平成27年6月議会一般質問「景気回復の地域格差と地域の人材多様性確保について」

録画中継にて知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継

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質問要旨 一、景気回復の地域格差と地域の人材多様性確保について
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◯十八番(板橋 聡君)登壇 皆さん、こんにちは。自民党県議団の板橋聡です。二期目を迎えました小川知事に対する一般質問のトップバッターを務めさせていただきます。常日ごろから御指導をいただいております先輩諸氏、同僚議員の皆様の御配慮に感謝申し上げて、始めさせていただきます。
 四年前、私が初めて一般質問の舞台に立たせていただいた際、小川知事より、県内の格差を何としてでも解消し、地域の特色を生かしてバランスある発展を目指す旨、力強いお言葉をいただきました。あれから四年の時が流れ、国政においては政権与党がかわり、経済政策も緩やかなインフレを目指すよう方針転換が行われ、それに伴い為替相場、株価初めとする経済環境が激変した中、今回は景気回復の地域格差と地域の人材多様性確保について質問をさせていただきます。
 まず、景気回復の地域格差についてです。経団連が六月十九日に発表した二〇一五年春闘の月例賃金引き上げに関する最終集計では、大手企業の賃上げ額は八千二百三十五円となり、十七年ぶりに八千円を超え、賃上げ率は二年連続して二%を上回りました。直近の景気動向指数は前月比一・九ポイント上昇し一一一・一となり、内閣府は基調判断を引き続き改善を示していると発表。また、民間企業の設備投資増により二〇一五年一─三月期のGDP二次速報値は前期比年率三・九%増で、一次速報値から大幅改善をしております。このように、多くの景気指標は経済状況の改善を示し、消費税率アップによる足踏みがあったものの、アベノミクスと呼ばれる経済政策は着実に実績を残していると言えます。
 しかしながら、私の地元のみやま市初め市井の声に耳を傾けると、そこまで景気のよい話が聞こえてこないのも現実です。知事も同様に、六月議会の説明要旨や我が会派の代表質問に対する答弁など、アベノミクスの効果による県内経済の見通しについて事あるごとに、県経済は持ち直してきている、その回復を確固たるものにするとした上で、県内各地でそれを実感できるようにすると発言をされています。
 そこで知事に質問です。知事が景気回復を県内各地で実感できるようにするというのは、裏を返せば県内でもまだ景気回復を実感できない地域があるという意味だと理解します。景気回復に関する県内地域格差について知事の所見をお聞かせください。
 当初、景気回復は、東京を初めとする大都市圏が起爆剤となり、徐々に地方へ波及していき、最終的に県下隅々で実感することができるものと思っておりました。つまり、都市部と地方には景気回復の時間のずれ、すなわちタイムラグが存在するため、このタイムラグの期間を乗り切れば、まず都市部に訪れた景気回復の波が地方に押し寄せるのではと考えておりました。しかし、景気指標と言われる業況判断DIや有効求人倍率、完全失業率など主要な数値を過去二十年ほどさかのぼって調べてみると、東京、福岡、全国平均は全てほぼ同じタイミングで上昇したり下降したり回復をしております。つまり、リーマンショックがあれば同時に全て下降し、政権交代すれば同時に上昇し、消費税が上がれば同時に下降しており、そこにタイムラグは存在しません。存在するのはタイムラグではなく、地域による上昇または下降する振れ幅の違いでした。つまり、東京は回復するときは大きく上昇する、福岡は小さく上昇する、下がるときには同時に下がり始めてほぼ同じタイミングで底を打つ。今のところ福岡県内各地の詳細なデータは存在しませんが、県内でも都市部と地方で同様の傾向があることは想像にかたくありません。
 そこで知事に質問です。景気回復を県内各地で実感できるようにするとは、すなわち景気回復の振れ幅が小さい地方においてこれを押し上げることにほかならず、景気回復のピークを迎える前にこれに対する具体的かつ効果的な施策を速やかに打っていくことこそが景気回復の地域格差是正につながると認識しますが、知事の御所見を披瀝ください。
 さて、景気回復の振れ幅は、地域によって格差が存在するということについて質問しましたが、その際、大きな問題となるのが賃金格差です。アベノミクスの第二の矢と呼ばれた財政出動などをきっかけに、人手不足の声が聞かれるのが土木職です。この求人賃金の東京と福岡の差額を、アベノミクス前後という観点で政権交代前の二〇一二年十二月と二〇一五年直近を比較します。そうすると、最高賃金における東京と福岡の差は二〇一二年十二月に五・六万円だったものが、直近では七・七万円に広がり、最低賃金においても二・三万円から四万円に広がっています。もちろん、福岡でも賃金は上がっているものの、上げ幅が小さいため東京との差がむしろ広がる結果になっており、これは福岡県内においても同様の傾向、すなわち景気回復に伴い都市部と地方の賃金格差は広がっていると考えられます。そうすると、四年前の私の一般質問でも同様の指摘をしておりますが、給与がよく、人材の流動性もあり、景況感もいい都市部に新規学卒者を含む求職者は流れることになり、これは地方創生議論の肝である人口の一極集中をさらに加速させる懸念すらあります。また同様に、福岡県内各地には、地域の特色に根差した技術力を武器として活躍するローカルな物づくり企業が多数存在します。例えば、筑豊地域では、炭鉱産業の二次産業として技術を磨いた鉄工会社などが、自動車産業を初めとする新しい分野へ続々と乗り込んでいます。また私が住む有明海周辺では、ノリ養殖の最盛期に、不眠不休で行われるノリの生産、加工を支える技術を持ち、二十四時間対応の保守体制を整えた機械メーカーが複数存在します。これら地域密着の物づくり企業が今、口をそろえて技術者の確保が大変難しいと言っております。景気回復や賃金の地域格差が原因で地方から技術人材が流出し、前述したような地域に根差した物づくり企業が存亡の危機に立たされるのは、雇用問題はもちろん、地域が人材の多様性を失い、そこに生まれ育つ青少年にとって身近な目標となる社会人の種類が減ることは、地域の柔軟性や活力を失うことにつながります。
 そこで知事に質問です。四年前も指摘しておりましたが、給与格差が景気が回復傾向のために引き続き拡大する中、地方では人材、特に技術系の人材確保が難しくなっております。雇用面について、地域における人材多様性の重要性と、その確保のためにどのような対策が必要か、知事の所見をお聞かせください。
 最後に、中小企業振興条例について質問します。知事は、地域経済を支える中小企業を総合的に支援するために、中小企業振興条例制定に向け準備を進めているとおっしゃっております。我が党の代表質問において、これまで九十二社の経営者に対し本庁職員が直接ヒアリングを実施したり、現在千二百社を対象にアンケート調査中とのお答えをいただきました。そこで私は、ひそかに危惧していることがあります。経済産業省出身の知事だけに、物づくり系企業に偏ったヒアリングやアンケートにならないだろうかと。例えば、先ほどからお話ししているように、景気回復の幅が小さい地方において、公共事業は景況感に大変大きなウエートを占めます。その点で、公共事業を担う企業の意見や地域ごとの特徴もしっかり反映させるなど、都市部だけでなく、地方の景気回復に対しても実効性のある条例を目指していただきたいが、知事の御所見を御披露ください。
 以上、四年前の初質問で取り上げた県内地域格差を主眼に置いて質問をいたしました。知事の選挙のスローガンどおり、四年前よりさらに前進した答弁を期待して、質問を終わります。(拍手)

◯議長(井上 忠敏君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 まず初めに、景気回復の地域格差と、それに対する対策でございます。福岡県の経済は、生産、消費が堅調に推移をいたしておりまして、雇用情勢も有効求人倍率が過去最高の水準でこのところ推移するなど、全体としては着実に持ち直しをしてきております。これを企業ごとに見てみますと、輸出が好調な自動車、産業用ロボット、また外国人の観光客の増加により売り上げが伸びておりますホテル、百貨店などを中心に、業績が回復しているという声が聞かれます。その一方で、食料品加工、サービスなど内需型の中小企業を中心に原材料の高騰、あるいは人件費の増加が収益を圧迫している、そういった声も聞かれるところでございます。業種や規模にかかわりなく、この今持ち直してきております景気回復を県内に広げていくためには、企業の生産や設備投資が活発化をいたしまして売り上げ、収益が増大し、それが雇用の拡大、賃金の上昇につながっていき、そのことがさらなる個人消費の拡大と生産拡大を引き起こす、そういった経済の好循環を実現していくことが必要であると考えております。
 こうした考え方のもとで、二月の補正予算と、それから二十七年度の当初予算によりまして、民間設備投資を刺激するグリーンアジア国際戦略総合特区の推進、物づくり中小企業が行います新製品の開発に対する助成、地域の消費を喚起をいたしますプレミアムつき地域商品券の発行、またよかもん、名産品です、それから、よかとこ、旅行事業でございますが、これらの販売、そして雇用条件や労働環境の改善を後押しをいたします正規雇用促進企業支援センターの開設、賃金改善を図る中小企業への人材派遣、そういったことに取り組んでまいります。また、幅広い産業分野で生産誘発効果が見込まれております公共事業につきましては、補助事業費の減少というものを県の単独事業費で補うとともに、防災、減災の観点から、地域ごとにめり張りをつけてこれを執行することといたしております。そして、今後県経済の動向を見きわめつつ、必要に応じ事業量を確保していきたいと考えております。こうした取り組みを機動的に進めることによりまして、持ち直しをしてきております我が福岡県の経済、その回復を確固たるものにし、県内各地の企業、県民の皆様に景気回復を実感していただけるよう全力を挙げてまいります。
 次に、地域の中小企業の人材確保についてお尋ねがございました。中小企業が求める技術者などが地域から御指摘のような都市圏に流出をし、その企業経営に支障を来すようなことになれば、各地域の特性を生かした形で物づくり企業というのは立地いたしております、その多様性が失われかねません。中小企業が必要な人材を確保していくことは重要な課題であると、このように認識をいたしております。そのため県では、年代別の就職支援センターのホームページ、また合同の会社説明会などによりまして地元中小企業を御紹介をしていくとともに、企業の人事採用担当者を対象といたしまして採用力の向上セミナー、そういったことも実施をいたしまして、中小企業の人材確保、両面から支援に努めているところでございます。今年度は、地元中小企業の魅力をより詳しく紹介をする冊子を作成をいたしまして、県内外の大学等へ配布する予定でございます。また、正規雇用促進企業支援センターを設置いたしまして、労務管理経験がある専門アドバイザーが企業を訪問いたしまして、人材の採用やその定着の支援を図ることといたしております。今後、こうした新たな取り組みも含めまして、中小企業が必要とする技術者など多様な人材の確保をできるだけ支援をしてまいります。
 次に、中小企業振興条例の制定についてお尋ねがございました。この条例の策定に当たって、幅広く中小企業の課題やニーズを把握をしているところでございます。これは、その対象は物づくり企業に限ったものだけではありません。県内七十一カ所の商工会議所、商工会の経営指導員は、御承知のとおり日ごろから地域のサービス業、小売業、建設業などの企業を訪問いたしております。こうした産業の情報も活用してまいりたいと思っております。加えて、現在千二百社に対するアンケート調査を行っており、その内訳を申し上げますと、県内企業の産業構造、これを反映させた形で数を決めております。サービス業が四割、小売が二割、建設、製造、卸、それぞれ一割となるように対象を決めて調査を行っているところでございます。また、これまでのところ九十二社の経営者の方にヒアリングを行っておりますけれども、これまで行った九十二社についてその内訳を申し上げますと、製造業が最も多く五十三社、サービス業が十六社、小売が七社、建設が四社、卸が三社、その他が九社となっております。(発言する者がある)それで、最後まで聞いてください。引き続き、できるだけ、今、これまでのところ九十二社と申し上げた。これから引き続き、できるだけ幅広く経営者の声を聞いていきたいと、このように考えております。今後も、県内各地域の中小企業の課題やニーズの把握に努め、条例に反映させていきたいと、このように考えております。

【6月26日に一般質問を行います】

【6月26日に一般質問を行います】
本日より6月議会代表質問が始まりました。
私は6月26日(金)11:00より、2期目に入る小川県政に対する一般質問のトップバッターとして議場に立ちます。

質問要旨「景気回復の地域格差と地域の人材多様性確保について」

こちらのページから生中継が観られます
http://www.fukuoka-pref.stream.jfit.co.jp/

見逃した方は7月1日頃からこちらのページで録画中継が観られます
http://www.fukuoka-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=300

ところで、西日本新聞の福岡都市圏版で「地方議会『見える化』計画」という特集記事が、福岡市議会の開会に併せて掲載されています。
筑後版には載っていませんので、エッセンスをWEB版で御確認ください。
http://www.nishinippon.co.jp/feature/local_councilor/

大変良い試みと思います。
個人個人で報告会を開いたり、活動レポートを配布したり、WEBで情報発信しても限界がありますし、そもそも観る気もない方大勢です。なんだかんだ言っても、地方議会に興味を持って頂けるにはマスコミに取り上げて貰うのが一番です。

後輩から紹介して貰い、やっと読み終えたこの本が面白かった
「ええ、政治ですが、それが何か?」岡田憲治著
http://www.amazon.co.jp/dp/4750340170
20150624081020
小難しい政治の話ではなく、自分と政治の関わりを平易な文章で綺麗に解説してくれる。

平成27年2月議会一般質問「中山間地における果樹産地の新規就農者対策」「空き家予備軍対策」

録画中継にて知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継

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質問要旨 一、中山間地における果樹産地の新規就農者対策
     一、空き家予備軍対策
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◯議長(加地 邦雄君) 板橋聡君。(拍手)
*板橋議員質問

◯十一番(板橋 聡君)登壇 皆さん、こんにちは。自民党県議団の板橋聡です。
 私は、平成二十三年に初めての当選をさせていただいて以来、藏内会長初め自民党県議団の御指導を仰ぎながら、一般質問十二回、予算及び決算特別委員会にて二十一回質問の場に立たせていただきました。初めての一般質問では、県内地域格差是正について質問を行い、地域それぞれの特性を生かし、一極集中ではなくバランスよく発展することが福岡県の最大の強みになることを知事と確認をさせていただきました。一期四年、締めくくりとなる三十四回目の質問となりますが、この思いは変わっておりません。地域特有の資産をどう活用していくかという視点で、本日は、中山間地における果樹産地の新規就農者対策と空き家予備軍対策の二つについて質問をいたします。
 まず、中山間地における果樹産地の新規就農者対策についてです。みやま市を初め農山村地域では、人口減少対策や定住化対策など地方創生の取り組みが急務であります。その一丁目一番地が地域特有の資産である肥沃な農地を持続させる、つまり主要産業である農業の維持発展を図ることだと私は信じております。昨年の九月議会でも触れましたが、高齢化による農業者の減少が続く中で、継ぐ意思と誇りを持った新規就農者をどう確保するのかが一つの鍵を握ります。県南地域は、みやま、八女、朝倉、うきはなど、ミカン、柿、ブドウ、スモモなど、県内有数の果樹生産が盛んな地域であります。しかしながら、これらの産地は中山間地域でもあり、後継者不足が深刻です。加えて、果樹は苗を植えて収入を得るまでに数年を要するため、栽培を始めたその年に収入が得られる野菜などと比べ、農外からの新規参入が取り組むには厳しい部門であるとの声が多く聞かれます。最近、農業全般では新規就農者がふえてきているような話もありますが、果樹産地においては、果樹や中山間地特有の課題が重くのしかかっております。新たな就農者が低迷すれば、地域特有の資産である果樹産地を維持できるのか心配です。新規就農の育成については、県もさまざまな施策に取り組んでいるのは承知していますが、果樹には特有の課題が存在し、一律の施策ではうまくいかない側面があります。
 そこで知事に質問です。野菜や米麦と比較し、果樹における新たな就農者、農外からなのか、後継者なのかも含め、現状はどのようになっているのかをお示しください。
 また、中山間地の振興、果樹産地の維持という視点を踏まえ、新規就農者の確保をどのように行っていくのか、知事の所見をお聞かせください。
 ところで、知事は、地方創生の取り組みについても、常々、強みを生かすこと、仕組みをつくることが大事と言っておられます。私もその理念には賛同いたします。みやま市の柑橘部会では、十年ほど前から、園地登録制度を設け、糖度の高いえりすぐりのものとレギュラー品を別ブランドとして区別して販売し、ブランドごとに代金を精算する方式を導入しております。本当に品質のよいものは高く売るという園地登録制度の導入により、販売価格も上昇し、親が自信を持って後継者に帰ってこいと言えるようになった、あるいは友達が就農するのを見てUターンもふえてきているとの明るい話も聞きます。
 先ほど触れたように果樹産地特有の課題も山積している中で、みやま市の柑橘部会のリーダーが強い意志を持って進めてきた産地育成の手法は、県内でも一歩進んでいるとの評価をいただいております。このような取り組みこそ、これまでの長きにわたり産地が培ってきた品質の高いものをつくる技術力や、農家が一致団結をする組織力を生かしたものであり、まさしく、知事が申される産地の強みが生きた取り組みだと考えます。ぜひ、この取り組みをさらに磨き上げて、今後の果樹産地育成に応用することを要望いたします。
 中山間地が今後とも果樹産地として振興し続けるためには、産地関係者はもちろん、行政も一丸となり、後継者から見ても魅力のある収益性の高い経営基盤を構築することが産地振興の鍵であります。
 そこで知事に質問です。新規就農者の確保とも密接に関係する果樹産地における収益性向上のための取り組みをどのように進めようとされているのか、お示しをください。
 続きまして、空き家予備軍対策について質問いたします。私が説明するまでもなく、空き家問題は各地で顕在化しております。十二月議会の自民党代表質問においても大きなテーマとして知事の姿勢をただし、その際、知事は、市町村、民間事業者に呼びかけて官民一体となり空き家対策を総合的に推進するための協議会を設立すると答弁しました。
 そこで知事にお尋ねします。スピード感を持って対応すべき空き家対策ですが、現在、協議会設立はどのような状況でしょうか、お示しください。
 空き家問題は、空き家が増加することで地域の活力が低下するなど多くの問題を抱えており、まずは空き家の利活用を促進することが重要です。さらに、空き家の利活用をする際に、清掃、リフォーム、リノベーションを行ったり、賃貸契約や不動産売買、引っ越し作業が発生したり、地域において大きな経済効果が見込めます。まさに、地域の眠れる資産です。
 そこで知事に質問します。空き家の有効活用は地域振興のみならず、経済活性化にはかり知れない可能性を秘めています。廃屋になったり、手の施しようがないほど老朽化する前の空き家の利活用を図るべきでありますが、実態がわからなければ対策の打ちようがありません。まずは利活用が可能で、利活用をすべき空き家の実態把握は行われているのでしょうか。また、空き家は増加傾向の上、その状態も刻々と変化いたします。継続的に空き家の状態を詳細に把握すべきと考えますが、知事の見解をお示しください。
 今回、空き家の詳細な状況把握を要請するのは理由があります。地元の方と、最近ここら辺も空き家がふえてきたねという話をしていたところ、いやいや、実は本当の空き家は少ないんだよと言われたのが、質問趣旨を空き家予備軍対策としたきっかけです。一口に空き家と言っても、皆さんが頭の中に浮かべるものは十人十色ではないでしょうか。賃貸や売却のために空き家状態になっているものや、別荘などの用途で日常的に使用されていないものは別として、その他の空き家と統計上呼ばれるものは次の三つに分かれると考えます。一つ目は、老朽化した空き家、廃屋です。テレビなどで最近よく報道される、倒壊の危険云々とか、更地にすると税金がかかるから壊さないという議論に上がるのがこれです。二つ目は、住む人、利用する人が死亡したりしていなくなった状態の空き家。私なんかは空き家と言えばこれを想像していましたが、これはいざ利活用しようとしても、相続人や関係者が遠方にいたりして行政として利活用を働きかけることに大変困難が伴います。そして三つ目は、これは東京を初めとする都市圏一極集中とも関連いたしますが、子供が独立したり、地元を離れた御家庭で、親御さんが御高齢となって入院や老健施設に入所したために長期不在となっている空き家です。はたから見ると、住む人、利用する人がいないから、賃貸や売却したらどうかと思える物件ですけれども、地元を離れたお子さんが月に一度はお見舞いのために帰省して宿泊するから手放せないとか、所有者は死亡したけれど仏壇があって親族がお盆とか正月に集まるから手放せないとか、もろもろの事情により中途半端な状態で、廃屋状態に一歩一歩近づいている、そんな統計上は空き家と一くくりにされるものを私は空き家予備軍と定義しました。
 そこで知事に質問です。所有者の長期不在で日常的に使用されない空き家予備軍は、所有者や関係者が明確で、事前に積極的な利活用の検討を促すことが可能です。また利活用をためらう理由も把握できれば、例えばお見舞いのための一時的な滞在をどうするかとか、仏壇の取り扱いの対応など、行政としてさらなる対策が可能となります。これら空き家予備軍は一刻一刻と廃屋への道をたどっています。空き家対策の中でも、このような空き家予備軍をきちんと把握し、重点的に利活用を促進することが効率的で効果的と考えますが、知事の所見をお聞かせください。
 知事はお気づきでしょうか、議会棟と行政棟の間に美しい紅白の梅の花が咲いているのを。紅白幕を連想させる梅の花。知事初め私ども議員も、四月に紅白幕に囲まれて大輪の花を咲かせるために必死で奮闘しているところであります。しかしながら、花はお水をやらなければ枯れてしまいます。ぜひ、栄養分たっぷりの知事答弁というお水をお願いして、私の一般質問を終わります。(拍手)

◯議長(加地 邦雄君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 まず初めに、果樹の新規就農者の現状とその確保についてでございます。平成二十一年度から二十五年度までの五年間、新規就農者は八百十八人いらっしゃいます。そのうち、果樹が百人、米麦とほぼ同数でございますけれども、野菜の四百八十六人に比べますと五分の一程度となってございます。また、果樹の新規就農者のうち、農家の後継者の割合が八四%、野菜の六九%に比べて高く、農外、非農家からの参入が少ない傾向にございます。このように果樹におきましては、野菜に比べて新規就農者や非農家、いわゆる農外者の参入が少ないのは、議員も御指摘がありましたけれども、成木になるまで年数がかかること、また農地の借り入れが長期に及ぶことから、なかなか園地を確保し栽培を始めることが難しい、そういったことがあると考えております。このため、新たに果樹で就農を希望される方々に対しては、相談窓口を設けている市町村と私どもの普及指導センターが連携をいたしまして、収穫が可能で貸し付けを希望される果樹園の紹介というものを進めているところでございます。さらに、果樹は、特に剪定技術がその収量に大きく影響いたしますことから、普及指導センターにおきまして、個別に現地を巡回させていただき、きめ細かな技術指導を実施しているところであります。こうした取り組みによりまして、新規就農者の方を一人でも多く確保し、果樹産地の維持発展につながるよう努めてまいります。
 次に、果樹産地における収益性を高める取り組みについてお尋ねがございました。収益性の高い果樹農業を実現していくためには、付加価値を高め、ブランド化を進めていく取り組みが重要であると考えております。このため県におきましては、まず県独自の品種を開発する、二番目に、品質を高め、安定生産をするための技術指導、あるいは機械、施設の整備を進める、三番目は、消費者の認知度を高め、販売量ないしは販売ルートをふやすための販売促進活動、この三段階あると思っておりますが、それらに取り組んできているところでございます。第一に、県独自の品種でございますけれども、全国的に有名になっておりますあまおう、これに続く品種といたしまして、イチジクのとよみつひめ、種なし甘柿の秋王、ミカンの早味かん、キウイフルーツの甘うぃというものを開発したところであります。第二に、これらの品種の品質を高め、安定生産を図っていくため、ミカンでは、糖度を高めるシートマルチ栽培、あるいは柿の秋王では、より安定して実がつく棚栽培の導入などを支援しているところであります。第三に、認知度を高めるため、私自身、関係団体の皆さんと一緒になりまして、とよみつひめやミカンの北原早生、トップセールスを行うとともに、量販店での試食販売、そういった取り組みも進めているところでございます。また、議員御指摘になりましたが、みやま市のミカン産地におきましては、普及指導センターと連携をいたしまして、糖度の高いミカンを生産し、これを他と区別をして販売する独自の取り組みを始められております。県でもこの取り組みを広め、一緒になって広めたところ、博多マイルドというブランド名で販売されるまでに至っているところでございます。なお、北原早生につきましても、この産地で品種登録されたものでございまして、糖度が高く色づきがよいと、市場からも高く評価されているところであります。県といたしましては、こうした産地みずからの取り組みを大変心強く思っております。今後とも、こうした産地と一体となりましてブランド化を進め、果樹産地の収益性の向上に努めてまいります。
 次に、空き家対策のための協議会設置についてお尋ねがございました。空き家問題は、防災、衛生、景観など地域住民の生活環境にさまざまな悪影響を与えておりまして、今後も空き家の増加が懸念されるところから、取り組みの充実強化が必要であると、このように考えております。そのため、前回お答え申し上げましたが、市町村や宅地建物取引業団体、建築設計者団体など民間事業者に対しまして参加を要請しているところでございまして、三月下旬までにこの協議会を設置したいと考えております。
 次に、空き家の実態把握についてお尋ねがございました。現在、空き家の実態調査でございますけれども、県内三十五の市町で実施されております。生活環境に悪影響を及ぼす観点から調査を行っている市町が多うございまして、利活用の観点から行っている市町は、三十五の中で十五の市町になっております。また、継続的に空き家の実態調査を行っております市町は、三十五市町のうち七市町にとどまっているところであります。このため、全ての市町村におきまして、空き家全戸を対象とし、老朽空き家や利活用可能な空き家を含めた調査が必要であり、またそれは継続して調査が行われていかなければならない、このように考えております。
 空き家の詳細な実態把握についてでございますけれども、先ほどの継続的な実態の調査に当たりましては、今後、これをもとに空き家対策、空き家の実態に応じた適切な対応を進めていくため、空き家の老朽度などの外観調査にとどまらず、空き家となった要因、所有者及びその利活用の意向などを詳細に把握していくことが必要であると考えております。このため、市町村において、こうした調査の実施とデータベースの整備が進み、それらをもとに効果的な、効率的な空き家対策が実施されていきますよう、今後設置予定の協議会の場で、しっかり市町村と検討させていただきたいと思います。
 次に、空き家発生の抑制についてお尋ねがございました。放置された空き家は老朽化をし、周辺地域へさまざまな悪影響を及ぼすことから、空き家になる前に利活用や適正管理について対策を講じていくことが重要であると、このように思っております。このため県では、中古住宅の利活用が促進されるよう、宅建事業者や県内金融機関とも連携をいたしまして、安心して中古住宅の取引を行える建物検査制度、私ども、これは住まいの健康診断と呼んでおりますが、その普及促進に努めているところでございます。今後、市町村と協力をいたしまして、先ほど来申し上げました実態調査で把握できた利活用可能な空き家の所有者等に対しまして、住まいの健康診断の利用を強く働きかけてまいります。また、当面利用する予定のない、手放したくないといった意向を持っておられる所有者等に対しましても、市町村や民間事業者と連携をいたしまして、定期借家方式に関する情報提供、適正管理の必要性についての啓発を行ってまいります。さらに、県民の皆様が空き家問題を広く認識し、事前にそれぞれ必要な対策を講ずることができるよう啓発活動や情報提供に努めまして、あわせて市町村の相談体制の充実を図るため、相談対応マニュアルの策定などを行って進めてまいります。これらの取り組みを設置予定の協議会において実施をいたしまして、空き家対策をしっかり進めさせていただきます。

果樹振興と空き家対策

昨日はみやま市長選挙の投開票でした。

現職の西原市長が三選を果たし引き続き市政運営に手腕を発揮されることとなります。
私も藤丸代議士と共に連携し、国・県・市が一体となって市の発展に寄与出来るよう努力して参ります。

当選報告を聞きながら、自分の4年前を思い起こしました。
議員として議会に送って頂いている以上、実務をもって故郷に恩返ししなければなりません。地元対応、県庁執行部との関係構築、議会内での立場作り、人に与えられた時間は平等です。その中で、議員として地元の期待に応えるためにそれぞれをバランス良く進めてきたつもりです。信念を持って私も4月の大舞台に向かっていきたいと思います。

今回も統一地方選準備や市長選挙など色々と地元も大変でしたが、その信念の下、今議会もしっかり準備を重ね一般質問の舞台に立ちます。

福岡県議会 一般質問インターネット生中継ご案内
2月17日(火)14時半頃 板橋県議は8番目(自民党県議団香原勝司議員の次)に質問

質問要旨 
「中山間地における果樹産地の新規就農者対策について」
「空き家予備軍対策について」

URL http://www.fukuoka-pref.stream.jfit.co.jp/
見逃した場合は2月20日頃から録画中継がご覧になれます。

みやま市に関わらず大きな問題となっている二つのテーマです。質問終了後にまた詳細はお知らせしますが、お時間のある方は是非生中継で私の緊張している姿をご覧下さい。500万県民の代表者を前に質問するのは4年経ってももの凄く緊張します。

さて、嬉しい激励のお手紙が届きました。
20150214121735
私も参加しているみやま市絵手紙友学の方からの温かい絵手紙です。

絵手紙を描いたら自分で保管するのでは無く、人に贈るまでが一つのサイクル。
私もいつか人に元気を与えられるような絵手紙を書きたいものです。有り難うございました。

2月議会開会。九州から日本を動かす!

本日より2月議会が開催されます。通常なら次年度予算案が提出される重要な議会となりますが、今回は4月に統一地方選挙を控えており、4月から7月までの経常的な行政運営に要する経費や上期の契約額を確保に配慮した公共事業費などを含む暫定予算として提案されます。

今回一般質問をまた行うこととなりました。
一期4年、一般質問12回、予算特別委員会委員2回、決算特別委員会2回で合計16回の質問機会は自民党県議団12人の一期生の中では一番多いこととなりました。

質問回数が多いのが偉いわけではありませんが、質問を行う事で行政側とのネットワークが充実するのは間違いなく、それは地元に恩返しするための1期目の大きな成果の一つだと自負します。

日時や質問内容が固まりましたらまた告知します。

さて、本日は「九州の自立を考える会」主催の第八回広域行政セミナーが開催されました。
特別講演の講師は、麻生太郎副総理の御兄弟でもある、九州経済連合会(九経連)会長 麻生泰氏。
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話しっぷりや仕草が麻生太郎副総理と良く似ていらっしゃいます。それより更に似ているのが、日本の底力を信じ、一歩前に進む勇気を与えてくれるような前向きな講演内容でした。

演題は「九州から日本を動かす」

正に、九州の自立を考える会が目指すところ。以下、内容として印象的だったところを抜粋

2015年、この変革期に現役の地域のリーダーとして存在する事に感謝し、その意味を考えなければならない。
自ら動き「次世代の為に、何を残したか」が勝負
日本は無借金経営の企業が一部上場企業の中で半分を占める、高齢者を中心に1600兆円の預貯金。こんな凄い国他に無い。また安全・安心・美しく・清潔・正確・親切といった日本の美徳は他の国が10年〜20年じゃ絶対に真似することが出来ない。
一方で、高齢化により日本市場は煮詰まって行く。その中でコミュニケーション能力(特に英語力)の低さは日本の弱み。
過去からの延長でモノを考えるのでは無く、「未来からの反射」として発想する
全てはリーダー次第、「悔やむリーダー」「ぼやくリーダー」「いかに出来ないかをクドクド説明するリーダー」はつまらん!

これ以外にも様々な示唆に富んだ講演でした。私も深く頷く部分多々あり。自分の方向性に自信を持たせて頂けました。
自分も、県南から、福岡から、九州から、日本を動かしたい。そう強く決意しました。