平成30年12月議会一般質問「農業の観光資源化」

正式な議事録が上がってくるまで、質問原稿をアップしておきます。
12月14日頃から録画中継にて知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継
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質問要旨 一、農業の観光資源化
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自民党県議団の板橋聡です。通告に基づきまして「農業の観光資源化」について質問致します。

本年8月、ラグビーワールドカップのジャパンプロモーションや農水省が進めるフードバリューチェインの研究などを目的としてオーストラリアを視察しました。その中で、クイーンズランド州の州都ブリスベンから車で3時間ほど離れたスタンソープという見渡すばかりの平野が広がる田舎町でイチゴ栽培の現場を訪問する機会を得ました。
オーストラリアは日本以上の慢性的な人手不足で、特に農業分野は深刻な状況との事です。
その為、オーストラリア政府はワーキングホリデービザに着目し、最初の1年間で3ヶ月農林水産業に従事すると、もう1年ビザが延長され、つい先月には2年目に6ヶ月農林水産業に従事すると更にもう1年、合計3年滞在期間が延長できるような制度変更をしました。
州都ブリスベンから遠く離れた、観光とは全く無縁と思える田舎町のスタンソープでも、農繁期になると先進国からワーキングホリデーでオーストラリアを周遊する若者が続々と集まってきて、ルームシェアをしながら数ヶ月滞在し、イチゴのピッキングやパッキングの作業を行いながら、農村地域の異文化体験を楽しんでいるそうです。

一方、日本では京都の非農家であった喜多氏が、荒廃した茶畑を借り、茶の生産から販売までを行う「おぶぶ茶苑合同会社」を設立、2016年から会社内に「トラベル京都ティーツーリズム支店」を設置して、国内外の観光客に宇治茶の歴史を説明、茶畑見学やお茶のテイスティングなどを提供し、参加者は通算1000人を超える人気アクティビティとなっています。注目すべきはその体験料。なんと4時間コースで1万2千円、滞在型の12日間コースは30万5千円だそうです。

東京在住の友人が福岡に来て、「明日一日、或いは半日、ヒマなんだけど、何がお勧め?」と言われると困惑する自分がいます。
福岡県はもっともっと観光資源の磨き上げ、発掘が必要なのは間違い有りません。
今回知事が政治生命を賭して取り組まれている宿泊税の問題において、あれだけ福岡市が強気に出られるのも、「結局福岡市以外で福岡県に行くところある?」という、上から目線の裏返しであり、地方の若者を吸い上げ繁栄を謳歌する福岡市が、宿泊税も市単独で課税しようとする姿勢は「お前の物は俺の物、俺の物は俺の物」というジャイアニズムを感じずに居られません。
しかしながら県下全域が福岡市になることは不可能です。県が観光の広域性を実現するためには、所有では得られない体験や思い出、人間関係に価値を見いだす「コト消費」を県下あまねく仕掛けなければ活路は見いだせません。その視点から、農業文化・食文化を体験することで日本ファンになり、リピーター効果も期待出来、県下に広くポテンシャルを秘めたグリーンツーリズム・アグリツーリズムが打開策となりうると期待をして、今回「農業の観光資源化」をテーマに質問させて頂きます。

知事は我が会派の代表質問で「宿泊税によって得られる財源を活用した施策について」DMO設立支援を挙げてらっしゃいましたが、具体的にどうやって地方のDMOが観光で稼ぐのか?欧米豪からのインバウンド誘客と仰るが、それをどうやって県内全域に周遊して貰うのか?具体的構想がなければ絵に描いた餅です。

そこで質問です。

県内津々浦にポテンシャルがある農林水産業を観光資源化し、磨き上げることが出来れば、宿泊税の効果をスピード感を持って県全域で共有し、知事が仰るとおり観光行政が広域性を有するようになるのではないでしょうか。知事の所見をお聞かせください。

農業を観光資源化していくためには、地域のJA、観光協会の連携が肝となりますが、それぞれ独立した組織であり、県においてもJAは農林水産部、観光協会は商工部が所管しており、グリーンツーリズムの立ち上げに向けて緊密な連携が取りにくい状況です。

そこで知事に質問です。

地域において農業をつかさどるJAと観光をつかさどる観光協会が、地域の強みを把握して、農業の観光資源化の必要性を認識しタッグが組めるよう県は働きかけを行い、農業の観光資源化を進めていくべきと考えます。また、将来的にはそれぞれの地域で観光資源化された農業体験を繋ぎ、福岡に行けば一年中農業体験が出来るように希望者と地域のマッチングをするなど、県として主体的にグリーンツーリズの広域化に関与する必要があります。その為には県においても商工部と農林水産部の連携が不可欠と考えます。
この2つの連携をどのように進めていくのか、知事の所見をお聞かせください。

ところで、県内では朝倉地域がいち早くグリーンツーリズムに取り組み、先進地域と呼べるような実績と経験をお持ちだと聞いております。

そこで知事に質問です。

朝倉地域のグリーンツーリズムの現状、課題について、お聞かせください。

知事は以前観光振興策について問われると「ワンモア福岡」すなわち「福岡でもう一カ所、もう一食、もう一泊」と仰ってましたね。最近はとんと聞きませんが。
このワンモア福岡の考え方は、県内最大の宿泊者数を誇る福岡市に訪れた観光客に、「もう一カ所、もう一食、もう一泊」県内のどこかでして欲しい、具体的にはオプションツアーでワンモア、つまり柳川で川下りをして貰う、太宰府天満宮に来て貰う、イチゴ狩りをしてもらうイメージです。
これでは観光の主体となる福岡市が宿泊税問題で強気になるのも仕方ありません。

今回私がグリーンツーリズムをテーマにしたのは、観光における主従関係に変化を生み、選択の幅を広げたいとの想いからです。例えば、グリーンツーリズムで筑後地方で1週間滞在し、オプションツアーで1日は福岡市内に行って買い物をする、野球を観る、屋台を体験するような新しい福岡の楽しみ方を産み出して行くべきですし、そういうビジネスモデルの確立なくしてはDMOもどうやって地方が観光で稼ぐか頭を抱えるばかりではないでしょうか?

そこで知事に質問です。

朝倉地域に芽吹いているグリーンツーリズムを、県内津々浦々で取り組んでいけるようにするためには、国内外の先進事例を研究し福岡に適したビジネスモデルを作り上げる必要があります。
それを基に、先ずは県内数カ所でパイロットモデル地区を設定し、福岡県でも地域に滞在し、農業、日本文化、日本の生活、食を楽しみ、体験する、そして、その滞在と体験で地域が稼ぐことができるような先進事例を作り上げ、徐々にその範囲を広げていくことが近道だと考えますが、知事の所見をお聞かせください。

宿泊税の問題が私の地元でもよく話題に上ります。多くの県民の皆さんは新たな財源による観光振興策に大きな期待を寄せています。知事にはその期待を裏切ることがないような答弁を期待して私の質問を終わります。