【NHK大河ドラマ・五輪キャンプ誘致に関する知事答弁骨子】

6月議会一般質問終了しました。録画中継は6月20日頃から公開されますので、取り急ぎ質問原稿をブログに掲載しています。
⇒ http://itahashi.info/blog/20170616152949

多くの前向きな答弁を頂きましたが、知事答弁の骨子として具体的に今後取り組みが進みそうな以下3つに絞ってご紹介します:

◎ 県として宗茂の知名度向上と大河ドラマ誘致の気運を盛り上げるため、柳川市・みやま市はじめ宗茂ゆかりの自治体や観光協会と連携し、史跡の魅力や価値を掘り起こし、情報発信を行うとともに、立花宗茂をテーマとした魅力的な観光ルートを作って旅行会社に提案する。
◎ 東京五輪、ラグビーワールドカップのキャンプ誘致は市町村が主体となるが、選手と地元の子供達等の交流事業などが市町村の垣根を越えて、出来るだけ多くの県民が参加出来るようにしたい。県としてキャンプ受入市町村と近隣市町村との連携を促したり、交流事業の情報提供に努める。
◎ キャンプ誘致の効果を一過性ではなく息の長い地域活性化に繋げるために、県でキャンプ誘致を担当するスポーツ推進課だけでなく、庁内7部21課で部局を超えた取り組みを行う。キャンプ誘致をする市町村においても、観光・文化など具体的で様々な交流プランを進めるために、県の対策本部を活かしながら、市町村に対して部局を超えた連携体制の構築を促す。

立花宗茂の件は平成25年9月議会で質問した「歴史観光」に絡めて県独自の対応が進みそうです。また、キャンプ誘致は平成25年決算特別委員会以降、事あるごとに質問していた状況から更に一歩踏み込んだ新たなステージでの対応を促す事ができました。

県議会議員としての一般質問も質問しっぱなしで一過性にするのではなく、点から線、線から面に紡いで行くことが大切だなぁと再認識した次第です。

 

平成29年6月議会一般質問 「立花宗茂と誾千代のNHK大河ドラマ化について」 「ラグビーワールドカップ・東京五輪キャンプ誘致を通じた地域活性化について」

6月20日頃から録画中継にて知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継

ーーーーーーーーーーーー
質問要旨 一、立花宗茂と誾千代のNHK大河ドラマ化について
一、ラグビーワールドカップ・東京五輪キャンプ誘致を通じた地域活性化について
ーーーーーーーーーーーー

◯十八番(板橋 聡君)登壇 皆さん、おはようございます。自民党県議団の板橋聡です。本日は、立花宗茂とギン(もんがまえに言)千代のNHK大河ドラマ化についてと、ラグビーワールドカップ、東京五輪キャンプ誘致を通じた地域活性化についての二点について知事に質問いたします。
 まず、立花宗茂とギン千代のNHK大河ドラマ化についてです。先月五月八日、柳川市の金子市長が県庁と県議会を訪問され、柳河藩祖立花宗茂公とその妻ギン千代姫を主人公とした二〇二〇年のNHK大河ドラマ招致に向け、県庁では小川知事、議会では当時の中尾議長と九州の自立を考える会、藏内会長に対し、招致活動への協力を要請されました。招致を目指す二〇二〇年は、関ヶ原の戦いで西軍について柳川を追われた立花宗茂が、苦難の末に柳河藩主に返り咲いて、ちょうど四百年の節目に当たります。また、柳川市内では、一八七二年に焼失し、本丸が国の史跡に指定されている柳川城の再建運動も始まるなど、招致に向けての機運が盛り上がっております。
 まず、立花宗茂とはどんな人物なのか。立花宗茂は、戦国時代の武将で、既に大河ドラマ化された真田幸村や伊達政宗と同じ一五六七年生まれ、一部歴史ファンの中では、花の六七年組とか、六七トリオと呼ばれておるそうです。豆知識ですが、県議会の花の六七年組と呼ばれている板橋聡、香原勝司、大橋克己のちょうど四百歳先輩にも当たります。真田幸村、伊達政宗と比較すると、宗茂の知名度は発展途上ですが、豊臣秀吉から、その忠義、鎮西一、その剛勇、また鎮西一、東の本多忠勝、西の立花宗茂、東西無双と高く評価された、九州を代表する武将です。また、文武両道の名将でもあり、連歌、書道、茶道などにもたけた文化人だったと言われております。関ヶ原の戦いで豊臣秀吉への忠義から西軍につき、柳河藩を追われることになりましたが、立花宗茂の器量をよく知っていた徳川家康の信頼を得て、一六二〇年、柳河藩主に奇跡の復活を果たしました。何と、関ヶ原の戦いに西軍として参戦し、旧領に復帰を果たした大名は立花宗茂ただ一人のみです。
 宗茂の義を貫いた生涯は、多くの歴史ファンに共感されてきましたが、昨今、アニメやゲームなどでたびたび題材にも取り上げられ、若年層の認知度や好感度も高いのが、立花宗茂とギン千代の特徴です。NHKの大河ドラマで舞台となると、その地域は観光誘客、経済活性化に大きな効果がもたらされます。また、故郷の偉人や歴史を改めて見詰め直すことで郷土愛も増すという効果もあります。福岡県としてもこの招致活動を応援し、何としても立花宗茂とギン千代をテーマとするNHK大河ドラマが実現するよう努力すべきと思います。
 そこで知事に質問です。福岡県が舞台となった大河ドラマで記憶に新しいのは、平成二十六年に黒田官兵衛を題材にして放送された「軍師官兵衛」です。ドラマ放映を契機として、県内各地への観光誘客のため、県としてどのような取り組みを行われたのかお答えください。
 さて、「軍師官兵衛」で福岡県が舞台となったと言ってはおりますが、黒田官兵衛は姫路生まれで、ドラマの主たる舞台は兵庫を中心とした関西でした。史実によると、福岡藩入りしたのは関ヶ原の戦い以降であり、ドラマでは最終話でようやく描かれております。
 そこで知事に質問です。「軍師官兵衛」放映により、県内の経済波及効果はどれほどのものでしたか。また「軍師官兵衛」と違い、福岡が主たる舞台となる宗茂、ギン千代なら、どれくらいの効果となるか、知事の所見をお聞かせください。
 私は、平成二十五年九月議会で、県内各地の歴史観光資源を生かした観光振興について一般質問しました。その際知事からは、歴史、文化に関する観光資源の発掘をさらに進め、ストーリーでつなぎ、点から線、そして面へとつないで回遊性のあるリピーターをつくれる新たな観光振興策に取り組むと、力強い答弁をいただきました。
 そこで知事に質問です。あれから四年、どんな実績を上げてきたのかは、今回あえて聞きませんが、柳川市が立花宗茂、ギン千代でNHK大河ドラマ招致に手を挙げる中、福岡県として県民の招致活動の機運を盛り上げ、宗茂とギン千代の知名度アップのために、宗茂、ギン千代を軸とした歴史観光事業を行うことで招致活動の側面支援をしたらいかがでしょうか。
 私が、こうやって熱のこもった質問をする一方で、おまえ、柳川市民でもないとに何でそんなに頑張りようとや、といぶかしむ方もおいででしょう。しかし、私の地元みやま市、そして八女市は旧柳河藩であります。立花一族が治めていた三池藩は大牟田市。ギン千代が七歳で女城主となった立花山城は新宮町に位置し、宗茂が初陣を飾ったのは太宰府市など、県内各地に古戦場やお墓などゆかりの地があり、県内全体が立花宗茂に関係すると言っても過言ではありません。また、黒田官兵衛初め黒田長政、鹿児島の島津義弘、熊本の加藤清正、大分の大友宗麟、佐賀の鍋島勝茂など九州各地の武将とのエピソードも多く、その放映効果は県内にとどまらず広く九州全域に及ぶことが想定され、九州各地とのさまざまな連携が考えられます。
 そこで知事に二点質問です。福岡県内に広くゆかりのある宗茂とギン千代。誘致活動が県全体で盛り上がるよう、県がリーダーシップを発揮し、県内市町村に働きかけ、招致活動を県民運動にするくらいの熱意で当たってほしいと思いますが、知事の御所見を御披露ください。
 また、成功すれば九州全体にその効果が及ぶ招致活動です。九州各県の政、官、民関係者が会員に名を連ねる九州の自立を考える会には九州各県とのネットワークがあり、各県が連携した観光戦略を政策提言もしているとの観点から、招致に当たっては九州の自立を考える会ともしっかり連携をとるべきと考えますが、知事の御所見を披露ください。
 次に、ラグビーワールドカップ、東京五輪キャンプ誘致を通じた地域活性化について質問いたします。二〇一九年ラグビーワールドカップ、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向け、各国のキャンプ地の選定が本格化しています。本県においても四月以降、ドイツ、メキシコ、カザフスタン、南アフリカ、オセアニア、フィンランドと多くの国が視察に訪れました。我がみやま市も、県営筑後広域公園のプール施設をオセアニアオリンピック委員会が水泳競技の有力なキャンプ地候補として御視察いただきました。そんな中、田川市ではドイツの車椅子フェンシング、行橋市ではメキシコのビーチバレーのキャンプ実施にかかわる確認書に仮調印するなど、誘致活動も着々と新たなステージを迎えており、今後、キャンプ地が正式決定されると相手国との交流などもスタートしていくと思われます。県内各地でキャンプが実施される際の主体は市町村であると承知していますが、例えば、みやま市がオセアニア代表水泳チームと子供たちとの交流事業を行うとして、筑後市や柳川市、あるいは大川市、八女市、大牟田市など近隣の水泳少年、水泳少女が参加できないようでは、数十年に一度あるかないかのビッグイベント、余りにももったいなく感じます。
 そこで知事に質問です。キャンプ実施時の交流事業やトレーニングの見学など、一人でも多くの県民が市町村の垣根を越えて世界のトップアスリートと触れ合う機会を創出することでキャンプ誘致の効果が高まり、県下あまねく実感していただけると考えますが、知事の御意見をお聞かせください。
 また、これを実現するには、キャンプ受け入れ主体は市町村ですが、県が音頭をとって広域圏での交流事業等を働きかけたり、取り組むべきと考えますが、知事の所見を御披露ください。
 キャンプ地誘致に取り組む上で最も重要なことは、キャンプ実施の効果を一過性のものとすることなく、その後のスポーツ振興やスポーツを通した地域の活性化にいかにつなげていくかということです。大曲副知事、私は平成二十五年の決算特別委員会で、当時新社会推進部長だった大曲副知事にキャンプ誘致への意気込みをただしましたね。その後、平成二十六年十二月議会一般質問でスポーツ振興についてただしたところ、知事から、短期、中期、長期という時間軸、主体や役割分担も念頭に置いて、県としてできるものから取り組むとの答弁をいただきました。初めてキャンプ誘致の質問をしてはや四年がたちました。短期的な時間軸の中でキャンプ地誘致の取り組みは一定の成果をおさめつつあると理解しておりますが、そろそろそこから一歩踏み込み、中期、長期の取り組みを始める時期が来ているのではないでしょうか。
 そこで知事に質問です。世界が注目する二〇一九年ラグビーワールドカップ、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、福岡県においてはスポーツ振興課を中心としてキャンプ誘致の取り組みが進んでいます。しかし、キャンプ誘致自体がゴールではありません。文化交流や人的交流などを大会終了後も継続し、息の長い地域活性化につなげていくためには、スポーツ振興課だけでなく、部局を超えた連携が必要と考えます。大会まであと二年、三年と迫っている中、具体的にどんな準備をし、どこを窓口に、どのように進めていくのか、知事の所見をお答えください。
 また、キャンプ受け入れ主体である市町村において担当窓口が社会教育課であるケースが多いのですが、市町村においても部局横断的な息の長い文化交流や人的交流につなげるために、県としてどのような支援、助言をしていくのか、知事の考えを御披瀝ください。
 以上、知事の夢あふれる答弁を期待して、質問を終わります。(拍手)

◯副議長(守谷 正人君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 まず初めに、「軍師官兵衛」の放映を契機とした誘客の取り組みでございます。本県では、平成二十六年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」、その放映を契機といたしまして、官兵衛ゆかりの地への誘客につなげていくため、県、福岡市、福岡商工会議所、官兵衛ゆかりの市町村、団体から成ります「軍師官兵衛」福岡プロジェクト協議会というものを設立をいたしました。この協議会におきましては、福岡黒田武将隊や、ゆるキャラのふくおか官兵衛くんを活用した県内外におけるイベントでのPR活動、県の広報番組や旅行雑誌など各種広報媒体を活用した情報の発信、旅行会社に対します官兵衛ゆかりの地をめぐる旅行商品の造成の促進、ふくおか官兵衛くんを使った官兵衛グッズの販売の支援、そういったさまざまな事業を平成二十五年度、そして二十六年度の二年間にわたり実施をいたしました。また、ドラマの放映終了後も県内外のイベントに、このふくおか官兵衛くんを派遣をいたしまして広報活動を実施しておりますほか、ゆかりの市町村においてもパンフレット等を用いたPR、関連商品の販売など、ドラマ放映による誘客効果を一過性のものにしないためのさまざまな取り組みを行っているところであります。
 次に、その経済波及効果でございますけれども、「軍師官兵衛」放映終了後、先ほど申し上げましたプロジェクト協議会におきましては、放映による経済波及効果というものを調査をいたしました。その結果、観光客増加によります県内への経済波及効果は二百七十二億二千万円、協議会及び自治体の関連事業支出による効果は六億九千万円、合わせて二百七十九億一千万円の効果があったと算出をされております。
 立花宗茂を題材にした大河ドラマが放映をされました場合に、その効果でございますけれども、「軍師官兵衛」の場合、御指摘がありましたように、放送の中で本県が舞台となりましたのはドラマの後半でございました。一方、立花宗茂の場合、その活躍の場の多くが本県内であったこと、また立花道雪を初めとする福岡の戦国武将ともゆかりが深いことから、その脚本の内容にもよると思いますけれども、本県が舞台となる場面が多くなることも予想されます。こうしたことから、地元柳川市では経済波及効果を三百億円と見込んでおられますが、県としても「軍師官兵衛」を上回ることを期待をしているところであります。
 次に、立花宗茂をテーマとした歴史観光についてお尋ねがございました。本県には、宗茂らを祭っております三柱神社、父高橋紹運の居城でありました岩屋城の跡など、宗茂や妻のギン(もんがまえに言)千代、福岡の戦国武将のエピソードが残る史跡が数多くございます。県といたしましては、この立花宗茂の知名度向上と大河ドラマの誘致に向けての機運を盛り上げていくため、柳川市、みやま市を初め宗茂ゆかりの自治体や観光協会と連携をいたしまして、その史跡の魅力や価値というものの掘り起こしというものを行ってまいります。その上で、こうした史跡などの観光資源を県の観光ホームページクロスロードふくおかや県内外のイベントなどにおきまして情報発信をいたしますとともに、テーマ性のある魅力的なルートというものをつくって、それを旅行会社に提案をしていきたいと考えているところであります。
 次に、大河ドラマ誘致活動における県の役割でございます。大河ドラマ誘致に向けて、現在、地元柳川市が中心となりまして、その体制づくりに取り組んでおられるところであります。一方、立花宗茂とその妻ギン千代につきましては、県内にゆかりの地も数多く、関係する市町村も多いことから、大河ドラマとして放映をされますと、県内外からの観光客の増加によるそれぞれの地域への経済効果はもとより、地元の皆さんが自分たちの地域の歴史や文化に関心を持っていただき、ふるさとへの愛着が増していく、そういう効果も期待されるものであります。このため県といたしましても、柳川市と連携をいたしまして、私ども県が持っておりますネットワークを生かして、ゆかりのある市町村や経済団体に対する協力の要請、またNHKへの働きかけといった、県による対応がより効果的と思われる取り組みを進めるなど、積極的に誘致活動にかかわっていきたいと考えております。
 次に、大河ドラマ誘致における九州の自立を考える会との連携でございます。宗茂は、九州各地とも非常にかかわり合いがあり、今回の大河ドラマの誘致が実現をいたしますと、そのゆかりの人物やゆかりのそれぞれの地域における観光振興や地域の活性化に資するものと考えられます。九州の自立的な成長や経済の活性化を目指しておられます九州の自立を考える会のお考えとも合致するものでございまして、誘致に向け連携や御支援、御協力がいただけるのであれば大変心強いと考えております。
 次に、キャンプ実施を通した広域的な交流についてでございます。県内においてキャンプが開催されますことは、県民の皆さんが世界のトップアスリートのプレーを直接見たり、選手の方々と交流したりする、とてもいい機会になります。特に、お子さんたちにとりましては、スポーツへの夢や目標を持つことにつながっていく、かけがえのない経験になるものと考えております。したがいまして、県といたしましては、市町村の垣根を越えて、できるだけ多くの県民の皆さんがその交流事業に参加ができるよう、キャンプを受け入れる市町村と一体となりまして取り組みを進めていきたいと考えております。また、キャンプを受け入れる市町村とその近隣市町村との連携を促進するためのワークショップの開催や、県民の皆様への交流事業についての情報提供にも努めてまいります。
 次に、地域活性化に向けた部局連携についてお尋ねがございました。本県におきましては、現在、全庁組織として立ち上げております対策本部、この中に三つの部会を設置しておりまして、その部会ごとに設定したロードマップに基づき、部局を超えた取り組みを進めているところであります。この部会の一つであります庁内の関係七部二十一課と県警本部から成ります魅力発信・活性化部会、これはまさに両大会の開催やキャンプ地の誘致というものを地域の活性化につなげていくという観点で設置をしております部会でございます。この事務局は観光局が担当しているところでございますが、この部会におきましては、これまで当県の食や伝統文化を活用した観光資源の開発、WiFi利用環境の改善などに取り組んできているところでございます。今後もこの部会を中心に文化体験プログラムや広域観光周遊ルートの開発による誘客の促進、県産品の販路の拡大など、地域の活性化につながっていくいろんな取り組みをスピード感を持って進めていきたいと考えております。また、キャンプ地として決まった市町村におきましても、選手の受け入れだけではなく、観光や文化などさまざまな分野で具体的な交流プランというものを進めていただく必要がございます。そのため県では、市町村に対しまして、先ほど申し上げました対策本部の各部会を活用して、専門性を生かしながら、市町村内の部局を超えた連携体制の構築を促してまいります。

平成27年12月議会一般質問「福岡県のブランディングについて」

録画中継にて12月16日頃から知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継

———————–
質問要旨
一、福岡県のブランディングについて
  1)県産食材と酒など加工品のコラボレーション
  2)2020・2019に向けた総合戦略策定
  3)観光ブランドにおける邪馬台国に関する取り組み
———————–

◯十八番(板橋 聡君)登壇 おはようございます。自民党県議団の板橋聡でございます。
 本日は、香椎高校の皆さんのほかに、私の地元から南校区まちづくり協議会の皆さんにも傍聴にお越しいただいております。一般質問が福岡県政の全てというわけではありません。今回の傍聴をきっかけに、幅広く福岡県政や我々地方議員のふだんの活動について興味を持っていただくことを期待して、質問に入ります。
 本日は、福岡県のブランディングについて質問いたします。ブランディングとは、顧客の視点から発想し、ブランドに対する共感や信頼など顧客にとっての価値を高めていくマーケティング戦略の一つです。去る九月二日、ホテルニューオータニにて、福岡県が共催する第四回ふくさけ祭りが開催されました。福岡県酒類鑑評会の受賞酒を披露し、あわせて食と酒のコラボとして県産食材を使った料理を提供。約千四百人の参加者が福岡の最高のお酒を、福岡の最高のさかなと一緒に楽しまれました。実はこのイベント、平成二十四年に初めて開催されましたが、当初はお酒だけを提供する形式で、参加者も約二百名程度でした。お酒は米を原料としますが、米を加工し、お酒になると商工部が主管します。そこで、福岡は酒どころというだけでなく最高の食もある、ぜひ、ふくさけ祭りを最高の酒と最高のさかなを味わっていただく集いにしようと、農林水産部に協力を要請。翌年からは入場規制を考えなければならないほどの人気イベントに成長しました。その流れの中、今度は農林水産部が食材を主役にして、大晩さん会福岡のおいしい幸せを開催。第二回となる去る十一月二十四日、県民運動として展開している食育、地産地消の推進を目指し、県産食材をふんだんに使った特別メニューに約八百名のお客様が舌鼓を打ちました。その場には商工部が協力し、県産米で仕込んだ福岡の地酒が花を添えたのは言うまでもないことです。原材料の農林水産物は農林水産部、日本酒などの加工品は商工部、しかしお客様から見れば同じ飲食物。福岡の最高の食と福岡の最高の酒。相乗効果のあるよいプロモーションができたと評価いたします。ほかにも同じような例があります、県農産物のブランドとして最高の認知度を誇るイチゴあまおう。しかし、イチゴの季節は限られており、一年中店頭に並ぶわけではありません。なぜあまおうがトップブランドでいられるか、それはあまおうを加工したアイスクリーム、ケーキ、クッキーなどのスイーツ、リキュールなど派生商品が通年を通して、あまおうのブランディングに貢献していることを忘れてはなりません。
 そこで知事に質問です。農林水産物と加工品、それぞれ所管する部署は違いますが、部署の垣根を越えて相乗効果のあるプロモーションを行うことは福岡の飲食のブランドに対する共感や信頼を高める、すなわちブランディングに大きな効果があります。このような両者のコラボレーションによるPRや販売促進を積極的に進めるべきだと思いますが、知事の所見を御披露ください。
 また、農林水産省が推進する六次産業化、経済産業省が推進する農商工連携。理屈はあれ、消費者にとってその違いは右から見るか左から見るか程度の話です。福岡県工業技術センター内にある生物食品研究所は加工食品の開発を支援しており、原材料と加工品のちょうど真ん中に位置する施設です。農林水産部と商工部が連携し福岡県を食の都としてプロモーションしていくために極めて重要な役割を担っており、その機能や設備をさらに強化する必要があると考えます。生物食品研究所の設立経緯を含めて知事の見解を御披露願います。
 さて、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、二〇一九年、我が県も試合会場となるラグビーワールドカップが開催されます。キャンプ地誘致に始まり、開催時期の観光客誘致を目指し、自治体間の競争は既に始まっています。東京都は新たにブランディング戦略を策定し、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催とその先を見据えた東京ブランドの確立のための取り組みを始めました。大阪府では持続的な地域ブランド力向上による地場産業の活性化の方策について調査を実施し、大阪の地域ブランド戦略のあり方という報告書を策定しました。お隣熊本県では、熊本ブランドを一元的に推進する組織、くまもとブランド推進課が存在します。
 さて一方、我が福岡県では、福岡県広報部長エコトン、福岡観光軍師ふくおか官兵衛くん、福岡のりマスコット、有明のりちゃんなどのキャラクター、あまおう、山川ミカン、北原早生、ラー麦、八女茶などの県産農林水産物のブランド、古くは福岡県の花、梅をあしらった県章や、とびうめのフレーズなど数多くのブランディングのツールがあります。しかしながら、今回の質問に当たり、県が持っているキャラクターやシンボルマーク、ブランドを全部知りたいけれども、どこが所管しているんですかと尋ねましたところ、そんな部署は存在しないということを知りました。そもそも、福岡県を代表するキャラクター、エコトンも、もともとは環境部がつくった一キャラクターです。出世して広報部長に就任されたのはめでたいことですが、そこに福岡県に対する人々の共感や信頼を向上させようとする緻密な戦略を感じられないのが私の正直な思いです。
 そこで知事に質問です。今後、二〇一九年ラグビーワールドカップ、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックという世界的な大イベントが立て続けに日本で開催されます。これを契機に、今まで存在しなかった福岡県としてのブランディング戦略を構築し、福岡県に対する共感や信頼などの価値を高めることで、キャンプ地誘致、観光客誘致、さらには定住者の呼び込みや県民の幸福度向上につなげることを目指すべきと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。
 最後に、福岡県が推進する観光ブランドについてお尋ねします。去る十月十四日、古代史研究家の古田武彦氏がお亡くなりになりました。古田氏は邪馬台国論争において、九州王朝説の提唱者でありました。邪馬台国論争は江戸時代後期から始まり、新井白石は筑後国山門郡説を、本居宣長は九州熊襲説を唱え、その当時から九州は論争の中心でした。福岡県内でも、我が地元旧山門郡、すなわちみやま市、柳川市を初め朝倉市、久留米市、八女市、太宰府市、糸島市などゆかりの地があまたあり、卑弥呼の火祭り、花の邪馬台国まつりなど地域振興のイベントが開催されております。
 古代史のロマンを語るとき、もう一つ忘れてならないのは磐井の乱です。五二七年、朝鮮半島南部へ出兵しようとした大和政権に背き、九州北部の有力者筑紫磐井は九州の豪族とともに磐井の乱を率いた反乱者として古事記や日本書紀に記されています。しかし、視点を変えて見ると、磐井の乱は日本初の中央集権政府による地方自治への介入とも読み取れます。それから千五百年の時を経て、中央集権型の国家システムが制度疲労を起こす中、地方から国の形を変えようと、福岡県議会を初めとする地方議員、九州内の首長、国会議員、財界有力者が会員となり九州自立の会が設立されたことに因縁めいたものを感じます。
 そこで知事に質問です。現在、福岡県では世界文化遺産登録が期待される宗像・沖ノ島と関連遺産群を中心に、歴史、文化の観光ブランド化が進められていると認識しておりますが、世界遺産登録の暁には、福岡県内津々浦々に沖ノ島効果を波及させるべく、邪馬台国や磐井といった福岡ゆかりの古代史、文化を掘り起こしてはいかがでしょうか。観光振興だけでなく、自分たちのルーツを見直すことは、県民の郷土愛を育むことにも通ずると思います。知事の見解をぜひお聞かせください。
 以上、知事の前向きな答弁を期待して質問を終わります。(拍手)

◯副議長(原竹 岩海君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 県産食材と日本酒などの加工品のコラボレーションについてでございます。県産の農林水産物と加工品を一体的にPR、販売をいたしますことは、消費者の認知度を高め、販売量や販売ルートをふやす上で有効な取り組みであるというふうに考えております。このため県では、議員にも御紹介をいただきましたけれども、県産食材を使った料理と県産のお酒、八女茶を提供する、ふくさけ祭りや大晩さん会を開催をしてきているところであります。これらの参加者からは、県内にはおいしい物、おいしいお酒がいっぱいあるんだということが改めてわかった、そういった感想が寄せられております。また、県産農林水産物とこれらを使った料理、それに加工品を一堂に集めまして、ことしの十月には九州うまいもの大食堂、十一月には農林水産まつりをそれぞれ天神中央公園で開催をしたところであります。さらに、昨年度から、首都圏などを中心に事業展開をされております外食産業と連携をいたしまして、県産の農林水産物を使った料理を提供してもらう福岡フェア、これを開催をしてきているところであります。これらの業者さんからも、農産物や肉類、魚介類、加工品を組み合わせた我々地域の特色あふれる提案というものが求められているところでございます。このため、そういったニーズに沿った提案を一生懸命考え、提案を行い、和食レストランやホテル等におきまして、県産の食材とあわせて日本酒、からしたかな、めんたいこ、しょうゆなど加工品も一緒に一括して取引をされているところであります。今後とも、こうした県産品の一体的なPRと販売促進活動を積極的に進めてまいります。
 次に、生物食品研究所の機能強化についてお尋ねがございました。本県におきましては、食品、バイオ関連の中小企業に対するその技術の高度化、また新製品の開発を支援するために、平成七年四月でございますが、工業技術センター材料開発研究所と化学繊維研究所食品課、これらを統合いたしまして、生物食品研究所を設立をいたしました。この生物食品研究所におきましては、これまで食品、バイオ関連企業を対象にいたしまして、その新製品の開発のための共同研究、技術課題を解決するための個別の指導、食品素材の機能性に関するデータの集積と提供、そして最新の技術に関するセミナーの開催などに取り組んできたところであります。企業との共同研究につきましては、例えば、福岡県の酒造組合と開発をいたしました酵母を使った福岡オリジナルソフト清酒、また農業総合試験場と開発をいたしましたニンジンの臭みを抑えたジュース、これらが商品化されております。
 また近年、健康、安全、安心志向の高まりから、食品分野におきましては機能性食品や高齢者向けの食品の需要が非常に増大いたしております。消費者ニーズは大きく変化をいたしております。これらを踏まえまして、食品企業がこういった動きに対応していくための高付加価値の商品の開発を迅速に行うことができるよう、昨年の十一月、生物食品研究所内にふくおか食品開発支援センターを開設をいたしました。センターでは、商品の開発の企画から加工、評価までを一貫して御支援を申し上げるため、商品企画のアドバイスを行う食品開発プロモーターを配置をいたしますとともに、企業が開発に利用できる加工機器、分析機器をセンター内に整備をしているところであります。開設からおよそ一年がたちましたけれども、福岡県産のブルーベリー等のセミドライフルーツの蜂蜜漬け、ブロッコリーを使用したクッキーなど九つの商品化が実現いたしております。
 これからも市場動向や企業ニーズに応じまして、ふくおか食品開発支援センターの整備充実を図るとともに、県内の食品系の学科を有する大学、県の農林業総合試験場を初め試験研究機関との連携をさらに強化をいたしまして、県産農林水産物を活用した中小企業の食品開発を支援してまいります。
 次に、ブランディング戦略についてお尋ねがございました。ブランディング戦略の意義は、単に地域資源の情報発信にとどまらず、地域が持つ魅力を認識してもらうことによりまして、地域への信頼、共感を高めていくことにある、このように理解をいたしております。そういう意味では、議員のおっしゃったとおりと思っております。福岡県は、個性の異なる三つの海、多様な里山、山地など豊かな自然環境はもとよりといたしまして、八女茶、あまおうなどの競争力のある農林水産物に加え、世界にも発信力のあります豚骨ラーメンなど個性的な食にも恵まれております。また、日本の近代化を支えてきました歴史、高度な物づくりの技術など多様な魅力があります。それらの魅力を知り、見て、感じて、あるいは味わっていただけるように、イチジクのとよみつひめ、ミカンの北原早生、豊前海一粒かきなど農林水産物のブランド化、またよかもん・よかとこキャンペーンなど、我が福岡県が持っております魅力の発信に努めてきたところであります。また、こうした新しい魅力、ブランドをもっともっとふやしていくために、明治日本の産業革命遺産のユネスコ世界遺産への登録、また種がほとんどない柿の秋王など開発をし、そのブランド化にも取り組んできているわけであります。新しくブランド化をしている商品をふやしているわけであります。資産もふやして、観光資源もふやしているわけであります。
 今後、ラグビーのワールドカップ二〇一九、また東京オリンピック・パラリンピック大会が控えておりまして、本県の魅力を内外に発信する絶好の機会となります。このため、引き続き本県が持っております多様な魅力を高めながら、その魅力をいつ、誰に向かって、どのように伝えるか、これを頭に置きまして、関係機関、専門家の意見、他の地域の取り組み状況やその効果というものも踏まえて、今後の我が県のブランド戦略のあり方について検討していきたいと考えております。
 次に、邪馬台国、卑弥呼を生かした観光振興についてお尋ねがございました。福岡県は古来から、アジアとの交流を背景にいたしまして、国内でもいち早く発展をしてまいりました。朝倉市を初め久留米市からみやま市に至る筑後平野一帯は、議員も触れられましたが、邪馬台国北部九州説の有力地の一つとして知られているわけであります。このほかにも、国内最大級の鏡が出土いたしました糸島市の平原遺跡、金印で有名な奴国の中心地と言われる春日市の須玖岡本遺跡、大和朝廷と戦った、さっきの中央集権、中央国家の地方に対する介入とおっしゃいましたけれども、大和朝廷と戦った磐井の墓であります八女市の岩戸山古墳、日本遺産となりました西の都大宰府など、弥生時代以降の国家成立の過程を示す大変貴重な史跡が豊富にございます。さらに、京築地域を初め県内各地に神話を演じる神楽というものが数多く現存いたしております。このようにいろんな史跡、観光資源、枚挙にいとまないところであります。加えて、「神宿る島」宗像・沖ノ島とその関連遺産群が平成二十九年にユネスコの世界遺産に登録されれば、それに向けて最大限今、努力をしているわけでございますが、登録をされれば、世界から大きな注目が集まり、これらの遺産群と、先ほど述べました古代ロマンあふれる県内の歴史、文化、これらをつなぐことによりまして、観光面でも本県の魅力を大いに高めることができると考えております。このため、今後、市町村、観光協会と協力し、古代の歴史や文化にまつわる資源の掘り起こしを行うとともに、歴史、観光マーケティングの専門家の意見も聞きながら、県内各地への誘客、周遊につなげるための方策、取り組みについて検討を進めてまいります。

平成26年12月議会一般質問「アスリート育成とスポーツ振興における県の取り組みについて」

録画中継にて知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継

ーーーーーーーーーーーー
質問要旨 一、アスリート育成とスポーツ振興における県の取り組みについて
ーーーーーーーーーーーー

◯十一番(板橋 聡君)登壇 皆さん、こんにちは。自民党県議団の板橋聡です。本日は、アスリート育成とスポーツ振興における県の取り組みについて質問します。
 福岡県議会を初めとし九州各県議会、政財界の有志で構成される九州の自立を考える会は、去る十月、九州の成長戦略に係る政策提言を行いました。その中には、人々が心身ともに健康で、将来に希望を持ち、心豊かに、安心して暮らせる社会の実現のために、スポーツの振興が大きな柱として含まれています。私自身、二月議会一般質問において、スポーツによる広域地域振興を提言しており、このたび九州自立の会の政策提言においてもスポーツ振興が掲げられたことは、大変心強い限りです。この政策提言は、九州各県が協調し、一丸となって取り組まなければならないこともあり、今すぐ実現するには難しいものもあると思います。しかし、全国に先駆けてタレント発掘事業を始めるなど九州のスポーツをリードしてきた本県がモデルケースとなって率先して取り組めば、九州全体の取り組みが加速することにつながると考えております。
          〔加地議長退席 岩元副議長着席〕
 そこで知事に質問です。今回の九州自立の会のスポーツ振興に関する政策提言について、まずは福岡県としてできることからやってみてはどうかと考えますが、知事の所見をお聞かせください。
 次に、トップを目指す姿の美しさと勝ち負けのおもしろさによって見る者に感動と夢を与える、すなわちチャンピオンスポーツの推進に向けたアスリートの育成について伺います。極限まで鍛えられたトップアスリートが競技する姿は、私たちに大きな力と夢、そして感動を与えてくれます。特に、そのアスリートが本県出身ともなれば、県民を元気づけ、スポーツへの関心を高めることにもつながっていくものと思います。これまでも本県からは、多くのオリンピック選手、メダリストが生まれておりますが、私は県民の一人として、二〇二〇年に我が国で開催される東京オリンピックにも、ぜひ多くの本県出身アスリートが出場し、活躍していただきたいと願っております。
 本県では、二〇〇四年度から、アスリートの発掘、育成を目的とした福岡県タレント発掘事業を実施し、本事業で見出されたアスリートが、ことし九月、韓国で開催されたアジア大会に出場するなど、過去、二十一人の日本代表選手を輩出する成果を上げています。このような取り組みの中で育ち、二〇二〇年の東京オリンピックの出場を夢見るアスリートをその舞台に立たせていくためには、互いに競い合うライバルの存在も不可欠であると思います。
 そこで質問です。九州では、本県以外からもすぐれたアスリートが輩出されております。こうしたアスリートが交流する機会をつくっていくなど、九州各県が協力し、九州全体で育成強化に取り組んでいくことも効果的ではないかと思いますが、知事の所見をお聞かせください。
 また、県では本年度より、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを見据え、アーチェリーを重点種目に設定し、二〇二〇ターゲットエイジ育成・強化プロジェクトをスタートさせました。しかしながら、アーチェリー競技は一般的になじみが薄く、経験者も少ないと思われます。競技の強化とあわせ、本プロジェクトを通じ地域のスポーツを盛り上げ、スポーツで地域を活性化していくためには、県内各地で気軽にアーチェリーを体験できるような働きかけをしたり、大会を開催したりするなど、競技自体の普及、浸透も必要と考えます。競技人口が拡大することにより、相対的に県アーチェリー競技のレベルは向上し、メダルへの道が見えてくるのではないでしょうか。
 そこで質問です。アーチェリー競技の強化に取り組む福岡県は、その普及や競技人口拡大のための取り組みを今後どのように進められるのか、知事の御所見をお尋ねします。
 一方で、アーチェリーの競技場が整備されているのは福岡都市圏、北九州方面に集中しており、我々県南や筑豊に住む者にとっては、そもそもアーチェリー競技自体が物理的に大変遠い存在です。今回の二〇二〇ターゲットエイジ育成・強化プロジェクトは、各地でセレクションを行い、すぐれた競技適性を持つ人材は強化拠点クラブに招聘しオリンピックに向けて育成を行うそうです。恐らくその中には、ほかのスポーツの道を断って、アーチェリーに青春をかける選手も出てくるでしょう。しかし、県内各地で身近にアーチェリーに触れることができる施設や設備がないと、二〇二〇年東京オリンピックが終われば県民のアーチェリー熱は冷め、アーチェリーブームは一過性に終わるのではないでしょうか。県内各地から選抜され、育成された選手が東京オリンピックを終えてまた故郷に帰り、優秀なコーチとなり地元で後進の育成に活躍できるような土壌までつくってこそ、アーチェリーが県民競技となり、次のオリンピックや世界大会に向けて県民の夢や物語がつながっていくと考えます。
 そういう前提を踏まえて知事に質問です。アーチェリーをオリンピックでメダルをとるためだけの一過性の競技として扱うことに私は反対です。一部の地域のためのものではなく、アーチェリーを県民競技として育てることが大事と考えます。そのためには、アーチェリー競技の物理的な環境整備、つまり競技設備を県下の例えば県営公園などに整備し、手軽に競技に触れられる状況をつくっておくことが必要と考えます。この点について知事の考えをお聞きします。
 先月、スポーツの総合祭典として筑後広域公園において行われた第一回市町村対抗「福岡駅伝」は、地元商工会議所のまかない飯グランプリやオリンピックデーラン、健康二十一世紀福岡県大会などさまざまなイベントが同時に開催され、それぞれのイベントの相乗効果もあって、五万人を超える人が公園を訪れたと伺っております。スポーツを地域活性化に結びつける大変すばらしい取り組みであったと評価しております。
 そこで知事に質問です。私は、本年二月議会の一般質問において、スポーツを活用した地域振興について質問させていただきました。特に、筑後地域は、地域に根づいた伝統的に盛んな競技が存在することに加え、スポーツ施設の整備も進んでいることから、広域連携プロジェクトの一環として、スポーツを活用した地域振興を目指すべきではないかと提案させていただき、知事からも前向きに検討したいとの答弁をいただいたところです。これについて、その後の検討状況をお尋ねします。
 冒頭でも触れましたが、九州の自立を考える会の政策提言では、県内にさまざまな国際スポーツ大会の誘致を行うことについて、誘致にハードルが高い、集客効果が非常に高い著名な大会ではなく、まずは注目度の低い大会でも継続的な開催により地域活性化への寄与が期待できて、そこから競技、大会の幅を広げ、さらなる国際大会やキャンプ地の誘致へと好循環につながる可能性を説いています。
 そこで知事に質問です。国際スポーツ大会やキャンプ地の誘致が子供に夢を与え、地域振興の一端を担うことは論をまちません。筑後広域公園は現在、スポーツゾーンの整備が進められていますが、スポーツゾーンというネーミングが看板倒れにならないよう、県南地域のスポーツに対する関心を高め、子供に夢を与え、地域振興を図っていくことができるよう、国際スポーツ大会やキャンプ地などを誘致できるような視点を忘れずに整備をすべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
 以上、知事の全てのスポーツ関係者への愛情ある答弁を期待して、私の一般質問を終わります。(拍手)

◯副議長(岩元 一儀君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 まず、九州の成長戦略に係る政策提言のスポーツ振興に関する御提言についてでございます。提言にありますように、スポーツには、心身の健康や青少年の健全育成、地域の活性化などさまざまな効用や意義があると認識をいたしております。県におきましても、こうしたスポーツの多様な価値を踏まえまして、ことし三月、県のスポーツ推進計画を策定したところでございます。この計画に基づきまして、本年度から、ラグビーワールドカップ二〇一九の試合会場及びキャンプ地の誘致、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会が開かれる東京大会にかかわるキャンプ地の誘致に取り組んでいるところであります。また、先月にはスポーツの総合祭典としまして、議員、御報告いただきましたけれども、オリンピック選手との交流イベント、あるいは健康二十一世紀福岡県大会、それからまかない飯グランプリ、そういったさまざまなイベントと同時開催で第一回目となる市町村対抗「福岡駅伝」、全市町村参加してやらせていただいたところでございます。今回のスポーツ振興にかかわる提言の内容につきましては、その内容を十分に検討させていただきまして、短期、中期、長期という時間軸、そして主体、その役割分担というのも念頭に置きながら、福岡県としてできるものから取り組んでいきたいと、このように考えております。
 九州全体でのトップアスリートの育成、強化についてお尋ねがございました。九州各県からは、さきのロンドンオリンピックに合計四十二名の選手が出場するなど、優秀なアスリートが多数輩出をされております。各県が連携することにより、さらに多くのアスリートが輩出されるものと考えております。このため、福岡県から九州各県に呼びかけを行いまして、国が二〇二〇年に向けた強化策の一環として実施をいたします事業を活用して、今年度から、各県の行政担当者や学識者、企業関係者等から成ります九州ブロックコンソーシアムというものを設置をいたしまして、各県と協力したアスリートの育成、強化に取り組むことといたしております。先月下旬には、九州各県の担当者や国の関係者を集めた準備会議というものを福岡市内で開催をさせていただきました。今後、各県における取り組みに加えまして、この組織を中心といたしまして、九州各県から選抜した選手と指導者を一堂に集め、日本代表コーチ等を招聘して合同合宿を実施するなど、二〇二〇年を見据えたアスリートの育成に取り組んでまいります。
 アーチェリー競技の強化と普及についてでございます。県では本年度から、アーチェリーの世界最強国であります韓国出身の専任コーチを招聘した選手強化事業をスタートさせました。本事業におきましては、このコーチを活用いたしまして、主に高校生を対象とした強化に加えまして、総合型地域スポーツクラブなど県内数カ所におきまして、アーチェリー体験教室や大会などを開催することといたしております。こうしたことによりまして、競技への興味や関心を高めていくとともに、競技人口の拡大にも取り組んでまいります。また、強化や普及を図っていくためには指導者の確保が不可欠でございます。指導者養成研修会も開催をさせていただきます。こうした取り組みによりまして、今後もアーチェリー競技の強化と普及にしっかり取り組んでまいります。
 次に、県営公園のアーチェリー場としての活用についてでございます。現在、県内には、福岡、北九州地区を中心に、公園施設や学校施設を含め六つのアーチェリー場がございます。このアーチェリー競技の強化や普及を図っていくためには、県民の身近な場所に指導者がいて、そして練習ができる環境が必要ではないかと、このように思います。アーチェリーの体験や練習をするためには、指導者の確保に加えまして、一定のスペースや周辺の安全性を確保するためのフェンス等による区画というものが必要になってまいります。このため、私どもの有する県営公園などを活用することも一つの方法ではないかと考えられます。実際の活用に当たりましては、これらの公園や施設が今申し上げましたような条件にかなうかどうか、またそれぞれの公園施設の設置目的や現在の利用状況、そしてより広くは、アーチェリーの競技人口、その地域的な偏在なども総合的に勘案をいたしまして検討を進めていきたいと考えております。
 次に、筑後地域におけるスポーツを活用した地域振興の検討状況についてでございます。今年度、県と筑後地域十二市町で構成いたしております筑後田園都市推進評議会に、スポーツを活用した地域振興策についての研究会というものを設置をいたしました。この研究会では、スポーツを見る、そしてするための旅行、またその周辺地域の観光によりまして交流人口の増大を図り、地域の振興につなげていくための方策を研究しているところでございます。具体的なその検討状況でございますけれども、まずは筑後地域の各市町で現在単独に実施をされておりますランニングやウオーキング大会を効果的に連携を進めていくために、共通のパンフレットの作成や複数大会参加者を顕彰する仕組み、そういったものについて検討を進めているところであります。筑後地域においては、スポーツ関連施設整備が進んでおりますことから、それらの施設も活用しながら、今後とも、スポーツによる地域振興の取り組みについて検討を進めてまいります。
 次に、国際スポーツ大会の開催等を視点に持った筑後広域公園のスポーツゾーンの整備についてでございます。筑後広域公園のスポーツゾーンは、健康維持、増進のためのさまざまな健康づくりの実践の場を提供すること、そしてその実践を通じた地域の競技力の向上を図っていくこと、それらを目的として整備を進めているところであります。国際スポーツ大会の開催やキャンプ地としての利用というものは、スポーツの裾野の拡大、国際交流の推進、また地域経済への波及効果というものが期待されます。さらには、この福岡の名前というのを世界にアピールする機会にもなると、このように考えているところであります。一方で、こうした国際スポーツ大会のための施設整備やキャンプ地の誘致には、競技スペース、観客席、ロッカールーム、役員等の施設が必要となることが考えられまして、多くの建設費、維持管理費を要することになります。また、大会後、どのように地元の地域で利活用が進められるか、そういった課題もございます。そのため、筑後広域スポーツゾーンの整備につきましては、地域経済の振興も期待できることから、国際大会の開催、そのレベルを含めまして念頭に置きながら、日常的に地域の住民が利活用でき、地域の競技力の向上が図れるよう、一方で、今申し上げましたような諸課題などにつきましても総合的に勘案した上で、他の事例についても十分調査し、検討を進めていきたいと考えます。

◯副議長(岩元 一儀君) 板橋聡君。

◯十一番(板橋 聡君)登壇 知事に一点再質問をさせていただきます。
 県営公園への国際大会誘致については、御回答ですけれども、施設整備した場合に、大会後、どのように地元の地域で利活用をできるのかということが課題であるとおっしゃいました。一方で、その前にちょっと私、質問をいたしました。アーチェリー競技設備の県下への整備について、これは若干味気ない回答だなというふうに思いました。実際、県の公認のアーチェリー設備というのは福岡都市圏と北九州で六カ所しかないんですね。筑豊、筑後は全くないと。二〇二〇年ターゲットエイジ育成・強化プロジェクトで若い優秀なスポーツエリートを選抜して、アーチェリーでオリンピックを目指すと、これはすばらしいことだと思うんですけれども、彼らがオリンピックを終えた後のケアがちょっと考えられてないのかなというふうに感じました。今、全国でというか、全世界で、スポーツエリート、スポーツ強化チームを育てる現場において、競争の激化、そして早期化によるドロップアウト組の増加や、バーンアウト、これはつまり、燃え尽き症候群ですね、こういったものが選手の抑鬱状態や一種のノイローゼ状態など心の障害を来す例も報告されておりまして、重大な問題として指摘をされております。スポーツエリートを県として育成するということは、人の一生を左右する問題だと私は捉えております。県として、そういう人を最後まで面倒見ろとか、そういったことを言っているわけではございません。しかしながら、アーチェリーに県とともに青春をかけた若者が、その貴重な経験を生かし、地域で長らく活躍してもらうために、少なくとも、アーチェリーを一部地域ではなく、県内広くあまねく県民競技として育てる覚悟が必要ではないかというふうに思います。
 知事、その覚悟はございますか。それだけ教えてください。

◯副議長(岩元 一儀君) 小川知事。

◯知事(小川 洋君)登壇 国際大会への出場のために、その一生あるいは若い時間の貴重な時間を割いて全力を尽くしていく若者あるいは競技者、その方々の競技後の人生、これは大きな重い課題であろうと思っております。これは各国共通の課題であるわけであります。そのことも含めて、私どもは今回、トップアスリートの養成作業に入っております。したがいまして、今回の我々の事業の中でも、大会出場後のその選手の方々のそれからの人生のことも思いをいたしながら、育成事業というものを考えていきたいと思っております。

平成25年決算特別委員会質問「オリンピック等のキャンプ地誘致について」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。
 二〇一九年にラグビーワールドカップが日本で開催され、二〇二〇年に日本で二度目となる夏季オリンピック・パラリンピックが東京で開催されます。九月議会で、吉村議員、伊豆議員の一般質問において、小川知事はこの二つのスポーツの祭典において、その盛り上がりを福岡で活力にすべく、キャンプ地誘致に対して強い意気込みを御披瀝いただきました。本日は、もう少し具体的な話を伺いたいと思います。
 本県でキャンプ地誘致を行う意義は何か、これをちょっと、まずは部長からお答えいただければと思います。

◯松尾統章委員長 大曲新社会推進部長。

◯大曲新社会推進部長 この意義でございますけれども、まず、本県でキャンプが行われることは、県民の方が世界のトップアスリートのプレーを直接見ることにつながり、また、交流するということでもありますので、スポーツに対する関心が非常に高まる機会になると考えております。そして、見る、交流するということで、特に子供たちにとっては、スポーツへの夢、そして目標を持つことにもつながってくると思います。
 また、キャンプが行われることで、国内外からの観光客が大変多く訪れることが期待されます。その方たちに福岡のよさを知ってもらうことによりまして、大会後のリピーターとして観光客の確保にもつながっていくなど、地域の活性化といった効果も期待できるのではないかと考えます。

◯板橋 聡委員 一つ大事な視点が欠けているのかなと。キャンプ地誘致によって、スポーツをしない人も、福岡県にいながら、主体的にオリンピックに参加できること、これが大事な意義の一つかなと思いますが、この思いは共有していただけますでしょうか。

◯大曲新社会推進部長 委員がおっしゃられましたように、スポーツをしない人も、そういったことで非常に、一緒にスポーツを楽しむということで関心が高まってくると、それはもちろんでございます。

◯板橋 聡委員 現在、県内では、ラグビーワールドカップには十七、オリンピック・パラリンピックには二十六自治体が、キャンプ地誘致の意向を示していると聞きますが、その中にはスポーツ施設は保有しますが、それ以外のソフトやハード面での対応、例えば宿泊施設や通訳スタッフの確保、ボランティアが集まりにくいなど、キャンプ全体の受け入れに困難を抱えている自治体もあると考えますけれども、県の御認識はいかがでしょうか。

◯松尾統章委員長 清水県民文化スポーツ課長。

◯清水県民文化スポーツ課長 誘致を希望する自治体の中には、委員の御指摘のとおり、スポーツ施設を有するものの、宿泊施設が十分でなかったり、通訳等ボランティアの確保をすることが難しいという自治体があることは認識をしております。

◯板橋 聡委員 そのような自治体では、せっかくすばらしいスポーツ施設を持って、住民の機運が盛り上がっていたとしても、キャンプ地誘致が失敗したとなると、元も子もないと思います。
 私の地元みやま市も、どんなトップレベルのチームがやってきても胸を張って受け入れられるプール設備が、平成二十六年にでき上がります。しかしながら、宿泊施設が十分でなく、「外国人ってテレビでしか見たことなかばい」と。このような自治体に対して、県はどのように支援をしていただけるのでしょうか。

◯清水県民文化スポーツ課長 このような自治体におきましては、近隣の自治体と共同することによりまして、宿泊施設等、施設面の課題を解決することが可能ではないかと考えております。
 また、このように広域でキャンプ誘致を図ることは、キャンプ終了後も広域連携、地域全体の活性化につながることが期待できると考えております。
 通訳等ボランティアスタッフにつきましては、県といたしましても、その確保に努める必要があると考えておりまして、今後地域のボランティアの育成を含めまして、留学生サポートセンターや大学等と連携をするなど、具体的な取り組みについて考えていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 自治体によっては、地域内にある県所有のスポーツ施設を活用してキャンプ地誘致を行おうとするところもあると考えますけれども、このような場合、県はどのような立場で自治体との間にかかわるのでしょうか。

◯清水県民文化スポーツ課長 今月実施することが決定をいたしましたスウェーデンのオリンピック委員会のキャンプにつきましては、福岡市内にあります県有施設、県立のスポーツ施設も利用することとなっております。県といたしましても、福岡市とともに主体となって、視察や施設利用に当たっての折衝を行っておりまして、最終的には福岡市と連名で協定書の調印を行ったところであります。
 各自治体が、他の県有のスポーツ施設を利用する場合におきましても、この場合と同様に、県としては、主体的にかかわっていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 ぜひ足並みをそろえて、リードするぐらいの気持ちでかかわっていっていただきたいと思っております。
 オリンピックのキャンプは、スウェーデンのように、選手団全体が福岡市一カ所で行う場合もあれば、単一種目でキャンプを行う場合もあると聞いております。規模の大きくない市町村がキャンプ地誘致を目指す場合、単一種目のキャンプを誘致することも有効と考えますが、その場合、日本水泳連盟とか日本テニス協会のような当該種目の中央競技団体の人的ネットワークを活用して、海外の競技団体へのアプローチが必要だと思われます。しかし、そのようなパイプを持っている自治体はほとんどございません。県内にはスポーツ強豪校と呼ばれる高校や大学など、国内外の競技団体と強いつながりを持つところもございます。こうした関係者と連携、協力して、誘致に取り組むことが必要ではないかと考えますけれども、御所見をお聞かせください。

◯清水県民文化スポーツ課長 県内には柳川高校のテニス部や東福岡高校のラグビー部、さらには福岡大学等、海外とのネットワークを持つ高校や大学等が存在をしております。このような関係者の協力を得ることは、キャンプ地誘致を成功させるために大変重要なことだと考えております。
 今後、こうした学校関係者を初め、県体育協会、県競技団体にオブザーバーとして連絡会議に参加をしていただき、海外の競技団体の情報提供を含めたアドバイスや、関係者の有するネットワークの活用など、協力を求めていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 ぜひ連絡会議は、行政主体の内輪の集まりになるのではなくて、外部の知恵だとか人的ネットワークを活用していただくことを期待しております。
 県は、これまでキャンプ地誘致を目指す自治体の連絡協議会を七月に立ち上げ、今後は情報提供やアドバイザーの派遣、または各自治体の保有施設など基礎資料を作成して、海外プロモーションをするということでございましたけれども、一番大事なのは、東京オリンピックを福岡県もキャンプ地誘致という役割で支えて、成功させようという県民の機運の醸成と考えます。この件について県はどのようにお考えでしょうか。

◯清水県民文化スポーツ課長 キャンプ地誘致に向けましては、委員御指摘のとおり、受け入れ地域の盛り上がり、機運の醸成が重要であると考えております。このため県では、来月十六日に開催いたします市町村対抗福岡駅伝をメーンとしますスポーツの総合祭典の中で、日本オリンピック委員会と協力をいたしまして、県民の皆様がオリンピックを身近に感じていただけるよう、元オリンピック選手六名と一緒にスポーツを楽しむイベントを予定しております。また、二月にはオリンピック・パラリンピックやラグビーワールドカップの試合会場誘致及びキャンプ地誘致に向けた機運を盛り上げるためのシンポジウムなどを開催する予定にしております。
 今後も、こうした取り組みを通しまして、機運の醸成を図り、通訳等ボランティアスタッフの確保を含め、キャンプ地誘致に向けて、さまざまな取り組みを行っていきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 個々の事業はそれでいいと思います。ただ、県民全体が「福岡県はキャンプ地誘致で東京オリンピックを支えていく」という思いを共有して盛り上がれるような一大キャンペーンを行うべきじゃないかと、私は考えます。数年前から、東京に出張に行きますと、「二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを日本で」「今日本にはこの夢の力が必要だ」「この感動を次は日本で」というポスター、広告、のぼり、テレビCMなどを、地下鉄だとか公共施設だとか至るところで目にしました。私は、その雰囲気にのまれて、いやが応でも気持ちが高ぶって、それがやはり二〇一三年九月七日のブエノスアイレスでの興奮、感動につながったんじゃないかと思っております。あの感動、あの昂揚感を東京だけでなく、ぜひ福岡県でもと、私は思いますけれども、そのためには、キャンプ地誘致の県として行う一大キャンペーン、こういったものが必要だと感じますが、御所見をお聞かせください。

◯清水県民文化スポーツ課長 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は、キャンプ地の基準を示すガイドラインを本年中に公開する予定にしております。その後、国内各地でキャンプ地活動が本格化すると考えております。
 委員御指摘の県を挙げた誘致活動の機運の醸成につきましては、今後その内容について検討していきたいと考えております。

◯板橋 聡委員 ぜひ、今、六年前ですから、まだあまり熱というのは盛り上がっていませんけれども、そういうところにちゃんと火をつけていると、一年前、二年前にどかーんと盛り上がると思いますので、ぜひそういった仕掛けをして、県民みんなが一体になれるようなキャンペーンを、小川知事をリーダーとしてやっていただきたいと思っております。
 ちなみに、大曲部長はスポーツは自分でされるほうですか、それとも見て楽しむほうですか。どんなスポーツがお好きですか。

◯大曲新社会推進部長 私自身のことで恐縮でございますけれども、スポーツはするのも見るのも大好きですが、まず、するのは大好きです。ちなみに、済みません、私ごとですが、テニスはずっとしておるんですけれども、武道にも取り組みをしております。

◯板橋 聡委員 そういう理解のある部長で、ますますオリンピックキャンプ地誘致も進むのではないかと思っておりますが、スポーツは自分でする、そして見て応援する、楽しむ、そして裏方として支えるというさまざまな形で、いろいろな年代の方、男女問わず、ハンディキャップあるなし問わず、かかわることが可能だと思います。福岡県もキャンプ地誘致成功により県民がもっとオリンピックに主体的に参加できるよう、最後に部長の意気込みをお聞かせください。

◯大曲新社会推進部長 先ほど意義については申し述べましたので、今回、決意ということでお話をさせていただきます。
 委員も、東京に行くと、オリンピック・パラリンピックの熱が非常に熱いということをお話しされました。やはり、オリンピック・パラリンピックの成功に向けては、東京だけではなく日本全国でやるという意気込みが大切ではないかと思います。また、そういった中で、県内の自治体でキャンプ地を誘致していくことは、本県のスポーツの振興、また、地域活性化を図る上でも大変効果があるものだと思っております。
 このため、課長も先ほど申し上げましたが、誘致を希望する自治体への情報提供、また、アドバイザーの派遣、こういった支援を行いまして、関係機関としっかりとスクラムを組んで、あらゆる機会を通じまして海外に対するプロモーションを実施し、キャンプの誘致に取り組んでまいります。また、県内におきましても、二〇二〇年に向けて、機運をしっかりと醸成させていきたいと思っております。

◯板橋 聡委員 ぜひお願いいたします。終わります。(拍手)

平成25年9月議会一般質問「ワンモア福岡の取り組みについて」

福岡県議会 録画中継にて公式動画で質問と知事答弁が確認できます。
ーーーーー
質問要旨
「ワンモア福岡の取り組みについて」
 1.観光協会との取り組み強化
 2.歴史観光政策
 3.MICE戦略都市等との連携
ーーーーー
◯十一番(板橋 聡君)登壇 皆さん、おはようございます。自民党県議団の板橋聡でございます。けさもNHKで「あまちゃん」を見て、爽やかな気分で質問の場に立っております。知事はごらんになっていらっしゃいますでしょうか。このドラマは東北の地方都市のまちおこしがモチーフとなっており、海女漁やローカル鉄道など地域観光資源を活用して、地元観光協会を初めとする住民たちがまちおこしに奮闘する姿に共感を覚えた方もこの議場の中にたくさんいらっしゃるのではないかと思います。そこで本日は、知事が就任以降、観光政策として強調される福岡でもう一カ所、もう一泊、もう一食、いわゆるワンモア福岡、福岡プラスワン戦略の取り組みについて質問をいたします。
 まず、観光協会との取り組み強化についてです。過去の答弁で、観光振興について知事はたびたび市町村の観光協会との連携強化について言及されています。市町村に属する観光協会は、福岡県内に三十二団体存在します。地域のさまざまな職種の会員で構成され、会員の皆さんは地域の観光資源、歴史、景勝地に造詣が深く、そして何より地域に対する誇りや愛情を抱き、観光を通じた地域振興を願っていらっしゃいます。つまり、観光協会は地域観光に関する人、情報、情熱が詰まっているのですが、一方で、刻々と変化し多様化する観光を取り巻く状況に対し何をどうしたらいいかさっぱりわからない、地元の観光協会の総会に出ても、かんかんがくがくというよりは、けんけんごうごうな議論で、会員の皆様のせっかくの情熱が空回りしていることに危惧を抱きました。本年度より、魅力ある観光地づくり事業として県が主導で、女性モニターツアーや、それと連動したワークショップが一部地域で開催されておりますが、何より屋台骨である県内市町村の観光協会に対して、もっと広くあまねく働きかけ、どうやったらうまくいくのか情報を提供し、モチベーションを高める仕掛けが観光地福岡県としての魅力向上に必須だと考えます。
 そこで質問です。観光協会にかかわっている県の部署としては、商工部国際経済観光課と企画・地域振興部広域地域振興課の二つがあります。また、県が補助金を出している団体として、観光連盟と観光推進協議会があり、それぞれ県内十九の市町村観光協会が加入しています。県と観光協会の連携以前に、これら県側の組織の連携がどうなっているか疑問です。これらの役割分担やすみ分け、部署間の連携について知事はどう考えていらっしゃいますか、お答えください。
 また、県内三十二ある観光協会のうち十九団体しか観光連盟、観光推進協議会に加入していないという現状をどうお考えですか、お答えください。
 もとより、観光地はそれぞれ互いに競争相手で、情報交換をしたり、交流をするのがなかなか難しいという側面があります。それゆえ、市町村観光協会がよきライバルとして切磋琢磨すると同時に互いに情報交換して、県全体の観光振興につながる場を県がつくるべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。
 また、そのためには県や九州観光推進機構のような広域の団体が市町村観光協会の取り組みを評価するコンペティションを創設し、成功事例を周知する機会があれば、市町村観光協会のモチベーションを高め、おのずと活動の活性化が図れると考えますが、知事の御所見をお聞かせください。
 続きまして、歴史観光政策についてです。出張で福岡を訪れる関東、関西在住の友人が私に電話をして聞くんです。翌日帰りの飛行機まで時間があるんだけど、昼間にどこかおもしろいところあるかと。男女、年齢を問わず、グルメを初めとする夜のエンターテインメント、これは私がアドバイスしなくても、みずからいろいろと情報を集めて勝手にエンジョイしているようですが、昼の福岡観光については積極的な関心が高くないと実感する次第です。
 福岡は地政学上、古来より大陸との外交、時には国防のかなめであり、金印、卑弥呼、大野城・水城、平家伝説、大宰府、元寇、近代化を支えた産業などなど歴史、文化の題材が豊富です。また、来年の大河ドラマの主人公である黒田官兵衛のほかにも、福岡藩初代城主長政、立花の義を貫き、豊臣秀吉、徳川家康から西国無双とたたえられた立花宗茂は、次に福岡ゆかりの大河ドラマ主人公となるべき武士中の武士ですし、幕末の尊王攘夷派の精神的支柱だった真木和泉守は、歴史の歯車が一つ違っていたら、別の形で明治維新の立て役者になっていたかもしれません。ほかにも、高橋紹運、後藤又兵衛、菅原道真などなど興味深い物語を持った福岡ゆかりの多くの偉人がおり、京都、奈良、鎌倉などと遜色ない素材を福岡県は抱えていると自負しております。しかしながら、福岡の歴史、文化、偉人という素材は、それぞれの魅力を持ち一つ一つは点として輝いていても、歴史観光地としていま一つ認知されていないのは、点を線から面にする仕掛けが足りないからと感じております。
 そこで知事に質問です。知事は過去に、観光ふくおかの魅力創造事業ということで、地域の素材をつないでストーリー性のある体験型観光モデルコースを設定すると答弁されていますが、ぜひ歴史観光の面でも、県内各地に点在する一つ一つの歴史観光資源を紡ぎ、大きな物語にして回遊性、リピーター性を高める取り組みを、県がリーダーシップをとって市町村の観光協会と連携して行うべきではないでしょうか。知事の所見をお聞かせください。
 また、教育長に質問です。歴史観光を盛り上げる条件として、受け入れる住民側にも語り部としての知見が必要となります。そのためには、福岡に住んでいる私たちが幼少のころから地域の歴史について触れ、親しむ機会を多く持つべきと思います。これは同時に郷土愛や自己肯定感を育むことにも有用だと思いますが、どのような取り組みを小中学校で行うべきか、御所見をお聞かせください。
 続きまして、MICE戦略都市などとの提携についてです。MICEとはミーティング(会議、研修、セミナー)、インセンティブツアー(報奨、招待旅行)、コンベンション(大会、学会、国際会議)、エキシビション(展示会)の頭文字をとった造語です。本年六月二十八日に福岡市を含めた五都市が、観光庁が選定するグローバルMICE戦略都市に決定しました。これにより国際的なMICE誘致競争を勝ち抜くべく、国から集中的な支援が行われます。
 そこで質問です。会議場や宿泊施設、空港からのアクセスが充実した福岡市が世界トップレベルのMICE都市となるよう福岡県としても支援すべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。
 また、MICEの特徴として、一般観光客より参加者の消費額が多いことが挙げられます。県としても福岡市のMICEの傾向、分野、規模、参加者の国籍、年齢、性別、職業、家族同伴かどうか、滞在日数は、などのデータを分析し、福岡市に集まったMICE参加者が、福岡市以外の地域にも足を延ばし、まさに知事がおっしゃる福岡プラスワン、福岡でもう一カ所、もう一泊、もう一食していただけるように、MICEに特化した具体的で戦略的な取り組みが必要と考えますが、知事のお考えをお聞かせください。
 最後に、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まりました。全世界のアスリートや観光客がオリンピック・パラリンピックのために東京に集結するわけです。世界中から東京を訪れた人々に対して、福岡で、もう一泊ではなく、東京から福岡に、もう一泊していただく準備、取り組みをしなければ、オリンピック特需に対する国内の観光客誘致競争を勝ち抜けないと考えます。まだ七年先だと漫然と指をくわえていてはいけません。早急にタスクフォースなりプロジェクトチームなりを立ち上げ、二〇二〇年の東京の盛り上がりを福岡の活力に結びつけると同時に、次世代観光政策の礎を築く七年間にすべきと考えますが、知事の御所見を披露願います。
 以上、県民がじぇじぇじぇ、と感嘆するような熱い答弁を期待して、私の一般質問を終わります。(拍手)

◯副議長(長 裕海君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 観光振興における県庁の中での広域地域振興課と国際経済観光課の連携強化でございますが、県では、広域地域振興課におきましては、各地域の観光素材を発掘し、これを磨き、また国際経済観光課では、これらの新たな観光資源と温泉、食といった県内さまざまな観光資源とをつなぎ合わせて新しい観光商品としてこれを売っていくと、そういうことによりまして県の観光振興を図っているところでございます。こうした基本的な役割、両課にあるわけでございますが、こうした役割分担を県内の市町村観光協会の方々にも十分お伝えをしていき、あわせて両課の連携をより一層強化をいたしまして、本県の観光の推進体制というものを強化していきたいと考えております。
 次に、市町村観光協会の県観光連盟への入会についてでございます。県の観光連盟は、民間の観光関連事業者が参画をいたしております本県の観光振興施策の中核的実施機関でございます。具体的には、県内の観光情報を旅行会社等へつないでいく営業活動でありますとか、市町村観光協会やボランティアにかかわる人材の育成、それから観光情報の発信等をこの連盟は行っているところでございます。近年の観光市場というのは体験型の個人旅行というのが主流になってございます。また、外国からのお客様もふえております。このような中で、県全体を結ぶストーリー性がある観光ルートをつくっていく、また多言語での情報発信というのが求められているわけでございますが、それを個々の市町村単位での取り組みは限界があると思っております。このため、県観光連盟を軸にいたしまして、県内各地の観光協会の力を結集していく必要があると考えております。そのために、より多くの観光協会が県観光連盟に参画をし、連携を強化していくことが望ましいと、このように考えております。
 市町村観光協会に対する取り組み強化でございます。県ではこれまで、市町村、県の観光連盟、また県内の観光協会とともに産業観光の推進、ボランティアガイドの育成、プロモーション活動などに取り組んでまいりました。また、市町村観光協会が提案をされました地域の観光振興策の中から先進的なものを選定させていただいて、これを支援をする観光地づくりモデル事業というものに取り組んでいるところでございますが、この事業は、地域間の競争を促し、互いに切磋琢磨をいたしまして創意工夫を生み出す源泉になる、そういう工夫を生み出すことにつながっていくものだというふうに考えております。今後は、これらの取り組みに加えまして、県内外の成功事例を紹介する機会というものをつくっていきたいと思っております。そういうことを通じまして、市町村観光協会のさらなる育成強化を図ってまいります。
 歴史や文化などの素材を生かした観光振興についてお尋ねがございました。一人でも多くの方に福岡県を訪れていただくためには、私どもの地域に眠っております歴史や文化などを掘り起こして、人々の心に訴えかけるようなストーリーをつくり、本県ならではの魅力ある観光資源として磨き上げていくことが大事だと思っております。県では現在、来年のNHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」をテーマにいたしまして、NHK、官兵衛ゆかりの地の市町、企業、団体と連携をいたしまして、「軍師官兵衛」福岡プロジェクト協議会というものを設立しているところでございますが、そこの協議会を通じまして、ゆかりの史跡、史料の発掘、これらをつないだ観光コースの旅行会社への提案、統一的なロゴ、キャラクターを活用した土産品の商品開発、さらには全県的なPR活動を行っているところでございます。県内にはこのほか、炭鉱関連の歴史や文化、菅原道真、立花宗茂などの歴史的な人物、さらには世界文化遺産登録としてユネスコに推薦されることになりました明治日本の産業革命遺産など数多くの観光資源がございます。県といたしましては、県内の市町村や観光協会と協力をいたしまして、こうした歴史、文化に関する観光資源の発掘をさらに進めまして、それらをストーリーでつないで、点から線そして面へとつないでいくことによりまして、議員御指摘の回遊性のある、またリピーターをつくれる新たな観光振興策に取り組んでまいりたいと思います。
 次に、MICEを活用した観光振興でございます。MICEは、議員が言われましたように、会議、報奨旅行、大会、展示会、それぞれの英語の頭文字をとったものでございますが、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称でございます。福岡市は国際会議件数国内第二位、東京に次いで第二位でございます。外国人を含めて九万人近くの参加者が訪れております。また、ことしの六月に福岡市は観光庁からグローバルMICE戦略都市に選定をされまして、国からの集中的な支援を受けることとなりました。今後一層の集客が期待されているところでございます。
 県では、これまでも福岡市内のMICE開催に際しまして、主催者の方々に対し観光パンフの提供や旅行会社への県内周遊プランの提案を行うなど、市と連携した取り組みを進めてまいりました。今後は、こうした取り組みに加えまして、県が現在開発中でございますスマートフォン向けの観光情報を福岡市のWiFiに乗せられるようにして、WiFiを通じて私どもが開発しますスマートフォン向けの観光情報を訪れられた方々に提供するということを年内に開始をしたいと思っております。このような形で市との連携を一層強化してまいります。
 このたび、二〇二〇年の夏季のオリンピック・パラリンピックが東京で開催されることになりました。オリンピック開催時には、御指摘ありましたように、選手や競技関係者だけではなく、大変多くの観戦者という方がこの日本を訪れられると思います。県としましても、九州観光推進機構と連携いたしまして、九州が一丸となって誘客を行っていくことが、この機会は大事だと思っております。今後、東京にはない九州の自然、温泉、食などを生かした観光ルートを開発するとともに、今、特区で、留学生を活用した特区ガイドというものを来年春からスタートさせますが、そういった特区ガイドでありますとか地元のボランティアガイドの養成を今からやっていきまして、受け入れ態勢のほうも十分整備をして、オリンピックの機会を活用して本県への、また九州への外国人観光客の誘客拡大に努めてまいります。

◯副議長(長 裕海君) 杉光教育長。
*教育長答弁

◯教育長(杉光 誠君)登壇 小中学校における郷土の歴史や伝統文化、偉人に関する教育についてでございますが、児童生徒が郷土の歴史を学ぶことは、郷土に誇りを持ち、ふるさとを愛する心を育み、我が国の伝統や文化の理解を深める上で重要であると考えております。このため、各小中学校におきましては、市町村が独自に作成をしました郷土資料などをもとに、郷土の伝統文化や偉人などを取り上げた学習をしております。また、児童生徒がその成果を観光客用のリーフレットの作成であるとか、観光客の案内などに生かしている学校もございます。また、地域から県へと視野を広げていくことも必要であり、県教育委員会では、県内の文化財や地域行事、郷土芸能、偉人等を掲載した「ふくおか郷土資料」を作成いたしまして、自分の地域と他地域との歴史的つながりを学習できるようにしております。こういうことで各学校における積極的な活用を促進してまいります。さらに本年度から、発達段階に応じた郷土の歴史や伝統文化等への理解を深めるカリキュラムや指導方法の調査研究を始めたところでございます。今後は、その成果を各小中学校に普及させまして、児童生徒の郷土の歴史についての理解や伝統文化を尊重する心を育む教育を充実させてまいります。