令和三年9月議会一般質問「災害に強い果樹・園芸産地作り」

正式な議事録が上がってくるまで、質問原稿をアップしておきます。
中継録画にて9月29日頃から知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継

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質問要旨 一、災害に強い果樹・園芸産地作り
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 皆さんこんにちは、自民党県議団の板橋聡です。

通告に従いまして「災害に強い果樹・園芸産地作り」について一般質問を行います。

本県では、8月11日から降り出した雨により、5年連続の大雨特別警報が発令され、県内複数の観測所で72時間の雨量が過去最大となる記録的な大雨となったところです。
また、みやま市においても、8月11日から14日にかけての降水量が1000mmを超える大雨となり、多くの園芸品目でハウス施設の浸水や樹園地の土砂崩れといった深刻な被害が発生しました。

そこで、まず、みかんの園地の復旧についてであります。

みやま市は、県全体のうんしゅうみかんの栽培面積の3割を占める県内有数のみかん産地です。みやま市のみかん栽培は、栽培に適した中山間地を中心に展開されており、生産者の皆さまは、高品質なみかんを生産するために様々な努力をされてきました。

特に、30年ほど前から、夏場の暑い中、樹の株元を雨水が入らないシートで覆うことで、糖度が高く甘いみかんを生産することに尽力してきました。

また、「北原早生」という、平成13年にみやま市旧山川町で発見された品種は、今までの早生みかんとは比較にならない色付きの良さに、甘みと酸度のバランスが絶妙で、10月中下旬に出荷されるみかんとしては、市場から、他の追従を許さない高い評価を獲得しております。

さらに、このような高品質なみかんのブランド化を図るため、みかんの品質毎に園地を区分し取引先を決めて販売することも、JAみなみ筑後かんきつ部会が平成16年度から、県内で先駆けて始めた取り組みです。こうした農家の皆様の弛まない努力により、今の高いブランド力が築き上げられております。

しかし、近年、本県は、毎年のように豪雨災害に見舞われ、みやま市も昨年、今年と連続して、みかん園地の崩落や園地への土砂流入が発生し、みかん栽培に大きな影響をもたらしています。

また、園地自体の被害がない場合でも、園地へのアクセス道路が被災したために、定期的な管理作業に入ることができず、結果的に収穫ができない、もしくは収穫ができても品質の低い果実がしか出荷できない状況が頻発しております。

そこで知事に質問です。

みやま市では、すでにみかんの収穫が始まっております。被災された農家の方が営農意欲を維持するためには早期の復旧が必要ですが、今回の豪雨で発生した果樹や樹園地、また農道や水路の崩壊などの被害について、どのように復旧を進めていくのか、知事の所見を御披瀝ください。

次に、樹園地の整備についてであります。

みやま市では、現在、旧山川町の甲田地区において、経営規模を拡大して、生産基盤の強化を図りたいという農家の意向を受け、県が事業主体となって樹園地を整備する計画が進められています。

また、この地区では、樹園地としては県内で初めて、農地中間管理機構を活用して、約20名の意欲ある若いみかん農家に園地を集積する予定であります。

しかしながら、甲田地区で樹園地を整備しても、豪雨の度に園地やアクセス道路の崩壊などが発生しては、せっかくの若いみかん農家の営農意欲に支障をきたすことになります。

このため、整備を行うにあたっては、近年の降雨量を踏まえた計画とすることが求められるのではないでしょうか。

そこで、知事にお伺いします。

計画されている甲田地区の樹園地整備が成功すれば、優良事例として他地域のみかんを始めとする果樹の振興につながるものと考えられますが、甲田地区の計画について、現在どのようなスケジュールで進められているのか、また、近年の豪雨の状況をどのように計画に反映させていくおつもりなのかお答えください。

最後に、施設園芸の災害対策についてであります。

みやま市は、県内で最大の産地となっております「なす」、「セルリー」をはじめ、いちごの「あまおう」など、冬の時期にはハウスで加温栽培することで、年中、新鮮な野菜を提供できる、いわゆる、冬野菜・春野菜の栽培が非常に盛んな地域となっております。

今回の豪雨では、飯江川や大根川といった中小河川が内水氾濫したことにより、多くの「なす」のハウス施設が浸水し、酷いところでは人の背の高さまで浸ったところもあります。幸いにも、ハウスそのものの損壊は避けられましたが、ハウス内に設置されている暖房機、炭酸ガス発生装置や、かん水ポンプといった栽培に必要なハウスに付帯している施設・装置が甚大な被害を受けております。

「なす」や「あまおう」は、現在、1年の作業を通じて最も忙しい苗の定植時期となっており、農家の皆さんが今年も新鮮な野菜を届けようと必死にやってこられたものの、損壊した施設や機械の復旧が遅れてしまいますと、農家の経営に与える影響が大きくなるばかりか、これまで培ってきた市場への安定供給体制が崩れれば、野菜の産地としての信頼も揺るぎかねません。

そこで、知事に質問です。

今回被災した暖房機などのハウスの付帯施設の早期復旧に向け、どう対応されるのか、知事の見解をお聞かせください。

以上、知事の前向きな答弁を期待して質問を終わります。