地方分権議論の現状&明日は清水山ロードレース

私が副委員長を務める広域行政推進調査特別委員会は2月7-8日に高知県と岡山県を視察して参りました。
地方分権の流れの一つで、国の出先機関を地方へ移管する受け皿としてまず関西広域連合が立ち上がりました。我が九州においても九州地方知事会と各県議会が足並みを揃え地方分権の動きを進めているところです。今回は国内で広域連合を設立する動きのある四国地方・中国地方をそれぞれ訪問し、知事会や議会の動き政権交代を受けて今後の進め方を調査する事が目的です。
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民主党政権では出先機関改革が地方分権議論の前面に押し出されていましたが、先の衆議院選挙で「道州制」を公約に掲げた自民党が政権を奪還したため、今までの流れもかなり影響を受ける可能性があります。

実際高知県、岡山県においても国の出方を見ながらどう仕切り直すか様子見の部分も多くご説明頂いた職員の方の歯切れも今一つでした。例えば本年秋に四国4県で設立予定の四国広域連合は「見直しもあり得る」という事を徳島県知事が公言しており、情報収集始め種々ご苦労が絶えないようです。

九州地方知事会においては、国の出先機関改革については以前の自民党政権下の地方分権改革推進委員会にて審議されたものであり、道州制に向けてのステップとして議論を前に進めるよう要請しています。このような大きな議論は総論賛成各論反対になりがちですが、九州は地政学的にも道州制に適した地域ですので、知事会・議会が協力して議論を前進させて行きたいと思いました。ついつい熱く語ってしまうのは高知龍馬空港の坂本龍馬像に触発された部分も大いにあるかもしれません。
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さて、明日は「清水山ロードレース」。第40回の記念大会、私も参加予定です。
昨年は5キロの部に参加しましたが、9.7キロの部の折り返し地点でお手伝いをされていた商工会青年部の方から「県議を探したけどみつからんやった」とお叱りを受けましたので今回は9.7キロの部に挑戦です。
普段のジョギングは10キロ走ってますので距離的には全然大丈夫なのですが、なんせ清水山を登るロードレース。膝や腰が故障せず、ちゃんと走れるか心配です。

明日はこのTシャツで出走予定。
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これはライオンズクラブの皆様が昨年水害を受けた本郷校区の運動会用に贈呈された「がんばろう本郷」Tシャツです。復興の想いも重ねて私も「がんばろう」!
沿道の皆さん、温かい声援期待しております!

地方分権改革シンポジウム参加(後編)

昨日のブログの続きです。
地方分権改革シンポジウムの第二部は基調講演を行った片山善博前総務大臣がコーディネーターとなり「国出先機関の移管実現と地域の自立」をテーマにパネルディスカッション。パネラーは神野直彦東京大学名誉教授、井戸敏三兵庫県知事、嘉田由紀子滋賀県知事、古川康佐賀県知事、村上仁志関経連地方分権委員長、松尾新吾九経連会長とこれまた錚々たるメンバー。
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以下、備忘録↓

神野教授:
○出先機関改革は諸刃の剣。デザイン次第では強烈に国の権限を強くする場合もある。
○今回のアクションプランにも機関委任事務(法的にはあくまで委任した「国の事務」であって、「地方公共団体の事務」とは観念されない事務)的コンセプトを持ち込まれようとしてた。最終的には消えたが、これをやられると折角の権限委譲は骨抜きになる。今後も注意が必要。

井戸知事:
○関西広域連合設立の背景は、関西全体で取り組むべき観光や防災など多くの課題について関西として取り組む主体が無かった。そこで国の対応を待たずにとにかく受け皿を用意して国を動かす為に関西広域連合を作った。
○関西広域連合の委員会は知事、議会は各県議会議員で構成される。つまり住民の意思が反映されやすい仕組みになっている。

嘉田知事:
日本は成長社会から成熟社会へ移行している。成長社会は富の分配を政治は考えれば良かったが、成熟社会ではリスク・負担の分配を考えなければならない。現状のような決定機関が現場に無い仕組みではタイムリーな判断が出来ない。

古川知事:
JR九州とNEXCO、DoCoMo九州とNTT西日本、どちらに親しみがあるか?私は地元九州に本社があるJR九州・DoCoMo九州に親しみを感じるし、地元の感覚に近い判断が出来るのは大きなメリット。

片山氏:
東京は国が乗り出して地域全体のデザインをやっている。関西は誰がやる?近畿整備局?これが進歩の違い。

神野教授:
将来的に財源の問題が立ちはだかる。
フランスの広域連合は課税権がある
スウェーデンは現在道州制の実験中だが、課税権もあるし財政高権もある
EUは通貨高権はあるが財政高権は無い
日本はアクションプランに財源関連の記述はたった一行しかない。

以上、まとめ終り。
雑駁な備忘録ですが、興味の有る方は別途質問して下さい。分かる範囲でお答えします。

ところで大きく話は変わりますが、この動画面白い

橋下徹大阪市長とMBSの女性記者の5月8日登庁時市長囲み取材における「君が代問題」に関するやりとりです。
このインタビューを元にこんな新聞記事が出来上がります

大阪市の橋下徹市長(42)は8日、登庁時の記者団のぶら下がり取材で、大阪府が施行した君が代起立条例に関して“逆質問”を繰り返し、30分近く、まくしたてた。「ここは議会とは違う。対等の立場」「質問に答えなければ回答はしません」「答えられなければここへ来るな」などとヒートアップ。登庁時ぶら下がり取材の全時間、キレ続けた。また同日夕、府市統合本部の会議後に開いた会見でも、終了間際に橋下氏自らこの件を切り出し、約20分にわたり持論を展開した。(以下略)

橋下市長が記者に30分の「公開口撃」 2012年5月9日9時25分 日刊スポーツ

自分は、正直な話、橋下市長について首をかしげる部分も多いのですがこういう訳の分からないマスメディアの取材姿勢と印象操作のカラクリが見えてしまうと多くのまっとうな国民は橋下市長擁護に回るだろうなぁと思います。
このオリジナルのやり取りを元にMBSがどんな編集映像を造り出し「報道」するのか興味津々です。5月11日毎日放送で夕方放送のVOICEで特集されるとのこと。

昔ならテレビに出た画像、新聞の記事、それが我々一般人に伝わる事実となっていましたが、今は一次情報に直接アクセス出来るのが良いですね。取材される側もすべての情報ソースを公開する事により自分を守る事が出来ると思います。

地方分権改革シンポジウム参加(前編)

先日の誕生日には本当に多くの方から御祝いのメッセージをFacebookに頂き有り難うございました。幾つになっても誕生日を祝って頂く事は嬉しいものです、皆さんのお言葉を励みに頑張ります!

一昨日は地方分権改革シンポジウムという経団連主催の会合に参加していました。経団連会館の大ホールは立ち見が出るほどの満席で、この問題に対する関心の高さが感じられました。
基調講演とパネルディスカッションの二部構成で、基調講演は元鳥取都知事で前総務大臣の片山善博氏による「出先機関改革の意義と課題」というテーマでした。
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備忘録代わりに纏めておきます。

出先機関改革の意義:
○出先機関において意思決定を行うトップは国からの人材で1-2年で交代する。色んな分野で知見を持った人間が地域に蓄積した方が良い。
○国・県・市で重なる業務も多く、行政改革の観点から意味がある。
○地域のことは地域で決める方が適切な答えが出るのでは。

出先機関改革に反対する人達:
○官僚・・・組織を改革することは、組織の中で描いた人生設計を壊してしまう可能性が有り、そこに恐れがあるのは理解できる。
○自治体・・市町村は反対も多い。国から補助金を貰っている立場上なかなか賛成しにくい部分もある。県への反発もある。県は日頃から基礎自治体との信頼関係作りに努力すべき。
○業界・・・土木建設業界は既存の出先機関と構築した信頼関係の変化に対する不安があるだろう。
○住民・・・自治体に対する不信感。しかし、地方に業務が降りてくることにより可視化が進めば自ずと不信感は払拭される。

大災害に備えて国直轄などの議論をどう考えるか?:
東日本大震災で活躍したのは自衛隊(国の組織)と消防(市町村の組織)。つまり人員・機材が何処に配置されているかが問題で、何処の組織(国or県or市町村)であるのかはあまり問題でないのでは?

関西広域連合における「奈良問題」をどう乗り越えるか:
いざとなったら関西圏から中部圏に移管して貰ってもよいのでは?政治判断としての決め方の問題。

四国広域連合構想をどう評価するか?:
経産局だけ移管するという戦線縮小の流れは、政府の実績作りに利用されてしまうのではないか?

出先機関改革を進めるための「基礎工事」:
官僚は反発する、だからこそ真の政治主導が必要。
国から地方へ仕事が移るにあたり、地方において住民の信頼を得なくてはならない。

以上、まとめ終り。論点を整理して、もの凄く噛み砕いたお話しだったので勉強になりました。ただし「反対する人達」の項目は反対者があげている出先機関移行のデメリット等をもうちょっと具体的に反駁した方が説得力があるかな、と。パネルディスカッションの後に片山氏自身仰っていましたが、今回は基調講演もパネルも基本的に出先機関移行に賛成の方が参加していたので、議論を深める為に次の機会には反対の立場の方にも参加したらどうだろうの事でした。

長くなりましたのでパネルディスカッションの件は次回書きます。

さて、明日はみやま市の政治学級二十日クラブという団体に招かれ県政報告を行う予定です。大体二ヶ月に一度くらいのペースでこの手の講演を行わせて頂けるようになりました、有りがたいことです。
この団体は名前の通り、地元有権者がもっと地元の政治を学び政治意識を高めることを目的とした団体です。みやま市の選挙管理委員会や生涯学習課が所管しており、イデオロギーに紐付いた団体ではありません。参加者の方の予備知識も豊富でしょうから、期待はずれにならないよう準備も大変です。どんなやり取りになるのか楽しみに資料を作成しています。