平成25年度予算特別委員会質問「子育て支援・県と企業の包括協定について」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。私ごとではありますが、私は子育て真っ最中で、本日は長男、長女の幼稚園の卒園式でございます。議員というのは因果な仕事で、私はここにこうしているわけでございますけれども、かくなる上は、県民のためにしっかりと仕事をいたしますので、執行部の皆さん、心して御答弁ください。
 まずは、子育て支援についてお尋ねをします。
 県が推進する子育て応援の店というものがあります。私の地元のある美容院も子育て応援の店に加盟しております。そこは、店舗の二階にキッズコーナーを設け、地元の子育てサークルと連携したりして保育士を配置し、充実した託児サービスを行っています。子育てで忙しい女性も安心して来店し、ゆっくりとサービスを受けて心身ともにリフレッシュすることができて、大変好評です。また、我が家も親子で何度もお世話になりました。
 子育て応援の店はいろいろな形態があると聞いておりますが、このような特徴ある事例をもっと他社に参考にしてもらったり、努力、工夫をしている店へのインセンティブとして積極的に県民に対し広報したらいかがでしょうか。

◯原口剣生委員長 大田子育て支援課長。

◯大田子育て支援課長 子育て応援の店では、ミルクのお湯の提供や託児サービスなどの「やさしいサービス」や、キッズスペースの設置などの「便利な設備」、商品の割引などの「おトクなサービス」など、それぞれの店舗が取り組むことができるサービスの提供を通じて子育て家庭を応援していただいております。これらの取り組みは、子育て応援の店のホームページで紹介をしており、また、県の広報番組や子育て情報誌などを活用した広報にも取り組んでおります。今後、子育て応援の店の登録や利用のさらなる拡大を図るため、特徴的な取り組みなどについて、子育て応援の店のホームページを初め、県のさまざまな広報媒体を活用して紹介をしてまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 県の施策を見ていますと、就労を軸とした女性の社会参加支援が充実しているように感じます。しかしながら、育児などのために家庭に入ることを選択した女性にもさまざまな形での社会参加があります。例えばPTAや自治会の会合に出席したり、公民館活動のお手伝いをしたり、勉強会や講演会に参加することも立派な社会参加です。その際、未就学児がいると、専業主婦であるがゆえに、逆に託児の問題が発生します。未就学児を子育て中の就労していない女性を支援する制度にはどのようなものがあるかをお教えください。

◯大田子育て支援課長 働いている、働いていないにかかわらず、子育て家庭を支援していくことは重要な課題であると認識をいたしております。子供を一時的に預かる事業といたしましては、保育所や子育て支援センターなどで子供を一時的に預かる一時預かり事業がありまして、今年度、四十八の市や町で実施されております。また、子育てのサポートを受けたい人とサポートをしたい人が会員となって相互に託児などを行うファミリー・サポート・センター事業につきましては、二十八の市や町でサービスが提供されているところでございます。

◯板橋 聡委員 一時預かりやファミリー・サポート・センターは、都市部では実施箇所も多く利用しやすいでしょうが、みやま市や八女市のような田舎には余りないですよね。子育てしやすい社会づくりのために、文化行事やセミナーなど、子育て家庭が参加する行事の場に託児コーナーを設置することが必要ではないかと思います。最初から全ての講習会、講演会でとは言いませんけれども、ここはまず県が率先して実施してみてはいかがでしょうか。県主催の講演会などでの託児コーナーの設置状況はどうなっていますか。また、今後の方策をお答えください。

◯大田子育て支援課長 今年度は、福岡県子育て応援宣言企業四千社突破!大会、あるいは青少年アンビシャス運動シンポジウムなど、県主催の九つのイベントなどにおいて託児コーナーが設置されております。今後とも、子育て家庭からたくさんの参加者が見込まれる県主催のイベントなどについては、担当部局に対して託児サービスの実施について働きかけてまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 また、逆の視点で、民間を含め各種団体が子育て世代の母親向けに勉強会、イベントを行おうとしても、託児の問題が横たわって開催に大変苦労されているのです。例えばPTAの勉強会のような地域の会合における託児コーナーの設置促進について、県として何とか取り組みができないのでしょうか。

◯大田子育て支援課長 先ほどお答えいたしました福岡県子育て応援宣言企業四千社突破!大会など県のイベントでの託児の取り組み事例について、まずは市町村に対して積極的に紹介をしてまいりたいと考えております。
 また、県では、高齢者がその豊かな経験や知識を生かして地域の子育て支援の現場で活躍していただく仕組みとして、今年度、ふくおか子育てマイスター制度を創設し、現在二百七十七名を認定しているところでございます。イベントなどにおける託児サービスの提供に当たっては、ぜひマイスターを活用していただくよう市町村を含め関係団体などに働きかけるとともに、マイスターが地域で活動しやすい仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 就労、未就労にかかわらず、全県的に子育てしやすい社会をつくることは地方の少子化問題の解決策にもなると思いますので、市町村への働きかけ、そしてマイスター制度、これは新しくできた制度ですけれども、この仕組みづくりも含め、これからしっかり子育て支援課には頑張っていただきたい。
 高橋部長、部としてもしっかりサポートしていかないといけないと思いますので、決意をお聞かせください。

◯原口剣生委員長 高橋福祉労働部長。

◯高橋福祉労働部長 仕事と子育ての両立支援、あるいは地域において子育て支援を一体的にやっていくということは、委員が御指摘のように、少子高齢化が進展する我が国におきまして、市町村はもとより県といたしましても、そういうことを進めていくことが大変重要な課題であると認識しております。そういった点を十分に踏まえまして、これまでも子育て応援の店ですとか子育て応援宣言企業の拡大をやってまいりましたし、さまざまなイベントにおいて託児サービスの導入を働きかけてまいりました。それから、今年度から実施しておりますマイスター養成、ぜひいろいろな市町村だけではなく民間企業にも、このマイスターさんを活用していただく、そういうことをこれからも積極的に進めながら、子育てを支援できるような地域社会をつくってまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 次に、ローソンとの包括協定についてお伺いいたします。
 先日、ローソンと福岡県が包括協定を締結したとのプレスリリースがありました。私は、昨年六月議会及び決算特別委員会にて県と企業の包括協定についてさまざまな角度から問題点を指摘いたしました。にもかかわらずこれでは、二元代表制の一翼を担う議会を軽視しているように感じます。ローソンとの協定締結の経緯を御説明ください。

◯原口剣生委員長 重松社会活動推進課長。

◯重松社会活動推進課長 経緯でございます。昨年六月にローソンから包括協定の提案を受けましたが、議会でちょうど議論の最中でありましたことから凍結をしておりました。その後、十一月下旬に庁内での協議を始めまして、三月十三日に協定の調印に至ったところでございます。

◯板橋 聡委員 十一月下旬に庁内協議を開始されたということですから、私が六月議会及び決算特別委員会で問題点を指摘した後の協定締結と理解いたしますけれども、どう反映されたのでしょうか。

◯重松社会活動推進課長 今回の提携の協議に当たりましては、コンビニの特徴でもあります地域に密着した数多くの店舗があること、二十四時間の営業をされていること、若者の来店者が多いこと、こういった特徴を県として最大限に活用できるような提案を行いまして、県民サービスの向上あるいは本県の特性を生かしました地域の振興に資するような協議を進めてきたところでございます。

◯板橋 聡委員 イオンのときと余り変わらないことを言われているように聞こえるんです。ずばり、イオンのときのような、個別の電子マネーカード会員に加入させて、その売り上げに限る寄附などという、県の私企業に対する公平性、公正性を損なうような内容は入っているのでしょうか、いないのでしょうか。

◯重松社会活動推進課長 そのような寄附はございません。

◯板橋 聡委員 少なくともその点は改善が見られることがわかりました。
 一方で、ローソンは三大コンビニチェーンの一つです。小川知事は、活力ある経済と雇用創出のためには中小企業の活性化が必要とおっしゃっています。県内企業の九割を占めるのは中小企業です。にもかかわらず、県が包括協定を締結するのはイオン、ローソンという地元商店街を圧迫している大企業ばかりです。中小企業に対しての配慮はないのでしょうか。

◯重松社会活動推進課長 コンビニチェーンの基本的な業態はフランチャイズでございます。県内のローソンの店舗の大半は、それぞれが地域に密着して活動しておられる小売店の経営者さんでございます。今回の協定はコンビニチェーンの運営会社でありますローソンと締結をするものですけれども、協定に基づく具体的な取り組みにつきましては、地域での社会貢献に資するよう、主に各店舗が取り組んでいかれるものであると認識しております。

◯板橋 聡委員 ちょっとピントがずれているような気がするんです。地域に根差した地場の企業に対してどういう配慮があるのかということをお答えください。

◯重松社会活動推進課長 県内の中小企業の皆さんが社会貢献活動に取り組みやすくなるように、企業向けに社会貢献の活動事例を紹介いたしましたメールマガジンを開始したいと思っております。また、業種、事業所の規模の大小にかかわらず、企業が社会貢献に取り組めるようにという思いから、現在、NPOと企業との協働のさまざまな取り組み事例を県内外から情報を収集しているところでございます。社会貢献活動に関心を持っていただいています企業さんに対しまして、こういった情報を積極的に提供してまいりたいと思っております。

◯板橋 聡委員 私はメールマガジンが余り好きではないんです。なぜかといえば、これは一方的な情報の垂れ流しのような気がするからです。それだけで中小企業にも配慮していますとはとても言えないのではないかと思います。もっと県として地域に出ていって中小企業と膝を突き合わせて情報交換を行うとか、そういった汗のかき方もあるのではないかと思いますけれども、いかがでしょう。

◯重松社会活動推進課長 中小企業家同友会におきまして新しく研修会を開催しようと思っております。この同友会の中に、平成二十三年、NPO交流・ソーシャルビジネス特別委員会という部会が設置されまして、ここで社会貢献等についてさまざまな勉強を行われるとお聞きいたしておりますので、そこに出かけていこうと思っておりますのが一つです。
 それから、県内各地に出向きまして、社会貢献活動に対する地場企業の皆さん方の理解を深める取り組みを行い、企業による社会貢献活動の裾野を広げていきたいと思っております。まずは、福岡県商店街振興組合連合会の協力を得まして、県内各地で社会貢献活動の意義や方法について御説明申し上げようと思っております。

◯板橋 聡委員 中小企業に対する情報提供の働きかけ、取り組みを頑張っていこうという気持ちはよくわかりました。ただ、これは抜本的な中小企業に対する対応にはなかなかできないのかなと。これはぜひ継続して努力をして、中小企業の方に福岡県は頑張っているなと思っていただけるようにしていただきたいと思います。
 ところで、視点を変えまして、福岡県はよく支店経済都市と呼ばれておりまして、大企業の支社、支店が多数存在しております。私自身も、議員になる前は某企業の九州支社で転勤族として勤務しておりました。そのときに漠然と感じたのは、大手企業に勤務していると、会社に対する帰属意識は物すごく強いのですけれども、居住地に対する帰属意識は薄い場合が多いということです。事実、私の周りの社員、特に転勤した方は、地元自治会や公民館の活動に興味が余りなかったんです。地域振興より会社の業績なのです。当たり前といえば当たり前ですけれども、それでは行政としては寂しい部分もございます。
 地方自治の最小単位は地域の行政区です。その中において、昨今の住民の自治会離れは、議会などでも議題になっておりましたけれども、大きな行政課題だと認識しております。例えば、ローソン社員の自治会加入を促すことを協定に盛り込んだらいかがでしょう。

◯重松社会活動推進課長 この協定は、県とローソンが互いの業務について連携をするものでありますので、社員個人の取り組みにつきましては協定に盛り込むことは考えておりません。

◯板橋 聡委員 ただ、包括協定を結ぶときに、全庁的にローソンと取り組むときに何ができるかをヒアリングされたということも聞いております。直接的には自治会の加入とかに関してはそちらの部署の所轄ではないかもしれませんけれども、こういった提案はほかの部署から出てこなかったのでしょうか。

◯重松社会活動推進課長 庁内からそのような提案はございませんでした。

◯板橋 聡委員 今回の包括協定について、最初に重松課長が地域の振興に資するように協議してきたと言われております。もっと積極的に取り組むべきだと思うのですけれども、長谷川部長、いかがでしょう。

◯原口剣生委員長 長谷川新社会推進部長。

◯長谷川新社会推進部長 御指摘のとおり、町内会といった地域のコミュニティーにつきましては、防犯あるいは防災を初め、地域が抱える課題に対応していくためには大変重要な存在であると認識しているところでございます。私たちも、先ほどローソンの社員に対する御指摘がございましたけれども、こうした皆さんにも、こういう思いを持っていただいて、地域コミュニティーの活動に積極的に参加していただきたいという思いはございます。こうしたことから、ローソンに対しましても投げかけを行っていきたいと思います。

◯板橋 聡委員 ローソンに限らず、これから新たに包括協定を大企業と結ばれるかもしれませんけれども、そのときや、あるいは協定の更新の際に同様の投げかけを行っていただけませんでしょうか。

◯長谷川新社会推進部長 機会を捉えまして同様の投げかけを行いたいと思います。

◯板橋 聡委員 一歩踏み込んだ回答をいただきました。もちろん、企業に対して強制できるものではないということは私もわかっております。ただ、このような働きかけにより、大企業の社員の方も自治会活動を通じて地域に根づいた中小企業の方と同じ目線で地域活性化への意識を持ってもらえるとするならば、これは真に地域の活性化に資する包括協定になると思います。我々議会としても、ぜひ応援したいと思います。
 逆に言うと、そんなことも理解せずに包括協定による地域の活性化とか言う企業はおためごかしです。だから、新規の包括協定なり既存協定の延長の際は、先ほどの答弁にもありましたとおり、ここをしっかり見きわめて、今後とも新社会推進部は真に地域の活性化に資する共助社会づくりを目指していただきたいと思います。
 最後に、長谷川部長の決意をお聞かせください。

◯長谷川新社会推進部長 少子高齢化の中で、あるいは人口が減少していく将来像を考えますと、地域におきまして、行政だけではなくて、いろいろな主体が共助社会づくりを推進していただくということが極めて重要であると私は思っております。そういう意味では、最終的な目的である地域振興のために、地場の中小企業等にも十分に意を用いながら、幅広い企業や団体が行政やNPO、ボランティアなどと連携してまちづくりを進めていく、こういうことにしっかり取り組んでまいりたいと思います。今後とも、社会貢献活動に幅広い企業や団体の参画を求めまして、さまざまな取り組みを着実にやっていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)

平成25年度予算特別委員会質問「実態に即した自殺対策」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。
 本日は、実態に即した自殺対策をテーマに質問いたします。
 昨年十二月二十三日、大阪市立桜宮高校バスケットボール部の男子生徒が、顧問から受けた体罰とは到底表現できないような暴行の果てに自殺しました。一月八日に市教育委員会が自殺と体罰の存在を公表すると、この問題は体罰問題を軸にセンセーショナルに報道されました。その後、橋下徹大阪市長が出した桜宮高校体育学科の入試中止方針をめぐり、マスメディアやネットなどを巻き込んでの国民的大論争が巻き起こりました。一月十八日には、「私が死ねば在校生は救われるのでしょうか」という自殺をほのめかす電話が市教委に入ったと報道があり、そして、二月十五日、同じく大阪府大東市の小学校五年生が自分の小学校の統廃合に反対して飛び込み自殺、現場には「どうか一つの小さな命と引きかえに統廃合を中止してください」と書いてあったそうです。
 私は、平成二十三年七月の予算特別委員会において指摘しました世界保健機構(WHO)が公表しています自殺予防メディア関係者のための手引にあるガイドライン、具体的には、自殺の報道を過剰に繰り返し報道しない、自殺をセンセーショナルを扱わない、問題解決法の一つであるかのように扱わないというものが全く守られていない結果、こういう悲劇の連鎖を引き起こしたのではないかと思えて仕方がありません。そこで質問です。
 自殺に関する過剰報道が他の自殺を誘発するという問題について、私の予算特別委員会での指摘以降、どのように検討して対応されたかお答えください。

◯原口剣生委員長 飯田こころの健康づくり推進室長。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 自殺の報道に関してでございますけれども、二十三年七月の委員からの御質問後の対応でございますが、平成二十四年二月の自殺対策推進協議会、これは関係団体、あるいは県の関係機関等が一緒になって自殺対策を総合的に推進していくための体制でございますけれども、この協議会におきまして、自殺の報道のあり方に対する取り組みについてマスコミの委員等からも意見をいただきまして、その際の議論を踏まえまして、平成二十四年三月に先ほどお話がございました手引を県政記者クラブ、それから、県警記者クラブに提供をいたしまして適切な報道のあり方について周知を改めて図ったところでございます。また、同様の手引については県のホームページにも登載をいたしました。加えまして、マスメディアに対する適切な報道について、国に対して県としても要望をしたところでございます。

◯板橋 聡委員 引き続き、ぜひマスメディアや国に対して強力に働きかけをお願いいたします。
 また、一方で、こういうセンセーショナルな自殺、有名人の自殺を含め、そのような報道があった場合に、生徒を保護する観点からも、テレビなんかは全国ネットで放映されていますので、福岡県だけの働きかけではなかなかうまくいかないところがあると思います。そういった観点から、適切な処置がとられるよう学校側、つまり教育庁なんかと連携が必要だと思いますけれども、所見をお聞かせください。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 先ほどお話をいたしました自殺対策推進協議会には、教育庁の担当部局も参画をしております。その場を通じまして連携をしながら対応をしているところでございます。
 教育庁におきましては、学校における自殺対策といたしまして、国が作成いたしました自殺防止マニュアルを活用した研修の実施や教育相談体制の充実を図っているところでございます。また、知事部局といたしましても、来年度、平成二十五年度には教育庁と連携をいたしまして教職員等を対象としたゲートキーパー養成研修等を実施することを検討しているところでございます。

◯板橋 聡委員 ぜひタイムリーな対応が必要だと思いますので、それも引き続きどういう体制がとれるかというのを検討していただければと思います。
 自殺対策の難しさは、亡くなってしまった方から直接話を聞くことができないという点にあると思います。ここで通告しておりました資料「自殺実態白書二〇一三」を要求させていただきたいと思います。委員長、お取り計らいのほどをお願いいたします。

◯原口剣生委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯原口剣生委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。飯田こころの健康づくり推進室長。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 直ちに提出いたします。

◯原口剣生委員長 正副委員長に資料を確認させてください。
    〔資料確認〕

◯原口剣生委員長 それでは、資料の配付をお願いします。
    〔資料配付〕

◯原口剣生委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 資料に関して簡潔な説明をお願いいたします。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 ただいま提出いたしました資料は、自殺対策活動の促進を目的に全国で活動しておりますNPO法人自殺対策支援センターライフリンクというところが、自殺の実態解明を目的に、自殺者五百二十三人とその遺族五百二十三人を対象として調査をして「自殺実態白書二〇一三」として取りまとめをしたものの抜粋でございます。
 まず、一枚目でございます。資料プロジェクトチームが認定した自殺の危機要因でございます。これは調査によって明らかになった自殺の要因についての資料でございます。これによりますと、自殺の危機要因となり得るものが六十九あるとされております。囲みの中にその具体的な要因を七つの区分に分類をしております。括弧の中の数字は自殺に至った要因として抱えられた件数で、健康問題が最も多く、続いて経済・生活問題、家庭問題となっております。
 続きまして、二枚目の資料でございます。自殺の危機経路の事例でございますけれども、これは自殺要因から自殺に至る経過の事例を説明したものでございまして、非雇用者、自営者、学生などの属性によって自殺に至るまでの経路にある一定の規則性があると分析されています。囲みの中に事例として掲げられておりますが、属性によってさまざまな経路をたどっているものの、いずれの場合にも鬱病が大きな要因としてかかわっております。
 三枚目は、その経路をやや具体的に示したものでございまして、例として自営業、それから、みずから起業の危機要因の連鎖図でございます。そこに記載しておりますように、さまざまな要因が重なって最終的に自殺に至ったというのを要因ごとの連鎖という形で分析しておりますけれども、自営業者の特徴といたしましては、自殺に至る年月が他の属性の方々よりも二年と短いということでございます。
 以上でございます。

◯板橋 聡委員 この白書は五百二十三人の自死遺族に対して平均二時間半、最長八時間もの聞き取り調査を行い、四百八十八項目の調査分析を行ったということでございまして、私も非常に示唆に富んでおると思っております。まず、自殺を誘発する危機要因を洗い出して、その危機要因が属性、職業等々によって一定の規則性があると分析をされております。
 ところで、福岡県は、自殺防止の取り組みとして、早期発見、早期治療のために、体制強化として地域における見守り体制、つまりゲートキーパーの要請を一丁目一番地に上げておられますけれども、ゲートキーパーというのはなかなか耳なれない言葉でございます。どのようなものか、具体的な役割とあわせて教えてください。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 ゲートキーパーと申しますのは、日本語で申しますと門番でございまして、地域における周囲の気づきを高める取り組み、悩みを抱えている人に気づき、必要な支援につなげるという人材でございます。自殺というのは、いろいろな悩みを抱えた上で追い込まれた末の死ということでございますので、悩みを抱えた人に少しでも多くの方々が気づくということが自殺を防止する上で非常に重要なことではないかという認識のもとで、そういった悩みを抱えた方々の周囲の方々に気づきを促すためのゲートキーパーとしての役割を担っていただくということで、人材養成の研修等を実施しているところでございます。

◯板橋 聡委員 具体的にはどのような方を対象に養成されているんでしょうか。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 これまでの取り組みといたしまして、昨年度までに三千四百八十五人の方々を対象とした研修を行いました。そこに参加していただいた方々といたしまして、民生委員、それから市町村の職員等、あと、福祉の関係の方々を対象として実施をしてきたところでございます。

◯板橋 聡委員 これは、そういった特殊な職業の方以外に一般の方の啓蒙も含めて広く養成したいということでよろしいでしょうか。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 先ほど申しましたけれども、なるべく一人の多くの方々が周囲の異変に気づくということは、国の自殺総合対策大綱にも書いておりますので、そういった形で進めていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 努力されているのはよくわかりました。
 先ほど、室長のお言葉の中で、ゲートキーパーの役割でまず多くの方が気づいてあげることが必要だということが上げられておりました。つまり自殺のサインを見逃さず、話を聞いて的確に専門家を紹介し、見守るということなんだろうと思いますけれども、気づかないことにはどうしようもないんですよね。ところが、先ほどの自殺実態白書の中にも書いてございましたが、自死遺族全体の五八%の方は自殺のサインがあったと思うと回答されておられるんですけれども、このうち何と八三%の方は、当時、つまり自殺される前にそれがサインだとは気づかなかったとおっしゃっておられます。亡くなられた後になって思い返せば、あの深いため息がひょっとしたらそのサインだったのかなとか、振り返ればあれかと気づけるのですけれども、それでは亡くなってしまって遅いということだと思います。
 ここで、先ほどお配りした資料の二枚目にあります自殺の危機経路の事例をごらんください。
 括弧囲みの中なんですけれども、自殺に至るまでの危機要因というのがいろいろな職種別に書いてございますが、特徴的な文字が浮かび上がってきます。私はちょっと注目したのは、やはり多重債務、自営業や失業者、あるいは無職のところで出てまいります。あと、家族との死別です。これは、10)番のところだけ出ておりますけれども、一枚目の資料を見てみますと、家庭問題の中でも家族との死別、自殺であったりだとか、その他足した数というのはなかなかの数になるのかなと思っております。
 そこで考えられますのは、多重債務者は債務整理のために弁護士とかあるいは司法書士にわらをもすがる思いで相談に伺うわけです。あと、家族と死別された方、私も昨年祖母を亡くし、葬儀社の方に大変お世話になったんですけれども、本当に葬儀社の方に親身に相談をいただいたり、いろいろな銀行口座の件はこうしなさい、この手続はこうしなさいということで的確な指示を与えていただいて本当に頼もしく見えます。そういう自殺の危機要因を抱える、あるいは抱えている可能性のある、しかも物すごい岐路に立っていらっしゃる可能性がある方とかかわる職種の方、つまり先ほど言いました弁護士の方だとか、司法書士の方だとか、葬儀社のそういった窓口の方だとか、こういった方がゲートキーパーとしての訓練を受けたり、また、医療とか福祉とか心理学、こういった分野の方と、これは危ないな、これは精神的にやばいんじゃなかろうかというときに、的確な連携がとれるように体制が築ければ、漠然とゲートキーパーをふやそうという事業展開よりさらに効果を上げることができるのではないかと思いますけれども、所見をお聞かせください。

◯飯田こころの健康づくり推進室長 今、御指摘がございましたように自殺対策、特に一般的なものからリスクの高い方々への重点的なシフトという形で進めております。具体的には、中高年対策としてのメンタルヘルスの講習会であるとか、今、お話がございましたような多重債務相談会での保健師派遣による相談会の実施、それから、先ほど、資料の説明の中でも申しましたけれども、自殺と関係が深いと考えられている鬱病対策といたしまして、かかりつけ医と精神科医との連携対策の構築、それから、もう一つのハイリスク対策として、自殺未遂者の方が再度企図するという可能性が非常に高いというデータがございますので、そういった未遂者に対するケアといったものを推進してきているところでございます。
 御指摘のようなゲートキーパーの養成に関しましても、やはりリスクの高い方々にかかわる方々を一人でも多くゲートキーパーとして養成していくことが必要であると考えておりまして、今年度からはハローワークの職員、それからケースワーカー、ホームヘルパー職員などに対象を拡大をして実施をしてきたところでございます。平成二十五年度におきましても、先ほど述べました教職員、あるいは薬剤師などに対象を拡大をして実施していきたいと考えております。関係機関の協力を得ながら進めてまいりたいと考えております。
 悩みを抱えて追い込まれた自殺のリスクの高い人の周辺にいる人を幅広くゲートキーパーとして養成をしていくことが非常に効果的であると考えておりますので、その際、どのような団体と連携をしていくのかというのは、関係機関との意見も聞きながら考えたいと考えています。

◯板橋 聡委員 ぜひ、いろいろな可能性を探って、効果が最大に上がるような事業運営をしていただきたいなと思います。
 先ほども述べましたけれども、亡くなってしまった人の胸のうちを知ることはできません。ですから、きょうのやりとりで新たに踏み出される一歩が果たして正しいのかどうかというのは誰もわからないと思います。そういう意味では、執行部はもとより私ども議会側も自殺対策については常に謙虚な姿勢で向き合い、効果を確かめながら最善の策を探し続ける努力を忘れてはならないと思いますけれども、ぜひここは山下部長の決意を最後にお聞かせください。

◯原口剣生委員長 山下保健医療介護部長。

◯山下保健医療介護部長 自殺を減らしていくということは、私ども保険医療介護部の仕事の第一番目にあるのではないかと私自身は思っております。これまでいろいろな対策に取り組んでまいりましたけれども、御指摘がございましたように、最近では県民一般を対象とした対策ということから、いわゆるハイリスク者を中心とした対策に変えて取り組んでいるという状況でございます。今後ともハイリスク者を中心としてより効果的な対策となるように、先ほど話がございました白書、あるいはよその県の先進的な取り組みなどを含め、専門家の意見なども参考にしながら対策に知恵を絞ってまいりたいと思っております。

◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)

一般質問終了、議場での黙祷

昨日、無事一般質問が終了しました。今回はみやま市の木蝋や天然樟脳を例に、伝統産業の維持・振興をテーマに質問を致しました。
録画中継は3月15日頃からこちら(click!)で公開されます、また正式な議事録が上がってくるまでは質問原稿をこちらに公開しておきます。

特に今回問題視したのは、「存亡の危機にある伝統産業を県として把握する仕組みが無い」「伝統産業について広範な部署が様々な政策で関与しているが、それを取り纏めする窓口が無い」の2点でした。

知事からはそれらに対し

(1)現在ある特産民工芸品の指定制度を活用して、希少性の高い伝統産品の実情把握を行う。
(2)伝統産業の維持・振興は今まで広範な部署が政策目的に応じて支援を行っていたが、新たに商工部中小企業振興課を窓口にして各部署との連携を図り、伝統的な産品の支援に努める

と回答を頂きました。特に窓口を作って頂いたのは大きな進歩だと思います。今までは市町村や担い手の方が伝統産業の維持・振興の相談を県にしようにもどこに相談して良いか分からなかった問題が解消されます。また伝統産業に対する事業を行っている部署同士が連携を図り、効果が一層上がる事を期待します。

Facebookなどでお伝えしておりましたが、3月11日は東日本大震災から丁度2年目。福岡県議会でも午後2時46分に議場で黙祷を捧げました。私の質問は黙祷直後でしたが、黙祷の厳粛な雰囲気が心に残ったままでどうもテンションが上がらず、口も滑らかに回らずお聞き苦しい点があったかもしれません。
その様子が朝日新聞の地方面に掲載されていました。
20130312朝日新聞震災議会黙祷記事

記事の中で、私が質問の前に発した決意の言葉も取り上げて頂きました、有り難うございます
20130312朝日新聞震災議会黙祷記事2

がんばろう日本、がんばろう県南の気持ちを忘れずに今後も福岡県議会の立場から震災復興のお手伝いをしてまいります。

平成25年2月議会一般質問「伝統産業のレッドデータ」

3月15日頃から公式動画にて質問内容と知事答弁が動画で確認出来ます。
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◯十一番(板橋 聡君)登壇 先ほどの黙祷により、震災復興への思いを皆様とともに新たにさせていただきました。皆さん、ともに頑張りましょう。自民党県議団の板橋聡でございます。
 福岡県では、絶滅の危機にある野生生物をリストアップし、保護や保全に結びつけることを目的としたレッドデータブックを作成しておりますが、今回は、伝統産業のレッドデータというテーマで質問いたします。
 みやま市には木ろうと天然しょうのうという伝統産業が存在します。ハゼの木の実から生産される木ろうは、ろうそくや医薬品、化粧品の原料として幅広く使われ、徳川吉宗が一七一六年に行った享保の改革でハゼの木の栽培が奨励されると、柳川藩、久留米藩、福岡藩を初めとする国内多くの地域にて競って栽培されました。幕末の久留米藩を例に挙げますと、久留米絣の生産高九万両に対し木ろうは三十六万両、輸出高は種油に次ぐ二位と、ハゼの木が生む木ろうは財政を支える重要な産物でした。一方、クスの木から生産される天然しょうのうですが、日本では一七〇〇年ごろから生産が始まり防虫剤として有名でしたが、海外では薬品や香料として重宝されました。江戸末期には木ろうと並んで薩摩藩、土佐藩を初めとする多くの藩の財政を支え、貿易で巨額の富を生み、日本専売公社の報告には、この資金によって維新の大業をなし遂げられたと評されています。その後しょうのうは、土佐が開発した土佐式と呼ばれる製法で飛躍的に生産が伸び、しょうのうを材料とするセルロイドの発明により世界市場で日本のしょうのうが引っ張りだことなり、この貿易取引がもたらした富によって賄った軍艦が、日露戦争においてバルチック艦隊を打ち破るのです。かようにアジアの端っこの閉ざされた小国だった日本が国際社会に名乗りを上げ、開化期を迎え、そして西欧列強の植民地支配に一矢を報いることを財政面で支えたのが木ろうと天然しょうのうなのです。しかし、そんな隆盛を誇った木ろう、しょうのうは、石油由来の化学製品によってその地位を追われ、今では木ろうの生産工場は国内わずか四カ所。天然しょうのうに至っては、土佐式製法を継承している工場は何と世界でただ一カ所となってしまいました。それぞれの工場が福岡県みやま市に辛うじて現存しているわけです。
 ここで視点を変えましょう。地球温暖化など環境の変化や、外来種の移入により地域の生態系のバランスが壊れ、絶滅の危機が危ぶまれる動植物が増加しています。これを守る努力が必要なのは持続可能な社会を構築するためにもはや常識であります。私は、日本の歴史の転換点にかかわり、地域の暮らしや文化を担った伝統産業が、時代の変化、イノベーション、経済のグローバリズムで移入してきたどうもうな外来産品、外来企業などにより先細り、まさに絶滅の危機に瀕している様子を見るにつけ、動植物の生態系の破壊を目の当たりにしているような思いであります。
 ここで知事に質問です。このような希少価値の高い伝統産業は、一度途絶えてしまったら復活することは非常に困難です。歴史や伝統に根差し、郷土愛をはぐくみ、地域に活力を与えてきた、つまり知事が繰り返しおっしゃる、福岡に生まれてよかったという意識を醸成する観点からも、希少価値の高い伝統産業は維持、振興されるべきと考えますが、知事の所見をお聞かせください。
 また、みやま市に限らず他地域にも同様の希少価値の高い伝統産業が多数存在すると思いますが、県として市町村と協力の上、まさに伝統産業のレッドリストをつくらなければ、そもそも保護すべき対象も把握できないと思いますが、知事の所見をお尋ねします。
 保護、保護と言うと、よほど魅力がないのかという誤解を生みそうですが、私は今回の一般質問に当たり、さまざまな部署とお話をさせていただきました。そこでわかったのは、予想外に多くの部署が伝統産業にかかわっているということです。例えば木ろうについて、農林水産部では、木ろうの原料であるハゼ栽培に対し中山間地支援や農家所得向上の視点から、今年度より助成事業を行っています。商工部では、産業観光の一つとして木ろうメーカーである荒木製蝋がエントリーされています。それ以外にもハゼの紅葉が地域観光資源になったり、現在全生産高の九〇%が輸出される木ろうが県産品輸出振興の対象となる可能性もあります。企画・地域振興部では、まちおこしの視点からちくご元気計画においてみやま市の木ろうを取り上げています。またこの木ろう工場は、現在地元小学校が社会科見学で訪れており、教育の視点からの活用や文化財指定などの対応から教育庁のかかわりも期待されます。
 これだけ多くの部署が少しずつかかわっている、あるいは今後関与する可能性を認識しているということは、やはり伝統産業の持つポテンシャルは、いわゆる商業的成功にとどまらず、県民幸福度日本一の施策にさまざまな側面で可能性を秘めていると言えます。一方、これらの部署は全く連携がとれておりません。当初、伝統産業の総合的な振興について各部署に相談したところ、見事にどの部署も、ここまでは私どもがやっておりますが、これこれは他の部署でやっておりましてと見事にたらい回しを食らったわけです。小川知事におかれましては、このような縦割り行政に関する弊害是正について理解を示し、改善の努力をされていると私はひそかに評価しています。就任後わずか二年の中で、農林水産部、環境部、保健医療介護部にまたがっていた鳥獣被害対策を畜産課に一本化されたり、中小企業の海外進出をワンストップで支援するアジアビジネスセンターを、これは県が運営すべきかどうかについては議論の余地があると思いますが、設立されたりしました。特筆すべきは、新社会推進部において今年度始まる性犯罪被害者に対するワンストップ支援推進事業です。これは性犯罪被害者が相談窓口、医療、司法、警察などの各機関で繰り返し説明させられることによる被害者負担を軽減させることが目的の一つです。まさに、たらい回しを防ぐ県民視点の事業であります。
 そこで知事に質問です。伝統産業の担い手、その維持、振興を目指す市町村は、知恵、経験、人、金が不足しています。やはりここは県においてノウハウを蓄積し、総合的な対策を打つことが重要です。そのためにも、まずは全体を俯瞰して情報の交通整理ができるワンストップの窓口をつくるべきと思いますが、知事の所見をお聞かせください。
 以上、知事のリーダーシップあふれる答弁を期待して、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)

◯議長(松本 國寛君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 木ろうなどの伝統的な産品についてでございますが、御指摘のありました木ろう、天然しょうのうなどの産品は、長い年月にわたりまして人の手を通じて技術、技法が後世に受け継がれ、地域の歴史、風土を今に伝えるものでありますけれども、一方で、生活様式の変化、あるいは安価な輸入産品の増加によりまして需要が減少している状況にございます。しかしながら、近年こうしたものは天然の素材を用いた環境に優しい製品といたしまして、再評価をされ出しております。このため、木ろうを化粧品の原料として海外に輸出をしたり、しょうのう製造時に発生いたしますクスノキ油をアロマオイルとして発売するなど、新しい販路拡大、製品の開発につなげていく取り組みというものが、これからますます重要になるというふうに考えております。
 これらの伝統的な産品の実情把握についてお尋ねがございました。本県では、五十年以上の歴史を有する伝統的な技術や技法により生産されました産品を対象にいたしまして、申請に基づいてこれらを特産民・工芸品として指定する制度というものを設けております。八女手漉和紙でありますとか、うきは市の棕櫚箒など、現在三十品目を指定させていただいておりまして、その振興を図るため、県庁あるいはアクロス福岡での展示、PRに努め、県のホームページでも広く情報提供しているところでございます。今後は、この指定制度の周知徹底というものを図りまして、新たな指定品目の掘り起こしを市町村と協力して積極的に行っていきたいと考えております。木ろうや天然しょうのうなど希少性の高い伝統的な産品につきましても、その実情を把握するよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、木ろうなど伝統的な産品の支援窓口の一元化についてでございます。今申し上げました産品につきましては、例えば木ろうの場合、和ろうそくの製作体験に人が集まるということで産業観光、あるいは地域活性化の資源となりまして、ハゼや木ろうを使った六次産業化の素材ともなります。県では、このように、先生もお触れになりましたけれども、それぞれの部署がそれぞれの政策目的に応じて支援を行っているところでございます。これからは、先ほども申し上げました特産民・工芸品の振興を担当いたしております商工部中小企業振興課をワンストップの窓口といたしまして、各部署との連携を図りながら、またそこにノウハウを蓄積しながら、伝統的な産品の支援に努めてまいります。

3月11日に一般質問します

現在開会中の2月議会にて一般質問を行いますが、日程と質問要旨が決まりましたのでお知らせします。

日時:3月11日(月)14時頃 (午後の部で4番目、公明党壹岐和郎議員の後に登壇)
要旨:「伝統産業のレッドデータについて」

私が住んでいるみやま市には荒木製蝋という櫨の木の実を原料に木蝋を作っている会社と、内野樟脳という楠を原料に天然樟脳を作っている会社があります。これらの会社は昔ながらの製法を江戸時代から引き継いでいますが、これらを例に県内の残る希少価値がある伝統産業の維持・振興をテーマに質問する予定です。
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生中継を「福岡県議会中継」のページで見ることが出来ます(スマホもOK!)
見逃した方も3月15日(金)頃から「福岡県議会中継−録画中継」のページで録画中継が公開されます。
是非ご覧下さい。

福岡県はここ数日とても良い天気に恵まれていますが、黄砂とPM2.5の影響かうすくモヤがかかっているような気がします。
私自身鼻水が出て喉が痛かったりしますし、もともと喘息持ちの長男は昨日から酷く咳き込んでいて病院で点滴を打ちました。一昨日、荒尾市では幼稚園や小学校に対し校庭での授業や遊びを控えるよう通達されたそうです。中国由来の大気汚染ですから、そういう受け身の対策しか取れないのが残念です。住みよい、住みたい福岡県にする為に、県としても主体的な対策を打たないといけません。県として何が出来るのか?国に働きかけるのか?まずは実態をよく把握したいと思います。