【NHK大河ドラマ・五輪キャンプ誘致に関する知事答弁骨子】

6月議会一般質問終了しました。録画中継は6月20日頃から公開されますので、取り急ぎ質問原稿をブログに掲載しています。
⇒ http://itahashi.info/blog/20170616152949

多くの前向きな答弁を頂きましたが、知事答弁の骨子として具体的に今後取り組みが進みそうな以下3つに絞ってご紹介します:

◎ 県として宗茂の知名度向上と大河ドラマ誘致の気運を盛り上げるため、柳川市・みやま市はじめ宗茂ゆかりの自治体や観光協会と連携し、史跡の魅力や価値を掘り起こし、情報発信を行うとともに、立花宗茂をテーマとした魅力的な観光ルートを作って旅行会社に提案する。
◎ 東京五輪、ラグビーワールドカップのキャンプ誘致は市町村が主体となるが、選手と地元の子供達等の交流事業などが市町村の垣根を越えて、出来るだけ多くの県民が参加出来るようにしたい。県としてキャンプ受入市町村と近隣市町村との連携を促したり、交流事業の情報提供に努める。
◎ キャンプ誘致の効果を一過性ではなく息の長い地域活性化に繋げるために、県でキャンプ誘致を担当するスポーツ推進課だけでなく、庁内7部21課で部局を超えた取り組みを行う。キャンプ誘致をする市町村においても、観光・文化など具体的で様々な交流プランを進めるために、県の対策本部を活かしながら、市町村に対して部局を超えた連携体制の構築を促す。

立花宗茂の件は平成25年9月議会で質問した「歴史観光」に絡めて県独自の対応が進みそうです。また、キャンプ誘致は平成25年決算特別委員会以降、事あるごとに質問していた状況から更に一歩踏み込んだ新たなステージでの対応を促す事ができました。

県議会議員としての一般質問も質問しっぱなしで一過性にするのではなく、点から線、線から面に紡いで行くことが大切だなぁと再認識した次第です。

 

平成29年6月議会一般質問 「立花宗茂と誾千代のNHK大河ドラマ化について」 「ラグビーワールドカップ・東京五輪キャンプ誘致を通じた地域活性化について」

6月20日頃から録画中継にて知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継

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質問要旨 一、立花宗茂と誾千代のNHK大河ドラマ化について
一、ラグビーワールドカップ・東京五輪キャンプ誘致を通じた地域活性化について
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◯十八番(板橋 聡君)登壇 皆さん、おはようございます。自民党県議団の板橋聡です。本日は、立花宗茂とギン(もんがまえに言)千代のNHK大河ドラマ化についてと、ラグビーワールドカップ、東京五輪キャンプ誘致を通じた地域活性化についての二点について知事に質問いたします。
 まず、立花宗茂とギン千代のNHK大河ドラマ化についてです。先月五月八日、柳川市の金子市長が県庁と県議会を訪問され、柳河藩祖立花宗茂公とその妻ギン千代姫を主人公とした二〇二〇年のNHK大河ドラマ招致に向け、県庁では小川知事、議会では当時の中尾議長と九州の自立を考える会、藏内会長に対し、招致活動への協力を要請されました。招致を目指す二〇二〇年は、関ヶ原の戦いで西軍について柳川を追われた立花宗茂が、苦難の末に柳河藩主に返り咲いて、ちょうど四百年の節目に当たります。また、柳川市内では、一八七二年に焼失し、本丸が国の史跡に指定されている柳川城の再建運動も始まるなど、招致に向けての機運が盛り上がっております。
 まず、立花宗茂とはどんな人物なのか。立花宗茂は、戦国時代の武将で、既に大河ドラマ化された真田幸村や伊達政宗と同じ一五六七年生まれ、一部歴史ファンの中では、花の六七年組とか、六七トリオと呼ばれておるそうです。豆知識ですが、県議会の花の六七年組と呼ばれている板橋聡、香原勝司、大橋克己のちょうど四百歳先輩にも当たります。真田幸村、伊達政宗と比較すると、宗茂の知名度は発展途上ですが、豊臣秀吉から、その忠義、鎮西一、その剛勇、また鎮西一、東の本多忠勝、西の立花宗茂、東西無双と高く評価された、九州を代表する武将です。また、文武両道の名将でもあり、連歌、書道、茶道などにもたけた文化人だったと言われております。関ヶ原の戦いで豊臣秀吉への忠義から西軍につき、柳河藩を追われることになりましたが、立花宗茂の器量をよく知っていた徳川家康の信頼を得て、一六二〇年、柳河藩主に奇跡の復活を果たしました。何と、関ヶ原の戦いに西軍として参戦し、旧領に復帰を果たした大名は立花宗茂ただ一人のみです。
 宗茂の義を貫いた生涯は、多くの歴史ファンに共感されてきましたが、昨今、アニメやゲームなどでたびたび題材にも取り上げられ、若年層の認知度や好感度も高いのが、立花宗茂とギン千代の特徴です。NHKの大河ドラマで舞台となると、その地域は観光誘客、経済活性化に大きな効果がもたらされます。また、故郷の偉人や歴史を改めて見詰め直すことで郷土愛も増すという効果もあります。福岡県としてもこの招致活動を応援し、何としても立花宗茂とギン千代をテーマとするNHK大河ドラマが実現するよう努力すべきと思います。
 そこで知事に質問です。福岡県が舞台となった大河ドラマで記憶に新しいのは、平成二十六年に黒田官兵衛を題材にして放送された「軍師官兵衛」です。ドラマ放映を契機として、県内各地への観光誘客のため、県としてどのような取り組みを行われたのかお答えください。
 さて、「軍師官兵衛」で福岡県が舞台となったと言ってはおりますが、黒田官兵衛は姫路生まれで、ドラマの主たる舞台は兵庫を中心とした関西でした。史実によると、福岡藩入りしたのは関ヶ原の戦い以降であり、ドラマでは最終話でようやく描かれております。
 そこで知事に質問です。「軍師官兵衛」放映により、県内の経済波及効果はどれほどのものでしたか。また「軍師官兵衛」と違い、福岡が主たる舞台となる宗茂、ギン千代なら、どれくらいの効果となるか、知事の所見をお聞かせください。
 私は、平成二十五年九月議会で、県内各地の歴史観光資源を生かした観光振興について一般質問しました。その際知事からは、歴史、文化に関する観光資源の発掘をさらに進め、ストーリーでつなぎ、点から線、そして面へとつないで回遊性のあるリピーターをつくれる新たな観光振興策に取り組むと、力強い答弁をいただきました。
 そこで知事に質問です。あれから四年、どんな実績を上げてきたのかは、今回あえて聞きませんが、柳川市が立花宗茂、ギン千代でNHK大河ドラマ招致に手を挙げる中、福岡県として県民の招致活動の機運を盛り上げ、宗茂とギン千代の知名度アップのために、宗茂、ギン千代を軸とした歴史観光事業を行うことで招致活動の側面支援をしたらいかがでしょうか。
 私が、こうやって熱のこもった質問をする一方で、おまえ、柳川市民でもないとに何でそんなに頑張りようとや、といぶかしむ方もおいででしょう。しかし、私の地元みやま市、そして八女市は旧柳河藩であります。立花一族が治めていた三池藩は大牟田市。ギン千代が七歳で女城主となった立花山城は新宮町に位置し、宗茂が初陣を飾ったのは太宰府市など、県内各地に古戦場やお墓などゆかりの地があり、県内全体が立花宗茂に関係すると言っても過言ではありません。また、黒田官兵衛初め黒田長政、鹿児島の島津義弘、熊本の加藤清正、大分の大友宗麟、佐賀の鍋島勝茂など九州各地の武将とのエピソードも多く、その放映効果は県内にとどまらず広く九州全域に及ぶことが想定され、九州各地とのさまざまな連携が考えられます。
 そこで知事に二点質問です。福岡県内に広くゆかりのある宗茂とギン千代。誘致活動が県全体で盛り上がるよう、県がリーダーシップを発揮し、県内市町村に働きかけ、招致活動を県民運動にするくらいの熱意で当たってほしいと思いますが、知事の御所見を御披露ください。
 また、成功すれば九州全体にその効果が及ぶ招致活動です。九州各県の政、官、民関係者が会員に名を連ねる九州の自立を考える会には九州各県とのネットワークがあり、各県が連携した観光戦略を政策提言もしているとの観点から、招致に当たっては九州の自立を考える会ともしっかり連携をとるべきと考えますが、知事の御所見を披露ください。
 次に、ラグビーワールドカップ、東京五輪キャンプ誘致を通じた地域活性化について質問いたします。二〇一九年ラグビーワールドカップ、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向け、各国のキャンプ地の選定が本格化しています。本県においても四月以降、ドイツ、メキシコ、カザフスタン、南アフリカ、オセアニア、フィンランドと多くの国が視察に訪れました。我がみやま市も、県営筑後広域公園のプール施設をオセアニアオリンピック委員会が水泳競技の有力なキャンプ地候補として御視察いただきました。そんな中、田川市ではドイツの車椅子フェンシング、行橋市ではメキシコのビーチバレーのキャンプ実施にかかわる確認書に仮調印するなど、誘致活動も着々と新たなステージを迎えており、今後、キャンプ地が正式決定されると相手国との交流などもスタートしていくと思われます。県内各地でキャンプが実施される際の主体は市町村であると承知していますが、例えば、みやま市がオセアニア代表水泳チームと子供たちとの交流事業を行うとして、筑後市や柳川市、あるいは大川市、八女市、大牟田市など近隣の水泳少年、水泳少女が参加できないようでは、数十年に一度あるかないかのビッグイベント、余りにももったいなく感じます。
 そこで知事に質問です。キャンプ実施時の交流事業やトレーニングの見学など、一人でも多くの県民が市町村の垣根を越えて世界のトップアスリートと触れ合う機会を創出することでキャンプ誘致の効果が高まり、県下あまねく実感していただけると考えますが、知事の御意見をお聞かせください。
 また、これを実現するには、キャンプ受け入れ主体は市町村ですが、県が音頭をとって広域圏での交流事業等を働きかけたり、取り組むべきと考えますが、知事の所見を御披露ください。
 キャンプ地誘致に取り組む上で最も重要なことは、キャンプ実施の効果を一過性のものとすることなく、その後のスポーツ振興やスポーツを通した地域の活性化にいかにつなげていくかということです。大曲副知事、私は平成二十五年の決算特別委員会で、当時新社会推進部長だった大曲副知事にキャンプ誘致への意気込みをただしましたね。その後、平成二十六年十二月議会一般質問でスポーツ振興についてただしたところ、知事から、短期、中期、長期という時間軸、主体や役割分担も念頭に置いて、県としてできるものから取り組むとの答弁をいただきました。初めてキャンプ誘致の質問をしてはや四年がたちました。短期的な時間軸の中でキャンプ地誘致の取り組みは一定の成果をおさめつつあると理解しておりますが、そろそろそこから一歩踏み込み、中期、長期の取り組みを始める時期が来ているのではないでしょうか。
 そこで知事に質問です。世界が注目する二〇一九年ラグビーワールドカップ、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、福岡県においてはスポーツ振興課を中心としてキャンプ誘致の取り組みが進んでいます。しかし、キャンプ誘致自体がゴールではありません。文化交流や人的交流などを大会終了後も継続し、息の長い地域活性化につなげていくためには、スポーツ振興課だけでなく、部局を超えた連携が必要と考えます。大会まであと二年、三年と迫っている中、具体的にどんな準備をし、どこを窓口に、どのように進めていくのか、知事の所見をお答えください。
 また、キャンプ受け入れ主体である市町村において担当窓口が社会教育課であるケースが多いのですが、市町村においても部局横断的な息の長い文化交流や人的交流につなげるために、県としてどのような支援、助言をしていくのか、知事の考えを御披瀝ください。
 以上、知事の夢あふれる答弁を期待して、質問を終わります。(拍手)

◯副議長(守谷 正人君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 まず初めに、「軍師官兵衛」の放映を契機とした誘客の取り組みでございます。本県では、平成二十六年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」、その放映を契機といたしまして、官兵衛ゆかりの地への誘客につなげていくため、県、福岡市、福岡商工会議所、官兵衛ゆかりの市町村、団体から成ります「軍師官兵衛」福岡プロジェクト協議会というものを設立をいたしました。この協議会におきましては、福岡黒田武将隊や、ゆるキャラのふくおか官兵衛くんを活用した県内外におけるイベントでのPR活動、県の広報番組や旅行雑誌など各種広報媒体を活用した情報の発信、旅行会社に対します官兵衛ゆかりの地をめぐる旅行商品の造成の促進、ふくおか官兵衛くんを使った官兵衛グッズの販売の支援、そういったさまざまな事業を平成二十五年度、そして二十六年度の二年間にわたり実施をいたしました。また、ドラマの放映終了後も県内外のイベントに、このふくおか官兵衛くんを派遣をいたしまして広報活動を実施しておりますほか、ゆかりの市町村においてもパンフレット等を用いたPR、関連商品の販売など、ドラマ放映による誘客効果を一過性のものにしないためのさまざまな取り組みを行っているところであります。
 次に、その経済波及効果でございますけれども、「軍師官兵衛」放映終了後、先ほど申し上げましたプロジェクト協議会におきましては、放映による経済波及効果というものを調査をいたしました。その結果、観光客増加によります県内への経済波及効果は二百七十二億二千万円、協議会及び自治体の関連事業支出による効果は六億九千万円、合わせて二百七十九億一千万円の効果があったと算出をされております。
 立花宗茂を題材にした大河ドラマが放映をされました場合に、その効果でございますけれども、「軍師官兵衛」の場合、御指摘がありましたように、放送の中で本県が舞台となりましたのはドラマの後半でございました。一方、立花宗茂の場合、その活躍の場の多くが本県内であったこと、また立花道雪を初めとする福岡の戦国武将ともゆかりが深いことから、その脚本の内容にもよると思いますけれども、本県が舞台となる場面が多くなることも予想されます。こうしたことから、地元柳川市では経済波及効果を三百億円と見込んでおられますが、県としても「軍師官兵衛」を上回ることを期待をしているところであります。
 次に、立花宗茂をテーマとした歴史観光についてお尋ねがございました。本県には、宗茂らを祭っております三柱神社、父高橋紹運の居城でありました岩屋城の跡など、宗茂や妻のギン(もんがまえに言)千代、福岡の戦国武将のエピソードが残る史跡が数多くございます。県といたしましては、この立花宗茂の知名度向上と大河ドラマの誘致に向けての機運を盛り上げていくため、柳川市、みやま市を初め宗茂ゆかりの自治体や観光協会と連携をいたしまして、その史跡の魅力や価値というものの掘り起こしというものを行ってまいります。その上で、こうした史跡などの観光資源を県の観光ホームページクロスロードふくおかや県内外のイベントなどにおきまして情報発信をいたしますとともに、テーマ性のある魅力的なルートというものをつくって、それを旅行会社に提案をしていきたいと考えているところであります。
 次に、大河ドラマ誘致活動における県の役割でございます。大河ドラマ誘致に向けて、現在、地元柳川市が中心となりまして、その体制づくりに取り組んでおられるところであります。一方、立花宗茂とその妻ギン千代につきましては、県内にゆかりの地も数多く、関係する市町村も多いことから、大河ドラマとして放映をされますと、県内外からの観光客の増加によるそれぞれの地域への経済効果はもとより、地元の皆さんが自分たちの地域の歴史や文化に関心を持っていただき、ふるさとへの愛着が増していく、そういう効果も期待されるものであります。このため県といたしましても、柳川市と連携をいたしまして、私ども県が持っておりますネットワークを生かして、ゆかりのある市町村や経済団体に対する協力の要請、またNHKへの働きかけといった、県による対応がより効果的と思われる取り組みを進めるなど、積極的に誘致活動にかかわっていきたいと考えております。
 次に、大河ドラマ誘致における九州の自立を考える会との連携でございます。宗茂は、九州各地とも非常にかかわり合いがあり、今回の大河ドラマの誘致が実現をいたしますと、そのゆかりの人物やゆかりのそれぞれの地域における観光振興や地域の活性化に資するものと考えられます。九州の自立的な成長や経済の活性化を目指しておられます九州の自立を考える会のお考えとも合致するものでございまして、誘致に向け連携や御支援、御協力がいただけるのであれば大変心強いと考えております。
 次に、キャンプ実施を通した広域的な交流についてでございます。県内においてキャンプが開催されますことは、県民の皆さんが世界のトップアスリートのプレーを直接見たり、選手の方々と交流したりする、とてもいい機会になります。特に、お子さんたちにとりましては、スポーツへの夢や目標を持つことにつながっていく、かけがえのない経験になるものと考えております。したがいまして、県といたしましては、市町村の垣根を越えて、できるだけ多くの県民の皆さんがその交流事業に参加ができるよう、キャンプを受け入れる市町村と一体となりまして取り組みを進めていきたいと考えております。また、キャンプを受け入れる市町村とその近隣市町村との連携を促進するためのワークショップの開催や、県民の皆様への交流事業についての情報提供にも努めてまいります。
 次に、地域活性化に向けた部局連携についてお尋ねがございました。本県におきましては、現在、全庁組織として立ち上げております対策本部、この中に三つの部会を設置しておりまして、その部会ごとに設定したロードマップに基づき、部局を超えた取り組みを進めているところであります。この部会の一つであります庁内の関係七部二十一課と県警本部から成ります魅力発信・活性化部会、これはまさに両大会の開催やキャンプ地の誘致というものを地域の活性化につなげていくという観点で設置をしております部会でございます。この事務局は観光局が担当しているところでございますが、この部会におきましては、これまで当県の食や伝統文化を活用した観光資源の開発、WiFi利用環境の改善などに取り組んできているところでございます。今後もこの部会を中心に文化体験プログラムや広域観光周遊ルートの開発による誘客の促進、県産品の販路の拡大など、地域の活性化につながっていくいろんな取り組みをスピード感を持って進めていきたいと考えております。また、キャンプ地として決まった市町村におきましても、選手の受け入れだけではなく、観光や文化などさまざまな分野で具体的な交流プランというものを進めていただく必要がございます。そのため県では、市町村に対しまして、先ほど申し上げました対策本部の各部会を活用して、専門性を生かしながら、市町村内の部局を超えた連携体制の構築を促してまいります。

平成27年12月議会一般質問「福岡県のブランディングについて」

録画中継にて12月16日頃から知事答弁を含め視聴する事が可能です
板橋聡の議会質問録画中継

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質問要旨
一、福岡県のブランディングについて
  1)県産食材と酒など加工品のコラボレーション
  2)2020・2019に向けた総合戦略策定
  3)観光ブランドにおける邪馬台国に関する取り組み
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◯十八番(板橋 聡君)登壇 おはようございます。自民党県議団の板橋聡でございます。
 本日は、香椎高校の皆さんのほかに、私の地元から南校区まちづくり協議会の皆さんにも傍聴にお越しいただいております。一般質問が福岡県政の全てというわけではありません。今回の傍聴をきっかけに、幅広く福岡県政や我々地方議員のふだんの活動について興味を持っていただくことを期待して、質問に入ります。
 本日は、福岡県のブランディングについて質問いたします。ブランディングとは、顧客の視点から発想し、ブランドに対する共感や信頼など顧客にとっての価値を高めていくマーケティング戦略の一つです。去る九月二日、ホテルニューオータニにて、福岡県が共催する第四回ふくさけ祭りが開催されました。福岡県酒類鑑評会の受賞酒を披露し、あわせて食と酒のコラボとして県産食材を使った料理を提供。約千四百人の参加者が福岡の最高のお酒を、福岡の最高のさかなと一緒に楽しまれました。実はこのイベント、平成二十四年に初めて開催されましたが、当初はお酒だけを提供する形式で、参加者も約二百名程度でした。お酒は米を原料としますが、米を加工し、お酒になると商工部が主管します。そこで、福岡は酒どころというだけでなく最高の食もある、ぜひ、ふくさけ祭りを最高の酒と最高のさかなを味わっていただく集いにしようと、農林水産部に協力を要請。翌年からは入場規制を考えなければならないほどの人気イベントに成長しました。その流れの中、今度は農林水産部が食材を主役にして、大晩さん会福岡のおいしい幸せを開催。第二回となる去る十一月二十四日、県民運動として展開している食育、地産地消の推進を目指し、県産食材をふんだんに使った特別メニューに約八百名のお客様が舌鼓を打ちました。その場には商工部が協力し、県産米で仕込んだ福岡の地酒が花を添えたのは言うまでもないことです。原材料の農林水産物は農林水産部、日本酒などの加工品は商工部、しかしお客様から見れば同じ飲食物。福岡の最高の食と福岡の最高の酒。相乗効果のあるよいプロモーションができたと評価いたします。ほかにも同じような例があります、県農産物のブランドとして最高の認知度を誇るイチゴあまおう。しかし、イチゴの季節は限られており、一年中店頭に並ぶわけではありません。なぜあまおうがトップブランドでいられるか、それはあまおうを加工したアイスクリーム、ケーキ、クッキーなどのスイーツ、リキュールなど派生商品が通年を通して、あまおうのブランディングに貢献していることを忘れてはなりません。
 そこで知事に質問です。農林水産物と加工品、それぞれ所管する部署は違いますが、部署の垣根を越えて相乗効果のあるプロモーションを行うことは福岡の飲食のブランドに対する共感や信頼を高める、すなわちブランディングに大きな効果があります。このような両者のコラボレーションによるPRや販売促進を積極的に進めるべきだと思いますが、知事の所見を御披露ください。
 また、農林水産省が推進する六次産業化、経済産業省が推進する農商工連携。理屈はあれ、消費者にとってその違いは右から見るか左から見るか程度の話です。福岡県工業技術センター内にある生物食品研究所は加工食品の開発を支援しており、原材料と加工品のちょうど真ん中に位置する施設です。農林水産部と商工部が連携し福岡県を食の都としてプロモーションしていくために極めて重要な役割を担っており、その機能や設備をさらに強化する必要があると考えます。生物食品研究所の設立経緯を含めて知事の見解を御披露願います。
 さて、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、二〇一九年、我が県も試合会場となるラグビーワールドカップが開催されます。キャンプ地誘致に始まり、開催時期の観光客誘致を目指し、自治体間の競争は既に始まっています。東京都は新たにブランディング戦略を策定し、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催とその先を見据えた東京ブランドの確立のための取り組みを始めました。大阪府では持続的な地域ブランド力向上による地場産業の活性化の方策について調査を実施し、大阪の地域ブランド戦略のあり方という報告書を策定しました。お隣熊本県では、熊本ブランドを一元的に推進する組織、くまもとブランド推進課が存在します。
 さて一方、我が福岡県では、福岡県広報部長エコトン、福岡観光軍師ふくおか官兵衛くん、福岡のりマスコット、有明のりちゃんなどのキャラクター、あまおう、山川ミカン、北原早生、ラー麦、八女茶などの県産農林水産物のブランド、古くは福岡県の花、梅をあしらった県章や、とびうめのフレーズなど数多くのブランディングのツールがあります。しかしながら、今回の質問に当たり、県が持っているキャラクターやシンボルマーク、ブランドを全部知りたいけれども、どこが所管しているんですかと尋ねましたところ、そんな部署は存在しないということを知りました。そもそも、福岡県を代表するキャラクター、エコトンも、もともとは環境部がつくった一キャラクターです。出世して広報部長に就任されたのはめでたいことですが、そこに福岡県に対する人々の共感や信頼を向上させようとする緻密な戦略を感じられないのが私の正直な思いです。
 そこで知事に質問です。今後、二〇一九年ラグビーワールドカップ、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックという世界的な大イベントが立て続けに日本で開催されます。これを契機に、今まで存在しなかった福岡県としてのブランディング戦略を構築し、福岡県に対する共感や信頼などの価値を高めることで、キャンプ地誘致、観光客誘致、さらには定住者の呼び込みや県民の幸福度向上につなげることを目指すべきと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。
 最後に、福岡県が推進する観光ブランドについてお尋ねします。去る十月十四日、古代史研究家の古田武彦氏がお亡くなりになりました。古田氏は邪馬台国論争において、九州王朝説の提唱者でありました。邪馬台国論争は江戸時代後期から始まり、新井白石は筑後国山門郡説を、本居宣長は九州熊襲説を唱え、その当時から九州は論争の中心でした。福岡県内でも、我が地元旧山門郡、すなわちみやま市、柳川市を初め朝倉市、久留米市、八女市、太宰府市、糸島市などゆかりの地があまたあり、卑弥呼の火祭り、花の邪馬台国まつりなど地域振興のイベントが開催されております。
 古代史のロマンを語るとき、もう一つ忘れてならないのは磐井の乱です。五二七年、朝鮮半島南部へ出兵しようとした大和政権に背き、九州北部の有力者筑紫磐井は九州の豪族とともに磐井の乱を率いた反乱者として古事記や日本書紀に記されています。しかし、視点を変えて見ると、磐井の乱は日本初の中央集権政府による地方自治への介入とも読み取れます。それから千五百年の時を経て、中央集権型の国家システムが制度疲労を起こす中、地方から国の形を変えようと、福岡県議会を初めとする地方議員、九州内の首長、国会議員、財界有力者が会員となり九州自立の会が設立されたことに因縁めいたものを感じます。
 そこで知事に質問です。現在、福岡県では世界文化遺産登録が期待される宗像・沖ノ島と関連遺産群を中心に、歴史、文化の観光ブランド化が進められていると認識しておりますが、世界遺産登録の暁には、福岡県内津々浦々に沖ノ島効果を波及させるべく、邪馬台国や磐井といった福岡ゆかりの古代史、文化を掘り起こしてはいかがでしょうか。観光振興だけでなく、自分たちのルーツを見直すことは、県民の郷土愛を育むことにも通ずると思います。知事の見解をぜひお聞かせください。
 以上、知事の前向きな答弁を期待して質問を終わります。(拍手)

◯副議長(原竹 岩海君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 県産食材と日本酒などの加工品のコラボレーションについてでございます。県産の農林水産物と加工品を一体的にPR、販売をいたしますことは、消費者の認知度を高め、販売量や販売ルートをふやす上で有効な取り組みであるというふうに考えております。このため県では、議員にも御紹介をいただきましたけれども、県産食材を使った料理と県産のお酒、八女茶を提供する、ふくさけ祭りや大晩さん会を開催をしてきているところであります。これらの参加者からは、県内にはおいしい物、おいしいお酒がいっぱいあるんだということが改めてわかった、そういった感想が寄せられております。また、県産農林水産物とこれらを使った料理、それに加工品を一堂に集めまして、ことしの十月には九州うまいもの大食堂、十一月には農林水産まつりをそれぞれ天神中央公園で開催をしたところであります。さらに、昨年度から、首都圏などを中心に事業展開をされております外食産業と連携をいたしまして、県産の農林水産物を使った料理を提供してもらう福岡フェア、これを開催をしてきているところであります。これらの業者さんからも、農産物や肉類、魚介類、加工品を組み合わせた我々地域の特色あふれる提案というものが求められているところでございます。このため、そういったニーズに沿った提案を一生懸命考え、提案を行い、和食レストランやホテル等におきまして、県産の食材とあわせて日本酒、からしたかな、めんたいこ、しょうゆなど加工品も一緒に一括して取引をされているところであります。今後とも、こうした県産品の一体的なPRと販売促進活動を積極的に進めてまいります。
 次に、生物食品研究所の機能強化についてお尋ねがございました。本県におきましては、食品、バイオ関連の中小企業に対するその技術の高度化、また新製品の開発を支援するために、平成七年四月でございますが、工業技術センター材料開発研究所と化学繊維研究所食品課、これらを統合いたしまして、生物食品研究所を設立をいたしました。この生物食品研究所におきましては、これまで食品、バイオ関連企業を対象にいたしまして、その新製品の開発のための共同研究、技術課題を解決するための個別の指導、食品素材の機能性に関するデータの集積と提供、そして最新の技術に関するセミナーの開催などに取り組んできたところであります。企業との共同研究につきましては、例えば、福岡県の酒造組合と開発をいたしました酵母を使った福岡オリジナルソフト清酒、また農業総合試験場と開発をいたしましたニンジンの臭みを抑えたジュース、これらが商品化されております。
 また近年、健康、安全、安心志向の高まりから、食品分野におきましては機能性食品や高齢者向けの食品の需要が非常に増大いたしております。消費者ニーズは大きく変化をいたしております。これらを踏まえまして、食品企業がこういった動きに対応していくための高付加価値の商品の開発を迅速に行うことができるよう、昨年の十一月、生物食品研究所内にふくおか食品開発支援センターを開設をいたしました。センターでは、商品の開発の企画から加工、評価までを一貫して御支援を申し上げるため、商品企画のアドバイスを行う食品開発プロモーターを配置をいたしますとともに、企業が開発に利用できる加工機器、分析機器をセンター内に整備をしているところであります。開設からおよそ一年がたちましたけれども、福岡県産のブルーベリー等のセミドライフルーツの蜂蜜漬け、ブロッコリーを使用したクッキーなど九つの商品化が実現いたしております。
 これからも市場動向や企業ニーズに応じまして、ふくおか食品開発支援センターの整備充実を図るとともに、県内の食品系の学科を有する大学、県の農林業総合試験場を初め試験研究機関との連携をさらに強化をいたしまして、県産農林水産物を活用した中小企業の食品開発を支援してまいります。
 次に、ブランディング戦略についてお尋ねがございました。ブランディング戦略の意義は、単に地域資源の情報発信にとどまらず、地域が持つ魅力を認識してもらうことによりまして、地域への信頼、共感を高めていくことにある、このように理解をいたしております。そういう意味では、議員のおっしゃったとおりと思っております。福岡県は、個性の異なる三つの海、多様な里山、山地など豊かな自然環境はもとよりといたしまして、八女茶、あまおうなどの競争力のある農林水産物に加え、世界にも発信力のあります豚骨ラーメンなど個性的な食にも恵まれております。また、日本の近代化を支えてきました歴史、高度な物づくりの技術など多様な魅力があります。それらの魅力を知り、見て、感じて、あるいは味わっていただけるように、イチジクのとよみつひめ、ミカンの北原早生、豊前海一粒かきなど農林水産物のブランド化、またよかもん・よかとこキャンペーンなど、我が福岡県が持っております魅力の発信に努めてきたところであります。また、こうした新しい魅力、ブランドをもっともっとふやしていくために、明治日本の産業革命遺産のユネスコ世界遺産への登録、また種がほとんどない柿の秋王など開発をし、そのブランド化にも取り組んできているわけであります。新しくブランド化をしている商品をふやしているわけであります。資産もふやして、観光資源もふやしているわけであります。
 今後、ラグビーのワールドカップ二〇一九、また東京オリンピック・パラリンピック大会が控えておりまして、本県の魅力を内外に発信する絶好の機会となります。このため、引き続き本県が持っております多様な魅力を高めながら、その魅力をいつ、誰に向かって、どのように伝えるか、これを頭に置きまして、関係機関、専門家の意見、他の地域の取り組み状況やその効果というものも踏まえて、今後の我が県のブランド戦略のあり方について検討していきたいと考えております。
 次に、邪馬台国、卑弥呼を生かした観光振興についてお尋ねがございました。福岡県は古来から、アジアとの交流を背景にいたしまして、国内でもいち早く発展をしてまいりました。朝倉市を初め久留米市からみやま市に至る筑後平野一帯は、議員も触れられましたが、邪馬台国北部九州説の有力地の一つとして知られているわけであります。このほかにも、国内最大級の鏡が出土いたしました糸島市の平原遺跡、金印で有名な奴国の中心地と言われる春日市の須玖岡本遺跡、大和朝廷と戦った、さっきの中央集権、中央国家の地方に対する介入とおっしゃいましたけれども、大和朝廷と戦った磐井の墓であります八女市の岩戸山古墳、日本遺産となりました西の都大宰府など、弥生時代以降の国家成立の過程を示す大変貴重な史跡が豊富にございます。さらに、京築地域を初め県内各地に神話を演じる神楽というものが数多く現存いたしております。このようにいろんな史跡、観光資源、枚挙にいとまないところであります。加えて、「神宿る島」宗像・沖ノ島とその関連遺産群が平成二十九年にユネスコの世界遺産に登録されれば、それに向けて最大限今、努力をしているわけでございますが、登録をされれば、世界から大きな注目が集まり、これらの遺産群と、先ほど述べました古代ロマンあふれる県内の歴史、文化、これらをつなぐことによりまして、観光面でも本県の魅力を大いに高めることができると考えております。このため、今後、市町村、観光協会と協力し、古代の歴史や文化にまつわる資源の掘り起こしを行うとともに、歴史、観光マーケティングの専門家の意見も聞きながら、県内各地への誘客、周遊につなげるための方策、取り組みについて検討を進めてまいります。

想いを語る夢を語る

10月3日(月)に一般質問をさせていただく事になりました。今回は筑後広域公園や県職員の研鑽について県民幸福度の視点から質問をしたいと思います。私の順番は午後3番目ですので恐らく2時半過ぎかと予想します。傍聴ご希望の方連絡下さい。またこちらのページ(http://www.fukuoka-pref.stream.jfit.co.jp/)で生中継を行ってますので、ご興味有る方は是非ご覧下さい。

議会中、特に質問をする場合とにかく忙殺されます。議会の前後に執行部に資料要求したり、外部の方含め関連各所にヒアリングなどをする為昼の休憩時間すらもったいなく思える程です。そんな中で2つほど感動的な事がありました。
陸上自衛隊第四師団長木野村謙一様御講話
1つは所属している防衛議員連盟が開催した懇話会。陸上自衛隊第四師団の木野村謙一師団長が東日本大震災に災害派遣された第四師団の活動についてお話して頂いたのですが、これが素晴らしかった。第四師団7000人を率いるトップマネジメントしての使命感、被災地復興に対する想い、そして冷静沈着な分析に震えました。是非皆様にお伝えしたい内容ですので、議会が落ち着いたらブログにて報告したいと思います。

もう一つは、昨日行われた一般質問で日本開催が決まっている2019年ラグビーワールドカップの福岡誘致について自民党福岡県議団の先輩でもある鬼木誠議員が質問されたのですが、議場の全ての会派からあれだけの万雷の拍手(しかも大変前向きな答弁をした知事にまで拍手)が起こったのには驚きと共に感動しました。なにかと暗い話題が多い昨今ですが、だからこそ夢・理想を語り人々を鼓舞し自ら先頭に立ち行動する事が必要なんだと思い知らされました。この質問内容は来週水曜日頃には先程紹介した福岡県議会中継のページに動画がアップされると思いますので、ご興味有る方は是非ご覧下さい。