平成29年予算特別委員会「地域に根付く県立高校づくりについて」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。地域に根づく県立高校づくりについて質問します。
 公共交通機関が充実していないみやま市のような郊外において、基本的に高校生は自転車やバイクで通学をしています。雨が降ったら、小中学生なら傘や雨がっぱでしのぐわけですけれども、高校になると通学区域が広範囲になるため、雨天時などは保護者が生徒を自家用車で県立高校まで一斉に送迎することになります。そのため、周囲の道路で渋滞や違法駐車を引き起こし、近隣住民に迷惑をかけている実態があると耳にしました。県教育委員会として、把握はされていますか。

◯井上忠敏委員長 中島高校教育課長。

◯中島教育庁高校教育課長 学校周辺の道路での渋滞や迷惑駐車でございますけれども、全日制の県立高校に調査をした結果、九十二校中約六割に当たる五十九校で渋滞や迷惑駐車の状況が生じているという回答がございました。

◯板橋 聡委員 最近の保護者の意識からすれば、登下校の安全確保といった観点から、雨天時の自家用車による送迎も時代の流れと感じます。一方、周辺住民にとってみれば、渋滞や迷惑駐車は事故などにつながりかねず、不安の種となっています。施設面で改善を図るなど、何らか対応はできませんか。

◯井上忠敏委員長 平川施設課長。

◯平川教育庁施設課長 自家用車送迎によって生じる問題につきましては、比較的最近になって顕在化した問題であるため、多くの学校では施設上対応ができていないのが現状であります。しかしながら、最近、全面改築等を行った学校では、乗降スペースなどを設けることとした結果、渋滞の緩和につながったところもございます。このようなことから、今後、学校施設の改修の際には、学校の実態も踏まえながら、自家用車送迎にも配慮した施設整備が必要であると考えております。

◯板橋 聡委員 放置すれば学校が迷惑施設になりかねないどころか、不慮の事故などにつながる可能性がある点で、本県の対応には耐震補強工事並みに迅速性が問われると思いますけれども、例えば八年間以内で全ての対応はできますか。

◯平川教育庁施設課長 一斉に整備することはなかなか困難でございますけども、学校の実情を踏まえながら、計画的に迷惑施設となっている実態の解消に努めてまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 なぜ八年以内か。先ほど塩川委員の指摘でも、学力向上も目標をつくってから八年たってやっと対策ができ上がったと。生徒、地域の安全安心に資することでございますので、今後とも注視をさせていただきます。
 このような質問に至った理由は、地元に愛される高校でなければ、地域の小中学生があの高校に入りたいと、そのような気持ちにはならないからです。交通網の発達などにより高校選択の幅が広がり、地方の高校は特に生徒募集などで苦労をしている印象を受けます。県立高校が地域と密着した取り組みを充実させ、学校への理解者をふやし、協力を得ながら地方の県立高校ならではの特色ある学校づくりが進めば、おのずとその学校で学びたいという意欲を持った生徒の入学を促進することにつながるはずだと思います。地域との連携において、現在、県立高校でどのようなことが行われ、今後どうしていくつもりかお答えください。

◯中島教育庁高校教育課長 地域との連携でございますけれども、県立高校では教員や生徒たちによる地域の清掃活動、祭りなどへの協力、地域の人材や保護者を活用した授業づくりなど、地域と連携した取り組みが行われております。今後とも、こうした取り組みの充実を図ることが必要であると考えており、地域との連携で成果を上げている取り組み事例の普及や未来を切り拓く人材育成事業などの経費的な支援策を通して、地域と連携した取り組みを一層支援したいと考えております。

◯板橋 聡委員 地域との連携で言えば、何よりも地元の身近な小学校、中学校との連携、そして高校の財産であり応援団とも言うべき地元で活躍する同窓生なども巻き込んだ取り組みを強化すべきと考えます。特に、小中学生が高校生と接したり、活動をともにしたりすることで、自身の高校生活や将来像などをイメージでき、高校生にとっても小中学生との交流の中で自尊感情を高めるような、育めるような活躍の機会を設定できればよいと思うが、課長の見解をお聞かせください。

◯中島教育庁高校教育課長 小中学校への高校からの出前授業、あるいは中高連絡会等による学校間の意見交換等、さらに同窓会と共同での学校行事の実施など、小中学校や同窓会と連携した取り組みを実施し、教育活動の活性化に成果を上げている県立高校は少なくございません。今後、こうしたすぐれた実践について積極的に普及を図りたいと思っております。また、高校生が小中学生の見本となりながらともに活動できるようなスポーツや文化の行事は、双方にとって教育的な意義も大きく、こうした活動に加え、同窓会や地元自治体などと連携した地域行事への積極的な参加についても促進をしてまいりたいと思います。

◯板橋 聡委員 例えば、大川市の中学校では弓道が盛んだそうですが、弓道場がなく、市内の遠方まで練習に通っているそうです。もし市内中心にある県立高校に弓道場があり、弓道場を開放したり、一緒に練習すれば、おのずとその高校への関心や好感度が高まると思います。このような地域と連携したさまざまな活動が人と人とのきずなづくりや地域の魅力づくりにつながり、地方創生の原動力になり得ると考えますが、いかがでしょうか。

◯平川教育庁施設課長 県立学校につきましては、県立学校は地域の中にございます。地域とともに発展していくためには、その地域の特色を生かす取り組みやそのための施設が必要となってまいります。御指摘の大川市につきましては、非常に弓道が盛んということで、しかしながら高校には弓道をする場がないということもございます。今後、老朽化対策も非常に重要な課題ではございますが、学校が元気になるため、地域が元気になるための施設整備についても計画的に進める必要があると考えております。

◯板橋 聡委員 ちゃんと努力はしていただけますか。

◯平川教育庁施設課長 最大限予算獲得に努力してまいります。

◯板橋 聡委員 地方創生に向けた取り組みが国や地方で進められている中、学校が地域の歴史、文化、環境や人材を生かしながら特色ある教育活動を行うことは、学校の魅力向上だけではなく、地域の魅力の向上や人口流出防止にも大いにつながっていくのではないかと考えます。県立高校は地域の財産であり、それぞれ地域の県立高校が発展するか衰退するかは地域の今後にも大きな影響を与えるということ十分認識をいただきたいと思います。
 地方の県立高校が地域に密着した学校づくりを行い、学校の魅力を高め、特に地元の子供が地元の高校に憧れ、進学したくなるような学校づくりに向けた教育長の決意をお聞かせください。

◯井上忠敏委員長 城戸教育長。

◯城戸教育長 先ほど御説明いたしましたような未来を切り拓く人材育成事業などを通しまして、各県立学校の地域に密着した教育活動を進めておるわけでございますけれども、県立高校は今後も地域の信頼を受け続ける、あるいは活力を維持し続けるためには、こうした地域の根差した教育活動を継続して支援していく必要があると考えております。
 また、今後におきましては、小中学校や地元で活躍されている同窓生、こういった方々の意見を学校運営に反映させたり、あるいは連携して教育活動を行うなど、地元の子供が地元の高校に進学をしたくなるような学校づくりを推進してまいりたいと考えております。

◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)