令和三年6月議会一般質問「広域接種センターについて」「コロナ禍における子供の学ぶ機会の確保について」

中継録画にて知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継

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質問要旨 一、広域接種センターについて
     一、コロナ禍における子供の学ぶ機会の確保について
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◯四十四番(板橋 聡君)登壇 皆さん、こんにちは。自民党県議団の板橋聡です。通告に従いまして一般質問をいたします。
 まず、広域接種センターについてただします。新型コロナ対策として、菅内閣が掲げた七月末までの高齢者ワクチン接種完了を福岡県においても達成すべく、県内二か所に広域接種センターが設置されました。服部知事におかれましては、会場の一つであるみやま市の保健医療経営大学にじきじきにお越しいただき、リハーサルを御視察いただき、ありがとうございます。
 そこで質問です。服部知事が視察された会場の印象を率直にお聞かせください。
 一方で、国が東京、大阪に設置した大規模接種センターと同様に、県の広域接種センターも予約が低調との報道があり、県に確認したところ、六月七日から二十日の予約状況は三三%とのことです。人の心とは移ろいやすいもので、予約が取れず大混乱すれば問題だと、予約ががらがらだと、それはそれで、何だそれはとなるそうです。
 そこで質問です。先日の自民党県議団の代表質問に応じ、県は、広域接種センターの対象自治体に十六の市町を追加しましたが、東京、大阪の大規模接種センターの予約状況を見ても、県としての主体的な働きかけなしに稼働状況の改善はあり得ないと思います。本来、予防接種の責任は市町村にあるとはいえ、県としてどう対応するのか、知事の所見を御披瀝ください。
 続いて、コロナ禍における子供の学ぶ機会の確保について質問いたします。今回の第四波と呼ぼれる新型コロナの感染拡大は、筑後地域が先行するように四月半ばから多くの陽性者が出ました。変異株からの感染拡大が疑われる第四波は、これまでと違い子供への感染も、重症化は少ないとはいえ、多く発見されました。
 そんな中、私は、感染拡大防止の対応に追われた学校の状況に疑問を持ちました。例えば、陽性者が判明すると、保健所は学校長に連絡をして今後の対応を相談します。相談とはいえ、学校長が主体的に判断するだけの疫学的知識があるわけではなく、保健所から勧められるがままに全校休業になっているのが実態です。また、その手続にも大変な時間がかかります。陽性者が判明した日を一日目とすると、その後聞き取り調査を行い、濃厚接触者を確定し、さらに濃厚接触には当たらないけれど、念のため検査をする取りあえず検査を受ける生徒の範囲を確定し、各家庭と連絡を取り、そしてその翌日にPCR検査、さらにその翌日に検査結果の確定と、教育現場は三日間丸々足止めを食らうのが現状です。ちなみに、某県立高校ではPCR検査の結果の報告に時間がかかり、臨時休校を急遽もう一日延長したという事例もありました。これは、子供だけではなく、その保護者、多くは母親、これが同様に足止めを食らい、急遽仕事を休んだり、シフトを調整しなければならないという視点を忘れないでいただきたいと思います。端的に言うと、女性の社会進出にも関わる問題です。行政の無謬性からか、今のやり方はウイズコロナ的な視点に欠け、ゼロコロナに偏り過ぎており、声を上げることができない子供たちが犠牲になっているように感じます。
 政府は、五月二十八日に新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針を変更し、PCR検査と同程度の精度があり、十五分程度で検査結果が出る抗原簡易キットを学校へ八十万個配付し、積極的検査を速やかに実施する旨が示されました。しかしながら、一方で厚労省は、病原体検査の指針において、抗原簡易キットの無症状者への使用を推奨しないとしており、抗原簡易キットを使い迅速に無症状者を確定することを実質的に認めていません。そもそも発熱やせきが出るなど有症状の方は学校に行く前に病院で検査をすべきで、学校に配られた抗原簡易キットをどう積極的に使うのか、対処方針と検査指針が全く相矛盾していると思います。ですから、先日の民主県政クラブの代表質問において抗原検査キットの積極的活用を求められても、知事は、詳細についてはまだ示されていないという、木で鼻をくくったような答弁をせざるを得ないのが現実です。
 一方、三月三十一日、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、この抗原簡易キットのドラッグストアなどでの市販を認め、無症状者が自宅などで検査することを許可しました。今後、日本においても抗原簡易キットの活用の幅が広がることが大いに期待できます。
 現在、高齢者へのワクチン優先接種が進み、コロナ騒動はインフォデミックの収束とともに鎮静化に向かうのではという期待がありますが、そもそもワクチン接種の対象となっていない生徒たちを抱える学校では、引き続きウイズコロナの視点で、陽性者が発生しても影響を最小限にとどめ、学校生活をどう円滑に進めていくかが問われます。
 そこで三点質問です。第一点、学校において新型コロナ感染症の陽性者が判明した際に、明確な理由もなく、とにかく学校全体を臨時休業とするのは、生徒たちの学ぶ機会を損なうと考えますが、教育長のお考えをお聞かせください。
 二点目、陽性者が判明した場合、そのクラスの生徒全員が保健所の検査対象となり、結果的に学級閉鎖となっている実態があると伺いましたが、教育委員会として保健医療介護部と連携し、迅速に検査を実施できる体制や、生徒たちの行動履歴をできるだけ正確に共有することで、保健所が認定する検査対象者を絞り込めるような対策が必要だと考えますが、教育長の御所見を御披瀝ください。
 三点目、前述のとおり、アメリカではFDAが、抗原簡易検査キットについて無症状者が自宅で検査を行うことを許可しました。今後、日本も追随する可能性が高いと思われますが、国内で無症状者の抗原簡易キット使用が可能となった場合、例えば修学旅行、文化祭などの集団的な学校行事を開催する際に活用したり、運動会、文化祭において参加希望する保護者に対して検査を行うなど、そういった形で観客制限を撤廃するなど、子供たちの安定した学校生活を担保するために積極的活用を検討すべきと考えますが、教育長の見解をお示しください。
 昨年二月二十八日の全国一斉の休校宣言からもう二年目、声も上げられない、立場の弱い子供たちはずっと我慢を強いられています。子供の一年間は、この議場にいる我々大人の一年に比較して比べられないほど濃厚で重いものであります。服部知事ではありませんが、教育長の、子供がど真ん中の目線を忘れない答弁を期待して、私の質問を終わります。(拍手)
◯副議長(江藤 秀之君) 服部知事。
*知事答弁
◯知事(服部 誠太郎君)登壇 御答弁を申し上げます。
 広域接種センターについてお尋ねがございました。私は、県の広域接種センターの一つでございます保健医療経営大学の会場を今月四日の金曜日に訪問をいたしまして、接種を受ける方の動線に従って移動をしながら、センター開所前のリハーサルを視察をいたしたところでございます。同大学の校舎は広く清潔で明るく、接種の動線は、受付からワクチン接種、経過観察に至るまで分かりやすいものとなっておりまして、また十分な広さの駐車場がありまして、接種会場にふさわしい施設であるとの印象を受けたところでございます。関係者の皆様方には、このような会場を御提供いただき、心から感謝を申し上げます。
 同センターでは、これまで会場へのアクセスといたしまして、JR瀬高駅と西鉄柳川駅から無料シャトルバスを運行しておりますほか、ただいま申し上げましたように、この大学、会場敷地内に駐車スペース二百台分を確保いたしまして、利便性を高めているところでございます。また、新聞広告、県ホームページ、SNSによる広報のほか、接種対象の市の広報紙を活用いたしまして周知を図っているところでございます。これから対象の市町を拡大いたしますが、引き続きこれらの取組を実施いたしますとともに、同センターを活用して七月末までに高齢者の皆さんの接種を完了できるよう、対象の市町に対し、それぞれの市町からの送迎バスの運行や、広報車、防災無線などを使った広報、また公民館を通じたチラシの配布など、工夫ある取組を行っていただくよう促してまいります。
◯副議長(江藤 秀之君) 吉田教育長。
*教育長答弁
◯教育長(吉田 法稔君)登壇 新型コロナウイルスの感染が判明した場合の学校の臨時休業についてでございます。学校において感染が判明した場合、一律に学校全体を臨時休業とするのではなく、校内の濃厚接触者等の状況に応じて、学級単位や学年単位などの臨時休業や出席停止の必要な範囲を決定すべきと考えます。
 学校で感染が判明した際の保健所等との連携についてでございます。各学校においては、日頃から学校医や学校薬剤師、保健所等と連携し、感染が判明した際に迅速に対応できる体制を整備する必要があり、その旨指導しておるところです。また、学校が児童生徒の日々の活動状況をあらかじめ把握しておき、保健所が検査対象者を特定する際には、速やかに感染した児童生徒の行動歴等の情報提供を行い、検査が迅速に進むよう保健所に協力することにより、学校運営に支障を来さないよう指導してまいります。引き続き、感染防止対策を徹底しながら、保健医療介護部と連携して、児童生徒の学びの保障との両立を図ってまいります。
 学校における抗原定性検査の活用についてでございます。抗原定性検査について、今後国内において無症状者への確定診断としての使用が可能になれば、感染が判明した場合の早期の授業の再開や、運動会や修学旅行などの学校行事、部活動の対外試合などの実施の判断をする際の活用が考えられます。今後、国から具体的な対応が示されましたなら、保健医療介護部と連携し、先ほど申し上げた活用が速やかに行われるよう検討を行い、子供たちの学びの保障に努めてまいります。