【スポーツ振興・国際交流推進調査特別委員会 管外視察 兵庫県・大阪府】
私が副委員長を務めるスポーツ振興・国際交流推進調査特別委員会で管外視察を10月23−24日に行いました。備忘録として書き留めておきます。
○ 神戸市御崎公園球技場(ノエビアスタジアム神戸)「RWC2019開催に向けた神戸市の取組について」
開催まで一年を切ったラグビーワールドカップ2019日本大会(以下「RWC2019」)で試合会場になっている神戸市御崎公園球技場(以下「ノエビアスタジアム」)はイングランド対アメリカ戦などい4つの試合会場となっています。ノエビアスタジアムは27600席を有し、福岡県のRWC2019試合会場であるレベルファイブスタジアムと規模的にはほぼ同じです。神戸市で行われているラグビー普及啓発やプロモーション活動などを参考にするべく訪問致しました。
ノエビアスタジアムは総工費約220億円で開閉式の屋根が特徴的です。開催試合のチームが福岡と被っているところが多く、それらのチームのファンにRWC2019開催中に神戸と福岡を周遊して頂けるような観光振興を考えられないか具体的な提案をさせて頂きました。
一方で、福岡のレベルファイブスタジアムと違い、ノエビアスタジアムは住宅地のど真ん中に存在しており、アクセスは便利ですが逆に地元対策は苦労しそうです。
神戸市側からは福岡では青年会議所が主導するドリームラグビーフェスティバルのような行政主導で無い盛り上がりが羨ましいとのコメントがありました。
○ 兵庫県国際交流協会「多文化共生の取組について」
「多文化共生社会の実現」「交流人口の拡大」「人づくりへの貢献」の3つを活動の柱とし様々な事業を実施している兵庫県国際交流協会。阪神淡路大震災、東日本大震災の2つの震災から、災害時のセーフティネットにもなる日本語教室の重要性に着目し、県内全ての市町に教室を開設する取組を行っています。
縦割り行政の弊害で、住民保護の観点で実態の把握が難しい在留外国人。技能実習生の増加で、県内全体に様々な国籍の住民が増えています。更に日系三世ビザで在留する場合、技能実習生における受入企業などと違い身元引受人的な役割が居ないなど、在留外国人を地域を構成とする一員として捉えていく必要があります。
そのセーフティネットとして日本語教室を兵庫県内の全ての市町に開設する事を目標とし平成24年から事業を開始しました。
その結果、外国人住民と日本人住民の関係作り、市町などと日本語教室の連携、日本語教室から地域全体への発信、近隣地域との連携など具体的な成果が現れ、平成27年度末に日本語教室が無い空白地が解消され、兵庫県内全市町に教室が設置されました。
内閣府のガイドラインでは災害時要援護者の具体例として外国人を対象としていますが、自治体においては「避難行動要支援者」に日本語の理解が困難で災害時に配慮が必要となる外国人の所在が把握出来ている自治体は殆ど無いのではと思われます。その観点から、セーフティネットとしての日本語教室は効果があると感じました。
○ 国際交流基金関西国際センター「国際センターの事業について」
独立行政法人 国際交流基金 関西国際センターは海外の様々な国の外交官、公務員や日本研究を行う研究者などを招へいし、それぞれの職務や研究に役に立つ専門日本語の研修を行っています。また周辺自治体やNPO等の団体と協力し、研修生と地域の人々との交流事業を実施しています。
外交官などは、ほぼゼロの状況から8ヶ月合宿研修を行い日常会話に支障が無いまでに日本語を習得されるそうです。
研修事業として、外交官・公務員・文化学術専門家への日本語研修を中心に、海外の非営利団体等の要請を受けて経費負担をして頂き受託研修を行ったり、海外の日本語学習奨励の為に若年層(高校生など)を日本に招聘し日本語学習研修を行ったりしています。
また、来日せずともインターネット環境で日本語学習が出来るEラーニング事業にも力を入れています。例えばアニメ・漫画でよく使われる日本語をクイズ・ゲーム形式で学べるサイトなど、日本語を学習したくても地理的・時間的に機会に恵まれない方へ様々なEラーニングを提供しています。
関西空港近くにある関西国際センターは、先日の台風21号でガラスが割れたり、屋根が剥がれたり多くの被害があったそうですが、幸いな事に被害当日には研修生がたまたまゼロだったそうです。
(台風21号の影響で、人工芝は剥がれ、左奥のフェンスは倒壊した、関西国際センター内のテニスコート)
この施設を通じて多くの知日派外国人が増える事を期待しております。