平成30年12月議会一般質問「農業の観光資源化」

録画中継にて知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継
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質問要旨 一、農業の観光資源化
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◯十九番(板橋 聡君)登壇 皆さん、こんにちは。一般質問初日のトリを務めます自民党県議団の板橋聡です。通告に基づきまして、農業の観光資源化について質問をいたします。
本年八月、ラグビーワールドカップのジャパンプロモーションや農林水産省が進めるフードバリューチェーンの研究などを目的としてオーストラリアを視察しました。その中で、クイーンズランド州の州都ブリスベーンから車で三時間ほど離れたスタンソープという見渡すばかりの平野が広がる田舎町でイチゴ栽培の現場を訪問する機会を得ました。オーストラリアは日本以上の慢性的な人手不足で、特に農業分野は深刻な状況とのことです。そのため、オーストラリア政府はワーキングホリデービザに着目し、最初の一年間で三カ月農林水産業に従事すると、もう一年ビザが延長され、つい先月には、二年目に六カ月農林水産業に従事するとさらにもう一年、合計三年滞在期間が延長できるような制度変更をしました。州都ブリスベーンから遠く離れた、観光とは全く無縁と思われる田舎町のスタンソープでも、農繁期になると先進国からワーキングホリデーでオーストラリアを周遊する若者が続々と集まってきて、ルームシェアをしながら数カ月滞在し、イチゴのピッキングやパッキングの作業を行いながら、農村地域の異文化体験を楽しんでいるそうです。
一方、日本では、京都の非農家であった喜多氏が、荒廃した茶畑を借り、茶の生産から販売までを行う、おぶぶ茶苑合同会社を設立、二〇一六年から会社内に、トラベル京都ティーツーリズム支店を設置して、国内外の観光客に宇治茶の歴史を説明、茶畑見学やお茶のテースティングなどを提供し、参加者は二年足らずで通算千人を超える人気アクティビティーとなっております。注目すべきはその体験料。何と四時間コースで一万二千円、滞在型の十二日間コースでは三十万五千円だそうです。
東京在住の友人が福岡に来て、あした一日、あるいは半日暇なんだけど、どこに行くのがお勧めかと言われると困惑する自分がいます。福岡県はもっともっと観光資源の磨き上げ、発掘が必要なのは間違いありません。今回知事が政治生命を賭して取り組まれている宿泊税の問題において、あれだけ福岡市が強気に出られるのも、結局福岡市以外で福岡県に行くとこあるのかという上から目線の裏返しでもあり、地方の若者を吸い上げ繁栄を謳歌する福岡市が、宿泊税も市単独で課税しようとする姿勢は、おまえの物は俺の物、俺の物は俺の物というジャイアニズムを感じずにいられません。しかしながら、県下全域が福岡市になることは不可能です。県が観光の広域性を実現するためには、所有では得られない体験や思い出、人間関係に価値を見い出す事消費を県下あまねく仕掛けていかなければ活路は見出せません。その視点から、農業文化、食文化を体験することで日本ファンになり、リピーター効果も期待でき、県下に広くポテンシャルを秘めたグリーンツーリズム、アグリツーリズムが打開策となり得ると期待をして、今回、農業の観光資源化をテーマに質問させていただきます。
知事は我が会派の代表質問で、宿泊税によって得られる財源を活用した施策について、DMO設立支援を挙げていらっしゃいましたが、具体的にどうやって地方のDMOが観光で稼ぐのか、また欧米豪からのインバウンド誘客とおっしゃいますけれども、それをどうやって県内全域に周遊してもらうのか、具体的な構想がなければ絵に描いた餅です。
そこで質問です。県内津々浦々にポテンシャルがある農林水産業を観光資源化し、磨き上げることができれば、宿泊税の効果をスピード感を持って県全域で共有し、知事がおっしゃるとおり観光行政が広域性を有するようになるのではないでしょうか。知事の所見をお聞かせください。
農業を観光資源化していくためには、地域のJA、観光協会の連携が肝となりますが、それぞれ独立した組織であり、県においてもJAは農林水産部、観光協会は商工部が所管をしており、グリーンツーリズムの立ち上げに向けて緊密な連携がとりにくい状況です。
そこで知事に質問です。地域において農業をつかさどるJAと観光をつかさどる観光協会が、地域の強みを把握して、農業の観光資源化の必要性を認識しタッグが組めるよう県は働きかけを行い、農業の観光資源化を進めていくべきと考えます。また、将来的にはそれぞれの地域で観光資源化された農業体験をつなぎ、福岡に行けば一年中農業体験ができるように希望者と地域のマッチングをするなど、県として主体的にグリーンツーリズムの広域化に関与する必要があります。そのためには、県においても商工部と農林水産部の連携が不可欠と考えます。この二つの連携をどのように進めていくのか、知事の所見をお聞かせください。
ところで、県内では朝倉地域がいち早くグリーンツーリズムに取り組み、先進地域と呼べるような実績と経験をお持ちだと聞いております。
そこで知事に質問です。朝倉地域のグリーンツーリズムの現状、課題についてお聞かせください。
知事は以前、観光振興策について問われると、ワンモア福岡、すなわち福岡でもう一カ所、もう一食、もう一泊とおっしゃっていましたね。最近はとんと聞きませんが。このワンモア福岡の考え方は、県内最大の宿泊者数を誇る福岡市に訪れた観光客に、もう一カ所、もう一食、もう一泊県内のどこかでしてほしい、具体的にはオプションツアーでワンモア、つまり柳川で川下りをしてもらう、太宰府天満宮に来てもらう、イチゴ狩りをしてもらう、そんなイメージじゃないかと思います。これでは観光の主体となる福岡市が宿泊税問題で強気になるのも仕方ありません。今回私がグリーンツーリズムをテーマにしたのは、観光における主従関係に変化を生み、選択の幅を広げたいとの思いからです。例えば、グリーンツーリズムで筑後地方で一週間滞在し、オプションツアーで一日は福岡市内に行って買い物をする、野球を見る、屋台を体験するような新しい福岡の楽しみ方を生み出していくべきですし、そういうビジネスモデルの確立なくしてはDMOもどうやって地方が観光で稼ぐか頭を抱えるばかりではないでしょうか。
そこで知事に質問です。朝倉地域に芽吹いているグリーンツーリズムを、県内津々浦々で取り組んでいけるようにするためには、国内外の先進事例を研究し福岡に適したビジネスモデルをつくり上げる必要があります。それをもとに、まずは県内数カ所でパイロットモデル地区を設定し、福岡県でも地域に滞在し、農業、日本文化、日本の生活、食を楽しみ、体験する、そしてその滞在と体験で地域が稼ぐことができるような先進事例をつくり上げ、徐々にその範囲を広げていくことが近道だと考えますが、知事の所見をお聞かせください。
宿泊税の問題が私の地元でもよく話題に上ります。多くの県民の皆さんは、新たな財源による観光振興策に大きな期待を寄せています。知事にはその期待を裏切ることがないような答弁を期待して、私の質問を終わります。(拍手)


◯議長(井上 順吾君) 小川知事。
*知事答弁


◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず、農業の観光資源化でございます。本県は、自動車とか半導体とか製造業が盛んでございますが、一方で、全国有数の農業県でございます。その生産地を訪れ、農業者と交流をしたり、農産物の収穫体験を行うことは、本県の魅力的な観光資源として大いに活用できるものと考えております。昨年七月に策定いたしました私どもの観光振興指針の中では、魅力ある県産の食を体験できる観光ルートの開発及び提案、外国人観光客に向けた観光農園、農業体験を観光資源として確立していくことへの取り組みについて書かせていただいております。県におきましては、農業者と連携した体験プログラムの開発、農業体験を含む体験プログラムの県観光ホームページでの情報発信、またその体験プログラムの旅行会社への情報提供などに取り組み、農業体験を活用した誘客というものを促しているところであります。今後は、農業体験と地域のさまざまな観光資源を組み合わせ、こうした観光資源を目的にその地域を訪れ、滞在し、これらの観光資源をめぐり、また体験をする方がふえるよう取り組んでまいります。
次に、農業の観光資源化に向けた商工部と農林水産部との連携でございます。県内各地域の観光振興を図っていくためには、市町村、観光協会、JAなどさまざまな関係者が協力をし、地域の特色を生かしながらそれぞれの観光地づくりを進めていく必要がございます。そのため、農林水産部におきましては、農業体験に取り組んでおられる農業者の情報に加えまして、JAや市町村に働きかけ、今後、農業体験に取り組む意向のある意欲的な農業者あるいはJAの部会、これらについての情報を収集をしてまいります。その上で、このような情報を商工部におきましては、地域の観光協会に提供し、県、市町村、JA、農業者、観光協会が連携をいたしまして、農業体験を地域の観光資源として磨き上げ、その体験プログラムを広域的につないでいくことによりまして、その当該地域への誘客につなげていきたいと、このように考えております。
次に、朝倉地域のグリーンツーリズムの現状と課題でございます。グリーンツーリズムは、訪れられた方たちに農業、農村のすばらしさを体験をしていただくだけではなく、地元住民が農業や地域の魅力をみずから再確認することを通じまして、地域の活性化にもつなげていく重要な取り組みでございます。県内でも有数の農業地域でございます朝倉地域でございますけれども、平成二十二年に朝倉グリーンツーリズム協議会が設立をされまして、農家民泊や農業体験と小石原焼など伝統工芸の体験、大刀洗の平和記念館での平和学習などを組み合わせた体験プログラムを作成をし、小中学校の修学旅行を積極的に受け入れておられます。県、朝倉市、筑前町、東峰村で構成をしております朝倉地域広域連携プロジェクト推進会議におきましては、この取り組みを推進するため、協議会と連携をし、体験プログラムを紹介するパンフレットの作成、県内外の旅行会社や小中学校への誘致活動、受け入れ家庭の募集や研修会などを行ってきているところであります。こうした取り組みの結果、平成二十九年度には、登録家庭が百四十軒にまでふえ、七校、九百五十四名の修学旅行生を受け入れるまでに至りました。この朝倉地域におきましては、九州北部豪雨の影響や高齢化の進行によりまして受け入れ家庭が減少し、ニーズに対応できなくなることが懸念されておりますことから、県といたしましては、地元市町村と連携をし、受け入れ家庭の拡大、新たな体験プログラムの掘り起こしなど、さらなる支援を行っていく考えでございます。
農業体験による滞在型観光のパイロットモデルの構築についてお尋ねがございました。先ほど申し上げましたとおり、朝倉グリーンツーリズム協議会の取り組みというのは、農村への滞在、農業体験と地域の特色を生かしたさまざまな観光資源を組み合わせ、年間を通した誘客につなげておられます。こうした取り組みを他の地域に広げていくことによりまして、県内の農村地域への誘客を促し、観光消費を伸ばすことにつながっていくと、このように考えております。グリーンツーリズムの取り組みを進めていくためには、宿泊施設の準備、農業体験と地域の観光資源とを組み合わせたプログラムづくり、二次交通の確保、インバウンドの受け入れ態勢の充実など、地域の観光協会とJAそして地元市町村が連携して検討していかなければならない課題が多くあります。まずは、朝倉グリーンツーリズム協議会や安心院町のグリーンツーリズム研究会を初めとした国内外の先進的な取り組み事例につきまして、市町村、JA、観光協会など関係者に対しまして、その情報提供を行ってまいります。あわせて、こうした方々と意見交換を行いながら、県内のグリーンツーリズムに関心を持つ地域の掘り起こし、地域における課題の抽出など具体的な検討を進めていきたいと考えております。例えば、現在県内では、柳川市観光協会、みやま市観光協会が農業体験と、柳川の川下りや、みやま・清水山オルレなど地域の観光資源を組み合わせたプログラムづくりを検討されておられます。県におきましては、今後、両協会にグリーンツーリズムに取り組むことを提案をしていきたいと思っております。こうした取り組みを県内でモデル的に進めていくことによりまして、農業を観光資源として活用した観光振興、この輪を広げていきたいと、このように考えております。

22年振りとなる一般会計決算不認定

決算特別委員会が知事保留質疑の紛糾で審査期間を1日延長しましたが、本日終了しました。

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知事保留質疑においては、県政の課題が山積する中、県と福岡市が対立している宿泊税問題、JRと自治体との協議が紛糾している日田彦山線復旧問題、1年で8人の逮捕者を出した県職員不祥事問題の3つに的を絞って我が自民党県議団は小川知事を質しました。

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テレビ、新聞はじめとする多くのメディアからも注目を頂きましたが、知事が政治生命をかける覚悟で問題解決に当たるという強い決意を示していただきましたので、具体的手法に疑問符は感じるものの最終的に矛を収める運びとなりました。ただ、不祥事問題については、従来知事がその再発防止策として力を入れていた職員研修の効果が全く現れておらず、その部分の決算については、平成8年以来22年ぶりとなる「不認定」とすることとなりました。

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今回の決算特別委員会で私は理事の立場で自民党県議団の裏方として汗をかかせて頂き、至らない点も多々あったと思いますが、無事ゴールを迎えられたのは先輩同僚議員をはじめ全ての関係者の皆さんのお陰です。本当に有難うございました。

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【福岡県、福岡市の宿泊税問題】

福岡県議会決算特別委員会では昨日、今福岡で一番熱い話題「宿泊税」について議論がなされました。
自民、国民民主、公明の3会派が同じテーマで立て続けに質問するのは滅多にない事です。

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新聞記事には書いてありませんが、一番の肝は、一昨年福岡県議会が議会提案で観光振興条例を提案する際は、事前に福岡市にも相談し、その時福岡市から「市町村などとの協議がなされていない現段階においては、観光税の標記の見直しをお願いしたい」と意見が提出され、福岡県側はその意見を尊重し条文案を変更した事実です。

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一方、福岡市は県側の観光振興条例が制定され、その税源として観光税を含む新たな財源を検討する会議を行い、福岡市側にも状況を報告するなかで、突然9月15日に財源を「宿泊税」と明記した観光振興条例を可決させて、今の混乱に至っている次第。
税には富の再配分という側面があり、福岡市は九州全域の一極集中の目玉となり地方に生まれた若者を吸い上げ繁栄を謳歌しているなか、地方に生きる者として今回の顛末に正直憤りを感じます。

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10月10日の知事保留質疑で、本件についてトップリーダーたる小川知事に厳しく質す事になります。

議会はチームプレイ

福岡県議会は9月定例議会真っ最中です。

昨年の8月から僅か1年間で県職員8名が逮捕される不祥事の連鎖が起こっており、自民党県議団では9月14日の代表質問で浦伊三夫議員がその状況を質し、具体的な再発防止策を要請しましたが、答弁が噛み合わず。

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その後、人事課を所管する総務企画地域振興委員会で私が質問するも答弁が噛み合わず、知事保留質疑を行い知事の考えを直接伺いましたが満足いく答弁が得られず、昨日から開会した決算特別委員会で吉松源昭議員から三度目となる知事を質す事態となっています。

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議員一人の力ではどうにもならなくても、会派として対応する。「議会」はチームプレイだとつくづく感じさせられる議会となりました。

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さて、決算特別委員会に私は自民党会派の理事として参加しております。

「理事」は各会派(自民・国民民主・公明・緑友)から一人ずつ選出され理事会を構成し、それぞれが代表する会派の意向を汲みながら、決算特別委員会の審議がスムースで充実したものとなるよう協議します。また、会派の質問を調整し取りまとめたり、朝昼晩の勉強会の準備・進行等裏方の仕事もします。

それ故に、今回私自身は質問はせずに委員会を運営する側として汗をかきます。議員は議会で質問するだけにあらず。折角頂いた貴重な経験をしっかり務めきるよう、先輩・同僚議員のお力を借りながら10月10日の知事保留質疑まで頑張ります!

平成30年2月議会一般質問「出会い結婚応援事業について」

録画中継にて知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継
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質問要旨 一、出会い結婚応援事業について
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◯十八番(板橋 聡君)登壇 自民党県議団の板橋聡です。通告に基づきまして、出会い・結婚応援事業について質問いたします。
 少子化対策は国任せではいけません。県、市町村が重層的に対策を講じる必要がありますし、ひいてはそれが定住化支援や地域の魅力向上、活性化につながり、県民幸福度を上げると私は考えます。過去、小川知事からは、県の力を維持するには一定規模の人口が維持されることが必要との認識を御披露いただきました。少子化対策を煮詰めれば、合計特殊出生率を向上させることです。二人目、三人目を産みたいと希望すれば、母体生理学的にも、経済的、社会的にもそれがかなうような環境づくりに課題があると考えております。もとより結婚や出産は極めて個人的な問題であり、デリケートで扱いづらい面がありますが、一定規模の人口を維持し、国、県、地域が活力を持ち続けることは、個人の幸せにつながると信じております。日本が直面している深刻な人口減少から目をそらさず、火中のクリを拾う思いで質問させていただきます。
 これは、私が四年前、二〇一四年六月議会にて、未婚化、晩婚化対策について一般質問を行ったときの冒頭の言葉をそのままコピーしたものです。その際、知事からは、未婚化、晩婚化の流れを変えていくためには、若い人たちが結婚したい、家庭を持ちたいと思ってもらえるような機運を、社会全体で高めていくことが重要という思いを共有していただきました。
 そこで知事に質問です。四年前に発言いただいた社会的機運の醸成について、今も同じお考えでしょうか、確認させてください。
 その後、県としても少子化対策に関する施策を充実させていく中、二〇一六年、一昨年の予算特別委員会で、社会全体として結婚を応援する機運が高まるよう、まずは子育て応援宣言企業のトップに働きかけ、結婚応援宣言をしていただけるよう取り組んでいくことを、当時の部長、課長にお約束いただきました。しかしながら、その一年後、出会い・結婚応援推進事業に対する予算が大きく減らされており、その上、お約束いただいた子育て応援宣言企業のトップに働きかけて結婚応援宣言をしてもらうという取り組みの成果も、一年でわずか三社しか実現していなかったため、二〇一七年の予算特別委員会で質問させていただき、知事は取り組みの成果が出ていないことについて遺憾の意を表された上で、事業に魂を入れてしっかりやっていくとおっしゃいました。
 そんな中、平成三十年度の予算勉強会に出席したところ、福祉労働部の主要事業から出会い・結婚応援事業は消え去っており、私はそれを見て、ああ、なるほどと、一年たって結婚応援宣言企業は順調にふえているのかなと安堵し、担当の課長に状況を確認したところ、二〇一七年度に、子育て応援宣言企業から新たに結婚応援宣言企業に登録したのはわずか九社だったそうです。詳しく申し上げますと、子育て応援宣言企業が六千二百七十七社、そのうち今年度登録更新した企業が千四百八十七社、そのうち結婚応援宣言企業の説明を聞いてもよいとしたのが百七社で、最終的に結婚応援宣言企業に登録していただいたのは九社だけでした。
 そこで知事に質問です。少子化問題は、対策が一年おくれれば効果が十年おくれると指摘をする有識者もいらっしゃるほどです。部長が責任を持って対応すると言い、知事が魂を入れてしっかりやると言った事業が、二年かけてこのありさまです。知事は、途中経過をチェックし、うまくいっていなければ、適切な指導、助言をするなど対応をとるべきだったと考えますが、知事はどのような関与をされたのでしょうか。
 また、昨年の予算特別委員会で、知事は事業の進捗のおくれを遺憾と表されましたが、六千二百七十七社の子育て応援宣言企業から、二年でわずか十二社しか結婚応援宣言をしていただけませんでした。喫緊の課題と自身がおっしゃる少子化対策事業で、このスピード感をどう考えますか、知事の所見を御披瀝ください。
 今回の質問に当たり、子育て応援宣言企業のうち、今年度で登録更新時期を迎えた千四百八十七社中、なぜ千三百八十もの会社が結婚応援宣言企業の説明に耳をかさなかったのか、理由を確認したところ、パワハラ、セクハラの懸念がある、多様な価値観に対して優先順位をつける印象を与えるのを避けたいなどを理由に挙げたそうです。また、社員の結婚は離職につながるおそれがあるから、人材確保の観点から避けたいとおっしゃる企業もあったそうです。しかし、現実に目を向ければ、少子化は市場規模の縮小という観点のみならず、労働力不足による企業存続の観点からも大きな問題です。人手不足倒産などという言葉がマスコミをにぎわす中、結婚は離職につながるおそれがあるから結婚応援宣言はしないという考え方は、余りに短絡的で暗たんたる思いがします。
 そこで知事に質問です。結婚応援することは、セクハラやパワハラ、あるいは価値観に優先順位をつけるような行為なのでしょうか、知事のお考えをお示しください。
 また、そのような考え方と同様に、人手不足が企業の存続を脅かす中、結婚は離職につながるという短絡的な考えにとらわれるような企業こそ、県としてしっかりとした働きかけを行い、結婚応援に理解をいただくことが、未婚化、晩婚化の流れを変えていく社会的機運の醸成につながると思いますが、知事の所見をお聞かせください。
 昨年、出会い・結婚応援事業の進捗のおくれを指摘し、この出おくれを取り戻すには、人をふやすか、予算をふやすかするべきと提案したところ、知事は、子供、子育て支援全体の予算はふえているとうそぶかれました。しかし、それは幼児教育、保育や小児医療という結婚して子供ができた以降の支援事業に対してです。出会い・結婚応援事業に関連する予算は減っております。
 そこで知事に質問です。出会い・結婚応援事業関連予算は、平成二十八年度三千八百万円余、平成二十九年度三千百万円余、そして平成三十年度、来年度は二千四百万円余と減らされています。来年度の予算もふえない、人もふやさない。知事は、未婚化、晩婚化の流れを変えていくために、若い人たちが結婚したい、家庭を持ちたいと思ってもらえるような社会的機運を高めようと本気で思っていらっしゃいますか。もしそうならば、予算も人も今のままで、これから画期的成果を上げる、その具体的手法を御教示ください。
 以上、知事の誠意ある答弁をお願いして、質問を終わります。(拍手)

◯副議長(守谷 正人君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 まず初めに、結婚の機運醸成にかかわる認識でございます。少子化の流れを変えていくためには、若者の出会い、結婚、そして子供を産み育てたい、その希望をかなえることができる、ライフステージに合わせた施策をきめ細かく総合的に行っていくことが重要であると考えておりまして、四年前と考えは同じ考え方でございます。このため、まずはそのスタートに当たります若者たちへの出会いの場の提供、カップリングによる結婚のきっかけづくりに取り組むとともに、社会全体で若者の出会い、結婚という希望をかなえるための環境整備として、企業に対し結婚応援宣言を働きかけてきているところであります。
 子育て応援宣言企業における結婚応援宣言の状況でございます。今年度から、結婚応援宣言をしていただくために、子育て応援宣言企業のメールマガジンを通じまして、その登録を働きかける情報を年二回程度から毎月掲載するように強化をしたところであります。また、登録更新を迎えた一千四百八十五社の子育て応援宣言企業のうち、結婚応援宣言の説明を聞いてもよいと回答がありました企業百七社、ここに戸別訪問を実施をしております。また、新たに子育て応援宣言をしてもらうために訪問しました百三社に、この結婚応援宣言の働きかけを行いました。加えて、経済界全体の協力のもと、結婚応援の機運を醸成することを目指しまして、九州経済連合会、福岡経済同友会、商工会議所連合会等の経済団体、また宅地建物取引業協会、私立幼稚園振興協会など十二の事業者団体の協力を得て、各団体のトップの皆さんから会員企業に、その登録の働きかけを行っていただいているところでございます。さらには、私自身からも含めまして、経済団体や、今申し上げました事業者団体等の各種会合、県内四地域あります中小企業支援協議会の総会、地元の企業が多数集まります就職フェアなどの場を活用して、企業への働きかけを行ってきたところであります。これらの取り組みの結果、子育て応援宣言企業で結婚応援宣言を行った企業は、新たな三十五団体を加え、平成三十年一月末現在で百四十団体となりましたが、子育て応援宣言企業総数六千二百七十七社、この数に比べましては、いまだ少数にとどまっておりまして、遺憾に思っているところであります。
 結婚応援宣言は、セクハラ、パワハラ、価値観に優先順位をつけること、そういった認識を持つ企業があると、そのことについてでございます。結婚応援宣言を行わなかった理由といたしまして、セクハラ、パワハラの懸念がある、多様な価値観に対し優先順位をつける印象を与えることは避けたい、また従業員の離職につながると、そういった内容を訴える企業、団体も多く見られることは確かでございます。しかしながら、このような考え方の企業につきましては、少子化の問題をより広い視野から捉え、少子化が日本の将来に与える重大な影響、これにつきまして、もっと理解をしていただかなければなりません。また、企業が宣言するに当たりましては、決して結婚を勧めることを強調するのではなく、結婚したいという希望をかなえることを支援したい、そのことを丁寧に説明をすることによりまして、セクハラ、パワハラに当たるという懸念は解消できるのではないかと考えております。企業への働きかけに当たりましては、このような点について丁寧に説明をし、この取り組みの重要性を理解をしていただけるよう全力を尽くしてまいります。
 次に、未婚化、晩婚化の流れを変える社会的機運の醸成と、結婚応援宣言企業をふやしていくための今後の具体的な手法でございます。未婚化、晩婚化に伴う人口減少、人口構造の変化というのは、経済活動はもとより、持続的な社会保障制度、また地域コミュニティーの維持などにも大きな影響を与えるものであります。また、企業活動にとりましても、労働力不足など直接な影響が出ることについて社会全体で共有していくことが必要であると、このように考えております。また、意識調査におきましては、多くの若者が結婚を希望され、子供を持ちたいという結果であります。このようなことから、未婚化、晩婚化の流れを変える社会的機運の醸成を高めていくことは大変重要だと認識しているところであります。
 このような認識のもと、結婚応援宣言企業の取り組みを行ってきたところであります。この取り組みを今後さらに拡大をしていくための具体的な手法でございますけれども、これまで更新期を迎える子育て応援宣言企業のうち、承諾のあった企業のみ働きかけを行ってまいりましたが、その承諾の有無にかかわらず、更新期を迎える全ての企業に対し、少子化の進展は企業活動の維持に大きな影響を与えるものであること、後継者の不足の解消につなげたいといった、実際に宣言を行っていただいた企業の考え方、それらとあわせてお伝えをし、未婚化、晩婚化による社会的な影響についても具体的に御提示しながら、その参加を呼びかけてまいります。このほか、新たに教育業界、玩具業界、後継者不足が生じております農業団体など、少子化の進展に伴い大きな影響を受けることが考えられる団体への働きかけを拡大するとともに、当該団体を所管する関係部局が直接、例会等の各種会合において登録の働きかけを行うことによりまして、結婚応援宣言企業の増加を図ってまいります。さらに、結婚応援宣言企業登録へのインセンティブ、これについても検討を進めてまいりたいと考えております。
 少子化対策に特効薬はございません。冒頭申し上げましたけれども、若者の出会い、結婚し、子供を産み育てたい、その希望をかなえることができるよう、ライフステージに合わせた施策を、これからもきめ細かく全庁的に講じてまいります。

◯副議長(守谷 正人君) 板橋聡君。

◯十八番(板橋 聡君)登壇 知事は、子育て宣言企業への働きかけにより、結婚応援宣言企業をふやす取り組みが、ほとんど全く進捗していないことについて、二年連続で遺憾であるというふうにおっしゃいました。遺憾には、残念だという他人事的な思いはあっても、みずからの責任を認め、謝罪する意味はないそうです。今回答弁で、全庁的に結婚応援宣言企業の増加を図ったり、インセンティブ制度の導入に言及されましたけれども、方法論も大事ですけれども、問題は結果です。また、かけ声倒れで終わるようならば、その不作為に対して、次は遺憾では済まされないと、私は思います。
 昨年は魂を入れてとおっしゃいましたが、言葉だけで終わっております。魂を入れるだけではなくて、魂をかけて、首をかけてでもいいんですけれども、結婚応援宣言企業の増加を本気で取り組んでいただきたいと、私は福岡をふるさととする県民として強く要請をさせていただきたいと思います。
 以上で一般質問を終わります。(拍手)