【令和元年度決算特別委員会 総括質疑「withコロナ期における県政運営について」】

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。withコロナ期をテーマに今回、決算特別委員会で質問してまいりましたが、本日は第四弾として、withコロナ期における県政運営について質問をいたします。
 福岡県では福岡コロナ警報が本日解除されるとの報道ですが、一方で、昨日の衆議院内閣委員会において、政府新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長は、感染がゼロになることは当分難しいと発言するなど、ワクチンや特効薬が開発されない限り、我々は新型コロナウイルスとうまく共生していくしかありません。
 本日、新聞の一面には、全日空が年収三割削減案を労働組合に提案したとのことです。今までは様々な給付金や支援策で何とか経済活動を維持すべく、国、県、市町村は頑張ってきましたけれども、いよいよ新型コロナの悪影響が具体的に広がり始めたなと、背筋が寒くなる思いであります。
 このwithコロナ期において、県政を進めるに当たり、財政課長として何が大切と考えられますでしょうか。

106◯栗原 渉委員長 石橋財政課長。

107◯石橋財政課長 新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、今後も新型コロナ感染症と長く向き合っていかなければならないと認識をしております。そのような中で、医療提供体制の維持確保を中心に据え、社会経済活動と感染防止対策を両立させていくことが大切であると考えております。
 財政課長として申し上げますと、この両立を図るため効果的な事業を実施していくことが大切でございます。事務事業の見直しなどにしっかりと取り組みまして、必要な財源を確保していくことが重要であると考えております。

108◯板橋 聡委員 四月、六月補正において、既定予算の見直しを行っておりますけれども、それについて執行部に資料を要求しておりますので、委員長、お取り計らいをお願いいたします。

109◯栗原 渉委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
110◯栗原 渉委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。
111◯石橋財政課長 直ちに提出します。
112◯栗原 渉委員長 資料を正副委員長に確認させてください。
     〔資料確認〕
113◯栗原 渉委員長 事務局は資料を配付してください。
     〔資料配付〕
114◯栗原 渉委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

115◯板橋 聡委員 資料について簡潔に御説明をお願いします。

116◯石橋財政課長 本年四月及び六月におきまして、事業の見直し、減額補正を行いました。この資料は、見直し区分ごとに主な事業をお示ししたものでございます。

117◯板橋 聡委員 見直しとは、つまり中止、規模縮小、延期に伴う予算の減額が行われたわけですけれども、その目的を再確認させてください。

118◯石橋財政課長 新型コロナ対策予算の編成に当たりましては、医療機関の感染防止対策や患者受入れ医療機関に対する支援、宿泊事業者への緊急支援や中小企業の資金繰り対策、さらには福岡県持続化緊急支援金の創設など、県単独事業の実施に多額の予算措置が必要でございました。
 当時、国の第一次補正予算でございますけど、そこで新設をされました新型コロナウイルス対応地方創生臨時交付金、全国枠で一兆円でございました。これから私ども推計をいたしました本県への配分額のみでは大幅な財源不足が生じる見込みでございました。これを少しでも補うために、特別職の給与減額も含めまして事業の見直しを行い、新型コロナ対策の財源として活用したものでございます。

119◯板橋 聡委員 減額見直しの内容について、改めて説明をお願いします。

120◯石橋財政課長 事業の見直しを検討いたしました当時は、感染が急拡大をしており、外出の自粛や緊急事態宣言に伴います休業要請などを行ってまいりました。このため、いわゆる三密状態を招きますイベント、大会、セミナーの実施や、県外、海外出張が計画どおりに実施できる状況ではございませんでした。そのような事業、経費を中心に、感染拡大防止の観点から減額を行ったものでございます。

121◯板橋 聡委員 では、その見直しの規模はどれぐらいだったのでしょうか。

122◯石橋財政課長 提出をいたしました資料の上段に記載をしておりますが、四月補正、六月補正を合わせまして、見直し額合計で十七億四千六百万円、うち一般財源で十二億三百万円の減額を行いました。
 主な内容でございますが、大会、イベント等に関するものが八億一千八百万円、国際交流に関するものが一億二千六百万円、活動の自粛に関するものが三億三百万円、その他の見直しが四億九千九百万円となっております。

123◯板橋 聡委員 常日頃より財政規律を重んじる財政課としては、このような減額見直しには積極的に取り組みやすいのではないかと思いますけれども、一方で、この見直しによる事業への影響はどうだったのか、この資料の中から幾つかの部署に確認をさせていただきたいと思います。
 まず、伝統工芸振興事業費について、見直しの影響、関係者の声などを説明してください。

124◯栗原 渉委員長 神代観光政策課長。

125◯神代観光政策課長 この事業は、本年開催予定でございました東京オリンピック・パラリンピック、この機会を捉えまして、海外から訪日される観戦者の方々に、小石原焼、久留米絣など本県の伝統的工芸品に触れていただき、その魅力を知っていただき、そして買っていただくことを目的といたしまして、アンテナレストラン福扇華など東京にございます福岡県ゆかりの店でイベントや販売会を行う予定としておりました。
 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、この機会が失われたわけでございますが、伝統的工芸品の産地の方々からは、こういった機会がなくなったことは非常に残念だ、感染症が落ち着き、来年、東京オリンピックが開かれる際には、ぜひ東京でのこうした販売会を行ってPRを行いたい、そうした御意見をいただいております。

126◯板橋 聡委員 次に、県産農林水産物輸出強化費について、見直しの影響、関係者の声などを説明してください。

127◯栗原 渉委員長 松尾輸出促進課長。

128◯松尾輸出促進課長 この事業は、販路開拓のため、海外シェフの招聘や海外で開催される商談会への出展等を計画していたものです。しかし、新型コロナウイルスの影響で出入国が制限されておりまして、海外との人の往来を含む事業は実施できておりません。一方で、日本産農林水産物のニーズは高く、量販店向けを中心に輸出自体は継続をしているところです。
 事業者からは、コロナ禍で対面式の商談ができないので、売り込む機会をつくってほしいといった声が上がっております。

129◯板橋 聡委員 続いて、県育成果樹生産拡大・販売力強化費について、見直しの影響、関係者の声などを説明してください。

130◯栗原 渉委員長 中馬園芸振興課長。

131◯中馬園芸振興課長 この事業は、早味かんや秋王などの果実について、新規の市場や量販店との商談を行うとともに、首都圏でのリレー販売とこれによる一体的なPRを計画していたものでございます。しかし、対面での商談や量販店店頭での試食宣伝販売の実施を断念せざるを得ない状況となったところであります。
 関係者からは、今年はやむを得ないが、状況が改善すれば、新たな販路開拓や一体的なPRの取組はぜひ実施したいとの意見をいただいているところでございます。

132◯板橋 聡委員 最後に、アジア自治体間環境協力推進費について、見直しの影響、関係者の声を説明してください。

133◯栗原 渉委員長 山口環境政策課長。

134◯山口環境政策課長 この事業は、友好提携地域でありますタイやベトナムなどの行政官を本県に招聘いたしまして、環境技術やノウハウに関する研修を行うものでありますが、新型コロナウイルスの影響で海外渡航が不可能となっているため、本年度は実施を見送らざるを得なかったものでございます。
 この研修は、各国から、自国に必要な先進的な知見を学べるといった高い評価をいただいておりまして、実施の見送りについては非常に残念に思うとの声が寄せられているところでございます。

135◯板橋 聡委員 このように、各部において施策の拡大、発展のため準備していた事業が、この感染拡大によって実施できなくなるという状況に追い込まれたわけであり、関係者はもちろんですけれども、事業課の職員の皆さんにとってもつらく苦しい状況にあることがよく分かったと思います。
 しかしながら、新型コロナウイルスの感染は一旦収まるかと思えば、あっという間に再拡大したり、来年度においても必ず収束しているとは残念ながら断言できない現実もあります。先ほど感染拡大防止の観点から見直しを行ったとの答弁の趣旨からすれば、新型コロナが収束すると言い切れない、来年度もこの一覧にあるような減額した事業を実施しないと、そういうお考えがあるのでしょうか。

136◯石橋財政課長 事業の見直しを行いました年度当初と異なりまして、県としましても必要な事業を講じてまいりましたが、社会全体において、新型コロナウイルスに感染しにくい生活スタイルというものが定着しつつあると考えております。適切な感染防止対策がなされることが大事でございまして、一律にイベント、大会や国際交流事業などを実施しないという考えは持っておりません。

137◯板橋 聡委員 本当に県の対応が一歩間違えれば、県民や事業者を委縮させ、ひいては地域経済を冷え込ませ、活性化を難しくする、いわゆる官製不況を生み出すリスクもあると考えますが、課長の意見をお聞かせ願えますか。

138◯石橋財政課長 先ほどもお答えしましたとおり、感染拡大防止のために、一律に大会、イベント等を実施しないという考えは持ってございません。感染の収束状況に応じました防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを段階的に引き上げていくことが重要でございます。このため、新しい生活様式への対応を推進し、地域経済、住民生活の支援につなげる事業を実施していくことが必要であると考えております。

139◯板橋 聡委員 御説明ありましたとおり、今回の減額は緊急時の対応と理解をしております。当時は他県においても、コロナ対策の財源に充てるため、不要不急の事業を減額したとの報道がなされていたと記憶をしております。不要不急とは非常に乱暴な言葉で、その事業とは直接関わりのない方にとっては不要不急に見えるかもしれません。しかし一方で、真にその事業を必要としている人、その事業でなりわいを維持している方々もいますし、将来の県勢振興につながる未来への投資も含まれております。
 確かに人命を守るため、感染対策は大事ですけれども、人の生活も同じように大切ではないでしょうか。来年度の予算においても、感染防止一辺倒の削減がなされれば、コロナ禍で落ち込む地域経済の打撃は計り知れません。このようなことのないように、来年度予算に向けた部長の考えと決意をお聞かせください。

140◯栗原 渉委員長 奥田総務部長。

141◯奥田総務部長 財政課長が答弁申し上げましたとおり、今後も新型コロナウイルスと長く向き合っていかなければなりません。経済社会活動と感染防止対策を両立させていくということが重要であります。
 来年度の予算編成に当たりましては、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策と地域経済の回復に取り組む必要がございます。このため、住民生活の支援に資する事業が確実に実施できるようにしていくほか、感染拡大に伴う生活の変化や行動変容を見据えた先駆的な施策について、県庁全体で知恵を絞ってまいりたいと考えております。
 あわせまして、財源確保が重要でありますので、国に対しまして、地方創生臨時交付金や緊急包括支援交付金など、地方が必要となる財源を要望しておりまして、引き続き全国知事会を通じて働きかけてまいります。

142◯板橋 聡委員 出口の見えない新型コロナウイルス感染症と言われますけれども、同時に、あっという間にアフターコロナの状況に推移するかもしれません。この中途半端な状況を私はマニュアルトランスミッションの自動車での坂道発進に例えたいと思います。ブレーキ、アクセル、クラッチをバランスよく操作して、力強くこの困難なコロナウイルスの坂道を乗り切ってほしいという思いから、福岡県行政のドライバーである小川洋知事に直接問いたいと思いますので、委員長、知事保留のお取り計らいをお願いします。

143◯栗原 渉委員長 ただいま板橋委員から申出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。
 なお、知事保留質疑は、十月十二日月曜日に行う予定でありますので、御了承願います。

144◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)

【令和元年度決算特別委員会 「with コロナ期の教育環境について」】

◯板橋 聡委員 皆さん、こんにちは。自民党県議団の板橋聡です。
 今回の決算特別委員会は、ワクチンや治療薬の普及にはまだまだ時間がかかるであろう新型コロナ感染症の状況を鑑み、withコロナ期をテーマに質問させていただいております。本日は教育庁にウィズコロナ期の教育環境について質問いたします。
 新型コロナウイルス感染症対策として長期の臨時休校を余儀なくされた中での学びの保障として、ICT機器を活用して学校と家庭をつなぐリモート授業、オンライン授業、こういったものに注目が集まりました。
 そこで、まずお伺いいたします。これから秋、冬を迎えて、新型コロナウイルス感染症の再度の流行拡大により再び臨時休校となる可能性も指摘されております。県下の公立学校においてはリモート授業やオンライン学習を実施する準備は整っているのでしょうか。また、インターネット環境や通信端末が整っていない家庭もあるかと思いますが、その対策等も併せて、文部科学省から来た塚田課長、記念すべき初答弁だそうですけれども、しっかりとお答えください。

48◯栗原 渉委員長 池松施設課長。

49◯池松教育庁施設課長 市町村立学校の一人一台端末につきましては、一部の市町村におきまして、中学校三年生など最終学年での整備が済んだところもございますが、今年度中には全ての市町村において整備が完了される見通しとなっております。
 これと併せまして、各市町村において、再び臨時休業となった場合のオンライン学習やリモート授業に備えるため、通信環境が整っていない家庭に対応するためのモバイルルーターなどの整備や検討が進められている状況でございます。
 また、県立学校につきましては、本来整備を予定しております端末は、義務教育段階は十月以降、高校教育段階は一月以降に児童生徒が使用できるよう鋭意整備を進めているところでございますが、緊急的な対応として、オンライン学習等にも活用できるレンタルスマートフォンを既に配備し、八月以降、全ての県立学校でオンライン学習等が実施できる体制を整えております。

50◯板橋 聡委員 池松課長、しっかりとしたお手本を見せていただいてありがとうございます。
 一人一台端末の整備や通信環境の確保などのハード面の整備については、全国的に需要が高まっておりますから、各設置者において可及的速やかに進められることを期待しております。
 一方で、そういったハード面が整備されたとしても、それらを使いこなす教職員のスキル向上やオンライン学習を充実させるためのコンテンツ等の蓄積がなければ、仏作って魂入れず状態で宝の持ち腐れになってしまうと思います。リモート授業やオンライン学習を実施する上での教職員のスキル向上やコンテンツの充実についてはどのように対応されていくのか、御答弁のほどよろしくお願いします。

51◯栗原 渉委員長 塚田義務教育課長。

52◯塚田教育庁義務教育課長 リモート授業などのICTを活用した学習指導を充実させていくためには、個々の教員が具体的な活用方法について身につけ、自ら授業を改善していく意識を醸成するとともに、学校全体として組織的、継続的にICT活用を推進する文化や体制をつくり上げることが重要だと考えております。
 そこで、県教育委員会としては、個々の教員のスキルや学校での役割に応じた研修を体系化し、授業活用力の向上を図る基礎研修、推進の中核となる教員を育成する研修、学校のリーダーとなる管理職に対する研修などを行うよう計画しております。
 一方、コンテンツの充実についても、市販のオンライン教材を導入したり、独自に動画コンテンツを作成したりしている市町村の実践を紹介するとともに、授業の進度に合わせた動画コンテンツの作成、活用について研修内容を設定しながら、学校が主体的、継続的にリモート授業やオンライン学習を推進できるよう支援してまいります。

53◯板橋 聡委員 初答弁ありがとうございます。
 臨時休校時の学びの保障のための活用が当座の課題ではありますけれども、せっかくインターネットや通信機器の環境を整えてリモート授業を行うのですから、ぜひもう一歩踏み込んだ福岡県として独自の先進的な取組をすべきだと考えます。
 現状では、各教職員が全て自前で指導案を検討して、教材や教具を準備して、各教室で授業を実施して、それを受け持ちのクラスの生徒に配信して終わりのように思われていますけれども、これではインターネットの特性を最大限に生かしていないのではないかと考えます。
 リモート授業やオンライン学習のノウハウやコンテンツが普及し、蓄積していくことで、例えばリモート授業のスキルに優れた先生を県として養成し、オンライン学習として分かりやすく作成された動画を蓄積しライブラリー化すれば、県下どこに住んでいても全ての生徒が最高のスキルを持った先生の授業を受けられるようになり、さらに自分の習熟度に合わせて一学年先の学習をしたり、後戻りして学び直すことも可能になります。
 実際の授業においてこのような活用が広がれば、個々の教職員の授業準備の負担を軽減するとともに、授業中にも児童生徒の個別サポートに力を割くことができるようになり、生徒の学習効果も大きく高まるのではないかと考えられます。
 そこで、質問です。こういったオンライン授業の特性を生かした活用の在り方について、県教育委員会ではどのように受け止めてどう対応していくか、お考えを御披瀝ください。

54◯塚田教育庁義務教育課長 オンライン学習に学習効果の高い動画コンテンツなどを活用することについては、これまでそれぞれの教員が作成していた教材などを県下で広く共有することができるため、教員の負担軽減に結びつき、子供に向き合う時間の確保につながると考えております。それに加えて、リモート授業として行われた他の教員の授業を見ることは、教科書等の教材分析の仕方や授業の進め方などのモデルとして自らの授業改善にも生かすことができ、大変有効であると考えております。
 先進的に取り組んでいる市においては、複数の教員でチームを組んで動画コンテンツを開発し、それを市内の各学校で共有することで、教員の負担軽減のみならず、若年教員などの授業力向上にも役立っていると報告されております。県教育委員会としても、独自に作成した動画コンテンツの活用を促すことにより、教員の負担軽減と授業力の向上を図ってまいりたいと考えております。

55◯板橋 聡委員 新型コロナにより全国一斉休校で注目を浴びたリモート授業でありますけれども、毎年インフルエンザなどで学校閉鎖、学級閉鎖はよくあることであります。また、学校閉鎖、学級閉鎖にならなくても、インフルエンザにかかった場合、五日間程度の自宅待機が必要となりまして、うちもそうなんですけれども、熱が下がった後、元気だけど学校にも行けない、しようがないからテレビやネットで時間を潰す子供たちを見ると勉強の遅れが心配になります。
 新型コロナでも同じようなことが考えられます。学校閉鎖や休校にならなくても、例えば本人が一人だけ感染した、あるいは家族が濃厚接触の疑いがあって、症状がなくても子供が出校停止を余儀なくされる場合がきっとあるでしょう。今度は、インフルエンザや新型コロナ以外でも、いじめ、あるいは心の問題で同様に不登校になっている子供たち、こういった子供たちに対してオンライン授業を提供することによって勉強の後れを防いだり、あるいは学校に再び登校したいなと思うようなきっかけになる可能性もあるのではないかと思います。
 このようないろいろな事情を抱えて学校に行けない、そういった子供たちの救済策として、県としてオンライン授業の活用方法を考えるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

56◯塚田教育庁義務教育課長 委員御指摘のとおり、新型コロナウイルスの感染やインフルエンザの感染、またその疑い、その経過観察により学校に来られないことや、いじめ、不登校などの何らかの理由で学校に来られない児童生徒にとって、リモート授業を行うことが学習の継続、学びの保障として大変有効だと考えております。
 県教育委員会としては、現在、学校教育のICT化を進める中で、新たな学習支援策としてのICTの活用についても研究してまいりたいと考えております。

57◯板橋 聡委員 しっかり頑張っていただきたいと思います。
 また、高校になると授業の内容の専門性も高まり、工業高校などの職業系の学科では、授業において実習、こういったものが非常に重要な意味を持つようになってまいります。実習は職人さんのような方が社会で実際に行っている作業をモデルとすることが多いと考えられますが、オンラインで学校と外部の専門家をつなげば実習の効果が上がることも期待できるのではないでしょうか。
 そこで、質問です。こういった高校の実習でのオンライン授業等の活用は、実技を伴う授業なのでより意義が大きく、今後、積極的に推進すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

58◯栗原 渉委員長 井手高校教育課長。

59◯井手教育庁高校教育課長 工業や農業など職業系の専門学校におきましては、例えば、工作機械や農機具の操作方法を映像化したものをオンデマンドで視聴することによりまして生徒の理解度に応じた繰り返し学習が可能となり、実習の事前指導や導入部分などで活用することが考えられます。また、熟練した職人の高度な技術や専門家の先進的な技法などの実践につきましてオンラインの同時双方向で見たり話を聞いたりすることは、生徒の学習意欲や技術力の向上につながることが期待されます。
 したがって、今後、高校の実習におけるリモート授業、あるいはオンライン学習の効果的な活用の在り方について研究を行いまして、各学校の実情に応じて取り入れられるよう促してまいります。

60◯板橋 聡委員 最後に、ちょっと視点を変えまして、コロナ禍におけるコミュニケーション育成について質問いたします。
 学校において、本来であれば子供同士の触れ合いやじゃれ合いの中で人との触れ合いや温かみのすばらしさ、社会性やコミュニケーション能力を培っていくのが、現在は新型コロナウイルス感染症対策という名の下、身体的な距離の確保、あるいはマスク、つい立て等の使用によって人と人との触れ合いや関わりが厳しく制限されています。給食なんかも一方向を見て話もせずに食べなさいと言われているような状況だそうです。
 福岡県医師会の松田会長が先日おっしゃっていましたけれども、人の気持ちや感情、こういうものは体温を感じられる程度距離が近くないと伝わらないこともあるそうです。新型コロナウイルス感染症に対応しなければならない現在は仕方がないことであると思いますけれども、このような状況が続くと子供たちが人との接触や触れ合いを避けるようになってしまい、人との距離を縮めることに臆病になってしまうのではないかと心配をしております。そして、その子供たちが将来的に出会いや結婚、家庭を育むということについても避けるようになってしまわないかと危惧しているところです。
 先日の決算特別委員会で、少子化対策として私が一丁目一番地であると考えている出会い・結婚応援事業を行う福祉労働部でも質問しましたけれども、まず人としての触れ合いやコミュニケーションを大切にする態度が子供たちの中に育まれているということが家族や子供を持とうと思う基礎的な条件ではないでしょうか。教育に携わる方々はこのような認識を持つことがコロナ禍の中だからこそ改めて大変重要なことではないかと考えます。こういったことはデリケートな問題で、なかなか市町村レベルの教育委員会の中では扱いづらい問題ではないかと想像します。
 そこで、質問です。県教育委員会は、児童生徒の人間らしい心の育ちや人間同士の触れ合いの大切さを育むことについてどのように認識し、取り組んでおられるのか。また、それらを涵養する機会として学校行事や家庭教育は大変重要だと考えますけれども、県としての考え方や指針をしっかりと示すべきではないかと思いますけれども、そのお考えをお聞かせください。

61◯塚田教育庁義務教育課長 学校教育は児童生徒の人間として調和のとれた育成を目指すものであり、児童生徒同士の触れ合いやコミュニケーションは学校生活において重要なものであると考えております。また、こうした触れ合いは友情を深め、お互いのよさを理解しながら人間関係を築いていくことや、家庭生活と家族の大切さに気づくことにもつながる大切な営みだと認識しております。
 人と共によりよく生きる喜びやコミュニケーションの大切さの育成は、乳幼児期から小中学校と各発達段階を通して学校と家庭とがそれぞれの役割を果たしながら行っていくべきものであります。学校に対しては、感染状況など地域の実情を踏まえつつも、できるだけ子供たちの触れ合いやコミュニケーションの機会を確保するよう学校行事等の実施を促すとともに、家庭に対しても、知事部局と連携しつつ、スキンシップや親子の触れ合いの大切さなどについて啓発を行っていきたいと考えております。

62◯板橋 聡委員 最後に、副教育長、児童生徒の人間らしい心の育ちや人間同士の触れ合いの大切さを育むことの重要性について、県としての考え方や指針をしっかりと示し、特に福祉労働部、知事部局との連携がある件でございます。ぜひ教育委員会としても教育庁としてもしっかり頑張っていただきたいんですけれども、副教育長の認識をお示しください。

63◯栗原 渉委員長 木原副教育長。

64◯木原教育庁副教育長 ただいま板橋委員からも御指摘をいただきましたけれども、子供たちは他者との触れ合いやコミュニケーションを通じ、将来にわたってよりよい人間関係を築く基礎を身につけることができるものと考えております。現在、感染症対策により様々な場面において人と人との距離を保つことが求められておりますが、このような状況にあるからこそ人と触れ合いながら人間性を養い高めるということが子供たちへの教育の大切な要素であることを改めて認識することが重要と考えております。
 このため、学校教育においては、子供たちのコミュニケーションを図る機会を重視しながら教育活動に取り組むこと、家庭教育においては、スキンシップの大切さ等を関係部局と連携して啓発していく中で、人との触れ合いから人間関係を築くことの大切さについてしっかりと伝えてまいりたいと考えております。

65◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)

【withコロナ期の修学旅行先進モデルを柳川市が実践中!】

6月議会で指摘した、withコロナ期における修学旅行のあり方。私は、新型コロナのリスクと修学旅行に期待される学習効果を踏まえ、県内を目的地として検討する事を提案しました

令和2年6月議会一般質問「アフターコロナの観光戦略、自治体とマイクロツーリズム」
https://itahashi.info/blog/20200618161322

【アフターコロナまでの福岡の観光をどう支えるか?】
https://itahashi.info/blog/20200618235907

それに呼応していただいた柳川市の取り組みが本日NHKニュースで取り上げられました。


新宮町立花小学校の6年生が柳川市を訪れ、川下り等の観光名物を訪れたり、柳川藩初代当主・立花宗茂の学習をしていただきました。


今後県内7校が修学旅行で柳川市を訪れる予定とのこと。


金子市長はじめ、柳川市の皆様のフットワーク軽い対応に感動しました。


私も、柳川市をはじめとする自治体の動きを更に後押しすべく、この9月議会決算特別委員会にてこのようなwithコロナ期の観光振興について県執行部を質す予定です。

福岡の魚と海苔を応援します!

「ふくおかの魚を食べよう」という小冊子が完成しました。
福岡県の水産物応援の為に、福岡県水産局が発行。ふくおかの地魚応援の店の紹介や、水産業界に携わる人々のインタビュー、レシピなどが満載です。


有明海苔生産者代表としてみやま市の須崎孝義さんも素敵な笑顔で登場!
現在発売中の「シティ情報ふくおか」の付録としても折り込んでありますので、是非皆様手に取ってみてください!

【笑顔で繋ぐSDG’s 山門高校キャリア教育】

菅新政権や福岡県議会9月議会など話題が諸々ありますが、先日ブログにも書いた山門高校キャリア教育について。
プランニング頂いた(株)サンカクキカクが活動内容のダイジェスト動画をアップしてくれました。
私も登場しています↓

注目して頂きたいのは、講師役のなんとも言えない笑顔。
SDG’sをテーマに行われたキャリア教育ですが、責任世代の我々から、未来を担う学生達に、想いのバトンを渡すことはまさにSDG’sだと感じました。
素晴らしい機会を与えた頂いた山門青年会議所と(株)サンカクキカクに心より感謝致します。