【横倉義武先生がみやま市名誉市民に】

私の後援会名誉会長もお引き受け頂いている横倉義武日本医師会名誉会長に、この度みやま市名誉市民の称号が贈呈されました。御尊父である横倉弘吉先生に続き、みやま市としては4人目となります。


地域医療の充実を基本とし、みやま市のような小さな自治体から、日本医師会長・世界医師会長を歴任されたご功績は他の追随を許すものではなく、深甚なる敬意を表します。

贈呈式には奥様や御子息夫妻も勢揃いされ仲睦まじいご様子に、横倉先生の活力の源泉を垣間見た気がしました。


これからも益々ご健勝に、医療のみならず地域づくりにも大きな指導力を発揮して頂けるものと、地域住民一同心よりご期待しております。おめでとうございます!

【総務企画地域振興委員会 管内視察〜福岡市博多区、福津市、宗像市】

 私が所属する総務企画地域振興委員会で、5月10〜11日に管内視察をして参りましたので備忘録。

○ 博多区役所「新しい博多区役所の概要」
 5月6日に新たに開庁されたばかりの福岡市 博多区役所新庁舎。まだ実営業3日で、会議室には開梱していない段ボールがあったりする中、馬場区長にもご多忙の中ご出席賜り、概要や特徴をご説明頂きました。

 新庁舎は地上10階建て、高さ44.79m、延べ床面積約1万5千㎡。さすがは人口25万人を抱える博多区、外観だけで圧倒されそうでした。

 大規模災害時の防災拠点とするために、旧博多区役所を耐震補強して改築するか、新築するかの議論がありましたが、免震構造や電気・上下水道・再生水のインフラが途絶しても72時間機能継続可能な区役所機能を実現するためには、コスト的に改築より新築の方が安くなるため、新築建替を選択したとのこと。


 また、屋上に太陽光パネルの設置はもちろんですが、窓ガラスにシースルータイプの太陽光発光ガラスや、人検知センサーによる照明空調最適制御システムが採用されています。また、屋上緑化で多肉植物が配置されていたり、SDGs、脱炭素にも充分な配慮がされています。

○ 福津市まちおこしセンター津屋崎千軒なごみ
 2016年、私が総務企画地域振興委員長をしていたときに、福津市の移住定住政策で先進的な取り組みをされていた、津屋崎ブランチの山口覚代表のお話しを伺い、それ以来いつかは訪れたいと思っていた津屋崎千軒をやっと訪問する事が出来ました。

その当時のブログはコチラ↓
2016年11月17日【総務企画地域振興委員会管内視察 福津市、宗像市、糸島市、九州大学伊都キャンパス】https://itahashi.info/blog/20161117015746


 公務ご多忙の中、原崎市長から直々に津屋崎千軒のまちづくりや空き家対策などご説明頂いた後、豊村酒造さん、津屋崎千軒民族館「藍の家」さんを訪問し築120年以上の建築物を活かしたまちづくりについて、御苦労話も交え伺って参りました。


 まちづくりは人づくり。行政主導ではなく、牽引する人を育てる事が重要だと改めて認識させられます。

○ 宗像地区消防本部 管内の状況について
 昭和48年に発生し死者2名重軽傷者9名を出した日の里公団アパートプロパンガス爆発火災を契機に、広域消防の重要性が高まり設立された、宗像市・福津市を所管とする宗像地区消防本部。


 「AEDステーション制度」「コンビニAED制度」など、地域の市民が身近なAEDを利用できる環境作りを進められたり、「ファーストレスポンダー制度」という、事前にファーストレスポンダー(事故、自然災害、テロなどの緊急事態にいち早く到着し、支援を提供する専門的な訓練を受けた人のこと)として認定を受けた消防団員や市民へ、消防本部から出動を要請し、現場に急行して心肺蘇生など応急手当を行う制度があったり、住民の安全安心を高める具体的で独自の仕組みを構築されていました。

 またドローンを火災原因調査や行方不明者の捜索活動に活用されるなか、一方でドローンは規制が進んできており、オペレーターの養成が急務である事を訴えておられました。

 最後に消防救助技術の訓練模様をご披露頂きましたが、ロープブリッジ救出、引き上げ救助ともに全国大会レベルの高い練度で一同拍手が起こりました。


 視察にご対応頂いた皆様、本当に有り難うございました。今回の視察で得た学びを、今後の県行政にしっかり活かして参りたいと思います。

【みやまのセルリーがパワーアップします!】

 3月31日、国の産地パワーアップ事業を活用して建設された、JAみなみ筑後のセルリー等集出荷貯蔵施設竣工式が行われました。


 狭小で老朽化していた旧施設を更新し、最新の真空予冷装置などを備え、鮮度品質向上に寄与することが期待されます。


 みやまのセルリーは日本第三位の出荷量を誇りますが、ほんのり甘みを帯びた瑞々しい食感や見た目を含め品質は日本一だと思っています。平均年齢49歳の若く活気のあるセルリー部会の皆さんが、これを期に更に美味しいセルリー生産に励んで頂く事を心より期待しております。


 竣工式には古賀誠先生やJA福岡中央会の乗富会長もお越しでした。


↑写真は博多駅前で行われた物産展にて、セルリーマンと一緒に!

令和4年度予算特別委員会 知事保留質疑「まん延防止等重点措置の効果、コロナ禍における学校文化の継承、ウイズコロナ期の観光施策」

◯板橋 聡委員 皆さん、おはようございます。自民党県議団の板橋聡です。今回の予算特別委員会では、まん延防止等重点措置の効果、コロナ禍における学校文化の継承、ウイズコロナ期の観光施策と三つの知事保留質疑をお願いしましたが、全て新型コロナに関わる知事のリーダーシップに関連しますので、まとめて簡潔に質問してまいります。
 第六波のまん延防止等重点措置において、服部知事が東京、大阪に追随せず、独自の判断で三月六日をもって国に解除要請されたことを高く評価します。一方で、新型コロナウイルスが発生してから三年目、当初はえたいの知れない恐怖のウイルスは、繰り返される感染の波を経て、徐々にその感染傾向が判明してまいりました。保健医療介護部によると、オミクロン株による第六波の県内新規陽性者数は六十歳未満が八五%と大半を占めますが、重症者や死亡者はその逆で、六十歳以上の方が重症者の八五%、死亡者では九七%を占めます。その結果、六十歳未満の重症化率は〇・〇〇七%、致死率は〇・〇〇九%です。平成二十九年の内閣官房の資料によりますと、季節性インフルエンザの致死率は〇・一%以下とあり、それよりはるかに低い状況です。
 また、若者は重症化しないけれども、軽症や無症状の若者が同居している高齢者に感染させることが若者に行動制限を強いる理由として語られていました。昨今の核家族化で高齢者と同居している若者は減っている気がしますが、今回の知事保留質疑において正確性を期すため、福岡県で死因や経緯を把握している第六波における死亡者二百十名を分析してみました。すると、既に別の病気や高齢のために入院や施設に入所中の方が院内、施設内感染された後、亡くなったケースが七七%と約八割を占め、死亡後の検案や他の要因で入院する際に検査で陽性が判明した方が一三%、合わせて約九割の方は家庭内感染に起因した死亡ではありませんでした。つまり、若者に限らず、同居している家族が感染して家庭内感染により高齢者が亡くなるというロジックそのものが成り立たない現状が明らかになりました。その一方で、新型コロナ発生以降、福岡県の自殺者数は増加に転じ、特に女性、若年層の増加が顕著と評価されています。
 そこで、知事に質問です。人類が根絶できた感染症は天然痘ただ一つです。それも、ジェンナーが種痘を行ってから二百年かかりました。新型コロナがゼロになる日は、我々が生きているうちには訪れないと思われます。一方で、ワクチン、経口治療薬、治療法など、人類は新型コロナと闘う武器を着々と手に入れ、先ほど申しましたとおり、新型コロナで亡くなる方の傾向も分かってきました。新型コロナ対策の要諦が、命を守り、救える命を救うことであるならば、死亡リスクが極めて低い六十歳未満まで含めた県民一律の行動抑制ではなく、コロナから身を守るべき方々には感染対策を徹底し、感染してもリスクが低い人はどんどん社会経済を回すような、コロナと共存するウイズコロナ政策へかじを切るべきではないでしょうか。知事の御所見を御披瀝ください。
◯吉松源昭委員長 服部知事。
◯服部知事 おはようございます。御答弁を申し上げます。
 本県では、新型コロナの第四波の経験を踏まえまして、私も、先般お亡くなりになってしまいましたが、県医師会松田会長をはじめ専門家の皆様とも協議を重ねました。そして、本県独自のトリアージ基準の設定、また、県民の皆様に対策のロードマップとして示すための福岡コロナ警報の設定など、福岡県方式と呼ばれる独自の対策を第五波、第六波においても取ってまいりました。第六波のまん延防止等重点措置につきましては、新規陽性者の数が減少傾向を続けており、また、重症病床使用率は一〇%を上回ることなく、病床使用率も三月中旬には五〇%を切ると本県の推計を行っていたところでございます。また、高齢者のワクチン接種率も七〇%に達する見込みでございました。こういったことから、飲食店の時短等の措置を続けることの効果と、そして、そのことの社会経済に与える影響を勘案いたしまして、私から山際大臣に対し、まん延防止等重点措置の解除を要請したところでございます。
 あわせまして、気候もよくなりまして人の動きも活発になるこの時期に、早期のリバウンドを防ぐことから、四月七日までの一か月間を本県独自の感染再拡大防止対策期間と設定をいたしまして、県民、事業者、高齢者施設等に対し、感染防止対策の徹底を要請しているところでございます。
 オミクロン株の特性を踏まえまして、ウイズコロナに向けた歩みを進めていくためには、ワクチン接種率の向上、そして治療薬の確保、また、医療提供体制の強化、検査体制の充実、さらに、飲食店における感染防止対策の徹底、こういったことが必要であると考えております。本県においては、これらは着実に進んでおるものと考えております。そして何より最大の対策は、私たち自身が基本的な感染防止対策を徹底し、慎重に行動することであると思っております。私といたしましては、こういったことをさらに徹底をして、ウイズコロナ、すなわち感染防止対策と社会経済活動との両立を図っていかなければならないと考えております。
 国におきましても、イベントにおける人数制限が緩和され、ワクチンと検査を活用した新たな行動制限緩和策について検討が進められておるところでございます。このような中で県が取るべき措置は、国の基本的な対処方針に定められておるところでございます。この基本的対処方針が、ウイルスの特徴や感染状況に応じて柔軟かつ機動的に対応できるものになるよう、引き続き、全国知事会を通じ、国に対し提言を行ってまいりたいと考えております。また、県が定めております福岡コロナ警報につきましても、先ほど申しましたように、デルタ株からオミクロン株へとウイルスの特性が大きく変化いたしました。これまでとは異なる運用が必要になってきております。このため、福岡コロナ警報につきましても、こういった特徴、また、感染状況の変化に応じて機動的に対応できるよう見直しを行ってまいる考えでございます。
◯板橋 聡委員 続きまして、本予算委員会において、私の教育長への質問で、学校文化がコロナ対策の名の下にないがしろにされている現状が明らかになりました。
 そこで、知事に対して質問させていただきます。県立高校九十三校のうち三十四校、約四割弱で卒業式に校歌斉唱が行われていないというアンケート結果を御覧になられて、知事はどう感じられますでしょうか。率直にお答えください。
◯服部知事 県立高校の入学式、また卒業式においての校歌斉唱、また、声を出しての校歌の練習、こういったことを行う学校が減っております。これは、文部科学省のガイドラインあるいは県のコロナ対策本部の方針を踏まえました県教育委員会の指導に基づきまして、各学校における感染者の発生状況、あるいは実施をする場所の広さなどの実情に応じまして感染防止対策を行った結果であると考えております。
 しかし、校歌や伝統行事など学校文化の継承は、生徒の愛校心、連帯感の醸成につながるものでございまして、教育的にも意義あるものと考えております。このため、生徒の健康を守るための感染防止対策を徹底しつつ、どうすれば学校文化を継承することができるのか、各学校が生徒、また、保護者の皆さんと共に考え、創意工夫を凝らしていくことが重要であると考えております。
◯板橋 聡委員 学校現場には、文科省や県コロナ本部からコロナ対策のガイドラインや方針が下りてきますけれども、そこには防止策ばかりが書いてあり、現場は過剰に受け止めて、リスクがある活動を全て中止したり必要以上に縮小している現実があります。県教育庁の合屋企画監がコロナ発生直後に校長を務めていた福岡高校では、県から降ってくるガイドラインの中で、どうやったら何ができるか生徒会と教師が徹底的に話し合い、文化祭、体育祭、修学旅行をはじめとするほとんどの学校行事を開催にこぎ着けたそうです。しかし、これは特殊な例で、生徒の自主性を重んじる校風、リスクを受け止め、生徒と向き合う教師の情熱、学校と信頼関係で結ばれた保護者の理解といったものがなければ、なかなかまねできるものではありません。
 そこで、知事に質問です。成長期にある子供たちの一年一年は、我々大人と違い、はるかに貴重で尊いものです。コロナ禍も三年目に入り、このままでは中学、高校の三年間を丸々新型コロナに台なしにされ、卒業してしまう世代が生まれてしまいます。感染防止のガイドラインや方針を教育現場に伝えることは今後も必要かもしれませんが、防止策だけではなく、学校文化を守るためにも、知事として、学校活動、特に授業以外の活動をどう後押ししていくのか真剣に考えるべき時期が来ていると思います。人材育成を重要施策として掲げる知事が率先して何らかのアクションを起こすべきではないでしょうか、お答えください。
◯服部知事 私も、県立高校の生徒さんたち、また、先生方も御一緒に、いろいろなスポーツあるいは各種の活動を御披瀝願う表敬訪問を数多く受けております。そういった中で生徒さんたちとも言葉を交わす中で、今、県立学校に在籍していらっしゃるほとんどの生徒さんは、コロナ禍の中で入学をし、以来、授業や部活動にいろいろな制約を受けている。また、学校行事も多く中止になる。こういった形で、高校生活を十分な形で経験することができずに日々を送っているとお聞きしております。
 こうした生徒さんたちを励ますためにも、コロナ禍にあっても困難を乗り越えようとする努力、また創意工夫は、今後生徒さんたち自身が大きく成長していくためにも貴重な体験となり得るものである、ぜひ頑張ってほしいというメッセージを適切な機会を捉えまして発出していくことにつきまして、教育委員会とも検討してまいりたいと考えております。
◯板橋 聡委員 続いて、ウイズコロナ期になれば、観光で社会経済を回していくことが重要です。福岡県の重要施策であるワンヘルスを観光素材と捉え、修学旅行や大人の視察をテーマに据えていただき、来訪者を増やし、ワンヘルスの理念を学んでいただき、全国に広めていくことは極めて意義深いと考えます。
 そこで、知事に質問です。ワンヘルス先進県として、ワンヘルスの視点で修学旅行や大人の視察旅行の誘致に力を入れることは商工部から力強い賛同をいただきましたが、ワンヘルスに関わる部署は、農林水産部、保健医療介護部、環境部、教育庁など多岐にわたります。知事がリーダーシップを取り、横串で連携をさせて、ワンヘルスに関連する観光素材を開発し、PRすべきと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。
◯服部知事 人と動物の健康、そして環境の健全性は一つであると考えるワンヘルスの理念は、人獣共通感染症対策あるいは環境保護、そして、人と動物の共生社会づくりなど、修学旅行をはじめとする教育旅行におきまして学びのテーマとなり得るものであると考えております。こういった旅行を通じまして、ワンヘルスの理念を県内外にも広めることができるものであるとも思います。
 このワンヘルスの理念を分かりやすく楽しみながら理解をしていただくためには、ガイドの育成など、受入れ環境を整備するとともに、ワンヘルス関連の観光素材を開発することが必要でございます。県では、来年度、四王寺県民の森をワンヘルスの森として、人と動物と、そして森の関わりを解説いたしますパネルなどを設置いたしますとともに、ワンヘルスガイドの育成を行っていきたいと思います。こういった受入れ環境の整備を行いまして、ワンヘルスの森へのツアーを行っていきたいと思っております。
 また、観光振興を所管しております商工部など知事部局のみならず、教育委員会も含めました全庁的な連携を図りまして、例えば、ドッグランなど動物と触れ合える公園の整備、あるいは、新たに創設いたしますワンヘルス認証制度によって認証されました農林水産物を使った食事の提供、こういった観光素材の開発に努めていきたいと思っております。さらに、こうした施設あるいは観光素材の開発の後には、福岡県観光連盟とも連携をいたしまして、旅行商品の造成の働きかけ、また、情報の発信に努めていきたいと思っております。
◯板橋 聡委員 本日いただいた全ての答弁を通じ、ウイズコロナに向かっていくんだという知事の力強い決意を感じました。保健行政の最前線にいるのは、間違いなく保健所を所管している県です。新型コロナによって、県知事ってこんなに大事な存在なんだと県民は改めて、いや、初めて認識していると思います。服部知事におかれましては、その立場を十分に御理解いただき、新型コロナ対策最前線の長として存分にリーダーシップを発揮し、国から下りてくる全国一律の対処方針に翻弄されるのではなく、実情やデータに基づいた政策で感染防止と社会経済活動の両立を実現していただけるよう切にお願いして質問を終わります。(拍手)

令和4年度予算特別委員会「コロナ禍における学校文化の継承について」

◯板橋 聡委員 皆さん、こんにちは。自民党県議団の板橋聡です。
 本日は、コロナ禍における学校文化の継承について質問をいたします。
 修学旅行、クラスマッチ、文化祭、応援合戦、合唱コンクールなど、それぞれの学校には伝統と特色のある行事が継承されており、それは全ての在校生と卒業生が育んだ学校文化であります。その中でも、全ての学校に存在し、在校生、卒業生に歌い継がれる校歌は、学校文化の中でもひときわ象徴的なものではないでしょうか。入学式、卒業式、学校行事の節目節目、卒業してからは同窓会、様々な場で声をそろえて、時には肩を組み校歌を歌うことは、愛校心を高め、ひいては郷土愛を高めることにつながります。
 その校歌について、法令等の根拠や県教委の指導の状況はどうなっているのでしょうか、お答えください。
◯吉松源昭委員長 井手高校教育課長。
◯井手教育庁高校教育課長 校歌に関する法令の規定はなく、県教育委員会としても校歌の取扱い等について指導は行っておりません。
◯板橋 聡委員 法令などの根拠がなくても、各学校では入学式、卒業式や体育祭などの行事で校歌が歌われており、現実には、学校にはなくてはならない学校文化の一つとして歌い継がれているのは揺るぎのない事実だと思います。
 ところで、コロナ禍において校歌を歌う機会が激減しているようです。実は先日、母校の創立記念式典にお招きいただき、生徒への挨拶の際に、今日は皆さんと一緒に校歌を歌うことを楽しみにしていますと張り切って言ったのですが、実際行われたのは校歌斉唱ではなく黙唱でした。校長先生が非常に気まずそうだったんですけれども、後ほど話を伺うと、コロナになって全校生徒で校歌を歌えていないと悩んでいらっしゃいました。家に帰って中学校三年生の子供に、全校集会とか、そういった集まりで校歌を歌っているかと聞いたところ、いや、コロナになってから歌ってないなあと答えます。じゃあ、歌詞を見ないでおまえは空で歌えるかと尋ねると、うーん、無理かもと言われて、中学校三年生ですよ、愕然としました。
 ここで、通告していた県立高校における校歌斉唱の状況の資料を要求いたします。お取り計らいのほどお願いいたします。
◯吉松源昭委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
◯吉松源昭委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。
◯井手教育庁高校教育課長 直ちに提出いたします。
◯吉松源昭委員長 資料を正副委員長に確認させてください。
     〔資料確認〕
◯吉松源昭委員長 事務局は資料を配付してください。
     〔資料配付〕
◯吉松源昭委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。
◯板橋 聡委員 では、資料に基づき、コロナ禍前とコロナ禍後、県立高校や公立中学校における校歌斉唱の状況はどうなっているか御説明ください。
◯井手教育庁高校教育課長 まず、資料に基づき、県立高校の状況を御説明します。
 この資料は、本県全日制県立高校九十三校の校歌斉唱の状況を示したもので、コロナ禍前である平成三十年度と今年度との比較となっております。入学式において斉唱をした学校は、右端の合計欄ですが、コロナ禍前七十四校であったのが今年度は十五校に、卒業式では同じく九十三校から五十九校にそれぞれ減少しております。また、声を出して校歌の練習をした学校は、コロナ禍前の九十三校から今年度は七十三校に減少しております。
◯吉松源昭委員長 塚田義務教育課長。
◯塚田教育庁義務教育課長 公立中学校の状況につきましては、県内各地の公立中学校に聞き取りを行っております。その結果、児童生徒が全員集合して声を出して校歌を歌うことはできなくなっているが、音楽科の授業の中で指導したり、先輩が歌っている姿の録画を見せたりしているということでございました。
◯板橋 聡委員 四割弱の県立高校で卒業生が校歌を歌うこともできず卒業していくことに衝撃を受けましたし、全県下で、卒業式のみならず、校歌をみんなで歌う機会が減っていることが分かりました。これでは校歌を歌えない生徒が増えて当然ですし、校歌が歌えないまま卒業する人が増えれば、連綿として歌い継がれてきた校歌という学校文化が途絶えることを意味します。
 県教委は、校歌が果たしている役割や校歌が持つ力について、どう認識をされているのでしょうか。
◯井手教育庁高校教育課長 校歌は、建学の精神や理想とする校風などを表し、その学校の一員であるという自覚や学校への連帯感、一体感を高めることができると考えております。また、校歌には歌詞に地域の情景を盛り込んだものも多いことから、愛校心だけでなく郷土愛を育むことにもつながると考えております。
◯板橋 聡委員 新型コロナは発生当初から変化をしており、オミクロン株による第六波では、若者にとってインフルエンザ並みのリスクであることが明らかになっている中、感染防止策も発生当初とは変えるべきと本予算特別委員会において保健医療介護部に申し上げました。
 教育庁においても、感染数だけをあげつらい、感染拡大を防止しろとだけ学校に通達するのではなく、こういう形式なら歌えるよという基準を学校に対して示さないと、現場は真面目ですから、ゼロリスクを求めて四角四面のがちがちな対応を取りがちです。工夫を凝らして校歌を歌う機会を確保するように、学校の背中を押すような基準をお示しできないでしょうか。
◯井手教育庁高校教育課長 生徒が密にならないよう屋外での校歌の練習をしたり、全校や学年全体で集合できなくても、リモートで斉唱を行うなどの感染対策を講じれば問題はありません。また、室内であっても、対面を避けたり、生徒同士の距離を取った上で換気を十分に行うことで校歌斉唱ができると考えております。
◯板橋 聡委員 もう、出た、リモートという感じなんですけれども、コロナの最新状況や現場の実態を無視した頑迷なゼロコロナ信仰に基づく見事な官僚答弁だと思います。教育庁がそんな考え方だから、各学校は感染対策の徹底に努めるあまり、校歌を歌う機会をはじめ、あらゆる学校行事を過剰に自粛しているのではないでしょうか。
 日本におけるコロナ騒動は、二〇二〇年二月二十七日、全国の小中学校に一斉休校が要請されたことから始まりました。それから三年目、この重みを理解されていますか。あのときの中学・高校の新入生が今年三年生になるんだと。これが四月です。この調子でいけば、中学・高校時代の貴重な三年間、表情が見えないマスクをして、給食は全員前を向いて黙食、体育祭、修学旅行、合唱コンクール、楽しみにしていた行事は中止、縮小、みんなで校歌を歌うことも許されずに卒業する世代が生じることに非常に胸が痛みます。コロナ禍であっても授業時間の確保や教科書を終えることについては行政や学校も注意を払っているでしょうけれども、校歌の斉唱に代表されるような法令等の根拠のない、しかし、学校生活に彩りを添える学校文化についてはほとんど意識されていないなと感じます。
 コロナ禍も三年目に入り、ワクチンの接種や治療薬の開発も進み、若年者が重症化することはほとんどないことも明らかになってきています。そろそろ以前の学校生活に戻せないものでしょうか。
◯井手教育庁高校教育課長 現在、各県立高校におきましては、校歌斉唱の機会が減っているという事実がございます。また、校歌だけでなく、その他の様々な学校文化が継承されなくなっているおそれもあり、非常に危惧するところではございますが、現状としては、文部科学省の示すガイドラインや県のコロナ対策本部の方針に沿って、可能な限り感染拡大防止と教育活動の両立に努めているところでございます。
◯板橋 聡委員 文科省や県コロナ対策本部のガイドラインに沿って感染拡大防止と教育活動の両立に努めていると申されますけれども、ガイドラインには防止するほうばかりが書いてあって、県教委として教育活動、特に授業以外の活動を具体的に後押しするようなことは行っていらっしゃらないと思います。だから、文部科学省やコロナ対策本部の方針を受けた県教育委員会の指導を学校現場は過度に受け止めて、リスクがある活動を全部やめてしまったり、学校行事を必要以上に縮小しているのではと懸念しております。学校や教員の責任回避や負担軽減のために子供たちの貴重な経験や成長の機会が失われているとすれば、ゆゆしき事態です。こんな姿勢では学校文化の継承はできないし、教育者として無責任ではないでしょうか。
 県教育委員会として、文部科学省や県コロナ対策本部に学校現場の実情や実感をしっかり伝えて、子供たちへの悪影響を認識してもらうべきではないでしょうか。
◯井手教育庁高校教育課長 学校行事につきましては、時代の変化に応じて不断の見直しが必要である一方で、学校の文化、伝統としてゆるがせにしてはいけない活動も多くあると考えております。
 コロナ禍において、校歌をはじめとする文化、伝統の継承に影響が生じているという実情につきましては県のコロナ対策本部にも伝え、今後の感染症対策の参考情報としていただくとともに、文部科学省に対しましては今回の校歌斉唱に関する調査結果を示すなどして学校現場の状況に理解を求めていきたいと考えております。
◯板橋 聡委員 本日は校歌斉唱を切り口にして、コロナ禍の中で見落とされがちな学校文化の継承について取り上げました。授業時間や教科指導については国も事細かに指示してくるとは思いますけれど、学校文化の継承については頓着していないことが明らかになりました。そのような活動の取扱いについては、学校現場の実情に通じた県教育委員会が方針を示し、生徒たちが伸び伸びと学校生活を行い、愛校心や愛郷心を健全に育むことができるようにすべきと思います。
 最後に副教育長に、学校文化の大切さやコロナ禍においてどう継承していくべきか、考えをお聞かせください。
◯吉松源昭委員長 寺崎副教育長。
◯寺崎教育庁副教育長 学校文化の継承についてでございますが、学校にはその歴史の中で育まれてきました文化あるいは伝統があり、重要な財産として末永く継承されることが大切でございます。各県立高校では、これまでそのような文化や伝統を大切に守ってまいりましたが、コロナ禍のために校歌斉唱の機会が減少したり、体育祭、修学旅行などの行事が中止となったりしており、その継承が危ぶまれている状況にございます。また、そのような状況に置かれている生徒の気持ちを考えますと、非常に心苦しく思っておるところでございます。
 いまだ感染症の影響は収まっておりませんけれども、すぐに全てを元に戻すということは非常に困難な状況でございますが、学校文化の継承が途絶えかねないという危機感を持って、例えば、県立校長会との会合の場で、現状から一歩前に進む工夫、あるいは努力の必要性について共有をしますなど、学校文化が幾代にも引き継がれていきますように努めてまいります。
◯板橋 聡委員 副教育長、いまだ感染症の影響は収まっておらずと述べられましたけれども、この間も言いましたけれども、人類が根絶した感染症というのは天然痘のみです。しかも、ジェンナーが種痘を行って何と二百年かかりました。新型コロナの影響は我々が生きている間になくなることは決してないと私は思っています。その考え方は改めていただきたい。
 ただ、その中で、副教育長が苦悶に満ちた顔で、先ほど大変心苦しく思っていると申されたことはよく分かりました。学校や教育庁は感染症対策のプロではございませんから、上から下りてくるガイドラインに忠実に従って、その結果、子供たちが振り回されているんだなとよく分かりました。これは、県コロナ対策本部のトップである知事に学校の実情をしっかり伝え、そして、知っていただき、直接考えをただしたいと思いますので、知事保留のお取り計らいをお願いいたします。
◯吉松源昭委員長 ただいま板橋委員から申出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。
 なお、知事保留質疑は三月二十二日火曜日に行う予定でありますので御了承願います。
◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)