平成30年2月議会一般質問「出会い結婚応援事業について」

録画中継にて知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継
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質問要旨 一、出会い結婚応援事業について
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◯十八番(板橋 聡君)登壇 自民党県議団の板橋聡です。通告に基づきまして、出会い・結婚応援事業について質問いたします。
 少子化対策は国任せではいけません。県、市町村が重層的に対策を講じる必要がありますし、ひいてはそれが定住化支援や地域の魅力向上、活性化につながり、県民幸福度を上げると私は考えます。過去、小川知事からは、県の力を維持するには一定規模の人口が維持されることが必要との認識を御披露いただきました。少子化対策を煮詰めれば、合計特殊出生率を向上させることです。二人目、三人目を産みたいと希望すれば、母体生理学的にも、経済的、社会的にもそれがかなうような環境づくりに課題があると考えております。もとより結婚や出産は極めて個人的な問題であり、デリケートで扱いづらい面がありますが、一定規模の人口を維持し、国、県、地域が活力を持ち続けることは、個人の幸せにつながると信じております。日本が直面している深刻な人口減少から目をそらさず、火中のクリを拾う思いで質問させていただきます。
 これは、私が四年前、二〇一四年六月議会にて、未婚化、晩婚化対策について一般質問を行ったときの冒頭の言葉をそのままコピーしたものです。その際、知事からは、未婚化、晩婚化の流れを変えていくためには、若い人たちが結婚したい、家庭を持ちたいと思ってもらえるような機運を、社会全体で高めていくことが重要という思いを共有していただきました。
 そこで知事に質問です。四年前に発言いただいた社会的機運の醸成について、今も同じお考えでしょうか、確認させてください。
 その後、県としても少子化対策に関する施策を充実させていく中、二〇一六年、一昨年の予算特別委員会で、社会全体として結婚を応援する機運が高まるよう、まずは子育て応援宣言企業のトップに働きかけ、結婚応援宣言をしていただけるよう取り組んでいくことを、当時の部長、課長にお約束いただきました。しかしながら、その一年後、出会い・結婚応援推進事業に対する予算が大きく減らされており、その上、お約束いただいた子育て応援宣言企業のトップに働きかけて結婚応援宣言をしてもらうという取り組みの成果も、一年でわずか三社しか実現していなかったため、二〇一七年の予算特別委員会で質問させていただき、知事は取り組みの成果が出ていないことについて遺憾の意を表された上で、事業に魂を入れてしっかりやっていくとおっしゃいました。
 そんな中、平成三十年度の予算勉強会に出席したところ、福祉労働部の主要事業から出会い・結婚応援事業は消え去っており、私はそれを見て、ああ、なるほどと、一年たって結婚応援宣言企業は順調にふえているのかなと安堵し、担当の課長に状況を確認したところ、二〇一七年度に、子育て応援宣言企業から新たに結婚応援宣言企業に登録したのはわずか九社だったそうです。詳しく申し上げますと、子育て応援宣言企業が六千二百七十七社、そのうち今年度登録更新した企業が千四百八十七社、そのうち結婚応援宣言企業の説明を聞いてもよいとしたのが百七社で、最終的に結婚応援宣言企業に登録していただいたのは九社だけでした。
 そこで知事に質問です。少子化問題は、対策が一年おくれれば効果が十年おくれると指摘をする有識者もいらっしゃるほどです。部長が責任を持って対応すると言い、知事が魂を入れてしっかりやると言った事業が、二年かけてこのありさまです。知事は、途中経過をチェックし、うまくいっていなければ、適切な指導、助言をするなど対応をとるべきだったと考えますが、知事はどのような関与をされたのでしょうか。
 また、昨年の予算特別委員会で、知事は事業の進捗のおくれを遺憾と表されましたが、六千二百七十七社の子育て応援宣言企業から、二年でわずか十二社しか結婚応援宣言をしていただけませんでした。喫緊の課題と自身がおっしゃる少子化対策事業で、このスピード感をどう考えますか、知事の所見を御披瀝ください。
 今回の質問に当たり、子育て応援宣言企業のうち、今年度で登録更新時期を迎えた千四百八十七社中、なぜ千三百八十もの会社が結婚応援宣言企業の説明に耳をかさなかったのか、理由を確認したところ、パワハラ、セクハラの懸念がある、多様な価値観に対して優先順位をつける印象を与えるのを避けたいなどを理由に挙げたそうです。また、社員の結婚は離職につながるおそれがあるから、人材確保の観点から避けたいとおっしゃる企業もあったそうです。しかし、現実に目を向ければ、少子化は市場規模の縮小という観点のみならず、労働力不足による企業存続の観点からも大きな問題です。人手不足倒産などという言葉がマスコミをにぎわす中、結婚は離職につながるおそれがあるから結婚応援宣言はしないという考え方は、余りに短絡的で暗たんたる思いがします。
 そこで知事に質問です。結婚応援することは、セクハラやパワハラ、あるいは価値観に優先順位をつけるような行為なのでしょうか、知事のお考えをお示しください。
 また、そのような考え方と同様に、人手不足が企業の存続を脅かす中、結婚は離職につながるという短絡的な考えにとらわれるような企業こそ、県としてしっかりとした働きかけを行い、結婚応援に理解をいただくことが、未婚化、晩婚化の流れを変えていく社会的機運の醸成につながると思いますが、知事の所見をお聞かせください。
 昨年、出会い・結婚応援事業の進捗のおくれを指摘し、この出おくれを取り戻すには、人をふやすか、予算をふやすかするべきと提案したところ、知事は、子供、子育て支援全体の予算はふえているとうそぶかれました。しかし、それは幼児教育、保育や小児医療という結婚して子供ができた以降の支援事業に対してです。出会い・結婚応援事業に関連する予算は減っております。
 そこで知事に質問です。出会い・結婚応援事業関連予算は、平成二十八年度三千八百万円余、平成二十九年度三千百万円余、そして平成三十年度、来年度は二千四百万円余と減らされています。来年度の予算もふえない、人もふやさない。知事は、未婚化、晩婚化の流れを変えていくために、若い人たちが結婚したい、家庭を持ちたいと思ってもらえるような社会的機運を高めようと本気で思っていらっしゃいますか。もしそうならば、予算も人も今のままで、これから画期的成果を上げる、その具体的手法を御教示ください。
 以上、知事の誠意ある答弁をお願いして、質問を終わります。(拍手)

◯副議長(守谷 正人君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 まず初めに、結婚の機運醸成にかかわる認識でございます。少子化の流れを変えていくためには、若者の出会い、結婚、そして子供を産み育てたい、その希望をかなえることができる、ライフステージに合わせた施策をきめ細かく総合的に行っていくことが重要であると考えておりまして、四年前と考えは同じ考え方でございます。このため、まずはそのスタートに当たります若者たちへの出会いの場の提供、カップリングによる結婚のきっかけづくりに取り組むとともに、社会全体で若者の出会い、結婚という希望をかなえるための環境整備として、企業に対し結婚応援宣言を働きかけてきているところであります。
 子育て応援宣言企業における結婚応援宣言の状況でございます。今年度から、結婚応援宣言をしていただくために、子育て応援宣言企業のメールマガジンを通じまして、その登録を働きかける情報を年二回程度から毎月掲載するように強化をしたところであります。また、登録更新を迎えた一千四百八十五社の子育て応援宣言企業のうち、結婚応援宣言の説明を聞いてもよいと回答がありました企業百七社、ここに戸別訪問を実施をしております。また、新たに子育て応援宣言をしてもらうために訪問しました百三社に、この結婚応援宣言の働きかけを行いました。加えて、経済界全体の協力のもと、結婚応援の機運を醸成することを目指しまして、九州経済連合会、福岡経済同友会、商工会議所連合会等の経済団体、また宅地建物取引業協会、私立幼稚園振興協会など十二の事業者団体の協力を得て、各団体のトップの皆さんから会員企業に、その登録の働きかけを行っていただいているところでございます。さらには、私自身からも含めまして、経済団体や、今申し上げました事業者団体等の各種会合、県内四地域あります中小企業支援協議会の総会、地元の企業が多数集まります就職フェアなどの場を活用して、企業への働きかけを行ってきたところであります。これらの取り組みの結果、子育て応援宣言企業で結婚応援宣言を行った企業は、新たな三十五団体を加え、平成三十年一月末現在で百四十団体となりましたが、子育て応援宣言企業総数六千二百七十七社、この数に比べましては、いまだ少数にとどまっておりまして、遺憾に思っているところであります。
 結婚応援宣言は、セクハラ、パワハラ、価値観に優先順位をつけること、そういった認識を持つ企業があると、そのことについてでございます。結婚応援宣言を行わなかった理由といたしまして、セクハラ、パワハラの懸念がある、多様な価値観に対し優先順位をつける印象を与えることは避けたい、また従業員の離職につながると、そういった内容を訴える企業、団体も多く見られることは確かでございます。しかしながら、このような考え方の企業につきましては、少子化の問題をより広い視野から捉え、少子化が日本の将来に与える重大な影響、これにつきまして、もっと理解をしていただかなければなりません。また、企業が宣言するに当たりましては、決して結婚を勧めることを強調するのではなく、結婚したいという希望をかなえることを支援したい、そのことを丁寧に説明をすることによりまして、セクハラ、パワハラに当たるという懸念は解消できるのではないかと考えております。企業への働きかけに当たりましては、このような点について丁寧に説明をし、この取り組みの重要性を理解をしていただけるよう全力を尽くしてまいります。
 次に、未婚化、晩婚化の流れを変える社会的機運の醸成と、結婚応援宣言企業をふやしていくための今後の具体的な手法でございます。未婚化、晩婚化に伴う人口減少、人口構造の変化というのは、経済活動はもとより、持続的な社会保障制度、また地域コミュニティーの維持などにも大きな影響を与えるものであります。また、企業活動にとりましても、労働力不足など直接な影響が出ることについて社会全体で共有していくことが必要であると、このように考えております。また、意識調査におきましては、多くの若者が結婚を希望され、子供を持ちたいという結果であります。このようなことから、未婚化、晩婚化の流れを変える社会的機運の醸成を高めていくことは大変重要だと認識しているところであります。
 このような認識のもと、結婚応援宣言企業の取り組みを行ってきたところであります。この取り組みを今後さらに拡大をしていくための具体的な手法でございますけれども、これまで更新期を迎える子育て応援宣言企業のうち、承諾のあった企業のみ働きかけを行ってまいりましたが、その承諾の有無にかかわらず、更新期を迎える全ての企業に対し、少子化の進展は企業活動の維持に大きな影響を与えるものであること、後継者の不足の解消につなげたいといった、実際に宣言を行っていただいた企業の考え方、それらとあわせてお伝えをし、未婚化、晩婚化による社会的な影響についても具体的に御提示しながら、その参加を呼びかけてまいります。このほか、新たに教育業界、玩具業界、後継者不足が生じております農業団体など、少子化の進展に伴い大きな影響を受けることが考えられる団体への働きかけを拡大するとともに、当該団体を所管する関係部局が直接、例会等の各種会合において登録の働きかけを行うことによりまして、結婚応援宣言企業の増加を図ってまいります。さらに、結婚応援宣言企業登録へのインセンティブ、これについても検討を進めてまいりたいと考えております。
 少子化対策に特効薬はございません。冒頭申し上げましたけれども、若者の出会い、結婚し、子供を産み育てたい、その希望をかなえることができるよう、ライフステージに合わせた施策を、これからもきめ細かく全庁的に講じてまいります。

◯副議長(守谷 正人君) 板橋聡君。

◯十八番(板橋 聡君)登壇 知事は、子育て宣言企業への働きかけにより、結婚応援宣言企業をふやす取り組みが、ほとんど全く進捗していないことについて、二年連続で遺憾であるというふうにおっしゃいました。遺憾には、残念だという他人事的な思いはあっても、みずからの責任を認め、謝罪する意味はないそうです。今回答弁で、全庁的に結婚応援宣言企業の増加を図ったり、インセンティブ制度の導入に言及されましたけれども、方法論も大事ですけれども、問題は結果です。また、かけ声倒れで終わるようならば、その不作為に対して、次は遺憾では済まされないと、私は思います。
 昨年は魂を入れてとおっしゃいましたが、言葉だけで終わっております。魂を入れるだけではなくて、魂をかけて、首をかけてでもいいんですけれども、結婚応援宣言企業の増加を本気で取り組んでいただきたいと、私は福岡をふるさととする県民として強く要請をさせていただきたいと思います。
 以上で一般質問を終わります。(拍手)

平成29年12月議会一般質問 「事業承継による地方創生について」

録画中継にて知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継
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質問要旨 一、事業承継による地方創生について
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 ◯十八番(板橋 聡君)登壇 おはようございます。自民党県議団の板橋聡です。通告に基づき、十二月議会の一般質問トップバッターとして、事業承継による地方創生について質問させていただきます。
 日本の中小企業は、企業数三百八十一万社、従業員数三千三百六十一万人を擁し、雇用を通じて我が国の財政や地域経済に大きく貢献しており、日本経済の活力の源泉と言っても過言ではありません。しかし、国の調査によると、我が国では中小企業経営者の高齢化が進んでいます。最も経営者が多い年齢は六十六歳で、今後五年間で三十万人以上の経営者が七十歳に到達しますが、このうち六割の中小企業において後継者が決まっていない状況にあります。今後、経営者の高齢化が一層進み、後継者不在を理由に廃業がふえれば、地域の雇用が失われるだけでなく、技術やノウハウが途絶し、我が国経済の大きな損失となります。また、事業承継については、単に中小企業の廃業防止にとどまらず、企業の成長や地方創生にもつながる積極的な側面があります。
 中小企業庁の調査によると、経営者の年齢が上がるほど投資意欲の低下やリスク回避性向が高まる傾向にあり、一方で経営者が交代した企業や若年の経営者のほうが利益率や売上高を向上させているという結果も出ており、事業承継は企業を成長させ、ひいては経済活性化への呼び水とも言えます。さらに、故郷を離れ都市部で暮らす若者が、両親の事業を引き継ぐために地元に戻ってくれば、人口減少や少子、高齢化の流れに一矢を報いるのはもちろん、このような外部で新しい視点や価値観を学び、経験を積んだ若い経営者が地域にかかわることによって、地域コミュニティーに刺激を与え、地方創生のうねりを起こす人物、いわゆる若者、ばか者、よそ者として地方の停滞を打ち破る起爆剤になる可能性を秘めています。
 このように、地方に若い経営者を生み出す事業承継を積極的に進めることは、雇用の維持だけでなく、中小企業の成長、人口減少、少子、高齢化対策、地域の活性化、つまりは地方創生のために不可欠であると私は考えております。一方、現実論として事業承継を行うとなると、株式や事業用資産の贈与など法律上、税務上の対応が必要となることや、後継者が決まっていない場合は後継者候補とのマッチングやMアンドAなど、日常業務に追われる中小企業の経営者では十分な対応や準備ができないのが実態であります。このため事業承継を進めるためには、中小企業の経営実態や家族構成などに応じた、きめ細やかな支援が必要と考えます。
 そこで知事に質問です。知事は事業承継をどのように認識されておりますか。また、その認識のもと、本県では県内各地域において中小企業の事業承継を促進させるために、現在どのような支援を行っているのかお聞かせください。
 国の調査によると、六十歳代の経営者の約六割、七十歳以上の経営者でも半数が事業承継の準備に着手していないのが現状です。事業承継を促進するためにも、現在最も必要とされているのは、中小企業の経営者に事業承継の必要性を認識してもらい、その準備に着手してもらえるよう積極的に働きかけることではないでしょうか。特に、中小企業に寄り添うことができる地方において、どれだけきめ細やかでタイムリーな対応ができるか否かが事業承継促進の分水嶺になると考えます。
 そこで知事に質問です。現在、福岡県内中小企業における事業承継の準備状況はどのようになっていますか。また、中小企業の事業承継の準備が進んでいない現状について、どのような原因があると考えていますか。知事の所見を御披瀝ください。
 現在、国において、中小企業の事業承継を促進するために事業承継税制の見直しが検討されています。新聞報道によると、来年度から十年間の時限措置として、非上場企業の株式などを先代経営者から取得した場合の相続税、贈与税に関する特例措置の対象を拡大するとともに、適用要件を緩和し、さらに外部人材の登用やMアンドAによる事業承継についても、株式、事業の譲渡益にかかわる税負担の軽減などを検討しているとのことです。このように、国が中小企業に対し事業承継に取り組むインセンティブ付与を十年間の時限措置として検討している中、地方もこの機会を捉え、国の制度見直しを活用し、中小企業に事業承継の準備を積極的に働きかけていくべきと考えます。事業承継は経営者の決断なくして始まりません。今こそ経営者に決断を促すべき絶好のチャンスではないでしょうか。
 そこで知事に質問です。国の動きを踏まえ、福岡県として、中小企業に対し事業継承の取り組みを働きかけるために、今後どのような施策をお考えかお聞かせください。
 今後十年間、国の集中的な時限措置により事業承継が促進されれば、若い新たな経営者がふえることは間違いないと考えます。一方で、若い、新たなということは、逆に言えば経験やノウハウが足りないことと表裏一体ですし、地元に戻って間もない経営者は、経済界や地域コミュニティーにおける人脈形成に苦労することも予想されます。また、事業承継後、変化し続ける経営環境に対応し企業を存続、成長させるには、前例踏襲だけでなく業容拡大や新たなニーズへの対応などが必須となります。
 そこで知事に質問です。国が集中的に促進する事業承継により、今後若くて経験が浅い経営者が増加することが予想されます。また、事業承継を契機に新たな事業展開を行う場合もあります。こうした経営者への支援について、県は今後どのように充実強化を図っていくのでしょうか、知事の御所見を披露ください。
 代表質問の二日間、喉の調子のせいでしょうか、ちょっと元気がないように見受けられた小川知事でございますけれども、本日は艶々と潤いのある声で、前向きな、歯切れのよい答弁を期待して、質問を終わります。(拍手)

◯議長(樋口 明君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 御期待に添えるように頑張りたいと思います。
 まず初めに、地方創生を進めるための事業承継の促進でございますけれども、地方創生を進めていくためには、地域に魅力ある雇用の場をつくっていくことが極めて重要であります。そのためには、県内の雇用を約八割担っていただいております中小企業の振興というのが何よりも大切だと思っております。国の調査によりますと、若い経営者のほうが成長意欲が高く、また売上高を増加させるというふうにされておりまして、事業承継を契機として、若い経営者が、その事業を成功させることにより、雇用の創出というのが地域に期待できます。また、事業を承継した若い経営者が地域の方々と交流しながら、そのコミュニティーの再生、また地域資源の掘り起こしなどに取り組むことによりまして、地域の活性化にも寄与することになると考えております。このため、円滑な事業承継を促していきますことは、活力ある地域社会を維持し、地方創生を担う人材の確保という観点からも重要な取り組みであるというふうに考えております。
 本県におきましては、中小企業の事業承継につきまして、商工会議所、商工会の経営指導員が経営者からの相談に応じるとともに、後継者が定まっている場合には、地域中小企業支援協議会が相続税や債務の引き継ぎなどに対応できる専門家を派遣をして、その支援を行っております。また、後継者がいない場合には、国が福岡商工会議所に設置をいたしております福岡県事業引継ぎ支援センター、これにつなぎまして、譲り受けを希望する企業とのマッチングや創業希望者の紹介等の支援を行っているところでございます。
 次に、事業承継に向けた取り組み状況と経営者への働きかけでございます。県がことしの七月、県内の中小企業約一千社、これを対象にして調査を実施しましたが、その調査結果によりますと、経営者が六十歳以上の企業のうち、後継者が決まっている中小企業は約五割にとどまっております。また、そのうちの五割は、まだ事業承継への準備に着手をしていないというふうに回答をいただいております。事業承継を確実に進めていくためには、経営者に対して積極的な働きかけを行うことによりまして、経営者が事業承継、その重要性というものを認識していただき、実際に承継に向けた準備に取りかかっていただくことが大事であります。
 県の今後の取り組みでございます。現在、国におきましては、今後十年間程度を事業承継の集中実施期間と位置づけまして、取り組みを強化することといたしております。具体的には、相続税や贈与税の負担軽減を図るための事業承継税制の抜本的拡充、またMアンドAによります事業承継を促進するための株式等の譲渡益にかかわる税の軽減措置などにつきまして検討が行われているところであります。このような国による制度改正が実現がされれば、中小企業の経営者の方が、この期間内に事業承継に取り組むための強力なインセンティブになると、このように考えております。このため県といたしましても、こうした国の動きというものを契機といたしまして、中小企業の経営者への働きかけというものを強化をしていきたいと、このように考えております。このため、商工会議所、商工会を初め金融機関、専門家団体、事業引継ぎ支援センターなど多様な機関が参画をし、これらの機関が一体となって中小企業の事業承継を進めるための体制について検討をしていきたいと思っております。また、経営者への働きかけを一層充実させるため、経営指導員のスキルアップを図るための方策、また外部人材の活用などについてもあわせて検討を進めてまいります。
 次に、事業承継をされた経営者に対する支援についてでございます。事業承継により経営者が交代されたその直後というのは、信用力の低下により資金調達が困難になる場合や、経験不足等により売り上げが減少する、そういった場合がありますことから、経営の安定を図るための支援というものが必要であると考えております。また、新しい商品やサービスの開発など事業承継を契機とした新しい事業環境への適応や新たな事業へのチャレンジ、これを促し、売上高の向上につなげていくということも大事であります。このため、今後事業を承継した経営者に対しまして、経営指導員がこれまで以上の頻度で訪問指導を実施をし、資金調達や売り上げの現状などをきめ細かく把握をするとともに、新事業に取り組む意欲のある経営者に対しましては、売り上げ向上を図るための経営革新計画の策定というものを重点的に働きかけてまいります。また、個々の企業の課題に対する専門的な支援が必要となります場合には、県の中小企業振興事務所、商工会議所、商工会、金融機関、それから専門家団体等で構成をいたしております地域中小企業支援協議会、ここが中心となりまして、個々の企業の個々の課題の解決を支援してまいります。
 さらに、事業承継をした企業の成長と地方創生を担う人材の育成を図る観点から、県内成功企業の具体的な事例についての情報提供でありますとか、先輩経営者と若手経営者とが交流する場を設定をし、さらにはそうした場を活用し、若手経営者に地域振興活動への参画というものを促していくための情報提供などについて、今後検討を進めていきたいと考えております。

平成29年9月議会一般質問 「自動運転車に関する県の取組について」

録画中継にて知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継

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質問要旨 一、自動運転車に関する県の取組について
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 ◯十八番(板橋 聡君)登壇 皆さん、こんにちは。自民党県議団の板橋聡です。本日は、自動運転車に関する県の取り組みについて質問いたします。
 今回質問に当たり、自動運転車と通告をしておりますが、これはレベルフォーと呼ばれる完全自動走行を実現するための車両、部品、インフラ、サービス、法整備などを含めた自動運転サービス全般の意味であると御理解をください。
 一九〇八年、アメリカのフォード社により大量生産方式が開始されて約百十年、自動車産業は今、自動運転技術により大きなイノベーションが起こっています。自動運転技術は、一九九〇年ごろから普及した高速道路におけるオートクルーズ機能を初めとする運転サポート機能としての開発が先行していましたが、人工知能の進化により機械学習を用いた完全自律走行の実現が視野に入ってきました。日本においては二〇一五年十一月に安倍総理が、二〇二〇年までに自動走行の実用化に向けた制度整備を目指す発言があり、官民ITS構想・ロードマップ二〇一六以降、その目標達成に向けた各種開発、調査、実証実験が計画されるようになりました。そんな中、ことし七月、国土交通省は、中山間地域における道の駅などを拠点とした自動運転サービスの公募型実証実験を行う全国八カ所を決定。九州においては我が福岡県のみやま市が唯一選定されました。また、八女では数年前から無人運転車が走っているとのうわさがございますけれども、この公道においての自動運転車の実証実験は県内初とのことです。
 自動運転車が社会に与えるインパクトの裾野は広大です。二〇三〇年には国内市場規模が七兆円に成長するとも言われる、車両を初め関連するセンサー、人工知能、ダイナミックマップ、情報通信インフラなど産業界に与える道路、車線、横断歩道、信号など自動運転車に対応するインフラ整備、道交法を初めとする法律整備やその運用など政府、自治体に対するインパクト。そして高齢者の移動手段確保、過疎化が進む中山間地域などにおける交通弱者対策、バス、トラックの運転手不足対策、高齢者ドライバーの事故対策など山積する社会的課題へのインパクトなどなど、我々が住む社会全体を一変させるほどのイノベーションをもたらす可能性があります。
 もとより福岡県は、北部九州自動車産業アジア先進拠点プロジェクトを立ち上げ、国際競争力の高い企業の集積や自動車先端人材の集積、交流拠点の形成などを目指しております。今回、福岡県で初めて公道における自動運転車の実証実験が行われることと相まって、社会実装に向かう自動運転サービスに対し福岡県が本腰を入れて取り組みを始める好機と捉え、以下三点質問いたします。
 自動運転サービスの社会実装に不可欠なのは、自動車自体の技術の進化と自動運転に対応した法律や道路といったインフラの整備であります。そのためにも、専用空間や一般道路などで走行実験を積み重ねていくことが必要となります。
 そこで知事職務代理者に質問です。今回のみやま市における公道での実証実験は、今後普及が期待される自動運転サービスにおいて、道路に求められる課題を把握するよい機会と考えております。今回の実証実験に対し、県として積極的にかかわり、協力すべきと考えますが、知事職務代理者の所見をお聞かせください。
 今回の実証実験の期間は、一年、二年という長期のものではありません。準備期間はあるものの、実際に自動運転車を走らせるのは一週間程度の予定だそうです。指をくわえて眺めるだけでは、せっかくのチャンスも、みやま市がニュースに出てよかったね、で終わりかねません。公道での実証実験において一番ネックとなるのは、公道を使用するための許認可です。今回、公道における実証実験の実績をつくったことにより、メーカーや研究機関が公道での自動運転車の実験をする際、その場所として、みやま市が浮上するチャンスが生まれました。また、公道における実証実験のデータやノウハウの蓄積は自動運転技術の開発に取り組む関係企業等の誘致にも有効であるとともに、地元企業の自動運転分野への参入を促進すると考えております。
 そこで知事職務代理者に質問です。二〇二〇年をターゲットに、自動運転サービスの実用化は急ピッチで進んでおり、福岡県としても平成二十五年に策定した北部九州自動車産業アジア先進拠点プロジェクトの自動運転車に関する取り組みを、スピード感を持ってさらに前進させる必要があると考えます。今回の実証実験を行うみやま市とも緊密に連携して、自動運転技術の開発に取り組む関連企業誘致や地元企業の自動運転分野への参入促進など具体的な取り組みを進め、県内自動車産業の振興を図るべきと考えますが、知事職務代理者の所見をお聞かせください。
 今後、自動運転が社会実装されることにより、過疎化、高齢化が進む中山間地域における交通弱者対策や公共交通の運転手不足対策、交通事故防止対策などの多岐にわたる社会的課題の解決に貢献することが期待できます。私は、福岡県を自動運転サービスにより社会的課題を解決する先進的な地域にすることは、小川知事の目指す県民幸福度日本一の福岡県に大きく寄与すると思っております。その一方で、自動運転サービスはその裾野が広いために、国の場合、国交省、経産省、金融庁、警察庁、内閣府など関連省庁が多いため、IT総合戦略本部が政府全体の自動運転にかかわる戦略を策定するとのことです。県においては、インフラを担う県土整備部、産業振興、企業誘致などを担う商工部、総合交通対策、広域地域振興、市町村支援を担う企画・地域振興部など複数の部署が自動運転サービスに関係します。
 ちょっと分野が違いますけれども、私が当選直後、平成二十三年六月、農作物の鳥獣害対策に関して質問をいたしました。鳥獣害対策は農林水産部、環境部、保健医療介護部など複数の部署が関与し、それぞれ農業、鳥獣保護、保健衛生など視点が違っており、なかなか県一体となって大胆な施策を打ちにくい状況でしたが、小川知事は被害防止の観点だけでなく、捕獲獣の有効利用なども念頭に全庁横断のタスクフォースをつくっていただき、対策に本腰を入れていただくことになりました。これと同様のことが、自動運転サービスの取り組みにも求められるのではないでしょうか。
 そこで知事職務代理者に質問です。広い裾野を持つ自動運転サービスに対し、幸福度日本一を目指す福岡県にふさわしい取り組みを行うには、関連する複数の部署において情報を抜け漏れなく共有し、一丸となって推進する体制を構築すべきと考えますが、職務代理者の所見をお聞かせください。
 以上、真摯な答弁を期待して質問を終わります。(拍手)

◯副議長(守谷 正人君) 知事職務代理者服部副知事。
*知事職務代理者答弁

◯知事職務代理者・副知事(服部 誠太郎君)登壇 御答弁を申し上げます。
 まず初めに、自動運転車の実証実験に対する県の協力についてでございます。現在、開発されております自動運転車の中には、道路の白線や道路に埋設いたしました磁気による誘導設備などを検知して走行するものが多くございます。自動運転車の公道への導入に当たりましては、こうした道路に設置する白線や機器の整備や維持管理に要するコストや、荒天時など通信環境が悪い中でも適切に作動する機能や性能などにつきまして十分な検証を行うことが必要でございます。こうした検証を行うに当たりまして、県内初となります、みやま市で実施されます公道実験は大変貴重な機会と考えておりまして、県といたしましては、今後の自動運転導入に向けた道路に対する課題や知見を得るため、実験の主体となります、これは九州地方整備局や九州運輸局、みやま市などから構成をされますが、地域実験協議会に積極的に参加をしてまいる考えでございます。
 次に、自動運転の実証を契機とした自動車産業の振興についてでございます。本県では、質問にもございましたが、北部九州自動車産業アジア先進拠点プロジェクトを推進をいたしておりまして、このプロジェクトにおいて自動運転を含むITS分野の産業集積にも取り組むことといたしております。このため県では、地元企業による関連技術や製品の開発を促進するため、今年度から新たに自動運転に関する国の動向や自動車メーカーの開発に関する最新情報等を提供いたします自動運転ビジネス研究セミナーを開催をいたしております。このような中、ことし七月、今回の国の実証実験がみやま市で実施されることが決まり、自動運転等の技術開発に取り組む県内外の企業から関心を集めているところでございます。今後、県といたしましては、自動運転に関する取り組みをさらに進めるため、全国でも数少ない公道における実証実験の実績などを、みやま市さんと連携いたしまして自動運転の技術開発に取り組む企業などにアピールし、その誘致に取り組んでまいります。加えて、自動車電子、電装分野への参入に関するアドバイザーによる地元企業の掘り起こしや、世界最大のカーエレクトロニクス技術展での地元企業の技術や製品の展示PR、自動運転開発を行う自動車メーカーや部品メーカーが集積をしております中京地区での商談会の開催などに取り組みまして、自動運転技術に欠かせない電子、電装関連分野への地元企業の参入を促進し、自動車産業の促進を図ってまいる考えでございます。
 最後に、自動運転に関する取り組み体制についてでございます。政府におきましては、二〇三〇年までに世界一安全で円滑な道路交通社会の構築を目指し、自家用車における自動運転システムの高度化、革新的、効率的な物流サービスの実現、地方、高齢者向けの無人自動運転移動サービスの実現といったことに重点的に取り組みまして、自動運転システムの普及を図るためのさまざまな実証実験を行うこととしております。国土交通省では、この取り組みの一環として、今年度、みやま市を含む全国八カ所で中山間地域における道の駅などを拠点とした公募型の実証実験を実施するということといたしたところでございます。自動運転システムの普及は、人口減少が進む中山間地域の移動手段の確保、都市部における交通渋滞の緩和、自動車を初めとする地域産業の振興など、本県が抱えるさまざまな課題の解決や県内各地域の活性化に寄与するものであると考えております。本県は、自動車を初めロボット、半導体関連など先端産業の集積に加えまして、大都市から中山間地域まで多様な交通条件を持つ地域が存在しております。こういったことから、実証実験を進める上での優位性があるというふうに考えられます。県といたしましては、こうした地域の優位性を生かしまして、交通政策課を中心として県土整備部、商工部等の関係部局間の情報交換を密にいたしまして、今後、政府が実施するさまざまな実証事業の本県への誘致などを通じ、積極的に自動運転に関する情報や技術の蓄積を図ってまいります。

【九州オルレみやま・清水山コースでハイキング!】

今年2月に九州オルレ19番目のコースとして認定された「みやま・清水山コース」。まだまだ地元の方々でもこのコースの魅力をご存じない方も多いので、後援会の有志でハイキングをしようと健康的な企画を催して頂きました。
ボランティアガイドさん達にオルレや女山神護石に代表される地域の歴史のご説明を頂きながら、八楽会を出発し、女山展望台、黒岩溜池を回ってスタート地点に戻ってくる短めのコース設定で、木陰の中をハイキング気分でというつもりでしたが、猛暑には勝てず。最後はバテバテでしたけど、皆さんのご協力のお陰でなんとか乗り切ることが出来ました。
参加して頂いた75名の皆様(下は4歳から上は78歳!)新しい試みで至らない部分も多かったと思いますが、本当に有り難うございました!次回はこの経験を活かし、もっと多くの皆さんに楽しんで頂ける企画にしたいと思います。今回参加出来なかった皆さんも、次回は是非!
そしてボランティアガイドさん、スタッフの皆さん、お楽しみ企画に協賛頂いた皆さん、心から感謝致します!
ちなみに集合写真は出発前の元気な皆さんの姿です😅

麻生副総理へ緊急要請

麻生太郎副総理に自民党県議団・自民党福岡県連の九州豪雨災害対策本部から今回の豪雨災害について要望書を提出、意見交換をさせて頂きました。一日も早い復旧復興に県議会は県とともに全力を尽くしますが国の力強い支援が不可欠。激甚災害の早期指定、公共施設等の災害復旧事業の早期採択等に向けて国との連携もしっかり進めています。