2011.07.07 : 平成23年度 予算特別委員会 本文

 

 

◯加地邦雄委員 自民党県議団の加地でございます。議会事務局長に質問をさせていただきたいと思います。

 本県議会は、もう皆さん御存じのとおり、本年二月、議会改革PTの中で、さまざまな角度から議会改革に取り組んでいるところであります。その検討事項の一つに、議会活動の説明の充実という課題が挙げられていることはもう御存じのとおりでございますけども、議会活動、さまざまな手段で議会広報により、また私ども議員一人一人が県政報告会という形をとって、県民の皆様に議会の報告、そして県議会、県の形というものを御説明、またその県政報告会の中でそれぞれ地域の皆さんから御提案をいただいたり御意見をいただく、また御批判をいただいてきているわけでありますけども、この私どもの審議会の各委員会、それに議会の様子を県民の皆様にきちっと御報告するということで、議会と県民の関係の強化を図り、また議会が真に二元代表制の一役を担うために極めて重要なことだと、私どもは日ごろ思いながら活動をやっておるわけであります。

 したがって、その充実が急がれるわけでありますけれども、本議会の広報予算、そして議会広報の内容について、議会事務局長にお伺いをさせていただきたいと思います。

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◯今林 久委員長 福山議会事務局長。

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◯福山議会事務局長 お答えいたします。議会費の中での広報関係予算といたしましては、総額約九百万円を計上し、その主な内容は、県議会ホームページに係る経費、インターネット中継等に関する経費となっております。またこのほか、県の広報媒体でございます「グラフふくおか」、各戸配布の「福岡県だより」に議会関係の情報を掲載しているところでございます。

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◯加地邦雄委員 私のほうで独自に各県議会の広報費の資料をとり集めました。その中でちょっと報告しますと、議会広報予算については、本議会、私ども福岡県は約九百万に対して、一億円以上の議会が五つございます。東京、神奈川、それに千葉、埼玉、三重の五都市圏です。五千万以上で見ましても、茨城、群馬、静岡、京都、兵庫、和歌山、広島の七府県。福岡県の位置づけを見ますと、下から九番目というところでございます。また広報媒体も、私ども本県にない、それぞれ特色のある取り組みをしているところがたくさんございます。御存じのとおりだと思います。

 二十八都道府県では、県議会独自に、少なくとも四ページまたは十二ページといった充実した広報紙を独自に予算を組んで発行しております。さらにテレビ番組が三十一都道府県、最近見直されておりますラジオ番組についても八県で予算措置がされているところでありますし、新聞紙上の広報を見ましても、十八県で議会独自の予算措置をしているということでございます。

 こうして見ますと、本議会がいかに各議員の取り組みに依存しているかということでありまして、議会広報という点では大変おくれておるというのが実態ではなかろうかと感じています。このような状況について議会事務局長はどう思われますか、お伺いをしたいと思います。

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◯福山議会事務局長 お答えいたします。本来、議会の広報と申しますのは、単に事実をお知らせしたり宣伝をするといったものではなくて、県議会と県民の皆様が情報を共有し、その関係を密接なものとする手段として大変重要な役割を持つと考えております。したがいまして、これまでも議会改革の一環といたしましてホームページの充実あるいはインターネットの活用などに取り組んできたところでございますが、委員御指摘のとおり、さらに広報内容の充実と多様な手法の活用を図ってまいる必要があると考えております。

 しかしながら、予算の増額等につきましては、行財政改革を進める観点からも慎重に対応する必要がございますことから、当面は今回の議会費で計上いたしております予算の執行に当たり工夫をしてまいりますとともに、執行部にも御協力お願いをいたしまして、県の広報媒体の中での議会情報のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。

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◯加地邦雄委員 立場上、予算を組みますとは言えないということは十分理解しておりますけれども、裏返して言えば、私ども議会もちょっと問題意識が足りなかったかなという反省もしながら意見を言っているわけでありますけれども、じゃあ、予算要求するとできたのかということになります。

 今回はそういうことも含めて、議会と、知事もかわりました、政府の広報官もされた知事でありますから、この広報の意味ということ、そして今度の東日本大震災のその後の処理、そしてその地域の情報ということをかんがみましても、この日ごろからの広報、何があったときにはだれに相談して、どこが窓口なのか、その地域にはどういう議員がおってどういう活動をされておる、何かあったときにはその近くの議員さんにぜひ相談をしてくださいとかいう、こういう日ごろからの積み重ねというのは非常に大事になってくると思います。知事も言っております安心安全という視点から見ても、この日ごろからの広報というものをもっともっと私ども議会も見直していかなければいけませんし、県当局としても見直していっていただく必要があると感じております。

 改めてこの件につきましては総務部のほうで質問をしたいと思いますけれども、ちなみに議会事務局長、東京都は幾ら広報予算をとっているか御存じでしょうか。

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◯福山議会事務局長 およそ六億円程度だと承知しております。

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◯加地邦雄委員 皆さん、お聞きになったとおりです。我が県は九百万、東京都は約六億三千万ですよ。人口が違うとおっしゃるかもしれません。我が福岡県は五百七万人、東京都は約一千三百七十万人ですか。人口は二・六倍です。それに対して私どもは、一人当たりに計算しますと、九百万を五百七万人で割りますと、一人当たり一・七六円の広報費になります。東京都は六億三千七百万に対して一千三百万人ですから、一人当たりが四十八円になるということです。

 ちなみに三重県が一番多いんですが、百八十五万人の県民に対して一億三千九百万、一人当たり七十五円支出しているということであります。三重県が一番議会活動が活発だということだろうと思いますし、私どもも反省しながら、しっかり今後予算の要求をさせていただきたい。それが県民のためになるということで、今回の質問をさせていただきました。

 議会費の中からはこれで質問を終わらせていただきますけれども、また次の項目で質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。(拍手)

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◯今林 久委員長 ほかに質疑はありませんか。

    〔「なし」と呼ぶ者がある〕

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◯今林 久委員長 ないようですので、第一款議会費の質疑を終わります。

 次に、第二款総務費について、順次説明を求めます。山野総務部長。

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       〜〜〜〜〜中略〜〜〜〜〜

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◯今林 久委員長 説明は終わりました。

 これより質疑を行います。質疑はありませんか。加地邦雄委員。

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◯加地邦雄委員 自民党の加地でございます。先ほどに引き続き、関連でございますので質問させていただきたいと思います。

 先ほどは議会費の中で議会事務局長に、本県議会の広報予算、それに議員広報の内容について質問をさせていただきました。議員の皆さん、執行部の皆さん、初めてお聞きになった方もおられますけども、いかに我々は節約しながら予算を組み立ててきたかということを御理解いただいたと思いますが、まず初めに、二十二年度、二十三年度の広報予算について資料を要求しておりますので、委員長、お取り計らいをよろしくお願いいたします。

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◯今林 久委員長 お諮りいたします。

 ただいま加地委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

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◯今林 久委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。

 執行部に申し上げます。ただいま加地委員から要求がありました資料については、提出できますか。米倉県民情報広報課長。

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◯米倉県民情報広報課長 直ちに提出いたします。

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◯今林 久委員長 資料を正副委員長に確認させてください。

    〔資料確認〕

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◯今林 久委員長 事務局は資料を配付してください。

    〔資料配付〕

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◯今林 久委員長 資料が配付されましたので、加地委員、質疑を行ってください。

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◯加地邦雄委員 まず、要求資料につきまして執行部から御説明をお願いします。

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◯米倉県民情報広報課長 それでは、資料につきまして御説明をさせていただきます。広報予算についての資料でございます。

 まず、広報誌「グラフふくおか」でございますが、こちらにつきましては年に四回、季刊の発行となっております。予算につきましては、二十二年度も二十三年度も二千三百万余となっております。

 それから、全戸配布広報紙でございます「福岡県だより」でございます。年六回、奇数月の発行でございます。こちらにつきましては、二十二年度は一億七千三百万余、二十三年度は一億六千三百万余の予算となっております。

 それから、新聞定期広告「ふくおか県政だより」でございます。こちらは年六回、偶数月の発行でございまして、そちら全五段と書いておりますが、新聞の一面の約三分の一程度の大きさでございます。こちらにつきましては、二十二年度も二十三年度も約三千五百万余の予算となっております。

 それから、広報テレビ番組でございますけれど、三番組、年間百五十八本やっておりまして、こちらにつきましては二十二年度も二十三年度も八千百万余の予算となっております。

 それから、広報ラジオ番組でございますが、こちらは二十二年度はFM福岡とKBCでやっておりまして、本年度はFM福岡のみということでやってございます。二十二年度の予算は七百八十万余、二十三年度は三百五十万余となっております。

 それから、インターネットテレビでございますけど、年間百四十五本程度やっておりまして、二十二年度も二十三年度も一千六百万余の予算となっております。

 その他といたしまして、不定期でスポットの新聞広告、あるいは障害者向けの「点字ふくおか」、県だより録音版等をつくっておりまして、こちらにつきましても二十二年度、二十三年度、六千万余の予算となっております。

 合計の予算といたしまして、二十二年度は三億九千八百六十八万八千円、二十三年度は三億八千四百七万四千円となっております。

 以上でございます。

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◯加地邦雄委員 今、御説明していただいたとおりでありますけれども、この広報予算の中で議会の情報を掲載している情報としては、一項めの「グラフふくおか」、それと二項めの「福岡県だより」だと理解をしておりますけれども、それぞれ総ページ数と議会情報のページ数はどうなっておりますか、御質問します。

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◯米倉県民情報広報課長 お答えいたします。まず「グラフふくおか」でございますけど、総ページ数が三十二ページでございます。その中で議会情報のページでございますけど、二ページとなってございます。それから「福岡県だより」でございますけど、総ページ数が十二ページでございます。その中で議会情報のページでございますけど、一ページとなっております。

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◯加地邦雄委員 御説明いただきましたとおり、非常に少ないなと感じています。「グラフふくおか」につきましては、本県の大変重要な広報誌として、県民の皆さんに親しまれておるわけであります。ここに実物がございますけれども、写真を中心としたビジュアル的な広報誌でありますし、また各市町村の紹介、それに空撮ですか、空から自分の町を見るという意味では、県民の皆さんに大変人気のある広報誌の一つだろうと思っています。また「福岡県だより」につきましても、これは全戸に県政の情報を伝えていく唯一の広報紙だろうと思っています。

 このように貴重な広報誌があるにもかかわらず、議会活動の広報が非常に少ないと感じているのは私だけではないと思っております。また、議員だけでもないと。きょう感じていただいたことだろうと思いますけれども、これでは本当に不十分だろうと私自身感じています。また、量だけ言いましても大変不足でありますけども、じゃあ、本当に議会の広報として、これが質として適当なものなのかどうかということも含めて、その中身はどのように作成をされているかお聞きさせていただきたいと思います。

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◯米倉県民情報広報課長 ただいま委員御指摘ございましたとおり、地方分権が進んでいきます中で、県議会の活動状況を県民の方にタイムリーにお伝えしていくということは、非常に大事なことだと考えております。議会情報の掲載に当たりましては、まずその話題の内容を的確に選定いたしまして、お伝えするときに中身につきまして正確を期する必要というのがございますので、これまでも議会事務局のほうと十分に協議しながら策定をしてきたところでございます。

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◯加地邦雄委員 先ほども意見を言わせていただきましたけども、私ども議会につきましては、二月からもう御存じのとおり議会改革を進めてきているわけであります。その改革の中で、議会が何たるかを広報するということは、大変重要な議会改革の柱になっているわけですね。

 議会事務局から執行部に対して協力をお願いするということでありましたけれども、執行部としてどういう協力がとりあえずできるのかということを、ちょっとお答えいただきたいと思います。

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◯米倉県民情報広報課長 今、委員御指摘されました新しい議会改革の流れということもございますので、議会事務局と十分協議をさせていただきまして、必要に応じてページ数をふやすなどの対応をしてまいりたいと考えます。

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◯加地邦雄委員 お答えをいただきましたけども、議会活動の広報の充実に関しては対応するという答弁をいただきました。知事もかわられ、また先ほどから言いますように、広報の重要性を十分認識された知事だと思っております。そういう意味でも、知事と議会は車の両輪であるということは、前知事から含めて、二元代表制、議会と行政がしっかりパートナーシップの中で、お互いが対等な場で、今から県民、そして県民の幸福度アップのために力を合わせていくということは、基本であります。

 そういう中で、ここに資料がございますけれども、二十二年度が約四億、二十三年度が三億八千万、そのうち、先ほど言いましたように県議会に関する予算が九百万。パーセンテージに直しますと二・三%であります。これは車の両輪と言えるんでしょうか。総務部長にお聞きしたいと思います。

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◯今林 久委員長 山野総務部長。

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◯山野総務部長 私も委員の御意見と同感でございます。すなわち、やはり我々には県民の福祉の向上という共通の目的があるわけでございまして、執行部で何をやっているのか、あるいは議会活動で今何がやられているのか、これを適切に県民の皆さんに広報していくのは極めて重要なことだと思っております。もちろん予算の制約もございますが、限られた予算の中で適切に広報ができるように、いろんな工夫をしていきたいと考えております。

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◯加地邦雄委員 総務部長からは前向きな答弁をいただいたと思っております。

 これは私個人的にも、議員も反省しなければいけないし、本当に県民お一人お一人に対して、私どもの行動、そして活動、そして県議会の意義、どこに向かって県が進んでいるのかということも含めて、私ども福岡市南区、二十五小学校校区がございます。各校区で一カ月一カ月、県政調査報告会というのをさせていただいておりますけれども、残念ながら県議会、そして県の広報に対する資料として要求しても、「先生、何部要りますか」「あるだけちょうだい」「じゃあ、百部でどうでしょうか」、そういう答弁があります。大切に百部持っていって、もう二カ月で終わりますよ。そして旬の情報じゃない。

 福岡で東日本大震災のような大震災があったときに、だれがどこで何を相談していいかもよくわからない。それは常日ごろから、私はだれに相談すれば安心安全な生活ができるのかということも含めて、果たして百点とれるでしょうか。余りにも市民サービス、県民サービスに欠けていると、そのように思うのは私だけではないと思っています。

 その意味では、知事は政府の広報官として、国の方向性をはっきり国民の前に発表される、そういう仕事を四代にわたってされてきた知事であります。今後、福岡県を運営するにおいても、この広報というものは大変重要な知事としての仕事でもあります。私ども県議会としても、心を改めて向かっていかなければいけない重要な仕事だろうと思っていますので、委員長、直接知事にこの件については論議をさせていただきたいと、お取り計らいをよろしくお願いしたいと思います。

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◯今林 久委員長 ただいま加地委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。

 なお、知事保留質疑は七月十五日金曜日に行う予定でありますので、御了承ください。

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◯加地邦雄委員 どうもありがとうございました。(拍手)