【令和元年度決算特別委員会 知事保留決議「withコロナ期における観光振興について」】

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。
 知事保留質疑トップバッターとして、withコロナ期における観光振興について質問をさせていただきます。
 新型コロナウイルス感染症の拡大を阻止するため、四月七日に福岡県を含む七都府県に緊急事態宣言がなされたのが遠い昔のように感じられます。福岡県のコロナ警報は十月八日に解除されましたが、いまだワクチンや特効薬が開発されない中、経済活動が完全に回復する見込みは立っておりません。
 特に宿泊施設を中核とした県内観光産業は、いつ収束するのか分からない新型コロナウイルス感染症の深刻な影響を受け、依然として厳しい状況にあり、withコロナ期における観光戦略を検討していくことが強く求められています。
 そんな中、十月七日に私ども自民党県議団は、福岡県旅館ホテル生活衛生同業組合から、宿泊事業者の支援について国のGoToトラベルキャンペーンに上乗せする方式で、コンビニエンスストアを活用した宿泊補助を行ってほしい旨の要望をいただき、それに基づいて小川知事に対して、県独自の宿泊助成を行うよう緊急要請をいたしました。
 そこで質問です。新たに実施を検討している福岡県独自の宿泊助成の詳細について、どのような検討状況なのかお示しください。

13◯栗原 渉委員長 小川知事。

14◯小川知事 県におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして深刻な影響を受けておりました観光業を下支えするために、国のGoToトラベル事業に先行いたしまして、七月一日から九月三十日までの間、「福岡の魅力再発見」九州キャンペーンというものを実施させていただきました。八月末時点での販売状況でございますが、宿泊については八万人、日帰りが五千人分の合計八万五千人分となっているところであります。この事業の終了後、今、委員が御指摘になりましたように、自民党県議団と県の生活衛生議員連盟の皆様から、十月七日、コロナウイルス感染症により影響を受けている宿泊事業者への支援ということで、御要請をいただいたところであります。
 その中におきまして、観光需要の回復に向けまして県独自の宿泊助成事業を実施すること、その実施に当たっては国のGoToトラベル事業との相乗効果が図れるよう、県民についてはその併用を認め、また、助成方法についてはコンビニ発券方式とすることなどについて御要請をいただいたわけであります。県といたしましては、この要請を踏まえ、また宿泊事業者の方々からの御意見も伺いながら、宿泊助成の制度設計についてこれまで検討を進めてきたところでございます。

15◯板橋 聡委員 知事、ゆっくりお話しされて結構だと思いますので。新たな県独自の宿泊助成制度については、私ども自民党県議団が要請したとおり、時期を逸することがないよう速やかに実施し、国のGoToトラベルキャンペーン事業との相乗効果が最大限図られ、コンビニエンスストアでのクーポンの発券など、利便性を考慮した制度設計を行うべきと考えております。
 そこで質問です。県独自の新たな宿泊助成制度について、今、小川知事は自民党県議団の要請を受けた上で、制度設計、実施時期、規模について具体的にどのように進めていかれるのか明らかにしてください。

16◯小川知事 私どもの制度設計の検討の結果でございますけれども、国のGoToトラベル事業を補完、拡充をすることで、相乗効果を図っていこうということでございます。GoToトラベル事業の対象施設のみならず、できるだけ多くの県内の宿泊施設を対象として、目標としては十万人の宿泊を目指したいと思っております。
 具体的に申し上げますと、利用者の利便性を考慮いたしまして、全国を対象にいたしまして、コンビニエンスストアでクーポン──宿泊券を発券いたします。これはGoToトラベル事業にはない販売方法でございます。また、登録手続が煩わしくなく、精算の事務も簡便でありますことから、GoToトラベル事業に登録をされていない県内の宿泊施設にも、できるだけ幅広く御登録いただけるものと考えております。
 助成内容でございますが、一人一泊当たり宿泊費の二分の一以内を助成いたしまして、最大五千円といたします。県民の皆様を対象にしてのみ国のGoToトラベル事業との併用を認め、地元の方が改めてそれぞれの地元の魅力を再発見して楽しむ機会にしていただきたい、このように思っております。
 対象期間でございますが、十一月の初旬から二月末までを予定しているところであります。また、その事業実施に当たりましては、四月の補正予算で認めていただいた国のGoToトラベル事業を補完する県内の宿泊促進事業の約三億二千万円、そして六月の補正予算でお認めいただいております、先ほど申し上げました「福岡の魅力再発見」九州キャンペーン事業の執行残見込みが約三億円ございます。これらを活用して合計約六億二千万円の予算規模とさせていただきたい、このように思っております。
 そして、できる限り早期の観光需要の回復と地域の活性化を図っていくために、この県独自の宿泊助成制度につきましては、速やかにこれを実施させていただきたい、このように考えております。

17◯板橋 聡委員 しっかり経済復興のために頑張っていただきたいと思います。終わります。(拍手)