いのちを守りたい。いのちを守りたいと願うのです、GKB47で?!

高齢者運転マーク(通称もみじマーク)に対して「枯れ葉に見える」とか「黒の枠線が不吉だ」とか、高齢者の多い田舎で普通にもみじマークが軽トラに貼られている環境に生きている自分からしたら難癖としか思えないキャンペーンが張られていた事がありました。なにかと政府がやることが揚げ足取られるのは仕方の無いことかも知れませんが、このニュースには怒りを通り越して呆れるしかありませんでした

政府、自殺対策強化月間のキャッチフレーズを「あなたもGKB47宣言!」に決定
政府は23日、3月に行う自殺対策強化月間のキャッチフレーズを「あなたもGKB47宣言!」に決定した。
政府は23日、自殺対策推進会議を開き、毎年3月に行われる自殺対策強化月間のキャッチフレーズを、2011年度は「あなたもGKB47宣言!」とすることを決定した。
GKBは「ゲート・キーパー・ベーシック」の略で、47は「47都道府県」を表し、国民全体が自殺対策に悩んでいる人に声をかけ、必要な支援につなげるゲートキーパーになろうとの思いが込められているという。(後略)

私自身、昨年の予算特別委員会にて地域自殺対策強化事業費について質問させて頂いた経緯も有り、政府の自殺対策については関心を持っておりましたがこれは酷い。そもそもGKBという造語自体訳が分からない。AKBも初めて聞いたときも訳分かりませんでしたが「アキバの略」と言われればもう忘れません。一方「GKB」これは「GateKeeper Basic」の頭文字らしいですがゲートキーパーベーシックってこれ一般的な言葉ですか?自分は生まれて初めて聞きました。AKB48をもじったにしてもセンスの欠片すら感じられない。その意図するところも伝わらない。

自殺対策のNPO「ライフリンク」を運営されている清水康之氏もTwitter上で不快感をあらわにされています。

「GKB47宣言!」というキャッチフレーズに関しては、年末に自殺対策推進室(内閣府)の参事官が私のところに説明に来た際にも、「大反対」と伝えました。「現場の感覚からかけ離れている。遺族や民間団体から反発がでる」とも伝えたのですが、「大臣(その時は蓮舫議員)も了解している」と言っていました。キャッチフレーズが決まった経緯の詳細は分かりませんが、意志決定のプロセスに「現場感覚」が反映される仕組みがなかったのでしょう。逆の見方をすれば、「内閣府の担当者が好きなようにやれる」ということですが。いずれにしても、ちょうどその頃に、自殺対策推進会議の日程調整があって、私が自殺対策推進室(内閣府)に「この時間帯だけは参加できない」と伝えた2つの日程の内のひとつ(つまり昨日の10~12時)に開催日が決まったため、私は会議を欠席し、代わりに意見書を出したということです。
http://www.lifelink.or.jp/hp/Library/shimizu_15.pdf
会議の委員に事前に送られてきた資料に関して、他にも意見したいことはいくつもあったのですが、小さな文字で長々と書いても当日の配布資料の中に埋もれてしまうだけだと思い、「これだけは絶対に意見したい」というポイントを二つに絞って意見書を作りました。そのこともあってか、会議の他の委員の方々の目にも触れたようで、会議終了後にある委員の方から電話がありました。私としては、そうした委員等とも協力をして、このキャッチフレーズが撤回されるように引き続き働きかけていきます。(この無茶苦茶忙しい時期に、何故こんなことをやらなきゃいけないのか。ホント情けない)
@yasushimizu 清水康之/ライフリンク

GKB47に関して。『「今回これだけ話題になり、メディアで取り上げていただいたことは、自殺者をなくすための大きなPRになったのではないか、と考えています」と自殺対策推進室では話している。』とあるけど、本当にそこまで履き違えてるのか…。
@yasushimizu 清水康之/ライフリンク

「決められない政治」から脱却するのはいいが、だからといって「勝手に決める政治」に突入されては困る。
@yasushimizu 清水康之/ライフリンク

政権交代前「自殺者年間3万人」について当時の野党から厳しい追求がなされていました。所信表明演説で「いのちを守りたい。いのちを守りたいと願うのです」と宣った総理もいました。その行き着くところがGKB47ですか?
平成24年度予算において自殺対策強化月間におけるポスター作成、鉄道広告、インターネットバナー広告等には1億1千5百万円の予算がついています。GKB47の文字が駅構内で踊るのでしょうか?このキャンペーンで一儲け企んでいる影がちらほら見え隠れします。

まぁ政府に対して怒っているだけではなにも変わりません、私は県議会議員の立場から、前回の予算委員会で引き出した自殺対策に関する言質につき福岡県の対応を再度確認したいと思います。