平成25年決算特別委員会質問「オリンピック等のキャンプ地誘致について」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。
 二〇一九年にラグビーワールドカップが日本で開催され、二〇二〇年に日本で二度目となる夏季オリンピック・パラリンピックが東京で開催されます。九月議会で、吉村議員、伊豆議員の一般質問において、小川知事はこの二つのスポーツの祭典において、その盛り上がりを福岡で活力にすべく、キャンプ地誘致に対して強い意気込みを御披瀝いただきました。本日は、もう少し具体的な話を伺いたいと思います。
 本県でキャンプ地誘致を行う意義は何か、これをちょっと、まずは部長からお答えいただければと思います。

◯松尾統章委員長 大曲新社会推進部長。

◯大曲新社会推進部長 この意義でございますけれども、まず、本県でキャンプが行われることは、県民の方が世界のトップアスリートのプレーを直接見ることにつながり、また、交流するということでもありますので、スポーツに対する関心が非常に高まる機会になると考えております。そして、見る、交流するということで、特に子供たちにとっては、スポーツへの夢、そして目標を持つことにもつながってくると思います。
 また、キャンプが行われることで、国内外からの観光客が大変多く訪れることが期待されます。その方たちに福岡のよさを知ってもらうことによりまして、大会後のリピーターとして観光客の確保にもつながっていくなど、地域の活性化といった効果も期待できるのではないかと考えます。

◯板橋 聡委員 一つ大事な視点が欠けているのかなと。キャンプ地誘致によって、スポーツをしない人も、福岡県にいながら、主体的にオリンピックに参加できること、これが大事な意義の一つかなと思いますが、この思いは共有していただけますでしょうか。

◯大曲新社会推進部長 委員がおっしゃられましたように、スポーツをしない人も、そういったことで非常に、一緒にスポーツを楽しむということで関心が高まってくると、それはもちろんでございます。

◯板橋 聡委員 現在、県内では、ラグビーワールドカップには十七、オリンピック・パラリンピックには二十六自治体が、キャンプ地誘致の意向を示していると聞きますが、その中にはスポーツ施設は保有しますが、それ以外のソフトやハード面での対応、例えば宿泊施設や通訳スタッフの確保、ボランティアが集まりにくいなど、キャンプ全体の受け入れに困難を抱えている自治体もあると考えますけれども、県の御認識はいかがでしょうか。

◯松尾統章委員長 清水県民文化スポーツ課長。

◯清水県民文化スポーツ課長 誘致を希望する自治体の中には、委員の御指摘のとおり、スポーツ施設を有するものの、宿泊施設が十分でなかったり、通訳等ボランティアの確保をすることが難しいという自治体があることは認識をしております。

◯板橋 聡委員 そのような自治体では、せっかくすばらしいスポーツ施設を持って、住民の機運が盛り上がっていたとしても、キャンプ地誘致が失敗したとなると、元も子もないと思います。
 私の地元みやま市も、どんなトップレベルのチームがやってきても胸を張って受け入れられるプール設備が、平成二十六年にでき上がります。しかしながら、宿泊施設が十分でなく、「外国人ってテレビでしか見たことなかばい」と。このような自治体に対して、県はどのように支援をしていただけるのでしょうか。

◯清水県民文化スポーツ課長 このような自治体におきましては、近隣の自治体と共同することによりまして、宿泊施設等、施設面の課題を解決することが可能ではないかと考えております。
 また、このように広域でキャンプ誘致を図ることは、キャンプ終了後も広域連携、地域全体の活性化につながることが期待できると考えております。
 通訳等ボランティアスタッフにつきましては、県といたしましても、その確保に努める必要があると考えておりまして、今後地域のボランティアの育成を含めまして、留学生サポートセンターや大学等と連携をするなど、具体的な取り組みについて考えていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 自治体によっては、地域内にある県所有のスポーツ施設を活用してキャンプ地誘致を行おうとするところもあると考えますけれども、このような場合、県はどのような立場で自治体との間にかかわるのでしょうか。

◯清水県民文化スポーツ課長 今月実施することが決定をいたしましたスウェーデンのオリンピック委員会のキャンプにつきましては、福岡市内にあります県有施設、県立のスポーツ施設も利用することとなっております。県といたしましても、福岡市とともに主体となって、視察や施設利用に当たっての折衝を行っておりまして、最終的には福岡市と連名で協定書の調印を行ったところであります。
 各自治体が、他の県有のスポーツ施設を利用する場合におきましても、この場合と同様に、県としては、主体的にかかわっていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 ぜひ足並みをそろえて、リードするぐらいの気持ちでかかわっていっていただきたいと思っております。
 オリンピックのキャンプは、スウェーデンのように、選手団全体が福岡市一カ所で行う場合もあれば、単一種目でキャンプを行う場合もあると聞いております。規模の大きくない市町村がキャンプ地誘致を目指す場合、単一種目のキャンプを誘致することも有効と考えますが、その場合、日本水泳連盟とか日本テニス協会のような当該種目の中央競技団体の人的ネットワークを活用して、海外の競技団体へのアプローチが必要だと思われます。しかし、そのようなパイプを持っている自治体はほとんどございません。県内にはスポーツ強豪校と呼ばれる高校や大学など、国内外の競技団体と強いつながりを持つところもございます。こうした関係者と連携、協力して、誘致に取り組むことが必要ではないかと考えますけれども、御所見をお聞かせください。

◯清水県民文化スポーツ課長 県内には柳川高校のテニス部や東福岡高校のラグビー部、さらには福岡大学等、海外とのネットワークを持つ高校や大学等が存在をしております。このような関係者の協力を得ることは、キャンプ地誘致を成功させるために大変重要なことだと考えております。
 今後、こうした学校関係者を初め、県体育協会、県競技団体にオブザーバーとして連絡会議に参加をしていただき、海外の競技団体の情報提供を含めたアドバイスや、関係者の有するネットワークの活用など、協力を求めていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 ぜひ連絡会議は、行政主体の内輪の集まりになるのではなくて、外部の知恵だとか人的ネットワークを活用していただくことを期待しております。
 県は、これまでキャンプ地誘致を目指す自治体の連絡協議会を七月に立ち上げ、今後は情報提供やアドバイザーの派遣、または各自治体の保有施設など基礎資料を作成して、海外プロモーションをするということでございましたけれども、一番大事なのは、東京オリンピックを福岡県もキャンプ地誘致という役割で支えて、成功させようという県民の機運の醸成と考えます。この件について県はどのようにお考えでしょうか。

◯清水県民文化スポーツ課長 キャンプ地誘致に向けましては、委員御指摘のとおり、受け入れ地域の盛り上がり、機運の醸成が重要であると考えております。このため県では、来月十六日に開催いたします市町村対抗福岡駅伝をメーンとしますスポーツの総合祭典の中で、日本オリンピック委員会と協力をいたしまして、県民の皆様がオリンピックを身近に感じていただけるよう、元オリンピック選手六名と一緒にスポーツを楽しむイベントを予定しております。また、二月にはオリンピック・パラリンピックやラグビーワールドカップの試合会場誘致及びキャンプ地誘致に向けた機運を盛り上げるためのシンポジウムなどを開催する予定にしております。
 今後も、こうした取り組みを通しまして、機運の醸成を図り、通訳等ボランティアスタッフの確保を含め、キャンプ地誘致に向けて、さまざまな取り組みを行っていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 個々の事業はそれでいいと思います。ただ、県民全体が「福岡県はキャンプ地誘致で東京オリンピックを支えていく」という思いを共有して盛り上がれるような一大キャンペーンを行うべきじゃないかと、私は考えます。数年前から、東京に出張に行きますと、「二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを日本で」「今日本にはこの夢の力が必要だ」「この感動を次は日本で」というポスター、広告、のぼり、テレビCMなどを、地下鉄だとか公共施設だとか至るところで目にしました。私は、その雰囲気にのまれて、いやが応でも気持ちが高ぶって、それがやはり二〇一三年九月七日のブエノスアイレスでの興奮、感動につながったんじゃないかと思っております。あの感動、あの昂揚感を東京だけでなく、ぜひ福岡県でもと、私は思いますけれども、そのためには、キャンプ地誘致の県として行う一大キャンペーン、こういったものが必要だと感じますが、御所見をお聞かせください。

◯清水県民文化スポーツ課長 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は、キャンプ地の基準を示すガイドラインを本年中に公開する予定にしております。その後、国内各地でキャンプ地活動が本格化すると考えております。
 委員御指摘の県を挙げた誘致活動の機運の醸成につきましては、今後その内容について検討していきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 ぜひ、今、六年前ですから、まだあまり熱というのは盛り上がっていませんけれども、そういうところにちゃんと火をつけていると、一年前、二年前にどかーんと盛り上がると思いますので、ぜひそういった仕掛けをして、県民みんなが一体になれるようなキャンペーンを、小川知事をリーダーとしてやっていただきたいと思っております。
 ちなみに、大曲部長はスポーツは自分でされるほうですか、それとも見て楽しむほうですか。どんなスポーツがお好きですか。

◯大曲新社会推進部長 私自身のことで恐縮でございますけれども、スポーツはするのも見るのも大好きですが、まず、するのは大好きです。ちなみに、済みません、私ごとですが、テニスはずっとしておるんですけれども、武道にも取り組みをしております。

◯板橋 聡委員 そういう理解のある部長で、ますますオリンピックキャンプ地誘致も進むのではないかと思っておりますが、スポーツは自分でする、そして見て応援する、楽しむ、そして裏方として支えるというさまざまな形で、いろいろな年代の方、男女問わず、ハンディキャップあるなし問わず、かかわることが可能だと思います。福岡県もキャンプ地誘致成功により県民がもっとオリンピックに主体的に参加できるよう、最後に部長の意気込みをお聞かせください。

◯大曲新社会推進部長 先ほど意義については申し述べましたので、今回、決意ということでお話をさせていただきます。
 委員も、東京に行くと、オリンピック・パラリンピックの熱が非常に熱いということをお話しされました。やはり、オリンピック・パラリンピックの成功に向けては、東京だけではなく日本全国でやるという意気込みが大切ではないかと思います。また、そういった中で、県内の自治体でキャンプ地を誘致していくことは、本県のスポーツの振興、また、地域活性化を図る上でも大変効果があるものだと思っております。
 このため、課長も先ほど申し上げましたが、誘致を希望する自治体への情報提供、また、アドバイザーの派遣、こういった支援を行いまして、関係機関としっかりとスクラムを組んで、あらゆる機会を通じまして海外に対するプロモーションを実施し、キャンプの誘致に取り組んでまいります。また、県内におきましても、二〇二〇年に向けて、機運をしっかりと醸成させていきたいと思っております。

◯板橋 聡委員 ぜひお願いいたします。終わります。(拍手)