【総務企画地域振興委員会管内視察 嘉麻市・田川郡添田町】

私が所属する総務企画地域振興委員会の管内視察で7月29-30日に嘉麻市と田川郡添田町を訪問しました。備忘録代わりに書き留めておきます:

○ 寒北斗酒造株式会社
1729年創業で遠賀川の伏流水を汲み上げ地域の地酒として高い評価を受けている嘉麻市の酒蔵、寒北斗酒造さんが取り組む、日本酒を通じた海外交流について杉田社長より直々にお話しをお伺いしました。
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日本に留学経験があり、福岡県田川市出身の奥様を持つ、ニュージーランドのデービット・ジョールさん。約5年前に寒北斗酒造を見学に訪れ、同年代の杉田社長と意気投合し、お付き合いが始まる中で、ニュージーランドで日本酒を造りたいとの相談。杉田社長は当初「厳しいから絶対やめておけ」とアドバイスしましたが、デービットさんは酒造りを開始。当初は「マズい」日本酒でしたが改良や米の品種の検討を重ね、最終的には素晴らしい商品が出来、日本への逆輸入も開始されたとのこと。
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そんな中ラグビーを愛するデービットさんが、2019年ラグビーワールドカップ日本開催を機に、ニュージーランド・ラグビー代表の愛称である「オールブラックス」を意味する「全黒」という商標で日本酒を作りたいと、寒北斗酒造さんへコラボを申し入れ、実現しました。
仕込みが一回でしたので量が少なく、既に完売したそうですが、オールブラックスとラグビーのイメージが見事に表現されたラベルを纏った、素晴らしい日本酒が出来上がりました。
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また、一昨年は「日本の文化を日本酒を通じて学びたい」と電子メールで突然申し出た、スペイン出身のロセル・メンデスさんの長期研修を受け入れたとのこと。外国人研修生の募集も受入体勢も無い中、男社会でもある酒造りの現場ですが、ロセルさんの熱意に押されて承諾。約3ヶ月にわたり住み込みで酒造りを通じた日本文化に触れて頂き、今では発信者として福岡最大の酒イベントである「&SAKE FUKUOKA」などに来日されているそうです。

○ 嘉麻市足白地区観光拠点施設整備
嘉麻市は面積約135km2で人口三万八千人、人口減少が激しく、私の地元であるみやま市と同じ悩みを抱えた地域です。
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そんな中、廃校となった小学校を九州最大級のボルダリング施設やレストラン・宿泊施設を含む観光拠点として整備して昨年より開設されました。ボルダリングセンター K-WALLは高さ4.5m、総延長46m、農泊施設 カホアルペは客室17室、レストラン60席で嘉麻市のウィークポイントである宿泊と食を充実強化させます。
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全国各地の地方自治体が地方創生の努力をするなか、単に他地域の成功事例を追うだけでは金太郎アメになるだけです。そんな中2020年東京オリンピックでも採用されるボルダリングというまだまだ一般的では無いけど、「尖った」スポーツで誘客を目指すことは一つの見識と感じます。
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ちなみに赤間市長は柳川高校の野球部出身との事で御縁を感じます。今後、市の魅力を高めて交流人口の増加と市内における滞在時間延長がどのように推移するか注目したいと思います。

○ 添田町「ヒシミツ」
添田町の醤油屋さんを改装した「ヒシミツ」というレストランにて、特産品のブランド化における地域おこしと観光戦略について寺西町長直々にご説明頂きました。
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人口減少に伴う、町内事業者の減少や地域経済の衰退を懸念し新規創業者に対する最大150万円の補助、六次産業化ベンチャーへのマーケティングリサーチ・販路開拓支援、地域おこし協力隊を活用したジビエや商品流通の推進などテーマを明確にした支援を推進されています。
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定住促進においても若者定住住宅として、夫婦共に45歳以下で小学生以下の子供がいる世帯を対象とした定住支援。空き家対策として、空き家を購入しリノベーションする場合にリノベーション費用の一部を支援し、更に町内建設業者利用や、多世帯同居、若者世帯へのかさ上げ補助など目的を明確にした施策を行っています。
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駆け足になりましたが、今回の視察を今後の県政運営にしっかりと活かしていきたいと思います。

【板橋さとし県議 夏のレクリエーション、陶芸教室開催】

本日は、夏休み恒例となっております、私の後援会の皆様のお助けにより「夏のレクリエーション、陶芸教室」を開催して頂きました。

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一昨年はオルレ、昨年は花火作り体験、今年は私の同級生で陶芸家である安西司先生のお力をお借りして「陶芸教室」を開催しました。

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会場一杯の70名近いご参加を賜り大盛況となりました。また、ご支援を頂きましたタカ食品様、筒井玩具花火様、イワナガデザインフーズ様大変有り難うございました。

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会場となった「九州芸文館」は2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる国立競技場を設計した隈研吾氏が設計された施設。聖火リレーではその御縁でこの施設を周回するとの事です。

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今回2回釜に入れる事になり、約一ヶ月のお時間を頂きますが、お子様・保護者の皆様大変盛り上がって頂き楽しい会になりました。特に安西先生がろくろを回しての実演はみんな私語も無く真剣にその美しい手さばきに魅了されていました。

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本当に有難うございます!来年も後援会一同趣向を凝らして企画を致しますので、ご興味ある方どうぞ奮ってご参加下さい。

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令和元年度予算特別委員会 知事及び教育委員長保留質疑「発達に困難を持つ放課後児童クラブ利用児童について」「少子化対策に関する県の姿勢について」

◯板橋 聡委員 まず、発達に困難を持つ放課後児童クラブ利用児童についての質問をさせていただきたいと思います。
 平成二十四年に文科省が行った通常学級に在籍する知的発達におくれはないものの、発達障がいの可能性のある児童の実態調査で、約六・五%、小学校、中学校の通常の学級にそういった児童生徒が存在するという結果が出ております。また、本県の調査におきましても、LD、ADHDという形で通級教室で特別の指導を受けている児童生徒がこの十年で八・六倍にふえておるということでございます。
 先日の予算特別委員会の質問におきましては、小学校、中学校といったところにおきましては、かなりそういった部分に対する対策、指導についての方策が練られておるなということは感じたんですが、今、小学校におきまして、かなりの生徒が通って、利用している放課後児童クラブにおきましては、まだまだ支援が足りないのではないかと。そしてまた、放課後児童クラブの支援員というのは、非常に厳しい環境で支援をしている中で定着率も低かったりすると。そういう中で、支援員のモチベーション、資質の向上といったものを目指すためには、発達障がいのある児童に対応するための放課後児童支援員の資質向上のために、さまざまな方策を打つべきではないのかという質問をさせていただきましたけれども、それに関する御所見の御披瀝をお願いします。
60◯小川知事 済みません。私が聞いたやつと違っていて。委員長。
61◯樋口 明委員長 小川知事。
62◯小川知事 申しわけありません。
 発達障がいをお持ちの児童に対応するための放課後児童支援員の資質の向上でございますけれども、県におきましては放課後児童支援員の資格取得を目的とする認定資格研修におきまして、障がいのあるお子さん、また、配慮を要するお子さんへの対応の方法に関する研修というものを実施させていただいております。
 また、放課後児童支援員の経験がおおむね五年以上の方を対象とする資質向上研修におきまして、発達障がいの特性に応じた接し方、あるいは指導の進め方、保護者への支援のあり方について習得をしていただくカリキュラムを設けているところであります。
 発達障がいなど配慮を要するお子さんの利用が増加していく中で、放課後児童支援員の皆さんからは、まず、障がいのある児童の支援方法をもっと詳しく学びたい、また、五年未満の勤務経験者に対しても研修をしてほしいといった要望が寄せられているところでございます。このため、県といたしましては、今後、発達障がいに関する研修について、その内容の充実、受講要件の緩和について検討を進めてまいります。
63◯板橋 聡委員 検討を進めていただくということで、しっかりやっていただきたいんですけれども、先ほど私も質問の最後に「知事、お答えください」と言いませんでしたから、知事としては反応が悪かったのかもしれませんが、放課後児童クラブというのはあくまでも福祉労働関係の話でございまして、放っておいても、知事がこれは私の答えなくてはいけない所管だと反応していただかないといけないと思っております。
 そういったところで、小学校と放課後児童クラブというのは文科省と厚生労働省、こういった縦の流れで、それぞれの所管の省庁が違いますもので、小学校はどうも放課後児童クラブに壁をつくってしまう。そして、放課後児童クラブとしても、何となく小学校にいろいろお話聞いたりするのは敷居が高い、そういう部分が双方にあるようです。
 とはいえ、小学校は小学校、放課後児童クラブは放課後児童クラブでそれぞれ同じ子供が通っているものでございます。特に、放課後児童クラブにおきましては、親御さんがその後迎えにいくということで、支援員の皆さんは常日ごろから親御さんとフェース・ツー・フェースでいろいろなコミュニケーション、コミュニケーションがなくとも、顔色を見るだけで、大丈夫かな、何か問題を抱えているのかな、なんてことを理解されて、非常にいろいろな情報をお持ちです。
 そういう意味では、小学校、あるいは放課後児童クラブがしっかり連携することによって、先ほど申し上げました発達障がいといったものがある児童さん、そういった方にしっかりと一貫した教育ができるのではないかというところで、子供さんにとってもメリットがある、親御さんにとっても安心して子どもを預けられる、そういったことができるのではないかと思っております。
 そういう意味で、小学校と放課後児童クラブはもっと連携をして、情報共有をして、子供たちがもっと過ごしやすい、楽しい小学校になるように垣根を取り払うような努力を双方しなくてはならないと思いますけれども、知事と教育長、それぞれの見解を聞かせていただきたいと思います。
64◯小川知事 まず、私のほうからお答えさせていただきます。
 小学校と放課後児童クラブの連携でございますけれども、放課後児童クラブを利用されるお子さんたちが、障がいのあるなしにかかわらず、ともに子供たちが成長できるようにしていくためには、個々のお子さんたちの状況と学校での出来事といった情報について共有すること、また、職員同士が交流することなど、小学校と放課後児童クラブとの連携は非常に重要であると思っております。
 県では、これまでも放課後児童支援員を対象とする研修会、先ほど申し上げたとおりでありますが、市町村職員を対象とする説明会におきまして、小学校との日常的、定期的な情報交換や情報の共有の必要性について周知をいたしますとともに、取り組みの参考となるような連携の事例についても説明をしてきたところであります。
 今後、放課後児童クラブと小学校の連携がさらに深まっていきますよう、教育委員会の御協力のもと、参考となる優良事例を集めまして、研修会や説明会でその周知を図ってまいります。
 また、市町村に直接出向いて、放課後児童クラブに関する助言を行っておりますけれども、そういった機会を捉えまして、小学校との連携についても重点的にどうなっているかヒアリングを行い、必要な助言を行っていきたいと考えております。これらによりまして、市町村における取り組みを支援していきたいと考えております。
65◯樋口 明委員長 城戸教育長。
66◯城戸教育長 放課後児童クラブに通う児童は、それぞれ個性、あるいは生活実態が異なるものでございます。そういった児童一人一人に対してきめ細かな支援を行うためには、小学校と放課後児童クラブとが互いに連携して見守り育てていくということが不可欠であろうと考えております。
 そういう一つの例といたしまして、県内のある小学校では、管理職と特別支援コーディネーターが放課後児童クラブの担当者と学期に一回程度情報交換をすることで、お互いに感じていた壁を乗り越えて意思疎通ができるようになったというような例もあると聞いております。
 県教育委員会といたしまして、今後こうした事例のさらなる把握と周知を行いますことによって、まずは学校と放課後児童クラブの意識改革に努めますとともに、例えば、夏季休業期間に担当者の連絡会議を設けるといった具体的な活動案を提示いたしまして、学校と放課後児童クラブの双方が児童一人一人の状況をまずより深く理解しつつ、連携して健やかな成長を図っていく取り組みが広がりますように、市町村教育委員会に働きかけてまいりたいと考えております。
67◯板橋 聡委員 それぞれ所管する部局は違えど、同じ子供、お子さんでございます。ぜひお子さんの健やかな成長のために知事部局、そして、教育庁、両方しっかり今後とも連携をとっていただきたいと思います。
 続きまして、少子化対策に関する県の姿勢について質問させていただきます。
 けさの新聞、皆さんごらんになったと思いますけど、朝刊トップは全国人口動態調査の結果によると、人口が四十三万人全国で減っておるということでございました。私も平成二十六年に日本創成会議が人口減少予測をもとに消滅可能性自治体を発表して以降、未婚化、晩婚化対策や少子化対策といったものに対して県の姿勢をただしてまいりましたけれども、福岡県の婚姻件数というのは、平成二十六年、二万七千三百五十九件あったものが、平成三十年の概数値では二万五千二百六十二件に減っております。
 また、出生数も、平成二十六年、四万五千二百三人あったものが、平成三十年の速報値では四万二千八人に減っております。このままではもう少子化が加速度的に進むおそれがありますけれど、知事はこの状況を、今この時点でどのように認識をされているかお答えください。
68◯小川知事 御指摘がありましたが、国立社会保障・人口問題研究所の日本の地域別将来推計人口によりますと、二十歳から三十九歳の女性の人口は今減少しておりまして、今後、当分の間この減少状態が続くことが明らかになっております。これに伴いまして、全国の婚姻件数、出生数は減少しておりまして、先月公表された人口動態統計におきましても、婚姻件数は五十八万六千組、六年連続、出生数は九十一万八千人と三年連続、それぞれ減少いたしております。それぞれ過去最低を更新したところであります。
 こうした状況のもとで、本県におきましても、他の都道府県と同様に、婚姻件数、出生数とも減少しているところであります。委員御指摘のとおり、本県の平成三十年の婚姻件数は二万五千二百六十二組、出生数は四万二千八人、それぞれ三年連続減少いたしております。
 しかしながら、この十年間のトレンドを見てみますと、婚姻件数、出生数ともに減少幅は全国水準よりも小さくなってきているという状況にございます。また、合計特殊出生率につきましても、この十年間で全国は一・三七から一・四二に上がっておりますが、本県では一・三七から一・四九まで上がっておりまして、全国を上回っているところであります。
 少子化に伴います人口減少、人口構造の変化というのは経済活動はもとより、持続的な社会保障制度、また地域コミュニティの維持などにも大きな影響を与えるものであります。また、企業活動にとりましても、労働力不足といった直接的な影響をもたらすものであります。少子化に歯どめをかけることは喫緊の課題であるという認識を社会全体で共有していくことが大事である、必要であると思っております。
69◯板橋 聡委員 この質問をするたびに知事のほうからは、少子化対策は喫緊の課題である、喫緊の課題であると、もう何年も聞いてまいりました。先ほど塩川委員の質問でもありましたとおり、トヨタというすばらしい企業がある町でも人口が減って、非常に苦労されているということです。
 本県の人口がふえていると言っても、ふえているのは福岡都市圏だけであり、しかも、それは社会増が中心で、自然増は少ない。福岡市におきましては、県の中でも非常に低い合計特殊出生率だという結果が出ております。
 さきの知事選の政策集において、ライフステージを切れ目なく支援して、結婚や子育ての希望をかなえますといった政策を挙げていらっしゃいましたけれども、若者の就業支援や企業の子育て支援、保育体制の充実等を政策として挙げている中、福岡市の求人倍率や給与水準は地方に比較してもはるかに高いわけです。子育て支援の施策の質や量も充実していますし、物理的な距離も非常に近しいところにそういった施設がいっぱいあったりすると。しかしながら、婚姻数や出生数はそんなにふえていないというのが現状であります。
 ですから、そういう意味では、知事の今までやっていらっしゃる少子化対策というロジックが若干当てはまらない部分が出てきているのではないかと。そういう意味では、今立ちどまって見直すタイミングではないかと私は思います。
 ことしは令和二年度からの次期子ども・子育て応援総合プランの策定の年であります。知事は具体的な数値目標については、個人的な問題であり、慎重であるべきという考え方ではありますけれども、事業効果を検証し、本当に婚姻数や出生数の増加につながるような施策を打つためにも、もっと具体的な数値目標を立てるべきではないか、そして対策を行っていくべきではないかと考えております。
 今、結婚の数をふやす事業、結婚応援事業というのは、数値目標というのが出会いイベントに何人参加するかという途中経過の数値しかないんですね。それでは、出生数に一番直接かかわってくる結婚数をどういうふうに伸ばしていくか、どういうふうに出生数の増加につなげていくかということができないのではないかと思っておりますが、知事の考えをお答えください。
70◯小川知事 御指摘の少子化対策、喫緊の課題だと言い続けてるという話だったんですが、少子化対策には国の動向を見てもおわかりいただけると思いますが、特効薬はないんだろうと思います。
 そのため、基本はやっぱり、若者が結婚して、子供を産み育てることができる、そのためにはどういうことができるかということだと思うんです。それはやっぱりそれにつながる出会い、結婚、出産、育児、お仕事、そういったライフステージに切れ目なく支援をしていく、環境を整えていく、これが非常に大事であるという考えには変わりはないわけであります。
 昨年度実施いたしました福岡県子育て等に関する県民意識調査の結果を見ますと、結婚するためには、子育てと仕事の両立ができる環境があること、それに若者が就業して安定した収入を得られることが必要であり、行政に望む支援、応援等についてお尋ねしたところ、出会いの場の創出と情報の提供が必要であるということを御指摘されておりまして、改めてそういったニーズが高いということがわかっているわけであります。
 現在、令和二年度から五年間のふくおか子ども・子育て応援総合プランの策定をしているところですけれども、若者が結婚、子育てに夢や希望を持って、その希望をかなえ、お子さんを安心して産み育てることができ、お子さんが健やかに育つ、そういった社会をつくっていく、子育てを地域全体で支えて応援する社会をつくっていく、これを進めていくために、どのような支援を設けて取り組みを進めていくべきか、広く有識者の御意見もいただきながら、検討を進めていきたいと思っているところであります。
 その上で、出会い、結婚の応援についてお尋ねがございましたので、それについて少し触れたいと思いますけれども。出会いと結婚の応援については、社会全体で若者の出会いと結婚の希望をかなえるための環境整備が必要だということで、この出会い応援団体の登録拡大は委員からも御指摘を受け、ずっとやらせていただいております。私自身さまざまな会合でこの応援団体の登録について呼びかけを行ってきているところであります。
 登録数は平成三十一年三月末時点で、千五百三十一団体となってございます。今後はこの応援団体数の増加が新たな出会いの場、新たな出会いの機会の拡大につながっていきますように、例えば農業団体と幼稚園関係団体、医療機関など、従業員の結婚を応援したいと考えておられるさまざまな事業者団体、とりわけ異事業種団体間で連携して、多様な出会いの場をつくっていきたい、それに力を入れていきたいと思っております。
 そして、少子化を食いとめるという強い決意のもとで、次期プランの策定に当たりましては、若者が結婚し、子供を産み育てるためにどのような施策が必要であるか、これは私を本部長とします子育て応援社会づくり推進本部がございますが、そこのもとでしっかり検討を進め、適切な指標を設定した上で、若者の結婚応援に全力で取り組ませていただきたいと思います。
71◯板橋 聡委員 出会い応援団体についてのお話を実績として述べられましたけれども、知事、これは私が最初に質問して、約二年間放置されておったんです。そして坪根課長になって、約一年間でこれだけの団体数になった。一年間、少子化対策がおくれると、十年ぐらいその結果が出てくるのには時間がかかると言われております。そういう意味では、知事、そこはしっかり反省して、適切な指標を設定すると言われましたけれども、注視をしていきたいと。
 知事は幸福度日本一と言われていますけれども、幸福度を県民が一番感じないのは将来の漠然な不安なんですね。ですから、地元でいろいろなお話を聞いていると、給料が少ないとか、物理的なもの、物質的なもので困っているみたいなお話なんかよりも、漠然と、子供の声が聞こえてこなくて寂しいとかいう声が非常に大きいわけですね。知事は、きのうよりきょう、きょうよりあしたみたいなことを言われておりますけれども、そこの一番大事なところは、やはりどれだけ福岡県がしっかり若者が出会い、結婚して、子供を産み育て、そしてそれを先輩方が見守っていく中で、あしたへの希望、そして、そういった未来を感じていくということだと思います。
 今、次期プランの策定をされているということですので、しっかりその策定した結果を見せていただいて、またそのときに質疑をさせていただきたいと思います。しっかりお願いします。終わります。(拍手)

令和元年度予算特別委員会「発達に困難を持つ放課後児童クラブ利用児童について」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。通告に従いまして、発達に困難を持つ放課後児童クラブ利用児童について質問いたします。
 平成二十四年に文部科学省が行った通常学級に在籍する知的発達におくれはないものの発達障がいの可能性のある児童生徒の実態調査では、小中学校の通常学級に学習面または行動面で著しい困難を示す児童生徒が六・五%存在するという結果が出ております。また、本県の小中学校でLD、ADHD、つまり学習障がいと注意欠陥多動性障がいの通級教室で特別の指導を受けている児童生徒は、この十年間で八・六倍にふえているというデータもございます。こういった子供たちは、コミュニケーションが苦手であったり、こだわりが強かったり、読み書きが困難だったり、多動であったりといった特性があるために、困った子供である、怠けている、反抗的であるというような誤解を受けやすく、周りの正しい理解と適切な支援がない場合、生活に大変な混乱を生ずることとなります。
 このため、発達障がいのある子供たちや発達障がいが疑われる子供たちに対して早期からの継続した支援の充実が大きな課題となっておりますけれども、そこでまず、小学校においては主として発達障がいのある子供に対してどのような支援をしているかお答えください。
232◯樋口 明委員長 井手特別支援教育課長。
233◯井手教育庁特別支援教育課長 各学校には、特別支援教育コーディネーターと校内委員会が置かれ、発達障がいがあるなど特別な支援が必要な児童生徒の実態に応じた個別の指導計画や支援計画を決定しております。授業におきましては、個別の指導計画とユニバーサルデザインの視点に基づき、全ての児童生徒がわかる・できる授業づくりの実施に努めております。
 県教育委員会では、これらの学校の取り組みを支援するため、発達障がいに関する理解を深める教員研修を実施しますとともに、手引書やリーフレット、児童生徒理解のためのツールなどを提供しております。
234◯板橋 聡委員 特に今回は教員研修についてちょっと聞いてみたいんですけれども、具体的にどういう教員研修が行われているか教えてください。
235◯井手教育庁特別支援教育課長 各小学校の管理職、特別支援コーディネーター、特別支援学級担任教員、通級指導担当教員に対しまして、発達障がいのある児童生徒の理解や指導方法、特別支援教育の視点を踏まえた学校経営のあり方などについて、講話、行政説明、演習、実践発表、協議などの形で研修を実施しております。
236◯板橋 聡委員 一方、共働き家庭の児童に対し適切な遊びと生活の場を提供する放課後児童クラブがございます。我が会派でも支援員の資質向上のための研修の充実などを過去、訴えてまいりました。放課後児童クラブにおいても発達障がいのある子供たちや発達障がいが疑われる子供たちの利用がふえていると思われます。
 放課後児童クラブでは、発達障がいのある子供たちの利用がどれぐらいあるのでしょうか。また、発達障がいのある子供たちの受け入れに当たってはどのようなことが必要であると考えられますでしょうか。
237◯樋口 明委員長 木下青少年育成課長。
238◯木下青少年育成課長 発達障がいに限定したデータではございませんが、平成三十年、昨年の五月一日現在の厚生労働省調査によりますと、本県におきましてはクラブの登録児童数六万一千百三十二人に対しまして、障がいのある子供の数は千九百二十人となっており、全体に占める割合は三・一%となっております。放課後児童クラブを設置しております五十九市町村のうち、四十六の市町村で障がいのある子供が放課後児童クラブを利用されております。
 放課後児童クラブは、年齢や発達の状況が異なる多様な子供たちが一緒に過ごす場所でありますことから、児童に直接対応されます放課後児童支援員は、発達障がいのある子供の特性や支援のあり方について理解を深めておくことが大事であると考えております。また、子供たちの生活の連続性を保障するためには、そうした子供たちの状況等について学校と情報交換や情報共有などの連携を図ることも大切であると考えております。
239◯板橋 聡委員 放課後児童クラブは、やはり限られた人員の中でやっていらっしゃいますので、非常に厳しい部分が指導の中でいっぱい出てくるということでございます。だから、現場としても子供たちのメリットという意味でも、小学校、そして放課後児童クラブに関して、発達障がいに対する指導の仕方、どういう支援の仕方があるのかと。小学校はかなり体系的にそういったものが整っているけれども、放課後児童クラブにおいてはまだまだで、実際、一般的なお子さんのほうが逆に窮屈な思いをしている場合もあると聞き及んでおります。その中で、答弁にあるとおり、その二点は非常に大事な視点であると考えますけれども、十分な取り組みができているのかどうかをただしていきたいと思います。
 まずは、放課後児童クラブの支援員の資質向上について、現状の取り組みを伺いたいと思います。
 県では、発達障がいのある子供たちに対応するため、放課後児童クラブの支援員に対してどのような研修を行っているのでしょうか。
240◯木下青少年育成課長 県では、まず放課後児童支援員の資格を得ることを目的とします放課後児童支援員認定資格研修を実施しております。これは、四日間のカリキュラムを県内四地区で開催をしております。支援員としての基礎的知識を学びますとともに、配慮を必要とする子供や障がいのある子供への理解など、放課後児童クラブにおける育成支援について学ぶ内容となっております。
 また、放課後児童支援員としてのさらなる資質向上を図るため、おおむね五年以上の実務経験がある支援員を対象に、放課後児童支援員資質向上研修を県内四地区で計六回開催をしております。研修におきましては、障がいの中でも特に発達障がいに着目し、発達障がいの子供への理解と支援というカリキュラムを設けているところでございます。
241◯板橋 聡委員 これは、地元の放課後児童クラブの支援員のほうから聞いたんですけれども、非常に長崎県で先進的な取り組みをしているところがあると。ティーチャートレーニングという形で、ペアレントトレーニングと対になるようなイメージなんですけれども、実践的な研修を行っていて、非常にいい形の研修であったと。こういったことを過去、福岡県としては学んだことはありますか。
242◯木下青少年育成課長 今、御指摘の長崎県の事業というのは、放課後児童支援員を含めた保育士、幼稚園教諭などを対象に十人程度の人数で行われるもので、参加者が行動が気になる子供の事例を持ち寄り、講義やグループワークを通じて学んだことを各自の実態に生かしていく内容とお聞きしております。
 先ほど申しました本県の支援員の資質向上の研修におきましては、発達障がいのある子供の具体的事例をもとに、子供の行動や障がいの特性に応じた接し方、指導の進め方、保護者への支援のあり方、周囲の子供を含めた集団づくりの考え方などについて講義を行っております。一部、講師が示しました課題に沿って受講者同士で意見交換を行う時間を設けた内容を行っております。
243◯板橋 聡委員 しかしながら、今、支援員の方たちは非常に給与の面とか待遇が非常に厳しい部分があって、定着率も低いと。今、福岡県がやっているのは、五年以上の実務経験のある方に対しての放課後児童支援員資質向上研修ということでございます。そういうことで考えてみると、モチベーションを向上させる、あるいは定着率を高めてさらに子供たちに対しての支援の質を高めるということで考えたときに、今、福岡県においてもっと実践的な研修を実施する必要があると思いますけれども、どうでしょうか。
244◯木下青少年育成課長 先ほど申し述べました支援員の資質向上研修について、昨年度の研修における受講者のアンケートによりますと、具体的な事例をもとに子供への声かけや保護者への伝え方を学ぶことができてよかったであるとか、とても勉強になるので五年未満の勤務経験者にも必要な研修ではないかといった御意見をいただいたところでございます。また、仕事をしていく上で今後学んでいきたい内容はという質問については、やはり障がい等の特別なニーズを持つ児童の理解と支援を学んでいきたいとする回答が最も多くなっているところでございます。
 今後ともこうした現場の皆さんのニーズにお応えしていけるよう、長崎県の手法も参考にしながら、研修の内容や受講要件等につきまして検討を行ってまいります。
245◯板橋 聡委員 アンケートで評判がよかったみたいなことは全然要らないんですよ。実際、この支援員の方たちから、もっと教えていただきたい、こういうことに対して資質向上させたほうが支援員の定着にもプラスになるのではないか、そういう現場の声があるので、そこをしっかりやっていただかないと、本当にそこら辺の現場の実情がわかっているかどうかと、私は非常におかしいと思うんですよね。
 次、二点目の課題、小学校と放課後児童クラブの連携について。
 国が策定した放課後児童クラブ運営指針、昨年九月、文部科学省と厚生労働省が発表した新・放課後子ども総合プラン、これらにおいて小学校と放課後児童クラブの連携について言及されておりますけれども、両者の間に壁があると。要するに小学校と放課後児童クラブの間でなかなか連携がとれていないと。放課後児童クラブの方にしてみれば、自分たちは毎日、迎えに来られた父兄と顔を合わせる。非常に父兄の顔色だとか、疲れているなとか、何か黄色信号なのかなというときがわかると。そういったところも含めていろいろな情報交換ができたほうが、子供にとっても物すごくプラスだし、小学校、あるいは逆に放課後児童クラブにおいての指導にとってもプラスになるのではないかという話もございます。
 そういう中で、放課後児童クラブでは現状と課題をどのように認識されているでしょうか。
246◯木下青少年育成課長 先ほど申し述べました障がいのある子供を受け入れている県内の四十六市町村におけます小学校との連携の状況といたしましては、先ほどの国の調査の中では、何らかの方法により小学校との情報交換を行っていると回答したのは四十四市町村となっております。残りの二市町は、一部の放課後児童クラブでは連携がないと回答をしております。
 一方、学校との連携に係る課題といたしまして、放課後児童クラブ側からの意見といたしまして、児童に関する情報が個人情報に当たるとして学校から情報をもらうことができない場合があるとか、放課後児童クラブ側からも学校に対するアプローチが行われていないといった声もお聞きしているところでございます。このように、連携に取り組まれている学校、クラブもある一方で、やはり連携について必ずしも十分であるとは言えないクラブ、学校もあると認識しているところでございます。
247◯板橋 聡委員 いや、アンケートの結果を教えてほしいのではなくて、質問の趣旨をよく把握してほしいんですけれども、小学校と放課後児童クラブが情報交換を行っているのが四十四市町村、行っていないのが二市町、そんなことが問題ではなくて、個人情報だとして学校から連絡がもらえない、放課後児童クラブ側からも学校へのアプローチが行えていない。四十四市町村あったとしても、そういう学校、児童クラブの問題があるというのが非常に問題なのであって、これを青少年育成課としてどう認識しているのか主体的に答えてください。
248◯樋口 明委員長 挙手をお願いします。
249◯木下青少年育成課長 ただいま言いましたように、アンケートの結果ではそうなっておりますが、これは詳細な内容まで問うた結果ではございませんので、やはり各市町村の中ではさまざまな、本当にできているところとか、連絡だけの市町村になっているところとかも多々あると思います。そういった中で、先ほど申しましたような現場の御意見も耳にしているところでございますので、今後、こういったところを踏まえて、連携が深まるように取り組んでいかなければならないと考えております。
250◯板橋 聡委員 放課後児童クラブは、発達障がいのある児童はもちろんのこと、同じ放課後児童クラブを利用するほかの児童さんにとっても快適で安心して過ごすことができる居場所でなければなりません。そのためには、小学校と放課後児童クラブが、文科省と厚生労働省の垣根を越えて連携を深めていくべきと考えますが、両者の連携について今後どのように取り組んでいくのか、教育庁と青少年育成課それぞれお答えください。
251◯樋口 明委員長 一色義務教育課長。
252◯一色教育庁義務教育課長 小学校においては、放課後児童クラブは学校教育外での活動という認識があり、積極的な連携を図ろうとする意識が十分ではないというのが現状と認識しております。小学校と放課後児童クラブは運営主体が異なるわけですが、一方で、そこに通う子供は一人の同じ子供でございます。子供の主体性を尊重し、子供の健全な育成を図ることは、放課後児童クラブにも小学校にも求められております。下校時間の変更や災害時の対応等についての迅速な情報提供だけではなく、児童の特性や学校での児童の様子の変化等について定期的な連絡会の場を設けるなど、市町村教育委員会の取り組みを促してまいります。
253◯木下青少年育成課長 放課後児童クラブにおきましては、委員御指摘のように、発達障がいを初め、特別な配慮を必要とする児童に適切に対応していくためには、小学校との連携は必要不可欠であると考えております。小学校と放課後児童クラブとの連携の必要性やあり方につきましては、国の放課後児童クラブ運営指針、それから昨年九月に策定されました新・放課後子ども総合プランにも示されているところでございます。まずこれらにつきまして、教育委員会ともしっかり連携をし、放課後児童クラブの実施主体であります市町村に対し改めてこの内容の周知を図りますとともに、取り組みの参考となる連携の事例を紹介するなど、今後とも、放課後児童クラブと小学校との連携がさらに深まりますよう市町村における取り組みを支援してまいります。
254◯板橋 聡委員 いや、青少年育成課はしっかり連携するとか市町村における取り組みを支援するなどと言っていますけれども、五年前、平成二十六年六月議会の一般質問で私は全く同じ回答をいただいていますが、五年間何をやってきて、どんな成果があったか答えてください。
255◯木下青少年育成課長 青少年育成課といたしましては、放課後児童クラブを設置する市町村に対して、例年、県内四地区から二カ所程度の市町村を選定いたしまして、直接出向いた上で助言等を行う機会を設けております。その主な内容は補助対象経費の計上とか補助金の事務処理の内容となっておりますが、その中のヒアリングの項目の一つといたしまして、そういった学校との連携につきましても項目がございます。そういったところで、市町村によっては先進的な取り組みを始められていると聞いております。ただ、なかなか、先ほどからありますように連携が進まないという現状でございますので、そういったことを踏まえまして、さらに説明会等でそういった周知を図りますとともに、放課後児童クラブの連携に向けた動きがとりやすくなりますように、さらに教育委員会とも連携いたしまして支援してまいりたいと思っております。
256◯板橋 聡委員 最初から質問通告の中で発達障がいについての件を聞くと。そして、その中で連携の話もあるということを事前に言っておりますので、そこまで考えてちゃんと答弁をつくってこないとおかしいのではないかと思うんですけれども、今後に向けた決意を私学振興・青少年育成局長と副教育長、お願いします。
257◯樋口 明委員長 野田私学振興・青少年育成局長。
258◯野田私学振興・青少年育成局長 放課後児童クラブは、保護者が就労等により昼間家庭にいない小学生の遊びや生活の場であり、クラブを利用する全ての児童が安全に安心して過ごすことができる場とする必要がございますので、直接児童に接する放課後児童支援員の方々の役割は大変重要だと認識しております。
 県では、放課後児童支援員のスキルアップのため、課長が答弁しましたとおりの研修を実施しまして、その資質向上を図っているところでございます。放課後児童クラブを利用している障がいのある子供さんの数は年々増加しておりますことから、さらに放課後児童クラブで直面するさまざまな課題にきめ細かく対応できるよう、現場のニーズに即した効果的な実習を実施してまいります。
 また、放課後児童クラブにおきましては、委員御指摘のとおり小学校との連携は大変重要でございます。私も現場の支援員の方々からこういった声をお聞きして、本当に必要であると実感をしております。この連携については、先ほど課長が申し上げましたとおり国が基本的な考えを示しておりますことから、実施主体である市町村と改めて共有するとともに、教育委員会と密接な連携を図りながら放課後児童クラブと小学校との連携が深まりますよう市町村における取り組みをしっかり支援してまいりたいと考えております。
259◯樋口 明委員長 吉田副教育長。
260◯吉田教育庁副教育長 放課後児童クラブは、児童を授業の終了後に預かるというだけではなくて、基本的な生活習慣や、異年齢児童の交わりといったことを通して社会性を身につけ、発達段階に応じた主体的な遊びや生活ができる遊びの場、そして生活の場でございまして、子供の自主性とか社会性等を育み、次代を担う人材を育成する学校教育とも相通じるものでございます。このため、小学校と放課後児童クラブが日常的、定期的に情報共有を図り、一人一人の児童の状況を理解し合いながらきめ細かな支援を行うことができますよう、今後とも市町村教育委員会にしっかりと働きかけをしてまいりたいと思っております。
261◯板橋 聡委員 お二人がお答えされたとおり、特に野田局長が言われたとおり非常に大事だということは間違いないと思いますが、実際、なかなかそれがはかどっていないというのが正直なところだと思います。これはぜひ、県民に寄り添う温かい行政を目指される小川知事、そして教育長のほうに聞きたいと思いますので、知事及び教育長の保留質疑をお願いします。
262◯樋口 明委員長 ただいま板橋委員から申し出のありました知事及び教育長保留質疑を認めることにいたします。なお、知事及び教育長保留質疑は七月九日火曜日に行う予定でありますので、御了承願います。
263◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)

令和元年度予算特別委員会「ふくおかよかとこパスポートについて」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。
 通告に従い、ふくおかよかとこパスポートについて質問いたします。
 福岡県では平成二十八年度より、ふくおかよかとこパスポート事業を行っております。この事業については、私も平成二十八年の予算特別委員会において質問させていただき、その際、県、市町村、観光協会、地域の事業者と一緒になって事業を行い、県内各地への周遊、地域の活性化につなげていきたいという答弁をいただいております。今回は、三年間事業を行ってきてどのような状況なのか、また、今後どのようにしていこうと考えているかについてただしてまいります。
 まず、改めて、ふくおかよかとこパスポート事業とはどのようなものなのか、また、狙いは何かについてお尋ねします。
90◯樋口 明委員長 中垣観光振興課長。
91◯中垣観光振興課長 ふくおかよかとこパスポート事業は、県内の観光施設や体験プログラムなどで、利用が可能で利用者に特典がつく観光パスポートを発行いたしまして、このパスポート片手に県内を周遊してもらう事業でございます。また、パスポート利用者の利用状況をデータとして収集いたしまして、福岡県を訪れる観光客の属性や動向を調査、分析することによりまして、今後の観光施策立案に役立てていく狙いもございます。
92◯板橋 聡委員 そこで、ふくおかよかとこパスポート事業の実績についての資料を要求しておりますので、委員長、お取り計らいのほどお願いします。
93◯樋口 明委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
94◯樋口 明委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。
95◯中垣観光振興課長 はい、直ちに提出できます。
96◯樋口 明委員長 資料を正副委員長に確認させてください。
     〔資料確認〕
97◯樋口 明委員長 事務局は資料を配付してください。
     〔資料配付〕
98◯樋口 明委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。
99◯板橋 聡委員 では、簡潔に資料の説明をお願いします。
100◯中垣観光振興課長 ふくおかよかとこパスポート事業の実績についてでございます。
 最新の平成三十一年三月時点で、参加施設数は四百二十三施設となっております。
 また、登録者数といたしましては、紙パスポート登録者が三万三千八十九人、スマートフォン版パスポートは六千六百五十三人、合計で三万九千七百四十二人となっております。
101◯板橋 聡委員 この事業の目的の一つとして、観光客の属性や動向の調査ということが挙げられておりました。このパスポート登録者全てのデータが得られるのでしょうか。また、どのようなデータが得られ、そして、これまで得られたデータをどのように活用してこられたのかお答えください。
102◯中垣観光振興課長 現時点におきましては、スマートフォン版パスポートでのみデータを得ることができ、基本的なデータといたしましては、性別、居住地、年齢、個人ごとの利用施設など十三項目ございます。これによりまして、どのような方が、いつ、どの施設を訪れたかがデータとして収集できるため、このデータを分析することで利用者の周遊状況を把握することができます。これらのデータにつきましては、本県の旅行者の動向、行動パターンとして、旅行会社との商談会などの場において活用しているところでございます。
103◯板橋 聡委員 実績やデータ活用方法についてお聞きしましたけれども、データを有効に活用していくには、参加施設数や登録者数が少ないように感じます。比較対象として、日本で最初に観光パスポート事業を導入した先進県とも言える高知県の状況はどうなっているでしょうか。
104◯中垣観光振興課長 高知県におきましては平成二十四年から実施しておりまして、現在までに、参加施設数は七百五十施設、登録者数は約二十八万人となっております。
105◯板橋 聡委員 高知県は先進県とはいえ、人口規模から考えても、ふくおかよかとこパスポートの登録者数はいかにも低調かなと。また、観光客の属性・動向調査のためのデータが得られるのは、先ほどおっしゃいましたとおりスマートフォン版のアプリのみということで、アプリユーザーは六千六百五十三人と。自治体のビッグデータの活用というのがよく話題になっておりますけど、これはとてもビッグデータとは言えない、スモールデータ。ユーザー数の増加というのを考えなければならないのかなと思います。ただ、ユーザーの立場からすれば、使えるお店が多くないとメリットがありません。ユーザーがふえれば参加したいと思う施設もふえると。ユーザー数と参加施設数は鶏と卵のような関係かなと思います。
 実は、私もこのパスポートを登録いたしました。確認したところ、みやま市は十カ所、多いか少ないかわかりませんが、とにかく十カ所の参加施設が確認をできました。ただ、この十カ所のラインナップを見ますと、これは観光協会にお願いして、私から質問されないよう、とりあえず数はそろえたという印象をちょっと持たせていただきました。
 県内一律に通り一遍に働きかけを行っても、施設側が進んで参加するまでのメリットはなかなか感じることはないのではないかなと。例えばテーマを決めて、一定期間、一定の地域でキャンペーンを張るなど、参加したいと施設が思えるよう、特別感あるいはお得感を感じてもらわなければならないと思います。そのような着眼点は持っていらっしゃいますでしょうか。
106◯中垣観光振興課長 今委員御指摘のとおり、さらに参加施設をふやすためには新たな着眼点を持って取り組む必要があると考えております。このため今年度は新たに、県内の温泉地にスポットを当てました働きかけを行っていくことを計画しております。
 また今後は、官民挙げまして誘致活動に取り組んでおられます柳川市、みやま市など県内各地にゆかりの地があります立花宗茂とギン(もんがまえに言)千代、あるいは秋の紅葉が売りの観光資源といったテーマを決めたキャンペーンを行うことなどによって、参加施設数、そしてまた登録者数を増加させていきたいと考えております。
107◯板橋 聡委員 今、テーマを決めて実施ということで答弁ございましたけれども、それに加えて観光の底上げという観点では、各地域地域において、おもてなしのサービスレベル向上のための取り組みが必要だと考えます。とりわけ急増しているインバウンドに対しては、特に地方のほうではなかなか多言語化やキャッシュレス化が進みづらい状況にございます。ハードルが高いのかなと思いますけれども、まずはモデル地域を設定して地方の観光地においてもいろいろなことをやって成功事例をつくり上げていって、それを全県に広げていくという手法もあると思いますけれども、いかがでしょうか。
108◯中垣観光振興課長 県全域の観光地の底上げは喫緊の課題と考えております。このため、市町村や観光協会、また関係事業者とも連携しながら、パスポート事業だけではなく、多言語化、キャッシュレス化など、インバウンド受け入れ環境整備の事業も進めていくことによりまして、各地域の観光地としての魅力向上を図っていきたいと考えております。それには県内一律ではなくて、やる気のある地域から取り組んでいくということも有効な手段ではないかと思っております。
109◯板橋 聡委員 今、キャッシュレス化の促進ということをおっしゃいましたけれども、スマホ決済サービスが利用できる施設で──このふくおかよかとこパスポートはスマートフォン版アプリもございます、これを利用できれば、観光客にとって双方のサービスが利用できてメリットを感じやすいのではないか、また、パスポート参加施設にとっても来客促進につながるのではないかと感じております。スマホ決済サービス事業者が、小売店、飲食店に対し、パスポート事業の紹介も一緒に行うようなことはできないのでしょうか。
110◯中垣観光振興課長 商工部におきましては、キャッシュレス化促進に取り組んでいるところでございまして、小売店、飲食店を対象といたしましたキャッシュレス説明会などを行うことといたしております。そのような場におきましてパスポート事業参加への働きかけを行うなど、キャッシュレス事業とも連携してまいりたいと思います。
111◯板橋 聡委員 実は三年前の質問で参加施設数の目標を尋ねたところ、五百ということを聞いております。三年たった現在の参加施設は、ちょっとこれは見て目を覆いたくなるような……。正直少な過ぎる。私としては、この十倍はお願いしたい気持ちでありますが、一方、数だけふやしても余り意味がないと感じております。やはり事業目的に合った施設でないと効果が得られないと思っております。
 そこには、やはり戦略をしっかり現場の職員の皆さんが持って、今後どのように参加施設や登録者数をふやしていこうとしているのか、そういったものがないと本当に効果的な事業にはならないと思っておりますけれど、商工部観光局としては戦略はあるのか、ぜひお聞かせ願いたいと思います。
112◯中垣観光振興課長 本事業は、これまで知られていなかったような観光地におきましても、パスポート参加施設となることによりまして、登録者にとっての魅力が高まって、観光客の増加につながっていくと考えております。これによって、登録者だけではなくて参加施設にとってもメリットを感じてもらうことが狙いでございます。
 それにはまず、時期を捉えたテーマ設定で観光地をつなげる、あるいはモデル地域を設定してキャッシュレス化なども一緒に集中的に行うことで、登録者にとっての魅力的な地域となる成功事例をつくりまして、それを県内各地に展開していくことが有効ではないかと考えております。これらの戦略によりまして、本事業の参加施設数、登録者数をふやしていきたいと思います。
113◯板橋 聡委員 三年後また質問しなくていいように、しっかり実績を積み上げていただきたい。
 では最後に、この事業に対する部長の決意を伺いたいと思います。
114◯樋口 明委員長 岩永商工部長。
115◯岩永商工部長 パスポート事業に対する決意でございます。
 本事業につきましては、委員から先ほど御紹介ございましたとおり、平成二十八年の予算特別委員会において委員御自身からさまざまな御指摘をいただいていたところでございます。当時、私も財政課長といたしまして、その委員会に出席をして拝聴したところでございます。
 この委員の御指摘も踏まえまして、まずアプリ版を導入することといたしました。まだ若干少ないかもわかりませんが、六千六百人の方に利用いただいているという状況がございます。また、もう一つは、体験型のイベントを導入したらどうかということがございました。これにつきましても五十を超える施設に今参加をいただいているところでございます。
 また、ただいま委員のほうから新たな大変貴重な御指摘を幾つもいただいたところでございます。まずキャンペーンの実施につきましては、本年度、我々は新たに県内温泉地をめぐるという事業を考えております。その中でこの事業を活用してまいりたいと考えております。また、キャンペーンの実施につきましても大変有効な手段であると考えますので、前向きに検討させていただきたいと思います。
 このような取り組みを通しまして、この事業の効果が最大限発揮できるように、我々としても全力で取り組んでまいりたいと思います。そのことによりまして、県内への誘客を図る、そして県内各地への周遊を図っていく、そういったことに全力で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
116◯板橋 聡委員 福岡県は現状とても観光先進県とは呼べない状況ですけれども、宿泊税の創設など本格的に観光振興に打って出てきたのだなと感じております。真の観光先進県になるには、現場の皆さんの熱意と創意工夫が必要であります。ぜひ頑張っていただきたいと思います。終わります。(拍手)

令和元年度予算特別委員会「少子化対策に関する県の姿勢について」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。
 通告に従いまして、少子化対策に関する県の姿勢について質問いたします。
 平成二十六年五月に日本創成会議が人口減少予測をもとに消滅可能性自治体を発表して五年がたちます。私も同じ平成二十六年六月議会の一般質問で、未婚化、晩婚化対策について質問して以降、予算特別委員会、決算特別委員会や子ども・子育て支援調査特別委員会など何度も執行部をただしてまいりました。ことし令和元年度には、少子化対策の方向性と具体的施策、事業を決める次期ふくおか子ども・子育て応援総合プランが策定される年度と伺っております。もとより結婚や出産は極めて個人的な問題であり、デリケートで扱いづらい一面がありますが、一定規模の人口を維持し地域が活力を持ち続けることは個人の幸せにつながると信じて、質問をいたします。
 まず、通告に基づき、人口動態などの推移、出会い・結婚応援事業に関する予算などの推移に関する資料の提出を要求いたし、委員長のお取り計らいをお願いいたします。
169◯樋口 明委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
170◯樋口 明委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。坪根子育て支援課長。
171◯坪根子育て支援課長 直ちに提出できます。
172◯樋口 明委員長 資料を正副委員長に確認させてください。
     〔資料確認〕
173◯樋口 明委員長 事務局は資料を配付してください。
     〔資料配付〕
174◯樋口 明委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。
175◯板橋 聡委員 簡潔に資料の説明をお願いします。
176◯坪根子育て支援課長 配付資料について御説明させていただきます。三枚ございます。
 まず、一枚目の人口動態総覧の年次推移でございます。こちらの上のグラフになりますけれども、昭和二十二年から平成三十年までの全国の出生数、婚姻件数の推移をお示ししております。
 二枚目の本県における出生数等及び出会い・結婚応援事業の状況についてをお願いいたします。
 一の表につきましては、平成二十六年から五年間の本県の出生数等の推移でございます。出生数は、平成二十七年までは四万五千人程度で推移しておりましたが、平成二十八年以降、減少しておりまして、平成三十年は四万二千八人と、前年より千四百三十人の減少となっております。三番目の婚姻件数についても減少傾向となっており、平成三十年は前年より六百二十五組減の二万五千二百六十二組となっております。
 二の未婚率の推移でございます。五十歳時の未婚割合につきましては、平成二十七年では、二十二年と比較いたしまして、男性で三・二七%、女性では三・四八%増加しております。
 三は、昨年度実施いたしました福岡県子育て等に関する県民意識調査における出会い・結婚応援事業の認知状況と参加意向の調査結果でございます。
 続きまして、三枚目の出会い・結婚応援事業に関する予算額の推移でございます。上の表は、平成二十五年度から本年度までの本事業に係る事業内容と予算の推移でございます。下の表は、出会い・結婚応援事業の平成二十五年度から三十年度までの事業実績でございます。
 説明は以上でございます。
177◯板橋 聡委員 過去、私は、少子化対策の一丁目一番地は、結婚をし、家庭を持つことを希望する若者がふえ、その希望を実現できる社会にすることと訴えてまいり、小川知事にも賛同をいただきました。人口動態総覧の一枚目の資料の年次推移のグラフの婚姻件数と出生数を見ていただくと、この二つの数字は数十年前から明確な相関関係が見てとれます。婚姻数がふえれば出生数も増加し、婚姻数が減少すれば出生数も同様の動きをすると。日本社会において、統計的にも婚姻数が出生数の動きに直結するという認識を御共有いただけますか。
178◯坪根子育て支援課長 日本社会における婚姻数と出生数につきましては、明確な相関関係にあると考えております。
179◯板橋 聡委員 婚姻数がふえれば出生数の増加が期待できるというマクロ的視点から、出会い・結婚応援事業を実施していただいていると理解しております。そこで、県はどのように出会い・結婚応援事業に取り組んでいるのでしょうか。
180◯坪根子育て支援課長 出会い・結婚応援事業につきましては、まずは若者たちへの出会いの場の提供、カップリングによる結婚のきっかけづくりとともに、社会全体で若者の出会い、結婚という希望をかなえるための環境整備が重要であると考えておりますことから、出会い応援団体の登録拡大に取り組んでまいりました。登録拡大のために、昨年度、人口減少が企業に与える影響や実際に登録を行っていただいている企業経営者の声などをまとめたリーフレットを作成し、経済団体や事業者団体の例会等の各種会合において本リーフレットを活用した働きかけを行うとともに、更新時期を迎える全ての子育て応援宣言企業に対しまして登録の働きかけを行っております。また、出会い応援団体登録へのインセンティブとして、昨年度、出会い応援団体の登録証の交付を受けた企業、団体に対しまして、県の入札参加資格審査において、地域貢献活動評価として評価点を加算することといたしました。これらの取り組みの結果、出会い応援団体の登録数は平成三十一年三月末現在で千五百三十一団体となり、平成三十年三月末時点から八百七十二団体増加しております。
181◯板橋 聡委員 頑張っていらっしゃるみたいですけれども、しかしながら、二枚目の資料には余り芳しくない数字が並んでいます。先ほど坪根課長がおっしゃられたとおり、県の婚姻件数は平成二十六年、二万七千三百五十九件あったものが、平成三十年の概算値では二万五千二百六十二組に減っていますし、実は平成三十一年では、既に一月、四月の速報値が出ていまして七千八百二十件、これを大体三倍すると、何と二万三千四百六十組、ことしの婚姻数はなるのではないかと。これは平成二十六年と比べて八五%、一五%の減。同様に出生数も、平成三十一年の一月、四月の速報値を単純に計算しますと、三万九千九百二十四人の出生数が今年度見込まれるということで、これも一二%以上の減ということになっております。
 私は決して、子育て支援課の皆さんが頑張っていないと言うつもりはございません。三枚目の資料の上段にあるとおり、ここ数年、ほぼ同額の限られた予算の中で、出会い応援団体数、あかい糸めーる会員数、出会いイベント開催数、参加人数、これは下段に書いてあるんですけれども、ちゃんとふやしていらっしゃいます。しかしながら残念なことに、このイベントを通じて成婚に至ったと報告する方は、これは一番下に書いてございますが、平成二十五年からほとんどふえていない。若干減っているぐらいです。そして同様に、県全体の婚姻数との相関関係もまだ出ていないと。
 職員の皆さんの地道な努力や着実な実績を事業の最終目標である婚姻数の増加へつなげていくには、これまでの事業だけではなかなかうまくいっていない。つまり何か事業にプラスして、もっと予算や人をふやして新しい取り組みを行う必要があるのではないでしょうか。
182◯坪根子育て支援課長 本県では平成二十八年度から、社会全体で若者の出会い、結婚という希望をかなえるための環境整備といたしまして、全国に先駆けて企業に対し結婚応援宣言の取り組みを開始したところであり、現在は全ての出会い応援団体のトップに結婚応援宣言を行っていただいております。結婚応援宣言に取り組んでいただくことによりまして、経済団体や事業者団体の理解が深まりまして、会員企業の独身者を対象にした出会いイベントの新規開催など、各団体の自発的な取り組みが企画されるまでになっております。
 また、福岡地域以外での出会いイベントの開催拡大を図るため、農業団体や幼稚園関係団体、医療機関などの団体と連携いたしまして、異なる事業者団体間での出会いイベントの企画支援にも力を入れて取り組んでいるところでございます。さらに、昨年度は九州・山口各県及び経済界が一体となり、結婚・子育て応援企業フォーラムを開催いたしました。本年度は企業における結婚支援の重要性やその効果的な取り組み事例などをまとめました啓発冊子の作成を行うことによりまして、企業、団体における結婚応援の機運をさらに高めてまいりたいと考えております。
183◯板橋 聡委員 私の質問は、新たな事業、人、予算、こういったものが必要なのではないかということでございます。課長レベルではここで新たな予算を約束するのが難しいのは理解いたしますけれども、今の答弁は今までの事業範囲の中でいろいろ工夫をしていきますということだと理解しております。
 小川知事は、さきの知事選で発表した政策集において、現在、福岡県は前年から人口が増加した七都県の一つですと述べていますが、本県の人口がふえているといっても、ふえているのは福岡都市圏だけです。それも地方から若者が進学、就職で集まるような社会増が中心であり、自然増は少ないです。福岡市の出生数、婚姻件数はここ数年どのように推移していますでしょうか。
184◯坪根子育て支援課長 福岡市の婚姻件数でございます。平成二十七年では九千九百三組でございますが、平成三十年は九千五百三十二組と、婚姻件数につきましては減少しております。また、出生数につきましては、平成二十七年では一万四千七百九十七人でございますが、平成三十年には一万三千九百二十七人と、前年に比較しまして四百五十五人減少しております。
185◯板橋 聡委員 つけ加えますと、平成三十一年の速報値で見れば、婚姻数は恐らく令和元年で九千百二件で、五年前と比べると約九一%と一〇%近く減る。出生数におきましても、ことしの速報値で予想しますと一万二千八百七名、平成二十七年と比較して一三・五%ぐらい減るのではないかと予想されます。さらには、福岡市の合計特殊出生率は、ちょっと前のデータになりますが、一・二四ということで、福岡県内でも下位に属します。
 知事は政策集において、ライフステージを切れ目なく支援して、結婚や子育ての希望をかなえますとして、若者の就業支援や企業の子育て支援、保育体制の充実等を政策として上げています。しかしながら、福岡市は、求人倍率あるいは給与水準は地方に比較してもはるかに高く、子育て支援の施策の質や量、こういったものも充実しているはずでございます。しかしながら、婚姻数や出生数がふえているわけではない。これは、知事がおっしゃる少子化対策のロジックをよく立ちどまって見直すタイミングではないのでしょうか。
 実は、出会い・結婚応援事業の唯一の数値目標は、出会い応援イベント参加者数年間八千人で、これは昨年度達成を数字的にはしております。しかしながら、これがふえても、イベントを通じた婚姻報告の数、あるいは県下の婚姻件数、出生数はふえなかったわけで、やはり事業効果を検証し、本当に効果的な施策を打つためにも、もっと具体的な数値目標を立てて対策を行っていく必要があると考えますけれども、どのように思われるでしょうか。これは部長にお答えいただけますでしょうか。
186◯樋口 明委員長 神代福祉労働部長。
187◯神代福祉労働部長 今、具体的な目標をということでございましたけれども、先ほどもちょっと出ましたけども、今、私どものほうではプランに沿って目標も定めながらやっているところでございますけども、今後、新たなプランの作成を、次期ふくおか子ども・子育て総合応援プランというものの策定を予定しております。その中で、これまでも私ども、また知事も申しております、若者が結婚、子育てに夢や希望を持って、その希望をかなえ、子供を安心して産み育てることができる、子供が健やかに育つ社会づくり、子育てを地域全体で応援する社会づくりを進めていくといった総合的な中で、若者たちが希望を持って、また出会い、結婚し、子供を産んでいくということを目指しておりますので、そういった中で、今後策定を考えておりますプランの策定の中で、有識者の皆様ともいろんな御意見もいただきながら検討することになりますので、その中で今後、具体的な目標等をどう定めるべきかということもあわせて検討していきたいと考えております。
188◯板橋 聡委員 具体的な数値目標を定めていただけるということで、よろしくお願いいたします。
 岡山県奈義町という町があるんですけれども、合計特殊出生率二・六という目標を自治体として掲げていらっしゃいます。小さな自治体ではありますけれども、平成十七年に一・四一だった出生率が平成二十六年には二・八一となって、その後も本州トップクラスの二・〇前後を維持しているそうです。
 知事は人口減少を喫緊の課題と言われますが、どうにでも言いわけができるような間接的な数値目標を立てて、ここ数年そのプラン云々という話をされていたと。具体的な数値目標を迫ると、個人的な問題なので慎重であるべきとかわしてこられました。これでは現場の職員が魂を込めて少子化対策に取り組めるとは思えません。時代は令和となりました。新時代にふさわしい人口減少対策への意気込みを、ぜひ直接、知事にただしたく、知事保留のお取り計らいをお願いします。
189◯樋口 明委員長 ただいま板橋委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。
 なお、知事保留質疑は七月九日火曜日に行う予定でありますので、御了承願います。
190◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)