本日はみやま市高田町にある江浦の奇祭「臼被り(うすかぶり)」でした。例年成人式と同じ日程だったので最初の激励だけでしたが、今日はちゃんと最後まで見てきました。いやーこれは凄い、奇祭らしい奇祭。
まず頭(かしら)と呼ばれる祭りの座元の家に地元の若い衆が集まり、締め込みにサラシとハチマキと草鞋姿になります。
それから淀姫神社まで裸の一団となって走って行きます。参拝した後、先ず神社の境内に置いてある餅をつく臼(うす、しっかり水を含んでいるので軽いものでも20-30キロ、重いものは50キロ以上!)を頭に被り、豪快に後ろに放り投げ、ホラ貝が鳴り響く中、力水を浴びます。
(境内前で記念撮影の後、臼かぶりが始まります。凄い数のカメラマンです)
普通そこで終わりそうなんですが、この「うすかぶり」はそれから町内を練り歩き、家々の軒先に置いてある臼を被っては投げ、被っては投げ、ホラ貝の音と共に力水を浴びながらびしょ濡れになって最後に頭の自宅の前で臼を被ります。今日は晴れていましたが、力水(ただの冷水です)をかけられて風の吹く中濡れたサラシで街中を40分近く闊歩するのは、ひょっとして寒中水泳の方がまだマシではないかと思うほど。
(頭の家も近づいて来ました、一同かなり疲労の色が滲み出ます。サラシは既に水で透け透けです)
(うすかぶりを卒業した先輩は力水担当。気合いを入れられます!)
(見ている方も背中がゾクゾクするくらい寒くなる。シャッターチャンスが沢山有るのか、遠方からもカメラマン多数でした)
で、頭の家で終わりかと思ったら、また淀姫神社まで走って戻って、最後の最後に履いていた草鞋を放り投げ捨てて解散だそうです。終わり方もなんか格好いいですよね!
この行事、江戸時代に山伏の修行として始まったらしいのですが、永らく途絶えていたのものを20年前に酒飲み話で「復活しよう!」と盛り上がり、今に至るそうです。その復活を嗾けた方は既に町外に転出されたという(苦笑)
江浦は夏の大蛇祭りでいつもお世話になっており、地域の絆が祭りと共に培われているなぁと常々感心していましたが、今日のうすかぶりを見て更にその思いは確信となりました。江浦、凄すぎます。