【桜の花が紡ぐ福岡県と中国 江蘇省の友情】

【桜の花が紡ぐ福岡県と中国 江蘇省の友情】
福岡-江蘇友好桜花園20周年記念訪問団の一員として江蘇省南京市を訪問してきました。
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(↑桜花園入口にて)

この桜花園の建設は、1992年に福岡県と江蘇省が友好締結をし、その後1994年に福岡県議会議会が江蘇省を公式訪問し桜の植樹構想を提案された事をきっかけとしています。
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(↑20周年記念式典の模様)

福岡県は議会のみでなく、広く県民に呼びかけ1995年に桜の会が設立され、江蘇省人民代表大会から共同建設の承認を得た後、1996年に落成されました。1.4ヘクタールの広大な敷地に約2800本の桜が植樹されています。
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(↑写真はその当時の賛同者の名前が記載されたプレート)

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(↑私の父の名前もありました)

福岡県日中友好桜の会会長で、桜花園の設立に尽力された元県議会議員の新宮松比古先生も今回の訪中を心待ちにされていましたが、3月13日に急逝された事もあり、記念式典のご挨拶は日中双方共に新宮先生を偲ぶ言葉に溢れていました。その後、県訪問団と江蘇省の皆さんの手により桜20本とツツジ20本が記念植樹されました。
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(↑一緒に植樹をした江蘇省人代 勝勇外事委員会主任)
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(↑プレートの前で小川知事や同僚議員と)
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(↑友好桜花園がある中山陵園管理局局長の黄さんと祝賀会にて。日本と中国における女性登用の違いについて興味深いお話しを頂きました)

また、今回は次世代を担う青少年の交流を通じた両県省の相互理解と友好推進が図られました。
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(↑八女から青少年交流に参加して頂いた皆さん)

江蘇省は八女茶発祥の地と言われており、その点でも福岡県とは深い結びつきが有ります。記念式典の中では八女高校と輝翔館高校の茶道部の方にお手伝いを頂き「日中友好大茶会」が開催。その後、高校生の皆さん達は地元高校生との親善を行った後、八女茶の種が持ち帰られたと言われる蘇州の霊厳寺を訪問しました。
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(↑日中友好大茶会は先ず中国側からお茶とお香のおもてなし)
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(↑それから屋外に出て、野点で日本側のおもてなし。琴や尺八の演奏もあり、素晴らしい雰囲気でした)
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(↑福岡県の服部副知事の奥様がお茶を点てられました)

大先輩の逝去、次世代の交流。記念植樹の後、訪問団名誉団長である小川知事と雑談する中で、知事が「月日が経って、訪れる人は変わっても、ここに植わっている桜の木は変わらない、同じなんですよ。桜にしてみれば、我々人間の移ろいなんて小さな事だなぁと思っているかも知れませんね」と仰ったのが印象的でした。
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(↑新宮松彦先生の遺影を掲げた御令息と共に)

『集まり散じて人は変われど、仰ぐは同じき理想の光』

二泊三日の弾丸出張でしたが、非常に充実した中身の濃い訪問となりました。

【小川知事のふるさと訪問みやま市編】

【小川知事のふるさと訪問みやま市編】
先月行われた現在配布中の「グラフふくおか 2016年春号」に、みやま市で行われた小川知事のふるさと訪問の記事が掲載されています。また同様に、先日RKB毎日放送にて放送された「福岡県庁知らせた課」がネットで閲覧可能になりました。見逃された方は是非ご覧下さい!
↓↓↓
http://webtv.pref.fukuoka.lg.jp/ja/movies/detail/2978

 

【HAWKSベースボールパーク筑後オープン!】

【HAWKSベースボールパーク筑後オープン!】
待望のHAWKSベースボールパーク筑後がオープンしました。メーン球場の「タマホームスタジアム筑後(タマスタ筑後)」では広島カープ戦が行われました。

とにかく選手との距離が近い!レフト・ライトの広さはヤフオクドームと同じに作ってあるそうですが、バッターボックスからバックネットの距離がもの凄く近く感じます。ネクストバッターズサークルなんてほんと目の前です。声援も、そしてヤジも間違いなく選手の耳にしっかり届く。この一体感はファンにはたまらんでしょうね。

そして、個人的に素晴らしいと思ったのは「音」です。鳴り物の応援がないから、音が凄く生々しく響きます。

ミットに収まるボールの音、芯を食った打球音、芯を外した鈍い打球音、ファウルチップが目の前でバックネットに突き刺さる音。音が振動となって肌で野球を感じると言っても良いくらい。

本当にベースボールパークと呼ぶに相応しい施設になったと思います。

昨日は筑後船小屋駅開業以来初めて見るような人出で賑わっていました。駅周辺の物産イベントも楽しかったし、筑後広域公園体育館で行われた県主催の記念イベントも、秋山幸二前ホークス監督の講演などで超満員でした。写真上は秋山監督と講演前の記念写真。

ホークスファーム本拠地は素晴らしい地域のコンテンツに成り得ると実感した次第。しかしながら、これに胡座をかいてはいけません。周辺地域は住民上げてこのホークス効果をどう地域に招き入れるか、これからが勝負です。筑後市を中心に、みやま市、柳川市、八女市、大川市、広川町、大木町の筑後七国、一丸となって頑張りましょう!

 

平成28年度予算特別委員会・知事保留質疑「中学校の学力向上について」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。
 中学生の学力向上について質問いたします。もとより教育問題に関する質疑は教育長において完結すべきところではありますけれども、本件につきましては、現在、県が強力に推し進めています地方創生総合戦略や知事の公約でもある幸福度日本一に深くかかわりますので、財源の面も含め、知事の認識を問いたく、本日、直接質問させていただきます。
 私は、予算特別委員会第十款の審議で、全国学力・学習調査の結果を比較すると、地区により大きな特徴があることを指摘しました。
 具体的には、私の地元南筑後地区では、小学校六年生時点で全国平均からマイナス〇・三ポイントと、福岡地区と並んで県全体の成績を牽引する位置にあったのに、中学校三年生になると、全国平均からマイナス一六・二ポイントと大きく引き離されるという結果が出ています。南筑後の子供たちは、せっかく小学校で頑張っているのに、中学三年間でスポイルされてしまい、まるでスタミナ切れを起こしたマラソンランナーがずるずると後退するかのような印象さえ持ちます。
 我が会派の井上順吾議員が同様に予算特別委員会で明らかにしましたが、主たる学習塾が存在しているのは福岡地区と政令市がほとんどです。中学三年生の全国学力・学習調査の成績は、これに比例するかのごとく、福岡地区と政令市だけが辛うじて全国平均レベルを保ち、それ以外の地域は完全に低迷しています。このままでは、子を持つ親は学習環境のよい政令指定都市や福岡地区に集中し、地方創生が掲げる都市部への人口一極集中をとめるなんていうことはできないと思います。
 知事はこの結果を見てどのように思われますか。特に南筑後のように全国平均から中学三年間で大きく成績を落とすような地域があることについても、あわせて所見をお聞かせください。

◯加地邦雄委員長 小川知事。

◯小川知事 委員も今指摘されましたように、本県では、小学校から中学校に上がりますと、正答率の全国との差が全ての地区で広がる傾向にございます。特に、今、御指摘ありました南筑後、そして京築両地区でその傾向が顕著に見られるところであります。こういった実態は、全県的な学力向上を図る上で解決していかなければならない課題であると認識しております。

◯板橋 聡委員 中学校で学力が落ち込む傾向については、解決しなければならない問題と認識をしていただきました。これに関しては城戸教育長も同じ認識で、私の予算特別委員会の質疑において、教育長には、平成二十四年度に策定された総合計画が来年度最終年度を迎えることを踏まえて、地区の実情に応じた地区別の施策を含め、目標設定及びその達成に向けての方策から大胆な見直しをすることをお約束いただきました。
 新しい施策には新しい財源が必要となります。教育は地味で時間がかかりますが、最終的に一番効果がある地方創生施策と思っております。地方創生を教育の分野からしっかりと下支えするためには、現在の教育庁の予算の中でやりくりするだけではなかなか厳しいのではないでしょうか。私は教育庁の回し者ではございませんけれども、小学生と幼稚園の三人の子を持つ親としても、教育庁の本件に対する今後の新たな取り組みに、しっかりとした財源の裏づけにより知事部局側からのバックアップをお約束していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

◯小川知事 学力向上につきましては、これまでも、強化市町村を指定するなど、地域の実情に合わせた形でいろいろな施策、支援をやってきたところでございます。
 今後の中学校対策でございますけれども、現在、教育委員会のほうで、例えば小学校で全国平均水準にあります福岡地区、あるいは南筑後地区というものを中学校でさらに伸ばしていく取り組みなど、各地域の状況を踏まえた具体策を今検討していただいているところでございまして、その検討結果を踏まえた上で、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 昨年十二月議会にて承認されました地方創生総合戦略に四つの基本目標を知事は盛り込まれましたね。知事は、教育問題はこの四つの基本目標のうち、どれに一番かかわりが深いと考えられますでしょうか。

◯小川知事 全てにかかわっていると思っております。その基本だと思っております。

◯板橋 聡委員 一つだけ選ぶなら。

◯小川知事 なかなか選びにくいと思いますけれども、いきいきとそれぞれが能力を発揮して、その地域で暮らしていける、それで魅力ある職場に就職できる、そういったものの基本をなすものだと思っております。

◯板橋 聡委員 決してこれは知事をどうこう言うわけでありませんけれども、基本目標の四つの中で一番文教問題に深くかかわっているのは、地方創生を担う人材の育成、これは三番目の目標ですね。
 それで、私が思うのは、子が親を選べないように、生まれてくる子供たちは、ふるさとを選べません。基本目標の四番に、誰もが住みなれた地域で暮らしていける活力ある地域づくりというのがございます。県内どこに生まれても、しっかりとした義務教育を受けることができることは、まさにこの目標に合致すると思います。このことを忘れず、幸福度日本一の福岡県を議会とともに目指しましょう。終わります。(拍手)

平成28年度予算特別委員会「中学校の学力向上について」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。きょうは中学生の学力向上について質問させていただきます。
 資料として、平成二十四年度小学校六年生と平成二十七年度中学校三年生の全国学力学習状況調査の結果推移を要求しています。お取り計らいのほど、よろしくお願いします。

◯加地邦雄委員長 お諮りいたします。ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯加地邦雄委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。相原義務教育課長。

◯相原教育庁義務教育課長 はい、直ちに提出いたします。

◯加地邦雄委員長 資料を正副委員長に確認させてください。
    〔資料確認〕

◯加地邦雄委員長 事務局は資料を配付してください。
    〔資料配付〕

◯加地邦雄委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 簡潔に資料の説明をお願いします。

◯相原教育庁義務教育課長 御説明します。配付資料一のグラフは、全国学力・学習状況調査における本県公立小中学校の平均正答率の全国平均との差の推移を示したものです。
 下段の二の表は、平成二十四年度の小学校六年生と平成二十七年度の中学校三年生の平均正答率の三年間の変化を、これも全国平均との差で示したものであります。なお、この平成二十四年度の小学六年生と平成二十七年度の中学校三年生は同じ集団であるということになります。以上です。

◯板橋 聡委員 では、この資料から読み取れることは何か、教えてください。

◯相原教育庁義務教育課長 配付資料の一のグラフになりますけれども、まず小学校は改善しつつありますけれども、中学校はやや下降傾向にあるということ、また二の表から、小中学校ともに地区間で格差が生じていることが挙げられると思います。
 さらに、県立中学校や私立中学校等への進学者を除いて、ほぼ同じ母集団であるこの中学校三年生と小学校六年生とを比べたときに、小学校から中学校に進学すると全国との差が広がってしまうという傾向が、ほとんどの教科区分に見られる。また、地区別に見ますと、南筑後地区及び京築地区におきまして、その傾向が顕著でございます。

◯板橋 聡委員 中学校で学力を伸ばせない要因はどこにあると考えられますか。

◯相原教育庁義務教育課長 全国学力・学習状況調査によりますと、本県の中学校につきましては、学校全体の学力傾向や課題についての全職員での共有が弱い、さまざまな考えを引き出したり、思考を深めたりする発問や指導が弱い、授業中、私語などがなく、落ちついている学校が少ないという組織運営、授業改善、児童生徒のそれぞれに課題が見られ、これらが主な要因になっているものと考えております。

◯板橋 聡委員 これは、これまでずっと県教育委員会が言ってきたことを繰り返しお話をされていると思うんです。これは県教育委員会の分析結果とか、あるいは取り組みが、現場で小学校、中学校の教育をつかさどります市町村の教育委員会、あるいは学校に届いていないのではないかと感じますが、どうやったら意思疎通が徹底するのか教えてください。

◯相原教育庁義務教育課長 今年度から、学力向上に関する重要な事項につきましては、可能な限り義務教育課、本庁が各地区の学力向上推進委員会や校長会に出向いたり、教育事務所が実施する学校訪問に参加したりするなど、関係者に直接説明する機会を設ける取り組みを開始いたしました。
 さらに、市町村教育委員会連絡協議会の会合にも参加するなど、市町村教育長との意見交換の機会もふやしております。
 今後もこれらの取り組みを継続し、県教育委員会としての指導助言内容の統一と徹底を図りますとともに、各教育事務所における学校の実情に応じた支援機能の強化を行ってまいりたいと思います。

◯板橋 聡委員 ことしから県庁から直接学校訪問に行ったりするという、その意気込みはよくわかるんですけれども、逆に県教育委員会の意気込みが上滑りして取り組みが一方通行にならないか、もっと言えば面従腹背のような状況にならないか懸念いたします。そのためには、市町村や学校からのフィードバックも得ながら、県教育委員会の政策を深化、深堀りしていくような努力をするとか、県教育委員会と市町村の信頼関係の構築も必要かと思いますけれども、いかがでしょうか。

◯相原教育庁義務教育課長 学力向上施策、あるいは指導助言を徹底していく前提としまして、教育庁本庁におきましても、各教育事務所や市町村、学校の現場の状況を的確に把握しますとともに、さまざまな現場の関係者と緊密に県教育委員会の方針をめぐって議論し、フィードバックを受けて、それを企画立案段階から生かしていくことが大切であると認識しております。
 県教育委員会の施策が一方通行にならないように、今年度は特に教育長がみずから市町村教育長と意見交換を行ったり、市町村教育長や各地区の校長会長に緊急にアンケートを実施しましたり、私自身も市町村教育委員会や学校を個別に訪問し、意見交換を行ったりするなど、双方向の意思疎通に努めてまいりました。引き続き、このような改善を重ねてまいりたいと思います。

◯板橋 聡委員 資料の全国の平均正答率との差の推移を一番で見てみると、大きな流れとして、小学校は改善傾向が見えつつあるのかなと。その一方で、先ほど御説明ありましたとおり、中学校は現状維持も怪しく、逆に下降しているように見えています。という意味では、中学校に特化した施策によるてこ入れも必要かと思いますけれどもいかがでしょうか。

◯相原教育庁義務教育課長 昨年十月に、県、両政令市及び市町村代表の四教育長が懇談いたしまして、中学校の学力向上を狙いの一つとします取り組みとして、一点目にノー部活デーの週一回の設定、二点目にスクールソーシャルワーカーなどの専門スタッフの活用により学校を支援する施策の強化、三点目に学校とPTAが連携した携帯、スマートフォンの使用ルールづくりの推進を協調して全県的に推進することを確認いたしました。
 特に、二点目につきましては、当初予算案にチーム学校推進事業として必要経費を盛り込んだところであり、中学校における生徒指導や教育相談の体制強化を図りまして、生徒が学習に向かう環境づくりを進めてまいります。

◯板橋 聡委員 今のお話は、基本的には中学生が勉学に向き合うための環境を整えるという話だと思います。もちろん環境整備は大切です。しかし、結果を出すには、環境整備にとどまらず、中学校における学力が伸び悩んでいる現実を真摯に受けとめ、その要因の分析をしっかりと行い、中学校に特化した学力向上施策の具体的で大胆な見直しを図るべきではないでしょうか。

◯相原教育庁義務教育課長 全国学力・学習状況調査及び福岡県学力調査の結果から、課題が見られる学校に教育事務所の学力向上フォローアップチームを個別に派遣し、管理職に学校経営上の指導助言をきめ細かに行う学校訪問を本年度、試行的に導入いたしました。来年度から本格的に運用を開始し、全県的な意識改革と地域の実情を踏まえました支援の強化を推進してまいります。
 また、例えば南筑後地区につきましては、前回の学習指導要領の改訂で明記された言語活動の学校全体での取り組み率、あるいは講師を招聘しての校内研修の実施率、このような指標を見ますと、小学校では県内六地区で最も高い、それに対して中学校では最も低い、このような状況も判明しつつあり、地区の実情をさらに掘り下げる必要もあると認識しております。
 小中学校長の代表者を集めての六地区合同の学力推進協議会を、本年一月に初めて開催いたしました。今後もこれを継続し、四教育長懇談会で確認した学力向上の取り組みの推進状況等を協議するなど、学力向上の責任者たる校長に働きかけを強めていくとともに、各地区の実情の分析を踏まえた施策のあり方についても意見交換を行いまして、学力向上施策の刷新を図ってまいりたいと考えます。

◯板橋 聡委員 しっかり頑張っていただきたいんですけれども、先ほど相原課長のお話の中でも若干触れられましたけれども、小中学校を切り分けて学力向上施策について議論させていただきましたけど、さらに地区別に特徴があることを、もう一度指摘させていただきます。資料二番目の一番下の段を見ていただければわかりますが、各地域の小学校六年生が、中学校三年間、その地域でまた教育を受けて、中学校三年生になっての成績がどのように変化するかを地区ごとにあらわしている表なんですけれど、先ほど課長ご指摘のとおり、南筑後地区は、小学校六年生時点では全国平均からマイナス〇・三点ということで、県内では福岡地区に肉薄する成績なんです。これが中学三年生になるとマイナス一六・二と、先頭グループから脱落してしまうような状況なります。昔、子供のころ、学校の先生から私は、得意科目は予習をしてもっと伸ばす、苦手科目は復習をして基礎を身につけるということを教えていただきました。これは地区別の学力の状況を見ても、同じようなことが言えるんじゃないかと。学力向上において、やはり地区の特徴をしっかり捉えて、各地区の実績に即した取り組みをするべきじゃないかと思います。
 今年度、筑豊地区への支援が強化されております。筑豊地区の底上げは県全体の学力向上に必須で、これは今後も継続しなければならないと思いますけれども、福岡地区、あるいは南筑後地区等では、小学校では全国平均レベルの成績であるわけですから、ここをもっと伸ばして県全体の成績を牽引するような立場であり続けると、そういうことにならなければいけないと思います。南筑後地区の中学校の段階でどういう取り組みをするか、ここをよく考えていただくことが必要かと思いますけれども、いかがでしょうか。

◯相原教育庁義務教育課長 学力向上の大きな柱は、授業改善にあると考えております。全ての児童生徒がよくわかる授業が各学校の各教室で展開されることが大切であります。本年度からは、全ての小中学校の学力向上推進コーディネーターを対象に、各地区の実情を踏まえた研修を実施しまして、特に習熟度に応じたきめ細かな指導についての研修を深めてまいりました。
 県全体としては、補充的な学習の充実が必要な地域がいまだ多いものの、学校の状況に応じまして積極的に発展的な学習を取り入れるなど、学力の高い児童生徒の能力をさらに伸ばす、個に応じた指導も推進してまいります。さらに、来年度からは、新たに各教育事務所に授業づくり支援チームを組織しまして、各地区の特徴を捉えまして、各学校の実情に応じた教員の授業力の向上を積極的に支援してまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 地方創生におきまして、都市部の人口一極集中をとめるためにも地域の魅力を高めることが必要ですけれど、その中で私は教育が果たす役割というのは一番重要だと考えております。県下どの地域に生まれても、義務教育段階で子供たちの将来の可能性を最大限に開かせることが重要だと考えております。しかしながら、中学校の現状は、全国学力調査で全国平均を超えるという県教育委員会の目標にはほど遠いんじゃないでしょうか。
 実は、来年度は五年に一回の県の総合計画の見直しの時期に当たります。全国学力調査で全国平均を超える、これを大目標と言うのはちょっと恥ずかしい話ではありますが、それでも今は、これが福岡県においては大目標でございます。この大目標を夢ではなく、しっかりと現実のものとするには、大目標の実現に確実につながっていく中目標や小目標を立てるべきだと考えています。
 例えば、我々も受験を経験しましたが、中学校二年生の終わりぐらいに志望校を決めて、夏休みまでにこのドリルを何冊やってとか、そういうことを決めて、そのためには中間テストまでにここまでやっておくように頑張って、そのためには今月何をやって、今週何をやるべきかということが決まる。こういうブレークダウンが大目標の実現には必要かと思います。ぜひ、次期目標設定からこういった手段を反映させるべきだと思いますけれどもいかがでしょうか。

◯相原教育庁義務教育課長 県教育委員会としましては、この全国平均を超えるという目標そのものは、県民の信頼を得る上でわかりやすいものであり、その達成を目指していく考えでございますけれども、目標を立てる以上は、その実現に向けて確実に目標管理を行い、その過程を検証、改善していくことが重要であると認識しております。課題の大きい中学はもとより、改善傾向が見えてまいりました小学校も含めまして、委員御指摘のとおり、全国平均という大目標の実現につながるような、より下位の目標を具体的に設定し、それらの実現を着実に積み上げていくことが求められている状況にあると認識しております。
 県教育委員会としましては、県学力向上推進会議等の場におきまして、市町村や学校における目標の設定管理の好事例の収集、本年度から開始した福岡県学力調査の分析結果の活用方法の検討、地区や学力低位層への着目などを通じまして、正答率の向上につながる具体的な指標を検討し、これを平成二十九年度の目標設定から反映させてまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 課長に平成二十九年度の目標設定から反映させると宣言をしていただきました。私は毎週日曜日八時、NHKで「真田丸」を見るのが大好きなんですけれども、先週、上杉景勝のもとに単身乗り込んだ真田丸のりりしさを、今、課長の姿から感じとりました。
 教育長、家臣ともいうべき部下にここまではっきり宣言をしていただきました。中学校の学力強化に向けた教育長の決意を聞かせてください。

◯加地邦雄委員長 城戸教育長。

◯城戸教育長 本県の中学校の学力でございます。これは、ここ数年来、大きな課題と受けとめておりまして、いずれもいまだ取り組みの成果は上げていない、改善すべき余地が多々あると基本的に認識しております。
 低学力問題へのアプローチでございますけれども、三つの視点からのアプローチが基本と考えております。一つは、教員の意識の問題でございます。二点目は教員の指導力についての問題でございます。三点目は児童生徒の生育の環境を改善するという問題でございます。この三つの視点から分析し、対策を講じていくことになるわけですけれども、本県の中学校に焦点を当てますと、例えば意識の問題では、先生方が、高校入試に比べますと学力テストの成績を上げることについて若干熱意が低いと。それから、部活動で子供を鍛えることと比較いたしますと、学力で子供を鍛えることについては若干熱意が足りないという感覚を持っております。また、この意識が指導方法の問題につながるわけでございまして、学力テストで求められる思考力等を高めるための授業改善、特に学力テストを有効に活用した授業改善の取り組みが少し低い、進んでいないということでございます。
 また、小学校とか高等学校に比べますと、補習とか宿題による学習の定着の取り組みが、若干中学校は低いのではないかと考えております。そのほか環境の面では、厳しい環境下にある子供の学習意欲の低下というのは、中学校で特に顕著にあらわれる傾向があります。あわせまして、県や市町村の施策、あるいは学校での組織的な取り組みがなかなか浸透しないという背景には、中学における教科制の問題に伴います学校の組織文化の問題もあるのではないかと思います。

◯加地邦雄委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔にお願いします。

◯城戸教育長 失礼しました。今後、これらの分析に基づきまして、その要因の核心に迫る取り組みを進めてまいりたいと考えております。その際、各学校の状況、地域の状況の把握に努めまして、各地区、学校における特徴的な状況にまで踏み込んできめ細かな対策を講じてまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 この実現には、答弁の長さより、やはり充実した財源だと思っております。しっかり答弁していただきましたけれども、財源をしっかりと充てて、そして地方創生の中で都市部一極集中をとめ、地域間格差のない、幸福度日本一の福岡県を実現するためにも、ぜひこの問題について知事から直接聞かせていただきたいと思いますので、知事保留をよろしくお願いします。

◯加地邦雄委員長 ただいま板橋委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。
 なお、知事保留質疑は三月十八日金曜日に行う予定でありますので、御了承願います。

◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)

平成28年度予算特別委員会「観光マーケティング事業『福岡よかとこパスポート』について」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。
 綱取りがかかる我らが琴奨菊関、きのうも抜群の取組内容で二連勝いたしました。そして、きょうは待望のソフトバンクホークスファーム本拠地となるホークススベースボールパーク筑後の竣工式です。こけら落としとなる十九日の広島カープ戦のチケットは既に完売しているようです。
 我が県南は、スポーツによって元気をいただき、盛り上がっているところですが、先日発表された国勢調査結果に、県南地域は危機感を募らせておるところでもあります。ぜひ、このスポーツの勢いを、観光を初めとする商工部の地方創生施策に取り込んでもらえないかと思っておりますけれども、みやま市に御親戚もおられて、御縁のある部長、どう思われますか。

◯加地邦雄委員長 今村商工部長。

◯今村商工部長 私ども、ぜひ地域の皆さんと一緒になって、地域でこれまで培われてきた地域の資源、さらには先ほど委員御指摘のとおり、新たに開設されるベースボールパーク、そういったものを活用して、地域の皆さんとともに観光客、特に誘客を図っていきたいと、このように考えております。

◯板橋 聡委員 心のこもった回答ありがとうございます。
 ということで、きょうは観光マーケティング事業福岡よかとこパスポートについて、質問をさせていただきたいと思います。観光マーケティング機能の強化として、二月補正予算で、福岡よかとこパスポート事業が新たに計上されました。この事業の狙いを教えてください。

◯加地邦雄委員長 武濤観光・物産振興課長。

◯武濤観光・物産振興課長 本県におきます観光客の入り込みは、福岡市、北九州市を中心としました都市部のほうに集中しております。県内各地への観光客の周遊促進が大変大きな課題であります。
 県内さまざまな地域に観光客を周遊させるためには、徹底したマーケティングに基づき、主流となってきております個人観光客の動向を把握することが不可欠であります。このため、県内の観光施設や体験プログラムなどで利用が可能な観光パスポートを発行し、パスポート利用者の情報を収集するという事業であります。この情報収集で得ました福岡県を訪れる観光客の属性や動向を調査分析することによりまして、今後の観光施策立案に役立てていくことが事業の狙いであります。

◯板橋 聡委員 事業内容を今後詰めていかれることになるのではないかと思いますけれども、これは福岡県オリジナルの事業ですか、それともほかの自治体でもやっておるような事業でしょうか。

◯武濤観光・物産振興課長 同様の事業につきましては、高知県が平成二十四年度より龍馬パスポートと称しまして事業を実施しております。これは、パスポートを見せて観光施設などを利用しますと特典を受けられると同時に、パスポートにスタンプが押されまして、このスタンプが一定数たまりますと、パスポートがランクアップしていくものであります。同様の事業を三重県や栃木県でも行っております。

◯板橋 聡委員 龍馬パスポートの事例を挙げていただきましたけれども、要するに、紙で新しくパスポートを発行するということだと思います。今、私もそうなんですけれども、スマートフォンとか、そういったインターネットなどを通じた電子的なツールが普及をしておるような現状でございます。紙ベースで、しかもアナログで情報を収集するということで、どれぐらい実効性があるのかなと思いますし、私もそうなんですけれども、旅行に行くときは少しでも身軽でいたい。今、僕の財布の中もいろいろなポイントカードだ何だで、ぱんぱんなんですね。そういうときにわざわざ、さらにもう一つ福岡よかとこパスポートを持ち歩いてくれるかどうかが非常に疑問なんですけれども、他県における観光パスポートの利用状況を教えてください。

◯武濤観光・物産振興課長 龍馬パスポートにつきましては、幅広い世代が親しめるよう紙ベースとしながら、高級な紙でつくった表紙に金箔を施すなど、パスポートデザインにこだわったつくり込みがなされております。その結果もありまして、平成二十七年二月末までに、高知県におきましては累計で約十四万五千人の方がパスポートを申請され、申請書をクリアされまして、パスポートの交付を受けておられます。

◯板橋 聡委員 インターネットを余り使われない世代の方もいらっしゃるので、紙というのは非常に大事だと思いますけれども、今後、例えばスマートフォンの画面で、ぱっとタッチするとできるとか、あるいはインターネットによって加入申し込みをするとか、そういったこともぜひ検討すべきと思いますけれども、いかがでしょうか。

◯武濤観光・物産振興課長 まず紙でさせていただきたいと思いますけれども、今後そういったこともできるか、検討してまいりたいと思っております。

◯板橋 聡委員 ぜひよろしくお願いします。
 さまざまな県がパスポート事業を行っております。福岡県が、この雄県福岡県が、後発としてパスポート事業に追随するというのはちょっといかがなものかなと思いますが、この意義は何でしょうか。

◯武濤観光・物産振興課長 やはり昨今、個人の方、あるいは小グループで旅をする観光客が増加しまして、本当に全国各自治体の競争も激化しております。そういった中で、本県が誘客、周遊を他県に負けないように進めていくためには、観光客の動きをしっかりつかむとともに、豊かな自然、産業遺産を初め歴史や文化、伝統工芸など、本県ならではの魅力を直接体験してもらい、その評価や動向を次に生かす仕組みが必要となっていると考えております。そのためには、この観光パスポート事業は有効な手法であると考えております。

◯板橋 聡委員 県としては、しっかり観光客の動向をつかむ、観光客を囲い込むという目的があるとは思いますけれども、その方たちに多く加入してもらうためには、他県の事業とは一味違う、福岡県ならではと言われるようなオリジナルな内容にする必要があると思いますけれども、課長、どういうふうなお考えをお持ちでしょうか。

◯武濤観光・物産振興課長 観光パスポート事業としましては、確かに全国初というわけではございませんけれども、他県の事例を参考にしながらも、福岡県としてパスポートのデザインや素材に、本県の特産品、伝統工芸品を使用する、あるいは産業遺産をめぐる旅や酒蔵、久留米絣、八女茶など体験型の観光プログラムといった、福岡県らしい観光素材をパスポートの利用対象にするなど、しっかり工夫をしていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 ぜひ福岡県らしい魅力ある事業内容にしていただきたいんですけれども、一方、県内周遊の取り組みというのは、これは商工部だけで行うものではないと思っております。他の部局や市町村と連携することで、多くの方が事業に参画できて、事業効果も上がるのではないかと思っております。
 他県のパスポート事業では、体験型イベントに参加する場合もパスポートの利用対象になると聞いておりますけれども、例えば、毎年秋から春にかけて筑後地域で開催されるマラソン、駅伝、ウオーキングなんかをリンクさせて、スポーツツーリズムを目指す地域振興プロジェクト「走りとーなる筑後。」というのを、今、筑後地方でやっていただいているんですね。こういった体験型のイベントをパスポート事業の対象にするとか、他の部局の事業とか、市町村と連携してこの事業を進めていくお考えはありますか。

◯武濤観光・物産振興課長 委員御指摘のとおり、連携は大事だと考えております。本県の他の部局とは幅広く連携して取り組んでまいりたいと考えております。
 さらに、熱意のある市町村や観光協会などとも連携しまして、県内各地で開催される地域振興に資するイベントの中で、どのようなものが観光と相乗的な効果を発揮できるか、しっかり検討しまして、事業に参加できるようにしていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 さまざまな形で連携して、事業を実施していただきたいと思います。
 次に、このような事業は県内津々浦々、多くの参加事業者を巻き込めるかどうかが鍵となると思っております。県内には、地元の人間が気づいていないような、しかし、外から見ると大変魅力的な観光素材を持つ地域もあります。そういった有名観光地ではない地域の事業者や団体も本事業に参加してもらうことが、県内の魅力発掘にもつながり、周遊の促進に結びつくと思いますけれども、いかがでしょうか。

◯武濤観光・物産振興課長 県内各地への観光客の周遊促進、これは非常に大事です。このためには、有名観光地だけでなく、そうではない地域の事業者にも参加いただき、地域の魅力を発信してもらうことも必要であると考えております。観光客の誘客に積極的に取り組む事業者や団体に幅広く参画を呼びかけ、県内さまざまな地域から一社でも多く参加いただくよう取り組んでまいります。

◯板橋 聡委員 私が何でこういう質問をしたかというと、福岡県というのはもともと商工業を中心に発展してきたという歴史があります。観光という意味では、残念ながら、こういうふうに他県に追随して始まる本パスポート事業のように、先進県というよりは、まだまだ発展途上な部分もあります。これは同様に、県内には観光客の受け入れになれていないという地域や事業者も少なくないということです。
 せっかくパスポートを利用して観光客に来ていただいたとしても、受け入れる側の対応が悪ければ、本県の観光にとって、かえってマイナスになる可能性もあります。リピートしたいと思ってもらえるようなおもてなしとかサービスを提供することは、これは観光客のみならず、地域が生き生きしてくると思うのですね。地方活性化につながると私は思います。その点で、本事業は、最初の主目的は観光客の囲い込み、これももちろん大事ですけれども、本当に大事なものは、お土産屋さんとか飲食店とか、この事業に参加する事業者のネットワーク化だと、私は思っております。
 最新の観光情報とか、あるいは観光における成功事例など、観光客に対するおもてなしをブラッシュアップするために、そういった情報提供を参加事業者にあげるとか、あるいはセミナーを開くとか、そういう参加事業者のサービスレベルの向上を図ることができれば、事業者にとっても、このパスポート事業に参加してみたいと、参加したらいろんな情報が来て、うちも繁盛するようになった、まちが明るくなったということが大事だと、事業者にとって非常に価値が上がる事業になると思っております。何よりそれが、福岡県が観光立県に一歩近づくことになるのかなと思っております。
 ぜひ参加する事業者側のネットワーク化を図り、おもてなし側のサービスレベルの向上を目指すべきと考えますが、課長のお考えをお聞かせください。

◯武濤観光・物産振興課長 確かに、観光客を受け入れる側のサービス向上は、パスポートの利用者をふやすためにも、また、もう一度来ていただくための重要な要素であると考えております。県では、今までも観光協会等の職員を対象としました研修会等を実施し、サービスの向上に取り組んでまいったところでありますが、この事業を通じましても、参画事業者や市町村、観光協会などに対しまして、本事業の仕組み、観光客への接客マナー向上に対する情報はもとより、成功事例などもしっかり届けまして、また事業者間等のネットワークをつくりまして、観光客に対して提供するサービスを底上げしてまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 非常に意欲は感じられるんですけれども、ちなみに、この事業における参加者の目標数とか、あるいは参加事業者の目標数というのは設定されていますでしょうか。

◯武濤観光・物産振興課長 今の段階では、大体五百事業者ぐらいを、まず目標にさせていただいております。

◯板橋 聡委員 その五百事業者というのは、どのように分布しているかとか、そういったところも考えられると思いますので、しっかりと今後、引き続きどういうふうに津々浦々に広げていくかということをやっていかなければいけないと思うんですが、この五百事業者はいつまでに達成する予定ですか。

◯武濤観光・物産振興課長 今から準備を進めてまいりまして、済みません、まだはっきりとしたスタート時期は言えないんですけれども、夏以降、できるたけ早くスタートしたいと思います。そのときには、その数を五百事業者程度に持っていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 何となく声が小さくて大丈夫かなと思いますけれども、部長、そこも補うようなことで、部長のこのプログラムに対する、この事業に対する意欲を聞かせていただけますか。

◯今村商工部長 近年、観光の分野におきましては、個人でありますとか、小グループの旅行者というのが増加してきております。これに伴いまして、ニーズをしっかり把握して事業を行うという自治体間の競争がどんどん激しくなってきております。そういう中で、私ども本県に今後さらに増加してまいります個人旅行観光客の皆さんの動向を把握し分析して、観光戦略を立案していくとともに、地域の事業者の皆さんとサービス向上を図って、双方、これが両輪となって、さらに観光客の誘客を促進する、そういった形に持っていきたいと考えております。
 先ほど来、委員御指摘のとおり、この事業を本当に効果あらしめるためには、私どもも市町村、観光協会、地域の事業者と一緒になってこういった事業を行いまして、県内各地への周遊の促進でありますとか、さらなる地域の活性化に持っていきたいという思いでございます。
 その際、先ほど事業者数のお話がございましたけれども、実は私どもは今年度、福岡よかもんよかとこ事業で、県内の事業者に多数御協力をいただきました。既にそういった意味では、地域の事業者の皆さんと一定の取り組みを始めているという実績がございます。そこの成果を踏まえまして、さらにこの事業を効果のある事業として持っていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 ちなみに、よかもんよかとこ事業で、みやま市を初めとする県南の企業はどれぐらい参加しておりましたか。

◯今村商工部長 申しわけありません、ちょっと私、手元に数字を持っておりませんけれども、みやま市からも御参加をいただきまして、それなりに分析はいたしております。そういった事業者の皆さんにも当然お声かけをしていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 いや、それなりの分析では困るので。私が言ったのはそういうことなんですよね。県内津々浦々どれぐらい、ちゃんと事業者が参加できるかと。これをしっかりやってもらわなければ、今の御答弁の内容ですと、みやま市あたりはぺろんとやっておけばいいか、それぐらいにしか聞こえないんですね。
 これはぜひ知事にしっかりと話を聞いて、県内津々浦々、この事業の効果を広める覚悟があるかどうか、これをぜひ確認させていただきたいと思いますので、知事保留をお願いいたします。

◯加地邦雄委員長 ただいま板橋委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。なお、知事保留質疑は三月十八日金曜日に行う予定でありますので御了承願います。

◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)

平成28年度予算特別委員会「園芸作物振興について」

◯板橋 聡委員 園芸作物振興についてお伺いします。
 私の地元、みやま市を含む県南地域は、肥沃な筑後平野に広がる農村地帯で、農業こそが各地域が持つ特性や資源を生かす基幹産業であります。これこそが雇用のベースカーゴであると考えております。
 今議会の我が会派の代表質問においても、TPP協定により園芸品目についても関税撤廃に向けて大きく動き出したことから、今後ますます振興施策に力を注いでいかなければならないと指摘したところです。
 知事からは、ミカンを初め果樹は植えつけてから収穫するまでに年数を要するため、早急な対策が必要であることから、県が開発した極早生ミカンの早味かん、甘柿秋王などへの改植に対する支援を強化するとともに、高収益型園芸農業の予算を拡充するとの答弁がありました。
 そこで、まず、二十八年度の新規施策として打ち出された高収益型園芸事業の果樹緊急対策について、その内容と狙いについて説明願います。

◯加地邦雄委員長 鐘江園芸振興課長。

◯鐘江園芸振興課長 本対策は、果樹におきます乗用防除機、それから乗用草刈り機といいました省力機械の導入を支援するものでございます。これは、早味かんや秋王など改植する際に苗木の間隔を広く、また直線的に植えつけることで、これらの機械の導入が可能となりますことから、改植の加速化とあわせまして生産の効率の向上を狙ったものでございます。

◯板橋 聡委員 この高収益型園芸事業には、我が会派は平成四年度、他県に類を見ない大型の県単独事業として創設した当初から、深くかかわってきております。そして、近年では、二十二年度の雇用型経営対策、二十三年度の六次産業化対策、そして本年度から実施している施設長寿命化対策など、県当局に対し、その時々の情勢を踏まえたメニュー提案も行ってまいりました。
 継続的に本事業を実施し、県内各地域の園芸農家を強く後押しすることで、今では園芸農業が本県農業の大きな柱になったところであります。また、国に全てを頼らず、本県独自で実施してきたことは、各地域の農家からも高く評価されており、期待も大きいものと考えております。
 このような中、TPP協定が大筋合意されたことを踏まえ、県の財政事情が厳しい中で、今回、果樹緊急対策として五千万円を追加措置し、総額十四億五千万円に拡充するわけであります。我々は、国内外の産地の厳しい競争にさらされようとしている農家の不安を解消し、意欲ある取り組みを確実にフォローし、さらなる振興につなげていかねばなりません。
 時を同じくし、政府はTPP協定を踏まえ、二十七年度補正予算で産地パワーアップ事業を創設しました。この事業の狙いは、産地の競争力を強化するというものであります。その意味からも、本県の高収益型園芸事業と目的は一致するものであり、この国庫事業も最大限に活用し、各地域で頑張っておられる多くの方々の期待に応えていくことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。

◯鐘江園芸振興課長 県といたしましては、国が競争力の強化を目的に新たに創設いたしましたこの産地パワーアップ事業を活用しまして、強風に耐えるハウス、それから集出荷施設など、比較的事業費が高い施設につきまして支援することとしておりまして、高収益型園芸事業とあわせまして実施することで、県が強く進めております収益性の高い園芸農業の確立に資するものと考えております。
 このため、二十八年度予算としまして十八億七千万円余をお願いしているところでございまして、この両事業を実施することで多くの意欲のある取り組みにしっかりと応えてまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 次に、私の地元、みやま市はミカンの有数な産地であり、柑橘部会では糖度の高いよりすぐりのミカンを区別して販売しています。この取り組みは、十年ほど前に、本当に品質のいいものは高く売ろうということから始まったもので、これにより市場の評価も高まり、価格も安定し、経営の見通しも明るくなったとの声が多くなっています。
 この取り組みを積極的に進めた伍位軒という中山間地の地区では、数年前からUターンする若者がふえて、それに伴い小学生以下の人口もふえ、本年度、全国豊かなむらづくり表彰事業において農林水産大臣賞を受賞するなど、地元出身の私にとっても非常に誇らしいことと思っております。
 彼らは、産地独自品種の北原早生の導入にもいち早く取り組み、従来のミカンのおよそ一・五倍の価格で販売するなど、産地を牽引しています。また、本年度販売を開始した早味かんについても、極早生ミカンの起死回生の品種として作付を拡大したいとの思いも強いようです。
 露地ミカンのスタートを飾る極早生ミカンは、糖度が上がりにくく、ミカン消費の足を引っ張るという理由から、国は作付を推進しないとの方針であるとのことです。私も、おいしくないミカンを出荷することは非常に問題だと考えています。消費を伸ばすためには、おいしいミカンを安定して出荷することが基本であります。
 そこで、新たな施策として打ち出している早味かんへの改植支援についてお尋ねします。この県単独事業は、国の方針に沿っていないように見えますが、どのような考えで実施されているのでしょうか。

◯鐘江園芸振興課長 委員御指摘のように、国は極早生ミカンの作付は推進しないとの方針でございます。しかしながら、一般的な極早生ミカンの糖度が九度程度であるのに対しまして、本県の早味かんは糖度十度を上回りますことから、市場からも高い評価を得ておるところでございます。
 このため、早味かんを本県のミカン産地振興に欠かせないものと判断をいたしまして、県単独で改植を支援することとしたものでございまして、来年度の本格販売に当たりましては、価格形成力のある百貨店なり高級フルーツ店、こういったところで販売を促進してまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 新しくできました選果場を使って、しっかりといい品質のものを出したいということで、地元柑橘部会の期待も大変大きいので、しっかり取り組んでいただくようお願いしておきます。
 さて次に、花卉の振興策について伺います。
 花卉といっても、福岡県が開発した秋王の柿でも、豊前海一粒かきのカキでもなく、花の花卉です。私の地元みやま市では、ナスやミカン、セロリに加え、花の栽培も盛んです。JAオリジナル品種で緑が鮮やかな観葉植物、エメラルドウェーブ、花の色が豊富で大輪のダリア、らせん状の緑のつるが特徴のリキュウソウなど、私も目をみはる新たな種類も多く生産されており、市場からも高い評価を受けているようです。
 しかし、消費者にはまだまだ知られておらず、もっとこれから花の魅力をPRしていくことが大切だと考えます。県でも既に消費の拡大に力を入れておられるようで、PRイベントや企業オフィスでの展示など取り組まれていると伺っております。
 その中の一つに、小学生を対象としたフラワーアレンジ教室が実施されているようですが、私はこの取り組みに非常に注目しております。消費を伸ばすために子供のころから花に親しむ習慣をつけることは、非常に大事なことだと思っていますが、二十七年度の実施内容を伺ったところ、実施数はわずか二十八校とのこと。私は、そんな規模では全然足りないと思っております。せっかくのいい取り組みなので、もっともっと拡大していくべきではないでしょうか。
 予算には限りがあるのは理解しますが、例えば、母の日の後のカーネーションなど、値段が下がったものを生産者に安く提供してもらうとか、工夫をすれば、より多くの子供たちに花に親しむ機会をふやすこともできるのではないですか。課長の考えを伺いたいと思います。

◯鐘江園芸振興課長 委員御指摘のように、子供のころから花に親しみ、そして花のある生活のよさを体験してもらうということは、花の消費を拡大する上でも重要な取り組みであると認識して実施しておるものでございます。
 御提案いただきましたように、生産者、それから花屋さん、こういった方々との連携を深めまして、工夫を凝らすことによりまして、実施する学校数をふやし、より多くの子供たちが花のよさを体験する機会をつくってまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 注目しておりますので、よろしくお願いします。
 さて、本県は全国三位の花の生産県です。しかしながら、家庭の消費は全国県庁所在地の四十一位と、生産していますけれども、なかなか花を買うという習慣が少なく、非常に低い状況にあるとのことです。本気で消費を拡大しようと思えば、さらに踏み込んだ取り組みが必要と考えております。
 そうした中で、次年度の新たな施策として、福岡の花購買促進事業が打ち出されておりますが、具体的にどのような内容なのか、説明をお願いします。

◯鐘江園芸振興課長 家庭消費の拡大に向けまして、県内の八百店の花屋さんと連携をいたしまして、週末に花を気軽に買って帰っていただくウイークエンドフラワーキャンペーンを実施することとしております。具体的には、地元テレビ番組での県産花卉の紹介や、花を買ったことがない若者に街角で花のよさをPRいたします。さらに、持ち帰り用の手軽なバッグをつくりまして、週末には家庭に花を飾るということを浸透させてまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 まずは、生産をしている福岡県から花の消費が拡大することを祈っております。
 さて、平成二十六年度に内閣府が行った農山漁村に関する世論調査によりますと、都市住民の三割が農山漁村地域に定住してみたいと答えており、この調査から田園回帰の流れを酌み取ることができると思います。
 一方で、後継者問題で地元農家は大変頭を痛めております。やはりTPP問題等々ある中、しっかりとした後継者あるいは新たな生産者の育成がなければ、海外と日本の競争の中でしっかりと打ち勝つことはできません。
 こういう好機を捉えて、しっかりと農外からの参入者を受け入れるべきだと私は思いますけれども、県はどのような支援を行っていますか。

◯加地邦雄委員長 近藤経営技術支援課長。

◯近藤経営技術支援課長 新規就農者の対策につきましては、就農前の情報発信ということで、セミナーや相談会を開催しているところでありますし、就農時につきましては、営農から生活までを一体的に支援する市町村の相談窓口の設置を支援しているところでございます。その中で、いろいろ研修の取り組みなり、空きハウスや空き農地の情報収集、あっせんといったような取り組みもされているところでございます。それから、就農後の所得確保に対しては、青年就農給付金を活用した支援もさせていただいております。

◯板橋 聡委員 お答えは、やっていると、とにかくやっているんですということですが、本当にそうでしょうかね。私は、地元のほうでいろいろな生産部会との意見交換をしております。具体的に申しますけれども、ナス部会など、今、非常に後継者も少なくて、県からもそういった部分で支援が受けられるのか心配をされている部会がございます。そういったところは最近、空きハウスとか空き家がふえてきたと、こういうのも含めて何とかせないかんということで、彼ら自身、青年就農給付金を利用して、農外からの新規参入希望者がいた場合、その研修を積極的に受け入れたいと。さらに地元で安心して定着できるように、空きハウスとか空き家のあっせんの仕組みづくりに対して支援できないのでしょうかという悲痛な叫びを私のところに訴えてきていらっしゃいます。
 先ほどの井上順吾委員のおっしゃった人の思いに応えるということをしっかりやっていただかなければ困るのですけれども、この事業は一体何年からやっておるのですか。

◯近藤経営技術支援課長 営農から生活まで一体とする市町村の相談窓口につきましては、平成二十四年度から取り組みを進めているところでございます。

◯板橋 聡委員 平成二十四年からということで、もう丸四年も過ぎようというところでありますけれども、その間に具体的な相談件数、あるいは県外からの新規就農の数は一体何人いるのでしょうか。

◯加地邦雄委員長 執行部は答えられますか。

◯近藤経営技術支援課長 新規就農者の状況につきましては、ここ三年ほどは二百名を超えるところで推移をしておりまして、そのうち農外からの新規参入者につきましては六十名前後で推移しております。そのうちの県外からの分については、申しわけありません、今、手元にございません。

◯板橋 聡委員 先ほど言いましたとおり、内閣府のほうで田園回帰したいというような調査結果が出ておるわけですけれども、それをしっかり受けとめられているかどうかを判断できなければ、この施策が合っておるかどうか、全然わからないわけですね。そういったことに関して、一体、県のほうから地元のどこと連携をとって、どういうふうなフィードバック等々しているのでしょうか。

◯近藤経営技術支援課長 県といたしましては、先ほどから申し上げています市町村が設置する相談窓口の中で、農協や農業委員会等、関係団体と一緒になって、またいろいろな議論をさせていただいているところでございます。

◯加地邦雄委員長 この際、委員各位に申し上げます。本日の審査は午後五時までを予定しておりましたが、議事の都合により、このまま続行させていただきます。よろしくお願いいたします。

◯板橋 聡委員 結局、そういうふうにやっている、やっているという話ですけれども、地元で全く、その声が吸い上げられていないと。そういったところに対しての指導等々の体制はどうなっているのか。具体的にみやま市の中で話を聞かせていただけますか。

◯近藤経営技術支援課長 県内には、直接農業者に接する普及指導センターがございまして、そちらのほうがみやま市の相談窓口設置の中で、先ほど言いました農協なり農業委員会さんと一緒になって議論をさせていただいているところでございます。

◯板橋 聡委員 いや、違います。普及センターがやっているではなくて、どういう体制で具体的に何をやったか。こういう困った人の声が上がってきていないということに対して課長はどう思われるか、教えてください。

◯近藤経営技術支援課長 みやま市において相談窓口の取り組みについては、就農相談会が開催されております。その声が上がって……。ちょっと申しわけございません。

◯板橋 聡委員 いやいや、就農相談会の話ではないんですよ。就農相談会は、こっちから出す話でしょう。現場の声をどうやって吸い上げているかという話を聞きたいんですけれども、部長、どう考えられますか。

◯加地邦雄委員長 小寺農林水産部長。

◯小寺農林水産部長 現場の声につきましては、少し繰り返しになるところもありますけど、私どもは普及センターがございます。普及センターのほうで農協、それから関係の市町村、そういうところと話しながら、どういう方が入ってくるか、そういう中で、その方がどういう課題があるのか、どういう面で不安を持っておられるのか、そういうのをいろいろ聞いていく、そこがワンストップの窓口でございまして、そういうところで入ってこられる方のいろいろな課題、不安、そういうものを聞きながら、そういう方が定着していくように、いろいろ指導をやっているところでございます。

◯板橋 聡委員 指導はいいんですけれども、実際、現場から、こういうことをやってみたいんだと、こういうふうにやったらどうなんだというアイデアが出てきているんですよ。それをしっかりすくい上げて、実際の施策につなげていくのが一番大事な仕事だと思っております。
 これに関して、TPPだとか、いろいろな問題で地元の農家は物すごい不安を抱えているわけですね。親が不安だと、息子が農業を継ごうなんて思わないですよ。そう思いませんか、部長。

◯小寺農林水産部長 確かに、新規就農される方にとりましては、やはり今実際やられている方の経営、そういうものが非常に関心もありますし、そういうのがきちんとやられていることが一番重要だと思っております。

◯板橋 聡委員 だから、何か回答になっているのかどうか、よくわかりませんけれども、今後TPP対策等を考えたときに、今回は高収益園芸に関する新たな施策というのはしっかり御説明いただきましたけれども、実際にそこの現場で就農して、生産する人がいないといけないと。原資があって、人がいて、この二つにさらに知恵が加わって、ちゃんとしたTPP対策等々がとれるということになるのだと思いますけれども、私は今の回答ではとてもちょっと、それをきちんと三位一体になってやる体制が今の農林水産部のほうでできているかどうか心配でございます。ぜひ、この件に関しては、知事保留をさせていただきたいと思います。

◯加地邦雄委員長 ただいま板橋委員から申し出がありました知事保留質疑を認めることにいたします。なお、知事保留質疑は三月十八日金曜日に行う予定でありますので御了承願います。

◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)

平成28年度予算特別委員会「『子育て応援社会づくり』と『子育て応援宣言企業』について」

◯板橋 聡委員 おはようございます。自民党県議団の板橋聡でございます。
 きょうは質問数、大変多いということなので、簡潔に質問させていただきたいと思います。
 一口に少子化対策と言っても、いろいろあるので難しいのですけれども、若者が結婚して、家族づくりのスタートラインに立たなければ、その先の展望は開けません。少子化対策の一丁目一番地は、結婚し、家族を持つことを希望する若者がふえ、その希望を実現できる社会にすることと、議会や委員会の中で訴えてきました。
 そんな中、今回、平成二十七年度二月補正予算で、子育て応援社会づくり推進事業に含まれる出会い・結婚応援事業への予算に、過去と比較して約三倍の額をつけていただいております。やっと県も少子対策の一丁目一番地に向き合おうという姿勢を感じられるという意味で、評価いたします。
 しかしながら、このような事業は継続性が不透明な補正予算ではなく、じっくりと腰を据えて取り組めるよう、当初予算として計上すべきと考えますが、執行部の見解をお聞かせください。

◯加地邦雄委員長 野田子育て支援課長。

◯野田子育て支援課長 今回の補正予算につきましては、国の経済対策に係る補正予算を最大限活用するものであり、平成二十八年度当初予算と一体となった、いわゆる十四カ月予算として提案をさせていただいたものでございます。
 出会い・結婚応援事業は、二月補正予算として二月二十三日に早期議決をいただき、現在、事業実施のための準備段階でございます。今後、事業の効果が最大限に上がるよう取り組んでまいります。

◯板橋 聡委員 十四カ月予算ということで、それはよくわかるのですけれども、本事業において財源は国からの交付金である地方創生加速化交付金や地域少子化対策重点推進交付金を活用しているとのことです。
 このような重要な少子化対策施策は、平成二十九年度以降、仮に国からの交付金がなくなったとしても、県の単独事業としてでも継続すべきと考えますが、執行部の見解を御披瀝ください。

◯野田子育て支援課長 今回実施いたしますあかい糸めーるを活用した出会いの場の提供、企業・団体同士での出会いイベントの実施、あかい糸めーるの機能強化などにつきましては、地方創生加速化交付金を活用しております。
 また、企業トップ等の結婚応援宣言による結婚応援機運の醸成、九州・山口地域共同事業の実施につきましては、地域少子化重点推進交付金を活用しております。
 これらの事業は、企業、団体、ひいては社会における結婚応援の機運を高め、また結婚を希望される独身男女に対して出会いの機会を提供するものとして、大変効果的な事業だと考えております。このため、出会い・結婚応援事業につきましては、さまざまな工夫を凝らして、今後も実施してまいる考えでございます。

◯板橋 聡委員 ぜひ継続的にお願いいたします。
 市町村においても独自に出会い・結婚応援事業をやっているところがございます。私の地元みやま市でも、柳川市、大牟田市と共同で、なかだっつぁん、これは仲人さんという意味の方言なんですけれども、なかだっつぁんという独自の結婚サポートセンター事業を行っています。
 県と市町村のそれぞれの事業が反目するのではなく、相互発展的に相乗効果を生むようにすべきと考えますが、課長の所見をお聞かせください。

◯野田子育て支援課長 市町村では現在、お見合い事業、出会いイベントやマナー講座の開催など、さまざまな事業が行われております。こういった中、県では地域の結婚応援関係者の活動の活性化を支援する交流会や研修会を開催しておりまして、市町村にも参加をいただいております。この交流会、研修会におきまして情報交換や出会いイベントでのカップル成立率向上のための講習会を実施するなど、支援を行っているところでございます。
 また、若者に結婚に対するポジティブな価値観を持っていただくため、独身男女を対象に、恋愛から子育てまでのライフプラン形成セミナーを市町村と共催で開催をしております。
 今後も、市町村と、出会い応援や結婚応援など、さまざまな事業を通じて連携をしてまいります。

◯板橋 聡委員 ぜひ市町村も巻き込んで、福岡県として強力に推し進めていただきたいと思います。
 福祉労働部子育て支援課で行っている子育て応援社会づくり推進事業とよく似た名称ですけれども、子育て応援宣言企業推進事業というのを労働局の新雇用開発課で行っています。
 子育て応援宣言企業とは、従業員の子育てを支援するために具体的取り組みを企業、事業所のトップに宣言してもらい、県に登録する制度です。平成十五年に事業開始しましたが、当初はまだまだ一般的でなかったワーク・ライフ・バランスという概念を企業とともに県内へ浸透させていった子育て支援事業ということで、全国でも先進的な事例であったそうです。今では似たような事業を行っている自治体もふえてきましたが、新雇用開発課の山口課長いわく、やっと時代が追いついたと豪語されていました。福岡県の面目躍如、喜ばしいことと思います。
 事業開始当初、登録企業は一年目でわずか二十社、二年たってもわずか五十三社という低調な滑り出しに、執行部は冷や汗ものだったと想像いたしますけれども、ワーク・ライフ・バランスの浸透とともに、加速度的に加盟企業がふえており、平成二十七年十二月で約五千三百社となりました。平成二十八年度中に登録六千社を目指そうというところまで来たそうです。
 これらの宣言企業は、従業員を使い潰すブラック企業ではなく、従業員のワーク・ライフ・バランスを保ちながら、持続可能な会社の成長を目指すホワイト、私のようなホワイトな企業であるとも言えます。
 この五千三百社のネットワークは、出会い・結婚応援事業にとっても力強い応援団になっていただける可能性が高いと思いますが、その点で子育て応援宣言企業推進事業を所管する新雇用開発課と、出会い・結婚応援事業を所管する子育て支援課の連携はどうなっているのか、また、今後どうするおつもりなのか、課長の見解をお聞かせください。

◯野田子育て支援課長 子育て応援宣言企業では、女性の従業員の育児休業取得率が一般企業に比べて高く、また、男性の育児に係る宣言が増加するなど、委員御指摘のとおり、仕事と家庭の両立支援に対する理解が深まっております。
 このため、社会全体として結婚を応援する機運が高まるよう、まずは子育て応援宣言企業のトップに働きかけ、結婚応援宣言をしていただけるよう取り組んでまいります。さらに、子育て応援宣言企業のイベントなど、さまざまな機会を捉え、企業の結婚応援宣言について情報発信をしてまいる考えでございます。
 このように、新雇用開発課で所管をしております子育て応援宣言企業登録制度としっかり連携をいたしまして、結婚応援の取り組みを推進してまいります。

◯板橋 聡委員 ぜひ強力に連携をしていただきたいと思います。
 子育て応援宣言企業推進事業も、山口課長のおっしゃるとおり──済みません、名前をいっぱい出して。時代が追いついてきた感があります。福岡県の少子化対策が時代に追い抜かれないように、そろそろこの事業もバージョンアップをする時期が来ているのではないかと思います。ワーク・ライフ・バランスにとどまらず、企業を巻き込んで、若者の出会い、結婚、出産を含めたライフプランの実現を応援する社会的な機運醸成を目指すべきと考えます。
 例えば、子育て応援宣言企業を結婚・子育て応援宣言企業に進化させることで、企業として出会い、結婚を応援するための具体的な取り組みを宣言していただくなど、少子化対策先進県福岡を目指したらどうでしょうか。

◯野田子育て支援課長 結婚応援宣言は、企業や団体に従業員や地域の独身者の結婚を応援してもらい、社会全体で結婚を応援する機運を高めるため、企業などのトップに結婚に必要な環境整備や支援に取り組むことを宣言いただくものと考えております。
 先ほども申し上げましたが、まずは仕事と家庭の両立支援に対する理解のある子育て応援宣言企業に働きかけるとともに、子育て応援企業のネットワークを生かしまして、結婚応援宣言の取り組みを広げてまいりたいと考えております。
 結婚応援宣言に当たりましては、結婚応援宣言書の団体内への掲示により宣言内容を明示していただいたり、県がホームページで公表するなど、子育て応援宣言企業登録制度のノウハウを活用することによりまして、社会全体で結婚を応援するための機運を高めてまいります。

◯板橋 聡委員 大変前向きな答弁、ありがとうございます。
 ただ、これは課をまたがる話ですので、部長としても、どういうふうに両課の連携を含めてやっていくか、ちょっと御所見を御披露ください。

◯加地邦雄委員長 高橋福祉労働部長。

◯高橋福祉労働部長 幸いなことに、子育て応援宣言企業を所管いたします新雇用開発課と、結婚応援事業を実施いたします子育て支援課、いずれも当部、福祉労働部で所管いたしております。先ほど課長が申し上げましたけれども、まずは仕事と家庭の両立支援に理解のある子育て応援宣言企業に働きかけることによりまして、出会いから結婚、子育てまで一貫した応援をしていただけるように働きかけていくと、これが一つあります。
 こういう形で、子育て応援宣言企業内での従業員のライフプランの実現に向けた取り組みが一層普及することになれば、委員おっしゃっております子育て応援企業のバージョンアップにもつながると思っております。そういう意味で、両事業が相乗効果を十二分に発揮できますように、福祉労働部長としても責任持って対応してまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 よろしくお願いします。
 出会い・結婚応援事業は、子育て支援課で行っていますけれども、そもそも出会い・結婚とは、子育てに包含されるものではなく、全く別次元の事象だと考えます。県民に対しても、もっとわかりやすく、県の少子化対策への本気度を示すためにも、課名の変更や組織の見直しを含め、少子化対策を組織としてどう取り組むか、見直したらいかがでしょうか。
 また、結婚、出産、子育てなど、これからの世代のための施策を進めるときに、年齢的、肉体的、あるいは思想信条として、その網にかからない方々が出てくるのは避けられない面があります。先日も不妊治療の質問で同様のお話がありましたけれども、そういう方々に対する心のケアなどには十分な配慮をする必要があると考えます。
 その一方、同じ組織内で施策を進めることと同時に、そのケアまで対策を求めれば、これはまるでアクセルとブレーキを同時に踏むかのように自己矛盾に陥り、少子化対策という超喫緊の課題への対策に迷いやためらいが生じる危険性もあります。その点も踏まえ、少子化対策の組織をどう考えるか、これは組織の問題でございますので、部長、お考えをお聞かせください。

◯高橋福祉労働部長 子育て支援課では、主に少子化対策を総括してまいっております。独身男女に出会いの機会を提供することは、そうした出会いをきっかけに結婚され、子供を産み育てることにつながり、少子化の流れを変える効果が期待できると考えております。
 そういう意味で、子育て支援課で少子化対策を所管しております。平成二十三年度に、子育て支援課におきまして出会い・子育て応援係を設置しております。ここで、子育て支援課の出会い・結婚応援事業を実施していることをしっかり県民の皆さんや事業所の皆さんにわかりやすく明確にPRしているところでございます。そういう意味で、今のところ、子育て支援課という形で我々としては業務を実施していきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 前段の件は回答いただきましたけれども、先ほど申しました自己矛盾をはらむような組織体制というのはいかがなのだろうかということを聞かせていただくつもりでおりました。その答弁はできますか。

◯高橋福祉労働部長 組織としてのこれからのありようにつきましては、私どもの部の中でも十分に議論をしていかなくてはいけない問題と考えております。よろしくお願いします。

◯板橋 聡委員 よろしくお願いされましたので、なかなか部長に聞いても難しい部分はあると思います。これはぜひ全体の問題として大事なお話でございますので、知事に直接お話を聞かせていただきたいと思います。ぜひ知事保留のお取り計らいをお願いいたします。

◯加地邦雄委員長 ただいま板橋委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。なお、知事保留質疑は三月十八日金曜日に行う予定でありますので御了承願います。

◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)

【ホスピタルクラウン 副島賢和氏講演】

【ホスピタルクラウン 副島賢和氏講演】
2月議会、本日で一般質問が終わりました。議会終了後、文化議員連盟主催の講演会が開催されました。講師は昭和大学病院の院内学級「さいかち学級」を担当されている昭和大学准教授副島賢和氏。日本テレビのドラマ「赤鼻のセンセイ」のモデルになったり、「プロフェッショナル仕事の流儀」にも出演されております。
病気や怪我などを理由に入院している子供達に教育を行う施設が院内学級。入院した子供に勉強は必要か?という問いからはじまり、端からでは感じられない入院している子供達の目線からの思いを含め解説して頂きました。
私の子供も小児喘息の発作や貧血で数日入院したりしましたが、自分の態度を振り返り果たしてそれは子供にとってどうだったんだろうか、反省しきりです。副島先生のお話に途中から涙が止まりませんでした。
特に「怒り」「悲しみ」などの感情表出への理解方法や、それに伴う「受容はするが、許容はしない」という教えは今後の子育ての参考になる話ばかりです。
まだまだ日本では認知度が低い「ホスピタル・クラウン」、病気による困難をどうやって取り除いていくのかという議論の中で大変重要な役割を担われると認識しました。

 

【琴奨菊関が県庁に!柳川に!みやま市道の駅に!やって来る】

【琴奨菊関が県庁に!柳川に!みやま市道の駅に!やって来る】
本日、県庁に琴奨菊関が奥様とご一緒に優勝報告に来られました。ロビーは押すな押すなの大盛況!
そして明日3月5日(土)、午前中は柳川市で優勝祝いの川上りパレードが行われます。みやま市では午後2時半からみやま市道の駅にて琴奨菊関優勝記念の優勝報告会が開催予定です。
前回大関昇進したときは柳川市の水上パレードに3万人近くが集まったそうです。今回は5万人以上の人出になるのではないかとの事。みやま市の優勝報告会はあまり広報されていないので、生琴奨菊関にふれる絶好のチャンスかも知れません!私も参加予定です、一緒に優勝御祝いをしましょう。そしてお帰りの際は道の駅でみやま市名産の農産品をどうぞ宜しく!