東北視察備忘録 その1

11月19日~21日に私が所属する総務企画地域振興委員会の視察が東北にて行われました。
今回の視察目的は3つ、(1)東日本大震災から1年8ヶ月を経過した現地の復興状況、(2)世界遺産登録された平泉における登録前の取組と登録後の状況、(3)滝沢村における産学官連携について、です。

先ず、東日本大震災被災地の復興状況を確かめに名取市と石巻市を訪問しました。
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名取市においては約1000名の方が亡くなったり行方不明となっていらっしゃいます。左上の写真は名取市の中でも一番被害が大きかった閖上地区です。農地だったのかと勘違いしそうですが、住宅基礎部分のブロックが生々しく残っている後継に絶句しました。

googleマップで名取市閖上を検索して、地図と航空写真を比較して頂ければ皆さんも実感して頂けると思います。

また右上の写真は閖上に有る日和山富士主姫神社があった高さ約10mの塚ですが、津波はこの上まで到達していたとの事です。この地域の高齢者の方は自立再建できない方も多かったり、小さいお子さんがいるような御家族は逆に沿岸部に戻ることに躊躇されている方も多く、地域の再建は非常に困難との事。また被災者に対する補助事業も仙台市のような大都市なら予算的にも融通が利く余地があるが、名取市や石巻市は独自の補助をするような予算的余裕はないとの事。集団移転は進んでいるが大きな街のコミュニティーそのものを移転させるような事は出来ないとの事です。
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死者・行方不明者約4000人を出した石巻市も、沿岸部の光景は似たようなものでした。右上の写真は門脇小学校です。ここは津波で被災したうえに、一緒に流れてきた油に火が燃え移り校舎が焼けてしまったそうです。石巻一帯はこのような津波による火災が至るところで発生し被害をさらに拡大したとの事。

復興予算の問題等が国会では話題になっておりましたが、コミュニティの再生という視点がちゃんと議論されているのか?議論されていてもそれが本当に地域にとって求められているものなのか?その上でスピード感も求められる、全てを満たすことは出来ないのかも知れませんが、だからこそ政治が決断してそれを国民が信頼し見守れるような関係が構築されていないければならないと感じました。

長くなってしまいましたので、続きは後日。

衆議院解散&今年の海苔は美味しいぞ!

去る11月16日に衆議院が解散されました。総選挙は12月4日公示、16日投票です。

私の地元である福岡第七選挙区では古賀誠前衆議院議員が不出馬を表明されました。約32年の長きにわたり郷土の発展だけを願い、時に批判にさらされようが信念を貫かれた政治姿勢には感服するばかりです。今後も政治塾を開かれ後進の指導をするなど政治の世界には携わられるそうです。

後継者には秘書の藤丸さとし氏を古賀先生自ら指名されました。藤丸さんは秘書として古賀先生の下で30年以上その政治活動を支えてこられ、多くの官僚とも人脈を形成されているそうです。まさに即戦力として期待できる方かと思います。

私が支部長を務める自民党山門支部は昨日執行役員会を開催し全会一致で藤丸氏を公認立候補予定者に推薦することを決定しました。これから様々な機会に皆様の前に登場することと思いますが、どうぞ多くの方々に藤丸さんの人となりを知っていただければと思います。

国政が師走選挙一色に染まっていますが、県政はじめ地方自治は全く関係なく粛々と進んでいきます。私自身今日から東北視察ですし、告示前日の12月3日より12月議会も始まります。以前から決まっていたことなので当然といえば当然ですが。
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そんな中、昨日は小川県知事がどうしても有明海の海苔の育成状況を確認したいと、激務の間を縫って早朝7時から中島の海苔協業団地視察されたので同行。

西田有明漁協組合会長によると今年は水温が低かったのが幸いして10年に一度といってよいほど味、色付き共に抜群だそうです。一方、生産高が今一つなのと、相場が低調なのが気掛かりとのこと。豪雨災害の時には果たして今年の海苔生産は出来るのかと心配しましたが、この報告に知事はじめ私もホッと胸をなで下ろしました。

現地で採れたての海苔をさっと炙て頂きましたがほんのり甘くてご飯が恋しくなるくらい美味しかったですよ!

佐賀インターナショナルバルーンフェスタ

11月2日の決算特別委員会で行った質問のうち海外事務所の件が11月3日付け朝日・読売・西日本の各朝刊で取り上げられました。
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朝日新聞が一番詳しく書いてあったのですが、ポイントはフランクフルト事務所は廃止されますが今まで続けてきた八女茶等県産品の販路拡大事業は外部委託して継続するという点だと思います。

さて、先週末佐賀県で行われていたインターナショナル・バルーンフェスティバルを視察してきました。
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前列左から小部ファミリーマート専務、小林伊藤忠商事会長、北村シーアイ化成会長、私、吉野日本アクセス相談役です。
ファミリーマートがスポンサーをされているのと、シーアイ化成が海外からの選手にバルーンをレンタルされているご縁でデモフライトに搭乗させてもらいました。
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初気球体験でしたが、ビックリしたのは気球のバスケット(人が乗る部分)が結構小さかったこと。120cm四方位でしょうか?外見でも小さいのですが中には四隅に既に燃料となるガスボンベが設置されており、ここに大人の男性3人(パイロットと乗客)がのるとさすがに窮屈でした。
しかしこの狭さが逆に安心感に繋がったのでしょうか、ふわりと離陸する瞬間はまるで自分の身体が無重力の世界に引き込まれていくような感覚で、その後高度250m近くまで上昇しました。快晴無風に絶好のコンディションだったのもありますが、安心して身を任せていました。本当に貴重な経験をさせて頂き北村会長はじめ皆様に感謝しております。
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パイロットの方が仰っていましたが、市をあげてバルーンフェスタに対して協力体制を作っているが、とはいえ見ず知らずの農地に着陸するのは色々な感情をお持ちの方もいらっしゃるので気を遣うそうです。実際私の乗ったバルーンは農道に着陸されました。5m幅位の農道にピタリと止めるテクニックに驚くばかりでしたが、そういう事情を聞くと複雑な心境です。
佐賀の地形やよく区画整理された農地を空から眺めると、ここで開催すべき大会であることも間違いないです。街興しも地域の持つ特性をうまく利用する事でもう一段の盛り上がりに繋がると思いしりました。前日は佐賀県の坂井副知事、山口農林水産商工本部長ともお話する機会を得ました。議員と執行部というのは普段緊張関係があるものですが、県が違えば同じ九州の行政に関わる人間としてざっくばらんに意見交換させて頂きました。
この経験を今後の街作りの参考にさせて頂きます。

平成23年度決算特別委員会質問「県と私企業の協定について」

◯板橋 聡委員 皆さん、こんにちは。自民党県議団の板橋聡です。
 六月議会にて質問しました県とイオンとの包括協定について、知事から答弁をいただきましたが、県民に対して胸を張って説明できるような内容ではございませんでした。今回、一問一答形式で県と私企業の協定についてただしていきたいと思います。的を射た簡潔な答弁をお願いします。
 多くの企業が社会貢献を行っている中で、イオンとの包括協定の目的と意義を教えてください。

◯冨田徳二副委員長 重松社会活動推進課長。

◯重松社会活動推進課長 実は、イオンから県に対しまして、地域社会への貢献を進めたいということで、昨年の十一月に県に対しまして社会活動協働事業を行うための包括的な提携の申し入れがございました。イオンの場合、当時、既に三十七の都道府県と取り組んでいたことがございますものですから、中身を各部の関係課と協議をいたしまして調整をいたしましたところ、いずれの内容も個別に結んでいくことができる非常に幅広い内容だったということで、私ども、今回、包括的に協定を結ぶという状況となったところでございます。

◯板橋 聡委員 余り目的にも意義にもなっていないと思うんですけれども。個別の社会貢献について協定を結んでいなくてもいろいろと協力していただいている企業はたくさんございます。逆に言うと、どうして個別に社会貢献している企業とは協定を結ばないんですか。

◯重松社会活動推進課長 一つは、やはりこの社会貢献活動は企業さん方の自主的な活動でございますので、常日ごろから私どもの職務として社会貢献の活動に取り組んでいただきたいという促しはしておりますが。実際に私どもに提案があるという状況が、今回イオンから提案がございましたが、今後もしそのような申し出がありましたら、ぜひとも前向きに取り組んでいきたいと思っております。

◯板橋 聡委員 イオンとの包括協定に関しては、提携事項として、地域防災の協力に関すること、地域の安全安心に関することとあります。同様に、イオン九州は福岡県と災害時の物資の供給に関する協定書を結んでいますけれども、七月十四日の九州北部豪雨の際に被災地に物資供給を行った会社はどこですか。藤山防災企画課長、教えてください。
    〔正副委員長交代〕

◯原口剣生委員長 藤山防災企画課長。

◯藤山防災企画課長 被災地からの要請を踏まえまして県のほうから要請をいたしましたのは、ローソンでありますとか、セブンイレブン・ジャパンといった企業でございます。

◯板橋 聡委員 全部ですか、それで。

◯藤山防災企画課長 東筑軒、それから、北九州駅弁当、クラウン製パン、中屋フーズ、リョーユーパン、大福、ローソン、セブンイレブン・ジャパン、ファミリーマートでございます。

◯板橋 聡委員 雨の日にイオンは傘を貸してくれましたでしょうか。
 次の問題点は、包括協定の期間です。このイオンとの包括協定の第四条を読みますと、双方から申し出がない限り協定は自動更新ということで、毎年更新されるようになっております。
 一方、七月十四日の九州北部豪雨以降、被災地の応急処置のために二十四時間体制で頑張り続けた建設業者の皆様と締結している風水害時の緊急対策工事などに関する協定、略して風水害協定、こちらの有効期間はどうなっておりますでしょうか。横枕課長、正確にお答えください。

◯原口剣生委員長 横枕企画交通課長。

◯横枕企画交通課長 風水害時の協定につきましては、例年、六月一日に協定を締結し、翌年五月末までの一年間としております。

◯板橋 聡委員 期間を一年間に限定して、毎年新しく協定を締結しなくてはならない理由は何でしょうか。

◯横枕企画交通課長 風水災害協定を締結する建設業者には、集中豪雨などの厳しい条件の中で安全かつ確実に工事を実施していただかなければなりません。このことから、直近の工事の実績や技術力を審査し、建設業者の施工能力を確認する必要がありますので、一年という期間を設定しております。

◯板橋 聡委員 福岡県民の多くが愛するソフトバンクホークスは過去はダイエーホークスと呼ばれていました。そのダイエーですら二〇〇四年に経営破綻して産業再生機構送りになっております。最近、再上場を果たしたJALは、国策企業だったにもかかわらず経営破綻、オリンパスは不正経理処理であわや上場廃止とささやかれました。超一流と言われる企業でも一寸先は闇。毎年協定を締結し直すことで、協定先が協定を結ぶに値するのかどうかと確認作業を行う県土整備部の姿勢は県として当然だと考えます。一方で、イオンとの包括協定は自動更新と。県の態度としてはちょっとこれは怠慢ではないか。また、これは企業によっての不公平感を物すごく感じます。
 続きまして、イオンとの包括協定の一環として発行された電子マネーカード「ふくおか共創WAON」カードについてお尋ねします。
 プレスリリースと新聞記事の資料要求をさせていただきたいと思いますので、委員長、お取り計らいをお願いします。

◯原口剣生委員長 お諮りします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯原口剣生委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料について提出できますか。

◯重松社会活動推進課長 はい、直ちに提出いたします。

◯原口剣生委員長 資料を正副委員長に確認させてください。
    〔資料確認〕

◯原口剣生委員長 事務局は資料の配付をお願いします。
    〔資料配付〕

◯原口剣生委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 では、簡潔に説明をお願いします。

◯重松社会活動推進課長 お手元に三枚の資料を置かせていただきました。
 まず、一枚目でございます。これは本年四月十八日に行われました知事の定例会見の要旨でございます。発表事項は福岡県とイオン株式会社との包括提携協定の締結についてで、その要旨でございます。
 続きまして、二枚目をごらんください。二枚目の資料は、四月二十日に行われました福岡県とイオン株式会社との包括提携協定の際のイオン株式会社から記者へ提供された資料でございます。
 次に、三枚目です。これはこの包括協定を行いました翌日の四月二十一日の朝刊に掲載をされました記事でございます。

◯板橋 聡委員 その三枚それぞれに電子マネーカード、ふくおか共創WAONカードについて説明がございます。
 一枚目の真ん中あたりに、小川知事は「イオン株式会社と包括提携協定を締結することに合意しました。特徴は二点です」ということで、第一点は新たな電子マネーを発行し、その利用金額の一部を寄附すると。二枚目のイオン株式会社のプレスリリースの三段落目に書いてありますけれども、本協定の取り組みの第一弾として、ふくおか共創WOANカードを発行すると。三枚目はそれをもとにして書かれた西日本新聞の記事ですけれども、最初の一段目の五行目ぐらいから、「協定の一環として二十一日からは買い物金額の〇・一%が福岡県に寄附される電子マネーカードが発行される」と書いてあります。
 小川知事みずから、この協定の特徴とおっしゃって、イオン側も取り組みの第一弾として、その位置づけで大々的に電子マネー、ふくおか共創WAONカードを宣伝しているわけですね。
 寄附の定義というのは、寄附者がみずからの意思に基づき金銭、財産を対象機関、施設へ無償で供与することです。なぜ協定で寄附の枠組みをつくらなければならないのでしょうか。そのリスクを検討されたことがありますか、重松課長。

◯重松社会活動推進課長 今回、包括提携の申し出がありましたときに多くの事項が協定の中で示されたわけですけれども、その中の一つとしまして、このICカードを使って、私どもが取り組んでおります共助社会づくりに向けた地域での社会貢献活動に支援をしたいという申し出がありましたものですから、協定事項の一つとして受けとめたところでございます。
 この仕組みなんですけれども、委員御承知のように、イオンが独自でつくった仕組みでございまして、その収益の中から一部を地域に寄附するという仕組みを提示されまして、私どもは、今現在も企業さんが地域に寄附という形で貢献されるという形が広く広がっているものですから、その一つとして受けとめたところでございます。

◯板橋 聡委員 先ほど課長のお話の中にもあったとおり、企業の売り上げに連動した寄附というのは既にございます。博多に工場を持つアサヒビールはスーパードライ関連の対象商品の売り上げ一本につき一円を福岡の自然景観保全活動のために寄附されていますが、これについて協定は結ばれていますか。

◯重松社会活動推進課長 アサヒビールにつきましては、協定という形では結んではございません。

◯板橋 聡委員 ちなみに、イオンの初年度目標募金金額は幾らですか。また、同様に、アサヒビールの商品売り上げ連動のことしの募金金額は幾らですか。

◯重松社会活動推進課長 金額につきましては承知をしておりません。

◯板橋 聡委員 先ほど配っていただいたこの資料の中に書いてございますけれども、資料を見てないんですか。そちらが出した資料ですけど。

◯重松社会活動推進課長 新聞の報道でございますけれども、これは会見が終わりました後に、直接、記者の方がイオンさんにインタビューをされて答えられた、そういう数字だと認識しております。

◯板橋 聡委員 ただ、そちらにつくっていただいた資料ですよね。出していただくときに中身ぐらいは見て提出していただきたいと思います。まあ、余りこれは言いません。二百万円と書いてありますね。ちなみに、アサヒビールの商品の売り上げ連動のことしの募金金額に関しては大体千四百万円ぐらいということを私は重松課長から教えていただきましたので、これは一応、念のために言っておきます。以上を考えても、わざわざイオンと包括協定を結んで、雄県福岡県の私企業に対する公平性、公正性をおとしめるような必要はないと思います。福岡県が一私企業と適切な関係性を維持するためには、少なくとも協定期間を一年ごとの満期にし、毎年締結し直し、かつ福岡県とふくおか共創WAONカードはかかわりがないことを誰から見ても誤解のないよう明示することを求めたいと思いますが、長谷川部長、見解をお聞かせください。

◯原口剣生委員長 長谷川新社会推進部長。

◯長谷川新社会推進部長 毎年の契約の問題でございます。先ほど委員御指摘のとおり、このイオンとの提携については、その内容で更新について一年とすると。それを基本として、お互い協定の有効期限の満了一カ月前までに特段の申し出をしないときは、という条件つきで一年間更新する取り扱いとしているところでございます。
 それから、もう一点、カード自体が県とかかわりのないということの宣言といいますか、表明ということにつきましては、基本的には、これは資料の中の知事の記者会見でもありますように、私企業でありますイオンが独自の考え方で仕組みをつくって寄附をしたいという申し出によって協定したということでございます。その協定先は当然、県でございますので、県としては、県とイオンとの関係で言えばカードというのは一つの項目でございまして、そのほか広範にわたる協定をしているいわば協定のパートナーでございますので、これについて全く関係ないというお話を差し上げるというのは逆に誤解を招くのではないかと考えております。

◯板橋 聡委員 では、視点を変えて、電子マネーの法的位置づけを再確認させていただきます。
 電子マネーは国が発行してその価値を保証する通貨ではありません。サービスを提供する会社による私製貨幣の一種です。ふくおか共創WAONカードは、最初に前払い金をイオンに支払い、その前払いされた金銭価値を支払いの際に相殺するという仕組みです。銀行預金に適用される預金保険もふくおか共創WAONカードには適用外です。
 平成二十一年に改正された資金決済に関する法律により前払い金額の二分の一は供託金として保全されておりますけれども、残りの二分の一は保護されません。イオンがもし経営破綻した場合、ふくおか共創WAONカードの利用者から未使用前払い金の返還訴訟が起こる可能性があります。ふくおか共創WAONカード一枚当たり前払い金額の上限は幾らですか、重松課長。

◯重松社会活動推進課長 五万円でございます。

◯板橋 聡委員 ふくおか共創WAONカードのことしの目標の発行枚数は、イオンのプレスリリースによると五万枚と書いてございます。保護されない前払い金額は、理論上、五万円掛ける五万枚、イコール二十五億円の半分ということで、十二・五億円となります。こういったリスクは協定締結前に検討されたのでしょうか。

◯重松社会活動推進課長 リスクにつきましては、約款であるとかの内容は検討しましたけれども、今委員がおっしゃいましたような数字を含めたところの検討はしておりませんでした。

◯板橋 聡委員 もちろん福岡県はWAONの事業者でも発行者でもございません。ところが、ここで知事の記者会見とかプレスリリースが物すごくきいてくるんですよ。ふくおか共創WAONカードは福岡県とイオンの包括協定の特徴であり、包括協定の第一弾であり、包括協定の一環として表現されておるんですね。
 これは弁護士に確認したところ、こういう知事の発言、イオンのプレス、あるいは新聞記事をもとに福岡県がかかわっているカードであると認識して信頼してWAONカードをつくった消費者の期待は保護されるべきで、福岡県に対しては商法上の名板貸責任も発生し得るとの見解を得ました。つまり、住民訴訟のリスクを福岡県自体も抱えるということです。そんなリスクをはらんだ協定ですけれども、議会側に事前に相談はありましたか、長谷川部長。

◯長谷川新社会推進部長 企業との協働を進めていくということにつきましては本来の私の仕事だという認識から、まずはこういった枠組みが締結できるものかどうかということを詰めてまいりました。そういう意味で、あらかじめ議会にお諮りしたということはございません。

◯板橋 聡委員 では、誰が協定内容に責任を持ち、万が一、訴訟なんかが起こった場合、対応するのはどちらの部署になりますか。これは行政経営企画課長のほうでお答えください。

◯原口剣生委員長 大西行政経営企画課長。

◯大西行政経営企画課長 訴訟についてでございますけれども、通常、訴訟につきましては、担当する各課で対応いたしまして、私ども行政経営企画課といたしましては、助言でありますとか、顧問弁護士の紹介といったことで支援をしておるところでございます。

◯板橋 聡委員 つまり、社会活動推進課ということだと理解します。
 そして、ふくおか共創WAONカードで万が一、返還騒動なんかが起こって、県の相談窓口というのは消費者保護行政を担当している生活安全課と認識しておりますが、山下課長、生活安全課の所属する部は何ですか。

◯原口剣生委員長 山下生活安全課長。

◯山下生活安全課長 新社会推進部でございます。

◯板橋 聡委員 だから、当初は商工部と社会活動推進課、新社会推進部の利益相反を問題視しておったんですけれども、イオンとの協定というのは新社会推進部内ですら利益相反を引き起こしておるということなんですね。先ほど幾つか挙げましたけれども、これらの幾つかの重大なリスクを事前にきちんと理解した上で知事はイオンとの包括協定に小川洋とサインされたのでしょうか、長谷川部長。

◯長谷川新社会推進部長 協定を締結するに当たり、考え得る全てのリスクを想定して検討したということまではございません。やはりまずは企業との取り組みを具体的に進めたいということが一点、それから、私どもが提携した時点では都道府県で三十八番目でございましたので、こういう取り組みについて、他県の例も踏まえて対応したところでございます。そういう意味で、知事に、先ほど言いました想定し得る最大限のリスクはこうですという説明までは私はいたしておりません。

◯板橋 聡委員 他県がやっているから福岡もいいだろうというのはちょっと理屈としてはおかしいのではないかと思いますし、それを検討されなかったということに関しては非常に問題だと思います。これを知事自身がどう認識しておられるかというのは今の質問もあわせて確認しないとわかりませんので、委員長、これはぜひ知事保留とさせていただきたいと思います。

◯原口剣生委員長 ただいま板橋委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることといたします。
 なお、知事保留質疑は十一月八日木曜に行う予定でありますので、御了承願います。

◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)

県の海外戦略と水門・河川管理について質問しました

11月2日(金)の決算特別委員会にて「福岡県の海外戦略について」と「水門管理と河川管理」というテーマで2つ質問を行いました。

「福岡県の海外戦略」についてです。
私自身、海外に橋頭堡を持つことは県産品の販路拡大や海外企業の誘致活動、あるいは県内企業の海外進出に重要な意味があり、そのような事業を成功させるには信頼関係の構築が一番大切だと考えています。一方で、世界経済のダイナミズムやスピード感に追いつくには、県が持つ海外資産というべき事務所や派遣職員、人脈、情報網を時流に沿って即時性をもって対応させる事も費用対効果の観点から忘れてはならないと考えます。
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その上で、この夏視察をして来た福岡県のフランクフルト事務所(写真は福岡県フランクフルト事務所視察の模様)について見直しを求めたところ、商工部長から今年度末をもって閉鎖をするとの回答を得ました。また、現在フランクフルト事務所で進めている八女茶や小倉織などの県産品の販路拡大については福岡の文化を輸出する話なので、時間がかかってもその広がりと将来の競争力を考えれば独り立ち出来るまでしっかりと支援すべきと要請したところ、現地のプロモーターに委託するなど費用対効果を考慮して継続できる方法を検討するとの事でした。そして、将来的に世界経済の情勢が変化した際は適切且つ速やかに福岡県の持つ海外資産を適応できるようにするのが重要だという認識を執行部と共有させて頂きました。

「水門管理と河川管理」ですが、県が管理する水門の内25箇所が現状市町村に管理委託しており、その管理状況について質しました。
またみやま市を流れる楠田川の新三開水門と起路免喜堰を例にとり、マニュアルがあるとはいえ水門によっては他の施設と連動しなければ適切な操作ができず冠水などを引き起こす可能性がある事を指摘。必要に応じて監視カメラや水位計の設置を検討するよう要請。調査確認の上、費用負担を含め市などと交渉を進めるとの事です。
九州北部豪雨災害をうけて堤防見直しなどのハード面の対策は進んでいますが、水門管理などのソフト面も平行して充実させるよう村山県土整備部長に同様に要請し、前向きな回答を頂いております。

以上について、議事録が上がり次第ブログにてお知らせします。

次は7月6日(火)に総括質疑として「県と私企業との協定」について質問します。
通常の質疑は担当部署が決まり、その部署が回答をします。ですから部署をまたがるような事案の場合「その件は私共の部署の所管ではございませんので」という事になります。総括質疑は複数の部署にまたがるような事案を審議するために、関係部署が全て出席してそれぞれ答弁を行う形式になります。
その中で私は6月議会で質問を行った「福岡県とイオンとの包括協定」について、もっと掘り下げて県と企業との適切な距離感を全庁的に質したいと思っています。質問が終わったらまたレポート致します。

平成23年度決算特別委員会質問「福岡県の海外戦略」

◯板橋 聡委員 おはようございます。自民党県議団の板橋聡です。本日は、福岡県の海外戦略について質問させていただきます。
 福岡県の世界に対する橋頭堡というべき海外事務所の扱いについては、我が会派の代表質問を初め何度か質問をされております。過去の答弁を確認しましたが、私自身は知事の意見にうなずく部分も多々ございます。イノベーションの北米、EU、伸び行くアジア、福岡県の多様な産業構造を考えれば、両方大切です。
 一方で行政の無謬性というか、一度つくってしまったから事務所の存続や体制にこだわり過ぎると、世界経済の変化のスピードに追いついていけないと思いますが、課長の所見をお伺いいたします。

◯原口剣生委員長 武田国際経済観光課長。

◯武田国際経済観光課長 本県の海外事務所の役割といたしまして、県内企業の海外ビジネス展開支援、県産品の販路拡大・開拓支援、海外企業誘致、それから、県の先端産業のプロジェクト推進、海外からの観光客の誘致活動などがあります。これらを行う目的で平成十五年に香港、上海、ソウル、フランクフルト、サンフランシスコの五カ所に事務所を設置したところでございます。
 その後、ソウル事務所に関しましては、経済分野を中心に両地域で緊密なネットワークが築かれ、民間ベースでそれぞれ円滑な交流が行われており、総領事館等の関係機関との連携協力が進んだという判断で、平成二十二年三月に事務所を廃止し、情報収集などを行う交流プロモーターを設置したところでございます。また、安価で豊富な労働力や多くの人口を抱え成長著しい、消費市場としても有望であるという判断でASEANの重要性が増しているということで、平成二十二年十月にはバンコク事務所を新たに設置するなど、随時体制を見直してきたところでございます。海外事務所については、今後も随時見直しを行っていきたいと考えているところでございます。

◯板橋 聡委員 つまり、随時見直しを行っていくべきというお答えだと考えております。
 リーマンショックからギリシャ、スペイン、イタリアと一連の欧州債務危機が発生したりと、景気がいいニュースに事欠く欧州ですけれども、福岡県のフランクフルト事務所で、今、力を入れている事業とは何ですか。

◯武田国際経済観光課長 先ほど申し上げましたとおり、海外事務所の役割といたしましては、県内企業の海外ビジネス支援や県産品の販路拡大、あるいは海外企業誘致など、地域の特性に合わせてさまざま行っているところでございます。フランクフルト事務所においては、県内企業等から多くの要望がございます、また主に支援をしております県産品の販路拡大、あるいは欧州での県内企業のビジネス展開に関する支援、これらを中心に行っております。
 県産品の販路拡大に関しまして言えば、例えば八女茶や伝統工芸品である織物、これらの欧州各地での販売先を紹介するなどしておりまして、これが実際の取引につながっております。これらについては今後も支援要請があっております。
 また、欧州で事業展開を目指します県内企業について、取引先の企業紹介や市場動向の情報提供等の依頼がありまして、これも欧州進出につながっている事例があります。

◯板橋 聡委員 八女茶とか小倉織などのマーケットは、今伸びていくアジアではちょっとないのかなと個人的には思っております。やはり付加価値を認めて、日本文化に親しみを持ってくれている欧州をターゲットにするというのは、これは一つ正解だなと。これはまさに物ではなくて和の文化の輸出です。八女茶を小倉織のテーブルクロスで飲んで、大木町のイグサでつくった畳が欲しいとか、庭には八女の灯籠が欲しいとか、そういう広がりがある可能性がございます。
 文化の浸透というのは、非常に時間はかかりますけれども、広がりがあって競争力もあります。例えば液晶はシャープからサムソンにぱっと変えたりすることができますけれども、文化は互換性がなく、唯一無二のコンテンツとも言えるかなと思っております。そういう意味では、ひとり立ちして利益を出すまで非常に時間はかかりますけれども、これは行政としての大切な役割と考えますが、課長の所見はいかかでしょう。

◯武田国際経済観光課長 フランクフルトの事務所が行います活動の中でも、八女茶や、先ほど御指摘がありました小倉織などの工芸品、県産品販路拡大に関する支援は、申し上げましたとおり県内企業からも非常に要請があり、ニーズも高く、一定の成果を上げていると思っております。このようなお茶や工芸品の販路、販売促進が、日本や本県の文化もあわせて広く欧州に伝えていくことにつながっているという認識でおります。さらに、これが多くの県産品の販路拡大につながっていければと期待しているところでございます。こういった面も、今後とも県行政として支援していく必要があると考えているところでございます。

◯板橋 聡委員 欧州事務所が重要な役割を担っているということは理解しますし、県として必要な機能だという認識も共有できたと思っております。
 ここで、福岡県の海外拠点の資料を要求させていただきます。委員長、お取り計らいのほどをお願いいたします。

◯原口剣生委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求のありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯原口剣生委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料について提出できますか。

◯武田国際経済観光課長 直ちに提出いたします。

◯原口剣生委員長 資料を正副委員長に確認をさせてください。
    〔資料確認〕

◯原口剣生委員長 事務局は資料の配付をお願いいたします。
    〔資料配付〕

◯原口剣生委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 この資料にありますとおり、海外拠点は事務所を県単独で持つという形態以外にも、研修生としてCLAIRなどに派遣をしたり、あるいは海外在住のプロモーターに委託したりと、さまざまな形態がございます。コストや効果もそれぞれ違うと思いますけれども、県財政に厳しい制限がある中、世界経済の状況を踏まえて最大の効果が上がるよう、県が世界に持つ資産、これは決して人や事務所だけではなく、無形の人脈やノウハウ、情報を含み、これをポートフォリオとして管理する必要があると考えますけれども、過去、自民党県議団も何度もただしてきた中で、部長は、今の福岡県の海外戦略の中で欧州事務所の見直しを考えておられると思いますけれども、所見をお聞かせください。

◯馬場商工部長 海外事務所につきましては、世界におけます各地域の経済、あるいは産業の動向、それから、市場としての魅力、あるいは県内企業の進出動向、それに海外企業立地の可能性といういろいろな視点から検討を進めてきております。現在の世界経済の状況を見ますと、今のお手元の資料にもございますように、三極体制で行っているわけでございますけれども、この中でやっぱりヨーロッパが債務危機等の影響もございまして経済成長も低迷しているということで、地域としての重要性のウエートが低下してきているということが上げられます。そういう意味で、このような中で本県の人的な資源、あるいは予算といったものを適正に配分するという視点から、言ってみれば費用対効果という観点になるわけですけれども、こういう観点から欧州のフランクフルト事務所につきましては今年度をもって廃止したいと考えております。
 ただ、その際に、先ほど課長のほうからも答弁させていただきましたけれども、県内企業のニーズといたしまして欧州へのビジネス展開、あるいは八女茶を初めとします県産品の販路の拡大といったこの二つについては支援の要望が引き続きございますので、ぜひこの二つについてはヨーロッパにおきましても機能として残したいと考えております。
 具体的にこの機能をどういう形で残すかということでございますけれども、これは今、委員御指摘の、これまでフランクフルト事務所が現地で構築してきていますネットワークを含めた資産を残して有効に使うという視点が一つ。それと、この二つの機能を最も効率的に進めていくといった観点から、現地に在住しています方の中からそういった分野に造詣の深い、精通している、業界に詳しい方々に対して業務を委託するという方式でやっていきたいと考えているところでございます。

◯板橋 聡委員 踏み込んだ御答弁をいただきました。
 一つだけ念を押しておきたいのは、環境は常に変わり続けます。今、隆盛をきわめるアジア経済圏も将来失速する可能性はゼロではございません。同様に、欧州が経済危機を乗り越えて新たなるイノベーションとともに息を吹き返す日もそう遠くはないでしょう。経済の流れを的確に捉え、素早く人、事務所の配置を最適化させることが福岡県の海外戦略として重要と考えますが、部長の所見をお聞かせください。

◯馬場商工部長 世界経済情勢の変化に応じた対応ということでございます。これにつきましては、その状況に応じまして適切に対応してまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 素早くは対応されないんでしょうか。

◯馬場商工部長 失礼しました。適切にというのは素早くということも含めてでございます。

◯板橋 聡委員 以上です。(拍手)