【平成28年3月予算特別委員会における質問と答弁について備忘録】
中国南京への出張などで報告が遅れましたが、2月定例議会が3月23日に閉会しました。
最大の議案である平成28年度当初予算は、平成27年度2月補正予算と一体となった14ヶ月予算として編成され、前年度比257億円増の1兆8,026億円で過去最大の規模となりました。
私は予算特別委員会委員として、知事保留質疑を入れて5つの質問をさせて頂きました。
本会議における一般質問と異なり、予算特別委員会は一問一答形式となり、執行部の方とのやり取りの中で問題点を浮かび上がらせ、答弁してもらうようなロジックが必要となります。個人的にはこの方がやりやすいし、住民の方も聴いていて分かり易いのではと想像しますが、その分準備は大変です(これは執行部の方も同じでしょうが)。
正式な議事録が上がるまで3-4ヶ月掛かりますので取り急ぎ質問要旨と答弁骨子を纏めておきたいと思います。
3月14日 福祉労働部「『子育て応援社会づくり』と『子育て応援宣言企業』について」
少子化対策の中でも特に「出会い・結婚応援事業」の重要性を常々議会において説いて参りましたが、その結果今回2月補正予算で企業・団体を巻き込んでの事業の強化が図られる事となりました。今回の予算の財源は国からの交付金ですが、万一それが無くなったとしても、県として取り組みを継続すべきと質しました。また市町村で独自に出会い応援事業を行っているところも増えているが、県との連携を密にし効果を上げるようにすべきと指摘。更に、平成15年から開始された「子育て応援企業宣言」は6000社を目前とするほどの登録数となっています。このネットワークやノウハウを活用し、子育てのみならず結婚や出会いを応援して頂くような仕掛けをする事を要請しました。福祉労働部からは、出会い・結婚応援事業は非常に効果の高い事業とした上で、財源を含め今後様々な工夫を凝らし実施し続ける事を表明。市町村の結婚応援事業に対する支援と連携を確認。子育て応援宣言企業登録制度と連携し、結婚応援の取り組みを推進することをお約束頂きました。
3月14日 農林水産部「園芸作物振興について」
自民党県議団として創設当初から深く関わってきた県単独の「高収益型園芸事業」について、TPP協定が本格的な交渉に入るなか生産者の意欲有る取り組みをフォローし更なる振興に繋げる事の重要性を指摘、また国庫事業も併せて産地の競争力強化を加速させるよう要請しました。また、みやま市の特産でもあるみかんの更なるブランド力向上の為に、極早生みかんの品種である「早味かん」への改植支援について国の方針との違いを踏まえた上で、県の今後の取り組みを披瀝してもらいました。福岡県は全国3位の花の生産県ですが、家庭消費量は全国41位と低迷しています。そこで県内の花の購買促進や消費拡大の為の事業について県の取組を質しました。
3月15日 商工部「観光マーケティング事業『福岡よかとこパスポート』について」
今年度新たにはじまる観光マーケティング事業「福岡よかとこパスポート」ですが、これは高知県や三重県、栃木県で既に同様の施策が行われています。福岡県が後追いしてこの事業を行う意義を問い、福岡県らしさが出る事業にするよう働きかけました。特に、県下の主要観光地だけがターゲットにならないよう、広く遍く参加出来るよう要請。また、この事業が観光客に対する効果だけで無く、加盟店舗側にとってもマーケティング効果の向上や収益増加に繋がるような情報提供を行うべきだと指摘しました。
3月16・18日 教育庁及び知事保留質疑「中学校の学力向上について」
福岡県は総合戦略において全国学力・学習状況調査の正答率を全国平均とすることを目標としています。しかしながら小学校6年生では改善の兆しが見えるも、中学校3年生になると全県的に全国平均から正答率が引き離される(つまり成績が悪くなる)傾向があります。特に南筑後では小学校6年生では全国平均の正答率との差が−0.3と健闘しているにもかかわらず、中学校3年生になると−16.2と大きく引き離されており、その傾向が顕著であることを明らかにしました。その上で、県下一律の指導方法では無く、地域にあった指導方法や中学校に特化した施策を要請。特に南筑後地区については上を伸ばすような取り組みを充実させる必要性などを訴えました。これについて教育庁は現状認識を共有し、中学校の抜本的な学力向上策について検討と速やかな実行を約束していただきました。また全国平均の正答率という大目標を達成するために、中目標や小目標といった目標のブレイクダウンをし、それらの実現を着実に積み上げるべきと指摘。平成29年度の目標設定から反映させるとのこととなりました。
更に本件については財源確保や「人口の都市部一極集中」などの問題にも関連するため知事に対して保留質疑を行い、県内中学生の学力問題について認識を共有した上で教育庁の新たな施策に対する必要な支援を確認いたしました。
頂いた答弁を元に、今後県政へしっかり反映がされるよう注視していく所存です。
正式な議事録が完成しましたらブログなどでご報告します。