【総務企画地域振興委員会管内視察 福津市、宗像市、糸島市、九州大学伊都キャンパス】

【総務企画地域振興委員会管内視察 福津市、宗像市、糸島市、九州大学伊都キャンパス】
私が委員長を務める総務企画地域振興委員会で11月7-8日にかけて管内視察を行いました。
備忘録代わりに纏めておきます。

○ 福津市役所「津屋崎千軒を核とした移住・交流ビジネス化事業について」
福津市は平成17年に福間町と津屋崎町が合併して出来た市です。県議会の大先輩でもある小山達生市長にご多忙な中ご出席を賜りました。小山市長によると福津市のピーク時の人口は約57000人だったのが平成22年に約55000人まで減少。しかしそれから底を打ち平成28年10月末では61500人(住民基本台帳ベース)に増加しているとの事。
そんな中、福津市への移住サポートやUIターン支援、起業支援、古民家再生など幅広い事業を行っている津屋崎ブランチの山口覚代表にその取り組みをご説明頂きました。
前提として、人口減少の対応はソフト事業が重要。空き家問題については、大学卒業して都会に就職家を購入し永住という、田舎から都会への片道の人口流動に問題が有る。また増加人口は新築物件に入居したがる。空き家では魅力が無いのでリノベーションが必要。
その上で移住者支援は関東の30代夫婦+1〜4歳の子供を持つ世代にターゲットを絞り込み進められ、平成22年から27年の5年間で旧津屋崎町では905人の住民増となったそうです。
個人的に特に興味深かったのは、空き家再生において貸し主の金銭負担が足かせになっているため、負担ゼロの事業スキームを多く産み出されていることです。家賃前払い方式とか自主改修方式、物語銀行(自己資金が足りなければ地域で出資して2〜3年で返済するスキーム)、仏壇のあるところは法事の時だけ利用可能にする等々、なるほどそれなら借り手と貸し手がWin-Winになれるというアイディアに唸りました。
しかし、貸し手と借り主の信頼関係がないとどんな立派なスキームでも上手く行かない。津屋崎ブランチは間に入って仲を取り持つ。そうすると大体2年位経つと信頼関係が出来るそうです。
もう一度じっくり、私の地元の人達を交えてお話しを伺いたいくらい興味深かったです。
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○ 宗像市役所「全国豊かな海づくり大会を活用した地域振興について」
神宿る島宗像・沖ノ島と関連遺産群のユネスコ世界分会遺産登録を控えている宗像市ですが、来年の「全国豊かな海づくり大会」の開催地にもなっており、その準備が本格化しております。全国豊かな海づくり大会とは、水産資源の保護・管理や海・河川の環境保全の大切さを広く国民に伝え、漁業振興・発展を図ることを目的として例年天皇皇后両陛下ご臨席のもと開催される国民的行事です。特に岡県は日本海・太平洋・有明海に面し、筑後川や矢部川など豊かな河川を持っており、県内各地と連携し県民一丸となった大会を目指しています。
宗像市においてはこの機会を活用し、特に全国トップクラスの漁獲量を誇るも知名度が今一歩の鐘崎天然とらふぐなど県内随一の水産業のPRや、宗像市が毎年行っている「宗像国際環境100人会議」との連携を通じ漁業の振興と発展、海や河川の環境保全、世界文化遺産登録活動のPR、市民参加型の大会を目指します。
谷井市長がご多忙の中お顔を見せていただき、冒頭ご挨拶を賜りました。有り難うございます。
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○ 糸島市役所「九州大学との連携したまちづくりについて」
糸島市の月形市長は私が初当選当時の県議会3期生。「議会とはなんぞや?」からはじまり、本当に公私にわたりご指導を頂いた先輩です。今回の視察にあたり最後までご参加を頂き大変有り難うございました。
月形市長曰く「百年の大計をもって九州大学が伊都キャンパスに移転してくる。糸島市も百年の大計をもって胸を張れるまちづくりをしなくてはならない」、その命を受けて奮闘中の市地域振興課さんからご説明を頂きました。九大は平成30年に移転完了予定。面積275ha、約1万8000人規模の学生と教職員が移転対象です。糸島市は「九大を生かした地域づくりプロジェクト」を重点プロジェクトの一つとして、九州大学学術研究都市をつくる事を大目標にヒト、モノ、カネ、コト、情報を糸島市に呼び込むイメージで既に年間100件を超える連携・交流事業を実施しています。
糸島在住・出身の九大職員と糸島市職員の交流団体を設立したり、九大の少人数セミナーにおいて糸島市消防本部が実技訓練等を担当して九大生を郷土・地域を守る地域防災の担い手になることを期待したり、九大生(留学生含む)に体験プログラムを通じて国内外に糸島市の魅力をSNSで発信してもらったり、幅広い取り組みを行っています。
また九大の知的資源を活用する為に、九大の研究者から市民向けの公開講座を実施。糸島市内の地域課題や行政課題の解決、地域資源の掘り起こしを目的として実施する研究に対しては最大100万円の助成金を創設。また、個人的に一番気に入ったのは、小中学生の学習意欲を向上させたり将来の夢の実現の為に実施している、中学生が夏休みに九大伊都キャンパスで学ぶ「伊都塾」、小学生が土曜授業で九大生から学ぶ「九大寺子屋」です。これにより大学生への憧れが高まり、勉強に対する動機付けがされるとの事。羨ましい限りです。
まだまだ課題は有りますが「市民と大学」「大学と市民」をつなぐべく、「まち」と「九大」をつなぐ空間の創出に今後は力を入れていくとのご説明でした。
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○ 九州大学伊都キャンパス「共進化社会システム創成拠点について」
九州大学伊都キャンパスを訪問し、共進化社会システム創成拠点のプロジェクトリーダーである是久洋一先生からお話しを伺いました。
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文科省では平成25年に「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」において10年後の社会のニーズを検討し、そこから導き出される社会の姿、暮らしのありかたをビジョンとして設定しました。そのビジョンを基に科学技術推進機構の支援を得て、国内に多くの拠点を設け基礎研究から実用化を目指して、産学連携の研究開発が行われています。
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九州大学ではICTによる新しい街づくりを目指し、これからの都市が抱える問題を現実世界からのビッグデータを収集し、都市OS上の仮想都市モデルで都市交通の最適化、エネルギーの最適化、市民サービスの最適化をシミュレーションし、実世界へフィードバックさせるという、ここまでちゃんと読んで理解して頂ける方がいらっしゃるか分かりませんが(苦笑)そういう研究が行われています。
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是久先生は民間(パナソニック)出身で、最終的にここで行われた研究の結果を社会実装することを最終目的にされているそうです。
お話しの中でエネルギー分野地域連携の事例として私の地元みやま市のスマートエネルギーの取り組みが紹介されました、それももの凄く高い評価を頂いて!地元に住んでいるとイマイチピンとこないのですが、10年後のよりよい社会を目指す中でみやま市も一役買っていると実感すると嬉しいですね。
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