九州北部豪雨後2週間、現地の状況

7月13-14日の九州北部豪雨以降バタバタして目が回るような毎日です。ブログもちょっと間隔が空いてしまいました。

みやま市で一番被害が酷かった本郷地区は復旧作業もある程度目処が立ったということで、7月23日にて災害ボランティアの受入を終了しました。また柳川市も同様に7月29日にて災害ボランティアの受入を終了するそうです。完全に元の生活を取り戻すのにはまだまだ時間が掛かると思いますが、まずは第一歩です。本郷でも延べ3000人、多い日は350人程度のボランティアが集まり酷暑の中作業をお手伝い頂いたそうです。区長さんとお話ししていると、トイレや飲料水の手配など不備もあったそうですが献身的に活動頂いた皆様に心から感謝されていました、私からも本当に有り難うございます。

7月16日に小川知事が現地入りして頂いた旨書きましたが、その後21日に衆議院議員古賀誠先生、参議院議院松山政司先生と農地被害を中心に視察同行致しました。
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また25日には福岡県議会農林水産委員会が急遽視察先を変更して県南地域を視察、その際みやまを含めこの地域の農業・漁業の被害状況を説明、地域の主要産業である農林水産業復興を要請致しました。
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また明日27日は自民党県議団九州北部豪雨災害対策本部の視察を行い、みやま・柳川を訪問する予定です。

民家の復旧度合いに比べて、農業・漁業の現場はまだまだ課題山積です。
また、被災者の心理的弱みにつけ込んで詐欺まがいの行為が行われているとの情報も入ってきています。
この地域で「噂話」を「げなげな話」と言いますが、げなげな話に尾ひれ背ひれが付いて、ビックリするようなデマを住民の方から聞かされる事があります。前述の詐欺まがいの行為もそうですが、皆さん、こういう時こそ冷静に情報を精査して下さい。不明な点や不審な点があれば行政機関にお問合せ頂くのが確実です。

昨日は、中の島公園横の放水路で小学校4年生の男児が溺死するという痛ましい事件が起こりました。放水路が豪雨でえぐれて2m以上の水深の水たまりが出来ており、そこで誤って溺れたそうです。水が引いて一件安全そうに見えても、絶対に立ち入り禁止している区域には近づかないで下さい。
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(現場の画像です。写真を撮ったときはまだ水が引いていませんでしたが普段は車が止めてあったりする普通の平地です。まさかここに2mの深さの水たまりが出来るとは想像も出来ません)

まだまだ道半ば、引き続き地元代表の県議会議員として地元の声を聞き、地元の要望を県執行部に的確に働きかけ、自分だけの力で足りない部分は自民党県議団の理解と協力を得る、この3つをバランス良く行う為に飛び回っています。災害対応以外の業務も山積みで、当選一期目の私には荷が重いですが、地元の皆さん・諸先輩方のご指導を頂きながらしっかりと務める所存です。

小川知事被災地視察

小川知事が7月16日に県内地域の豪雨による災害視察を行いました。公務多忙の中、急遽決まった被災地視察。八女市をはじめ福岡県内各所で甚大な被害が発生しているにも関わらず、タイトなスケジュールを調整し、みやま市本郷地区を視察して頂いた事に感謝します。
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(右から西原親みやま市長、板橋聡、小川洋県知事、村山福岡県県土整備部長)

県の管理河川である沖端川堤防決壊の状況や、復旧に向けての工程が説明された後、私の方から本郷地区の地形的な問題から地域一帯の民家が軒下のあたりまで浸水した事や農家が多い為農機具が壊れてしまったこと等をお伝えし、後片付けに追われる集落の被害状況を直接見て頂きました。被災者の皆さんとも言葉を交わした小川知事は「市とも連携し、県として出来る事を精一杯やらせてもらう」との言葉を残して、次の視察場所に移動されました。

16日夕方の時点で矢部川と沖端川中山地区の決壊箇所はほぼ土が積み上がり修復間近となっていました。沖端川本郷地区の決壊箇所は重機の搬入が困難な場所で修復作業開始に手間取りました。昨日は夜を徹しての作業を行うことになっていましたが夜半に強く降った雨が心配です。
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また海苔生産の現場にも大きな被害が出ているようです。農業・漁業関係者への聞き取りを進めたいと思っています。

矢部川・沖端川の堤防決壊と被害状況

7月14日の水害を受けて15日朝から被災地の視察や市・区長さん等への聞き取りをさせて頂きました。
先ず矢部川
14日の様子(以下、全ての画像はクリックすると拡大できます)
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15日の様子
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一気に水が引いたように思いましたが、これは堤防決壊箇所を修復する為に意図的に流量を制限しているようです。

みやま市周辺で堤防決壊した場所が3カ所あります。まず矢部川右岸津留橋付近(以下、地図の緑色矢印が決壊箇所)

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沖端川左岸 中山地区立花いこいの森公園裏

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沖端川左岸 行基橋付近

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決壊というと河川が曲がっていて水が堤防に勢いよくぶつかるような部分が、徐々に浸食されて決壊してしまうようなイメージを持っていました。しかし今回決壊した三カ所はほぼ直線の箇所で、実際見たときも「なんでこんな所が決壊するんだろう?」という印象を持ちました。やはり集中豪雨とそれに伴う急激な水位上昇が大きな要因になっているのではないでしょうか?これは分析を待ちたいと思います。

決壊による浸水被害では、沖端川行基橋付近の決壊箇所は地図をごらんになれば分かるとおり住宅地の真裏で、しかも筑後広域公園と矢部川の堤防に囲まれているため浸水によりため池のような状態になり、避難が一歩遅れていたら大惨事になった可能性があります。また沖端川の2カ所の決壊箇所は1キロも離れておらず、その間に挟まれた本郷地区にはこの両方から水が流れ込んできたため集落一帯広範囲で家屋への浸水が起こってしまいました。
以下は本郷校区瀬戸島地区の被害の様子です、決壊時には一階部分がまるまる浸水するほどの流入だったそうです。
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この地域は高齢化率が高く、被災された家屋の後片付けもままならないため、休日にもかかわらず市から職員80名が急遽派遣されお手伝いをされていました。もちろんご親族・友人・消防団・JA職員をはじめとする多くの方々も駆けつけ応援されています。本当に有り難うございます。(本郷の住民一同そんなグチャグチャの状況で奮闘する中、隣接する筑後広域公園のテニスコートではどこかの高校のテニス部が練習する音が聞こえてきて、一瞬現実感を失いそうになりましたが。)

また直接的な被害を受けていない地域でも、今回の豪雨により堤防下に水みちが出来ていたり、道路整備の過程で堤防が極端に下がって水害の原因になりそうな場所などが判明しました。被災地の復旧復興、今後の水害対策、この二つを成し遂げるために、行政区・市・国としっかり連携を取り適切・迅速な対応を県としても取るように働きかけを行います。

記録的大雨による矢部川の変化

7月14日の記録的な大雨にて被害に遭われた多くの皆様に心からお見舞い申し上げます。

昨日日向神ダムの治水機能についてブログを書いたばかりでしたが、7月14日の未明から降り続いた記録的豪雨により7時台に矢部川はこの状況になりました(全ての画像はクリックすると拡大します↓)
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動画で見るとこんな感じです

普段の矢部川はこんな感じです
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似たようなアングルから取った今日の写真と比較するとその異常さは一目瞭然
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私が幼稚園の頃に一度このような状況に矢部川が増水したことを記憶しています。それ以来ですからほぼ40年ぶり。しかもその頃より2m堤防の高さを上げてこの状況ですから、もし堤防の高さがそのままだったらと思うとゾッとします。

雨雲レーダーを逐一確認していましたが、深夜から午前中までみやま・柳川・筑後・八女と矢部川の流れに沿ったように雨雲が停滞して記録的な雨を降らせており、これはもう人間の力では抗いようのない雨量の仕業としか言いようがありません。
午前中に中山地区の沖端川の堤防がまず決壊し、その後本流・矢部川の津留橋付近の堤防も決壊、それにより本郷地区と上庄地区の多くの世帯が浸水するなど多くの被害が発生しました。

明日以降、被害の実態が明らかになっていくと思いますが、取り急ぎ今日気付いた事を備忘録的に書いておきます

○ 現在避難場所に指定されている下庄小学校・上庄小学校は変更すべき。両校とも最も冠水しやすい低い土地にあり、下庄小学校は冠水して避難者を受け入れる事も出来ず。上庄小学校は沖端川の堤防決壊のあおりで周辺が膝上まで冠水してしまい、避難者が孤立したような状況になっていた(浄化槽も水没しており、レンタル業者に簡易トイレをレンタルしたにせよ、トイレが使えないと言うことはそもそも避難所としての機能を満たしていない)。
○ 福岡県が結んでいる災害協定で食料支給を要請したが時間が掛かりすぎた。今回は全県下で災害が発生しており致し方がない部分もあるが、10時過ぎに要請したにも関わらず救援物資は午後5時に福岡市内発だったとの事。例えば大牟田や久留米など地域の物流センターから発送する事は出来ないのか?
○ 逆に言えば、初動の食料は地域で用意しなければ難しい。給食センターなどとの連携はどうなっているのか?
○ 豪雨の際は防災無線が非常に聞き取りにくい。なにか工夫は出来ないのか?
○ 各地域の被害状況把握にデジタル画像の活用をもっとした方が良い。即時性と正確性が向上し、作業時間短縮も可能。受け側もジオタグ連携したらすぐ地図にて確認出来る。
○ もっとネットを活用した情報発信を!みやま市も柳川市もWebサイトによる情報発信量が少なすぎる。武雄市のようにFacebookなんかを使っても良いのでは?

書き殴りましたが、市の職員や消防団、災害対応をされた建設土木業者の皆さんをはじめ本当に多くの方が少しでも被害を食い止めるために献身的に頑張っておられました。それでも起こってしまうのが天災。常日頃の訓練が大変重視されるのは間違い有りません。

治水ダム 日向神ダム

熊本・大分をはじめとする九州地方では大雨による甚大な被害が発生しています。被災された方には心よりお見舞い申し上げます。
福岡県においても前回の大雨の際に朝倉地区で土砂崩れによる死者が発生しており、災害警戒本部が本庁や各地農林事務所にて立ち上げられています。

みやま市を流れる一級河川矢部川も普段より増水しているようですが、今のところ大きな混乱は見られないようです。これは矢部川上流にある日向神ダムが治水ダムとしての役割を発揮しているのが大きな理由の一つです。
日向神ダムは2100万㎥の貯水量がありますが、梅雨場は意図的に730万㎥まで貯水量を下げ突然の大雨や洪水があっても日向神ダムがバッファとなり矢部川への放水量を調節することで、河川の氾濫に対応出来るようになっています。

一方で、空梅雨だったり梅雨明けが早く訪れた場合は一度下げた貯水量が元に戻らないまま夏場を迎えてしまい、結果として11月から4月の「非灌漑期」と呼ばれる時期の水不足に繋がる可能性があるのです。
非灌漑期は海苔の生産や園芸農家の増加により昨今水の需要が高まっており、私が度々議会にて質問している矢部川水系水源開発の問題はこういった現状に由来しています。

同じダムとは言え治水と利水、二つの機能を持つ訳では無いという事を是非ご理解下さい。

家族の形

ブログの更新が滞ってました。
6月末、祖母が他界した折りには丁重なる御弔意を賜り厚く御礼申し上げます。

祖母には子供が4人、孫が6人おりそれぞれ色んな立場で頑張っておりますが、地元に残っているのは子供は私の母のみ、孫は自分のみ。

たまたま母が海外にいて訃報から帰国まで時間を要したため、地元にいる孫の私が遺体の引き取りから告別式等の段取りまで一連のお手伝いをする事となりました。

自分にとってみれば「良い意味で予行練習できたなぁ」と、大変だったけど充実感もありました。が、一方で、親御さんだけ田舎にいて子供達は全部東京や大阪というご家庭も増えている中、家族の形について色々と案じてしまいました。昨今隣組も高齢化が進み、無常講の風習が無くなってしまい、葬儀の受付のお手伝いをお願いしてもままならないような地域もあります。

これをきっかけに、親とも万が一の時にどうするのか良く話し合っておきたいと思います。こういう事は口にするのも憚られるという方も多いかと思いますが、避けてばかりもいられません。そういう意味で良いきっかけを与えて貰いました。

バタバタしてFacebookの書き込みも出来なかった状態でしたがそろそろ通常モードで行きたいと思います。