【県の「陽性者」と「感染者」の定義について質しました】

11月30日のブログにて報告した、新型コロナ検査で陽性だった私の身内ですが、特に大きな症状も出ず12月10日に無事退院して日常を取り戻しております。「重症らしい」とか「脳梗塞で入院したらしい」とか流言飛語が飛び交っていたようですが、ゆっくり静養したお陰で本人はいたって元気です。ご心配お掛けしました。

さて、昨日は、私が所属する総務企画地域振興委員会が開催されました。
その中で、福岡県の広報において「陽性者」と「感染者」をどのように定義して使っているのか確認をさせて頂きました。

まず、大前提として「陽性」と「感染」と「発症」の違いを整理しておきます。

PCR検査は、新型コロナウイルスの遺伝子の断片が、被検者から採種した唾液や粘液などに含まれているかどうかが分かる検査です。

これで一定数のウイルスが存在すると確認されれば「陽性」です。が、「そのウイルスが生きているのか?死んでいるのか?」「単に唾液に付着しているだけなのか?細胞内に入り増殖しているのか?」「少量か?多量か?」などは分かりません。

一方で、ウイルスに「感染」する。という事はどういう事なのか?

wikipediaによると
「感染とは、生物の体内もしくは表面に、より体積の小さい微生物等の病原体が寄生し、増殖するようになる事。また、侵入等のその過程。」
と定義してあります。つまりウイルスが存在するだけではなく、細胞に侵入・寄生し増殖いている事が要件となります。

そして、「感染」した後、病状が出ると「発症」となります。

先程書いたとおり、PCR検査でウイルスの存在が確認されて「陽性」判定されたとしても、そのウイルスが生きているのか?死んでいるのか?単に付着しているのか?それとも細胞内に入り込み増殖しているのか?は判断出来ないわけですから、「感染」しているかどうかはPCR検査では分からないと私は理解をしております。

ところが、福岡県の新型コロナウイルス感染症ポータルページを見ると、PCR陽性者の数は、資料によって「感染者数」だったり「陽性者数」と書いてあったりまちまちです。



更に、先日発動された「福岡コロナ警報」では、その基準の一つに「一日当たりの感染者が3日連続で40人以上(三日移動平均)…」とありますが、この感染者数はPCR検査陽性者数で計算されています。

そこで、県民情報広報課に対し、新型コロナウイルス感染症情報については「陽性者」と「感染者」の使い分けを明確にして、その上で県民に対して「『陽性者』とは何か」「『感染者』とは何か」と分かり易く定義をすべきではないかと提案しました。

みやまでは11月下旬に新型コロナのクラスターが発生し、濃厚接触者・陽性者・感染者・発症者を一緒くたにして過度に恐怖を感じたり、パニックに陥ったり、流言飛語の原因になったりしていると感じた次第。

正しく恐れて、正しく対策して、感染拡大防止と社会経済活動を両立させるためには、県の発信する情報が県民を混乱させるようではいけません。県側からは今後関係部署と相談の上、対応を検討する旨返事を頂いておりますので、結果が出ましたらまたご報告致します。

参考資料:
福岡県内での発生状況 – 福岡県庁ホームページ
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/covid19-hassei.html
PCR論争に寄せて─PCR検査を行っている立場から検査の飛躍的増大を求める声に:日経メディカル https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t344/202004/565349.html
新型コロナ「検査の陽性者」=「感染者」ではない…!PCR検査の本当の意味(本間 真二郎) | マネー現代 | 講談社
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75285
新型コロナ感染者数「大幅水増し」疑惑報道は本当か | ダイヤモンド・オンライン https://diamond.jp/articles/-/250443
コロナ雑感:PCR検査の問題点(11/16) | 武田クリニック
https://www.takedaclinic.com/news/747/
感染 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9F%E6%9F%93