【福岡県は緊急事態宣言を要請しません】

 小池都知事らの強い要請により、政府は1月8日から東京都をはじめとする1都3県に緊急事態宣言を発令しました。そして大阪・京都・兵庫の知事らも対象区域指定を政府に要請するとの報道。

 テレビは連日「再緊急事態宣言」の話題で持ちきりでした。が、この大きな問題点は、テレビで起こっている事象が、みやま市や柳川市で起こっているかのように勘違いされること。ニューヨークやロンドンの話は、自分とは違うことだと冷静に受け止められる方が多いのですが、同じ日本だと同じ対応をしないとマズいかの感覚に囚われてしまうようです。

 今日も何人かの方から「福岡県は緊急事態宣言しないの?」という問合せを頂きました。

 福岡県では、本日(1月8日)「第22回福岡県新型コロナウイルス感染症対策本部会議」が開催され、県民・事業者に対しては緊急事態宣言の対象地域への移動の自粛を要請する一方で、政府に対し緊急事態宣言区域の指定要請はしないとの事です。ご参考までに本日の対策本部会議資料の一部を添付します。

 福岡県として、緊急事態宣言の効果とそれによる経済へのダメージを熟慮した上での判断と理解し、尊重したいと思います。

 これはあくまで現時点の判断なので、今後の陽性者数や病床などの状況をみて方針を変えざるを得なくなる可能性があります。そうならない為にも、自分自身が感染しているかも知れないとの思いで、感染予防・拡大防止を心がけた行動をどうぞお願い致します。

【新型コロナに関する情報の取扱について】

ワクチンも治療薬も普及していない新型コロナウイルスとの闘いは、住民と行政の信頼関係なくして成り立たないと思っているなか、コロナ差別を身近に感じた身としても、この不祥事には愕然とします。

【福岡】RKBスクープ コロナ患者ほぼ全員の情報流出 詳報 | RKBニュース
https://rkb.jp/news/000727.html

閲覧可能な状態になっていたのは、入院が必要なPCR検査陽性者の病床確保・調整の為に、複数の保健所や病院間のやり取りで使われていた情報との事。多くの関係者がいて、迅速性やレスポンスの最新性を求められる情報だけに、クラウド上で共有し作業していた事は理解します。

その上で今回の問題となるのは

(1)URLを知っていれば誰でも内容を見られる状態にしていた(アクセス権限の管理が出来ていなかった)
(2)そのURLを記載したメールを誤送信した
(3)間違ってメールを受け取った方から指摘を頂いたにも関わらず、1ヶ月以上URLを知っていれば誰でも内容が見れる状態だった。

この3点ではないでしょうか。

誤送信のようなヒューマンエラーは必ず起きるという前提に、それをバックアップする体制がシステム的にも組織的にも整えられなかった事を、報道では杜撰と非難されているようです。今後、所管の委員会や議会において抜本的な対策が議論されるのは避けられないでしょう。

多くの県職員の皆さんがギリギリの状態で、新型コロナ対策に奔走されているなか、これからも全集中で感染拡大防止に尽力して頂きたいと期待していただけに、残念でなりません。

最後に個人的な印象ですが、この件をスクープされたRKBのニュース映像には、個人情報ファイルのスクリーンショットやプリントアウトしたものが含まれており、「自分の情報が漏洩したかも」と不安に陥っている方の心情を思うと胸が痛みます。

(追記 2021/01/06 22:04)
RKBの記事には「情報流出」と書いてありますが、情報がアクセス出来る状態にあったことは判明している一方で、情報が不特定多数に拡散したことは現時点では確認されていないとの事です。