◯板橋 聡委員 おはようございます。自由民主党県議団の板橋聡でございます。
本日は、中小企業海外展開ワンストップ支援センターに関して質問させていただきたいと思いますが、質問の前に資料を要求させていただきたいと思います。まずは、中小企業海外展開ワンストップ支援センターの概要及び福岡県が関与しております中小企業振興関連の組織及びその概要の一覧、また、福岡県の海外事務所及びそのスタッフの内容、こちらにつきまして要求させていただきたいと思いますが、お取り計らいをお願いします。
◯今林 久委員長 お諮りいたします。
ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
◯今林 久委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。
執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料について提出できますか。合野国際経済観光課長。
◯合野国際経済観光課長 直ちに準備できます。
◯今林 久委員長 はい、見せてください。
〔資料確認〕
◯今林 久委員長 事務局は資料を配付してください。
〔資料配付〕
◯今林 久委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。
◯板橋 聡委員 私、前職は総合商社に勤務しておりました。国内が人口減少状態に突入し、市場が飽和する中、国内企業が今後、市場や成長の場を海外に求めていくのは自明であります。実際、商社及び地銀などは国内中小企業の海外展開、海外進出、こういったサポートを新たなサービスとして本腰を入れて取り組み始めておるところでございます。そんな中、福岡県が中小企業の海外展開ワンストップ支援センターという事業を予算計上されているということなので、質問させていただきます。
まず、このワンストップ支援センターの設立目的は何でしょうか。
◯合野国際経済観光課長 今、委員御指摘のとおり、県内中小企業の成長には、伸びゆくアジアへいろいろと展開をしていくということが喫緊の課題であるという認識のもと、こういう中小企業の方々に積極的に情報提供等を行い、海外展開をスムーズにいくように支援していくための組織でございます。
◯板橋 聡委員 ということは、主な役割としては情報提供ということでしょうか。そして、情報提供のみで海外展開がスムーズに行われるとお考えでしょうか。
◯合野国際経済観光課長 中小企業白書によりますと中小企業の八割、中小企業振興センターの調査によりますと県の六割の中小企業がまだ海外展開を行っていません。それで我々としましては、行っているところは当然いろいろな失敗もあるでしょうけどやっているというところで、こういうところをターゲットとして、啓発といいますか、海外展開の成功事例等を企業の皆さんにお示ししながら、海外に出ましょうという掘り起こしのところから、さらに情報の提供を行っていくと。さらには、その後に具体的なカウンターパートの紹介等を、政府間でMOAを結んで支援していく、現地のほうでサポートしていくというふうなワンストップでのサービスを考えております。
◯板橋 聡委員 お話を聞いていますと非常にウイングが広い話だと思いますけれども、この資料のセンターの概要で、運営主体は「中小企業海外展開ワンストップ支援協議会」となりますと。この協議会というのは一体何者なんでしょうか。
◯合野国際経済観光課長 これは中小企業のそういった海外展開を支援する応援団といいますか、アドバイザーを含めたところの連携機関ということで、主な自治体と経済団体、それから主な企業等を構成メンバーとする、中小企業のアジア展開を支援する応援団であり、協力機関、アドバイザーと考えております。
◯板橋 聡委員 応援団と言うと非常に聞こえはよろしいんですけれども、応援団も腹が減ってはなかなか応援もできんということで、予算が計上されていると思いますが、このセンター概要に関する予算というのはお幾ら計上されていますでしょうか。
◯合野国際経済観光課長 設置費、いろいろな人件費等、あとアドバイザー等、事業費を含めまして三千五百万円です。
◯板橋 聡委員 この三千五百万というのは県の予算という理解でございますけれども、このワンストップ支援協議会が運営しますワンストップ支援センターは総額で幾らぐらいの運営費を考えていらっしゃるんでしょうか。
◯合野国際経済観光課長 運営費というのは事業費以外のところという考えでよろしいでしょうか。運営費は二千七百万円です。
◯板橋 聡委員 ごめんなさい、ちょっと質問の内容がよく伝わっていなかったと思うんですけれども、三千五百万円がこのセンターの事業の予算として、県として上がっておりますが、じゃあ、協議会ということで、いろいろな団体が加わる、設立に向け協議中となっておりますけど、このほかの団体が負担したりして全体でこのセンターを運営するのに年間で幾らぐらいかかるかを教えていただけますか。
◯合野国際経済観光課長 この事業に関しましては県費のみで、この協議会等の団体からの負担金は求める予定はございません。
◯板橋 聡委員 ということは、これは完全に県が主導する事業ということでよろしいでしょうか。
◯合野国際経済観光課長 はい、そうでございます。
◯板橋 聡委員 そうしますと、このワンストップ支援センターというのが立ち上がって、今いろいろ合野課長が言われましたとおり、県内の企業の掘り起こしから情報提供、そして海外への紹介といったことをやっていきますということでございますけれども、これは今既にいろいろな商社及び地銀が行っています。具体的には、三菱商事も三井物産も伊藤忠商事も、そして地元の地銀で言えば、福岡銀行も西日本シティ銀行も行っています。こういった商社、銀行なんかが行っています中小企業の海外進出展開の支援との違いとは一体何でしょうか。
◯合野国際経済観光課長 委員御指摘のとおり、商社、銀行等も一部やられております。私どもはこれを立ち上げるに当たりまして、複数の商社、銀行等、その他のいろいろなコンサル会社等にヒアリングを行いました。確かに商社もやられていますが、十分リターンとか、そういうことを、収益性を含めまして広く中小企業にやっている状況ではないと。それと、銀行さんに関しましては、確かに最近、特に地銀等は海外展開支援ということでやられていますが、それはやっぱり融資絡みや顧客をターゲットにした支援だと聞いております。
◯板橋 聡委員 ちょっとわかりにくいんですけれども、県でなぜやらなければいけないかと。民間で今一生懸命やっていますと。融資絡みだとか言いますけれども、民間が今やっていることは、これをやることによって商社も銀行も収益が上がると。もちろん進出した企業はそれによってまた収益を上げていくと。これは非常に当たり前のことを当たり前のように民間がやっていると。これを県でわざわざやる理由がよくわからないので、それを御説明いただけますか。
◯合野国際経済観光課長 そういう対象外のところ、先ほど言いましたように、調査の結果、全国の中小企業の八割、県でも六割がやっていないということですので、我々としましては、県として当然、全然だめだという前提でやるんじゃないんですが、銀行さんの顧客でもない、商社等の支援もないようなロットだとか、そういう企業さんも含めて幅広く掘り起こしをやりながら、まだ全然そういうところをやったことがない企業さんにも、いろいろな啓発等をやりながら広げていくところが、県の役割というふうに思っています。
◯板橋 聡委員 一番最初におっしゃいました、県内企業の六割がまだ海外展開をやっていないということでしたけれども、逆に言うと、私は県内企業の四割がもう海外展開をやっているのかと思ってびっくりしました。つまり、残りの六割やっていないところは全部やらなければいけないのかと。やっても採算がとれない、あるいは、わざわざ行かなくても十分国内でやっていけるところもいっぱいあると。そういったところが今の銀行だとか商社のサービスにひっかかってこないということを、わざわざ県でやるということがよく理解できないんですけれども、それをちょっと説明していただけますか。
◯合野国際経済観光課長 ちょっと説明足らずで申しわけありません。先ほどの中小企業白書は全体の業種の八割ですけど、県の振興センターは製造業という対象で調査して六割でございました。
我々は当然、製造業の六割というところもありますし、それ以外の小売業、サービス業と、例えば飲食店とかショップとか美容室とか、いろいろございます。そういうサービス産業とかも今後海外に出ていくチャンスがあると思いますので、そういうところへの支援も広げていきたいと思っています。
◯板橋 聡委員 まだ全然納得いかないのが、なぜそこまで、とにかく海外に出ていけ、出ていけと言うのはいいんですが、製造業の四割が今既に行っていると。これから行く計画をしているところもいっぱいあるでしょう。まだまだ体力的には厳しいので、国内で頑張った上で海外に行きたいというところもあると思います。そういったところを含めて、一体この支援センターがどこまで役に立てるのかが全然頭の中に入ってこないんですね。まあ、それはいいとして、それぐらい大きな構想を持っていらっしゃるという理解でよろしいでしょうか。
◯合野国際経済観光課長 恐らくまだ、中小企業の中でも、やっぱり言葉の問題やいろいろなところで、海外は怖いという先入観とかで動かれていないところが、ヒアリングをしてもたくさんあると思います。そういうところに対して声かけして、成功事例とかいろいろなところを御紹介しながら、国内にいても伸びないマーケットで、今からは海外で頑張っていこうというところを支援したいと思いますし、できる限り海外のネットワーク等も広げまして、すべて百点満点にはならないと思いますが、できる限りワンストップでサービスできるような広い意味での支援サービスセンターを考えております。
◯板橋 聡委員 もしそういう大志があられるのでしたら、それはそれで非常にいいことだと思うんですけれども、このワンストップ支援センターの概要で、場所を福岡市内にセンターを置きますと。これは何で福岡市内に置かれるのか教えていただけますか。
◯合野国際経済観光課長 県内で一番交通の利便がいいところだと考えています。
◯板橋 聡委員 県内はそうですけど、海外に展開するための支援をするのに、なぜ国内にわざわざ場所を置いて、スタッフを置く必要があるのかというのが全くわからない。サービス業も含めたいろいろな企業を、いろいろなところに連れていきたいという話であれば、私の昔の経験から言いますと、一番困るのは現地に行ってパートナーをどうするのかだと、そこがわからないから困っているところが多いと思うんですけれども、結局、この支援センターはそういう役割は果たさないということですか。
◯合野国際経済観光課長 支援センターは、我々は実は当課のほうで一部、海外支援、ミッション等をやっています。ただ、今回はその掘り起こしという意味で、例えばJETROさんには貿易に関しまして千四百件の相談が、電話とか実際の来場であっていると。そういうことで、我々は市内の出やすいところに、垣根を低くして、広く県の企業が相談に来やすい、情報をとりやすい場を設定したいと思っていますし、例えば成功事例の発表会をやったり、小セミナーをやったりしていくような掘り起こしのための中核機関であると考えています。
委員御指摘のとおり、それだけでは当然だめです。海外にもしっかり事務所等がございます。あと海外でもいろいろな発掘をしていますが、海外でのアドバイザー、サポーターのネットワークをつくって、相談に来られて、その後実際に海外に行かれるときに、現地でもしっかりサポートしていこうと思っています。
◯板橋 聡委員 今予算に上がっているのは国内の話だけだと思うんですけれども、じゃあ、国内の掘り起こしはこの人数で一生懸命やると。そこから後のことは、例えばJETROだとかにお願いするという理解でよろしいんでしょうか。
◯合野国際経済観光課長 掘り起こしに関しましては、当然ここもやりますが、私ども国際経済観光課は一体的に活動してまいりたいと思っていますし、JETROさんは基本的に貿易アドバイザーということで、貿易相談の専門家を置いております。我々は貿易以外の投資、販売代理店契約等々のいろいろなことに対しての窓口として、さらにJETROさんにない部分や弱い部分を強化していくと。貿易についてはJETROさんと活動していくということをやっていきたい。
◯板橋 聡委員 今ずっと答弁を聞いておりますと、「いろいろな」「しっかり」といった抽象的な言葉が非常に多くて、果たしてこれを事業としてどこまで真剣に考えられているのかよくわからない。既に商社、銀行もそうですけど、JETRO、中小企業庁、中小企業振興機構、福岡貿易会、福岡商工会議所といった重立ったところだけでも、これだけの団体が、アドバイスからセミナー、商談会、信用調査、仲介、融資、ありとあらゆる中小企業の海外展開支援メニューを提供しているんですよ。これを、今言われたような非常にわかりにくい、ぼやっとした形で福岡県がわざわざやるのか、この理由がわからない。これは全く二重行政とか三重行政とかいったものに近い状況になっているのではないでしょうか。
◯合野国際経済観光課長 今、委員御指摘のいろいろな団体等につきましては、確かにセミナーや商談会をやられています。ただ、商工会議所にしても商談会、セミナーという出会いの場の設定だけで終わっておりますし、私はなるべく、今、中小企業でまだ海外に出ていないところが多い中で、いろいろなところが一生懸命、それぞれ競い合うようにやっていく必要があると思いますし、今までの中小企業の海外展開でももちろんやってありますが、すべて十分やられているとは思っていませんし、できれば県もそういうところでしっかり、まだできていないところをサポートできたらと考えております。
◯板橋 聡委員 いや、だから「できているところ」と「できていないところ」というのがよくわからないと。今最初にいただきましたこのセンター概要を見ている限りは、県内企業の啓発もビジネスマッチングも、県によるサポート──県によるというのは別ですけれども、このサポートなんかもすべての団体でやっているんですよ。福岡県のこの支援センターでしかできないのは一体何ですか。
◯合野国際経済観光課長 「しかできない」となるとあれですけど、例えば今、我々がずっと具体的な企業、例えば美容室のアジア展開でやっていこうとか、美容室の連中といろんなことをやっていたり、菓子メーカーとやっていたり、その中でやっぱり、そこら辺のところは今までそういう支援とか相談がなくて、我々が初めておつき合いさせてもらっているというところもたくさんありますし、あと、いろいろな事業の中で、県がそういう支援センターをつくってもらうことは非常に助かるという企業さんの声もたくさん聞いております。ということで、こういうところをやっていきたいと思っています。
◯板橋 聡委員 そういう意味で言うと、何でもかんでも県がやろうと思ったらできるわけですよね。それを無尽蔵に県はずっと予算をつけてやり続けていかなければいけないのかということを私は聞いているんです。やるなら生きた税金としてやっていただかないと、いやいや、足りないところがある、足りないところがあるって、それは足りないところはいっぱいありますよ。足りないところがあるからといって、まだ百点じゃないからといって、ずっとそうやって予算をつけ続けていかなければいけないのかと。しかも今回、これは人・場所、新たに設置しますよね。しかも協議会ということで、いろいろな団体が仲間に入ると。こうやってこういったものを設置した、あるいは人を置いた場合、将来的にこれを存続させることだけが目的になって、非常に税金が無駄に使われるんじゃないかと危惧するんですけれども、その点に関してはどう思われますか。
◯合野国際経済観光課長 存続だけということは考えません。当面しっかりやっていって、かつ日々改善、改良しなくてはいけないと思っています。例えば県の重点施策をやるときに、大体三年ごとにいろいろな検討だとか評価をしています。そういうこともきちんとやりながら見ていきたいと思っています。
◯板橋 聡委員 評価と言われますけど、この概要に関して、目的を書いていただきましたけれども、目標というのはないですね。三年後に評価すると言われますけれども、目標を置かないとおかしいと思うんですね。この目標というのは一体どういうことだと思われますか。
◯合野国際経済観光課長 例えば私たちが目標を今置いているのは、現段階でJETROさんの相談件数とかを調査しました。かつ、我々が今まで海外展開した企業数等も考えました。三年後には二千五百件相当の相談があって、目標としたら四十社程度、いろいろな意味での海外展開の支援ができたら、具体的に実現したらということを目標に掲げていきたいと思っています。
◯板橋 聡委員 これはすごく行政的だなと思うんですけれども。一般企業の場合、こういうときに三年、五年たちますと担当がかわったりしますね。尺度が変わって、見方が変わって、目標の価値がどんどん変わってくることを防ぐために、例えば新しく投資をするんだったら、そこでROAが二%、ROIが八%を達成しない場合は五年後に確実に撤退しますというふうな明確な数値目標をまず決めます。今、合野課長がおっしゃった話は、二千五百件の相談と。相談なんて、関連企業に電話してくれと言ったら二千五百件ぐらいかかってくるかもしれませんし、四十社いろいろな海外展開って、例えばセミナーに四十社連れていっても海外展開と数えられますよね。これは物すごくいいかげんだと思うんですね。
それでもやりたい、一般企業の場合、熱意があってやりたいという人はいるんですよ。そういう場合、社長が何と言うかといったら、「課長、その気持ちはわかった、新しく会社を設立するから、おまえがそこに行って、もうかるまで帰ってくるな」と言われるんですよ。それぐらいの覚悟を持って物事を進めているかどうか聞きたい。
もう一つは、過去十年で国際経済観光課の課長は何人かわりましたか。教えてください。
◯合野国際経済観光課長 まず目標四十件につきましては、セミナーとかじゃなく、具体的に貿易が始まったとか、代理店契約とか、そういうことを指しております。
それで、課長は十年間で何人かといいますと、私で四人目です。それで決意といいますか、責任をとるかということですけど、私は長く国際経済観光課で業務していますが、責任のとり方というのはちょっと今表明できないんですが、福岡県の経済活性化には中小企業が伸びるしかないと確信していますし、この分野で本当に頑張るしかないと私自身思っています。精一杯これをやるしかないということです。
◯板橋 聡委員 その頑張る気持ちはいいんですけれども、じゃあ、合野課長がかわられて新しい課長が来られたとき、その頑張る気持ちって、どうやってちゃんと見直すの、という話だと思うんですね。責任の所在が統一できないと。
約三年前、私は一会社員でございました。そのころ福岡県農産物通商というのが設立されました。その際に同じような議論が恐らく行われたと想像します。時を経ておととい、きのうの予算委員会でどうなったか。同じ懸念を、私はこの中小企業海外ワンストップ支援センターに抱くということでございます。これは当たり前なのかなと思います。
何かだんだん話も堂々めぐりになりましたし、今聞いている限りはどうも、どういうふうな形でやっていくか、そういったことに関しても、詳しいことがまだちゃんと固まっていないんじゃないかと。これから一生懸命考えていくという姿勢なのかという気が非常にします。
ちょっと視点を変えて聞いてみたいんですが、本予算は暫定予算として編成されておりますか。
◯合野国際経済観光課長 そうです。
◯板橋 聡委員 山野部長、暫定予算の定義について、地方自治法の解釈に基づいてお示しいただきたいと思います。
◯今林 久委員長 山野総務部長。
逐条では申し上げられませんけれども、基本的な考え方については、予算の編成に間があくときに、義務的な経費、あるいは社会情勢等を踏まえて、政策的経費等について必要な予算を暫定的に計上するというものでございます。
◯板橋 聡委員 まさにそのとおりで、つなぎ予算と。人件費、事務経費など当面必要な経費のみの予算だと。ただ、その中で市民生活、県民生活に影響が発生しないような必要経費も計上すると。
平成二十三年度の福岡県の暫定予算の編成概要にはこう書いてございます。基本方針の中で、厳しい経済情勢に対応するとともに、今後、本県を着実な成長軌道に乗せていく上で、緊要、つまり非常に重要で差し迫って必要な雇用・景気対策、中小企業や農林水産業の振興などを確実に進めるために必要な予算を措置するということだと思います。
とすると、麻生知事がもし五選を目指して立候補されるのであったならば、この予算措置というのは政治的に理解できなくもないです。恐らく、おれはこれからこういうことをやるんだと強く示すための暫定予算というのは非常にわかりやすいと。ただ、二〇一〇年十月の時点で既に引退を表明されておりますね。そういう意味では、この予算が緊要な、非常に重要で差し迫って必要な中小企業振興対策でなければ、暫定予算のあるべき姿から逸脱していると言わざるを得ないと思いますけれども、山野部長、所見をいただけますでしょうか。
◯山野総務部長 暫定予算につきましては、二月議会で御審議をいただいたわけでございますが、その際に御説明しましたのは、義務的な、基礎的な経費についての四カ月分を計上すると。そのとき申し上げましたのは、依然として厳しい現下の雇用経済情勢を踏まえ、早期の景気回復に向け、県民生活に支障が生じることのないよう、必要な政策的経費について計上するという考え方で組みました。今お尋ねのワンストップ支援センターにつきましても、そうした観点から必要な経費として計上したものでございます。
◯板橋 聡委員 もしそうならば、この段階もう七月ですね、七月の段階でワンストップ支援センターというのはもっと煮詰められていなければおかしいと思うんですよ。今話を聞いている限りは、だれとやるか、どこでやるか、まだはっきりしていないと。どういったことをやるか、まだはっきり決まっていない。目標も決まっていない。これを暫定予算という形で果たして通してよかったのかどうかということもありますが、山野部長の御意見を聞いている限り、そういう必要があったんだと。ならば、これは商工部側の怠慢ということじゃないですか。
◯合野国際経済観光課長 これは特区でも重要なアジアビジネスをやっていくということで位置づけていまして、中小企業で実際に海外展開している企業は一〇%の雇用が伸びているという調査もあります。これをどうしてもやらなくてはいけないということで、目標を掲げて動いておりました。今、場所等いろいろ検討する中で、まだ決まっていない部分もありますし、委員御指摘のおくれていると言われれば、そこのところでまだ決まっていない部分もありますが、本当にこれを鋭意、早期の開設を目指して頑張っていきたいと思っています。
◯板橋 聡委員 頑張るとかいう話じゃなくて、具体的に暫定予算で通さなければいけないぐらいの話だったら、今まで何を決めてきたんですかと。それが決まっているから、今この予算の中で話ができることというのがきっとあると思うんですね。そうじゃなかったら、新規事業で暫定予算なんかに乗せるべきじゃないんですよ。今から出せばいい話なんですよ。これはどっちに問題があるんでしょうか。今までやっていなかったことに問題があったのか、暫定予算に乗せたことに問題があったのか、所見をお伺いできますか。
◯合野国際経済観光課長 今の動きについて、いろいろなところと調整する中で、例えばJETROさんと一体的に一緒にやっていけないかとか、そういう他の機関との調整とかがいろいろ入ってきました。最大限効率的にこれをつくるにはどうすればいいかということで、若干その事情が変わってきまして、今調整しているところもあります。
◯板橋 聡委員 いや、だから調整しているとかいう話だと、全く決まっていないというのと同じなんですよね。だから、私も本当にこの話を聞いていると、とりあえず暫定を通してしまえと。通してしまって、見直しますよとか、今やっていますよ、頑張っていますと言って、責任の所在も何となくあいまいなままこの予算が通ってしまいますね。来年、場所を借りたら家賃を払わなければいけない。人も出している。協議会といっていろいろな団体を呼んじゃったと。やめられなくなると。これはきのうの農産物通商会社と同じことを話しているような気がしてしようがないんですけれども。これは全く、ずっと話していても、「頑張ります」「いや、いろいろな調整が」と。これだと全く話がかみ合わないと思うんですよね。だから、何で今これをやらなければいけないかというのと、何で暫定に乗せたのかというのが全く矛盾しているんですよ。これをはっきりさせてもらわないと、ここから先ちょっと話ができませんよ。
◯合野国際経済観光課長 確かに、予定のところで場所も含めてやっていこうというところから、例えば、どうせならJETROが一緒にやりたいとかいう話だとか、いろいろなことが来ていまして、それらの調整等で当初の予定より若干おくれぎみではあります。そういった意味では非常に、じゃあ暫定でやれていないんじゃないかという御指摘のところもございます。ただ、私としましては、これを本当に早く立ち上げるように動かなくてはいけないと思うしかございません。
◯板橋 聡委員 いや、何を言っているんですか。一番最初に言われたじゃないですか。この事業は福岡県の単独の予算で、それだけでできますと言っているんですよ。JETROなんか関係ないんですよ、極端な話をすると。今すぐできるんですよ、福岡県だけで。そのために暫定で通してあるんですから、今やっていない、やれていないということは、おかしいと思いませんか。
◯合野国際経済観光課長 やれていないのはおかしいと思いますが、ただ、効率的に、何と言いますか、さあ、つくってしまえということもございますが、私としましては、どうせつくるならやっぱりきちっとしたものをつくりたいということがございまして、ワンストップという視点で考えたとき、関係機関とかと一緒にやっていくという要素も入ってきましたので、そういうことを含めて、最大限効率的にいいワンストップセンター、本当に機能的なセンターをつくることを考え、こういう状況になっております。
◯板橋 聡委員 また繰り返させていただきますけれども、だったら通常予算の中で計上して審議をされれば、全く問題ないことじゃないですか。何で暫定予算で組んで、認められたのに何もしていないで、今になったら、いや、よく考えてと、それが全然わからないんですよ。その点に関して、これ以上繰り返しても全く同じようなやりとりになるんでしたら、これ以上話が進められないと思うんですけれども。
◯今林 久委員長 執行部に申し上げます。
板橋委員の質疑に対しては、その内容をきちんと把握した上で的確に答弁されますようにお願いします。塚元商工部長。
◯塚元商工部長 暫定予算でお願いいたしましたのは、先ほどから申しておりますように、やはりアジア市場を目指すというのが喫緊の課題だということでございます。暫定を認めていただきましたので、四月から早速活動を始めました。一番効果的に事業を進めるためにも、まず各方面との調整あるいはすみ分け、協議会設立に向けてのお互いの意識合わせ、ある程度の事前の調査、こういうものを含めまして、四月から活動しております。確かに場所につきましては、まだ交渉が調わなくて決定はしていないんですけれども、どういう考えでやるか、あるいはどういう目標を持ってやるかについては、四月から早速活動ができたものと考えております。
◯板橋 聡委員 結局、課長の言葉を部長が繰り返したとしか私には聞こえませんし、時間ももったいないですよ。何を言われているのかさっぱりわかりませんし、もし目標とかそういうのがあるなら、この概要にまずはっきり書かなければいけないと思うんですよね。そういうのもなしで、とにかくやりたい、頑張りますというだけだったら、これはきのうの農産物通商の話と全く同じで、とても私としては認められないような話だと思いますけれども、どうやって納得させていただけるんですか。
◯塚元商工部長 今るる御説明、御答弁を申し上げたつもりでございますけれども、もう一度きちんと考え方をまとめてお示ししたいと思います。しばらく時間をいただけますならば、早速調整をしたいと思います。
◯今林 久委員長 理事の方は委員長席のところにお集まり願います。
各委員はこのままお待ち願います。
〔理事集合〕
〔理事協議〕
◯今林 久委員長 議事の都合によりまして、この際しばらく休憩します。
再開は放送をもってお知らせします。
午 前 十 一 時 四 十 分 休 憩
午 後 五 時 四 十 六 分 再 開
◯新村雅彦副委員長 ただいまから委員会を再開します。
休憩前に引き続き議事を進めます。塚元商工部長。
◯塚元商工部長 予算特別委員会の貴重な審議時間を空費させましたことをおわび申し上げます。
先ほどの板橋委員との質疑の中で、県がやる意義や国内に設置する必要性について、さまざまな御指摘をいただきました。これらの御指摘を踏まえ、明確な目標設定の上、センターの運営を図ってまいります。
目標設定につきましては、三年間で四十件、総額二億円の契約を目指して努力してまいります。また、商工部長として、センターについて三年後に成果を評価し、必要な見直しを行うことといたします。
◯新村雅彦副委員長 板橋委員。
◯板橋 聡委員 ぜひ、こういう生きた税金というか、すばらしい事業にしていただくように、商工部長としても責任を持って頑張っていただきたいと思いますが、同時に、こういった事業のチェック・アンド・レビューに関しては、ぜひ知事の御意見を聞きたい。また、こういった新規事業が暫定予算の中にたくさん入っていることを小川知事自身がどういうふうに考えていらっしゃるかという御意見をぜひ聞きたいと思っておりますので、知事保留質疑のお取り計らいをお願いいたします。
◯新村雅彦副委員長 ただいま板橋委員から申し出のありました知事保留質疑を認めます。
なお、知事保留質疑は七月十五日金曜日に行う予定でありますので、御了承願います。
◯板橋 聡委員 ありがとうございます。(拍手)