平成23年度予算特別委員会質問「地域防災力強化費・避難活動コミュニティ育成強化について」

◯板橋 聡委員 自由民主党県議団の板橋聡でございます。
 第二款六項一目の地域防災強化費にあります避難活動コミュニティー育成強化費に関して質問いたしますが、その前に、昨日提出いたしております「質疑及び資料要求予定表」に基づきまして、次の資料を要求させていただきます。自主防災組織率及び数の資料、そして県内自主防災組織が現在使用している経費及びその内訳、また防災士の人数、そしてその分布(県内)、あと女性防火クラブの組織率、組織数及び活動実態、この四点を要求させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

◯今林 久委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯今林 久委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。中島消防防災課長。

◯中島消防防災課長 御要望の資料のうち一部は準備に時間を要しますので、お時間をいただきたいと思います。

◯板橋 聡委員 きのう提出しました予定表には四点書いてございます。私は一期生なので、間違うとったら丁寧に教えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。

◯今林 久委員長 理事の方は委員長席のところにお集まり願います。委員各位はそのままお待ち願います。
    〔理事集合〕
    〔理事協議〕
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については、すべて提出できますか。中島消防防災課長。

◯中島消防防災課長 提出できます。

◯今林 久委員長 資料を正副委員長に確認させてください。
    〔資料確認〕

◯今林 久委員長 資料を事務局、配付してください。
 委員の皆様に申し上げますが、資料を一枚、今直ちにコピーをしておりますので、でき次第配付したいと思います。
    〔資料配付〕

◯今林 久委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 平成二十三年度当初予算における重点施策ということで、地域防災力強化費、避難活動コミュニティー育成強化費ということで、何と約二億円の大きな予算がつけられております。これは三月十一日の東日本大震災を受けましてつけられた予算だと認識しておりますけれども、助成内容も自主防災組織の設立や避難活動の活性化に要する経費に対する助成ということで、大変大きな金額でございますので、ぜひこの事業を充実したものとしてほしいという思いを込めて、質問させていただきます。
 まず、助成限度の四百万円という、これの根拠は一体どういうものでしょう。教えてください。

◯中島消防防災課長 まずは、議事の進行に不手際がございまして申しわけございませんでした。
 限度額の四百万円の積算根拠の御質問でございます。これにつきましては、今回、自主防災組織に助成するに当たって、自主防災組織がどういう物品を必要としているかというのを調査いたしました。例えば夜間に避難する場合であれば、懐中電灯と避難者用のリヤカーですか。それからほかにいろいろなケースを考えたら、大体、一つの自主防災組織に二十万の金額があれば、今回私どもがねらいとしています要援護者の避難活動も円滑に行うことができるというので、まず二十万にしました。
 それから、県の自主防災組織の組織率は六二%でございます。六二%あたりの組織率を備えている市町村を見ますと、大体、自主防災組織の数は二十団体でございます。ですから、二十団体で一団体二十万と掛けまして、大体四百万円というのを限度にしたところでございます。

◯板橋 聡委員 二十団体、二十万円ということでございますけれども、これは四百万円の対象が一市町村になっておりまして、これは六十団体ございますが、北九州市、福岡市も交えて、市町村全部をくくるには大まか過ぎるんじゃなかろうかと思いますが、そこに関しての見解をお聞かせください。

◯中島消防防災課長 確かに、六十市町村すべてに一応二億円ということで予算を計上しているわけでございますけど、なるべく公平に自主防災組織の設立を促したいというところと、既にある程度自主防災組織の設置が進んでいるところに対する不公平感が出ないようにということを工夫しまして助成の基準をつくっていくことでございますが、四百万という金額につきましては、小さな町から政令市まで含めまして、先ほど申しましたように、平均の自主防災組織率六二%前後の市町村内の自主防災組織の数が大体二十前後でございましたので、それを掛けて四百万ということで適用したいと思っております。

◯板橋 聡委員 いや、すごいですね。先ほどの二百五十人のサンプルに近いんですが、組織率六二%前後のところって、この六十団体の中で二つか三つぐらいしかないんですね。その二つか三つのところに二十組織あったから二十万というのは、いかにもこの四百万円の根拠が薄いし、どういった考えで四百万掛け五十にして二億になっとるのかというところが非常にわかりにくいんですけれども、もう一度説明をお願いします。

◯中島消防防災課長 今申しました一市町村当たり四百万円というのは、あくまでも助成の限度の金額でございます。一市町村までは四百万円を助成の限度とするという考えでございまして、総額の二億円の積算といたしましては、自主防災組織を大体一千団体ほど設立していますので、それで二億円の積算としたわけでございます。

◯板橋 聡委員 まあ、これ以上突っ込む必要もないのかと思いますけれども、要するにこの四百万円というのも根拠がよくわからんと。課長に聞くたびに全部ころころ変わっておりますね。二億円というのも、最後に千団体で二十万でと。一自治体で四百万というのもなかなかよくわからないと。
 私が聞きたいのは、県として、この自主防災組織が一体どんな組織で、その組織の活動という実態をよく把握されているかどうかというのを知りたいんですけれども、お答えください。

◯中島消防防災課長 自主防災組織はある意味でボランティアの団体でございまして、日ごろ自主防災組織内での防火・防災訓練だとか、あるいは内部での名簿づくりだとか、それからいろいろな活性化のための会合だとか、そういう活動をされていると承知しております。ただ、実際に自主防災組織を管轄する市町村の声を聞きますと、活動しようと思っても、備品のたぐい、先ほど申しました懐中電灯だとかリヤカーだとか、そういうのを購入する余裕がなかなかないというお声を聞きましたので、今回このような事業を設けたところでございます。

◯板橋 聡委員 一つ答弁漏れがありますけれども、県として、県下にあまねくございます自主防災組織の活動を把握されているのでしょうか、いないのでしょうか、教えてください。

◯中島消防防災課長 県内全部となりますと、自主防災組織率という数値を出すことで把握しているというお答えになるかと思います。

◯板橋 聡委員 そういう意味では、一体それぞれの組織が何を必要としているかというところに関しても、把握がやはり足りないんじゃないかと思われても仕方ないと思います。ですから、その四百万の根拠に関してもちょっと疑わしいところがあるのかなと。
 そこは置いときまして、今、自主防災組織というのは県下に幾つあって、その中で地元行政区とか校区の自治会が役割を担っている場合が非常に多いと聞きますけれども、その割合は一体何%か、これを教えていただけますでしょうか。

◯中島消防防災課長 自主防災組織、県内全体では組織の数が三千七百六十六団体ございます。その内訳でございますが、町内会が三千三百九、それから小学校区が四百三、その他が五十四という内訳になっているところでございます。

◯板橋 聡委員 つまりは、地元行政区あるいは町内会、こういったところがほとんどだということだと思います。実はいただきました資料で自主防災組織率を見ますと、何と私のふるさと、みやま市は一〇〇%。すごいなと思ったんですが、私は自治会とか行政区の集まりによく顔を出しているんですけれども、自主防災組織であるという認識は全くございません。では何かといいますと、これは結構、地元の行政区の自治会みたいなのがすなわち自主防災組織という充て職みたいな形で名前をかりてやっておって、余り周知徹底した動きが行われていないということではないかと思います。そういったところを県としては認識していらっしゃいますでしょうか。

◯中島消防防災課長 自主防災組織、母体としては自治会なり町内会、行政区ということでございますが、これはその自治会なら自治会の規約の中に、ちゃんと自主防災組織の役員とか活動内容をうたい込んだ団体を統計上は自主防災組織と考えるということで全国的な比較ができるようになっておりますので、基本的には母体としては自治会でありますけど、そういう議論なり、皆さんの総会なりの了解があって、自主防災組織が結成されているものと理解しております。

◯板橋 聡委員 ちょっとお話を聞いていてもなかなか把握されていないのかなと。というのが、防災士というのがいらっしゃいますね。防災士の活動状況等に関しての資料が出ておりますけれども、これは防災士の人数と県内の分布を教えていただきたいということでお願いしたんですが、この分布が出てこないのは何でですか、教えてください。

◯今林 久委員長 執行部に申し上げます。板橋委員の質疑に対して、その内容をよく理解した上で、的確に、簡潔に答弁されるようにお願いいたします。

◯中島消防防災課長 申しわけございません。分布については把握しておりませんでした。

◯板橋 聡委員 そうなりますと、防災士の活動状況などで、「地域社会や企業の組織において、自主的な防災活動が行われる場合のリーダー役ないしコーディネーター役を果たしている」と書いてございますが、これはどなたが書かれたんでしょうか。

◯中島消防防災課長 うちの課の中で手分けして調査いたしまして、私が最終的にはこれで認めてお出しした資料でございます。

◯板橋 聡委員 つまり、これは把握していないものが書かれているということでよろしいですか。

◯中島消防防災課長 私自身が市町村なりに聞いたというわけではございませんので、そういう意味での把握というのであれば、私は把握していないというお答えになります。

◯板橋 聡委員 この件でここまでこういうふうな話になるとは思っていなかったんですよ。もっと簡単なことで、やはりこれだけ二億円の予算をつけてやる、すばらしいことだと僕は思っているんです。やるならば、ちゃんと実態を把握して、どういうものが足りなくて、こういうことをやりますということを言ってくれないと。この二億円はただのばらまきということでよろしいですか。

◯中島消防防災課長 実際に市町村の声を聞きますと、自主防災組織は地域のかなめでございますので、それを県としても支援したいという気持ちで組み立てた制度でございます。確かに今、実際を把握してないんじゃないかという御指摘がございますけど、これは市町村を通して交付しますので、そこら辺はきっちり市町村のヒアリングを通しまして実態を把握して、仮に予算をいただければ事業は実施したいと考えております。

◯板橋 聡委員 とにかく把握していないんだけど、この金額で「えいや」でつくったという認識だと思います。実際、防災士というのは県で認証しているものも一部ございます。そういった意味ではしっかり把握していただきたいというのと、やはりこういった予算をつくるときには現場の声を、今わかっていると言われたけど、本当はわかっていないということじゃないですか。
 そういう意味で、私は初めてこういう場に立って、一般質問で言いましたけども行政経験も政治経験もないのでわからないんですが、こういうふうな回答が返ってくるものなんでしょうか。よくわからないんだけど、とにかくこういうふうなものをつくって、何か見ると立派なので、おお、すごいなと思うんですけれども、こういうあやふやなものを回答として、我々は一期生でございましても住民の代表でございます、その人間に対してこういう資料を出すのでしょうか。これは部長のほうから答弁をお願いします。

◯今林 久委員長 山野総務部長。

◯山野総務部長 資料につきましては不手際がありました。事前にお話をお伺いして、分布について正確にお答えすべきところでございました。
 ただいまの避難のコミュニティーの助成事業につきましては、今回初めてこういう事業に取り組むわけでございますが、御案内のとおり、県も市町村も地域防災計画をつくっております。実は現場を預かるのは市町村でございます。基本的なスタンスは、県がその市町村をどうやって助けていこうかと。したがいまして、避難の現場を最も預かるのは自主防災活動をやっている組織でございます。これを市町村は一生懸命広げていこうとしています。今回そういう意味では、私どもは初めて自主防災組織に対する支援ということで、市町村単位で助成しようということで始めました。その心は、やはり避難をしっかりやってもらいたいということでございますので、具体的な内容につきましては、この予算、いろいろと御意見をいただいておりますので、内容を詰めながら執行する必要があると思っております。

◯板橋 聡委員 町の声をしっかり反映させるということであれば、しっかりとまず現状を把握していただきたいと。
 時間も大分たってきましたので、一つだけ言いたいのが、先ほど防災士の話をしましたけれども、地域のコミュニティーで自治会とかがやっている場合、非常に年齢が上の方とかがやっていて、なかなか実際ワークしていないと。やはり防災士のような、ちゃんと思いを持って自分で資格を取りにいく人が活動できるような仕組みをつくるべきじゃなかろうかと。リーダーないしコーディネーター役を果たしていると言いますけれども、彼らに今、何らかの公的な身分を保障する立場をお与えに、市なり県なりがしているでしょうか。教えていただけますか。

◯中島消防防災課長 公的な身分と申しますより、市町村に防災士がおられますので、市町村のいろいろな事業なりに防災士の方を活用していただくということで、県のほうでは事業を行っております。例えば今回の自主防災組織の事業につきましても、先ほど部長が申しましたとおり、実際に避難訓練を行う実働ということをメーンにしておりますので、その際には知識がある、あるいは手腕がある地元の防災士を使うようにという形で、市町村のほうには働きかけていくつもりでございます。

◯板橋 聡委員 ただ、具体的には何ら役割、立場というかですね、消防団みたいな方は準公務員という形でしっかりと立場を与えられていますので、その意識も高く、しっかりと町の防災を守らなければという認識があられると思いますけれども、防災士なんかを使っていこうというときは、ぜひそういったものを与えていただくということを検討いただきたいと。
 もう一点、今コミュニティーという意味では、東北大震災で消防団の重要性が再認識されております。しかし、あくまでも消防団というのは前線部隊でございます。一方、災害時に炊き出しとか近所の安否情報などを行う補給部隊、管理部隊的役割も非常に大事なものだと思っております。過去は地域の婦人会なんかがそういった役割を担える組織でしたけれども、昨今、共働きとか、近隣との交流が少なくなったとかいうことで、女性の地域に根づいた組織というのがかなり壊滅状態で、田舎のほうでも大分壊滅してきているような状態でございます。
 コミュニティーの防災力強化という意味で、防災士も含め、こういった女性の後方支援部隊のようなところも含めて、県として支援をしていこうというお考えはございますか。

◯中島消防防災課長 県内は市町村によりましては女性防火クラブという組織がございます。これは、例えば災害の折には炊き出しを行うだとか、あるいは住宅用火災警報機の普及・啓発を行うという組織が市町村にございましたので、県といたしましては、地域の防災力を高めるには非常に戦力になるという判断から、平成十九年に県全体の統一組織、福岡県女性防火クラブ連絡協議会を設立いたしまして、今まで各市町村ごとで活動していた女性防火クラブを一応県内組織にまとめ上げて支援を続けているところでございます。

◯板橋 聡委員 済みません、これは全く同じで、またループになってしまうんですけれども、だから女性防火クラブの活動に関して県内の数と組織率を教えてくれと言ったんですけど、それもないということは、女性防火クラブに関してもちゃんと把握をしていないということでよろしいですか。イエスかノーかでいいです。

◯中島消防防災課長 女性防火クラブの組織の状況ということで配付資料は用意していたんですけど、お手元に届いていなければ私どもの不手際です。申しわけございません。

◯板橋 聡委員 大分平行線をたどってしまいましたけれども、とにかく自主防災組織の中で何らかの役割をしっかり与えていかないとモチベーションも上がらないと。いつ起こるかわからない災害に対して備えるときは、そのモチベーションをしっかり上げないといけないという意味では、今意識のある、そういった方たちに対してしっかりと役割を与えていただきたいと。助成金も大事ですけれども、仏つくって魂入れずじゃだめだと。
 私は総務委員会でございますので、ここであんまりきゅうきゅうやってもしようがないんで、一年間たってどのようなことが結果として出たかというのを、これは部長、しっかりと報告をしていただけますでしょうか。お答えください。

◯山野総務部長 防災士、女性防火クラブ、いずれも地域の避難なり防火・防災活動をどのようにするかということで極めて重要な点でございます。私どもとしては、市町村を通じながらしっかりと現場を把握して、しっかりと事業ができるように努めてまいりたいと思います。

◯板橋 聡委員 そのしっかりとが、本当にちゃんとしっかりとしていただけることを見守るということをお伝えしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)