令和2年2月議会一般質問「農福連携と引きこもり支援」

正式な議事録が出来上がるまで、質問原稿をアップしておきます。
中継録画にて知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継

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質問要旨 一、農福連携と引きこもり支援
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 自民党県議団の板橋聡です。質問に先立ち、現在新型コロナウイルス感染症対策に奔走されている全ての医療従事者・国県市町村の関係者に心より感謝致します。また、我々はデマや、不安や怒りを扇情するような言説に振り回されること無く、冷静に行動することがこの国難を乗り越えるために必要だと強く感じている次第です。

では、私も冷静に、通告に従い「農福連携と引きこもり支援」について質問します。

まず、障がい者雇用についてお尋ねします。

福岡県は、これまで障がい者雇用の推進に努めており、民間企業における障がい者雇用数は、令和元年には過去最高の1万7千8百人を超えたとの事ですが、福岡県の民間企業における障がい者雇用率は、2.12%と全国平均は超えているものの、法定雇用率には達していない状況が続いており、更に取組みを進めていく必要があります。

一方、障がいのある方を雇用するに当たっては、施設・設備の整備や特別な雇用管理が必要であり、日本の企業の99.7%を占める中小企業では、負担が大きく、障がい者雇用の取組が進みにくいのも事実です。
それらの経済的負担を軽減するため、国は障害者雇用納付金制度による助成を行っております。従業員100人以下の事業主の場合は、一月あたり、障がい者一人につき、週あたりの勤務時間が20時間以上なら2万1千円を給付金として支給しており、令和2年度からは週10時間以上20時間未満の勤務でも5000円が支給されるようになるとの事です。20時間を区切りに助成金の金額が大きく異なるのは違和感を感じますが、短時間であれば働くことが出来るような障がいのお持ちの方にとってはプラスになることと評価します。

そこで知事に質問です。

障がいのある方の雇用を進めるには、日本企業の大部分を占める中小企業による雇用の促進が肝要と考えます。そこで、財政的余力が大企業と比べて少ない中小企業に更なる支援の充実が必要ではないでしょうか?福岡県として、今後、中小企業の障がい者雇用の促進に向け、どのように取り組んでいくのか、知事の所見をお尋ねします。

次に、農福連携についてお尋ねします。

農福連携は、農業の側にとっては、労働力の確保、福祉の側にとっては、障がいのある方の就労の場の確保や収入向上につながるものであります。

障害者施設が自分達で食材を確保する自給的な観点での農福連携は昔から存在しておりましたが、2014年に農林水産省が農山漁村振興交付金のなかで農福連携に対する助成を適用するになり、大きな流れが生まれております。

福岡県においては、2017年度から農福連携を施策として推進し、農林水産部と福祉労働部が垣根を越えて、農業者やJAの施設と障がいのある方との雇用促進の為のマッチングをはじめとして、福祉施設・JA・農業者を巻き込み、ハード・ソフト両面で事業に取り組んでおります。

少子高齢化による労働力不足などの問題を抱える農業・農村の視点からすると、こうした取組みをしっかり進め、地域における障がい者や生活困窮者の就労訓練や雇用促進を達成し、Win-Winの関係を構築すべきで、その視点において、マッチングは、農業、福祉を繋げる為に大変有効なものであります。

しかしながら、これまでの農業と福祉を繋げる福岡県の取組において、農産物や加工品の売上げが上がるなど、一定の効果はあるものの、一方で、この取組により、障がいのある方の賃金が上がった事例はまだないとのことであります。

そこで知事に質問です。

2020年度の予算では、農福連携における、福祉施設とJAをはじめとする農業の受け入れ先のマッチングを進めるための予算が計上されていますが、知事は農・福が更なるWin-Winの関係を構築出来るよう、どのように進めていくお考えなのか、お答えください。

ここで一点、問題提起をさせていただきたいと思います。

2018年度に一般社団法人日本基金が行った「農福連携の効果と課題に関する調査結果」によれば、農福連携に取り組む障がい者就労施設の約8割が「利用者に体力がついて長時間働けるようになった」また、約6割が「利用者の表情が明るくなった」と回答しており、農福連携に取り組んだ多くの施設において、就労という観点だけでなく、身体・精神的によい効果が有ったことを実感していることがわかります。

このことは、現在の農福連携の制度の網に掛からない程度の障がいのある方や、更に一歩踏み込んで、引きこもりなど、長期間無業状態にある人にとっても、応用することが可能ではないでしょうか?

昨年6月に国の「経済財政運営と改革の基本方針2019」において、就職氷河期世代支援プログラムが示されました。そうした国全体の動きを踏まえて、福岡県においても、昨年12月、国と県等が連携し、就職氷河期世代活躍支援「ふくおかプラットフォーム」が形成され、今後の支援策の検討などが進められております。

この取組は字面だけ観ると「就職氷河期」という、世代でざっくり切り分けたクラスタを支援するものでありますが、その中には、軽度の障害をお持ちの方や、ひきこもり、及びその予備軍の方を含め、今まで支援の網の目になかなか掛かりにくい方達にとっても、大きな期待が寄せられております。

長期間無業の状態にあった方が、一歩踏み出して就労を目指したい、と思った際に、その受け皿となり得る分野の選択肢を増やしていく施策はとても重要であります。これまでの県の「農福連携」の施策では、もっぱら福祉施設に入所してある障がい者の方と、地域のJAが抱える就労ニーズを結びつける事がマッチングでした。しかしながら、今の環境に生きづらさを感じ長期間無業に陥っているような方々にとっても、農業分野は大きな可能性のある、社会参画への窓口となりうる業種であります。

一方で、現在担い手不足に悩んでおられる農業に携わる事業者の皆さんにとっても、貴重な人材の確保が可能となり、労働政策、農業政策の双方の観点から意義があるものと思います。

そこで、知事に質問です。

国が推し進める長期無業者の方の就労支援を福岡県としては今後どのように強化し、その中で農業分野とのマッチングを図るためにどのような取組を行うのか、知事の御所見をお聞かせください。

前述の通り、厚生労働省は就職氷河期世代の方々へ支援プログラムを充実させており、その流れの中で福岡県においても、就職氷河期世代の就業や社会参加等に資する取組を進めております。

長期無業者の定義は多岐に渡りますが、その中には所謂「ひきこもり」と言われるかたが含まれます。

ひきこもり状態にある方は、自ら相談窓口に出向くことが難しかったり、ご家族においては身内の「ひきこもり」状態について相談されるのを躊躇されるのは周知の通りです。

昨年厚生労働省が、中高年のひきこもりが61万人という衝撃的な調査発表をしました。この統計は、3000人の抽出アンケートを行い、「あなたは引きこもりですか?」という問いかけによるものではなく、「ひきこもり」を、趣味の用事や近所のコンビニ以外に外出しない状態が6カ月以上続く場合や、家族以外との接触が少ないかどうかで定義し、生活状況を尋ね引きこもりかどうかを判定した結果、全国規模に換算すると61万人が「ひきこもり」状態であると算出された訳です。

そこで知事に質問です。

令和元年の予算特別委員会で我が会派の浦伊三夫議員の質問に対し、厚生労働省の調査を元にすれば、福岡県における引きこもりは約4万人と想定される旨の答弁がなされました。では福岡県が「ひきこもり支援センター」を通じ把握されている「ひきこもり」とされる方は延べ人数で無く、実数で何人いらっしゃるのでしょうか?明らかにして頂きたいと思います。

福岡県において、現状では、ひきこもりの状態にある方が、こうした就労支援を受けるためには、まずは、ひきこもり支援を行う相談窓口に相談してもらうことが必要であり、相談窓口の充実や、相談しやすい環境の整備は大変重要であります。

それを踏まえた上で、先程申しましたとおり、「引きこもり」状態であると御本人も家族も自覚して、相談窓口をご利用される状況にある方は、その時点で引きこもり状態を脱するための大きな一歩を踏み出されている状況ではないでしょうか?

一方で、統計には表れてこないであろう、先程の質問で質した「生活状態から引きこもりと定義される人数」と「県が把握している引きこもり状態の方」の差である、ひきこもりの自覚がない、あるいは、ひきこもりと認められない、「ひきこもり気味」や「ひきこもりがち」と称される方々をどうやって支援の輪に取り込んでいくかは、ひきこもりを長期化・重篤化させない早期発見早期対応の観点からも大変重要であると考えます。

そこで知事にお尋ねします。

今議会には、県ひきこもり地域支援センターが中心となって、相談窓口を充実させるための予算が計上されており、少しでも多くの方々にこの窓口をご利用頂ける仕組み作りを期待しております。一方で窓口で把握することが困難な、ひきこもり予備軍のような方々への対応には対面によらない、SNS等を活用した相談窓口なども検討すべきと考えますが、知事の御所見を御披瀝ください。

知事の真摯な答弁を期待して、私の一般質問を終わります。