令和2年6月議会一般質問「アフターコロナの観光戦略、自治体とマイクロツーリズム」

正式な議事録が出来上がるまで、質問原稿をアップしておきます。
6月23日頃から中継録画にて知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継

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質問要旨 一、アフターコロナの観光戦略、自治体とマイクロツーリズム
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 自民党県議団の板橋聡です。通告に従い「アフターコロナの観光戦略、自治体とマイクロツーリズム」について質問致します。

 今議会、原口剣生自民党県連会長による、我が会派の代表質問にて、コロナ収束後の観光振興策について質され、知事はマイクロツーリズムに言及された上で、観光振興策を御披瀝されました。

 しかし、その内容は、知事が仰った「『九州』『全国』『海外』へと広がっていく人の動き」という答弁にも滲み出ているように、新型コロナが完全に収束して、以前の日常が取り戻されることを前提とする、今までやって来た施策の延長線で頑張るんだという表明に感じられました。

 一方で、国際航空運送協会(IATA)は、5月末に、「世界の旅客需要は、2019年の需要レベルを2023年まで超えることはない」と発表するなど、治療薬やワクチンが開発されるまでの数年間は、以前のような観光需要は戻らない、との、現実的な見通しも多数存在します。

 実際、緊急事態宣言解除後、1ヶ月で、国内では、1241人の新規感染患者が発生、福岡県においても北九州市でクラスタが発生し、緊迫した状況になりました。

 現在は関係各位の懸命の努力が功を奏し、抑え込みに成功しておりますが、ワクチンや治療薬が普及するまでは、この様な状況が全国いたる所で散発し、その度に「自粛」と「緩和」が繰り返されることが「新たな日常」となる可能性は極めて高いと思われます。

 県の観光施策も、今までの取り組みに加えて、新型コロナが完全収束する所謂「アフターコロナ」に到るまでの「withコロナ」期間の戦略を掲げ、状況に応じて当意即妙な運用をすべきと考えます。

 そんな中、星野リゾートが、「Withコロナ期」における旅のあり方として「マイクロツーリズム」と名付けた戦略を発信し話題となっています。

 その肝は「コロナが完全収束するまでは、自粛と緩和が繰り返され、観光需要は特殊な動きになり、自家用車で30-60分以内で行ける近距離旅行のニーズが増える」というものです。

 もちろん、これは、観光施設運営業者の生き残り策ですので、そのまま自治体が丸呑みする訳にはいきません、が、マイクロツーリズムのコンセプトは、新型コロナが、完全収束するまでの期間である「Withコロナ期」の観光戦略として現実的であり、県としても「新たな日常における、新たな観光戦略」の参考にすべきと考えます。
 
 そこで知事に質問です。
 マイクロツーリズムに対する認識と、これを自治体の観光戦略として具体的に取り組む事について御所見をお聞かせください。

 県は今まで、地域の名勝旧跡など観光名所を磨き上げる事で観光振興を目指してきましたが、マイクロツーリズムのコンセプトである30−60分の自家用車での移動、すなわち地域の方が地元を周遊する場合、例えば私とって、地元の観光名所は遠方の知り合いが旅行に来たときに案内する場所であり、頻繁に自ら足を運ぶものではありません。

 従来の観光素材が、マイクロツーリズムでもそのまま通用する訳では無い、という事です。

 みやま市と筑後市に跨がる船小屋温泉に、田中羊羹本舗という老舗の和菓子屋さんがあります。地元の子供達の為にと、店先にテーブルを出し、夏になると子供向けに100円かき氷を始めました。

 ここの売りは、特盛りの氷に、蜜が掛け放題、そして蜜の種類が、いちご・メロンなどの定番から、キャラメル・ヨーグルト・ココナツミルク等変わり種まで、その数なんと30種類。なんでもかんでも掛け放題の魅力は、子供達を超えて、大人の間でも評判となり、マスコミの取材を受けるほどの、ちょっとした人気スポットになっています。

 もちろん、これだけを目的に何時間もかけて船小屋までやってくるかといえば、クエスチョンですが、車で30分なら行ってみたくなる、ワクワク感があるのも事実です。
 
 そこで知事に質問です。
 マイクロツーリズムで主役となる観光素材は、このようにちょっとした非日常やワクワク感を提供する個人商店・飲食店や商店街であり、今までの観光振興と違い、中小企業振興の視点も必要です。
 マイクロツーリズムの考え方を取り入れた商店街作りなど、中小企業振興策を検討しては如何でしょうか?
 知事の御所見をお聞かせください。

 冒頭にご説明したとおり、マイクロツーリズムのコンセプトは自家用車で30-60分で行ける近距離旅行であります。福岡県では県内を15圏域に分けて、広域地域振興圏としていますが、まさにこの圏域こそ車で30-60分の移動範囲に近いのではないでしょうか?

 そこで知事に質問です。
 広域地域振興圏では県と市町村で広域連携プロジェクトを協働して実施しており、そこにマイクロツーリズム的な視点を加えた新たな事業などを検討しては如何でしょうか?
 知事の御所見を御披瀝ください。

 さて、夏の高校野球全国大会が中止になる中、福岡県高校野球連盟は感染リスクを理由に、当初、代替大会を開催しないと判断しましたが、世論の後押しや、県議会のスポーツ立県調査特別委員会による議論を踏まえ、一転、県内を4地区に分けて独自大会を開催する事になりました。野球に青春をかけた球児たちにとって、完全な形では無くとも、この大会で心に一区切りを付け、新たなスタートが切れることを祈るばかりです。

 一方で、全ての生徒達にとって学生時代の一大イベントと言えば、「修学旅行」ではないでしょうか?

 ところがこのコロナ禍により、県立学校は県下一律「当分の間、修学旅行などを行わない」としており、修学旅行をはじめとするあらゆる学校事業は中止の危機に瀕しています。

 修学旅行は単なる旅行ではありません。親元を離れ、同級生達と不馴れな土地で協力しながら、目的達成の為に集団行動をする、教育活動の一環であります。

 現在では、ただでさえ休校による学習の遅れを取り戻すために忙殺され、自粛警察が横行する中、大人達が不測のリスクまで背負って修学旅行を敢行するより、安全サイドに流れる心情に一定の理解は示します、が、大人にとって年中行事の一つであっても、子供達には一生に一度の修学旅行であります。

 また、筑後地方は二ヶ月近く感染者ゼロの中、県下一律、当分修学旅行等の学校行事を行わないという、横並びの判断に、生徒目線は感じられません。

 そこで、教育長に質問です。県下の修学旅行が、一律延期や中止になっている現状について、認識をお聞かせください。

 冒頭申し上げましたとおり、ワクチンや治療薬が開発されたわけでない、新型コロナウイルス感染症は、緊急事態宣言解除後も毎日全国で感染者が発生しており、今後も地域を変えながら自粛と緩和が繰り返されていくwithコロナ期が当面続くと思われます。

 そんな中、withコロナ期には発想の転換が必要なのではないでしょうか?

 つまり、修学旅行を教育活動の一環とすれば、別に県外に行くことが必須という訳ではありません。

 県内であれば、現地の状況も把握しやすいし、生徒やその家族の不安を払拭しやすい。またダメージを受けている県内の宿泊施設をはじめとする観光業者にとっては有難い団体顧客、県にしてみれば宿泊税の恩恵もあります。

 忙殺される先生方が、易きに流れて、今までのやり方をコピー&ペーストして踏襲するのではなく、

 柳川の子供達が、宗像市で『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群に触れ日本のルーツを体感する、

宗像の子供達が、北九州市の工場萌えと新日本三大夜景を堪能する。

 北九州市の子供達が、柳川市で川下りや朝倉地区のグリーンツーリズムを体験する

 そんな修学旅行がwithコロナ期の「新たな修学旅行」として選択肢に上がっても良いのではないでしょうか?

 そこで、知事と教育長に質問です。
 Withコロナ期において、生徒の安全面に配慮しながら修学旅行を実施するために、修学旅行先を県内にすることを、一つの選択肢として、学校に推奨しては如何でしょうか?

 また、柳川市では第三次の補正予算で、修学旅行の行き先を柳川市に変更すれば、割引や特典を付ける事業を計画しております。福岡県では既に、県外の学校が福岡県に修学旅行に来る際、バス代を助成する事業が存在しますが、例えばこれを福岡県内の学校まで対象とするなど、県内から県内への修学旅行に対する具体的支援策を検討しては如何でしょうか?

 一連のコロナショックの中で、大変大きなダメージを受けている飲食業界の方から、昨日こんな話を聞きました。
 福岡市内の超大手企業の役員とお目に掛かった際、「そろそろ社員の飲み会を解禁にして頂けないだろうか」とお願いしたところ、「我々はそうしたいけど、県が職員に対して禁止令を出しているような状況で、民間が先に解禁するのは難しい」との答えだったそうです。

 同調圧力。

 知事はお酒は嗜まれないのでピンとこないかも知れませんが、どんなに口先で経済復興を唱えようとも、県下一律で職員が歓迎会も送別会も出来ない現状は、緊急事態宣言解除後も、計り知れない負の波及効果を、県内各所に与えている事を、肝に銘じて頂きたい。

 知事が、ブレーキべた踏みで、坂道発進をするような対応では、このコロナショックからの、経済復興は覚束かないです。クラッチをしっかり噛ませて、急坂を登り切る、バランスの取れた前向きな答弁を期待して、私の一般質問を終わります。
ご静聴ありがとうございました。