務省消防庁の統計によりまして毎年報告しているものでございます。総務省消防庁の統計では、婦人防火クラブというものがありまして、それにつきましては自主防災組織として位置づけられています。普通、自主防災組織というのは町内会、自治会とかが対象になるんですけれども、婦人防火クラブも対象となっているところです。
 みやま市の例をとりますと、みやま市は婦人防火クラブが一団体あるんですけれども、婦人防火クラブの対象活動範囲というのが全市域に及んでおりますため、統計上一〇〇%ということになっているところです。粕屋町は四団体で一〇〇%になっているんですけれども、ここは小学校区単位で自主防災組織が設置されておりまして、結果として小学校は四つしかないということで、一組織当たりの世帯数は多くなりますけれども、四組織で一〇〇%となっております。

◯板橋 聡委員 カバーする範囲が大きいからといって、その自主防災組織のよしあしなんてことを言うつもりは全くございません。ただ、こういった組織率が上がっているではないかと慢心されずに、気を抜かないで、自主防災組織の質をぜひ向上しないと、せっかくこの数字が上がって、お金も入れて、よくなっているようには見えるんですけれども、実態はどうなんだという気がするんですね。
 そこで質問なんですけれども、自主防災組織の質というのはどういったものだと思われますか。ちょっと御定義を、増本課長お願いします。

◯増本消防防災指導課長 まず、自主防災組織の質でございますけれども、平時におきましてきちんとした活動が行われていないといけないと思っております。例えば啓発普及の活動、それとか危険箇所の点検、あとは避難訓練が一番、毎年やらないといけないことと思っております。

◯板橋 聡委員 私も近い意見を持っております。やはり質というのは、地域におけるコミュニケーションレベルの向上と、あと継続性に限るなと。増本課長は避難訓練とか啓発とか危険箇所の点検とか、ちょっとかた苦しいことを言われましたけれども、やっぱりそれだけではなかなかモチベーションが上がりにくいのかなと。防災意識も災害から時間がたつと薄れてしまうのは、いたし方のないことでございます。根本的には、やはり地域のコミュニティーが活性化して、日ごろのコミュニケーションが高まっていることこそが自主防災を価値あるものに高めるのではないかと。
 実は今回の水害で被害を受けました、みやま市本郷地区というのは、行政地区のきずなというか、つながりが非常に深いところで、隣におばあちゃんがおって、おじいちゃんがおって、あそこはちょっと足を悪くしたお父さんがいてねとかいうことを非常に把握されているんですね。ですから、避難するときもやはり適切な避難をして、しかもふだんから顔を合わせて言葉を交わすような間柄ですから、スムーズに避難ができて大事に至らなかったということがございます。つくづくそういうのを前回の水害で思い知りました。
 そのためには、やはり自主防災組織もちゃんと魂を込めるような仕掛けが必要なのではないかと。例えば自主防災組織自体が互いに競い合うような場を設けるとか、消防団もポンプ車操法の大会とかありますけれども、県の総合防災訓練のときなんかに、自主防災組織がそれぞれやってきて、ふだんからいろいろ頑張っているんだけど披露しましょうと。それを目的に皆さん練習頑張りましょう、訓練頑張りましょう、終わったら一杯飲みましょうみたいなことがあってもいいのではないかなと。コミュニティーの活性化みたいなところにつながっていくんですけれども。そういったことに関して、県としてどういうふうな手だてができるか御見解をお聞かせください。

◯増本消防防災指導課長 自主防災組織が継続的に活動を行うためには、防災活動とその地域のほかのコミュニティー活動と一体となった取り組みが必要だと考えています。二十四年度新規事業として、地域の防災と、例えば高齢者支援、学校教育、防犯活動と組み合わせた取り組みというのを、模範自主防災組織育成事業ということで実施しているところです。具体的には、小学校と気象台でタイアップした防災マップづくり、あと県立大学の学生と連携し、防災活動を実施して、それを地域の高齢者の見守り活動につなげていくという取り組みを本年度実施するということで、八団体実施することにしております。また、地域の優良な取り組みにつきましては、毎年三月に防災賞ということで表彰しておりまして、今後とも優良な事例については積極的にPRしていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 模範自主防災組織育成事業というのが、気象庁だとか小学校と一緒に防災マップをつくったりだとか、コミュニティー活動と一体で実施しているようなところは評価できるのかなと。ただ、ちょっとこれは名称がですね、答弁された内容と比較すると若干イメージがしづらいような気がして、人々に浸透しにくい事業かなと思いますけど、増本課長、いかが思われますか。

◯増本消防防災指導課長 委員がおっしゃるならば、ちょっとわかりにくいのかなとは思いますが、自分たちとしては、他の自主防災組織の模範になるものということで、二十四年度、名称をつけたわけでございます。

◯板橋 聡委員 いや、決して変えろとか言っているわけじゃないですけど、まあ、つけられるときにもうちょっとわかりやすく、それを意識していただければということです。
 本当に先ほど言いましたとおり、地域のコミュニティー活動に資するような形で、ぜひ自主防災組織というのが盛り上がっていく仕掛けをしていただきたいと。この模範自主防災組織育成事業というのは、そういった意味では一つ面白いのかなとは思うんですけれども、一年間で八団体ぐらいと。これは県内の全ての自治体に広げていこうとすると七年ぐらいかかってしまうわけですね。これはもう少しペースアップしなければいけないのかなというのと、あと災害の記憶というのは非常に風化しやすいです。ことしは全県各地で災害に対する備えというのが非常に意識が高まっておりますけれども、やはりこういった機会を定期的に、もうちょっと頻繁なペースで提供するのが大切かなと思いますので、二十五年度以降この事業を拡充していくという方法もどうかと思いますけれども、その件に関して増本課長の御意見をお伺いしたいと思います。

◯増本消防防災指導課長 この事業は八つのモデル市町村を選んで、この事業が完了しましたら事例集をつくりまして、全市町村に広げていくということにしておりますが、委員の御指摘を踏まえて、この事業を含め自主防災組織の育成、充実に努めていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 ぜひそういう形で拡充をしていって、各地域で自主防災組織の活性化に頑張っていただきたいと思います。
 続いて、ちょっと視点を変えまして、災害時の情報収集について問いたいと思います。
 私は七月の豪雨災害時に、みやま市の災害対策本部に詰めておりました。災害現場の状況を的確に把握するのが大変難しい。そのための避難指示だとか対応が大変難しいんだなということを、身にもって感じました。前議会で、沖端川に監視カメラを設置していただくことが知事答弁で確認はできましたけれども、それだけで全て解決するような問題ではないと思っております。
 そんな中、災害当日一番活躍したのはですね、一番頼りになったのは、災害現場に出向いていらっしゃる市あるいは県の職員、あるいは消防団員からの報告でした。昨今、携帯電話の存在から、口頭でリアルタイムでさまざまな情報が入ってきます。しかし、そうやってどんどんいろいろなところから携帯で手軽に電話がかけられるものですから、どこの場所で、一体どんな状況なのかというのが、言葉で説明してもなかなか伝わりづらいというか、逆に混乱してくるようなところもございます。
 この件も踏まえて一つ御提案したいのは、現在、スマートフォンが非常に普及しており、ほとんどの機種に今、GPS機能というのが附属しております。スマホを初めとするGPS機能がついた携帯電話で撮った写真というのは、ジオタグという位置情報が記録されるんですね。そこで各地の被害現場に点在されている、対応に走り回っていらっしゃる自治体の職員、あるいは消防団員、あるいは自主防災組織の方が、GPSつきの携帯で被害の状況をカメラで写して、それをサーバーなりに送信、アップロードすることによって、地図上に写真を自動的にマッピングするといったシステムを県が音頭をとって全県的に構築したらどうだろうと考えました。
 リアルタイムの被災情報を、市や県の災害対策本部、あるいは県土整備事務所、河川管理事務所などで、位置情報と画像、この山でこういうふうな土砂崩れが起こっていて道が寸断されている、川はもうここまで上がってきているね、ここから越水している、越流しているねということが、場所と一緒に目で確認できるような仕組みができれば、避難指示や復旧活動、復旧作業の初動対応に非常に効果があるのではと思うのですけれども、増本課長の御見解をお聞かせください。

◯増本消防防災指導課長 市町村におけます災害情報の収集や情報伝達の手段というのは、さまざまなやり方があろうかと思います。委員提案のGPS携帯つきの災害情報の収集でございますが、一つの有効な手段だと考えております。的確な避難勧告、指示だけではなく、災害の応急対策にも役立つのではないかということであります。
 実施する上での課題としては、全県的にやるということなんですが、どのようなシステムを構築していくのか、それとソフトの面で、誰が情報を送り、それを誰が受けてどのように処理するのか、処理されたものをどのように活用していくのか、そういう課題がありますので、市町村と連携しながら研究していきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 こういうシステムのニーズは、いろいろな自治体でも非常に高いと思われます。本県は「Ruby」というプログラム言語に非常に力を入れておりますし、こういった福岡オリジナルのシステムを福岡オリジナルの言語でつくって、場合によっては他の自治体に販売して税収の足しにするといった夢のある話になればいいのかなと思いますけれども、最後に山野部長の決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。

◯原口剣生委員長 山野総務部長。

◯山野総務部長 予算特別委員会のときに御質問いただきまして、今回また自主防災組織、それから情報伝達手段のことを御質問いただきました。今回の災害を踏まえまして、現地に入られた委員、さまざまな御意見をお持ちだと思います。一つ一つお聞きしておりまして、非常に貴重な御意見だと承りました。
 情報伝達手段について言いますと、この九月議会でも議論になりましたけれども、やはりそれぞれの地域が実情に合った情報収集、情報伝達をうまくやっていくことが一番重要であります。GPS携帯というのは一つの手段であります。現場を担うのは市町村でありますが、市町村でどういう活用の仕方があるのか、ただいま課長が答えましたように、市町村と一緒になっていろいろと勉強してまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)

平成24年9月議会一般質問「矢部川水系における九州北部豪雨災害について」

20120928読売新聞一般質問記事
公式動画へのリンク

◯十一番(板橋 聡君)登壇 皆様、おはようございます。自民党県議団の板橋聡です。今回は、七月十四日に発生した九州北部豪雨災害の被災地であるみやま市から選出していただいている議員として、矢部川水系における九州北部豪雨災害について質問いたします。
 まず、河川管理情報の提供について質問いたします。今回の豪雨は、矢部川の整備基本方針に掲げられた基本高水流量毎秒三千五百トンを超える流量をもたらし、西日本新聞いわく、想定外の流量、百年に一度超えだったそうです。矢部川の最高水位は観測史上最高の九・七六メートルに達し、はんらんの危険があるということで、私の地元であるみやま市、そして隣の柳川市においても全区域に避難指示が出されております。
 その当日、私はみやま市の災害対策本部を訪れており、まさに避難勧告が市内全区域の避難指示へ変更される間際に立ち会っておりました。今回の避難指示についてはタイミングの問題や、河川からの距離にかかわらず市内全域に避難指示を出すべきだったかどうかなどの議論が存在しますが、実際その場にいた者として申し上げれば、判断材料となる河川情報が乏しい条件下で、市としてはぎりぎりの決断をされたと評価しております。
 そこで質問です。知事は我が会派の代表質問に対する回答で、ダムのリアルタイム情報を下流地域へ提供するとおっしゃっていますが、下流地域にとってはリアルタイム情報だけでなく、ダム付近の天候はどういう変化をしており、今後どのように流入量、放流量が変化していくかまでを含めた今後のダム放流予測のような情報提供があれば、住民の安全を確保するためのより正しい避難判断につながると考えますが、知事の所見をお聞かせください。
 また、今回二カ所が決壊した沖端川には、現在河川監視カメラがございません。水位計も一カ所のみです。沖端川の監視カメラ及び水位計の整備と拡充を強く要請いたしますが、知事の所見をお聞かせください。
 さて、沖端川は実はとても特殊な河川であります。通常、川は、支流が本流に流れ込んでだんだん太い川になって河口に流れ着くものですけれども、沖端川は本流矢部川から支流として分派して河口に向かっていく、全国でも珍しい河川であります。一般的に堤防が決壊すれば河川の水位は下がるものですけれども、今回の水害で沖端川の堤防は二カ所決壊したにもかかわらず、本流矢部川の水位が落ちなかったため、矢部川から大量の雨水が沖端川に流れ込み続けました。その結果、沖端川の水量は落ちず、最終的に本流矢部川の六合付近の堤防が決壊して、本流と支流全体の水位が下がるまで復旧作業を行うこともできませんでした。
 そこで質問です。知事は沖端川のこのような特殊性を御存じだったでしょうか。また、被災した住民が今後も安心してふるさとで暮らしていくために、沖端川の復旧はこの特殊性を踏まえて、ぜひとも改良型で進めていくべきと考えますが、知事の所見をお聞かせください。
 次に、九月十三日の矢部川水系流域協議会にて、今回の沖端川の堤防決壊原因は越水と確認されました。豪雨が日向神ダム、矢部川、その支流、遊水池、クリークなどありとあらゆるポケットに流れ込み、洪水調整の限界を超えた結果、あふれてしまったということだと理解します。ポケットで一番効果が高いのはダムだと思いますが、今回は視点を変えて質問します。
 現在県で推進されている、災害に強いため池等整備事業、いわゆる小規模クリーク整備事業は、湛水被害の軽減のみならず、下流地域のポケットとして洪水調整機能も強化します。近年、十年に一度、二十年に一度と表現されるレベルの豪雨が頻発するようになり、今回を上回る豪雨がいつ起きても不思議ではありません。このため、地域の洪水調整機能を強化できるクリークの整備を計画的に進め、防災機能をさらに高める必要があると考えますが、これまでどおりの整備で本当に十分なのか、今回被災した県南地域、特にみやま市、柳川市において不安が残ります。
 そこで質問です。クリーク整備の現状と今後の取り組み方針について知事の所見をお聞かせください。
 次に、避難所に関して質問します。矢部川を挟むような形で、みやま市の指定避難所となっております上庄小学校と下庄小学校があります。この二つの小学校は、県が管理しております国道四四三号沿いに立地していますが、それぞれ土地が低い場所にあります。そのため今回の水害で、下庄小学校においては四四三号から校門に至る市道が冠水してしまい、そもそも住民が避難することができませんでした。そして、上庄小学校に至っては一時三百人以上の避難者がおりましたけれども、沖端川の決壊により四四三号を含め周囲が完全に冠水し、まさに孤立状態になってしまいました。浄化槽も水没しているためトイレが使えず、避難所として用をなさない状況でした。他の自治体の状況を聞いてみると、確かに小学校や公民館が避難場所として指定されている場合が多い。学校施設は広いですし、トイレや給食設備があったり、避難所として適している面も多いですが、今回のような水害の場合、その立地によっては避難所の機能を果たさないばかりか、逆に避難された方を危険な状況にする場合もあります。
 そこで知事に質問です。県下の指定避難所について、冠水などにより孤立してしまう可能性がある避難所を把握されていますでしょうか。また、県としてどのように取り組んでいくのかお答えください。
 次に、市をまたがる避難についてお尋ねします。今回、沖端川の決壊によって百五十軒近くの床上浸水被害が出ました。みやま市本郷の瀬戸島地区は、ちょうど沖端川と矢部川に挟まれて中州のような形状になっております。沖端川を挟んで筑後市と隣接する市の境目の地域です。この地域の指定避難所は本郷小学校ですが、矢部川にかかる約二百メートルの橋を渡って避難しなければなりません、幸作橋というんですけれども。ここは高齢者の多い地域です。矢部川が増水して幸作橋のすぐ下まで濁流が迫ってきております。流木が橋げたを揺らして雨風も激しい。怖くて幸作橋を渡りきらん、と避難をためらわれるお年寄りもいらっしゃいました。そこで地元の浅山区長がとっさの判断で、より川幅が小さい沖端川の行基橋、こちらは五十メートルぐらいの橋なんですけれども、これを渡って筑後市側にある筑後広域公園の体育館に避難をすることになりました。そしてその直後、沖端川は決壊。瀬戸島地区のほとんどのお宅は浸水、天井近くまで濁流にのみ込まれたお宅も数多くあり、まさに間一髪の避難でした。体育館には筑後市の職員の方が避難対応をされており、みやま市からの避難にもかかわらず大変よくしていただいたそうで、避難された本郷住民の皆様は、口々に感謝の言葉を述べていらっしゃいました。
 今回の大水害でつくづく感じたのは、水があふれたところとそうでないところは全く別物です。今回沖端川は、たまたま左岸側、みやま市、柳川市側だけ決壊しました。つまり、大量の避難者が水の出ていない対岸の筑後市側にどっと押し寄せる可能性もあるんです。先ほどお話ししました、冠水した上庄小学校も、ちょっと歩くとすぐお隣の柳川市です。
 そこで知事に質問です、災害の場合、人間が決めた市や町、あるいは県の境界線は関係ありません。市をまたいで違う地域へ避難するような場合を想定し、県がちゃんとイニシアチブをとって調整役を果たすべきと思いますが、知事の所見をお聞かせください。
 また、県境を越えて佐賀、大分、熊本へ福岡県民が避難する可能性もあります。そのような県をまたがる避難について、他県との連携はどうなっていますでしょうか、お聞かせください。
 最後に、風水災害時の緊急対策工事などに関する協定書について質問します。長いので以後、風水害協定と省略させてもらいます。
 七月十四日の朝、矢部川は堤防のパラペット越しに手を出すと水面に手が届くほど、いつ越水してもおかしくないくらい増水していました。私はたまたま堤防のパラペットから漏水している箇所を発見したのですけれども、付近を点検に当たっていた建設業者の方にこれを報告すると、幾つかある水防工法を検討し、これはシート工法で対応しましょうと即座に対処していただき、被害の拡大が防げました。その見事な対応に感服した次第です。
 今回の水害において、堤防決壊箇所や危険箇所の応急処置に始まり、土のうづくり、各地河川や道路の点検、その後の復旧工事など風水害協定を締結している企業の方々は地域住民の安全、安心のために、場合によっては御自宅が被害に遭われているにもかかわらず、迅速かつ適切な対応をしていただいたと聞いております。この制度は平成二十年度から始まった比較的新しい制度で、今回のような広範囲で起こる大規模な水害は想定されていなかったとのことですが、地域の災害対応、減災の力を高め、地域住民の安全、安心の向上に貢献する協定であると改めて評価いたします。
 そこで知事に質問です。災害はいつ起こるかわかりません。忘れたころにやってきます。風水害協定が県民の安全、安心に資するよう、いついかなる場合でもきちんと機能させるのは県の責務だと考えます。今回の災害を通じて知事の風水害協定に対する評価と、今後どのようにしてこの協定を地域の住民の安全、安心につながる価値のある協定にしていくか知事の所見をお聞かせください。
 知事には、豪雨災害後二度も現地入りしていただきました。今回の答弁は私に対してではなく、ぜひ、あのときお会いしていただいた被災者の皆様の顔を思い浮かべて、誠実で明快な御答弁をお願いいたします。(拍手)

◯議長(松本 國寛君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 まず、沖端川への河川監視カメラ及び水位計の設置についてお答えしたいと思います。今回の豪雨によりまして、矢部川流域では河川がはんらんし、甚大な被害が発生いたしております。特に沖端川におきましては、越水により堤防が決壊し、広範囲で家屋が浸水したところでございます。現在、沖端川におきましては、河川監視カメラは設置されておりません。水位計につきましては新村橋に一台設置をしてございます。今回の災害後、地元市からは、水防活動や住民の避難活動を迅速、円滑に行うため、沖端川に河川監視カメラを設置してほしい旨の要望をいただいておるところでございます。洪水時におきます河川の画像情報、水位情報といったものは地元市の災害時における諸活動の際、大変役立つ情報となります。そのように考えております。このため今後、矢部川水系流域協議会にも諮りながら、沖端川の河川監視カメラや水位計の具体的な設置箇所を決定いたしまして、来年梅雨の時期までに設置をしていきたいと、このように考えております。
 次に、ダム操作の事前通知についてお尋ねがございました。降雨予測に基づいてダムの操作による放流量をあらかじめ予測いたしまして、下流地域に事前通報や警戒などを行うためには、情報の信頼性というのが大切でございます。しかしながら、現段階での降雨予測システムの精度、これを考えますと、事前にダムの放流量を予測し、通知をすることは極めて難しいというふうに考えております。
 沖端川の改良復旧についてお尋ねがございました。矢部川水系沖端川では、先ほど議員も御指摘ありましたように、大変な被害が発生したわけでございますが、沖端川は国が管理をいたしております矢部川から分流する河川でございまして、この両方の河川のバランスをとりながら一体的な整備をしていくことが、沖端川の治水安全度の向上を図るためには必要であると、このように考えております。現在、このような沖端川の特性というものを踏まえながら、堤防の整備、河道掘削などによります河川の改良事業を集中的に行えるよう、その内容や実施方法などにつきまして、今国と協議を行っているところでございます。協議が調い次第、早期にその工事に着手してまいります。
 クリーク整備の現在の状況と今後の取り組みについてでございます。クリークの整備は、農業用水を確保いたしますとともに、貯留、排水といった、先ほど議員はポケットとしての防災機能とおっしゃいましたが、そういった機能を強化するために実施しているものでございます。農業生産のみならず生活の安全を確保するためにも必要なものと認識をしております。クリークの整備につきましては、国営で行っております大規模なものを除きまして、県が国庫の補助事業を活用いたしまして、平成三十二年度の完了を目標に進めてきたところでございます。しかしながら、平成二十二年度に国の農業、農村整備予算というものが大幅に落ち込みました。クリークの計画的な整備に懸念が生じたところでございます。このため、昨年度、県単独事業というものを創設させていただきまして、必要な予算を確保させていただいたところでございます。小規模なクリークにつきましては、この県単事業を活用いたしまして、平成二十三年度から三カ年計画で整備を進めているところでございまして、これをしっかり進めさせていただきたいと思っております。
 次に、避難所の現状の把握とその対応についてお尋ねがございました。市町村におきましては、避難所を選定する場合には、私ども県の地域防災計画で定めた考え方を踏まえまして、一に浸水区域等の危険区域を避ける、二に、仮に浸水想定区域内に避難所を設置せざるを得ない場合でも安全を確保できる場所にする、三番目は、できる限り近距離にある施設を確保するということ、そういったことを計画で定めておりまして、その考え方を踏まえて、市町村では避難所を選定しているものと承知しております。しかしながら、今回はかつて経験をしたことのないような大雨によりまして、短時間に道路が冠水し、河川がはんらんをいたしました。この結果、みやま市や柳川市では避難路が冠水をいたしまして、指定避難所が孤立したことから、指定避難所ではなく近隣の公的施設や民間施設に避難したケースもございました。先ほど議員御指摘のとおりでございます。県といたしましては、今回の災害における避難所の状況を踏まえまして、全県的な避難所の点検作業を行ってまいります。その際、今回の教訓を踏まえ、指定避難所の安全性が確保されているのか、また短時間で避難できる距離にあるものか、指定避難所が使用できない場合の代替施設への避難誘導が定められているかどうか、住民の意見をよく聞いて選定されているかどうか、そういった視点で点検をしていきたいと考えております。こうした点検を行った上で、市町村が地域の実態に即しまして、避難マップの見直し、避難マニュアルの策定や、これらに基づく避難訓練が行われる場合に、これを支援していきたいと思っております。
 次に、市町村域を越えた避難所の確保についてお尋ねがございました。市町村では、それぞれの地域を対象範囲といたしまして地域防災計画を策定しており、避難所につきましても市町村域内にある身近な公民館等を指定避難所として選定している、先ほど申し上げたとおりであります。一方で、先ほど申し上げましたように、今回の豪雨では、朝倉市、みやま市、大刀洗町におきまして、増水した川を渡り指定避難所に向かうことが危険であったために近隣市に避難をした、そういったケースがございました。こうしたことを踏まえまして、避難所につきましては市町村区域内で選定することが基本としつつも、地勢的な、地域的な特性によっては隣接する市町村の避難所を利用するほうが住民の安全につながる、そういう場合もあると考えております。今後、全県的に避難所を点検することにいたしておりますので、その際、隣接する市町村の避難所を活用することで、より効果的に住民の安全を確保できるような場合には、市町村間の連携、場合によっては御指摘の、必要に応じ他県との連携が図れるよう調整を行ってまいりたいと考えております。
 あわせて、自主防災組織の共同避難訓練の実施など、市町村区域を越えた避難の実効性を確保するための取り組み、これについても働きかけをしていきたいと考えております。
 次に、地域住民の安全、安心のさらなる向上についてでございます。本県では、風水害時における道路、河川などの公共土木施設の速やかな復旧を図るため、平成二十年度からでございますが、地元建設業者と県の県土整備事務所との間で風水害時の緊急対策工事等に関する協定、これを締結をいたしておりまして、迅速に工事ができる、これが実施できる体制を構築してきているところでございます。今回の災害におきましては、この協定を締結いたしました地元建設業者の方々が、沖端川の決壊箇所の緊急復旧工事を二十四時間態勢で献身的に行っていただきますなど早期の復旧に貢献をしていただきました。今後、今回の災害時における対応と、またその経験を生かしまして、協定を締結した建設業者に対しまして、日ごろから連絡体制を確認したり、技術の研さん機会を定期的に設けることによりまして、建設業者の方々の対応力の向上を図って、迅速かつ復旧が可能となるよう取り組んでまいります。地元の建設業者の皆様に御協力いただきながら、引き続き地元地域住民の皆様の安全、安心の向上に努めてまいりたいと考えております。

◯議長(松本 國寛君) 板橋聡君。

◯十一番(板橋 聡君)登壇 一点、再質問をさせていただきます。
 ダム放流予測情報公開について、現時点では予測システムの精度などの問題でハードルが高いということは理解いたしますけれども、技術は日進月歩しておりますので、継続してぜひ検討をお願いします。
 一方で、日向神ダムの放流量は最大で毎秒三百五十トンとのことです。今回は、ダム付近でも、観測史上最大の雨量だったため、沖端川が決壊した後もダムからの放流が続けられておりました。報道によりますと、当時、矢部川は毎秒四千トンの流量を記録したとのことですから、ダムの放流自体がそれほど下流域の水位に影響を与えたとは思いません。しかしながら、具体的に、ダムからの三百五十トンの放流が、下流域の水位にどれぐらい影響を与えるのか、基礎的な情報として下流域の市町村や自主防災組織、消防団などに情報提供することは、将来再び豪雨に見舞われた際の対応に有益であると考えますが、知事の所見をお聞かせください。
 私は、過去二回、一般質問の場において、矢部川水系の質問をさせていただきました。それは水が足りないという利水がテーマでした。今回は皮肉なことに水があふれて困ったという質問であります。治水と利水は表裏一体です。どちらが欠けても地域住民の安全、安心は損なわれます。そもそも矢部川水系は、地域農林水産業に恵みをもたらす川なのです。こういう水害が起きると、どうしても治水だけに意識が向きがちになりますけれども、あえて言わせてもらえば、利水も忘れず、今回の水害からの復旧、復興は、恵みの川、矢部川への利水の視点も忘れずに復旧、復興していただきたいとお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。(拍手)

◯議長(松本 國寛君) 小川知事。

◯知事(小川 洋君)登壇 ダム放流による下流部への影響について御質問がございました。日向神ダムが洪水調整時に放流する量は、私ども県の操作規則において定められておりますが、原則として毎秒三百五十立方メートルとなってございます。今回の豪雨におきましても、この規則に基づき適正に操作を行い、ダムの放流を行っております。ダムからの放流水は矢部川に流入をいたします。八女市の黒木町で星野川や笠原川などの支流と合流いたします。そして、下流域であるみやま市、柳川市などに到達をする、そういう川でございます。このようなメカニズムを経て矢部川下流や沖端川の洪水時の水位は上昇いたすわけであります。したがいまして、日向神ダムの放流量と下流域におきます避難判断水位との関連性につきましては、専門的な解析も必要でございます。このため専門家や地元市長が参画をいたしております矢部川水系流域協議会にも諮りながら、ダムからの放流量による下流部への影響について、いろいろ解析、研究いたしまして、可能な限り説明をさせていただきたいと思っております。

平成24年6月議会一般質問「イオンとの包括提携協定について、攻めの環境政策について 」

20120622朝日新聞
公式動画へのリンク Windows Media Playerが必要です。スマホでも見られます。

一、イオンとの包括提携協定について
 1.企業と自治体との適切な距離感
 2.部署をまたがる利益相反
一、攻めの環境政策について

◯十一番(板橋 聡君)登壇 一般質問最終日のトップバッターを務めます自民党県議団の板橋聡でございます。通告に従いまして一般質問を行います。
 まず、イオンと福岡県の包括提携協定について質問いたします。四月二十日、イオンと福岡県は観光振興、地域防災など十四項目で協力する包括提携協定を締結しましたが、その内容から、私は県と一企業の距離感に疑問を覚えました。プレスリリースや新聞記事によると、その協定の一環として買い物金額の〇・一%が福岡県に寄附される電子マネーカードふくおか共創WAONカードが発行されるとのことです。寄附してくれるなんてありがたいことじゃないかと感じられる方も多いかもしれませんが、これは一般的な自治体への寄附と違った仕組みでございます。イオンはわざわざこの協定のためにふくおか共創WAONカードを発行し、このカードの決済金額を寄附金額と連動させることで、福岡県や関係者に対して、心理学で言うところの外発的動機づけを行っております。わかりやすく言えば、福岡県はイオンから鼻先にニンジンをぶら下げられたような状態ということです。
 共創とは比較的新しい言葉で、ともにつくると書いて共創です。福岡県では、麻生前知事が平成八年二月議会の所信演説で述べられた、豊かで活力あるアジアに開かれたふくおかの共創に端を発し、その後五年連続で議会冒頭の所信表明で使用された造語です。共創の精神は今も引き継がれ、本年度の県の事業においても新社会推進部にNPO・企業による元気なふくおか共創事業が存在しております。お気づきのように、今回、協定の一環で発行されると位置づけられたふくおか共創WAONカードに、県の事業名の一部が含まれております。イオン側からの提案だったそうですが、これは一般県民にとって、福岡県が発行しているかのような誤解や、県がお墨つきを与えたカードとの誤解を生じさせます。
 実は、イオンは既に約五十の自治体と同様の包括提携協定を結び、それぞれの地域でご当地WAONと称される、同じ寄附の仕組みを持ったWAONカードを発行しております。昨年十月のみずほ情報総研のレポートでは、これをWAONの普及拡大戦略と紹介し、地方自治体をパートナーと位置づけております。
 そこで知事に質問です。福岡県内に流通している電子マネーは、JR九州のSUGOCA、西鉄のnimocaなどまだまだたくさんございます。私は、一企業が運営する電子マネーの普及戦略に自治体が取り込まれている状態は、自治体の公平性、中立性を損なっていると考えますが、知事の所見をお伺いします。
 次に、部署をまたがる利益相反について質問します。イオンとの包括提携協定の所管部署は新社会推進部社会活動推進課で、目的は福岡とイオンとが相互に連携を図ることにより一層の地域の活性化及び県民サービスの向上を図るとあります。具体的には、県政情報を発信する専用ボードをイオン店舗に設置、イオンの店舗にて県のイベントを開催、そして先ほども言いましたが、ふくおか共創WAONカードを新たに発行してその売り上げの一部を県に寄附することになっております。しかし、言いかえれば、協定に基づき実施するこれら一連の内容は、すべてイオンの顧客囲い込み戦略に利するものです。一方で、商工部では、少子化や大規模小売店舗の進出により苦境に立たされている中小企業の振興や商店街の活性化を政策として推進しており、その観点で今回のイオンとの包括提携は、新社会推進部と商工部で明らかな利益相反を起こしております。
 今回、新社会推進部社会活動推進課に、この部署をまたがる利益相反の状態について認識を問うたところ、いま一つぴんときていないわけです。なるほど、それはそうだろうと。社会活動推進課は、みずからに与えられた職務分掌を忠実に推進しているわけで、彼らは商店街の活性化に思いをめぐらせ責任を持つ必要はないわけです。
 そこで知事に質問です。新社会推進部が独自の政策である企業、NPOとの協働を進めるために、今後も企業との提携、協定を通じた関係を広げようとする中で、その内容、メリット、デメリット、作用、反作用を庁内横断的に精査分析して、関連部署に通達し稟議するような仕組みがなければ、部署をまたがる利益相反、つまり新社会推進部以外の部局が、議会から認められた予算に基づき進めている政策の足を引っ張る可能性があることについて、知事の所見をお伺いします。
 続きまして、攻めの環境政策として大きく二点質問します。
 まず一点、生物多様性戦略のような環境政策は決して環境部だけで完結せず、幅広くすべての部局がかかわるもので、従来の縦割り行政ではその効果を存分に発揮できない可能性があります。例えば、農林水産部において平成十五年より福岡県減農薬・減化学肥料栽培認証制度という事業が行われております。これは化学肥料と化学農薬が県の基準量の二分の一以下で生産された農産物に県が検査を行い認証するもので、食の安全や農産物の付加価値向上に資するだけではなく、環境保全、特に水田のような湿地の環境が減農薬、減化学肥料により改善されれば生物多様性の維持に大きく寄与するわけです。この認証制度は平成十五年に始まりまして、当初は右肩上がりに栽培面積、そして認証農家戸数ともにふえておりましたが、平成二十年ごろから頭打ちになり、県内の耕地面積に占める割合は三%程度にいまだとどまっております。理由を聞きますと、技術的な問題や減農薬、減化学肥料の価値を認めてくれる消費者が広がらないというのが主な原因とのことです。この事業は説明のとおり農林水産部が所管しており、環境政策的意味合いも非常に大きいのですが、環境部の密接な関与は基本的にはなかったと聞いております。
 そこで知事に質問です、このような環境政策にかかわる具体的な事業は、環境部だけでなく庁内各部局で行われておりますけれども、その中で環境部が情報を集約し、必要あれば有識者の紹介やアドバイスを行い、関連部署と調整をして、今までコストセンターと見られがちだった環境政策から、福岡県の魅力向上、あるいは県産品の高付加価値化といった攻めの環境政策に進化させるべきと考えます。特に、みやま市を初めとする県南地域は生物多様性に深く関係する農業が重要な産業で、至るところに農地がございます。環境保全と経済発展または地域振興を両立させるような攻めの環境政策が待ち望まれるところです。知事の所見をお聞かせください。
 また、環境政策においては啓発が重要になります。県教育委員会においても、環境部を通じ県が進める環境政策と連携し、児童生徒の理解を深めるような教育を推進する必要があると考えますが、教育長の見解をお聞かせください。
 続きまして、攻めの環境政策二点目の質問として、矢部川水系の流況についてお伺いします。まず、東日本大震災の原発事故以降、クリーンエネルギーの活用が叫ばれており、その中でも水力発電はエネルギー効率がよいと言われております。矢部川には既に福岡一の水力発電を抱える日向神ダムがございますが、今議会の我が会派の質問でも触れられたとおり、ぜひ県内各ダムにおいても水力発電の導入を推進されるよう強く要望しておきます。
 そして私は昨年の六月議会、初めての一般質問にて、前職の県議の思いを受け継ぎ、矢部川水系の抜本的水源対策に関して知事にお尋ねしました。それに対し小川知事からは、利水ダムの検討まで踏み込んだ麻生前知事の過去の答弁を踏まえ、さまざまな方策について総合的に研究していく旨、御答弁いただきました。
 そこで知事に質問です。あれから一年、県としてどのような具体的な動きがあったのか、その進捗と今後の取り組みを御説明ください。
 以上、知事の明快な御答弁をお願いして、私の一般質問を終了いたします。(拍手)

◯議長(松本 國寛君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 イオンとの包括提携協定についての私の認識でございます。県ではかねてから、共助社会づくりに向けましてNPO・ボランティアとの協働を初めといたしまして、企業に対しても社会貢献活動の取り組みを促してまいりました。今回、イオンから当県に対しまして、企業の地域社会への貢献という観点から、県との協働を進めていきたいと包括提携の御提案がありました。県では、庁内の各部、関係課におきまして、県民サービスの向上という観点から、それぞれの立場で精査をいたしました上で、県産品販売や地域の安全、安心、青少年の育成、そういった幅広い取り組みについての協定を締結したものでございます。この協定のもとで、県産品、まごころ製品の販売でありますとか、店舗での、議員御指摘のポスター掲示のためのボードの設置、広報紙等のいわゆる配架、棚に置いてもらう、そういった取り組みを具体的に進めていきたいと考えております。
 また、イオンが他の多くの道府県で行っております取り組みと同様に、御指摘の電子マネーカードの利用金額の一部を本県の共助社会づくりのために寄附するという提案がありました。この提案につきましては、企業が独自に寄附の仕組みを考案し、自主的に社会貢献活動として取り組むものであると、県が特定の企業活動を後押しするようなものではない、そのように考えております。また、収益に応じた寄附というのは、企業の社会的貢献活動の一つとして広く使われることでございますので、このカードの提案についても協定項目の一つとしたところでございます。
 それに関連して、県庁内部署にまたがる課題の対応でございますが、今回のイオンとの協定事項は、庁内の各部、関係課におきまして、それぞれの立場でどのような提携が適当か、これを精査し、検討した結果、総合的に判断をいたしまして、協定締結の決定をしたものでございます。今後とも、このような協定につきましては、各部、関係課の連携を密にいたしまして、施策の方向性、県が行っております各施策の方向性にそごを来すことがないように、分析や調整を十分に図りながら対応してまいります。
 攻めの環境行政ということで、環境行政における環境部と各部の連携についてお尋ねがございました。持続可能な社会づくりを目指していく上で、生物多様性の保全というのは重要な課題でございます。県が実施するさまざまな施策におきまして、この生物多様性への配慮が必要であると、このように考えております。県では、今年度、生物多様性を保全するための地域戦略、これを策定することといたしておりまして、現在、各部が実施する事業に生物多様性の視点が盛り込まれるよう、環境部が中心となりまして議論を進めているところでございます。
 当然その過程で、場合によっては専門家の紹介、そういったことも考えられていくわけでございます。これらの生物多様性に配慮した各部の事業が実施されますことで、ひいては議員御指摘にありましたように、地域や県産品のイメージアップにもつながっていくものと考えております。
 次に、矢部川水系の水資源対策にかかわる調査研究の進捗状況、私の答弁以降の進捗状況についてお尋ねがございました。矢部川水系の水資源対策につきましては、日向神ダムにかんがい期の農業用水を確保するとともに、そのダムの弾力的運用によりまして流量改善に努めてまいりました。また、農業用水が不足する場合には、筑後川から導水することができます筑後川下流用水による対応を関係市町や関係団体等と連携しながら行っています。
 議員から御質問いただきました昨年の七月以降の県の対応といたしましては、まずダムの弾力的運用で貯留いたしました八十四万立方メートルの水を、関係団体からの要請を受けまして平成二十四年二月十日から二十九日まで放流を実施いたしまして、矢部川の流況改善を図ったところでございます。また、筑後川下流用水につきましては、矢部川の流況が悪く、希釈用水が不足した場合に筑後川下流用水で補給することが昨年から可能となってございますが、県といたしましては、施設管理者である水資源機構と連携し、関係者にその周知を図ってきたところでございます。加えまして、弾力的運用で貯留した水の放流時に、矢部川河口域のノリの養殖に必要な栄養分の供給につきまして、昨年の九月からでございますが、五地点で調査を開始いたしておりまして、これまで調査の結果、放流水が栄養分の補給の増加に寄与している、そういった傾向が見られました。今後、この放流水がノリ養殖に効果があるか、そういったことなど、さらに確認をするために、二十四年度、本年度も調査を継続してまいります。

◯議長(松本 國寛君) 杉光教育長。
*教育長答弁

◯教育長(杉光 誠君)登壇 県の環境政策と連携した教育の取り組みについてでございます。環境教育は、人間の諸活動と環境との関係について理解し、環境保護、保全活動に主体的に参加するとともに、環境への責任ある行動ができる児童生徒を育成するための教育でございます。その中でも、学校における生物多様性保全の取り組みは、減農薬等による生産活動や河川の生態の調査など多岐にわたっております。これらは県の環境政策とも密接に関連しておりまして、環境、農林水産関係職員等を招き、実践に取り組んでおるところでございます。さらに、県の環境政策を実効性のあるものにするためには、その政策を正しく理解し、実践する児童生徒の育成が重要でございまして、今後とも環境関係部局と一層連携しながら、環境教育の充実に努めてまいります。

◯議長(松本 國寛君) 板橋聡君。

◯十一番(板橋 聡君)登壇 知事の答弁を受けまして、二点再質問をさせていただきたいと思います。
 イオンとの協定について、企業と自治体の距離感という観点で、知事の御答弁では、もうちょっと突っ込んだやりとりをしたいところですけれども、一般質問の場にはそぐわないので、それは特別委員会などにお任せして、今回、一点だけ再質問させていただきたいと思います。
 企業というのは、ベンチャー、中小そして一部上場企業、外国資本、世論の賛否が分かれる企業、そして反社会的企業まであり、ありとあらゆる形態がございます。また優良企業と思っていても、ある日突然トラブルが発覚して問題企業となる場合もあります。記憶に新しいところで言えば、アレルギー訴訟になったりだとか、食中毒だったりだとか、あるいは社長が使い込みをしておっただとか、そういうふうなニュースが皆さんの記憶にも新しいと思います。県が今回のような協定により直接企業との契約関係を結ぶ場合、現時点でどんな企業なら福岡県として契約してよいかという明確なガイドラインがないと聞いております。ガイドラインを設定する必要はないのでしょうか。その理由とあわせて、知事の所見を御披露お願いします。
 そして、矢部川水系の流況の調査研究について。新たに行っていただいた栄養分調査ですが、栄養塩は有明海の主要産業の一つでございますノリのできばえを左右する重要な要素でございます。特に、昨シーズンは、ノリの生産時期の前半に、非常にノリのできが悪かったんです。大凶作になるかということで大変危惧されておりました。しかし、後半に巻き返して、最終的には例年に近い出来高で終わったのは、ことし二月に行われた日向神ダムの早だめによる弾力活用放流が寄与している可能性があります。今後とも、そういう意味で栄養分調査は、経年変化を見きわめ、矢部川の流況安定がノリ生産に対し定量的に効果があることを確認するためにも、平成二十四年度以降も継続することを要望いたします。
 またここで二つ目の再質問ですけれども、昨年も申し上げましたが、農業、水産業、防火用水、観光、そして環境保全の観点から、筑後平野南部に恵みをもたらす矢部川水系の流況安定は、私の議員としてのライフワークとして取り組む所存でございます。県議会のミスター矢部川として、福岡県がさまざまな調査を行いながら抜本的対策を継続して検討することが肝要だと考えますけれども、知事の所見をお聞かせ願います。
 昨年の一般質問で矢部川水系の現地視察を知事に要望したところ、十一月三日に現地まで赴いていただき、ありがとうございます。しかしながら、白秋祭水上パレードのどんこ船からでは、なかなか現地の窮状も伝わりにくかったかと思いますので、矢部川水系の流量不足が一番深刻な、ノリ生産のピーク時にぜひ現地を訪れていただき、現場で苦慮されているノリ漁家を初めとする地元住民の生の声に耳を傾けていただけるよう、現場主義を標榜されている小川知事に切に要望させていただきまして、私の再質問を終了いたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

◯議長(松本 國寛君) 小川知事。

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 まず第一点目、企業との連携協定に関連いたしまして、ガイドライン、御提案ございました。御承知のとおり社会経済情勢の変化というのは非常にスピーディーで、またその振幅大きいものがございます。またそれに伴いまして、市民の皆様、県民の皆様、国民の皆様のニーズも変化してまいります。意識も変わってまいります。そういう中で、やはり県民福祉の向上という観点から、当該協定を結ぶのがいいのかどうか、どういう範囲で結ぶのがいいか、それを考えていくのが基本だと思っております。そういう意味では、いろんな変化の中で機動的な対応をしていく、それを考えますと、今私どもやらせていただいておりますように、関係各部局におきまして連携をとりながら、それぞれの立場からしっかりその協定の内容を分析あるいは調整をして、県民の福祉の向上に資する形、あるいは資するものかどうか、これについてしっかり検討していく、連携をして取り組んでいく、そういう形がいいと思っております。
 第二点、矢部川水系の水源対策でございますが、御承知のとおり、矢部川の水というのは、流域の農業水ばかりでなくて、水産業あるいは掘り割りの水を活用いたしました防火用水といった水資源としても活用されております。流域にとって極めて重要なものであります。この水系におきます対策につきましては、今後とも必要な水資源の確保に努めるとともに、矢部川の水の効果的な使い方を初めさまざまな方策につきまして、議員いろいろ御指摘もありましたが、さまざまな方策につきまして引き続き関係部局が連携をとりながら、費用対効果などを含めまして総合的に調査研究を続けていきたい、このように考えております。

平成24年2月議会一般質問「中小企業の地域によるハンディキャップについて 、地域目線の新規就農者支援について」

公式動画へのリンク WindowsMediaPlayerが必要です

◯十一番(板橋 聡君)登壇 皆さん、こんにちは。自由民主党福岡県議団の板橋聡です。通告に従いまして一般質問をいたします。
 まず、中小企業の地域によるハンディキャップについて質問いたします。私の六月の一般質問において小川知事より、県内の地域格差は何としても解消していきたいとの大変心強い答弁をいただきました。一方で、その際御指摘させていただいたとおり、平成二十年度の年間平均所得において、福岡都市圏は約二百八十四万円、私が住んでおります地元みやま地区では二百二十八万円と、福岡県内で約年間六十万円の格差が存在しており、この格差を解消するためにはさまざまな施策が必要であるのは明らかであります。
 その一つとして、最低賃金の引き上げ議論が存在していると思われます。麻生前知事に引き続き小川知事も最低賃金八百円の早期実現を目指し、平成二十三年七月十二日に国に対して意見書を提出されています。正規社員との賃金格差是正や、労働者が健康で文化的な最低限の生活を営み、生活保護との整合性に配慮し、労働に対するインセンティブが失われないことの重要性はよく認識しております。が、景気回復や経済成長のない、すなわち実態を伴わない賃金の引き上げは中小企業に対して大きな負担になるのも事実でございます。
 現在、福岡県の最低賃金は時給六百九十五円で、これは地域差なく県内一律六百九十五円でございます。一方で、最低賃金引き上げの根拠の一つで、最低賃金との整合性を問われている生活保護費は、福岡県内地域ごとに五等級、全国では六等級ですけれども、福岡県内は五等級に区分けされ、二十歳から四十歳の単身世帯において住宅扶助を含めて比較すると、一番高い地域と安い地域では月額十一万八千円余と九万二千円余となり約二八%の開きがあります。つまり、これは健康で文化的な最低限度の生活コストを地域に合わせて反映させた結果だと認識しております。
 私が住んでおります県南地域は、平均所得と同様に、福岡市、北九州市という両政令都市及びその周辺地域と比較し、産業基盤も脆弱であり、労働力の需要や流動性でも劣っているというのが実態でございます。そんな中、全県一律で最低賃金八百円を目指すのは、これは地方に拠点を置く中小企業には負担が大き過ぎ、逆に雇用の縮小や、場合によっては事業の廃止など悪影響を及ぼしかねません。政令指定都市とそれ以外の地域で最低賃金を変えるような弾力的運用が可能ならば、都市部と地方の経済成長のタイムラグを埋める解決策になり得るんではないかと考えます。
 そこで知事に質問です。県内一律の最低賃金が地方の中小企業の負担になっているという実情を御認識でしょうか。もしそうなら、法律など諸問題あるとは思いますけれども、例えば国に働きかけるなど政令で対応するようなおつもりがございますでしょうか、知事の所見をお聞かせください。
 そんな中、昨年末、福岡県、福岡市、北九州市がグリーンアジア国際戦略特区の認定を受けました。大変喜ばしいことです。国家プロジェクトとしての規制緩和、税制優遇、財政金融支援により県下全域が広く経済成長していくことを多くの方々、多くの県民が夢見ています。しかしながら現実は厳しく、この特区のエリアは県下全域というわけではなく、両政令指定都市及びその周辺の四市一町だけに限定され、私が住む県南など筑豊も含めエリア外、まさに蚊帳の外でございます。将来的に新たにエリアを追加することが可能とはいえ、エリア外の中小企業は、まずスタートラインに立つことはできません。特区の波及効果に期待はするものの、地方の中小企業は特区の恩恵を受け成長する都市圏にさらに差をつけられて、その背中を見ながら後を追う努力をしなければならないわけです。九月の定例議会に行われた最低賃金に関する答弁で知事は、負担がふえる中小企業の支援が必要と、最低賃金に関しておっしゃっておりましたけれども、現実はグリーンアジア特区の事例でもわかるとおり、私ども県南を初めとするハンディを背負った地方の中小企業振興をどうするか、これに対する手当てがないと、地方の中小企業は途方に暮れてしまうわけでございます。
 そこで質問です。地域の特色を生かし地域経済産業の活性化を目指す中で、私のみやま市を含む県南地域などグリーンアジア特区エリアになっていない地方の中小企業に対して、県はどのような具体的な戦略、施策があるのでしょうか、知事の明快な答弁をお願いいたします。
 続きまして、地域目線の新規就農者支援について質問させていただきます。我が会派の代表質問でも出ましたけれども、県として若者の農業参入定着支援については、青年就農給付金を軸に対策が練られていることは理解いたしました。しかしながら、それは就農希望者の目線に重きが置かれ、新規就農者をてこに、どのように県として農業を振興するのか、その戦略や方針がなかなか伝わってまいりませんでした。
 そこで知事に質問です。新規就農希望者において、水田農業や園芸農業それぞれの希望者が出てくると思われます。また、新規就農者のパターンも、Uターン就農による世代交代、またはIターン就農による県外からの人材の掘り起こしなどのケースが考えられます。ブランド化など福岡県が過去行ってきた農業政策との整合性に照らし合わせて、新規就農者確保を軸にしてどのように県農業を強化していくのか、その戦略や方針について知事の所見をお聞かせください。
 新規就農者の増加は、その後定着し、家族を持ち、地域に根差すことにより、農業のみならず少子化対策、地域活性化、経済振興など広がりのある効果が期待されます。また、地域性に基づく特定農産品の担い手を戦略的に育成し、産地としての競争力向上を目指すことも可能です。聞くところによりますと、糸島市は、海に面しており、都市圏にも近く、移住先として話題に上ることも多いため、福岡県における新規就農の問い合わせで抜群に人気が高いと聞いております。逆に言うと、それ以外の地域は青年就農給付金制度があろうとも、自治体やJAなどが主体的、積極的に働きかけを行わなければ、Iターンで新規就農者を獲得するのは大変困難というのが現実です。なかなか、みやま、八女、こういう話を聞いても、糸島ほど魅力的に見えないというのが現実だと思います。
 そこで知事に質問です。地域のJAが主体となって県の施策、例えば青年就農給付金や高収益園芸産地育成、あるいは融資、情報発信などをパッケージ化して、産地間の競争力の強化をにらんだ新規就農掘り起こしを目指した場合、つまり主体的にJAやその他現地の自治体が、主体的に新規就農者掘り起こしを目指した場合、これは県として農林水産部横断でしっかりと支援すべきだと考えますけれども、知事の所見をお聞かせください。
 以上、知事の明快な御答弁をお願いして、私の一般質問を終わらせていただきます。(拍手)

◯議長(原口 剣生君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 最低賃金引き上げの影響に関する認識と賃金制度の運用についてお尋ねがございました。最低賃金は、労働条件の改善や労働者の生活の安定を目的といたすものでございますけれども、その設定に当たりましては、中小企業の賃金支払い能力など地域における労使双方の実情を踏まえることが大事だと思っております。現在国によって、最低賃金は県単位で決定されておりますために、これを引き上げる場合には、やはり地域における雇用維持に重要な役割を果たしている中小企業の経営状況に配慮しなければならない、そのための生産性向上や経営力の強化、経営の安定化のための支援策をあわせて充実強化することが不可欠であるというふうに私は考えております。そのため、議員も先ほどお触れになりましたが、昨年七月、国に対しまして、地域の実情に合わせた最低賃金の適切な引き上げというものを、私は意見書を出したわけでございますが、その際にも、中小企業に対する支援について強力に実施するよう求めたところでございます。
 グリーンアジア国際戦略総合特区エリア以外に存在いたします中小企業の方々への支援についてお尋ねでございます。本県経済の成長を図って安定的な雇用を生み出すためには、まずポテンシャルのある特区を推進をいたしまして、その大きな経済効果というのを周りに広めていく、広く県内中小企業に波及させることが重要であると思っております。お尋ねの県南みやま地域というのは、まず九州新幹線筑後船小屋駅、あるいは九州縦貫道みやま柳川インター、三池港インターが開通いたしました有明海沿岸道路、そして韓国釜山港とのコンテナ取り扱いが急速に伸びて過去最高を記録しております三池港など、県内有数の交通アクセス利便性と国際物流の拠点性、その潜在力が高い地域となってございます。また、近隣にはRDF発電所のほか間伐材を原料といたしました水素ガス製造プラント、レアメタルや紙おむつのリサイクルに取り組んでおります企業が立地をいたしております大牟田エコタウンというのがございます。こうした地域のポテンシャルを生かしますことで、みやま地域におきます、久留米のダイハツ向けの自動車部品製造企業に加えまして、三池港周辺への物流企業、エコタウン等への環境リサイクル関連企業など、そういった産業群の集積促進に努めてまいります。さらに、こうした企業との取引拡大を図っていくために、その周りの中小企業に対しましては、県制度融資によります金融支援のほか、技術開発、人材育成といったきめ細かな御支援を申し上げていこうと思っております。
 次に、新規就農者の確保戦略についてお尋ねがございました。本県農業が持続的に発展していくためには、将来を担う意欲ある若者の確保が必要でございます。一人でも多く就農していただくことを目指しているところでございます。そのため、近年増加をしておりますUターンやIターン者につきまして、その方々、その人たちが一体どういう品目、産品を取り扱いたいのか、そういったことにつきまして把握を進めていきますとともに、どの産地でどのような品目がつくられているか、こちらサイドの情報ですが、そういったそれぞれの情報を、きめ細かな情報発信に努めていきましてマッチングを進め、その精度を上げていきたいと考えております。
 一方で、農外からの参入者は、平均年齢が三十三歳でございます。こうした方々の定着を図っていくためには、これまで行っておりました技術の習得支援だけではなくて、住宅の確保など生活全般にわたる支援が必要になってございます。このため県では来年度から、営農面から生活関連支援まで一体的に行います相談窓口というものを設置しております。さらに、就農前後の所得確保のための国の給付金も活用してまいりたいと思います。また、市町村、農協と連携いたしまして、研修受け入れ農家の紹介でありますとか、住宅や空き家そういったもののあっせん、これも行っていきまして、一人でも多くの新規就農者の定着を図っていきたいと思っております。
 新規就農者対策を含めた産地の振興方策についてお尋ねがございました。新規就農者の育成は、産地の維持発展につながるものでございまして、本県農業の振興を図っていきます上で極めて重要なことであると考えております。県では、就業セミナーや相談会におきまして、県、市町村の具体的な支援策につきまして情報提供を行っておりますとともに、農業大学校や普及指導センターにおきまして早期の技術習得というものを御支援してまいっております。また、県としましては、施設整備に必要な融資や補助事業等につきましてさまざまな制度を用意しております。私、着任してから農業、いろいろきめ細かく検証して、いろんな対策、新しく展開したもの、あるいはこれまでの施策を充実したもの、たくさんあると思いますが、頑張ってきたつもりでおりますが、そういった事業を活用して、具体的に事業を実施される方が、そういった制度を有効に活用ができますように、市町村、農協への情報提供をきちっとやっていきたい。それから県の農林事務所を中心に、県のこれらの施策を横断的に事業者の方々が実施していただけるように環境整備していくことによりまして、産地の振興に努めてまいりたいと思います。

◯議長(原口 剣生君) 板橋聡君。

◯十一番(板橋 聡君)登壇 一点だけ、ちょっと言葉の使い方に関して再質問させていただきたいと思います。
 最低賃金の部分でございますけれども、現在、県単位で最低賃金が決められているということで、地域の雇用を担っている中小企業のために、その支援策に関して、国にも要請したし、県としても頑張るということでございますけれども、私が先ほどから言っております地域というのは、福岡県全体を国としては地域として見ているわけです。ですから国に対して要望するときに、福岡県に対しての中小企業の支援というものでは、なかなか、私の言っております、地域をしっかり応援してくれということが違うニュアンスになるのかなと思いまして、知事として、地域というのは、しっかりと最低賃金の中で、県の中でも地域差があって、苦しいと感じる地域もあれば、最低賃金でもなかなか人が集まらないという地域もあるということを踏まえていらっしゃるのかどうか、この一点、ちょっと確認をさせてください。

◯議長(原口 剣生君) 小川知事。

◯知事(小川 洋君)登壇 先ほど申し上げましたように、最低賃金、これをどう設定するかにつきましては、それぞれの中小企業の賃金支払い能力とか、そういった地域の労使双方の実情を踏まえるということが大事だと思っております。そういう意味では、福岡県内で地域においていろんな差があるということは承知しております。逆に、その差を念頭に、きめ細かな地域指定と最低賃金のレベルといったものを設定していくと仮にした場合に、その手順と、それからその広がり、その地域をどう設定するかについての設定の仕方、非常に技術的にも、また政策的にも難しい課題が多々あろうかと思います。そういった、きょう御指摘を受けましたことを頭に置きながら、今後いろいろ物を考えていきたいと思っております。

平成23年度9月議会一般質問「職員の研鑽、筑後広域公園、福岡県総合計画」

公式動画へのリンク WindowsMediaPlayerが必要です

◯副議長(渡辺 英幸君) 板橋聡君。(拍手)
*板橋議員質問

◯十一番(板橋 聡君)登壇 皆さん、こんにちは。自民党県議団の板橋聡でございます。
 通告に従いまして、本日は県民幸福度日本一というのを横軸にして、三つの項目について質問させていただきます。午後三番手でございます。皆さんお疲れとは思いますが、議場に船がこぎ出さないよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、県民幸福度日本一を目指す福岡県職員の研さん、そして切磋琢磨についてお伺いいたします。六月議会や予算特別委員会を通じ、小川知事が提唱される県民幸福度日本一という政策目標について、多くの議論がなされました。私も、知事答弁や所属しております福岡県総合計画審議会での議論を通じ、県民幸福度日本一について考えるにつけ、福岡県民が県民幸福度日本一になるには、国内のみに目を向けるのではなく、県行政のさまざまな分野で世界一に触れ、学ぶ機会を持つことで、他県の二歩三歩先を行くすぐれた施策を発想し、練り上げる職員の育成が不可欠との思いに至りました。
 知事が県民幸福度日本一を提唱して以降、ブータンのグロス・ナショナル・ハピネス(GNH)、これを耳にすることがふえましたが、実際ブータンに行ってGNHがどんなものか触れた職員がいらっしゃいますでしょうか。
 昨年度は、県職員として調査団を含め、延べ百九十七名が海外渡航をしております。しかし、その七割以上は国際交流や商工、環境にかかわる部署からの出張で、企画・地域振興部、建築都市部、県土整備部、福祉労働部に関しましては、四部署合計でわずか十九名、全体の一割にも足りません。
 海外人材育成の制度も幾つかあるようですけれども、非常に狭き門で、利用された方は歴代でも数えるほどでございます。しかし、世界には都市計画、スポーツ、文化によるまちづくり、そして福祉行政などの分野でも、日本にはなじみの薄い先進的な取り組みをしているところが存在しており、県民幸福度という幅広い意味で、日本一を福岡県が目指すのであるならば、他県を目標にしても、やっぱりだめだと思うんです。やはり一部の部署だけではなく、広く、あまねく、事務職も技術職も世界一に触れ、世界一を目指し、日本一を実現可能にする経験と知識を体得する機会を確保するのが望ましいと考えます。
 そこで質問です。広く、あまねくさまざまな部署から多くの職員、とりわけ将来の福岡県をしょって立つべく若手職員を含め、充実した海外研修の機会を与え、世界一を意識し、目指せる組織体制の構築こそが、福岡県が幸福度日本一になるために肝要だと考えますが、知事の所見をお聞かせください。
 続きまして、筑後広域公園について質問いたします。私が六月の一般質問にて、経済的な県内地域格差について質問したところ、知事より、格差の解消には地域それぞれの特色を生かしながら発展することが重要との答弁がありました。筑後広域公園は、平成十七年より一部供用開始され、現在もまだ建設中です。みやま、筑後両市にまたがり、スポーツゾーン、文化体験ゾーン、交流ゾーンの三つのゾーンがあり、日本で唯一新幹線の駅が敷地内に存在し、全面供用開始されますと、面積は何と大濠公園の五倍、そして百九十七・二ヘクタールの県内最大の広域公園となります。私は、この筑後広域公園は県南地域のスポーツ、文化の発信、そして推進基地の役割を担う地域の強みとなる施設だと信じております。
 そこで質問です。知事は、福岡県南の文化、スポーツ面の特色を、北九州地区、福岡都市圏、筑豊地区と比較してどうとらえていらっしゃいますでしょうか。また、筑後広域公園により、その県南の特色、強みをどのように伸ばし、差別化し、魅力的な地域づくりをしていくのか、グランドデザインを県として策定されているのでしょうか。
 というのも、この公園はいまだ開発途上ですが、どんなに広大な面積の公園であろうと、大規模な施設であろうと、つくることだけが目的になってしまっては、いわゆる箱物でしかないのです。広域公園により地域のスポーツ、文化が振興し、競技人口の増加、技術の向上、幅広い地域から人が集まり、にぎわいを生み、周辺地域の価値向上が図れるような、住民から愛される、活用される生きた資産にしてほしいんです。それこそ県民幸福度の向上と言えるのではないでしょうか。
 例えば、広域公園の中に今後建設が予定されています、屋外冷水五十メートル公認プールと屋内温水の二十五メートルプールで構成されるプール施設があります。今まで県南地域には五十メートル公認プールが存在しなかったため、地区の水泳大会を開催する場合は、わざわざ選手たちは福岡市内の公認プールへ出かけなければなりませんでした。そういった意味では待望し続けた公認プールの実現ではあります。
 しかし、この五十メートル公認プールは、屋外冷水の、いわゆる学校プールであるがゆえ、せっかく建設しても、水温の関係から一年の中で六月中旬から九月中旬のたった三カ月強しか、物理的に使用することができません。また広域公園を中心として半径三十キロ以内、大体車で一時間ぐらいなんですけれども、この中に五十メートル公認プールは既に四カ所存在します。そのすべてが現在筑後広域公園に計画中のものと同じ屋外冷水の、いわゆる学校のようなプールでございます。これが、もし屋内温水の五十メートル公認プールとなれば、一年十二カ月、冷水のプールと比較して四倍の期間使用できます。そして、県南はおろか隣接する熊本県北部、そして佐賀県を合わせても唯一無二の施設となり、有明海沿岸道路や九州新幹線を使って地域を越えた福岡及び環有明エリアの水泳競技の中心地として、インバウンドの集客効果が見込め、知名度アップ、まちおこし、人づくり、にぎわいづくりが可能となる、まさに生きた施設になると考えます。
 もちろん初期コストや維持費の問題はあります。このプール一回つくったら四十年、五十年つくり直すことはないと思います。なので、せっかくつくるのならば、コストと引きかえに一年じゅう使うことができて、地域のオンリーワンの施設になることにより、地域の競技人口、競技レベルが向上する、そういった新たな大会、イベントが開催され、にぎわいにも一役買う、もしかしたら広域公園プールで練習したオリンピック選手が登場して、県南の人々がテレビ中継に熱狂するかもしれない。つまり、これは知事が強調されている地域活性化の実現、すなわちお金では買えない県民幸福度の向上に一役買うわけであります。これこそ生きた税金の使い方です。コンクリートから人へではなく、コンクリートが人をつくり、生かし、町を盛り上げるようにするのが行政の使命だと思います。
 そこで知事に質問です。格差解消には地域それぞれの特色を生かしながら発展することが重要という答弁を踏まえた上で、今後県の公共施設整備において、単なる不足施設の整備という枠を超えて、それが地域の特色、強みを生かし、地域の価値、幸福度を高めるようなものをつくっていく必要があると私は考えますが、この件について県民幸福度と県のアセットマネジメントの観点から、知事の所見をお聞かせください。
 また、建築都市部長に質問でございます。現在計画されている筑後広域公園の公認五十メートルプールですが、屋内温水を選択肢とすることはできないのでしょうか。
 最後に、福岡県総合計画についてお伺いします。福岡県総合計画、いわゆるマスタープランは、県施策の指針となる大変重要なものです。麻生県政時代には十三年間という長期の計画でございましたけれども、今回、急激な時代の変化に対応するために、十年先を見据えた五年間の計画を立てることとなりました。
 日本はこの三年間でもリーマンショックが発生、政権が交代し、大震災が起こるなど、生活環境を根本から変えるような出来事が起こっています。ゆえに、計画期間を短縮することについては賛成です。しかしながら、期間を短くするなら同時に、県内地域事情の多様化を踏まえ、網の目を細かくし、精度を上げなければならないと考えます。すなわち過去に京築や朝倉において地域振興計画がつくられたように、地域の特性を生かし、地域住民の幸福度を上げる、そういうことができるような総合計画の地域版、いわゆるローカル版が必要ではないでしょうか。これは知事のおっしゃる格差の解消には地域それぞれの特色を生かしながら発展することが重要という考えにも合致します。
 そこで知事に質問です、かつてつくられたマスタープランのいわばローカル版と言うべき地域振興計画についての認識と評価とあわせ、総合計画の地域版の作成について、知事の所見をお聞かせください。
 以上で私の質問を終わります。(拍手)

◯副議長(渡辺 英幸君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 まず、幸福度日本一実現に向けた人材育成についてお尋ねでございました。議員御指摘がありましたとおり、国際感覚を有する職員の育成は大事なことだと思っております。特に、さまざまな分野で国際化が、今進んでおります。国際感覚や広い視野を持った職員の育成が大変大事であると思います。
 県では、これまで外務省在外公館、あるいは交流協会の台北事務所、海外事務所への派遣など、さまざまな機会を活用して海外勤務の経験を積ませるということをやってまいりました。それを通じまして、国際感覚を持った職員を育成するとともに、一方で海外勤務の御経験のおありになる民間の経験者を職員として採用し、人材の確保を図ってまいりました。さらに、庁内におきましても、国際交流部局等にはALT、外国語の指導助手の方を迎えておりますし、国際交流員として採用いたしました外国青年がいらっしゃいます。そういった方々と職員が日々業務上接することによって、それら海外の方々の物の考え方、あるいは制度、文化、そういった違い、お互いに触れ合うことができるようになってきております。今後とも引き続き、さまざま海外派遣制度の活用でありますとか、海外事情の実地調査、出張によりまして海外経験を積ませるとともに、庁内にいらっしゃっております外国青年、あるいは識者、そういった方々との交流、そして、外国人の方、識者を講師として海外情勢や異なる物の見方について、これを学ぶ研修といったものも充実強化したいと思っております。
 これらを通じまして、国際感覚を磨くだけではなくて、外からの視点で、つまり海外におりますと、私も自分のささやかな経験からでもそうでございますが、外におりますと、余計日本のことがよく見える、また考えられると、そういうことを当時思っておりました。それは今も変わってないと思います。ますますそういうことは重要になると思っておりますので、ありとあらゆる機会を通じて、そういった形で、国内にあっても外から見たらどうかということも含めて、いろんなことを考える、そういった視野を持った職員を一人でも多く育てていきたいと、このように考えております。
 筑後地域の文化、スポーツの特色についての私の考え方、見方についてお尋ねがございました。午前中の質疑でも名前が出ておりましたが、このたび大関に当県出身の琴奨菊関がなられたわけでございますが、柳川市の御出身でございます。こうした相撲を初めといたしまして、柔道、剣道、弓道といった武道が非常に盛んな土地柄だという印象を、私は持っております。
 文化につきましては、みやま市の幸若舞、そして八女の福島の燈籠人形、そういった伝統芸能、あるいは久留米絣、八女提灯といった伝統工芸品、そして筑後市の久富の盆綱曳きなど、伝統的な祭りもあります。こういった形で、いろいろな文化、祭り、産業、これを有している地域であるというふうに、私は認識をしております。
 その上で、地域の活性化のための筑後広域公園の活用についての、私の考え方についてお尋ねがございました。先般、十月一日でございますけれども、この公園の川の駅船小屋恋ぼたる、いわゆる物産館の開業式がございました。私もそこに参上させていただいたところでございます。大勢の方が集まっていただいておりました。この地域は、矢部川流域の緑豊かな自然環境と歴史、それから文化、そして農業や伝統工芸も盛んな地域であります。先ほど申し上げたとおりでございます。この筑後広域公園は、議員も指摘されましたが、新幹線の駅を園内に持つ全国唯一の都市公園でございます。また、東側に行きますと、九州自動車道八女インターやみやま柳川インターからも約十五分ぐらい、良好な交通アクセスを誇っている公園でもあるわけです。こうした立地条件のもとで、地域の自然環境を生かした整備を行いまして、四季折々の変化を楽しんでいただき、一年を通じていろんな形で訪れることができる公園になるのではないかと考えております。
 また、この公園は、現在スポーツ施設、それから建設中の芸術文化交流施設など、いろんな施設を整備しているところでございます。多くの県民の皆様にいろんな、多様なスポーツ、レクリエーション、それからイベント活動の場を提供しまして、この場を使っていただいて、いろんな使い方もあろうかと思いますが、活用していただきまして、にぎわいや交流というものをつくり出していけるのではないかと考えております。このように地域の方々と一緒になって知恵を出し合いながら、魅力ある公園づくりを進めることによって、公園や地域を訪れる方をふやしていって、その結果、地域の活性化に役立てていきたいと考えております。
 それから、県の施設整備についての基本的な考え方についてお尋ねがございました。これにつきましては、私はこう考えております。施設自体が多くの利用者にとって満足度が高くて、長く愛され続けるものであることというのはもちろん大事だと思いますし、施設の特色を生かして、地域の魅力を高め、地域の活性化にもつながっていくという施設であるということが重要であると思います。ただ、しかしながら、一方で当該施設の役割や利用頻度、片方で整備費だけでなく維持管理にかかわる費用もあります。これは議員御指摘のとおりでございます。そうした整備費と維持管理、オペレーションコストですが、その総経費というのが両方あるわけですから、その両方についてのバランスをどうやってとっていくか、とれるかという話がございます。そういうことを通じまして、適切な施設規模や機能、また運営方法というものを決定することが、県の施設整備及び運用についての私の基本的な考え方であります。
 それから、総合計画と地域版の計画についての考え方についてお尋ねがございました。御承知のとおり、かつては地域別の計画を策定いたしておりました。しかしながら、その内容の大半は国、県などによります道路、公共施設、住宅といった社会資本整備の計画でございまして、市町村あるいは地域の自主的な発展を促す計画として、必ずしもなっていたのかどうか、そういう問題があるんだろうと思います。そのため、その後はそれぞれの地域が持つ特性や資源を十分に生かしながら、広域的な観点から県と市町村が連携をいたしまして、地域の活性化に取り組んでいくという新しい考え方に立った地域振興方策を進めてきているところでございます。
 具体的に申し上げますと、県内十五圏域に分けまして、県と市町村、そしてNPO、地域づくりの団体など、地域の皆さんと一緒になって連携して、互いに知恵を出し合いながら、知恵を絞りながら、地域にあります固有の文化、資源、そういったものを活用した地域の魅力の発信、また地域が持っております豊かな食材を使った食品の開発でありますとか、いろんな特産品の開発を行いますなど、地域資源をうまく使って、多様な振興プロジェクトを進めてきているところでございます。
 また、そうした十五の圏域がありますけれども、各圏域の市町村がお互いに連携、連帯をしていって、相互に補完し合う、なくてはならない存在に、お互いになることも大事でございまして、雇用、福祉、医療、教育、文化、スポーツ、そういった分野で補完し合う関係を充実させ、そのことを通じまして、地域の住民の方の質の高い生活の実現に取り組んでいるところでございます。このような形で、各圏域において地域の活性化に向けたいろんな取り組み、議論が行われておりますので、その成果を踏まえながら、今度の総合計画には盛り込んでいきたいと思っております。

◯副議長(渡辺 英幸君) 小路建築都市部長。
*建築都市部長答弁

◯建築都市部長(小路 芳晴君)登壇 筑後広域公園の五十メートルプールの整備についてお答えします。筑後地域には水泳競技を行える公認の五十メートルのプールがなく、地域の市町や住民の方々から強い要望がなされてきたところでございます。このようなことから交通のアクセスもよく、スポーツ施設も充実している筑後広域公園内に計画したところでございます。
 屋内温水プールにつきましては、年間を通して利用可能であることから、地域の競技者にとりまして利便性が高まることは認識しております。しかしながら、県内では冬季に五十メートル水路の競技大会が開催されていないことなどから、冬季における五十メートルプールの利用者が十分に見込めず、また屋内温水プールでは維持管理に多額の費用を要することを勘案しまして、二十五メートルプールを屋内とし、五十メートルプールを屋外として整備することとしております。今後、この屋外の五十メートルプールが各種競技大会の拠点となりますよう整備を進めてまいりたいと考えております。

◯副議長(渡辺 英幸君) 板橋聡君。

◯十一番(板橋 聡君)登壇 御答弁いただきまして、二つ要望と、一つ再質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、職員の研さんという部分に関しましてですけれども、これはモチベーションを高めるという意味で非常に重要かなと思っております。職員一人一人がいろいろ世界を感じ、肌身に感じて、福岡県をやっぱり日本一にしてやるよという気持ちが広まることが一番大事なんだというふうに思っておりますので、この部分は知事の、ぜひリーダーシップで、そういった気持ちが職員一人一人に広がり、そして、私は願うのは、最終的にはそれはもちろん議員一人一人も持っておりますけれども、県民一人一人がそのような気持ちを持って、福岡県を日本一にしていこうじゃないかという気持ちになるのが一番よろしいかと思いますので、ぜひその部分はリーダーシップを発揮して、まずは職員の方一人一人にそういった気持ちが根づく、そういったモチベーションアップの機会を持つということを、ぜひ考えていただきたいというふうに要望いたします。
 そして、筑後広域公園に関するプールに関して再質問をさせていただきます。
 公認五十メートルプールに関しては、先ほど建築都市部長から残念な答弁をいただきました。コスト面で五十メートルプールの室内温水化はなかなか難しいと。二十五メートルプールは室内温水だから、それで我慢してくれというようなことだと理解しておりますけれども、しかし、二十五メートルプールというのは、筑後広域公園からわずか半径十キロ以内に、民間と公共合わせて何と十五カ所ございます。うち室内温水プールは九カ所が既に存在しております。インストラクターが配置されて、水泳以外にアクアビクスとかウオーキングとか、魅力的なスクールを持っている施設があったり、サウナがついておったり、ジムが併設していたりする施設もございます。そういう意味では、知事がおっしゃった、維持管理コストと効果のバランスというのは大変理解はできるんですけれども、筑後広域公園の二十五メートルプールが、五十メートルプールじゃないですよ、二十五メートルプールが室内温水だけ、これを売りにして継続的に活用されるはずがないと、私は感じておるんです。
 そこで再度質問をさせていただきます。広域公園にはプール施設を含め、今後フィットネスエリア、ビオトープ、サブエントランスなどなど建設予定ではございます。地域住民の幸福度向上に寄与するために、単に建設することを目標とせず、近隣他施設と差別化して、広域公園内の他の施設との補完をし合うようなソフト、ハード面での仕掛けが、これは絶対必要だと考えております。これに関して、知事の所見をお聞かせください。
 最後に、総合計画に関して要望でございます。恐らく知事がおっしゃった、圏域内にありますいろんな会議体のことというのは、これは筑後田園都市構想なんかも指されていると思っております。しかしながら、筑後田園都市構想、このエリアは十二市町が含まれておりまして、人口は合計で約八十五万人、佐賀県とほぼ同等の規模でございます。知事がおってもおかしくないぐらいの規模でございます。私の住む矢部川流域を初め筑後川流域、有明海沿岸、そして中山間部、それぞれ歴史的にも、文化も、産業も、経済状況も全く違います。
 私はみやま市の住民ですけれども、みやまの住民として筑後田園都市構想の事業を見ますと、このままではみやまも県南地域の中ですら埋没してしまうんじゃないかという危機感を感じております。もう少しきめ細かなゾーニングでなければ、既存の体制で抜け、漏れが発生する地域があるというわけです。ぜひ、そういった筑後田園都市構想の補完措置を設けて、大きな規模も大事ではございます。ただ、きめ細かな抜け、漏れのないような地域の計画をつくっていただけるよう強く要請をいたします。
 以上、よろしくお願いいたします。

◯副議長(渡辺 英幸君) 小川知事。

◯知事(小川 洋君)登壇 二十五メートルの温水プール、その上でという御質問だと、私は理解しましたが、今後の筑後広域公園の整備でございますけれども、これまで筑後地域の方々はもとより、県内外の多くの方々に利用していただこうと、そういう考え方で整備を進めてまいりました。
 数字を拾ってみますと、着実に利用者も増加しておりまして、本公園がこの地域の交流拠点の一つとして充実してきているのではないかと思っております。数字を挙げさせていただいて恐縮でございますが、人数的には有料の施設しか人数がわかりませんものですから、それでかえさせていただきますと、十九年度八万四千人の方が来場されておりますが、三年後の二十二年度は二十七万弱、ここまで来訪者がふえてきております。これからもいろんな形で整備を、今進めているところでございますので、これからも地域の要望、先生御指摘ありました地域の要望やニーズ、これを一方で踏まえるということと、先ほど来、私ずっと一生懸命強調しているつもりでおりますけれども、施設の整備、あるいは維持管理にかかわります総費用、その場合には他施設との補完関係とかいったことも御指摘ありました。そういうのも含めてバランスをとりながら、より多くの人々に長く、リピーターも含めて長く利用いただけるような魅力のある公園づくりを行っていきたいと思っております。そして、訪れてよかった、そしてまた、この地域に住んでよかったと、一人でも多くの方に思っていただけるような公園整備を進めていきたいと思います。

◯副議長(渡辺 英幸君) 板橋聡君。

◯十一番(板橋 聡君)登壇 今、御答弁いただきました。おっしゃるとおり、ぜひ知事、広域公園を世界一の公園にしましょう。日本全国から視察に来られるような公園にしましょう。みやま市は、福岡県の中でも新しくて、知名度が非常に低い市でございます。みやま市の名前を出せば、ああ、あの筑後広域公園のと言われるような地域の宝となり、誇りとなるような公園にしましょう。今なりつつあります。しかし、また新しくつくる施設、これ、一知恵、二知恵入れて、旭山動物公園、あそこは極端に施設にお金をかけているわけではありません。その後の集客、これに知恵を絞っていると。もちろんこれは管理する側の問題もありますけれども、ある程度施設の整備の時点で、何とかなる部分もございます。ですから、そういったところも考えて、そして、維持管理のコストとのバランスの中で一番いいものを一生懸命考えてつくっていっていただければというふうに思います。
 以上、熱く要望させていただき、私の一般質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

平成23年度予算特別委員会知事保留質問「中小企業海外展開支援について」

◯板橋 聡委員 自由民主党県議団の板橋聡でございます。本日もさわやかに、そして軽やかに質問させていただきたいと思います。
 中小企業海外展開支援について質問をさせていただきました。さきの予算特別委員会においての私と商工部のやりとりというのは十分御承知のことだと思いますので、前回なかなか聞けなかった知事としての見解を教えていただければと思っております。
 まず、単刀直入に聞きますけれども、中小企業海外展開ワンストップ支援センターは、知事として必要だと思われますか、そうでないと思われますか。

◯今林 久委員長 小川知事。

◯小川 洋知事 必要であると考えております。

◯板橋 聡委員 ありがとうございます。
 ほかに、実は今年度暫定予算の中に組み込まれていた新規事業というところで、センターの設立とか協議会設立という人を置いたり事務所を置いたり、こういった固定費という形で年々年々ずっとコストがかかってくるようなものが幾つかございました。ばっと並べてみますと、認知症医療センター、アジア医療サポートセンター、認知症施策推進協議会、七十歳現役社会推進協議会、七十歳現役応援センター、先ほど言いました中小企業海外展開ワンストップ支援センター、アジア自治体間環境協力会議、次世代社会システム総合研究所、自動車先端人材育成センター、こういったものがあったわけです。
 こういったものに関して、恐らくいろいろな議員の方が一つ一つ照らし合わせて、必要ですかと聞けば、一体どんな回答が執行部から上がってくると知事は考えられますか。

◯小川 洋知事 それぞれの政策分野で事業、あるいは必要な政策を展開していく上で、そういう核となるセンター、あるいは協議会──協議会の場合は、いろいろな関係者が多い場合、その中でいろいろな調整をして、より効果的な成果を上げるといった目的で、それぞれの必要性、目的があって設立されているものと私は理解しております。

◯板橋 聡委員 そのとおりだと思います。福岡のためにこれが必要と。この間もいろいろと商工部の皆さんと議論させていただきましたけれども、いろいろ詰まっていない部分はあれ、熱意を持ってあるということは間違いないですし、福岡県のためを考えているということは間違いないと思っておりますので、先ほど小川知事が言われたとおりの答えが執行部から返ってくると私も思います。
 一方、先ほど民主党の畑中委員への答弁の中で、右肩上がりの成長というのを求めているわけではありませんということを知事はおっしゃいました。ならば、これは知事の、これから先人口増というのがなかなか期待しづらい中での本当の心中で、そういった中でどういうふうにこれからやりくりしていくのかというところも含めてのお答えだったと思いますけれども、こういった右肩上がりの成長を求めないと言われる中、県のこういった関連組織だけがこのままふえ続けるということはあり得ますでしょうか。

◯小川 洋知事 先ほど申しましたように、それぞれの協議会、あるいはセンターは目的があってつくられているわけでございます。その政策環境も大きく変わってきますし、その施策を展開することによって効果が上がっていって、目的を達成する場合もあろうかと思います。そういうことで、節目節目で見直さないといかんわけですけれども、毎年度、事務事業については不断の見直しをしていく。その一環でそれぞれのセンター、協議会がどういう活動をしているか、それから、本来、そもそもどういう目的でそれがつくられたかという原点に返って毎年毎年見直していくということは、それぞれの部局がやった上で予算要求なりをしていると私は理解しております。

◯板橋 聡委員 ただ、一番問題なのは、それぞれの部局では、人を置いて場所を置いてしまうと、これを見直すというときに、どうしても物、人をそのまま継続させてしまうのが優先課題になってしまいがちであると。それが一〇〇%とは言いません。
 これが、例えば民間企業とかの場合は、非常にわかりやすい。それは収益を上げているかいないかという一つの物差しで見れますから。ただし、県、こういった自治体の場合は、収益を上げるためだけの団体ではございませんので、一番問題になってくるのが、本当にそれが今の時代にマッチして必要なのかどうかと。この質問をし始めますと、いやいやそれぞれの部局でという話になって、堂々めぐりになってしまうものなんだと思います。
 そこで、やはりこういったときに見直し、今後、次期行政改革大綱等がこれから考えられるということですけれども、やり方としては二つあるのかなと。
 一つは、これはちょっと乱暴な言い方ですけれども、一つつくったら一つつぶすという総量規制的なやり方で、大なたを振るうような、そうすることによって全体的には人口もふえない中、県の組織としてもある程度一定の規模を保っていくというやり方にするのか。これはやはり知事のトップダウンでやらないと、なかなか部局から上がってきたという中では、こういった大なたは振るいにくいと私は思っております。
 もう一つは、つくる際にどういう基準を設けるか。この間もちょっと申し上げましたけれども、三年後、五年後、当時の課長や部長がかわって、ある程度時代の環境が変わったとしても、何年後かに見直したときに言いわけができないような、この基準まで行っていなかったらすぱっとやめてしまいますよという確実な指標、数字も含めた指標を持つべきなんじゃないかと思いますけれども、そういった件に関して、知事の所見をお伺いできますでしょうか。

◯小川 洋知事 委員にいろいろサジェスチョンしていただいてありがとうございます。二つ御提案というか、アイデアが出されたと思います。非常にいい考え方であると一方で思いますが、一つは行政改革というんですか、スクラップ・アンド・ビルドということでいくと、本当に必要なときにできない、ないしは必要でなくなったものが残るという事態が出てくる可能性があります。むしろ、つくるときにいろいろなことを考えて、本当に必要なものをつくるほうが実効性が上がるのかなと今この場で思ったところでございます。今後どうするかというのは別としまして、そう思いました。
 ただ、前段のところのスクラップ・アンド・ビルドというときに、それとは違いますけれども、財政が非常に厳しい中での予算編成をやっているわけです。その予算の中で、我々は事務的に、事業、事務の優先配分といいますか、優先度をつけているわけですね。その中で、団体、センター、協議会をどうつくるのか、つくるのかつくらないのかと。その中で、今はスクリーニングがされているという理解をしております。

◯板橋 聡委員 そのとおりなんですけれども、そこになってくると、やはり先ほど阿部委員が質問された財政規律のところに話が戻ってくるのかなと思います。今、非常に財政規律が問われている中、本当に大事なのか大事じゃないのか、このまま一度設立してしまうと、固定費という形で何年もこれが続き、それが幾つも幾つもふえてくると、これは本当に大きなおもしになっていくということを知事にはしっかりと理解された上で考えていただきたいと。
 特に、この中小企業海外展開ワンストップ支援センターに関しては、民間もやっています、国もやっている、外郭団体もやっていると。今回、私もこういった件に関しては、非常に自分自身興味があった件なので、殊さらこの件に関して問わせていただきましたけれども、そういった事業が、いろいろな予算の中にも眠っているものがいっぱいあると思います。そういった部分では、知事がしっかりと決意を表して、各部局の担当者もちゃんと鉢巻きを締めて、じっくりと財政規律の部分と今後の県の発展をあわせて、事業をどういうふうに取捨選択していくかというのをぜひ考えていただきたいと思います。
 その上で、中小企業海外展開ワンストップ支援センターに関して、知事として、この間の質疑を見ていただいた上でどのようにお考えかというのを教えていただけますか。

◯小川 洋知事 こういったセンター、協議会をどうつくっていくか、つくるつくらない、その点につきましては、いわゆる行政手段として本当にそれが必要かどうかという観点、それから財政の制約とかいろいろな観点から我々は今後ともチェックしていきたいと思っております。
 その上で、中小企業海外展開ワンストップ支援センターの件でございますけれども、暫定予算で組んでいただいたわけでございますけれども、その後、震災が起こっておりまして、積極的であった企業も復興需要がふえたりして、外に向くより今は内向き対応に頑張りたいという企業も一部出てきたりしております。そういう状況がありますが、一方で、これからの日本は、やっぱりグローバル化していかないと企業はやっていけないだろう。それは中小企業、大企業限らないと思います。人口は減っていくわけでございます。パイが小さくなって、どんどん海外からの輸入も入ってくるという中では、打って出る人が一社でも多く出たほうがこの国のためにはいいと、私はそう思っております。
 そういう状況は変わりがないし、アジアでの地の利があるという状況の中で、当面、中小企業というのはいろいろなノウハウが足りない。かつ、ほかの団体、国、いろいろな機関がやっているだろうというお話は確かにあります。けれども、それぞれの分野、それぞれの役割ないしは得意なところでやっておられて、今までの経験から、私自身は帯たすきのところがあろうかと思っております。
 そういう意味で、そういった機関をネットワークでつないで連携を強化させる。その中心にこのセンターがいれば、お困りの中小企業がそこに行って、こういうことに困っているんだ、こういう力添え、支えがないだろうかといったときに、どうやって連携をしていくのかと。そういう意味でのネットワーク、連携強化、その中心のセンターという意味で役に立ちたい。そういう必要性、重要性は変わってないと思います。
 しかしながら、先ほど言いましたように、中小企業自身が国内に向かっているところもありますから、予算は通していただいておりますが、当面は中小企業の海外展開、その意識、あるいはその必要性、重要性というのをより多くの企業に認識していただくための作業、セミナーや企業訪問活動といったものに力を注ぎたい。その成果を踏まえて、他の機関が実施しておりますいろいろな事業、国際見本市とかもありますが、そういった事業との調整を十分しながらこのセンターの事業を考え、支援していきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 つまり、今まで出しておられた暫定予算のとおりの内容で進めていくということでしょうか。

◯小川 洋知事 基本的に進めていくということでございますが、スピード感覚と、当初いろいろ考えていたことが状況が変わったり、それぞれの役割分担の調整の結果、ダブりがありそうだったら、そこはお互いに仕分けをしてやっていくということはあり得るという前提でございます。

◯板橋 聡委員 そのときに具体的な見直しの条件といったものは設けられるんでしょうか。

◯小川 洋知事 ちょっと、今の御質問の見直しの条件というのはよくわかりませんが、要するに、重複があったりした場合に、完全に重複するんだったら、どちらがどうするかという話をしていくことになろうと思いますし、お互いに補完し合うんだったら、役割分担をうまく発揮して、一足す一が二以上になるような調整をすればいいと思っています。

◯板橋 聡委員 済みません、ちょっと私の言い方が悪かったみたいで。見直しというのは、例えば知事が先ほど言われたような効果が中小企業海外展開ワンストップ支援センターでなかなか見えづらい、あるいは今までのように民間にやらせておいたほうかよかった、県でやるほどのことでもなかった、あるいは県以外でやったほうがうまくいくのではなかろうかという事象が起こった場合、あるいは見受けられた場合に、どういうふうな時点でそういった判断ができるんでしょうかという質問です。

◯小川 洋知事 実際に予算の執行をして、関係者と協議会をつくって、これからどういう連携をしていくかということが詰まっていくわけでございます。あらあら事業の計画はあるわけでございますが、そういう中で申し上げたいことは、民間がやっているからこれは要らないだろうということにならないだろうと私は思っているわけです。
 先ほど言いましたように、私の経験からいくと、民間は銀行や商社などいろいろありますけれども、それぞれの御立場、なりわいから、ある一定の範囲、エリア、分野についてのいろいろな御支援をされているというところでございますから、そこはそれとして、その役割とこちらの役割が補完し合って連携強化を図っていくというニーズは変わらないだろうと思っております。

◯板橋 聡委員 済みません、これ以上やって細かいところに行ってしまうと、知事にわざわざ御質問することではないと思いますので。ぜひ見直しというか、常にその意識を持って、どの条件でどういうふうに見直すか、その時々の執行権者や課長、部長によって判断が変わるといったことがないような形でやっていただきたいと思っております。
 最後にもう一つ質問させていただきたいんですけれども、私自身、代表質問、一般質問、そして今回の予算特別委員会、本日の予算特別委員会を見るつけ、実は個人的には小川知事には好感を持っております。さまざまな質問にも真摯に耳を傾けて礼儀正しく、時折笑顔を見せ、やじにも反応するいい人だと。逆に言うと、人がいいとかいう言い方になるかもしれませんけれども、私が一有権者なら「知事ばそげんいじめんで」と思うかもしれませんが、ただ、議会に身を置く立場としては、逆に心配になります。
 というのは、先ほど申しましたとおり、これだけ暫定予算に政策的事業が、それも新規の政策事業というのが多数含まれております。数えましたところ五十四事業ございました。先ほど知事がおっしゃいましたとおり、暫定予算というのはもともとつなぎ予算のはずで、当面必要な経費とか緊要な施策をなすための予算が入るということなんですけれども、新しく知事もかわった、その上、三月十一日の大震災があって国内の状況も大きく変わってしまった中、こういうふうな多くの暫定予算があるということは、知事の構想だとか思いといったものを縛るものではないでしょうか。お考えをお聞かせください。

◯小川 洋知事 なかなか難しい御質問でございますが、厳しい財政状況、環境ではございましたけれども、私は私なりにめり張りのついた予算を出させてもらったと思っております。
 一つは県民幸福度日本一を実現するために、県民生活の安定・安全・安心を高めるための施策をちりばめたつもりでございます。それから、元気を西からと申し上げて、これからの東日本の復興とその間のこの国の国力の維持のために福岡県が貢献をしたいという思いで、まず福岡県を元気にしたい、経済を活性化したいと申し上げたわけでございます。
 そういう形で、その他いろいろ本会議、あるいは委員会の質疑で答弁させていただいたわけでございますけれども、そういった形で、自分としての思いは込めることができた予算だと思っております。
 その上で、暫定予算についてでございますけれども、議会で二月に成立をしていただいたわけでございます。これについては、私もいろいろ見ました。精査をしました。行政の継続性というのがございまして、中小企業、農林水産業の振興、子育て支援とか教育、さまざまな分野で継続すべき事業について私は継続したつもりでございますし、拡充強化すべきところは足したつもりでおります。そういう意味で、暫定予算が全部私の手を縛った、足を縛ったという思いはしておりません。

◯板橋 聡委員 思いは非常によくわかりました。とはいえ、まだ今回は暫定予算、しかも知事になられて一年目ということでございます。来年度はぜひこれぞ小川カラーと思えるようなオリジナリティーと力強さにあふれた予算、事業を立てていただいて、福岡県のために頑張っていただきたいというエールを送って私の質問を終わらせていただきたいと思います。(拍手)

平成23年度予算特別委員会質問「県立高校の魅力向上について」

◯板橋 聡委員 皆さん、こんにちは。自由民主党県議団の板橋聡でございます。
 きょうは県立高校の施設整備と魅力づくりというテーマで質問させていただきたいと思います。同じようなテーマで、先ほど古川先生、伊豆先生と質問されておりますけれども、ちょっと違った切り口でいきますので、ゴール間近ではございますけれども、聞き流すことなくよろしくお願いいたします。
 私は昭和六十一年に、地元の福岡県立山門高校を卒業いたしました。入学したときの校長は、新高教組、現福岡教育連盟初代委員長の永田校長先生でした。鍛えて育てるをモットーに、先生方は早朝、放課後、夏休み、冬休み、春休み、補習授業を行っていただき、塾や予備校なんかが少ない田舎ではございましたけれども、しっかりと鍛えていただきました。今の私があるのも県立山門高校のおかげだと、心から感謝しております。
 一方で、昨今の少子化のために、今後、高等教育は大きな岐路に立っており、その視点で今回、県立高校の施設整備と魅力づくりをテーマに質問させていただきたいと。
 まず、一番大切な安心・安全ですけれども、県立高校の耐震化について質問させていただきます。今年度、耐震調査費と建設費で約五十九億円余りが計上されていますけれども、耐震化に関する今後のスケジュールをお示しください。

◯新村雅彦副委員長 辰田施設課長。

◯辰田教育庁施設課長 耐震化につきましては、平成十九年三月に県有施設全体につきましての耐震対策計画が策定されております。その中で、平成十九年度から二十三年度までの五カ年間で耐震診断の実施を終えまして、その後、平成二十七年度までに県立学校全体の耐震化を完了する目標で現在取り組んでいるところでございます。

◯板橋 聡委員 ありがとうございます。二十七年度までにこれをすべて完了させていただくということで、耐震化は順調に予算化され進んでいるということでございますので、安全・安心という最低限の部分はしっかり守られているのかなと感じました。
 一方で、こういったところに予算をしっかりかけて進めておられるので、逆に施設整備などによる学校の質的向上だとか、あるいは魅力の向上などを図られるような事業に、予算が不足して困っているという点はございませんか。

◯辰田教育庁施設課長 委員御指摘のとおり、本県は福岡県西方沖地震等もございましたので、現在は耐震化に特化して重点を置いて取り組んでいるところでございますが、それとともに施設の劣化も進んでいるところでございます。したがいまして、耐震補強工事または改築等を行う中で、そういった老朽化した建物の整備についても可能な限り対応しているところでございます。

◯板橋 聡委員 老朽化は安全・安心のところなので、それよりも一歩進んだ学校の魅力づくりだとか教育の質的向上を図るための設備の充実、こういった事業に対しての予算が不足するというか、なかなかそういったところまで回らないのではないでしょうかという質問です。

◯辰田教育庁施設課長 学校のいろいろな改修工事等を行う際、また整備する際には、毎年ヒアリング等を行いまして、学校の要望を踏まえながら進めているところでございます。委員御指摘のとおり、学校の要望をすべて満たすというわけにはまいりませんけれども、できるだけその中でプライオリティーをつけまして、必要とする、整備すべきものは整備するという方針で臨んでいるところでございます。

◯板橋 聡委員 わかりました。というのも、今後、少子化のために中学校の卒業者数がどんどん減っていくわけですね。これから十年、全県下で約五%、私が住んでおります筑後地域で一五%、卒業した学校でございます県立山門高校が含まれる第十学区においては一九%、約二〇%も中学校卒業生が減少すると。この状態を見て、何が問題だと考えられますでしょうか。教育長、お答えください。

◯新村雅彦副委員長 杉光教育長。

◯杉光教育長 例えばの話で、委員が住んでいらっしゃるところの十学区は、相当な率で少子化が進むと。そういう中で学校が小規模になっていく。小規模化した場合、いろいろ教育活動に支障が出ると。そういう中でどういうふうにして学校の特色を出していくかというのが、今から非常に重要になるんじゃないかと考えております。

◯板橋 聡委員 それはちょっと違うと思うんですね。子供が減るということは、今までより高い質の教育が施されなければ、つまり少数精鋭で鍛えていかないと、これを目指さないと、国ならば国体と言うんでしょうけど、県体という言い方をさせていただきますと、県体の維持が難しくなると。つまり、県の活力が失われるということが一番問題になってくると思います。
 そこで、県立高校の役割というのは何ですか。

◯新村雅彦副委員長 千々岩企画調整課長。

◯千々岩教育庁企画調整課長 まず高等学校教育の役割でございますが、こちらは国の学校教育法等々に規定がございまして、義務教育の基礎に立って、豊かな人間性、創造性及び健やかな体を養い、国家及び社会の形成者として必要な資質を養っていくこと、これがまず高校教育の目的という形で求められておるところでございます。
 それを踏まえまして、県立学校の役割ということでございますが、こちらは県内において教育の機会均等を図っていくということが大きな使命でございまして、これによりまして本県及び各地域の将来を担っていく人材を養成していく、これが大事と考えているところでございます。

◯板橋 聡委員 まさに、本県及び各地域の将来を担う青少年の育成を図るということだと思います。
 県立高校と私立高校の役割や期待されている内容についての相違を教えていただけますか。

◯千々岩教育庁企画調整課長 私立学校につきましては、それぞれの建学の精神に基づきまして、独自の教育内容、方法を工夫した教育活動を行っておるところでございます。
 一方、県立高校におきましては、地域や県民のニーズを踏まえ、進学希望者の幅広い学校選択が可能となるよう、さまざまなタイプの学校を設置しておるところでございます。また、県内各地に広く県立高校というものは設置されておるところでございますので、長年にわたり、それぞれの地域の精神的な支柱の一つとして、あるいは地域コミュニティーの各地域の活力の源としての役割を果たしていると認識しております。

◯板橋 聡委員 本当に私もそう思います。それぞれの地域の中で、長いこと県立高校がその地域に根づいてやっている、その地域の精神的支柱だったりコミュニティーの核、地域の活力源としての役割、こういったものだということがやはりなければいけないと。
 一つちょっと聞いてみたいのが、こういった考え方というか、県立高校とは何ぞやということに関する理解は、どのくらい現場のほうに浸透しておりますでしょうか。そういったことが行われているかどうかも含めて教えていただけますか。

◯新村雅彦副委員長 吉田高校教育課長。

◯吉田教育庁高校教育課長 県立高校の基本的役割という話でございますけれども、県立高校に採用される教員すべてに対して、初任者研修を一年間継続的にやっております。その中身を確認しましたけれども、そういったものはちょっと見当たらなかったと。それから教育委員会においては、毎年県の教育方針、目標を定めた福岡県の教育施策を作成し、これを全校、それから全教育委員会に配っておりますけれども、その中にはそうしたことについて言及した部分は見当たらないという状況でございました。

◯板橋 聡委員 正直なお答えありがとうございます。私は思うんですけれども、先ほど言っていただきました県立高校何ぞやというところ、これこそが県立高校に携わるすべての人々、もちろん教育庁の皆さんもそうですけれども、現場の先生なんかも共有すべき、県立高校の綱領であり理念であり哲学だと僕は思うんですね。
 今までいろいろな質問の中で、こういうふうな教育はできないか、もっとユニークな特色のあるなんていう中で、こういうカリキュラムがありますよ、こういうプログラムがありますよというような存在はよく理解できました。ただ、これは自動車メーカーに例えればセールスマンが持っているセールスマニュアルみたいなもので、メーカーとしてどういった理念で社会貢献をして、モータリゼーションが文化の中でとかいう、そもそも何でそこに我々がいるのか、我々が教育を施しているのか、やっているのかという社是みたいなものがなければ、県立高校全体の本当の発展というのはあり得ないんじゃないかと私は非常に強く思っております。
 こういった理念とか綱領、哲学があった上に、それぞれの学校で校訓などがつくられて、学校の特色が出て、それぞれの教育者においてはそこに個性があって、多様化する教育に対応することができると思いますけれども、まずはこの県立高校において、県立高校とは何ぞやという理念、哲学、こういったものを徹底させるような仕組みを検討できないでしょうか。教育長、お答えください。

◯杉光教育長 県立高校の理念ということについて、福岡県というものがやはり基盤にあるわけですから、各学校は福岡県の特色を生かして、それぞれの地域での県立高校の目指すべき生徒、そういうものをもとに校訓をつくっております。ただ、委員が先ほど言われましたように、校訓のもととなる県立学校の校是といいますか、言われてみれば、そういう明確なものは何なのかと問われたときに、やはり我々が考えるのは、あくまでも教育四法なり学校教育基本法なり、その中で高等学校の教育目標として掲げられているものの総称にしかすぎないんじゃないかというようなこともありまして、やはり福岡県としての県立学校校是みたいなものを、いま一度立ちどまって考える、それを例えば教育施策の中にうたい込んで、それを各学校のほうに教職員を含めて周知していただくという方策も必要ではなかろうかと考えております。

◯板橋 聡委員 ぜひ、これは県の税金を使ってやっていることなので、こういうことを前向きにしっかりやっていただきたいと思います。お願いします。
 先ほど申していただきましたとおり、県立高校が地域の各コミュニティーの活力源となるために、やはり地域に溶け込むような施策も必要なんじゃないかと。県立高校はここ何年か、百周年を迎える高校が非常に多うございます。私の出身高校も来年百周年を迎えますし、近隣の高校でも百周年を迎えた高校、これから迎える高校がたくさんございます。そういったときに、やはり地域に溶け込むためのハード的な整備、魅力づけをするような手だてをぜひ考えていただきたい。例えば今でも、学校の発展につながるように地域の方にグラウンドを貸したり、あるいはうちの高校なんかは、花火大会のときには観客席にグラウンドを開放したりとか、いろいろなことをやっております。
 そういったコミュニティーを形成する中で、例えばクラブハウスのようなものをつくるとか、施設を利用しやすくなるような設備を、これは県からの押しつけというわけではなく、学校それぞれの事情というのがあると思います。その事情の中でも非常に大きな役割として、県立高校が地域のために根づいていくんだということがあれば、ぜひこういった地域のコミュニティーセンターとしてのハード機能を持たせるような方策を検討していただければと思いますけれども、所見を伺えますか。

◯辰田教育庁施設課長 学校の改築や大規模改造等の工事を行うに当たりましては、各学校の教育活動や特色、そういう生徒の実態等を考慮しつつ進めていく必要があろうかと思います。その際、各学校の教育活動が快適かつ効率的に行われるよう、最大限に配慮すべきものと考えております。
 なお、委員御指摘のとおり、現在においても各学校の判断によりまして、教育活動に支障の生じない範囲で地域への開放を行うなど、施設の有効活用が図られているところであります。

◯板橋 聡委員 その中で、ぜひこういった部分も検討して、前向きにやっていただきたいと思っておりますけれども、教育長、コメントいただけますでしょうか。

◯杉光教育長 県立高校もそうなんですけど、学校施設の最大の目的というのは、生徒たちの安全・安心、あと教育活動が最大限発揮できることで、そのために学校施設の整備をやるというのが第一の目的でございます。しかしながら、教育活動をする中において、やはり地域との連携といいますか、地域と一緒になっていろいろな活動をやっていくというのも教育活動の一環でございますので、そういう形での施設整備というのも今後は出てくるかと思います。まずは耐震化に向けて安全・安心を確立した後にそういった検討もしていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 プライオリティーは十分私も理解しております。ただ、古くからある藩校と呼ばれる学校は、非常に地域の信頼も厚い。地域の方もその学校を愛していらっしゃる。県立高校も百年たっております。百年もたてば同じような信頼を得て、地域の方から愛され、一緒に育っていくようなものをぜひ目指していただければということで、そういった施設をつくったりして、地域の方が使いやすくすることは、税金の使い方として目的にかなっておると私は思いますので、ぜひ今後、優先順位を考えながら、前向きに進めていただければと。
 そして最後ですけれども、先ほど申し上げましたとおり、これから少子化が進んでいくと、私立学校も含めてもともと学校数が少ない地域において県立高校というのが存続するには非常に大変な努力をしないと、魅力を持ってやっていかないと大変だと。万々が一、県立高校がその地域からなくなって、田舎のほうにだんだんそういった教育施設がなくなると、これは先ほどの県立高校の役割、県立高校とは何ぞやという大前提、理念、これに立って考えれば、その地域の知の砂漠化が起こってくるということだと私は考えております。そういった意味では、県としての活力を維持するためにも、そういった都会である、地方であることと関係なく、知の砂漠地帯をつくってはいけないと考えております。この思いを教育長、共有していただけますでしょうか。

◯杉光教育長 県立学校はそれぞれ長い歴史を持った学校であります。地元の県立高校を卒業した方々がその地域のリーダーとして活躍されています。そういう意味においても、地域人材を県立学校から今後とも生み出していくという意味においても、県立学校の存続のための個々の学校の活性化は、ぜひ県の教育委員会としても全面的に支援をしていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 ありがとうございます。しっかり共有させていただいたと思っておりますので、地域と育つ県立高校、そしてその生徒、ハード、そしてソフト、この両方をしっかり充実してぜひ頑張っていただきたいと思いますので、最後にその意気込みをもう一度聞かせていただけますか。

◯杉光教育長 学校教育、公教育と言われる中にも、私立学校もあります。公立学校もあります。私立学校はそれぞれの学校の建学の精神に基づいていろいろ特色化等に励んでおられますけど、やっぱり県立学校は公がつくる学校として、公の人間を育てていくということが課せられた使命じゃないかと思いますので、今後とも県立学校の活性化につきましては精いっぱい頑張っていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 ありがとうございました。ぜひ頑張ってください。
 これできょうの私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

平成23年度予算特別委員会質問「有明海高潮対策について」

◯板橋 聡委員 おはようございます。自由民主党県議団の板橋でございます。本日もさわやかに質問させていただきたいと思います。
 有明の高潮対策事業に関して質問させていただきたいと思います。
 昨日、我が会派の後藤議員が、海抜ゼロメートル地帯の道路整備ということで、社会資本整備と防災に絡めて質問されておりました。私も似たような関連の質問でございます。
 三月十一日に東日本大震災が起こりました。そのときの津波の映像、そして、真っ赤に縁取られた大津波警報が全国に引かれました日本地図がテレビの右下には流れておりまして、私自身は有明海にほど近いみやま市というところに住んでおります。その地域は余り災害もなくて、のどかなところではあるんですけれども、きのう後藤議員が要求された資料の中でも、海抜三メートル以下のエリア、この資料でもおわかりになられるとおり、この青い部分というのはほとんど半分ぐらいが有明海の沿岸のほうに集中しておりまして、この青いところから毎日、福岡市内まで通っておるわけでございます。
 そういった意味で、津波ということを考えたときに、有明海というのは一体どんなことが起こるんだろうということを改めて考えさせられ、また有権者の方々も、有明海はどうなんだろうかと非常に今不安に思っていらっしゃるということがこれからの質問の前段にあるということをどうぞお踏まえの上、お答えいただければと思います。
 そこで、まず質問させていただきます。有明海におきまして、今、高潮対策事業というのが行われております。こちらに関して教えていただければと思いますが、その前に委員長、有明海の県内の高潮対策事業に関する説明資料を要求させていただければと思いますので、お取り計らいをお願いいたします。

◯今林 久委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯今林 久委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。池永河川課長。

◯池永河川課長 直ちに提出できます。

◯今林 久委員長 正副委員長に確認させてください。
    〔資料確認〕

◯今林 久委員長 委員席に配付を願います。
    〔資料配付〕

◯今林 久委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 では、この資料に基づきまして、有明海におきます県内の高潮対策事業、どういったことが行われているか御説明お願いいたします。

◯池永河川課長 資料について御説明申し上げます。
 まず、有明海沿岸における高潮対策事業でございますけど、この沿岸におきましては、県と国等の管理者で対策事業を行っております。具体的には、この資料のほうをごらんいただきまして、資料の右端のほうに凡例を書かせていただいております。赤いラインが福岡県の河川事業、黄色が福岡県の海岸事業、あと緑が国土交通省の河川事業、ダイダイ色が農水省の海岸事業で、高潮対策事業をやっております。
 具体的に、まず福岡県の河川事業でございますけど、図面の左端のほうになりますが、沖端川、それからそのすぐ右の塩塚川という河川で高潮対策事業を実施しております。それから福岡県の海岸事業でございますけど、今申し上げました沖端川と塩塚川のすぐ海岸端と申しますか、そこの柳川海岸、そのすぐ右横の大和海岸、一つ川を越えたところの高田海岸というところでやっております。それから、国土交通省におかれましては、一番左側の筑後川と書いています、ここに緑のラインがございますが、そこと、あと真ん中ぐらいに矢部川というところがございます。そちらで高潮対策事業をやっております。それからあと、農林水産省の所管事業でございますけど、左のほうから筑後川の河口付近で、昭代工区と書いてございますが、昭代干拓海岸、それから一つ川を飛んで大和干拓海岸、それからその対岸の三池干拓海岸というところで事業を実施しております。事業の中身につきましてはそれぞれ同様の中身でございまして、堤防の高さをかさ上げしたり補強する内容となっております。

◯板橋 聡委員 そういう意味では、堤防の高さをかさ上げすることで、基本的には高潮対策ではございますけれども、これは津波等々に関しましても何らかの防災効果が見込めるという理解でよろしいでしょうか。

◯今林 久委員長 田沼港湾課長。

◯田沼港湾課長 現行のアセスメント調査では、有明海沿岸におきましては、波高、波の高さでございますが、一・五九メーターの津波を想定しております。その高さは、現在実施しています高潮対策事業の計画天端高七・五メーターよりかなり低い想定となっているところでございます。

◯板橋 聡委員 有明海におきましては、過去の大きな津波というのは、一七九二年に普賢岳が噴火した際、眉山という山が崩壊して、その崩壊した土砂のせいで熊本のほうに高さ約十メートルの津波が起きて、一万人の方が亡くなったという記録がございます。そういう中で、それ以外に有明海のほうで過去大きな津波というのは記録としてございますでしょうか。

◯今林 久委員長 山野総務部長。

◯山野総務部長 津波の想定ということですので、私のほうから答えさせていただきます。御指摘のとおり、眉山崩落で十メートルというのが熊本で観測されたことがありますが、一九六〇年のチリ沖地震のときに阿久根市で、先ほど港湾課長からありましたように一・五九メートルが来ておるわけでございます。それ以外につきましては、近年で大きなというのは、ちょっと私ども把握しておりません。東北地方沖地震のときも阿久根市で五十センチ程度ということでございまして、その程度の津波だと考えています。

◯板橋 聡委員 記録としては余り残っていないということですけれども、実は私の祖母の実家が、柳川の両開というところにございます。これは旧柳川村の六十丁、今でいう大浜町というところでございますけれども、ここが昔、明治のころに払い下げられた堤防をもとに高台をつくって、高台の上に家を建てているそうなんですね。ですから民間伝承レベルでは、有明海の沿岸というのは津波警戒地域であると言ってもよろしいのではないかと考えております。
 そういった中で、一・五九メートルが津波としての想定だということで、私自身、これは単純に質問なんですけれども、有明海は、地震が起こったときの津波という意味では内海でございます。津波というのは、波が波形をつくることによってできてくるわけなんですけれども、こういった内海における津波というのは、物すごい高さの津波になってしまうんじゃないかだとか、いろいろな見解があると思いますけれども、そういったことに関して、今、県としての情報はお持ちでしょうか。見解はお持ちでしょうか。

◯山野総務部長 今回の東北の大地震におきましても、リアス式海岸ということで、相当波が内海に入った後、高くなっているという現象が生じていることは承知しております。ただ、有明海でどのような波の流れになるのか、震源がどの辺にあってどのような動きになるのかということについて、詳細を私どもでは把握してございません。

◯板橋 聡委員 詳細は把握されておらないということなんですけれども、今後その詳細というのを把握される予定はあるんでしょうか。

◯山野総務部長 実を言いますと、平成十八年に西方沖地震のときにアセスメント調査をやりました。その際には、ちょっと読ませていただきますと、「有明海一帯における津波の危険区域は、堤防施設が十分に高く、津波が入りにくいこともあって、災害予測結果からは危険区域は生じないとされる」ということが、そのときのアセスメント調査の結果でございました。
 これにつきましては、本議会、予算委員会でも御質問がありましてお答えいたしましたが、実際どのような想定で津波が起きるのかということについて、改めてアセスメント調査をやる必要があるだろうと思っております。その際にさまざまな想定が出てくると思いますので、その知見を得ていきたいと思っております。

◯板橋 聡委員 そういった意味では、ぜひお願いをしたいんですけれども、最悪のシナリオと、まあ想定内・想定外というのに関してきのうも議論がございましたけれども、いろいろなシナリオが考えられると思うんですね。その中で、例えば最悪のシナリオという意味では、有明海は非常に潮の干満の差があると。高潮もあると。地震の津波がそこに起こって、さらにそこに普賢岳が噴火して山体が崩壊したらとか、そういうことを考えたら、一体何メートルの津波が起きるのかなんていうところは、なかなか想定しづらい部分もあるのかなとは思いますけれども、単に地震だけではなく、そういった過去の事例も含めてしっかりと、防災計画の見直しの際には考えをめぐらせていただきたいと思っております。
 というのは、こういったことをどこまで公共事業でカバーできるのかという難しい判断があると思いますが、ちょっと私の思いではあるんですけれども、去年、実は母が心臓のバイパス手術を受けましてね、生死の境をさまよったと。その際、執刀医の先生に質問を、「一体この手術の成功率はどのぐらいですか」と聞いたら、その先生は「言いたくない」と。なぜかと。それは九九%成功するとしても、残りの一%にその人が当たってしまえば、その人の一生はそれまでなんだと、だから、そういったことは私は言いたくないんですと。それを聞いたときに、母含め私の家族も、ぜひここで手術を受けようと、これでだめだったらしようがないじゃないかとあきらめがつくという決心を家族でしたという記憶がございます。
 そういった意味では、県民の命を預かるという立場に皆さんいらっしゃるわけで、千年に一度、一万年に一度の災害であっても、そのときに起こったらそれがすべてになってしまうということはしっかりと胸に刻んでいただきたいと。そういう意味で、防災計画の見直しをどのようにやられるか、その覚悟を山野部長、お願いいたします。

◯山野総務部長 想定内、想定外のいろいろな災害、被害に対してどういうふうに対応していくかと。これは実は本県でも非常に悩みでもございますし、国家的にこのような災害が起きた中でどういう対応をしていくのが一番いいのかというのが、国レベルでも議論されております。
 中央防災会議の中間報告が六月末に出ておりますけれども、この中では、ハード・ソフト両方を組み合わせて総合的な対策を打っていこうという中間報告が出ております。本県の防災計画の見直しに当たっても、そういったことを踏まえて、ソフト・ハード、これはどちらが欠けてもいかんと思っておりますので、どのように総合的に組み合わせながら効果的な防災対策がとれるのか、これを防災計画の見直しの中でしっかりと検討していきたいと思います。

◯板橋 聡委員 また、その防災計画の見直しを受けまして、技術的なところで実際の防災の対策を打たれる、これが県土整備部の役割になってくると思います。今既に高潮対策で大きな県費が有明にはつぎ込まれているという現状もございますが、今まであった高潮対策を生かしながら、津波対策も含めた予算をしっかり組んでいただいて、私どもが安心して、ここまで県がやってるんだったら安心して住めると、これで何かあったときはしようがないねと思えるぐらいの対策をしっかりと立てていただきたいと住民一同思っている次第ではございますが、増田部長、ぜひ今後の有明海沿岸の高潮を含めた災害対策、ここを防災計画の見直しを受けて、どのような覚悟で挑まれるかというところをお示しいただけますでしょうか。

◯今林 久委員長 増田県土整備部長。

◯増田県土整備部長 津波・高潮対策でございますけれども、先ほど総務部長からも答弁ございましたように、まず施設整備をする側としてはどのように想定をするのかというのは非常に大事なことでございます。その上で、ハードでどこまで対応する、それからソフトをどう組み合わせるということをしっかりと内部で議論して、ハードで対応する部分についてはしっかりとした対策を立てたいと思いますし、御指摘のありました高潮対策の事業で既に施設がある程度できていますので、そういうものの活用については、当然その中の選択肢として検討すべき課題だと思っております。

◯板橋 聡委員 この地域は非常に海抜も低く、あの映像を見た住民たちは非常に不安に思っておりますので、今後の高潮対策を含め、津波対策という部分も加味して、しっかりと予算を立てて、県民の安全・安心を守るよう努力していただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。(拍手)

平成23年度予算特別委員会質問「中小企業海外展開支援について」

◯板橋 聡委員 おはようございます。自由民主党県議団の板橋聡でございます。
 本日は、中小企業海外展開ワンストップ支援センターに関して質問させていただきたいと思いますが、質問の前に資料を要求させていただきたいと思います。まずは、中小企業海外展開ワンストップ支援センターの概要及び福岡県が関与しております中小企業振興関連の組織及びその概要の一覧、また、福岡県の海外事務所及びそのスタッフの内容、こちらにつきまして要求させていただきたいと思いますが、お取り計らいをお願いします。

◯今林 久委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯今林 久委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料について提出できますか。合野国際経済観光課長。

◯合野国際経済観光課長 直ちに準備できます。

◯今林 久委員長 はい、見せてください。
    〔資料確認〕

◯今林 久委員長 事務局は資料を配付してください。
    〔資料配付〕

◯今林 久委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 私、前職は総合商社に勤務しておりました。国内が人口減少状態に突入し、市場が飽和する中、国内企業が今後、市場や成長の場を海外に求めていくのは自明であります。実際、商社及び地銀などは国内中小企業の海外展開、海外進出、こういったサポートを新たなサービスとして本腰を入れて取り組み始めておるところでございます。そんな中、福岡県が中小企業の海外展開ワンストップ支援センターという事業を予算計上されているということなので、質問させていただきます。
 まず、このワンストップ支援センターの設立目的は何でしょうか。

◯合野国際経済観光課長 今、委員御指摘のとおり、県内中小企業の成長には、伸びゆくアジアへいろいろと展開をしていくということが喫緊の課題であるという認識のもと、こういう中小企業の方々に積極的に情報提供等を行い、海外展開をスムーズにいくように支援していくための組織でございます。

◯板橋 聡委員 ということは、主な役割としては情報提供ということでしょうか。そして、情報提供のみで海外展開がスムーズに行われるとお考えでしょうか。

◯合野国際経済観光課長 中小企業白書によりますと中小企業の八割、中小企業振興センターの調査によりますと県の六割の中小企業がまだ海外展開を行っていません。それで我々としましては、行っているところは当然いろいろな失敗もあるでしょうけどやっているというところで、こういうところをターゲットとして、啓発といいますか、海外展開の成功事例等を企業の皆さんにお示ししながら、海外に出ましょうという掘り起こしのところから、さらに情報の提供を行っていくと。さらには、その後に具体的なカウンターパートの紹介等を、政府間でMOAを結んで支援していく、現地のほうでサポートしていくというふうなワンストップでのサービスを考えております。

◯板橋 聡委員 お話を聞いていますと非常にウイングが広い話だと思いますけれども、この資料のセンターの概要で、運営主体は「中小企業海外展開ワンストップ支援協議会」となりますと。この協議会というのは一体何者なんでしょうか。

◯合野国際経済観光課長 これは中小企業のそういった海外展開を支援する応援団といいますか、アドバイザーを含めたところの連携機関ということで、主な自治体と経済団体、それから主な企業等を構成メンバーとする、中小企業のアジア展開を支援する応援団であり、協力機関、アドバイザーと考えております。

◯板橋 聡委員 応援団と言うと非常に聞こえはよろしいんですけれども、応援団も腹が減ってはなかなか応援もできんということで、予算が計上されていると思いますが、このセンター概要に関する予算というのはお幾ら計上されていますでしょうか。

◯合野国際経済観光課長 設置費、いろいろな人件費等、あとアドバイザー等、事業費を含めまして三千五百万円です。

◯板橋 聡委員 この三千五百万というのは県の予算という理解でございますけれども、このワンストップ支援協議会が運営しますワンストップ支援センターは総額で幾らぐらいの運営費を考えていらっしゃるんでしょうか。

◯合野国際経済観光課長 運営費というのは事業費以外のところという考えでよろしいでしょうか。運営費は二千七百万円です。

◯板橋 聡委員 ごめんなさい、ちょっと質問の内容がよく伝わっていなかったと思うんですけれども、三千五百万円がこのセンターの事業の予算として、県として上がっておりますが、じゃあ、協議会ということで、いろいろな団体が加わる、設立に向け協議中となっておりますけど、このほかの団体が負担したりして全体でこのセンターを運営するのに年間で幾らぐらいかかるかを教えていただけますか。

◯合野国際経済観光課長 この事業に関しましては県費のみで、この協議会等の団体からの負担金は求める予定はございません。

◯板橋 聡委員 ということは、これは完全に県が主導する事業ということでよろしいでしょうか。

◯合野国際経済観光課長 はい、そうでございます。

◯板橋 聡委員 そうしますと、このワンストップ支援センターというのが立ち上がって、今いろいろ合野課長が言われましたとおり、県内の企業の掘り起こしから情報提供、そして海外への紹介といったことをやっていきますということでございますけれども、これは今既にいろいろな商社及び地銀が行っています。具体的には、三菱商事も三井物産も伊藤忠商事も、そして地元の地銀で言えば、福岡銀行も西日本シティ銀行も行っています。こういった商社、銀行なんかが行っています中小企業の海外進出展開の支援との違いとは一体何でしょうか。

◯合野国際経済観光課長 委員御指摘のとおり、商社、銀行等も一部やられております。私どもはこれを立ち上げるに当たりまして、複数の商社、銀行等、その他のいろいろなコンサル会社等にヒアリングを行いました。確かに商社もやられていますが、十分リターンとか、そういうことを、収益性を含めまして広く中小企業にやっている状況ではないと。それと、銀行さんに関しましては、確かに最近、特に地銀等は海外展開支援ということでやられていますが、それはやっぱり融資絡みや顧客をターゲットにした支援だと聞いております。

◯板橋 聡委員 ちょっとわかりにくいんですけれども、県でなぜやらなければいけないかと。民間で今一生懸命やっていますと。融資絡みだとか言いますけれども、民間が今やっていることは、これをやることによって商社も銀行も収益が上がると。もちろん進出した企業はそれによってまた収益を上げていくと。これは非常に当たり前のことを当たり前のように民間がやっていると。これを県でわざわざやる理由がよくわからないので、それを御説明いただけますか。

◯合野国際経済観光課長 そういう対象外のところ、先ほど言いましたように、調査の結果、全国の中小企業の八割、県でも六割がやっていないということですので、我々としましては、県として当然、全然だめだという前提でやるんじゃないんですが、銀行さんの顧客でもない、商社等の支援もないようなロットだとか、そういう企業さんも含めて幅広く掘り起こしをやりながら、まだ全然そういうところをやったことがない企業さんにも、いろいろな啓発等をやりながら広げていくところが、県の役割というふうに思っています。

◯板橋 聡委員 一番最初におっしゃいました、県内企業の六割がまだ海外展開をやっていないということでしたけれども、逆に言うと、私は県内企業の四割がもう海外展開をやっているのかと思ってびっくりしました。つまり、残りの六割やっていないところは全部やらなければいけないのかと。やっても採算がとれない、あるいは、わざわざ行かなくても十分国内でやっていけるところもいっぱいあると。そういったところが今の銀行だとか商社のサービスにひっかかってこないということを、わざわざ県でやるということがよく理解できないんですけれども、それをちょっと説明していただけますか。

◯合野国際経済観光課長 ちょっと説明足らずで申しわけありません。先ほどの中小企業白書は全体の業種の八割ですけど、県の振興センターは製造業という対象で調査して六割でございました。
 我々は当然、製造業の六割というところもありますし、それ以外の小売業、サービス業と、例えば飲食店とかショップとか美容室とか、いろいろございます。そういうサービス産業とかも今後海外に出ていくチャンスがあると思いますので、そういうところへの支援も広げていきたいと思っています。

◯板橋 聡委員 まだ全然納得いかないのが、なぜそこまで、とにかく海外に出ていけ、出ていけと言うのはいいんですが、製造業の四割が今既に行っていると。これから行く計画をしているところもいっぱいあるでしょう。まだまだ体力的には厳しいので、国内で頑張った上で海外に行きたいというところもあると思います。そういったところを含めて、一体この支援センターがどこまで役に立てるのかが全然頭の中に入ってこないんですね。まあ、それはいいとして、それぐらい大きな構想を持っていらっしゃるという理解でよろしいでしょうか。

◯合野国際経済観光課長 恐らくまだ、中小企業の中でも、やっぱり言葉の問題やいろいろなところで、海外は怖いという先入観とかで動かれていないところが、ヒアリングをしてもたくさんあると思います。そういうところに対して声かけして、成功事例とかいろいろなところを御紹介しながら、国内にいても伸びないマーケットで、今からは海外で頑張っていこうというところを支援したいと思いますし、できる限り海外のネットワーク等も広げまして、すべて百点満点にはならないと思いますが、できる限りワンストップでサービスできるような広い意味での支援サービスセンターを考えております。

◯板橋 聡委員 もしそういう大志があられるのでしたら、それはそれで非常にいいことだと思うんですけれども、このワンストップ支援センターの概要で、場所を福岡市内にセンターを置きますと。これは何で福岡市内に置かれるのか教えていただけますか。

◯合野国際経済観光課長 県内で一番交通の利便がいいところだと考えています。

◯板橋 聡委員 県内はそうですけど、海外に展開するための支援をするのに、なぜ国内にわざわざ場所を置いて、スタッフを置く必要があるのかというのが全くわからない。サービス業も含めたいろいろな企業を、いろいろなところに連れていきたいという話であれば、私の昔の経験から言いますと、一番困るのは現地に行ってパートナーをどうするのかだと、そこがわからないから困っているところが多いと思うんですけれども、結局、この支援センターはそういう役割は果たさないということですか。

◯合野国際経済観光課長 支援センターは、我々は実は当課のほうで一部、海外支援、ミッション等をやっています。ただ、今回はその掘り起こしという意味で、例えばJETROさんには貿易に関しまして千四百件の相談が、電話とか実際の来場であっていると。そういうことで、我々は市内の出やすいところに、垣根を低くして、広く県の企業が相談に来やすい、情報をとりやすい場を設定したいと思っていますし、例えば成功事例の発表会をやったり、小セミナーをやったりしていくような掘り起こしのための中核機関であると考えています。
 委員御指摘のとおり、それだけでは当然だめです。海外にもしっかり事務所等がございます。あと海外でもいろいろな発掘をしていますが、海外でのアドバイザー、サポーターのネットワークをつくって、相談に来られて、その後実際に海外に行かれるときに、現地でもしっかりサポートしていこうと思っています。

◯板橋 聡委員 今予算に上がっているのは国内の話だけだと思うんですけれども、じゃあ、国内の掘り起こしはこの人数で一生懸命やると。そこから後のことは、例えばJETROだとかにお願いするという理解でよろしいんでしょうか。

◯合野国際経済観光課長 掘り起こしに関しましては、当然ここもやりますが、私ども国際経済観光課は一体的に活動してまいりたいと思っていますし、JETROさんは基本的に貿易アドバイザーということで、貿易相談の専門家を置いております。我々は貿易以外の投資、販売代理店契約等々のいろいろなことに対しての窓口として、さらにJETROさんにない部分や弱い部分を強化していくと。貿易についてはJETROさんと活動していくということをやっていきたい。

◯板橋 聡委員 今ずっと答弁を聞いておりますと、「いろいろな」「しっかり」といった抽象的な言葉が非常に多くて、果たしてこれを事業としてどこまで真剣に考えられているのかよくわからない。既に商社、銀行もそうですけど、JETRO、中小企業庁、中小企業振興機構、福岡貿易会、福岡商工会議所といった重立ったところだけでも、これだけの団体が、アドバイスからセミナー、商談会、信用調査、仲介、融資、ありとあらゆる中小企業の海外展開支援メニューを提供しているんですよ。これを、今言われたような非常にわかりにくい、ぼやっとした形で福岡県がわざわざやるのか、この理由がわからない。これは全く二重行政とか三重行政とかいったものに近い状況になっているのではないでしょうか。

◯合野国際経済観光課長 今、委員御指摘のいろいろな団体等につきましては、確かにセミナーや商談会をやられています。ただ、商工会議所にしても商談会、セミナーという出会いの場の設定だけで終わっておりますし、私はなるべく、今、中小企業でまだ海外に出ていないところが多い中で、いろいろなところが一生懸命、それぞれ競い合うようにやっていく必要があると思いますし、今までの中小企業の海外展開でももちろんやってありますが、すべて十分やられているとは思っていませんし、できれば県もそういうところでしっかり、まだできていないところをサポートできたらと考えております。

◯板橋 聡委員 いや、だから「できているところ」と「できていないところ」というのがよくわからないと。今最初にいただきましたこのセンター概要を見ている限りは、県内企業の啓発もビジネスマッチングも、県によるサポート──県によるというのは別ですけれども、このサポートなんかもすべての団体でやっているんですよ。福岡県のこの支援センターでしかできないのは一体何ですか。

◯合野国際経済観光課長 「しかできない」となるとあれですけど、例えば今、我々がずっと具体的な企業、例えば美容室のアジア展開でやっていこうとか、美容室の連中といろんなことをやっていたり、菓子メーカーとやっていたり、その中でやっぱり、そこら辺のところは今までそういう支援とか相談がなくて、我々が初めておつき合いさせてもらっているというところもたくさんありますし、あと、いろいろな事業の中で、県がそういう支援センターをつくってもらうことは非常に助かるという企業さんの声もたくさん聞いております。ということで、こういうところをやっていきたいと思っています。

◯板橋 聡委員 そういう意味で言うと、何でもかんでも県がやろうと思ったらできるわけですよね。それを無尽蔵に県はずっと予算をつけてやり続けていかなければいけないのかということを私は聞いているんです。やるなら生きた税金としてやっていただかないと、いやいや、足りないところがある、足りないところがあるって、それは足りないところはいっぱいありますよ。足りないところがあるからといって、まだ百点じゃないからといって、ずっとそうやって予算をつけ続けていかなければいけないのかと。しかも今回、これは人・場所、新たに設置しますよね。しかも協議会ということで、いろいろな団体が仲間に入ると。こうやってこういったものを設置した、あるいは人を置いた場合、将来的にこれを存続させることだけが目的になって、非常に税金が無駄に使われるんじゃないかと危惧するんですけれども、その点に関してはどう思われますか。

◯合野国際経済観光課長 存続だけということは考えません。当面しっかりやっていって、かつ日々改善、改良しなくてはいけないと思っています。例えば県の重点施策をやるときに、大体三年ごとにいろいろな検討だとか評価をしています。そういうこともきちんとやりながら見ていきたいと思っています。

◯板橋 聡委員 評価と言われますけど、この概要に関して、目的を書いていただきましたけれども、目標というのはないですね。三年後に評価すると言われますけれども、目標を置かないとおかしいと思うんですね。この目標というのは一体どういうことだと思われますか。

◯合野国際経済観光課長 例えば私たちが目標を今置いているのは、現段階でJETROさんの相談件数とかを調査しました。かつ、我々が今まで海外展開した企業数等も考えました。三年後には二千五百件相当の相談があって、目標としたら四十社程度、いろいろな意味での海外展開の支援ができたら、具体的に実現したらということを目標に掲げていきたいと思っています。

◯板橋 聡委員 これはすごく行政的だなと思うんですけれども。一般企業の場合、こういうときに三年、五年たちますと担当がかわったりしますね。尺度が変わって、見方が変わって、目標の価値がどんどん変わってくることを防ぐために、例えば新しく投資をするんだったら、そこでROAが二%、ROIが八%を達成しない場合は五年後に確実に撤退しますというふうな明確な数値目標をまず決めます。今、合野課長がおっしゃった話は、二千五百件の相談と。相談なんて、関連企業に電話してくれと言ったら二千五百件ぐらいかかってくるかもしれませんし、四十社いろいろな海外展開って、例えばセミナーに四十社連れていっても海外展開と数えられますよね。これは物すごくいいかげんだと思うんですね。
 それでもやりたい、一般企業の場合、熱意があってやりたいという人はいるんですよ。そういう場合、社長が何と言うかといったら、「課長、その気持ちはわかった、新しく会社を設立するから、おまえがそこに行って、もうかるまで帰ってくるな」と言われるんですよ。それぐらいの覚悟を持って物事を進めているかどうか聞きたい。
 もう一つは、過去十年で国際経済観光課の課長は何人かわりましたか。教えてください。

◯合野国際経済観光課長 まず目標四十件につきましては、セミナーとかじゃなく、具体的に貿易が始まったとか、代理店契約とか、そういうことを指しております。
 それで、課長は十年間で何人かといいますと、私で四人目です。それで決意といいますか、責任をとるかということですけど、私は長く国際経済観光課で業務していますが、責任のとり方というのはちょっと今表明できないんですが、福岡県の経済活性化には中小企業が伸びるしかないと確信していますし、この分野で本当に頑張るしかないと私自身思っています。精一杯これをやるしかないということです。

◯板橋 聡委員 その頑張る気持ちはいいんですけれども、じゃあ、合野課長がかわられて新しい課長が来られたとき、その頑張る気持ちって、どうやってちゃんと見直すの、という話だと思うんですね。責任の所在が統一できないと。
 約三年前、私は一会社員でございました。そのころ福岡県農産物通商というのが設立されました。その際に同じような議論が恐らく行われたと想像します。時を経ておととい、きのうの予算委員会でどうなったか。同じ懸念を、私はこの中小企業海外ワンストップ支援センターに抱くということでございます。これは当たり前なのかなと思います。
 何かだんだん話も堂々めぐりになりましたし、今聞いている限りはどうも、どういうふうな形でやっていくか、そういったことに関しても、詳しいことがまだちゃんと固まっていないんじゃないかと。これから一生懸命考えていくという姿勢なのかという気が非常にします。
 ちょっと視点を変えて聞いてみたいんですが、本予算は暫定予算として編成されておりますか。

◯合野国際経済観光課長 そうです。

◯板橋 聡委員 山野部長、暫定予算の定義について、地方自治法の解釈に基づいてお示しいただきたいと思います。

◯今林 久委員長 山野総務部長。
 逐条では申し上げられませんけれども、基本的な考え方については、予算の編成に間があくときに、義務的な経費、あるいは社会情勢等を踏まえて、政策的経費等について必要な予算を暫定的に計上するというものでございます。

◯板橋 聡委員 まさにそのとおりで、つなぎ予算と。人件費、事務経費など当面必要な経費のみの予算だと。ただ、その中で市民生活、県民生活に影響が発生しないような必要経費も計上すると。
 平成二十三年度の福岡県の暫定予算の編成概要にはこう書いてございます。基本方針の中で、厳しい経済情勢に対応するとともに、今後、本県を着実な成長軌道に乗せていく上で、緊要、つまり非常に重要で差し迫って必要な雇用・景気対策、中小企業や農林水産業の振興などを確実に進めるために必要な予算を措置するということだと思います。
 とすると、麻生知事がもし五選を目指して立候補されるのであったならば、この予算措置というのは政治的に理解できなくもないです。恐らく、おれはこれからこういうことをやるんだと強く示すための暫定予算というのは非常にわかりやすいと。ただ、二〇一〇年十月の時点で既に引退を表明されておりますね。そういう意味では、この予算が緊要な、非常に重要で差し迫って必要な中小企業振興対策でなければ、暫定予算のあるべき姿から逸脱していると言わざるを得ないと思いますけれども、山野部長、所見をいただけますでしょうか。

◯山野総務部長 暫定予算につきましては、二月議会で御審議をいただいたわけでございますが、その際に御説明しましたのは、義務的な、基礎的な経費についての四カ月分を計上すると。そのとき申し上げましたのは、依然として厳しい現下の雇用経済情勢を踏まえ、早期の景気回復に向け、県民生活に支障が生じることのないよう、必要な政策的経費について計上するという考え方で組みました。今お尋ねのワンストップ支援センターにつきましても、そうした観点から必要な経費として計上したものでございます。

◯板橋 聡委員 もしそうならば、この段階もう七月ですね、七月の段階でワンストップ支援センターというのはもっと煮詰められていなければおかしいと思うんですよ。今話を聞いている限りは、だれとやるか、どこでやるか、まだはっきりしていないと。どういったことをやるか、まだはっきり決まっていない。目標も決まっていない。これを暫定予算という形で果たして通してよかったのかどうかということもありますが、山野部長の御意見を聞いている限り、そういう必要があったんだと。ならば、これは商工部側の怠慢ということじゃないですか。

◯合野国際経済観光課長 これは特区でも重要なアジアビジネスをやっていくということで位置づけていまして、中小企業で実際に海外展開している企業は一〇%の雇用が伸びているという調査もあります。これをどうしてもやらなくてはいけないということで、目標を掲げて動いておりました。今、場所等いろいろ検討する中で、まだ決まっていない部分もありますし、委員御指摘のおくれていると言われれば、そこのところでまだ決まっていない部分もありますが、本当にこれを鋭意、早期の開設を目指して頑張っていきたいと思っています。

◯板橋 聡委員 頑張るとかいう話じゃなくて、具体的に暫定予算で通さなければいけないぐらいの話だったら、今まで何を決めてきたんですかと。それが決まっているから、今この予算の中で話ができることというのがきっとあると思うんですね。そうじゃなかったら、新規事業で暫定予算なんかに乗せるべきじゃないんですよ。今から出せばいい話なんですよ。これはどっちに問題があるんでしょうか。今までやっていなかったことに問題があったのか、暫定予算に乗せたことに問題があったのか、所見をお伺いできますか。

◯合野国際経済観光課長 今の動きについて、いろいろなところと調整する中で、例えばJETROさんと一体的に一緒にやっていけないかとか、そういう他の機関との調整とかがいろいろ入ってきました。最大限効率的にこれをつくるにはどうすればいいかということで、若干その事情が変わってきまして、今調整しているところもあります。

◯板橋 聡委員 いや、だから調整しているとかいう話だと、全く決まっていないというのと同じなんですよね。だから、私も本当にこの話を聞いていると、とりあえず暫定を通してしまえと。通してしまって、見直しますよとか、今やっていますよ、頑張っていますと言って、責任の所在も何となくあいまいなままこの予算が通ってしまいますね。来年、場所を借りたら家賃を払わなければいけない。人も出している。協議会といっていろいろな団体を呼んじゃったと。やめられなくなると。これはきのうの農産物通商会社と同じことを話しているような気がしてしようがないんですけれども。これは全く、ずっと話していても、「頑張ります」「いや、いろいろな調整が」と。これだと全く話がかみ合わないと思うんですよね。だから、何で今これをやらなければいけないかというのと、何で暫定に乗せたのかというのが全く矛盾しているんですよ。これをはっきりさせてもらわないと、ここから先ちょっと話ができませんよ。

◯合野国際経済観光課長 確かに、予定のところで場所も含めてやっていこうというところから、例えば、どうせならJETROが一緒にやりたいとかいう話だとか、いろいろなことが来ていまして、それらの調整等で当初の予定より若干おくれぎみではあります。そういった意味では非常に、じゃあ暫定でやれていないんじゃないかという御指摘のところもございます。ただ、私としましては、これを本当に早く立ち上げるように動かなくてはいけないと思うしかございません。

◯板橋 聡委員 いや、何を言っているんですか。一番最初に言われたじゃないですか。この事業は福岡県の単独の予算で、それだけでできますと言っているんですよ。JETROなんか関係ないんですよ、極端な話をすると。今すぐできるんですよ、福岡県だけで。そのために暫定で通してあるんですから、今やっていない、やれていないということは、おかしいと思いませんか。

◯合野国際経済観光課長 やれていないのはおかしいと思いますが、ただ、効率的に、何と言いますか、さあ、つくってしまえということもございますが、私としましては、どうせつくるならやっぱりきちっとしたものをつくりたいということがございまして、ワンストップという視点で考えたとき、関係機関とかと一緒にやっていくという要素も入ってきましたので、そういうことを含めて、最大限効率的にいいワンストップセンター、本当に機能的なセンターをつくることを考え、こういう状況になっております。

◯板橋 聡委員 また繰り返させていただきますけれども、だったら通常予算の中で計上して審議をされれば、全く問題ないことじゃないですか。何で暫定予算で組んで、認められたのに何もしていないで、今になったら、いや、よく考えてと、それが全然わからないんですよ。その点に関して、これ以上繰り返しても全く同じようなやりとりになるんでしたら、これ以上話が進められないと思うんですけれども。

◯今林 久委員長 執行部に申し上げます。
 板橋委員の質疑に対しては、その内容をきちんと把握した上で的確に答弁されますようにお願いします。塚元商工部長。

◯塚元商工部長 暫定予算でお願いいたしましたのは、先ほどから申しておりますように、やはりアジア市場を目指すというのが喫緊の課題だということでございます。暫定を認めていただきましたので、四月から早速活動を始めました。一番効果的に事業を進めるためにも、まず各方面との調整あるいはすみ分け、協議会設立に向けてのお互いの意識合わせ、ある程度の事前の調査、こういうものを含めまして、四月から活動しております。確かに場所につきましては、まだ交渉が調わなくて決定はしていないんですけれども、どういう考えでやるか、あるいはどういう目標を持ってやるかについては、四月から早速活動ができたものと考えております。

◯板橋 聡委員 結局、課長の言葉を部長が繰り返したとしか私には聞こえませんし、時間ももったいないですよ。何を言われているのかさっぱりわかりませんし、もし目標とかそういうのがあるなら、この概要にまずはっきり書かなければいけないと思うんですよね。そういうのもなしで、とにかくやりたい、頑張りますというだけだったら、これはきのうの農産物通商の話と全く同じで、とても私としては認められないような話だと思いますけれども、どうやって納得させていただけるんですか。

◯塚元商工部長 今るる御説明、御答弁を申し上げたつもりでございますけれども、もう一度きちんと考え方をまとめてお示ししたいと思います。しばらく時間をいただけますならば、早速調整をしたいと思います。

◯今林 久委員長 理事の方は委員長席のところにお集まり願います。
 各委員はこのままお待ち願います。
    〔理事集合〕
    〔理事協議〕

◯今林 久委員長 議事の都合によりまして、この際しばらく休憩します。
 再開は放送をもってお知らせします。
   午 前 十 一 時 四 十 分 休 憩
   午 後 五 時 四 十 六 分 再 開

◯新村雅彦副委員長 ただいまから委員会を再開します。
 休憩前に引き続き議事を進めます。塚元商工部長。

◯塚元商工部長 予算特別委員会の貴重な審議時間を空費させましたことをおわび申し上げます。
 先ほどの板橋委員との質疑の中で、県がやる意義や国内に設置する必要性について、さまざまな御指摘をいただきました。これらの御指摘を踏まえ、明確な目標設定の上、センターの運営を図ってまいります。
 目標設定につきましては、三年間で四十件、総額二億円の契約を目指して努力してまいります。また、商工部長として、センターについて三年後に成果を評価し、必要な見直しを行うことといたします。

◯新村雅彦副委員長 板橋委員。

◯板橋 聡委員 ぜひ、こういう生きた税金というか、すばらしい事業にしていただくように、商工部長としても責任を持って頑張っていただきたいと思いますが、同時に、こういった事業のチェック・アンド・レビューに関しては、ぜひ知事の御意見を聞きたい。また、こういった新規事業が暫定予算の中にたくさん入っていることを小川知事自身がどういうふうに考えていらっしゃるかという御意見をぜひ聞きたいと思っておりますので、知事保留質疑のお取り計らいをお願いいたします。

◯新村雅彦副委員長 ただいま板橋委員から申し出のありました知事保留質疑を認めます。
 なお、知事保留質疑は七月十五日金曜日に行う予定でありますので、御了承願います。

◯板橋 聡委員 ありがとうございます。(拍手)

平成23年度予算特別委員会質問「水産業の高収益化及び『元気な福岡農業作り推進費』について」

◯板橋 聡委員 自由民主党県議団の板橋聡でございます。
 本日は、水産業の高収益化ということにつきまして質問させていただきたいと考えております。
 一般質問でも申し上げましたとおり、県内各地において存在します所得格差や、それを原因とするハンディキャップを少しでも埋めるために、特に県南におきましては、主要産業でございます農林水産業の従事者の所得向上が急務であると考えております。これは、若年者就労促進や少子化対策にもつながる問題だと私自身は強く思っております。
 そこで、今回は水産業の高収益化について質問させていただきたく存じます。
 まず、現在、県内のノリ養殖漁家の件数及び生産規模を教えてください。

◯新村雅彦副委員長 有江水産振興課長。

◯有江水産振興課長 有明海のノリの養殖漁家につきましては、七百六十八経営体ございます。生産は、昨年度で百五十一億円の生産を上げております。

◯板橋 聡委員 百五十一億円というのはどれぐらいなのかちょっとわかりにくいので、よろしければ、ノリの生産規模というものが、県内の例えばノリ以外も含めた水産業の中で何%ぐらいを占めるものか教えていただけますか。

◯有江水産振興課長 平成二十一年におけます本県の水産の総生産額が約三百三十億円でございまして、年によって変動はありますけれども、有明海におけるノリの養殖生産額は約四割を占めております。

◯板橋 聡委員 四割というのは、私も、福岡の水産業の中でもかなりのパーセンテージを有明のノリが担っているなと感じました。ただ、一方で、現在、有明のノリ養殖漁家、先ほど八百軒程度いらっしゃるということでしたけれども、うち二十軒程度が毎年後継者がおらず廃業されたりしておるというふうな話を伺ったことがございます。そういう意味では、後継者育成という観点で、阻害要因、こういうことがあるからなかなか後継者が来てくれない、あるいは継いでくれないんだというものは一体何でございましょうか。重立ったものを何点か挙げていただけますでしょうか。

◯有江水産振興課長 ノリ養殖漁家が減少する大きな要因の一つとしては、非常に生産コストが高くかかるということで、ノリ養殖機械や漁船などの設備投資に多額の費用がかかることがございます。それから、労働環境の問題で、極寒での海上での作業、陸上での加工作業を最盛期には昼夜を問わず行わなければならないといった過酷な労働条件がございます。
 あと、ノリの品質の件でございますけれども、基本的にノリ漁家というのが家族単位、個人単位で経営をやっているところが多く、個々の養殖や加工の能力、施設の差などにより非常に品質にばらつきがありまして、なかなか単価が上がらないという状況がございます。

◯板橋 聡委員 ありがとうございます。
 そういった中で、私、いろいろ農林水産部の予算を精査させていただく中で、一つ注目しております事業がございまして、沿岸漁業構造改善事業、つまりノリの協業化というものがございました。委員長にお願いしたいんですけれども、この中で、有明海区のノリ協業化事業の概要につきまして資料を要求させていただきたいと思いますので、お取り計らいをお願いいたします。

◯新村雅彦副委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯新村雅彦副委員長 御異議ございませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げますが、ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。

◯有江水産振興課長 直ちに用意できます。

◯新村雅彦副委員長 それでは、確認させてください。
    〔資料確認〕

◯新村雅彦副委員長 じゃあ、お願いします。
    〔資料配付〕

◯新村雅彦副委員長 それでは、資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を続けてください。

◯板橋 聡委員 私は、いろいろ経営という観点から考えますと、高収益化に関しては二つの視点があるのかなと。一つは、売上の向上です。どんどんノリをたくさんつくって売ることで売上が向上することによって高収益化を実現すると考えられると思います。
 現在のノリ養殖場の現実から考えて、今、一軒当たり大体平均のコマ数等々あると思いますけれども、あと、大体家族単位で一経営体になっているということもございますが、売り上げの向上という観点では、どれぐらいの余力というか、のびしろ、伸び幅がございますでしょうか。

◯新村雅彦副委員長 質問の趣旨はいいですね。

◯有江水産振興課長 今の御質問は所得ということでしょうか。

◯板橋 聡委員 ノリの生産量ということです。

◯有江水産振興課長 現在、ノリの養殖の漁場がコマで言うと約二万二千コマございまして、これについてはもう決まった数で、これ以上漁場をふやすということはできません。

◯板橋 聡委員 一漁家一経営体という経営状況でもございますし、ノリのコマ数というのもかなり、かなりというか、いっぱいいっぱいであるということでありますから、これは生産量をふやすというのはなかなか容易なことではないと。ということは、やはり高収益化を達成するには、もう一つの方策は、これは生産コストをどういう形で削減していくかに尽きるのではないかと思います。その意味で、ノリの協業化は私は非常に効果があるんではないかと考えております。
 現在、ノリの養殖漁家にとって、非常に経費の部分で大きなものを占めます設備投資に関しては、どういったものがあって、総額どれぐらいあって、年間どれぐらいの減価償却を計上されているか。平均的な値で結構です、教えていただけますか。

◯有江水産振興課長 ノリの養殖を行いますのに、主な施設整備としましては、やはり漁船が大体二千万円、それから、ノリを加工します機械が三千万円で、合わせて五千万円という大きなハード的な設備投資が必要でございます。これの減価償却というのが年間に大体三百万円必要でございます。

◯板橋 聡委員 五千万円というのはちょっとびっくりしたんですけれども、一経営体当たり五千万円というのは正しいでしょうか。

◯有江水産振興課長 あくまでも新規に購入した場合でございまして、一経営体当たりこの金額でございます。

◯板橋 聡委員 わかりました。これが年間の減価償却という形では三百万円ぐらいのコストとして毎年自動的に乗ってくると。これがあるがために、やはりノリのできふできで非常に収入が圧迫されると。これは私の一般質問のほうでも申しましたとおり、非常に凶作のときになったときとかは、ノリ生産者の方は子供の給食費にも事欠くぐらい収入のほうで苦労される場合もあると理解しております。
 一方、ノリの協業化に関してこういうふうな資料をいただいておりますけれども、この協業化によって一体どれくらいの経費削減効果が見込めるか。この協業化事業に関する簡単な説明と一緒に、その経費削減効果に関してお示し願えますでしょうか。

◯有江水産振興課長 まず、協業の形態といいますか、協業のやり方につきましては、ノリの場合は二通りございまして、海上作業から陸上加工の作業まですべてを漁家が共同して行うというスタイルと、海上作業は個々の漁家が行い、陸上の加工作業は漁協がまとめて加工作業をするという大きく二つのスタイルがございます。
 協業のメリットと申しますか、まず、施設を共同で保有することによりまして、設備投資、油代の生産コストの縮減が図られます。五経営体が仮にばらばらでやった場合と、共同でやった場合で比べますと、経費的には約二割が削減されるという試算をしております。さらに、共同作業を行うことで、一経営体に直せば労働時間が削減されると。それから、高度な品質管理ができる施設をつくりますので、品質のばらつきが少なくなり、単価の向上が見込める、そういったメリットがございます。単価の向上で言いますと、一枚当たり〇・四円向上が見込まれる試算ができております。

◯板橋 聡委員 ちょっとばらばらというふうな感じだったんですけれども、例えば一経営体がこういったノリの協業に取り組んだ場合、具体的にはコスト削減メリットや単価の向上によって、収益はどれぐらいの向上が見込まれるんでしょうか、ちょっとそれを教えていただけますか。

◯新村雅彦副委員長 質問の趣旨はよろしいですね。ちょっと急いでください。

◯有江水産振興課長 申しわけございません。
 三百九十万円ほど一経営体当たりの収入が増になります。

◯板橋 聡委員 ありがとうございます。私、思うんですけれども、こういったいい事業をやられているときに、一軒当たりどれぐらいのインパクトがあるかをしっかり執行部側が把握されて、これを漁家に伝えないと、いい制度であったとしても、なかなかこれは浸透しづらいんではないかと思いますので、ぜひここら辺は改善をお願いしたい、意識をした上で告知されるほうがよろしいかと思います。
 一方、収入の部分もそうなんですけれども、やはりノリの生産者の方というのは、先ほど有江課長がおっしゃられたとおり、シーズンには本当に過酷な労働をされていらっしゃるんですよね。潮の満ち引きに合わせて漁場に出て、コマに出て作業をされている。こういったところの労働負担に関してはどのような効果が見込めますか。

◯有江水産振興課長 先ほども申しましたように、ノリのシーズンが冬の時期でございまして、極寒の海上での作業を長時間やって、帰ってきたら陸上での加工作業を続けざまにやるということで、最盛期は不眠不休でやられると。それを協業化してローテーションを組めば、その分労働は軽減されるということでございます。

◯新村雅彦副委員長 質問の趣旨は具体の効果でしょう。

◯有江水産振興課長 海上の作業というのは、コマのノリの枚数によって大体固定されますので、世話にかける時間は変わりませんけれども、そういった陸上の作業をローテーションでやるということで、約四分の一に労働時間は軽減されます。

◯板橋 聡委員 そういう意味では非常にメリットが多いようなんですけれども、ちょっと聞くところによりますと、やはりどうしても協業する際に、いろいろと経営体が集まらない場合もあるといった問題点があると。そういう問題点というか、この協業化に参加する場合の漁家のデメリットといったものはどこに存在するとお考えでしょうか、教えてください。

◯有江水産振興課長 基本的に、協業して経営的なデメリットというのはございませんけれども、どうしても海上の養殖方法とか陸上の加工方法が、自分たちが今まで好きなようにできたのが、協業ではそういった思いどおりにいかないということで、意見の食い違い等がありまして、再び個人経営に戻るといったケースがデメリットとしてはございます。

◯板橋 聡委員 つまり、かなり職人芸というか、そういった部分があって、思うように、自分一人でいいものをつくりたいと考える方も多いと。やっぱりそういったところがいろいろと協業にはネックになっておるという理解でよろしいでしょうか。

◯有江水産振興課長 委員の言われるとおりでございます。

◯板橋 聡委員 本当におっしゃるとおり、漁家がすべてこれに参加することがよいとは思いませんけれども、これは一つ重要な視点があると思うんですね。私個人、非常に思うんですけれども、農林水産業という分野は、生産者であると同時に経営者であるという意識をもっと醸成させるべきだと考えております。もちろん職人としてやっていくという部分も大事でしょうけれども、そういった意味では、この協業化をもっと推進させ、理解していただいて、取り組んだほうがいいと思われるところがどんどん取り組めるようにする。先ほどちょっと課長のほうの御理解等々が不足しているなと感じたところもございますけれども、同様に、漁家に対して、経営という形ではこういうメリットがあって、十分検討に値するから、ぜひ検討してみてもらえませんかというような啓発活動を今より活発化することによって、より前向きに検討する漁家がふえる可能性、これをどう思われますでしょうか、お答えください。

◯有江水産振興課長 だんだん経営も厳しくなってきておりますので、そういった事例を挙げて啓発していけば、協業化は進んでいくと思っております。

◯板橋 聡委員 ぜひ検討をお願いしたいと。
 そこで、水産業の高収益化に結びつけるノリ協業化事業、啓発も含めて、その決意を谷部長からお伺いできればと思います。

◯新村雅彦副委員長 谷農林水産部長。

◯谷農林水産部長 ただいま委員の御意見にございました、生産者であるとともに経営者であるべきということは、まさしく私もそのとおりだと思っております。これは、水産だけではなくて、農林水産みんな通じるものでございます。ただいまいろいろ言われてございました、いろいろな協業化することによって経営的なメリット、あるいは労働環境の改善といったものも見込まれるわけでございまして、私どもは今後、そういった協業化してうまくいっている、また、後継者も育っているといった事例を積極的にPRすることによって、さらにこの協業化の取り組みを推進してまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 水産業に限らず、農業全般、また、県が非常に今回力を入れています六次産業化にもつながる話でございますので、ぜひお願いいたします。
 ちょっと時間が厳しくなってまいりましたけれども、質問の二番目、元気なふくおか農業づくりの推進という部分でちょっと質問をさせていただきます。
 重点施策にもなっております元気なふくおか農業づくりの推進という事業の中に、元気なふくおか農業づくり推進費として、県農業の役割や重要性を啓発、福岡の農業応援団づくりとありますけれども、元来、福岡県は農業、特に園芸品目などに関しては移出県──福岡県から外に、都市圏に対して販売をしているというような県でございます。
 東京、大阪などに向けてのPRということでしたらまだ理解はできるんですけれども、なぜわざわざ県内、県民に対してするのか、その意図がよくわからないので、事業の内容、意図について御説明していただけますでしょうか。

◯新村雅彦副委員長 小寺農林水産政策課長。

◯小寺農林水産政策課長 今後、本県の農業が維持・発展していくためには、競争力強化はもちろんのところでございますけれど、県民の方々に本県の農業の重要性を理解していただき、その上で本県の農産物を積極的に購入していただく、そういう取り組みが重要不可欠と考えております。今回、そういう意味で、本事業により、小学校や家庭、地域を対象として県全体に広がる啓発活動を行ってまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 我が党の代表質問の中でも、小川知事のほうが言及されておりましたけれども、TPPに対する考え方というところで、今回、予算措置の中では、二月十八日の議会におきまして附帯決議が出ております。これを意識しての予算組みというのはしっかりしておるということですけれども、こちらとの関連はいかがでしょう。

◯小寺農林水産政策課長 私も附帯決議は十分重く受けとめております。附帯決議はTPP参加への動きがあることを踏まえたものである、そういう理解の上でこの事業に取り組むこととしたところでございます。

◯板橋 聡委員 附帯決議をちょっと読み上げますと、「TPP協議については、地方も万全なる対応で挑まなければならない。今後については、万全なる対応を求め、積極的に取り組むことを条件とする」となっております。そういう意味では、この元気なふくおか農業づくりというのが、知事としてこのTPPに対する対応策であると理解してよろしいのかと思いますけれども、この啓発というところに私は非常に引っかかっておるのですよ。啓発というのは、大辞林で調べますと、「人が気づかずにいるところを教え示して、より高い認識、理解に導くこと」ということになっております。ですから、私がぜひ知りたいのが、じゃあ、知事のTPPに対する思い、農業に対する思いとして、国土の保全だとか国家安全保障上の問題というところで農業は非常に重要であるとは言われておりますけれども、一体この啓発事業において、知事は、農業のどういったところが人が気づかないところだと思っていらっしゃるのか。あるいは、どういった高い認識、理解に導こうとして、こういった啓発事業をされているか。そこのところをぜひ理解したいと思っているんですね。これこそが知事のTPPに対する首長としての明確な意思表示だと私は考えております。
 そういった意味で、知事のこの啓発事業に関する思い、あるいはどういったところに啓発をして、高い認識、理解に導こう、どういったところが高い認識である、理解であると考えていらっしゃるのか、谷部長、御存じでしょうか。

◯谷農林水産部長 ただいま委員御指摘の点については、私は知事と議論をしたことはございませんので、確認はしておりません。
 ただ、啓発とは、気づかない部分、あるいはさらに高いところへ持っていくということでございますが、私ども、この事業を考えておりますのは、気づかない部分といいますのは、県民の皆様、小学生も含めてでございますけれども、農業の持つ役割、機能にすべての人が気づいているわけではないということを今、前提にしているわけでございます。当然、毎日御飯等を食べておるわけでございますが、それがどこでつくられているかにも関心を持たない人たちもたくさんいると。そういった人たちに、そういう農業とはそういう食料を生産する場所だと、しかも、県内でつくられているんだというところをしっかりと気づいて認識していただく。
 もう一つ、高いところに持っていくという部分については、そもそも私どもの生活を支えておる食というものについてどうなんだということをしっかり考えてもらうという意味で、私ども、こういった啓発活動に取り組もうとしておるものでございます。

◯板橋 聡委員 部長、ありがとうございます。部長のお気持ちは非常によくわかりまして、なかなかすばらしい理解だなと思いますが、ここはぜひ首長として知事の思いを確認させていただきたいと思いますので、知事保留質問ということでよろしくお取り計らいをお願いいたします。

◯新村雅彦副委員長 ただいま板橋委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることといたします。
 なお、知事保留質疑は七月十五日金曜日に行う予定でありますので、御了承願います。

◯板橋 聡委員 どうもありがとうございました。(拍手)

平成23年度予算特別委員会質問「地域自殺対策緊急強化事業費について」

◯板橋 聡委員 皆さん、こんにちは。第三款第二項五目の地域自殺対策緊急強化事業費に関して質問させていただきたいと思います。
 資料を要求させていただければと思います。国と県の過去の自殺者数推移及び七月四日開催の政府自殺対策タスクフォースの資料及びWHO「自殺予防 メディア関係者のための手引き」の抜粋、この三点を要求させていただきたいと思いますので、お取り計らいをお願いします。

◯新村雅彦副委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯新村雅彦副委員長 御異議ございませんので、委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げますが、ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。白石健康増進課長。

◯白石健康増進課長 直ちに提出できます。

◯新村雅彦副委員長 それでは、資料の確認を。
    〔資料確認〕

◯新村雅彦副委員長 それでは、事務局、資料を配付してください。
    〔資料配付〕

◯新村雅彦副委員長 それでは、資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 政権交代前、当時国会におきましては、与党は年間自殺者数が三万人前後で推移しているということで随分攻撃されていた記憶がございます。一番最初の自殺者数の推移の資料をごらんになられましても、平成二十二年も三万人前後で推移しており、今年度も非常に高い数で自殺者数が推移していると。なかなか特効薬が見えない大変な分野だと思います。これはぜひ国会においては与野党の枠を超えて対策に頑張っていただくべき事業だと思います。また県においても、議会各会派と執行部が一体となって自殺対策に取り組むべきと思い、質問させていただきます。
 まず、自殺対策ということで、何かこれはと、これがあれば完璧だという特効薬は存在してますでしょうか。

◯白石健康増進課長 自殺につきましては、多様かつ複合的な原因及び背景を有しておりまして、その対策につきましても総合的に対応したほうがいいと言われておりますので、これがといったものについてはちょっと思い浮かびません。

◯板橋 聡委員 そういった試行錯誤の中、一生懸命頑張ってらっしゃると思います。県としては、予算の問題はあれど積極的にあらゆる有効な対策を研究し、そしてその対策を打ち、自殺対策を進めるというこの覚悟はございますでしょうか。部長のほうからお答えください。

◯新村雅彦副委員長 山下保健医療介護部長。

◯山下保健医療介護部長 自殺対策につきましては、私どももまず基本法、それから県独自に協議会をつくって意見もいただきながら対策を講じておりますけれども、今課長が言いましたように、幅広く総合的な対策を実施しているところでございます。

◯板橋 聡委員 ちょっと質問の趣旨があれなんですが、幅広く有効な対策を研究し、これからもどんどんやっていくという覚悟をお持ちかどうか教えてください。

◯山下保健医療介護部長 そのような気持ちで頑張りたいと思っております。

◯板橋 聡委員 自殺対策費というのは、これは県の単独の事業でしょうか。国、市町村との連携はございますでしょうか。

◯白石健康増進課長 自殺対策費につきましては基金がございまして、その基金を活用して県が執行しているところでございます。その中で、市町村に対しましては、地域の特性に応じてさまざまな取り組みをしていただきたいということで、市町村に対しても取り組みのための費用を助成しているところでございます。

◯板橋 聡委員 この事業概要の中で一番から八番までいろいろ対策がありまして、これがそれぞれ予算が配分されておりますけれども、この軽重といいますか、どういった内容でこの予算配分が決められたのか教えてください。

◯白石健康増進課長 福岡県といたしましては、平成二十年三月に福岡県自殺対策連絡協議会のもとで報告書を作成いたしまして、その報告書に基づきまして、冒頭申し上げましたように、総合的な取り組みとしてさまざまな事業を行っているというところでございます。

◯板橋 聡委員 そういう意味では、福岡県自殺対策推進協議会というのがこういった施策を進めるに当たって重要な役割を果たしているということでよろしいでしょうか。

◯白石健康増進課長 はい、そのとおりでございます。

◯板橋 聡委員 自殺対策強化基金というのは、平成二十一年から二十三年の三年間ということで国から百億ついて、その中で運用されていると認識しておりますけれども、ことしが平成二十三年でございますので、今後はどういった形になるか教えていただけますか。

◯白石健康増進課長 今後についてはまだ検討はしておりませんけれども、適正に執行して来年度へつなげていきたい。特に、基金がなくなっても継続してやっていけるような事業に取り組んでいきたいと思っております。

◯板橋 聡委員 非常にその意気込みはすばらしいと思います。あと、市町村のほうとの連携をとられているということですけれども、きょう、百二十三の市町村の参加で自殺のない社会づくり市町村会というのがつくられるのは御存じでしょうか。

◯白石健康増進課長 私は承知しておりません。

◯板橋 聡委員 では、県として、他県だとか国、福岡県の自治体ではなく他の自治体との連携というのはいかがでしょうか。

◯白石健康増進課長 福岡県が福岡県以外の自治体と連携をとっているかということでございますが、特に県としてとって事業を進めているというものはございません。

◯板橋 聡委員 ちなみに、御存じかどうかわからないんですけれども、自殺対策の先進県、いわゆる国内でも非常におもしろい対策、おもしろいと言ったら失礼なんですけれども、ユニークな対策をとってそれなりに効果を上げているとか力を入れている、こういった県はどちらでございましょう。

◯白石健康増進課長 特に東北のほうにそういう県が多いと聞いております。

◯板橋 聡委員 知事がよく言われてますアンテナを高く張って情報を収集してと、そういう意味では、その東北のいろいろな県と連携をしたり、効果的な実際の対策を福岡県に導入したり、そういったことは今やられてますでしょうか。やられてないんでしたら、今後やるおつもりはありますでしょうか。

◯白石健康増進課長 今のところやっておりませんが、今後は他県、東北も含めてですけれども、先進県につきましてうちの事業に参考になるようなものがございましたら研究してまいりたいと思っております。

◯板橋 聡委員 それはどういった形で研究されるか。というのは、やはりこれはコストという意味では、これから基金がなくなってその先の計画がないという意味では非常に大事なことだと思いますけれども、情報をしっかり収集してコストを有効に使っていくということでは、やり方も含めてもうちょっと具体的に教えていただければと思います。

◯白石健康増進課長 先ほど申し上げましたように、基金がなくなっても続けられるようにということでございますので、そういった観点で先進的にそういう取り組みをしているようなところ、そしてまたその効果が見える、見えつつあるようなところに研究をしてみたいと思っております。

◯板橋 聡委員 ぜひ福岡県としても、そういったところをイニシアチブをとって、対策先進県と連携をとっていただきたいと思いますが、部長の覚悟はいかがでしょう。

◯山下保健医療介護部長 端的に言いますと、よその県、あるいはよその市町村でそういう先進的で有効な対策をとられておって、結果として非常に効果が上がっているということであれば、それはぜひやっていきたいという気持ちはございます。

◯板橋 聡委員 ぜひお願いします。
 次に話題というか次のテーマに行きたいんですけれども、一つ資料でお配りさせておりますWHOが出しております「自殺予防 メディア関係者のための手引き(二〇〇八年改訂版日本語版)」ということで、自殺報道に関してのガイドラインを世界保健機構のほうが出しているということでございます。これ、実は二〇〇八年版ということでフルのものがございまして、こちらはもちろんよくごらんになっていらっしゃいますよね。

◯白石健康増進課長 私が持って確認しているのは、「自殺予防 メディア関係者のための手引き」の日本語版について読んでおります。

◯板橋 聡委員 しっかり参考にしていただければと思うんですけれども、このガイドラインの中で、メディアが大変自殺対策という観点での重要な役割を果たすことについて書いてございます。ちょっと読み上げさせていただきますと、六ページ目の「初めに」というところで、「自殺とその予防に関与する因子は複雑で、まだ十分には解明されていない。しかし、メディアがそこに重要な役割を果たすということについて根拠が記されている」。つまり、いろいろな研究によって、メディアの関与というのが、自殺数等に関して実際有意に関係しているということが研究で述べられているわけです。それをもとに、七月四日に政府の自殺対策タスクフォースというのが開催されておりますけれども、その内容に関しては御承知でしょうか。

◯白石健康増進課長 承知しております。

◯板橋 聡委員 折れ線グラフの資料が二つ、皆様のお手元にあると思います。一枚目、赤がことしで、点線が昨年、その前と二年間のもの。これで、五月の自殺者数が優位にふえていると。前年比で大体二〇%ぐらいふえております。
 二ページ目は、これを日ごとの折れ線グラフにしているということでございます。五月を見ていただきますと、この青線が二〇一一年、ことしなんですけれども、いきなり山ができてふえていると。これは何のときかというと、五月の十二日に女性の有名なタレントさんが自殺されたんですね。そのとき以降、かなり人数がふえて、今まで大体平均一日八十人ぐらいの自殺者数だったものが、この五月十二日以降は大体百二十人ぐらいの状態がしばらく続いて、一・五倍にふえたということでございます。そういったことを内閣府の自殺対策タスクフォースの中で述べられていたということでございます。
 福岡のほうでも二〇〇六年に筑前町のほうでしたか、残念な事件が起こりまして、その後、後追いのいろいろな中高生の悲しい自殺が続いたと思いますけれども、一月で何件ぐらいあったか御記憶ございますか。

◯白石健康増進課長 ちょっと記憶にはございません。

◯板橋 聡委員 これは大体十件。その後、二十三日、十一月九日、十一月十日、十一月十二日、十一月十三日、十一月十四日と、一日の中で複数起こっている日にちもございましたけれども、そういって自殺が相次いだということでございます。やはりこうやってメディアで繰り返し報道が行われることで、硫化水素自殺だとか練炭自殺なんかもそうだと思います。非常に自殺の方法などを詳しく報道することによって自殺を誘発する可能性があるということで、このガイドラインがWHOのほうで出されているということでございます。これはぜひ参考にして、対策の一つとして考えていただければと思うんですけれども、その中で、先ほどお話ししました「メディア関係者のための手引き」の十二ページで、メディアのネガティブなところばかり言いましたけれども、非常にいい部分もあるわけですね。ちょっと読み上げさせていただきます。
 エッツァ・ドルファーと共同研究者により実施された研究では、ウィーンの地下鉄における自殺の報道に関して報道ガイドラインを導入し、センセーショナルな自殺報道を減らすことで、結果的に地下鉄における自殺率を七五%減少させたと。七五%も減少したと。そして、ウィーンすべての自殺を二〇%減少させたと。さらに重要なこととして、繰り返しこのガイドラインを国全体に周知することで、オーストリアの自殺率の推移に変化をもたらしたのであると。この好ましい影響は、メディアがしっかりと協力をした地域に顕著で、長い期間広範に維持されたということが書いてございますけれども、これは県は御承知されていますでしょうか。

◯白石健康増進課長 この文言を承知かということでございますか。承知しております。

◯板橋 聡委員 そういう意味では、先ほど部長のほうからも覚悟をいただきましたけれども、やはりちゃんとした結果として、有意な結果で非常に自殺対策にいい効果が見られるものに関しては、ぜひ考えていきたいということでした。
 今、福岡県の自殺対策事業の予算配分等々の中で非常に大きな影響を及ぼしていらっしゃるのがこの福岡自殺対策推進協議会ということでございます。平成二十二年度の名簿をいただきまして、いろいろ見させていただきました。学識経験者、医療従事者、経済労働関係、あるいは民間団体、地域、県、こういったところから皆さんいらっしゃいますけれども、そのメディアという意味では、西日本新聞社が一社だけウエブ企画室の方が参加されていると。このWHOのこういったガイドラインも含めて考えてみましても、もうちょっと一生懸命こういったことに関して協議をするような場があってもいいんじゃないかと思いますけれどもいかがでしょう。

◯白石健康増進課長 私どもとしては、先ほど申し上げたように、この自殺対策推進協議会の報告書にもございますように、メディアの役割というのは誘発自殺を起こす原因にもなるということでこの報告書にも記載しております。そういったことで、この協議会の場でそういった議論をしていくように位置づけております。

◯板橋 聡委員 ただ、事業の中身というのは非常に多岐にわたっておりますし、今、原因自体がなかなかわかりづらいということで、協議会という形でメディアは一社だけということですと、どうしてもガイドラインをいろいろ各社で検討してみたらどうだとかいう呼びかけなんかはなかなかしづらいんじゃないかと思います。例えば、報道に関するガイドラインに関して、福岡として一生懸命やりましょうよという呼びかけを県のほうからして、福岡県の中ではテレビ局も含め、新聞社も含めいっぱいございます。そういったところを集めて新たにそういった協議会、報道のあり方の協議会、こういったものを立ち上げて、これは国のほうでも七月四日に動きがございますので、ぜひ福岡県からもそういった声を出しながら、全国的にそういうガイドラインをつくるというふうなことはいかがでしょう。これは私の御提案でございます。

◯白石健康増進課長 マスメディアによる報道のあり方につきましては、国が平成二十年四月に内閣府の記者クラブ、厚生労働省記者クラブに対しまして、先ほど委員から御紹介いただきましたWHOの自殺予防のメディア関係者のための手引きを配布しております。また、その場で自殺報道への配慮を要請しているということでございます。
 そういうことで、私どもは全国的な取り組みも必要であろうということで、国の動向も踏まえながら今後どう対応していくか考えていきたいと思っております。

◯板橋 聡委員 いや、これは今福岡県のお話をしていますので。先ほど、非常にそれは有効であるんじゃなかろうかと言われたWHOのガイドラインの中に、メディアがしっかりと協力をした地域に顕著に効果があらわれたと書いてあるんですよ、地域に。福岡県としてその地域になるおつもりがあるのかないのか、覚悟を最初に聞いたんですけれども、部長、どうでしょう。

◯山下保健医療介護部長 マスコミの話になりますと、テレビにしろ新聞にしろ基本的に全国的なネットワークのところが非常多うございまして、地方、県なりでやって、果たしてどんな効果が上がるのか、そこら辺がよくわからないという面が一つございます。
 もう一つは、今課長が言いましたように、委員から御紹介がありましたガイドライン、こういったものを既に国において配布して、そしてそういう取り組みの要請をしているという状況でございますので、私どもとしては、この件についてはどういう状況になるのか、国の取り組みなりをぜひ注視していきたいと思っております。

◯板橋 聡委員 要するに、福岡県としては見てますということでしょうか。

◯山下保健医療介護部長 要するに、私どもとしては国が既にそういう取り組みをしてるということでございますので、国の取り組みの成果なり何なりがどうなっていくのか、そういったことについてよく情報収集なりをしながら対応していきたいと思っております。

◯板橋 聡委員 これは幸福度日本一なんかと非常にかかわってくるんだと思うんですよね。自殺が多い県が幸福な県だと思われますか。

◯山下保健医療介護部長 もちろん自殺が多いところが幸福だということにはならないと思いますけどね。

◯板橋 聡委員 小川知事のほうから幸福度日本一という中で、自殺対策だとかそういった保健、医療、介護の中でも、特にその自殺というところに関しては、今まで一度も所信等々で何も述べられてないと思います。部長、幸福度日本一という政策の中で、小川知事は自殺対策の位置づけをどう考えていらっしゃるのかぜひ教えていただきたい。

◯山下保健医療介護部長 幸福度につきましては、今、企画振興部のほうを中心に委員会をつくって議論がなされている最中でございまして、まだそれと自殺との関係をどう考えていくのか、詳細については私としてはまだお答えする状況にございません。

◯板橋 聡委員 確かに部長にお伺いしてもなかなかわからないことだと思いますので、今の件に関しまして知事保留をお願いしたいと思いますけれども、お取り計らいをお願いします。

◯新村雅彦副委員長 ただいま板橋委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることといたします。なお、知事保留質疑は七月十五日金曜日に行う予定でありますので御了承願います。

◯板橋 聡委員 どうもありがとうございました。(拍手)

平成23年度予算特別委員会質問「地域防災力強化費・避難活動コミュニティ育成強化について」

◯板橋 聡委員 自由民主党県議団の板橋聡でございます。
 第二款六項一目の地域防災強化費にあります避難活動コミュニティー育成強化費に関して質問いたしますが、その前に、昨日提出いたしております「質疑及び資料要求予定表」に基づきまして、次の資料を要求させていただきます。自主防災組織率及び数の資料、そして県内自主防災組織が現在使用している経費及びその内訳、また防災士の人数、そしてその分布(県内)、あと女性防火クラブの組織率、組織数及び活動実態、この四点を要求させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

◯今林 久委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯今林 久委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。中島消防防災課長。

◯中島消防防災課長 御要望の資料のうち一部は準備に時間を要しますので、お時間をいただきたいと思います。

◯板橋 聡委員 きのう提出しました予定表には四点書いてございます。私は一期生なので、間違うとったら丁寧に教えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。

◯今林 久委員長 理事の方は委員長席のところにお集まり願います。委員各位はそのままお待ち願います。
    〔理事集合〕
    〔理事協議〕
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については、すべて提出できますか。中島消防防災課長。

◯中島消防防災課長 提出できます。

◯今林 久委員長 資料を正副委員長に確認させてください。
    〔資料確認〕

◯今林 久委員長 資料を事務局、配付してください。
 委員の皆様に申し上げますが、資料を一枚、今直ちにコピーをしておりますので、でき次第配付したいと思います。
    〔資料配付〕

◯今林 久委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 平成二十三年度当初予算における重点施策ということで、地域防災力強化費、避難活動コミュニティー育成強化費ということで、何と約二億円の大きな予算がつけられております。これは三月十一日の東日本大震災を受けましてつけられた予算だと認識しておりますけれども、助成内容も自主防災組織の設立や避難活動の活性化に要する経費に対する助成ということで、大変大きな金額でございますので、ぜひこの事業を充実したものとしてほしいという思いを込めて、質問させていただきます。
 まず、助成限度の四百万円という、これの根拠は一体どういうものでしょう。教えてください。

◯中島消防防災課長 まずは、議事の進行に不手際がございまして申しわけございませんでした。
 限度額の四百万円の積算根拠の御質問でございます。これにつきましては、今回、自主防災組織に助成するに当たって、自主防災組織がどういう物品を必要としているかというのを調査いたしました。例えば夜間に避難する場合であれば、懐中電灯と避難者用のリヤカーですか。それからほかにいろいろなケースを考えたら、大体、一つの自主防災組織に二十万の金額があれば、今回私どもがねらいとしています要援護者の避難活動も円滑に行うことができるというので、まず二十万にしました。
 それから、県の自主防災組織の組織率は六二%でございます。六二%あたりの組織率を備えている市町村を見ますと、大体、自主防災組織の数は二十団体でございます。ですから、二十団体で一団体二十万と掛けまして、大体四百万円というのを限度にしたところでございます。

◯板橋 聡委員 二十団体、二十万円ということでございますけれども、これは四百万円の対象が一市町村になっておりまして、これは六十団体ございますが、北九州市、福岡市も交えて、市町村全部をくくるには大まか過ぎるんじゃなかろうかと思いますが、そこに関しての見解をお聞かせください。

◯中島消防防災課長 確かに、六十市町村すべてに一応二億円ということで予算を計上しているわけでございますけど、なるべく公平に自主防災組織の設立を促したいというところと、既にある程度自主防災組織の設置が進んでいるところに対する不公平感が出ないようにということを工夫しまして助成の基準をつくっていくことでございますが、四百万という金額につきましては、小さな町から政令市まで含めまして、先ほど申しましたように、平均の自主防災組織率六二%前後の市町村内の自主防災組織の数が大体二十前後でございましたので、それを掛けて四百万ということで適用したいと思っております。

◯板橋 聡委員 いや、すごいですね。先ほどの二百五十人のサンプルに近いんですが、組織率六二%前後のところって、この六十団体の中で二つか三つぐらいしかないんですね。その二つか三つのところに二十組織あったから二十万というのは、いかにもこの四百万円の根拠が薄いし、どういった考えで四百万掛け五十にして二億になっとるのかというところが非常にわかりにくいんですけれども、もう一度説明をお願いします。

◯中島消防防災課長 今申しました一市町村当たり四百万円というのは、あくまでも助成の限度の金額でございます。一市町村までは四百万円を助成の限度とするという考えでございまして、総額の二億円の積算といたしましては、自主防災組織を大体一千団体ほど設立していますので、それで二億円の積算としたわけでございます。

◯板橋 聡委員 まあ、これ以上突っ込む必要もないのかと思いますけれども、要するにこの四百万円というのも根拠がよくわからんと。課長に聞くたびに全部ころころ変わっておりますね。二億円というのも、最後に千団体で二十万でと。一自治体で四百万というのもなかなかよくわからないと。
 私が聞きたいのは、県として、この自主防災組織が一体どんな組織で、その組織の活動という実態をよく把握されているかどうかというのを知りたいんですけれども、お答えください。

◯中島消防防災課長 自主防災組織はある意味でボランティアの団体でございまして、日ごろ自主防災組織内での防火・防災訓練だとか、あるいは内部での名簿づくりだとか、それからいろいろな活性化のための会合だとか、そういう活動をされていると承知しております。ただ、実際に自主防災組織を管轄する市町村の声を聞きますと、活動しようと思っても、備品のたぐい、先ほど申しました懐中電灯だとかリヤカーだとか、そういうのを購入する余裕がなかなかないというお声を聞きましたので、今回このような事業を設けたところでございます。

◯板橋 聡委員 一つ答弁漏れがありますけれども、県として、県下にあまねくございます自主防災組織の活動を把握されているのでしょうか、いないのでしょうか、教えてください。

◯中島消防防災課長 県内全部となりますと、自主防災組織率という数値を出すことで把握しているというお答えになるかと思います。

◯板橋 聡委員 そういう意味では、一体それぞれの組織が何を必要としているかというところに関しても、把握がやはり足りないんじゃないかと思われても仕方ないと思います。ですから、その四百万の根拠に関してもちょっと疑わしいところがあるのかなと。
 そこは置いときまして、今、自主防災組織というのは県下に幾つあって、その中で地元行政区とか校区の自治会が役割を担っている場合が非常に多いと聞きますけれども、その割合は一体何%か、これを教えていただけますでしょうか。

◯中島消防防災課長 自主防災組織、県内全体では組織の数が三千七百六十六団体ございます。その内訳でございますが、町内会が三千三百九、それから小学校区が四百三、その他が五十四という内訳になっているところでございます。

◯板橋 聡委員 つまりは、地元行政区あるいは町内会、こういったところがほとんどだということだと思います。実はいただきました資料で自主防災組織率を見ますと、何と私のふるさと、みやま市は一〇〇%。すごいなと思ったんですが、私は自治会とか行政区の集まりによく顔を出しているんですけれども、自主防災組織であるという認識は全くございません。では何かといいますと、これは結構、地元の行政区の自治会みたいなのがすなわち自主防災組織という充て職みたいな形で名前をかりてやっておって、余り周知徹底した動きが行われていないということではないかと思います。そういったところを県としては認識していらっしゃいますでしょうか。

◯中島消防防災課長 自主防災組織、母体としては自治会なり町内会、行政区ということでございますが、これはその自治会なら自治会の規約の中に、ちゃんと自主防災組織の役員とか活動内容をうたい込んだ団体を統計上は自主防災組織と考えるということで全国的な比較ができるようになっておりますので、基本的には母体としては自治会でありますけど、そういう議論なり、皆さんの総会なりの了解があって、自主防災組織が結成されているものと理解しております。

◯板橋 聡委員 ちょっとお話を聞いていてもなかなか把握されていないのかなと。というのが、防災士というのがいらっしゃいますね。防災士の活動状況等に関しての資料が出ておりますけれども、これは防災士の人数と県内の分布を教えていただきたいということでお願いしたんですが、この分布が出てこないのは何でですか、教えてください。

◯今林 久委員長 執行部に申し上げます。板橋委員の質疑に対して、その内容をよく理解した上で、的確に、簡潔に答弁されるようにお願いいたします。

◯中島消防防災課長 申しわけございません。分布については把握しておりませんでした。

◯板橋 聡委員 そうなりますと、防災士の活動状況などで、「地域社会や企業の組織において、自主的な防災活動が行われる場合のリーダー役ないしコーディネーター役を果たしている」と書いてございますが、これはどなたが書かれたんでしょうか。

◯中島消防防災課長 うちの課の中で手分けして調査いたしまして、私が最終的にはこれで認めてお出しした資料でございます。

◯板橋 聡委員 つまり、これは把握していないものが書かれているということでよろしいですか。

◯中島消防防災課長 私自身が市町村なりに聞いたというわけではございませんので、そういう意味での把握というのであれば、私は把握していないというお答えになります。

◯板橋 聡委員 この件でここまでこういうふうな話になるとは思っていなかったんですよ。もっと簡単なことで、やはりこれだけ二億円の予算をつけてやる、すばらしいことだと僕は思っているんです。やるならば、ちゃんと実態を把握して、どういうものが足りなくて、こういうことをやりますということを言ってくれないと。この二億円はただのばらまきということでよろしいですか。

◯中島消防防災課長 実際に市町村の声を聞きますと、自主防災組織は地域のかなめでございますので、それを県としても支援したいという気持ちで組み立てた制度でございます。確かに今、実際を把握してないんじゃないかという御指摘がございますけど、これは市町村を通して交付しますので、そこら辺はきっちり市町村のヒアリングを通しまして実態を把握して、仮に予算をいただければ事業は実施したいと考えております。

◯板橋 聡委員 とにかく把握していないんだけど、この金額で「えいや」でつくったという認識だと思います。実際、防災士というのは県で認証しているものも一部ございます。そういった意味ではしっかり把握していただきたいというのと、やはりこういった予算をつくるときには現場の声を、今わかっていると言われたけど、本当はわかっていないということじゃないですか。
 そういう意味で、私は初めてこういう場に立って、一般質問で言いましたけども行政経験も政治経験もないのでわからないんですが、こういうふうな回答が返ってくるものなんでしょうか。よくわからないんだけど、とにかくこういうふうなものをつくって、何か見ると立派なので、おお、すごいなと思うんですけれども、こういうあやふやなものを回答として、我々は一期生でございましても住民の代表でございます、その人間に対してこういう資料を出すのでしょうか。これは部長のほうから答弁をお願いします。

◯今林 久委員長 山野総務部長。

◯山野総務部長 資料につきましては不手際がありました。事前にお話をお伺いして、分布について正確にお答えすべきところでございました。
 ただいまの避難のコミュニティーの助成事業につきましては、今回初めてこういう事業に取り組むわけでございますが、御案内のとおり、県も市町村も地域防災計画をつくっております。実は現場を預かるのは市町村でございます。基本的なスタンスは、県がその市町村をどうやって助けていこうかと。したがいまして、避難の現場を最も預かるのは自主防災活動をやっている組織でございます。これを市町村は一生懸命広げていこうとしています。今回そういう意味では、私どもは初めて自主防災組織に対する支援ということで、市町村単位で助成しようということで始めました。その心は、やはり避難をしっかりやってもらいたいということでございますので、具体的な内容につきましては、この予算、いろいろと御意見をいただいておりますので、内容を詰めながら執行する必要があると思っております。

◯板橋 聡委員 町の声をしっかり反映させるということであれば、しっかりとまず現状を把握していただきたいと。
 時間も大分たってきましたので、一つだけ言いたいのが、先ほど防災士の話をしましたけれども、地域のコミュニティーで自治会とかがやっている場合、非常に年齢が上の方とかがやっていて、なかなか実際ワークしていないと。やはり防災士のような、ちゃんと思いを持って自分で資格を取りにいく人が活動できるような仕組みをつくるべきじゃなかろうかと。リーダーないしコーディネーター役を果たしていると言いますけれども、彼らに今、何らかの公的な身分を保障する立場をお与えに、市なり県なりがしているでしょうか。教えていただけますか。

◯中島消防防災課長 公的な身分と申しますより、市町村に防災士がおられますので、市町村のいろいろな事業なりに防災士の方を活用していただくということで、県のほうでは事業を行っております。例えば今回の自主防災組織の事業につきましても、先ほど部長が申しましたとおり、実際に避難訓練を行う実働ということをメーンにしておりますので、その際には知識がある、あるいは手腕がある地元の防災士を使うようにという形で、市町村のほうには働きかけていくつもりでございます。

◯板橋 聡委員 ただ、具体的には何ら役割、立場というかですね、消防団みたいな方は準公務員という形でしっかりと立場を与えられていますので、その意識も高く、しっかりと町の防災を守らなければという認識があられると思いますけれども、防災士なんかを使っていこうというときは、ぜひそういったものを与えていただくということを検討いただきたいと。
 もう一点、今コミュニティーという意味では、東北大震災で消防団の重要性が再認識されております。しかし、あくまでも消防団というのは前線部隊でございます。一方、災害時に炊き出しとか近所の安否情報などを行う補給部隊、管理部隊的役割も非常に大事なものだと思っております。過去は地域の婦人会なんかがそういった役割を担える組織でしたけれども、昨今、共働きとか、近隣との交流が少なくなったとかいうことで、女性の地域に根づいた組織というのがかなり壊滅状態で、田舎のほうでも大分壊滅してきているような状態でございます。
 コミュニティーの防災力強化という意味で、防災士も含め、こういった女性の後方支援部隊のようなところも含めて、県として支援をしていこうというお考えはございますか。

◯中島消防防災課長 県内は市町村によりましては女性防火クラブという組織がございます。これは、例えば災害の折には炊き出しを行うだとか、あるいは住宅用火災警報機の普及・啓発を行うという組織が市町村にございましたので、県といたしましては、地域の防災力を高めるには非常に戦力になるという判断から、平成十九年に県全体の統一組織、福岡県女性防火クラブ連絡協議会を設立いたしまして、今まで各市町村ごとで活動していた女性防火クラブを一応県内組織にまとめ上げて支援を続けているところでございます。

◯板橋 聡委員 済みません、これは全く同じで、またループになってしまうんですけれども、だから女性防火クラブの活動に関して県内の数と組織率を教えてくれと言ったんですけど、それもないということは、女性防火クラブに関してもちゃんと把握をしていないということでよろしいですか。イエスかノーかでいいです。

◯中島消防防災課長 女性防火クラブの組織の状況ということで配付資料は用意していたんですけど、お手元に届いていなければ私どもの不手際です。申しわけございません。

◯板橋 聡委員 大分平行線をたどってしまいましたけれども、とにかく自主防災組織の中で何らかの役割をしっかり与えていかないとモチベーションも上がらないと。いつ起こるかわからない災害に対して備えるときは、そのモチベーションをしっかり上げないといけないという意味では、今意識のある、そういった方たちに対してしっかりと役割を与えていただきたいと。助成金も大事ですけれども、仏つくって魂入れずじゃだめだと。
 私は総務委員会でございますので、ここであんまりきゅうきゅうやってもしようがないんで、一年間たってどのようなことが結果として出たかというのを、これは部長、しっかりと報告をしていただけますでしょうか。お答えください。

◯山野総務部長 防災士、女性防火クラブ、いずれも地域の避難なり防火・防災活動をどのようにするかということで極めて重要な点でございます。私どもとしては、市町村を通じながらしっかりと現場を把握して、しっかりと事業ができるように努めてまいりたいと思います。

◯板橋 聡委員 そのしっかりとが、本当にちゃんとしっかりとしていただけることを見守るということをお伝えしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

平成23年6月議会一般質問「県内地域格差、農業振興、矢部川水系水源開発について」

公式動画へのリンク(WindowsMediaPlayerが必要です)

◯十一番(板橋 聡君)登壇 皆様、お待たせしました。こんにちは。四月の統一地方選挙において、みやま市選挙区のほうから初当選させていただきました、自由民主党県議団の板橋聡でございます。
 まず最初に、私ごとではございますけれども、父、板橋元昭が七期二十八年にわたり福岡県議会議員を務めさせていただいた際には、先輩議員の皆様、そして執行部の皆様にも大変お世話になりましたことを、ここに改めて御礼申し上げる次第でございます。
 私は会社員でございました。行政経験、議員経験がないままこの世界に飛び込んでまいりました。皆様の御指導、御叱咤を賜りながら、一刻でも早く県民の皆様の負託と信頼にこたえ、福岡県政発展のための一翼を担える議員となるべく努力する所存でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 では、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 さきの統一地方選挙で新しく小川洋県知事が誕生しました。選挙戦のさなか、私の選挙区であります、みやま市にも、遊説を初め幾度か足を運んでいただき、その都度地域住民に対して、県南は福岡の第三のエンジン、農業に夢と活力、生きがいをと、みやま市を含む県南地域へのエールと、その主要産業であります農林水産業への思いを語っていただきました。「言うはやすく行うはかたし」ですが、地域住民は県行政における県南振興について、今度こそは本物だろうと厚く期待していることを冒頭申し上げておきます。
 福岡県は、九州の玄関口として商業、サービス業を集積する福岡都市圏地域、官営製鉄所をルーツに工業都市として成長を続ける北九州地域、産炭地から文化都市へと変貌を遂げつつある筑豊地域、そして肥沃な筑後平野、一級河川筑後川、矢部川を擁し、そして福岡県の食糧基地とも言える県南地域と、方向性の違いはあれど、その地域地域が持つ地理的特徴や、はぐくんできた歴史、文化を資産とし、バラエティーに富んだ特性を生かし、一極集中ではなくバランスよく発展することこそが福岡県の最大の強みになるのは、小川知事も議会初日の所信でおっしゃったとおり、疑いのないところでございます。
 ところが一方で、福岡県の状況を定量的な切り口で見ますと、余りバランスがよいとは言えない状況がございます。例えば、人口推移を昭和六十年と平成二十年で比較しますと、福岡県全体は四百七十万人から五百三万人、約七ポイント増でございます。これを地域で比較しますと、福岡都市圏は百九十万人から二百四十一万人、二七ポイントの増。一方で、県南地域は八十九万人から八十五万人と四・五ポイントの減。さらに私が住んでおります、みやま・柳川の地域では十三万五千人から十一万六千人と一四ポイントの激減となっております。人口構成で比較しますと、昭和六十年に福岡都市圏の十五歳以上六十五歳未満のいわゆる生産年齢人口比率は約六九%、一方、みやま・柳川地域は六五・五%と、当時から約三・五%の開きがございました。それが平成二十年には福岡都市圏が六八・二%とほぼ横ばいに推移しているのに対し、みやま・柳川地域は五九・八%と六%も減少し、福岡都市圏との比較において約九%と差は開く一方です。
 こういう話をしますと、少子、高齢化の一言で片づけられがちですけれども、これはお年寄りに甚だ失礼な話で、知事が政策に掲げている七十歳現役社会のような活力ある高齢化は、寿命が延び、そして労働人口がふえるよい現象と私はとらえます。やはりこれは少子化、しかも若者世代が仕事を求めて田舎を離れ都市部に移り住むために加速に輪をかける少子化に原因が尽きると考えます。一人当たりの平均所得を見ると、その差は歴然とします。平成二十年の県全体の一人当たりの平均所得は約年間二百六十五万円、これを地域で比較しますと福岡都市圏は二百八十四万円、私が住んでおります地元のみやま地区は二百二十八万円、年間約六十万円の違いがございます。これは一人当たりの平均所得ですから、世帯で換算しますと年間百万円以上の所得格差が県内に存在する。それゆえ若者は収入を求め都市部に移り住む、あるいは逆に地元に残ると収入が安定しないため、なかなか家庭を持つ勇気が持てずに少子化に拍車をかける悪いスパイラルを構成しています。
 そこで最初の質問です。県民幸福度日本一を目指し、将来に希望や幸福を実感できる地域社会の再構築を掲げる小川知事は、同じ福岡県に生まれ育っても、地域間にこのような格差とハンディキャップがある現実をどうお考えでしょうか、知事の所見をお聞かせください。
 私は、福岡県のバランスがとれた発展を阻害するような、県南地域の深刻な少子化スパイラルにくさびを打つためにも、やはり県南の主要産業であります農林水産業従事者の所得の向上と安定、それによる後継者確保は現実的で即効性のある有効な対策の一つと考えます。所得の向上という観点で、私自身多くの園芸農家の方から、福岡県の行っている高収益型園芸産地育成事業は大変有効であるとの評価をしばしば聞かされています。ハウスや高性能の農業機械を導入することにより、生産性を高め、コストを圧縮し、安定した収益の実現に役立ち、ひいては農業を継ぐことをためらっていた御子息とも将来について前向きな話ができるなど、後継者確保にも明るい兆しが出てきたそうです。少子化対策は待ったなしの喫緊の課題です。このような具体的、直接的効果が上がっている事業があるのですから、福岡県の財政も厳しい折、効果が高く即効性がある分野にもっと事業の特化と予算の傾注をし、今後とも継続、拡大をしていただきたい。
 そこで知事に質問です。農業の後継者確保に関する具体的な指標、数値目標を県としてお持ちでしょうか。また、農業の後継者確保と県南の所得向上の観点から、今後の高収益型園芸産地育成事業の継続と見通しについて、知事の見解をお聞かせください。
 さて、知事は安全、安心、安定という表現を多用されておりますけれども、所得の安定のために欠かせないのがリスクの軽減です。農林水産業は人知の及ばない大地を、海を、空を相手にしている事業ですから、もちろん豊作もあれば不作もあるのは避けられないことでしょう。しかし、安心して農業に従事し、そして後継者を育成するためには避け得るリスクを取り除き、ミニマイズする努力をするのが行政の役割だと考えます。
 県南を初め県下全域の中山間地域はイノシシの被害が多く、水田、畑作、果樹すべての作物において食害が大量発生していることを御存じでしょうか。しかしながら、防護さくの設置を進めようにも、現在の県の対策予算が全く不足しており、思うように設置が進みません。中山間地は特に零細農家が多いものですから、各農家に与える影響は甚大なものがございます。今年度予算では、農林水産物鳥獣被害防止対策費は増額される予定ですが、それでも全く間に合わない規模で、県下で鳥獣被害が発生しているという御認識を知事はお持ちでしょうか。イエスかノーかでお答えください。
 農林水産物鳥獣被害防止対策費用の内訳には、捕獲、駆除したイノシシ、シカ、いわゆる害獣を地域資源として活用するための処理加工施設事業が挙がっております。自治体財政が厳しい中で、このように害獣を資源とする試みは循環型の対策として評価されると思います。現在、県下の害獣の食肉加工施設はみやこ町、添田町に存在し、糸島市に計画がございます。しかし、八女を中心に年間三千頭の捕獲、駆除が見込まれます県南地域にはございません。
 知事にお尋ねします。将来的に県南地域にも有害鳥獣加工施設を設立し、福岡県全体として害獣の資源化を進めるおつもりはありますでしょうか。
 これらの鳥獣被害対策は福岡県内でも農林水産部、環境部、保健医療介護部と複数の部署に関連しております。そのため、横の連携を充実するよう福岡県鳥獣被害対策協議会が平成十七年より開催されておるそうですが、内容を見る限り、情報交換やわな、電気さくの仕掛けに関する研修など、既存事業の円滑推進、有効活用が主たる目的であり、鳥獣被害に対し効果の上がる大胆な施策を協議する場ではないと思われます。例えば、イノシシ肉の特産品化、ブランド化などを本気で目指すのであるならば、鳥獣被害に悩む側や鳥獣駆逐を管理する側だけの視点ではなく、販路拡大やまちおこしのノウハウを持った組織、具体的には企画・地域振興部や商工部及びその管轄の団体、自治体まで巻き込んだ全庁横断型のプロジェクトチームを新たに立ち上げるべきではないでしょうか。ここはぜひ、小川知事がリーダーシップをとり、部署間の調整、基礎自治体との連携を含めた効果的な対策を検討していただきたいと思いますが、この件についての知事の所見をお伺いします。
 また、みやま市の有力作物でありますミカンにおいては、収穫期にカラス、ヒヨドリ、メジロなどの野鳥の被害で出荷不能の作物が発生し、その数量も無視できない状況です。ブドウなどは防護ネットによる対策が可能です。しかし、ミカンの場合には作付面積が広大なため、防護ネットによる対策は不可能です。山間地域における木の実などのえさの減少や、市街地のごみ出し時におけるカラス対策などにより、えさを失った野鳥が原因となる食害が今後ふえることは間違いありません。福岡県として、ミカンや大豆など作付面積の広い作物に対する野鳥の食害対策をどのようにお考えか、知事の所見をお伺いします。
 最後に、筑後平野には筑後川と矢部川という二本の一級河川が流れておりますが、私が住んでいる筑後平野南部において、農業用水は矢部川水系に多くを依存している状況です。先述のとおり、高収益事業育成の施策もあり施設園芸農家が拡大していることは、収益の向上、安定化に対する一つの効果的な対策と考えますが、そのために、過去と比較して十一月から四月までの非かんがい期における農業用水の需要が高まっております。同様に、農業に限らず有明海に注ぐ矢部川水系の水量は、これまた筑後地域の主要産業であるノリのできばえを左右する栄養塩に多大なる影響を与えます。さらに、ノリの生産のピーク時が非かんがい期、つまり昨今施設園芸農家の拡大により水の需要がふえた時期に重なるため、水量不足に拍車がかかる状況となっております。
 平成十三年に起こりましたノリの凶作の際、ノリ生産業者は子供の給食費にすら事欠くような苦境に立たされました。その際は、地元自治体において給食費補助などを行い緊急対策が講じられたそうですが、そのような不安定な状況はノリ生産、施設園芸にかかわらず、幾ら高収益事業化が進んでも、なりわいとしての魅力は半減してしまいます。また、有明海の潮の干満で逆流してくる浮泥の堆積により、塩塚川、沖端川河口にある漁港では、毎年毎年一億数千万のしゅんせつ工事なしでは漁船の出入りにも支障を来すような状況ですが、これも矢部川水系が浮泥を攪拌し押し出すだけの潤沢な水量を有していれば、しゅんせつ工事のコストが軽減される可能性もあります。求められるのは対症療法ではなく、抜本的な対策でございます。矢部川水系には、御存じのとおり県内有数の貯水量二千三百八十万トンを誇る日向神ダムがございますが、これは治水を目的としたダムですので、梅雨期でございます六月十日から七月二十一日の間は貯水量を七百三十万トンまで強制的に落としてしまいます。すると、ことしのように梅雨明けの時期が早く訪れる場合、小手先の弾力的な運用を行っても意味をなさず、夏の雨量次第では深刻な水不足が筑後平野南部地域の農林水産業に大打撃を招く可能性を、知事は御理解されているでしょうか。ここはぜひ、矢部川水系の抜本的水源対策について御検討をお願いしたいと思います。
 同様のことを、本年五月三十日に行われました県南総合開発促進会議において、柳川市の金子市長が要望されました。また昨年十二月の定例議会では、私の父、板橋元昭前県議が、やむにやまれぬ思いでしょうか、十六年ぶりに一般質問の舞台に立ち、強力に要請しております。その際、当時県知事だった麻生前知事からは、まず矢部川水系の流況について調査研究を行い、それをもとに新たな利水用ダム建設を含めた抜本的な対策を検討する旨の答弁をいただいたことを議事録にて確認いたしました。しかしながら、この場には麻生前知事も、質問を行いました県議会議員もおりません。
 そこで小川新知事にお尋ねします、矢部川水系の水源開発に関する小川知事の認識を御披露いただいた上で、前知事がお約束されました流況に関する調査研究の現状及び今後の見通しについて、行政の継続性の原則に基づき、詳細に説明と見解をお示しお願いいたします。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。(拍手)

◯議長(原口 剣生君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 まず初めに、県内の地域格差、その解消の問題でございます。県内の地域格差は、これは何としても解消していきたいと思います。そのためには、地域がそれぞれの特色を生かしながら発展していくということが重要でございます。地域の方々と一緒に知恵を出し合いながらやっていきたいということ、それから、それぞれの地域間で相互に補完し合っていくことが、県のバランスのとれた発展という意味では、これも大事だろうというふうに考えております。その上で、御質問にお答えしたいと思います。
 高収益事業の継続についてお尋ねがありました。この事業は、収益性の高い園芸農業を実現するために、先進技術の導入でありますとか、省力機械、施設の整備を支援するものでございまして、園芸農家の経営改善に大きく貢献しているというふうに考えております。その結果、園芸農業の産出額は、今本県の農業の産出額の約過半を占めるまでに至っておるところでございます。県といたしましては、園芸農業の振興を図るために、本年度も六次産業化の視点も取り入れながら、この事業費の大幅拡充をしたところでございます。本事業については、引き続き実施をしていきたいと、このように考えております。
 そのときに、御質問でございますが、新規就農者の目標があるのかということでございますけれども、現行の福岡県農業・農村振興基本計画の中で、園芸農業を含めた新規就農者の方については、年間二百人という目標を持っております。現在、二十二年、昨年の段階でいいますと、百五十名ちょっと切るぐらいでございます。そういう意味では、次の計画でもこうした具体的な目標を検討していきたいというふうに考えております。
 それから、中山間地におきます鳥獣被害の防止対策についてお尋ねがございました。県では、鳥獣被害防止特措法に基づきまして、まず市町村が作成いたします被害防止計画の作成支援、それからこの計画に基づく被害防止対策を、国庫交付金であります鳥獣被害防止総合支援事業を活用しながら実施をしている、この二つの仕事をしているところでございます。本事業は、本年度から全額国庫負担による侵入防止さくの設置、そういったメニューも創設されまして、国の予算ふえたわけでございますが、全国的に非常に要望が高くなりまして、集中をいたしました。その結果、私どもの県では三億八千万円余ということでございました。先ほど先生御指摘がありました、現場では不足という感じを持っておられるのかもしれません。それを踏まえまして、県としましては、この事業というのは、今年度から三カ年で実施をするという国の計画になってございますので、事業として今後採択が確実なもの、そういう採択されやすい形のものになるように、特に評価の高い市町村区域といいますか、その村域を越えた被害防止体制の構築とか、いわゆる国側では評価の高いと見られておりますような、そういう事業というものを関係の自治体と一緒になって仕組んでいく、考えていく、そういった被害防止体制の構築を考えていく。それから、被害防止計画を策定する際、いろいろ私どもがアンテナを高くして集めた情報も提供しながら、指導、助言もやっていきたいと、このように考えております。
 それから、処理加工施設についてお尋ねがありました。捕獲したイノシシやシカを食用として利用するためには、捕獲後、限られた時間内に食肉処理を行う必要があります。現在、県内には、先生御指摘のとおり、町が設置しました処理加工施設が二カ所ございますが、いずれも県北のほうにあるわけでございます。県南に設置をすることは必要ではないかと私は思っております。
 なお、八女市が処理加工施設の新設を検討中であるというふうに私は聞いております。そうした八女市の近隣地域での利用も含めまして、先ほど申し上げました、国に提出をします実際の計画書の策定に当たりましては、そういう施設の設置というものがうまく採択されますように、情報収集と指導、助言といいますか、知恵をお互いに出し合っていくと、そういう作業を行ってまいりたいと考えております。
 それから、捕獲鳥獣の利用の推進のあり方について御質問がありました。捕獲した鳥獣につきましては、その獣肉はもとより、皮や角まで含めた利用を拡大していく、そのためには的確な捕獲方法と、それから安定供給のための収集、運搬方法、それから解体技術の向上であります、それから得られたものの販路の開拓ということが大事でございます。その際、御指摘がありましたブランド化ということもあろうかと思いますが、さまざまな課題を解決する必要がございます。県としましては、県や関係団体と構成しております福岡県鳥獣被害対策協議会というのがあるわけでございますが、御指摘もありましたように、これをまた見直して、被害防止だけではなくて、捕獲獣の有効利用、これも頭に置きながら、全庁的に関係する部局を参加させる形で解決に向けた取り組みについて研究していきたいと、このように考えております。
 それから、カラス、鳥のほうの被害でございますが、被害対策としましては、防鳥ネット、テグス、それから爆音器の利用など防止対策を行っているところでございます。市町村が猟友会の御協力を得て、銃やわなによる捕獲対策を行っているところでございますが、必ずしも十分な効果が得られてないようでございます。現時点では、残念ながら、なかなか有効な手段が見つかってないというような状況かもしれません。このため、私どもとしましては、ほかの地域での取り組み事例でありますとか、研究成果というものを広く情報収集しながら、有効な方法というものを探求していきたいと思っております。
 矢部川の流量の抜本対策についてお尋ねがございました。矢部川の水は、流域の農業用水ばかりでなくて、先ほどありましたノリ、いわゆる水産業や掘り割りの水を活用した防火用水など水資源としても活用されております。この流域にとりましては、極めて重要なものであると考えております。これまで日向神ダムにかんがい期の農業用水を確保するとともに、そのダムの弾力的運用によって、矢部川の流量改善に努めてきたわけでございます。また、農業用水が不足する場合には、筑後川下流用水によります対応を行っております。こうしたことを通じまして、農業、それからノリを初めとする水産業に必要な用水を供給するとともに、副次的な効果としての防火用水の確保にもつながっているところがあります。今後とも、必要な水資源の確保に努めるとともに、矢部川の水を効果的に使うための方策について研究してまいりたいと思います。
 先ほど、前麻生知事と、お父様、板橋県議との質疑のやりとりのお話がございました。これにつきまして、私も議事録を読ませていただいております。矢部川の流況につきましての調査研究というのは、これからやりまして、その研究結果も踏まえながら、さまざまな方策について、費用対効果、いろんなことを総合的に研究していきたいということをここで申し上げたいと思います。

◯議長(原口 剣生君) 板橋聡君。

◯十一番(板橋 聡君)登壇 私も初めての質問でございますので、前向きな御回答もあれば、なかなか満足しにくい御回答もあるかなと思いますけれども、まずは私の思いを伝えたということで、これをスタートラインに、今後につなげていきたいと思います。
 特に、矢部川水系の問題は、すぐに百点満点の答えが出てくるとは思っておりません。しかし、矢部川が筑後川と並んで県南に恵みをもたらす河川となるよう、私の県議会議員としてのライフワークとしてこの問題に取り組んでいきたいというふうに思う所存でございます。小川知事も、早期に現地視察などに来ていただきまして、できない理由を探すのではなく、県民のために一緒に知恵を絞り、どうやったらできるのか前向きに取り組んでいただくことを要望し、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 本日はありがとうございました。(拍手)