【総務企画地域振興委員会 管外視察 徳島県・奈良県】

私が委員長を務める総務企画地域振興委員会にて2月6〜8日にかけて徳島県神山町の神山プロジェクト、徳島県庁の消費者庁誘致、大塚国際美術館、奈良国立博物館の取り組みについて視察をして参りました。備忘録代わりに纏めておきます

○ 徳島県神山町NPO法人グリーンバレー 「神山プロジェクトについて」
昨年1月に九州各県議会議員研修会にてご講演頂いたNPO法人グリーンバレー大南信也理事長が中心となり進められている所謂「神山プロジェクト」。
http://itahashi.info/blog/20160130025122
是非この眼で確かめたいと思い、やっとその日がやって来ました。
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大南理事長から約1時間のご説明を頂きました、全てが刺激的で参考になる内容でしたが特に印象に残っていることを4つ

1)過疎の町神山町が仕事や働く場を持っていないなら、仕事を持っている人を呼び込む、というのが「ワークインレジデンス」の発想。シャッター街となった商店街に、「ここにパン屋さん来ませんか?」「デザイナーさんをこの空き家に求めます」と職種指定で募集をかけることで、理想の商店街作りが出来た。今後の不動産業は金額だけのマッチングではなく、街の価値を上げるようなマッチングが求められる。
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2)地方創生では往々にして地域の唯一の産業である「農業」をどうにかしようという発想で進められる。例えばブランド化とか。これで少々の単価は上がるが、最終的に儲けるのは卸売市場であったり都市圏のレストラン。神山町は文化芸術から始まり、移住者、サテライトオフィス、サービス産業と対象が変わってきたが結果として農業に好循環を与えた。足りないサービスを外に求めるとお金は地域から流出する。地域内でサービスを生むことで、地域内経済循環が起こる。
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3)サテライトオフィス(SO)の誘致に関しては、SOと受入側をフラットな立場にする。例えば、自治体が最初に「是非うちに来て下さいお願いします」と謙るから、SO側とフラットな立場になるために補助金を出したりする。今の若い起業家達はそういうのを嫌がる。実際神山町の多くのSO誘致やサービス業誘致のリスクは企業や個人が負っている(自治体が補助金をぶら下げて誘致するような事はしていない)。
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4)神山町の地方創生戦略を立てるにあたり、「まちを将来世代につなぐプロジェクト」が立ち上げられた。その中で「地域に可能性が感じられる状況」が不可欠との認識。そんな中、通常だったら有識者会議を立ち上げ3回位会合を開いて素案を作るような、まるで行政のアリバイ作りの様な策定プロセスを根本から変えた。また策定メンバーをコアチーム(町長はじめ地域のリーダー5名)とワーキンググループ(若手を中心に28名)に分け、ワーキンググループが基本的に話し合いアイディアを出す、コアチームはそれを認証するという役割分担で3ヶ月60回徹底した議論を行い作り上げた。するとワーキンググループが自らこの戦略の実行部隊を志願し、戦略策定と同時に実行部隊まで決まってしまった。
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その後、プラットイーズというテレビの番組情報などを放送局に配信する会社のサテライトオフィスや神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックスなどを視察しました。

○ 徳島県議会 「政府機関の徳島県移転に向けた取り組み状況について」

日本創成会議が2014年に発表した消滅可能性市町村などの報告書。日本の課題として東京一極集中の是正が急務とされ、その手段の一つとして政府関係機関の地方移転が提案され、国もその後まち・ひと・しごと創生総合戦略として政府関係機関について地方移転をする道筋をつけました。そんな中、徳島県は消費者庁・消費者委員会・国民生活センターの移転を提案。何度かの試行を経て昨年消費者行政新未来創造オフィスを平成29年度に徳島県に開設することなどを決定。5.5億円の政府予算がつきました。
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ここでも神山町は活躍していました。理論として政府機関が地方移転すれば良さそうな事はなんとなく分かるが、実際そこにどんなメリットが存在したり問題が横たわるかは分からないため、為にする議論で話が進まなくなりそうなものです。しかし、河野前担当大臣、松本担当大臣、消費者庁長官はじめ多くの官僚が神山で移転試行をするなかで、神山町に存在する具体論が不安を払拭し一歩前へ進む推進力になったのは間違いないそうです。

また県側にとっては、費用負担が一体どれ位出てくるか大変ご心配されていたそうですが、机や椅子といった調度品の貸出しや人的支援は要請ありましたが経費は基本的には消費者庁が持つという方向。7月を目処に50名オフィスを徳島県庁10階の半分を使って設置こととなるそうです。

一方で、この移転は3年を目処に見直しが行われるため、見方によっては「お試し移転」。消費者庁の移転をきっかけに民間企業の移転やサテライトオフィスの設置を期待するが、3年後の動向を不安視されることもあるようです。
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いずれにせよ、先行して政府機関の地方移転を実現する徳島県の取り組みが成功することを心より期待します。

○ 大塚国際美術館
1998年4月の明石海峡大橋の開通に併せて、大塚グループ創立75周年記念事業としてオープンした世界初の陶板名画美術館です。学芸部部長の浅井様に貴重なお時間賜りご説明を頂きました。
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元大塚グループ総帥で初代館長の大塚正士氏は設立の趣旨を、「鳴門海峡の砂を建設材料から付加価値の高い高精度タイル状の製品にして2000年の耐久性を持つ写真陶板として商品化する」「世界の有名美術館や遺跡を訪れずに一同に見られるところがあれば学生などに喜んで貰える」「教育的・観光的生活を併せ持つ滞在時間の長い大きな美術館を鳴門に建てて、人を堰き止めるダムを造る」などと仰っていたそうです。
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敷地面積2万坪、地下5階、地上3階、総事業費400億円、総展示数1075作品。その規模も凄いのですが、エントランスを入ってすぐにある陶板で復元されたシスティーナ礼拝堂で「世界の名作とはいえコピーじゃないの」なんて穿った気持ちは早々に吹き飛ばされました。世界の名画を2000年の耐久性を備えさせ実寸で再現し一カ所に集積することを目指した大塚正士氏の慧眼に感服致します。
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この技術を活用してキトラ古墳の壁画をコピーしたらどうだろう、等というアイディアも出ていましたが芸術的な視点だけでなくビジネスとしても凄い仕掛けです。

○ 奈良国立博物館
ご多忙な中駆けつけて頂いた石垣副館長からご説明を賜りました。
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国立博物館は我が福岡にある九州国立博物館を含め国内に4つあります。奈良国立博物館は明治22年に設置され、仏教美術及び奈良を中心とした文化財を収集、保存管理、展示、調査研究、教育普及事業などを行っています。特に仏教文化の優れた芸術性や背景の歴史を中心に紹介しているのが特色です。
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中国人観光客が近年増えており、英・中・韓の3カ国語の音声ガイドを用意していますが、利用数は中国語が一番多く続いて、英語、韓国語だそうです。近隣には東大寺ミュージアムのような民設の美術館・博物館も多く存在しており、連携を模索するも総論賛成各論反対のような状況。ぐるっと関西のような周遊カードなどが切望されるそうです。

奈良の特徴として、夜が早い(あまり遅くまで店が開いていない、出歩かない)というのがあるらしく、夕方から夜にかけての集客に苦戦しているとのこと。奈良県には14百万人の観光客が訪れていますが、奈良国立博物館は年間46万人の来場者。これをどう引き上げていくか模索されております。

因みに九州国立博物館は一番後発の国立博物館ですが、年間来場者は約90万人と善戦しており、石垣副館長からは特別展を軸に「あそこに行けば一日遊べる」と思わせるイメージ作りが強みではないかと分析されておりました。
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恐らく私が委員長としては最後となる管外視察。今後の県政運営にしっかりと反映出来るよう努力してまいります。

【子ども子育て調査特別委員会視察&九州沖縄防衛議員連盟連絡協議会総会】

1月30日に私が所属する子ども子育て調査特別委員会の管内視察と1月31日に第11回となる九州沖縄防衛議員連盟連絡協議会総会が行われました。備忘録代わりに

子ども子育て調査特別委員会の視察先は五十川保育園と福岡児童相談所。

五十川保育園は福岡市博多区にある定員245人の所謂都会の保育園。4階建ての園舎ですが、運動場といえるような園庭はありません。しかし知体徳のバランスのとれた成長を即すべく、人間の基礎を形成する教育をバランス良く提供し、ピアノ・英語・日舞・書道・バイオリンなど習い事教室も充実しており、今年は途中入園が出来ないほどの人気になっているそうです。
5歳児(4月から小学生)の園児さんが「あの素晴らしい愛をもう一度」を披露して頂きましたが、5歳児だけで55人。次男の幼稚園の倍、小学校の1学年より多い。
一方でアレルギー対応などは食器の色を変えたり、テーブルを分けていただきますの時間を変えるなど本当にきめ細やかな対応が必要
。発達障害などへの対応も大規模園ならではの御苦労があられます。保護者側が求めるハードルも高くなり、都会の保育園の難しさも感じられました。

福岡児童相談所は春日市に所在して、福岡市を除く福岡地区5市7町を所管します。管轄の児童人口は137,057人と県内6カ所の児童相談所内で最大です。児童虐待相談の対応も平成23年は233件だったのが平成27年には444件となり、県内約1/3を占めます。
虐待防止の為に24時間365日の相談体制を整備するために夜間休日も相談員を配置し、虐待通告が有った場合は48時間以内に子供を目視で確認する体制がとられているとのこと。関係機関である市町村、警察、専門家(事例検討委員会、弁護士、児童精神科医など)との連携を通じて予防・発見、家族見守り体制の構築、助言指導体制を構築しています。
五十川保育園を視察した後、非常に重い話題でありますが、児童虐待を筆頭とする大変難しい問題に最前線で向き合う職員の皆さんに心から敬意を表します。また人権感覚の変化に伴い、施設がどのように有るべきかなどを見直す時期なのかも知れません。

第11回九州沖縄防衛議員連盟連絡協議会総会。毎年持ち回りで開催されていますが、今年は佐賀県でした。
総会後、防衛講話として日本文化チャンネル桜の沖縄支局キャスター我那覇真子氏が「日本を守る沖縄の戦い」というテーマで講演。辺野古基地移設問題についてなかなか普段我々が触れるマスメディアでは取り上げられない視点を御披瀝頂きました。メディアリテラシーの重要性が浮き彫りにされました。
その後、陸上自衛隊目達原駐屯地を視察。徳川幕府時代には鍋島藩の武芸鍛錬場、大東亜戦争末期には対置洗い陸軍飛行学校目達原分校として使用され、特攻機の出撃基地だった駐屯地です。アパッチと呼ばれる戦闘ヘリコプターと熊本大地震でも活躍した多用途ヘリコプターの飛行訓練等を視察。オスプレイ配備の問題等、昨今佐賀県は防衛問題で話題になるのですが、やはりキチンとした情報を元に冷静な議論がされるべきと考えます。大変充実した防衛議連視察になりました。

 

【総務企画地域振興委員会管内視察 福津市、宗像市、糸島市、九州大学伊都キャンパス】

【総務企画地域振興委員会管内視察 福津市、宗像市、糸島市、九州大学伊都キャンパス】
私が委員長を務める総務企画地域振興委員会で11月7-8日にかけて管内視察を行いました。
備忘録代わりに纏めておきます。

○ 福津市役所「津屋崎千軒を核とした移住・交流ビジネス化事業について」
福津市は平成17年に福間町と津屋崎町が合併して出来た市です。県議会の大先輩でもある小山達生市長にご多忙な中ご出席を賜りました。小山市長によると福津市のピーク時の人口は約57000人だったのが平成22年に約55000人まで減少。しかしそれから底を打ち平成28年10月末では61500人(住民基本台帳ベース)に増加しているとの事。
そんな中、福津市への移住サポートやUIターン支援、起業支援、古民家再生など幅広い事業を行っている津屋崎ブランチの山口覚代表にその取り組みをご説明頂きました。
前提として、人口減少の対応はソフト事業が重要。空き家問題については、大学卒業して都会に就職家を購入し永住という、田舎から都会への片道の人口流動に問題が有る。また増加人口は新築物件に入居したがる。空き家では魅力が無いのでリノベーションが必要。
その上で移住者支援は関東の30代夫婦+1〜4歳の子供を持つ世代にターゲットを絞り込み進められ、平成22年から27年の5年間で旧津屋崎町では905人の住民増となったそうです。
個人的に特に興味深かったのは、空き家再生において貸し主の金銭負担が足かせになっているため、負担ゼロの事業スキームを多く産み出されていることです。家賃前払い方式とか自主改修方式、物語銀行(自己資金が足りなければ地域で出資して2〜3年で返済するスキーム)、仏壇のあるところは法事の時だけ利用可能にする等々、なるほどそれなら借り手と貸し手がWin-Winになれるというアイディアに唸りました。
しかし、貸し手と借り主の信頼関係がないとどんな立派なスキームでも上手く行かない。津屋崎ブランチは間に入って仲を取り持つ。そうすると大体2年位経つと信頼関係が出来るそうです。
もう一度じっくり、私の地元の人達を交えてお話しを伺いたいくらい興味深かったです。
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○ 宗像市役所「全国豊かな海づくり大会を活用した地域振興について」
神宿る島宗像・沖ノ島と関連遺産群のユネスコ世界分会遺産登録を控えている宗像市ですが、来年の「全国豊かな海づくり大会」の開催地にもなっており、その準備が本格化しております。全国豊かな海づくり大会とは、水産資源の保護・管理や海・河川の環境保全の大切さを広く国民に伝え、漁業振興・発展を図ることを目的として例年天皇皇后両陛下ご臨席のもと開催される国民的行事です。特に岡県は日本海・太平洋・有明海に面し、筑後川や矢部川など豊かな河川を持っており、県内各地と連携し県民一丸となった大会を目指しています。
宗像市においてはこの機会を活用し、特に全国トップクラスの漁獲量を誇るも知名度が今一歩の鐘崎天然とらふぐなど県内随一の水産業のPRや、宗像市が毎年行っている「宗像国際環境100人会議」との連携を通じ漁業の振興と発展、海や河川の環境保全、世界文化遺産登録活動のPR、市民参加型の大会を目指します。
谷井市長がご多忙の中お顔を見せていただき、冒頭ご挨拶を賜りました。有り難うございます。
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○ 糸島市役所「九州大学との連携したまちづくりについて」
糸島市の月形市長は私が初当選当時の県議会3期生。「議会とはなんぞや?」からはじまり、本当に公私にわたりご指導を頂いた先輩です。今回の視察にあたり最後までご参加を頂き大変有り難うございました。
月形市長曰く「百年の大計をもって九州大学が伊都キャンパスに移転してくる。糸島市も百年の大計をもって胸を張れるまちづくりをしなくてはならない」、その命を受けて奮闘中の市地域振興課さんからご説明を頂きました。九大は平成30年に移転完了予定。面積275ha、約1万8000人規模の学生と教職員が移転対象です。糸島市は「九大を生かした地域づくりプロジェクト」を重点プロジェクトの一つとして、九州大学学術研究都市をつくる事を大目標にヒト、モノ、カネ、コト、情報を糸島市に呼び込むイメージで既に年間100件を超える連携・交流事業を実施しています。
糸島在住・出身の九大職員と糸島市職員の交流団体を設立したり、九大の少人数セミナーにおいて糸島市消防本部が実技訓練等を担当して九大生を郷土・地域を守る地域防災の担い手になることを期待したり、九大生(留学生含む)に体験プログラムを通じて国内外に糸島市の魅力をSNSで発信してもらったり、幅広い取り組みを行っています。
また九大の知的資源を活用する為に、九大の研究者から市民向けの公開講座を実施。糸島市内の地域課題や行政課題の解決、地域資源の掘り起こしを目的として実施する研究に対しては最大100万円の助成金を創設。また、個人的に一番気に入ったのは、小中学生の学習意欲を向上させたり将来の夢の実現の為に実施している、中学生が夏休みに九大伊都キャンパスで学ぶ「伊都塾」、小学生が土曜授業で九大生から学ぶ「九大寺子屋」です。これにより大学生への憧れが高まり、勉強に対する動機付けがされるとの事。羨ましい限りです。
まだまだ課題は有りますが「市民と大学」「大学と市民」をつなぐべく、「まち」と「九大」をつなぐ空間の創出に今後は力を入れていくとのご説明でした。
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○ 九州大学伊都キャンパス「共進化社会システム創成拠点について」
九州大学伊都キャンパスを訪問し、共進化社会システム創成拠点のプロジェクトリーダーである是久洋一先生からお話しを伺いました。
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文科省では平成25年に「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」において10年後の社会のニーズを検討し、そこから導き出される社会の姿、暮らしのありかたをビジョンとして設定しました。そのビジョンを基に科学技術推進機構の支援を得て、国内に多くの拠点を設け基礎研究から実用化を目指して、産学連携の研究開発が行われています。
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九州大学ではICTによる新しい街づくりを目指し、これからの都市が抱える問題を現実世界からのビッグデータを収集し、都市OS上の仮想都市モデルで都市交通の最適化、エネルギーの最適化、市民サービスの最適化をシミュレーションし、実世界へフィードバックさせるという、ここまでちゃんと読んで理解して頂ける方がいらっしゃるか分かりませんが(苦笑)そういう研究が行われています。
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是久先生は民間(パナソニック)出身で、最終的にここで行われた研究の結果を社会実装することを最終目的にされているそうです。
お話しの中でエネルギー分野地域連携の事例として私の地元みやま市のスマートエネルギーの取り組みが紹介されました、それももの凄く高い評価を頂いて!地元に住んでいるとイマイチピンとこないのですが、10年後のよりよい社会を目指す中でみやま市も一役買っていると実感すると嬉しいですね。
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【こども・子育て支援調査特別委員会管外視察 広島・島根】

【こども・子育て支援調査特別委員会管外視察 広島・島根】
福岡の県議会議員は常任委員会と調査特別委員会の二つの委員会に所属します。私が所属するこども・子育て支援調査特別委員会の管外視察で広島県と島根県を訪問しましたので備忘録代わりにレポートします。
今回の視察は少子化対策について先進的な取り組みをしている中国地方の4自治体を訪問しました。私自身、議会に於いて少子化対策については何度も質問しておりますが、他自治体の施策や目標設定などに詳しく触れる事で、地域特性により色んなやり方が有ることを実感し、目から鱗の視察となりました。

○ 広島県:イクボス同盟ひろしま
広島県では女性活躍と保育をセットにして対応する「働く女性応援課」があります。女性活躍の課題として、女性は結婚・出産を機に離職する方が多く、25ー44歳の就業状況が低くなる、所謂「M字カーブ」の解消を目指しています。

その中で広島県は女性の働き方について大変保守的らしく、先ずは職場環境を変えていくために「イクボス」の普及拡大に力を入れています。

広島県の湯﨑知事は、自らが子育て真っ最中の世代。末っ子さんの誕生を切っ掛けに都道府県知事初の「イクボス宣言」。その後、海上自衛隊呉地方総監、広島県警本部長などの御歴歴を巻き込み「イクボス宣言」が行われました。その流れの中で、男女ともに働きやすい職場づくりを目指す経営者の集い「イクメン企業同盟ひろしま(現在は『イクボス同盟ひろしま』)」が結成されました。メンバーは結成時20人から平成28年7月時点で114人に。

プロモーションビデオ「イクボス野球団」作成はじめ、社会全体の男性の意識改革や行動変容を即すための活動を行われています。

また、湯﨑知事は都道府県知事として初めて育児休暇を取得し大きなニュースになりましたが、県としても「いきいきパパの育休奨励金」として男性従業員が一週間以上の育児休暇等を取得した中小企業事業主に対し10〜30万円までの奨励金を支給。こういった施策もあり、他県と比べて倍以上の男性育児休暇取得率(全国平均2.3%、広島県5.1%)を実現しています。

トップリーダーである知事がまさにイクメン真っ最中であり、実体験に基づく理解が功を奏してか、広島県ではイクメン・イクボスの浸透は知事のリーダーシップにより進んでいると感じました。

○ 島根県邑南町(おおなんちょう):日本一の子育て村構想
ここはインパクトがある視察でした。

邑南町は2004年に2町1村が合併して誕生、島根県中央部の広島県との県境に位置する中山間地で、人口は僅か11,294人(平成28.3.1現在)、高齢化率42.5%。高齢過疎化中山間地のイメージそのままの自治体ですが、平成22年度に過疎地域自立促進計画を策定(1)攻めのA級グルメ構想、(2)守りの日本一の子育て村、(3)徹底した移住者ケア、の3点を柱とした「攻めと守りの定住プロジェクト」を立ち上げました。

その結果、平成26年度の合計特殊出生率が2.07人(平成24年度はなんと2.65人!)、平成22年度から27年度までの移住者が合計262人(内、59人が児童)、平成25年からは3年連続で社会動態(転出と転入の差)がプラスに転じるなど目覚ましい成果を上げています。

邑南町の成功の秘訣は、多くの自治体が一昨年の増田レポートから躍起になった人口減少社会対策より一歩先んじて対応を始めたことと、高齢化の町にも関わらず徹底した子育てに関する経済的負担の軽減施策にあると感じます。

例えば、中学校卒業まで医療費が無償、保育料は第二子目以降は第一子の年齢に関わらず完全無料、病児・病後児保育の充実、邑南町にある県立高校への寮費・バス通学定期への補助、ネットを利用して補習授業の講師に現役東大生、医療福祉資格取得・農林業後継者育成・奨学金に関しては将来的に邑南町で働いたり定住すると償還免除となる制度などなど。よくまぁここまで徹底したなぁと感心します。子育て支援関連事業にはおよそ9億円の事業費が充てられており、人口11千人の町にはちょっと大きすぎる気もしますし、実際当初は議会の反発もあったそうですが、着実に結果を出している事で、現在は理解を得られているそうです。財源には過疎対策事業債を最大限活用、邑南町日本一の子育て村推進基金を造成するなどして対応しています。

現在邑南町には各種自治体からの視察が相次いでおり、視察受入の条件は町内で宿泊するか食事をする事となっているそうです。それだけの成果を上げている邑南町、今後の推移にも注目していきたいと思います。

○ 島根県議会:島根県総合戦略〜結婚・出産・子育ての希望をかなえる社会づくり
島根県議会に到着するのが約束の時間より大幅に早かったもので、隣にある物産館を覗くとそこには「島根か鳥取か分からないけどそこら辺に行きました」という衝撃的なネーミングのお土産が。そんな自虐ネタが売りになるほど知名度が今一つで、おそらく過疎化にも苦労をされているのだろうなぁと視察に伺うと、いやいやどうして、素晴らしい少子化対策を行われていました。

島根県は平成15〜16年に合計特殊出生率1.48と歴代最低の値を記録し、国が制定した少子化社会対策基本法(H15年)大綱(H16年)に併せて人口減少対策を開始しました。当初は「少子化対策推進室」を担当部署としていましたが、そこに子育て支援等の機能も取り込み現在では「子ども子育て支援課」に格上げして活動しておられます。

その結果、合計特殊出生率は平成17年以降増加傾向にあり、平成27年度は1.80で沖縄県に次いで全国2位。また出生数も緩やかな下降で踏みとどまり、平成23年以降は5500人台でほぼ横ばい傾向にあります。また婚姻数も同様に約3000件で横ばい。島根県では毎年約5000人、人口が減っていく中、大健闘していると言えます。

親となる若い世代の減少、未婚・晩婚化の進行、子育て環境の変化や負担感・不安感の高まりなど、様々な少子化の背景・要因が有る中、県としては少子化対策の一丁目一番地として「どれだけ家族を増やせるか」を掲げ、結婚支援・子育て支援・仕事と子育ての両立支援に様々な施策を打ち立てていらっしゃいます。

島根県で大変参考になったのは、非常に具体的で明解な目標設定をされている事です。例えば、県が運営する「しまね縁結びサポートセンター」を通じた結婚数 150件/年、とか、合計特殊出生率1.7、とか。普通はこういう数値目標、しかも逃げも隠れも出来ない数値を具体的に目標にすることは役人は嫌がります。実際福岡県では地方創生総合戦略において似たような施策を掲げていますが、その目標設定において合計特出生率は使用せず『県民が「理想とする子どもの数」と「実際に持つつもりの子どもの数」の差を縮小する』とか、結婚数とは言わずに『福岡県が実施する出会い・結婚応援事業による出会い応援イベントへの参加者数を 10,000 人/年(H31 年度)』という目標設定をしています。

やはり、目標設定の仕方で、その後の施策の細部は変わってくると思いますので、誰にも明確で分かり易い目標設定をした島根県の英断を評価したいと思います。執行部からの説明を聞いていても明解で分かり易かったと特別委員会メンバーにも評判でした。

○ 松江市役所:子育て環境日本一実現プロジェクト
リオオリンピック男子テニスで日本勢96年振りとなる銅メダルを獲得した錦織圭選手は松江市出身。松江市役所の入口には大きな垂れ幕が3つ、錦織選手を応援してました。松江市民もさぞ盛り上がっている事でしょう。

松江市も島根県全体における傾向と同じく、若者の人口流出や未婚・晩婚が進んでいます。平成27年に松江市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン第一次総合戦略では、5つの基本目標、10の重点プロジェクトそしてそれにぶら下がる施策を策定した上で、これを「市民運動」と定義。行政主導ではなく、市民を巻き込み、「出生数2000人/年」「平均270人/年の社会増」という二つの挑戦を定義、実現を目指します。

この発想には大いに共感します。人口減少問題で一番ネックになるのは、結婚や出産は極めて個人的な問題でもあり、行政主導で目標を立てることに違和感があるのも否めません。やはりより良い社会を次世代に繋げる為には、行政だけでなく、我々住民自身が積極的に関わる事が必須です。

また松江市では5歳児検診を行っています。普通は3歳児検診ですが、近年増加している発達障害児の早期発見において5歳児検診は大変有効とされており、松江市が設立した発達教育指導センター「エスコ」と緊密に連携し、一次・二次検診を実施するなど充実したサポート体制を構築しており大変参考になりました。

余談ですが、視察の時は早朝ホテルの近所を散歩するようにしています。宍道湖、中海、そして松江城のお堀など豊かな水に囲まれる松江市の街並みは情緒があり大変素敵でした。島根県初上陸でしたが、出来る事なら家族でゆっくり観光に訪れたいなぁ。

 

【総務企画地域振興委員会管内視察 糟屋郡・太宰府市】

【総務企画地域振興委員会管内視察 糟屋郡・太宰府市】
私が委員長を務める総務企画地域振興委員会にて糟屋郡新宮町と太宰府市を視察しました。備忘録代わりに纏めておきます。

糟屋郡新宮町「新宮中央駅を活用したまちづくりについて」
新宮町福田副町長よりご説明を頂きました。新宮町は戦後、工業地帯として開発が進み、その結果町の中心部は市街化調整区域となり開発が遅れていました。また平成11年に下水処理場(浄化センター)をその地区に建設することで住民と合意。これを機に都市計画マスタープランを変更し、この地域を中心ゾーンとして位置付け。浄化センターにありがちな迷惑施設のイメージを払拭し「環境共生の核」とし、更にJR新宮中央駅を誘致。コンパクトシティーの核として位置付け、市街化調整区域を市街化区域へ編入することで住宅系及び商業系の土地利用に成功。今では毎年約1000人人口が増えていると言われる程の凄い街並みになっていました。
私自身、6年ほど前にJR新宮中央駅を利用した経験があったのですが、その時はなーんにもないガラーンとした空地状態。それが今じゃIKEA、カインズ、ユニクロ、ABCマート、コスモス、スシロー、スターバックスなどなど有名店舗が建ち並び、その周辺に大きな公園とマンションが林立。浄化センターも全くそれと思えない外観で街並みに溶け込んでいました。北九州と福岡の中間点にあるという立地条件もさることながら、これだけスピード感をもってマスタープランから市街地整備事業が行われ、更に成功しているのはただただ圧倒されます。

「IKEA福岡新宮の省エネ、再エネ等への取り組みについて」
同じく新宮町新宮中央駅前のIKEA。2012年の営業開始から早4年ですが、今でも土日は大混雑の盛況ぶり。買物に行かれたことがある方も多いのでは。私は初めてのIKEA体験でしたが、決して買物行ったのではなくIKEAが取り組み地中熱や太陽光などを利用した省エネ・再エネへの取り組みを視察してまいりました。
IKEAは開業当初から太陽光パネル4840枚、発電容量750kwの太陽光発電と、熱交換器を地中100mに70本埋設し冷却能力527kw、加熱能力530kwの地中熱利用を行っています。太陽光発電は全て売電していますが、地中熱利用については店内空調への活用をすることによって消費電力量を従来のシステムから38%削減しました。
単に地中熱を利用するだけでなく、そのオペレーションにノウハウがあり、例えば夜間も冷房する事によって蓄熱し効率を高めるなどきめ細やかな運用改善で環境に優しい独創性と普及性がある省エネを実現。省エネ大賞2015で審査委員会特別賞を受賞するなど、様々な賞を受賞しています。

太宰府市文化ふれあい館「日本遺産認定までの取り組みと今後の活用」「観世音寺地区歴史的風致維持向上地区計画」
世界遺産は皆さんご存じでしょうが、文化庁が進める「日本遺産」というのがあります。日本遺産とは我が国の文化・伝統を語るストーリーを認定するもので、ストーリーの中核に地域の魅力として発信する明確なテーマを設定。従来の文化財行政が個々の遺産を「点」として指定・保存していたのと違い、点在する遺産を「面」として活用・発信、地域のブランド化やアイデンティティの再確認を促進するものです。
太宰府市は地域に点在する天満宮や太宰府政庁跡などの文化財をストーリー化し平成27年4月に「古代日本の『西の都』〜東アジアとの交流拠点〜」として日本遺産に認定されました。認定されるには単に物語を羅列するのでなく、今までに無いストーリーで新たな魅力付けに苦労をされたそうです。
認定されたストーリーは此方で読むことが出来ます↓
http://www.dazaifu-japan-heritage.jp/nihon_isan/index2.php
また、太宰府市は歴史的文化遺産が数多く存在し、史跡や建物を含めた街並み景観の保全を図ってきましたが、「歴史的資源を活かした地域の活性化」が今後の課題とされるなか、朱雀大通り・政庁通り周辺の観世音寺地区の新たな地区計画を進めているところです。
ここでも新宮町同様「都市計画」がキーワードになってきます。
太宰府市では住環境を護り、同時に文化遺産を活かし、来訪者の回遊性を高める為に新たなルール作りを行い、それを「歴まち地区計画」と呼んでいます。今まで都市計画の中でも一番厳し第一種低層住宅専用地域だったのを、現状の用途地域を変えること無く、歴史的風致にふさわしい建築物に限って用途を緩和出来るようにしたのが特徴です。「住環境維持」「文化遺産活用」「来訪者の回遊性向上」という3つの相反する課題を一気に解決することは大変難しいですが、都市計画によって10年後20年後により良い形で穏やかな変化を目指していらっしゃいます。
また、こういう用途制限は地元住民の皆さんにとっては不自由な部分もあり、反発などがつきものですが、太宰府市民の皆さんはきちんと折り合いを付けながら歴史的財産を大切にされている事に感動しました。

日帰りの慌ただしい視察でしたが、ご対応頂いた皆様大変有り難うございました。
今後の総務企画地域振興行政の参考として大いに活用させて頂きます。

 

【総務企画地域振興委員会 久留米・三潴・田川視察】

【総務企画地域振興委員会 久留米・三潴・田川視察】
2016年5月10-11日に私が委員長を務める総務企画地域振興委員会で管内視察をして参りました。備忘録をあげておきます。

◎ 久留米市「久留米シティプラザの概要と地域振興」
4月27日にオープンしたての久留米シティプラザ。久留米市は福岡県で3番目の人口を誇る中核市ですが、平成2年以降周辺市町村への相次ぐ大型店舗出店や、福岡市への商業集積により中心市街地はジリ貧の状態でした。空き店舗率も、平成初期はほぼ0だったのが、最高26.8%(平成21年)を経て現在は約20%で推移しています。
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その状況を打破するため地権者を中心とした再開発組合が旧井筒屋があった8番街区、市が管理していた9番街区の二つを合築し久留米シティプラザとする事業が平成23年度にはじまりました。開館以僅か10日間で40,800人を動員するなど好調な滑り出しのようです。
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スクール形式で最大300席を利用可能な大会議室、炭も使える炉を備えた3室の和室、ダンス・バンド・演劇などの練習でも防音・防振設計が完璧なスタジオ、そして大中小3つのホールは舞台客席が可変式のCボックス、
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能舞台にもなる400席の久留米座、
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オーケストラピットを備え秋にはウィーンフィルハーモニーが公演する1500席のグランドホールなど全てが至れり尽くせりの最先端設計。
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聞けば、運営は市が行うが、職員は市だけで無く様々な組織からプロフェッショナルを招き寄せ行っているとの事。
文化施設を中心とした街の活性化を提唱する文化庁も大きな関心を寄せている久留米シティプラザが、今後周辺店舗と共にどう中心市街地の復権を目指すのか気になるところです。

◎ 三潴郡大木町「おおき循環センター『くるるん』 ~ 再生可能エネルギーへの取り組みについて」
御多用中、大木町の石川町長にもご出席頂き「おおき循環センター くるるん(以下、くるるん)」。ここは平成18年に設置された生ゴミ・し尿・浄化槽汚泥をバイオマス資源化する施設です。
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このような施設は場合によっては「迷惑施設」とも呼ばれ、設置場所などに苦労することも少なくありませんが、大木町はくるるんを「環境・農業・食をつなぐ、まちづくりの拠点」と位置付け、町のど真ん中に設置。JAの農産物直売所や「健康地域応援レストラン デリ&ビュッフェくるるん」を併設させることで、町民の地域循環システムへの理解や協力を高め、地域の一体感を醸成する事に成功しています。
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またゴミ焼却施設を作ると3-40億円掛かる、そして焼却施設に依存しなければならなくなる、そうすると生ゴミも簡単に燃やしてしまう。くるるんならばバイオマス施設として約5億円で出来る。その上生ゴミを液肥化して安価で地元農家に提供出来る。更に街づくりの為の農産物直売所と郷土料理レストランや交流広場まで含めた総工費でも焼却施設の1/3程度で済ませることが出来、相乗効果たるや計り知れません。
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実際、くるるん設置後生ゴミ分別を開始してから燃やすゴミの量は約3000トンから1300トンに激減。またゴミのリサイクル率も14.9%から63.1%となり全国で4番目に高くなったそうです。
石川町長が仰る「大木町は身の丈にあった投資しかしない。そこで最大の効果を上げる」という信念が、町民にも浸透し、見事に結実した施設だと感じます。
施設の視察に留まらずトップリーダーのあり方を考えさせられました。

◎ 福太郎(株)めんべい製造添田工場
田川郡添田町にあるめんべい製造工場を訪問しました。この工場は成り立ちが面白い。
旧県立田川商業高校は「田川科学技術高校」に統合され、旧校舎の処分が必要となっていました。それを、地元住民雇用や地域活性化を目指して福太郎(株)が買取。
体育館を改修し、めんべいの新工場として操業開始したそうです。
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ただ単に工場とするのではなく、見学しやすいようにガラス張りのコーナーを設けたり、直売所や研修施設を併設し工場見学を積極的に受入れ地域振興に貢献。
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更に、今年から女子ソフトボールチームを設立。余っていたグラウンドをソフトボールの公式戦が出来るように改修し「福岡めんべいグラウンド」と命名、更に使っていなかった校舎を選手の寮に改築。
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5月10日には地元添田町役場の男子ソフトボールチームとの練習試合をこけら落としとするそうです(この宣伝ポスターが最高に面白かった)
めんべいソフトボール
単なる企業誘致に終わらせず、「地域づくりの担い手としての企業」を体現している福太郎株式会社と添田町の協力体制に大変感銘を受けました。

【桜の花が紡ぐ福岡県と中国 江蘇省の友情】

【桜の花が紡ぐ福岡県と中国 江蘇省の友情】
福岡-江蘇友好桜花園20周年記念訪問団の一員として江蘇省南京市を訪問してきました。
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(↑桜花園入口にて)

この桜花園の建設は、1992年に福岡県と江蘇省が友好締結をし、その後1994年に福岡県議会議会が江蘇省を公式訪問し桜の植樹構想を提案された事をきっかけとしています。
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(↑20周年記念式典の模様)

福岡県は議会のみでなく、広く県民に呼びかけ1995年に桜の会が設立され、江蘇省人民代表大会から共同建設の承認を得た後、1996年に落成されました。1.4ヘクタールの広大な敷地に約2800本の桜が植樹されています。
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(↑写真はその当時の賛同者の名前が記載されたプレート)

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(↑私の父の名前もありました)

福岡県日中友好桜の会会長で、桜花園の設立に尽力された元県議会議員の新宮松比古先生も今回の訪中を心待ちにされていましたが、3月13日に急逝された事もあり、記念式典のご挨拶は日中双方共に新宮先生を偲ぶ言葉に溢れていました。その後、県訪問団と江蘇省の皆さんの手により桜20本とツツジ20本が記念植樹されました。
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(↑一緒に植樹をした江蘇省人代 勝勇外事委員会主任)
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(↑プレートの前で小川知事や同僚議員と)
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(↑友好桜花園がある中山陵園管理局局長の黄さんと祝賀会にて。日本と中国における女性登用の違いについて興味深いお話しを頂きました)

また、今回は次世代を担う青少年の交流を通じた両県省の相互理解と友好推進が図られました。
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(↑八女から青少年交流に参加して頂いた皆さん)

江蘇省は八女茶発祥の地と言われており、その点でも福岡県とは深い結びつきが有ります。記念式典の中では八女高校と輝翔館高校の茶道部の方にお手伝いを頂き「日中友好大茶会」が開催。その後、高校生の皆さん達は地元高校生との親善を行った後、八女茶の種が持ち帰られたと言われる蘇州の霊厳寺を訪問しました。
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(↑日中友好大茶会は先ず中国側からお茶とお香のおもてなし)
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(↑それから屋外に出て、野点で日本側のおもてなし。琴や尺八の演奏もあり、素晴らしい雰囲気でした)
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(↑福岡県の服部副知事の奥様がお茶を点てられました)

大先輩の逝去、次世代の交流。記念植樹の後、訪問団名誉団長である小川知事と雑談する中で、知事が「月日が経って、訪れる人は変わっても、ここに植わっている桜の木は変わらない、同じなんですよ。桜にしてみれば、我々人間の移ろいなんて小さな事だなぁと思っているかも知れませんね」と仰ったのが印象的でした。
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(↑新宮松彦先生の遺影を掲げた御令息と共に)

『集まり散じて人は変われど、仰ぐは同じき理想の光』

二泊三日の弾丸出張でしたが、非常に充実した中身の濃い訪問となりました。

【総務企画地域振興委員会管内視察 春日市・大野城市・北九州市】

【総務企画地域振興委員会管内視察 春日市・大野城市・北九州市】
委員長として第二回となる管内視察は春日市・大野城市・北九州市へ参りました。備忘録代わりに書き留めます。

春日市「埋蔵文化財などを活用した地域振興の取組について」
春日市立「奴国の丘歴史資料館」を視察しました。冒頭では公務ご多忙の中、井上澄和市長にご挨拶を頂き有り難うございました。
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春日市は須玖岡本遺跡をはじめとし特に弥生時代の遺跡が多数発掘されており、全国の弥生時代の研究者の聖地となっているそうです。これを文化財行政のみならず「弥生の里かすが、奴国の丘フェスタ」を毎年開催するなど地域振興にも積極的に活用されています。
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総務企画地域振興委員会は私自身邪馬台国のみやま市ですし、それ以外に大野城市・太宰府市・糸島市・宗像市など古代に縁の深い地域から選出された議員が所属しており、途中から春日市職員の方を巻き込んで「奴国」や「邪馬台国」の論争となり大いに盛りあがりました。

大野城市「コミュニティによるまちづくりについて」
こちらも公務ご多忙の中、井本宗司市長と田中健一議長にご挨拶を頂きました。
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1月25日発売の日経ビジネスの特集記事「活気ある都市ランキング」で大野城市は武蔵野市に続いて全国第二位になっており井本市長もお慶びのご様子。大野城市は市施行の昭和47年に36752人だった人口が、大型団地や区画整理事業から急激な都市化が進み、平成27年には99254人と約2.7倍の人口増となっており、市は住民融和運動として「まどか(円)運動」を提唱して住民同士の交流をはかられるなど以前よりコミュニティを中心に先進的なまちづくりが進められています。その歩みや基本理念、また先進事例として「地域活動インターンシップ研修制度」「買物代行『ごきげんお届け便』」「新コミュニティ交付金事業」「使ってバンク事業」などを解説頂きました。特に「地域活動インターンシップ研修制度」をはじめとするコミュニティ構想推進の為の人的支援制度として、市職員を様々な形でコミュニティに関わらせる取り組みは大変参考になりました。

また、井上・井本両市長は福岡県議会議員の先輩でもあり、県政から市政へ、そして議員から首長という違うステージでしっかり活躍されている姿を拝見すると大変刺激になります。

北九州市「日明工場及び粗大ゴミ資源化センター」
日明工場と粗大ゴミ資源化センターは隣接する施設です。こちらで北九州市が進める資源ゴミリサイクルと余熱を使った発電事業について説明を頂きました。
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電力の自由化にともない、みやま市は市内を中心とした太陽光余剰電力の買取と買電を行う「みやまスマートエネルギー(株)」という会社を立ち上げましたが、北九州市は日明工場にてごみを焼却するさいに発生する余熱を有効利用し、高効率のタービン式発電機を設置しています。太陽光や風力と違い、24時間コンスタントに約6000kwを発電することが可能で、規模的には約1万世帯の電気をまかなうレベル。北九州市はこの電力を企業向け専用として販売するとの事です。余談ですがゴミピットとゴミクレーンを見学したのですが、UFOキャッチャーの巨大版を見ているかのようでワクワクしてしまいました。自分はこういう巨大な施設を見るとテンションが上がるのです!
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駆け足の報告になりましたが、大変有意義な視察となりました。井上副委員長をはじめ委員の皆様のご協力に感謝致します。

【やっと逢えた!憧れの「ばかもの」木村俊昭先生】

【やっと逢えた!憧れの「ばかもの」木村俊昭先生】
1月28日に九州各県議会議員研修会が熊本で開催されました。当初、他のスケジュールとの兼ね合いもあったのですが、その講師が木村俊昭先生(東京農業大学教授)と知り一も二も無く参加する事させていただきました。

2009年にNHKで放送された「プロフェッショナル 仕事の流儀」、「”ばかもの”が、うねりを起こす」というテーマで当時内閣官房・内閣府・企画監として地方創生(当時はそんな言葉はありませんでした)に奔走している木村俊昭さんを知り、その後刊行された「『できない』を『できる!』に変える」という書籍を貪り読み、それまで考えもしなかった故郷への熱い想いを呼び覚まされた事を昨日のように覚えています。
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その二年後に会社員の職を辞して県議会議員に挑戦する決断をし、初めての一般質問の結びで「できない理由を探すのではなく、県民のために一緒に知恵を絞り、どうやったらできるのか前向きに取り組んでいただくことを要望する」と知事に伝えたのはまさに木村さんが地域に伝え続ける「できないをできるに変える」精神に感化されてのものです。その想いは今でも全く変わりません。

いつもより短い講演時間だったそうですが、その中で「地域の産業・歴史・文化を徹底的に掘り起こし磨き上げる」「故郷を愛する子供達を育てる」「行政は順番を間違っている」「何故出来ないのか?一部の地域の一部の人が決めているから。広聴が大事」「誰をパートナーにして誰をブレインにするのか?」「3年やって駄目なら永遠に出来ない」などなど、貴重な木村イズムをたっぷり注入して頂きました。

特に皆さんと共有したいのは「順番」の話。行政は最初に企業誘致や移住など外部に助けを求めるのではなく、地元企業・基幹産業の振興⇒地元からの起業⇒企業誘致、或いは、定住促進⇒移住、という順番で今まで地元に住んでいる、地元で商いをしている方々の満足度を上げることが優先順位の最初にこなければならないという内容。私も人口減少対策は、まずは地域の基幹産業に後継者がUターンしてくるような環境を作ることこそが持続可能な地方都市にする一丁目一番地と考えます。その為にも「地域の産業・歴史・文化を徹底的に掘り起こし磨き上げる」事が必要になるんですね。
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7年前に故郷に対する考え方を一変させられ、いつかこの人と会いたいと思って、その願いが叶うことに奇跡を感じずにいられませんでした。
ちょっとオーバーですか(^_^;)
でも、この感動を必ず県政振興に反映させるよう努力致します。

また、もう1人の講師である徳島県神山町の「神山プロジェクト」仕掛け人、大南信也先生(NPO法人グリーンバレー理事長)の講演も素晴らしかった。
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徳島県神山は人口僅か6000人の中山間地。地域課題を「雇用が無い・仕事が無い」と設定し、「若者が古里へ帰ってこられない」「移住者を呼び込めない」「地域を担う後継人材が育たない」という現状を打破するために「神山プロジェクト」を立ち上げます。

その手法は木村俊昭先生とは全く逆の発想で「IT・映像・デザインなど働く場所を選ばない企業の誘致」「町の将来にとって必要になる働き手や起業者の誘致」「求職者支援訓練制度を活用し、首都圏出身・クリエイター系の若手を呼込み、後継人材の育成」という、町に無いものを外部から招き入れ健全な人口構成や、ビジネスの場としての魅力や産業のバランスを目指すというものでした。

しかし、そのプロジェクトの先には、本丸である地元農業の振興や、資金の地産地消による地域からの起業家の創造という地域内経済循環が最終目的地として存在しており、手法は様々あれど地方創生という頂は同じなのだと納得します。

大南先生の「人口減少は絶対に避けられない。だから過疎化の現状を受け入れ、数では無く内容を改善する」すなわち「創造的過疎」を目指すというコンセプトには唸ってしまいました。弱点を特徴として捉える前向きな発想に裏打ちされる、「隠された図書館」や「山の中の歯医者さん」などの解説には元気づけられます。
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書き始めると止らないほど、充実したお二人のご講演でした。じっくり咀嚼して今後の活動に取り入れていきます。木村先生・大南先生ありがとうございました!

【イングランド・ロンドン視察 その2】

【イングランド・ロンドン視察 その2】
10月29日から11月4日迄小川知事と県議団有志にて行ったイングランド視察の備忘録第二回目です。前回のレポートは此方で↓
http://itahashi.info/blog/20151105180654

ブライトン・コミュニティスタジアム:
ロンドン市内からバスで移動して約2時間半。「ブライトンの奇跡」と称される日本対南アフリカの試合が開催された競技場。2019年の大会で福岡県の会場となるレベルファイブスタジアム(正式名称:東平尾公園博多の森球技場)と近い規模との事もあり、大会に向けての会場運営について視察して参りました。
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この競技場、普段はイングランド・プロサッカーリーグであるフットボールリーグ2部に所属するブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCのホームグラウンド。名称もAMEXがネーミングライツを取得し「アメリカンエクスプレス・コミュニティスタジアム」の名称で運用されています。しかし今回のラグビーワールドカップのメインスポンサーがAMEXのライバルであるマスターカードであったため、試合二日前よりラグビー用にグラウンドコンディションを変更し、AMEXの看板を全部撤去するなど数千万円規模の改修に迫られたとのこと。一方で、サッカーの試合の時はホームとアウェイのファン同士が喧嘩をしないよう観客席に緩衝地帯を設けなければならず、最大収容人数30750人のキャパを活かしきれないが、ラグビーの場合は緩衝地帯を設けずに最大収容人数分の観客を受け入れる事が出来たそうです。
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レベルファイブスタジアムも現在サッカーのアビスパ福岡の本拠地であり、またレベルファイブがネーミングライツを取得しており、2019年大会では同じような問題点があると考えられ大変参考になりました。
また九州は福岡・熊本・大分と3カ所の試合会場を擁しますが、ロンドンーブライトン間の2時間半という移動時間を経験することで、キャンプ地としても観客の周遊コースとしても九州全域に大いなる可能性を感じます。
また視察の最後にはピッチの中にご案内頂き、ヘスケス選手の逆転トライの場所を拝むことが出来ました。にわかラグビーファンも感無量!
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余談ですが、日本対南アフリカ戦では抽選の結果、南アフリカがホームチームの控室、日本がアウェイチームの控室をつかったそうです。それぞれの控室を視察させて貰ったところ、ホームチームの方が全然設備が良いんですよね(写真左が日本代表、右が南アフリカ代表。随分扱いが違いますよね(^_^;))。
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ロンドン福岡県人会:
福岡県は他県に比べ圧倒的に海外県人会活動が盛んです。今年もアルゼンチンやシアトル、バンクーバーの県人会との交流が予定されております。
ロンドン福岡県人会は、38年前、福岡県出身のロンドン在住者が交流し親睦を深める中、自然発生的に設立。その当時からのメンバーで、現在は留学コンサルタント会社代表の佐藤幸夫氏(大牟田市出身)が会長。会員数約70名で、年に1−2回の交流会を開催しているそうです。
日本人にとってロンドンは移住者より転勤・留学で訪れる方が圧倒的に多く、1年経つと顔ぶれが変わるため会の運営には色々とご苦労もあるようですが、佐藤会長の人柄が滲み出る温かい福岡弁(というか大牟田弁)に惹き付けられた皆さんの交流の輪が広がり続けているそうです。
今回は14名の参加でしたが、福岡をはじめとする日本企業の駐在員、現地企業勤務の方、ロンドンで会社を立ち上げている移住者などなど様々な皆様と意見交換出来ました。
昨今ロンドンでは「WASABI」や「WAGAMAMA」という日本食チェーンが隆盛ですが、これらは中国・韓国資本。日本人のこだわりが逆に日本人の海外進出に対する障壁をつくっているという厳しいご指摘は大変参考になりました。また英国の会計制度、法制度などの違いを面白おかしく解説頂いたり、日本のWifi環境が外国人観光客にとって具体的にどういう困難があるのか等、こういう生のざっくばらんな意見を賜れることは本当に貴重な福岡県の財産です。議会としても引き続き全世界の県人会の皆様と友好関係づくりを続けなければなりません。
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「ジャパン・ツーリズム・ウィーク」オープニングセレモニー:
ロンドンでは、11月2日より世界最大級の観光産業向け国際見本市「ワールド・トラベル・マーケット」や11月5日から「The Telegraph スキー&スノーボードショー」という大規模な観光イベントが開催されます。日本の自治体や旅行会社もイベントに出展するため訪英するため、それに併せて世界的な旅行ガイドブックとして著名なロンリープラネット社はじめとする英国のメディア関係者・旅行会社をご招待して行う、外務省と観光局が共催する日本観光のPRイベントです。
会場となった在英国日本大使館には北は北海道から南は沖縄県まで多くの自治体が参加されていましたが、特に今回は福岡県と2020年東京オリンピックでの英国キャンプ誘致が決定している岐阜県が県産酒のPRを行うという事で小川知事と古田岐阜県知事はじめとする両県関係者は議会関係者含み多数参集していました。
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【イングランド・ロンドン視察 その1】

【イングランド・ロンドン視察 その1】
10月29日から11月4日迄小川知事と県議団有志にてイングランドを視察しました。
ロンドンで開催されていたラグビーワールドカップの次回試合会場開催地として世界中からご参集頂くラグビーファンの受入体制を実際に学び、またラグビーワールドカップ2019、東京オリンピック・パラリンピック2020のキャンプ地誘致や観光客誘致の為のプロモーションを主たる目的としております。
主要な視察内容について備忘録代わりに、2回にわたり書き留めます。

福岡プロモーション:
到着初日に行われた、メディア関係者・在英旅行代理店・英政府関係者向けに行われた「福岡プロモーション」には在英日本大使の林様、VisitJapan大使のMartin Barrow氏、そしてラグビーワールドカップ2019組織委員会事務総長の島津様など多くのご来賓にお越し頂き、賑やかに楽しく福岡の事をPRする機会を頂きました。
小川知事も英語とスライドを駆使して福岡のプレゼンテーション。01-DSC00751
見聞きするだけで無く、福岡の食を体験して頂こうと、県産日本酒を含めて設けられた飲食ブースも大人気。特に一風堂さんが提供された博多ラーメンは長蛇の列でした。最後に琴の生伴奏で舞う日本舞踊が披露され、大きな拍手のなか終了しました。
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トラファルガー広場ファンゾーン:
トラファルガー広場に開設された「ファンゾーン」。超大型の特設スクリーンで、決勝戦では約4万人を向かえてのパブリックビューイングが予定されているとの事。我々が訪問したのは昼間でしたが、子供がラグビー体験を出来るスペースがあったり、仲間とトライシーンを再現する写真撮影コーナーがあったり(これが意外に大人も盛りあがる)と試合が無くてもラグビーファンが気軽に立ち寄れるような交流スペースになっていました。日本も「Japan Pavilion」の宣伝ブースを開設し、時期開催国としてのPRに余念がありません。
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ジャパンパビリオン:
Japan Pavilionを訪問。当日はレセプションが開催されており、小川知事・高島福岡市長をはじめとする試合開催地の首長が勢組織委員会揃い。ラグビーフットボール協会、ラグビーワールドカップ2019組織委員会の会長はじめ役員の皆様。それ以外にも森元首相、初代スポーツ庁長官鈴木大地氏、現在ロンドン在住の布袋寅泰氏など錚々たるメンバーが集いました。その後、小川知事と井上議長は英国オリンピック協会の「キャンプ地選定責任者」を訪問し福岡県のPRと福岡県におけるキャンプ実施の検討を依頼しております。
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ラグビーワールドカップ3位決定戦:
「南アフリカ VS アルゼンチン」で行われた3位決定戦をオリンピックスタジアムにて観戦。運営・セキュリティ体制を中心に会場内外を視察させて頂きました。もちろん試合も観戦。前評判ではアルゼンチンが優勢で、応援団もアルゼンチンの声が圧倒的に大きかったのですが、序盤より日本が下した南アフリカが攻め続け危なげなく勝利。
何より嬉しかったのは、会場内で販売されていた「3位決定戦試合ガイド」の巻頭に特集されていた「10 Magic moments from RWC2015」の中で、最も観客を魅了した瞬間として日本VS南アフリカの試合が一番最初に紹介されていた事です。あの試合の素晴らしさは日本だけで無く、世界のラグーファンも認めてくれているんだと本当に実感する事が出来ました。会場内でもボランティアや観客の方に日本から来たと言うと、皆さん「おお、あの日本か!」と随分喜んでくれました。ラグビーを通じて日本に対する親近感が増している事を感じます。この流れを2019に向けて加速させたいものです。
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【イングランド・ロンドン視察 その2】に続く http://itahashi.info/blog/20151108124157

【こども・子育て特別委員会で田川・みやこ町を視察しました】

【こども・子育て特別委員会で田川・みやこ町を視察しました】
先週は総務企画地域振興常任委員会の視察を報告させて頂きましたが、本日は所属している「こども・子育て支援調査特別委員会」の管内視察で田川・京都郡みやこ町を訪問しました。
以下、視察先と備忘録

(1)田川児童相談所
児童福祉法や児童虐待防止法に基づき相談援助活動を行う児童相談所は、平成21年度から児童虐待などの相談に迅速に対応するために6カ所体制で運営されています。
田川児童相談所が管轄する地域は旧産炭地域、生活状況(経済的)が不安定な世帯が多い、生活保護受給率が高いなどの特徴があります。平成26年度の相談件数は1665件とここ3年は減少傾向にあります。その内122件が虐待の相談との事。
児童虐待事案に適確に対応するために平成27年度から警察官を配置し、援助要請、対置入り検査、臨検・捜索などに関する所轄警察署との連携体制推進が図られています。
視察では実際に保護された児童の居室なども見せて頂きましたが、不安定な精神状態から壁が蹴破られていたり、壁紙が引きはがされていたり、乱暴な落書きがあり、その心中にある我々では計り知れない闇を目の当たりにしました。職員の皆様も24時間体制で対応が求められ、体力・メンタル面共に厳しい職場環境で頑張っておられます。
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(2)豊津寺子屋
平成16年に開設された、子育て支援事業「豊津寺子屋」は「子供の元気・熟年の元気・女性の元気」を目的に、「保育」と「教育」を統合した安心安全な「居場所作り」+「活動づくり」を中核機能としています。
放課後児童クラブ(学童保育)とアンビシャス広場と放課後子供教室を足して割ったようなイメージ。
ボランティアの有志指導者は55名いらっしゃいますが、タダでは絶対に長続きしないとの信念の下、3時間程度の指導に対し1500円の活動支援を行っています(この活動支援費はみやこ町からの補助金)。
また、「体力」「我慢強さ」「約束や決まりを守る」「思いやりや協力の心を持つ」「発表力、発言力」などの目指す子供像を設定。時には厳しい指導も行うそうで、そういった指導方針や必要経費(1日100円)に賛同された保護者が同意書を添えて申込みをするスタイルだそうです。
実際の指導現場を見学しましたが、最初に寺子屋の理念と宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の暗唱からはじまり、規律ある中にも伸び伸びと群れ遊びに興じる子供達の姿をみてこちらも元気になりました。
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(3)認定こども園「太陽の森」
太陽の森は県内では大変珍しい「保育所型認定こども園」です。平成26年に認定されました。
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最大の特徴は施設に併設して妊婦や就園前の乳児を抱えたお母様が集い育児に対するサポートを受けることができる「子育て支援センター(いわゆる、子育てひろば)」や小学生の放課後の居場所を確保する「放課後児童クラブ」を併設していること。またこの園のとなりには小学校があり、妊娠時期から小学校6年になるまで一貫して子育てサポートが受ける事が出来ます。まさに地域に密着した安心して子育てが出来る環境が構築されており、これから子供を持とうというご夫婦にとって凄い魅力に映るのではないでしょうか?
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また外観・内装ともに非常にお洒落!写真だけみたらちょっとしたCafeですよ。そして、見た目だけではなく、いたる所に子供が喜びそうな隠れ場所やハシゴがあり、遊び心が刺激される作りでした。また1階は仕切り扉を開放すると大きなホールに変身し、入園式・卒園式はそこで行われるそうです。
施設自体は国のこども園建設の補助金を含め、過疎債なども上手く活用しているとの事。運営的にも工夫が凝らされており、大変参考になりました。
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【東京・石川・富山方面、管外視察備忘録】

【東京・石川・富山方面、管外視察備忘録】
総務企画地域振興委員会として最初の管外視察に行ってきました。視察には福岡県内を視察する「管内視察」と県外に向かう「管外視察」があります。前者は2年の任期で大体4-5回ほど、日帰りか一泊二日。後者は任期中に大体2回、一泊二日か二泊三日の旅程となります。
今回の訪問先と目的及び所感を備忘録代わりに書き留めておきます

(1)東京臨海広域防災公園「防災学習施設と内閣府所管の防災拠点施設について」
湾岸エリアに基幹的広域防災拠点として平成20年に竣工された施設。東京湾沿いなので津波や地盤が心配かと思ったが、このエリアは防災を前提とした埋め立て地で、建物の耐震設計や津波の高さも含め綿密に計算をされているとの事。大地震の時は逆に外に出ずに建物の中で待機を呼びかけているそうです。
防災拠点機能であるオペレーションルームは約960平米、300インチのモニターを備え圧巻でした!写真を撮ったのですが、ネットでの公開には内閣府の許可が必要とのことですのでまた後日。
また併設されている防災体験学習施設は、エレベーター内にて震度7の首都直下地震が発生して、そこから避難までの流れが体験出来ます。これがもの凄くリアル。避難所を再現してあったりと、非常事態をシミュレーションする事が出来ました。

(2)東京都議会「東京オリンピックへの取組状況などについて」
なにかと話題になっている2020東京オリンピック・パラリンピック。視察を受け入れて貰えるか心配しておりましたが、東京都オリンピック・パラリンピック準備局大会準備部施設調整担当課より大会準備の状況をご説明頂きました。IOC会長がロゲ氏からバッハ氏に交代し打ち出されたオリンピックアジェンダ2020や、近年IOCが最も力を入れているテーマの一つである「オリンピックレガシー」を東京都として取り込んでいるとの事。新国立競技場の問題はこのオリンピックレガシーを理解すると全く見方が違ってきます。
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(3)金沢海みらい図書館「図書館を起点とした地域コミュニティづくりなどの取組について」
武雄市のTSUTAYA図書館が注目を浴びておりますが、図書館は年齢を問わず多くの方々が交流出来る地域コミュニティの核となる施設。金沢市は住民が4キロ圏内で図書館にアクセス出来るような配置を目指し、道路整備の為に移転をした工場跡地を利用して、平成23年5月に新たに海みらい図書館をオープンさせました。外壁に約6000もの丸窓をつけた、斬新なデザイン。それからの採光により照明を徹底的に工夫し、省電力化と「明るすぎない、読書に最適な環境」を構築。また書架の下から送風したり館内全体の空気を循環させ熱交換を活用するなどの省電力化も素晴らしかったです。「世界で最も美しい公共図書館25」「BBC 世界のスーパーライブラリーベスト4」「世界の魅力的な図書館ベスト20」日本建築家協会賞・日本図書館協会建築賞など数々の賞などに選出されています。学生の時ならここで「図書館デート」したいくらい素敵な施設でした。図書館機能以外にも約200席のホールやコミュニティスペースもあり、開業4年で約300万人の来場者で賑わっています。
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(4)富山県議会「空き家を活用した定住者受入に積極的な地域取組への支援について」
富山県では、大都市圏から富山県への移住・交流を促進する「くらしたい国、富山」推進本部を平成19年より設置。北陸新幹線開業や地方創生の気運を逃さず、人口減少や空き家対策などの取組を行っており、その説明を頂きました。
就職相談会などを併せて実施してUターンへのきっかけになることを目指す「30歳の同窓会in富山」。空き家バンクの登録から、更に流動化を促す仕掛けとして宅建協会・不動産協議会を巻き込み行う「空き家コーディネートの推進事業」など特徴有る取組を行われています。これらは福岡県やみやま市でも参考になりそうです。

(5)石川県議会「北陸新幹線金沢駅開業効果の最大化と持続・発展に向けた新たな石川の魅力づくりについて」
石川県においては、大変ご多忙な中、中村勲県議会議長にお出迎え頂きご挨拶を頂きました。
東京からの移動は今年3月に開通した北陸新幹線を使ったのですが、金沢駅に降り立った直後からその賑わい振りは凄かったです。過去3時間47分掛かっていた東京~金沢間の移動が2時間28分となり、東京近郊から来訪者が激増。首都圏からの入り込み客数を500万人に設定。開業効果を県内全域に波及させ、リピーターを増やすよう「おもてなし」をキーワードに、観光事業者等の指導者層の底上げや、観光客の意見の把握・迅速な改善の仕組みを構築し、県民自らもおもてなしを考えるきっかけづくりの機会を作ったり、全県挙げての取組が進んでいます。
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総務企画地域振興委員会視察報告(みやま、柳川、大牟田、筑後)

8月3日から4日にかけて、総務企画地域振興委員会の委員長として記念すべき第一回目の委員会管内視察に行って参りました。みやま、柳川、大牟田、筑後の地方創生に関する取組がテーマです。ちょっと時間が掛かりましたが、今回視察した4カ所について備忘録

1)リニューアルされた西鉄柳川駅を中心とする周辺地域の再開発
金子健次市長直々にご説明頂きました、ご多忙の中有り難うございました。現在年間130万人を迎える柳川市の観光振興の玄関口となる柳川駅のリニューアルについては、西鉄柳川駅周辺地区デザイン会議を立ち上げ、その下で「利活用市民ワークショップ」や「柳川らしいデザインを考える会」など住民レベルの意見交換を取り入れられたそうです。
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2)明治日本の産業革命遺産を構成する三池港の閘門
今年7月に世界遺産登録を受けた、三池港の閘門は干満差が日本一激しいと言われる有明海において港内の水位を一定に保つために1908年に竣工されました。100年前から動き続ける僅か40馬力のモーターで今も開閉されます。このモーターの音が、現在のものと機構が違う為に発する違い甲高いカラカラカラという音色が何とも言えない歴史を感じさせます。

また、閘門を渡るための橋は、日本唯一と言われる非常に珍しい引き込み式の人道橋。

しかしながら、この閘門施設は一般公開されておりません。このように「明治日本の産業革命遺産」は実際稼働中の施設が多く含まれ、その維持保存もさることながら、地域資源としての活用に関して課題も少なからず感じます。

3)ソフトバンクホークス新ファーム本拠地
2013年12月に筑後に誘致が決定し、来シーズンより移転するソフトバンクホークスファームの本拠地。3000人収容のメインスタジアム、天然芝のサブスタジアム、高さ23メートル縦横65mで日本最大となる屋内練習場、選手寮、クラブハウス。来年2-3月の引き渡しに向け、約200人の現場作業員の方が炎天下の中、工事を進められています。新ファーム本拠地では、ファーム運営自体も事業化出来るよう色々と検討されているそうで、飲食スペースなども整備し、年間10万人の来場を目指すそうです。
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地域の皆さんが大変期待しており、県や近隣市もしっかり協力する体制を作りたい旨お伝えしました。

4)みやま市 大規模HEMS情報基盤整備事業
西原親市長と「みやまスマートエネルギー株式会社」の磯部達社長からご説明を頂きました。
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みやま市では経済産業省の大規模HEMS情報基盤整備事業が自治体として唯一採択されております。市内約2000世帯でモニターを設置し、個々の電気使用を見える化し、様々な実証事業を行います。また同時に、電力の自由化を睨み「みやまスマートエネルギー株式会社」を立ち上げ、低圧電力の売買事業に自治体として初めて参入しております。こちらは将来的に「ふるさと納税」ならぬ「ふるさと買電」のような新たな自治体の魅力作り・活性化に繋がる可能性があり、多くの自治体から視察が舞い込んでいるそうです。
地元に住んでいると現状が当たり前になってしまい鈍感になるのですが、委員の皆さんの質問が一番活発だったのはみやま市の視察でちょっと嬉しくなりました。

福島県で活躍する福岡県警察官を激励など、視察報告

11月10日から12日まで、所属する警察常任委員会の管外視察で茨城県・福島県・東京都を訪問しました。その中で幾つかを備忘録代わりにメモしておきます。

福島県では東日本大震災の福島第一原発事故の影響で昨年4月まで立ち入り禁止区域に指定されていた富岡町のJR富岡駅周辺を視察。
現在も居住制限区域となっており、ここは3.11から全く時間が止まったかのような状況でした。

地震が発生した2時46分を指して止まっている時計
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津波で半壊しているビル・家屋、放置されたままの車両
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駅舎が跡形も無く消えている富岡駅
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また、地震直後避難誘導中に津波に呑まれ帰らぬ人となった福島県警双葉署勤務の増子洋一警部補と佐藤雄太巡査部長(役職は当時)が乗車していたパトカーに向かいご冥福をお祈りしました。
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その後、福島第一原子力発電所を有し、管轄区域の多くが避難指定区域である福島県警双葉警察署の臨時庁舎を訪れ現状視察
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双葉署は元々の庁舎が避難区域の為、現在「道の駅ならは」を借りて業務を遂行しています。昨今は除染作業の為に作業者が全国から集まった為に住居が周辺に不足しており、署員の多くがいわき市から1時間ほどかけて通っている状況。避難人口67,355人、一方で完全帰還者2,453人(帰還率3.6%)という状況で留守宅を窃盗などの犯罪から守る為に日夜努力されています。

また同時に福岡県警から福島県警に特別出向している12名の警察官から報告を頂き激励して参りました。
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彼らの腕に輝く「ウルトラ警察隊」の腕章。

これは福島県に全国の警察から特別出向者として集まった皆さん(現在225名)の総称で、遠くM78星雲から地球の平和を守るためにやってきたウルトラマンになぞらえて、円谷英二さんが福島出身という御縁も有り円谷プロの全面支援を受けてこの呼称に決まったそうです。
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大変厳しい任務とは思いますが、しっかり被災地の為に頑張って頂き、大きく成長して福岡県警に戻ってきて頂く事を期待します。

茨城県ひたちなか市にある「自動車学校安全運転センター 安全運転中央研修所」は約100ヘクタール(東京ドーム20個分)の広さを持ち「運転上の危険」を安全に体験出来るコースなどを持つ総合的安全運転研修施設です。例えば路面での横滑りやスリップ、ハイドロプレーニング現象、急停止、突然の障害物から危険回避などなど、これをシミュレーションではなく、実際の車を運転して体験する事が出来ます。またバスや大型車、特殊車両などの専門技能研修や安全運転実技指導者の研修なども行い、これまで30万人以上の研修生を送り出しているそうです。

今回我々も視察の中でテスト走行をし、運転姿勢の指導や時速60kmのスピードでABS(アンチロック・ブレーキ・システム)をしっかり効かせる急停車の体験をさせて頂きました。
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時速60キロで走行する経験はあっても、急ブレーキから急停車という経験はありませんでした。運転上の危険限界を知ることで逆に安全運転への意識が芽生える事を実感しました。

また、常陸多賀駅前に設置されたランドアバウト方式交差点
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大変話題になっており、県議会などでも議論をされております。信号が必要ないので災害に強い(その為、東日本大震災の教訓から宮城県を中心に採用されています)、徐行して交差点に進入するため重大事故が起きにくい、などメリットも多いのですが、(常陸多賀駅前と同じ直径28mのラウンドアバウト交差点の場合)1時間に一方向から800台以上の車両が進入すると車が環状交差点内で数珠つなぎになり機能不全を起こす、信号は不要だがその分交差点の形状が大きくなるため用地確保が必要など、設置環境に左右される交差点のようです。
常陸多賀駅の場合、駅への侵入路はじめ、交差点自体が所謂四つ角ではなく非常に複雑な形状をしており、こういう場所には適しているのではないでしょうか。

他にも色々視察させて頂きましたが、今日はここまで。この経験をしっかりと今後の活動に活かしていく所存です!

景気雇用特別調査委員会視察

Facebookでもご報告していたとおり、所属している景気雇用特別調査委員会の視察で兵庫県と大阪府を訪問しておりました。

兵庫県では県議会を訪問し政策労働局より兵庫県が取り組む職業能力開発についてご説明頂きました。

中でも印象的だったのは、兵庫県立ものづくり大学校に併設された「ものづくり体験館」。兵庫の匠や企業OB、賛助団体等の熟練技能者が先生となり、調理・左官・石工・服飾・木工・電工・金工・造園等々中学生に対して匠の技を実演し体験指導を行います。平成25年度に本格オープンして初年度から申込み殺到で、予算一杯一杯の102校1万2千人以上が利用しています。今年度もほぼ同じ規模の参加者を見込んでいるとのこと。

中学生位の多感な時期に、実際の職人技に触れる事は子供達にとっても将来の進路を左右するような大きなきっかけになると思いますし、企業OBなど地域の先達にとっても後輩達へ自らの分身とも言える熟練した技能を披露することはやりがい有ることでしょう。

大阪府では府の施設である「ものづくりビジネスセンター大阪(MOBIO)」と「OSAKAしごとフィールド」を視察。
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特徴的だったのは、本庁の担当課が本庁舎ではなく丸ごと施設内に入り込み施設運営、事業運営にきめ細やかな携わり方をしていました。また普通2-3年で人事ローテーションが行われる公務員ですが、こちらの担当者の方は10年以上の方が居たり、その道のプロとしてビジネスマッチングや就業支援に取り組んでいます。官のビジネス支援や就業支援において、相談者との信頼関係構築は大切で、その点でローテーションの長期化は有効だと思います。

また、広報や施設の雰囲気がなんか「役所」っぽくない。
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ちなみに「レイブル」とは「Late bloomer(遅咲き)」の意味で、働いていない所謂ニートと呼ばれる人々の中で働く意欲を持ち行動をする人々を「レイブル」と呼んで、効果的な就業支援策を講じているとの事。
業務委託されているパソナの担当者に聞いたところ、これはパソナだけの方針ではなく大阪府が主導で「役所っぽくない」雰囲気作りを行っているとの事でした。

それと、所謂ブラック企業等を排除して、就業者がトラブルに巻き込まれないような中小企業を大阪府自らが金融機関と協働でピックアップし、冊子に纏めた「関西優良企業就活ガイド」
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大企業指向が強まり、求人に苦労している中小企業にとっては行政のお墨付きになります。一方で、公平性の観点でどうなんだろうという議論もあり、よくここまで踏み込んだなぁというのが率直な感想です。

民間企業では、東大阪が産み出した世界一企業「ハードロック工業」を訪問しました
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この会社、知る人ぞ知る「世界一緩まないネジ(正確にはナット)」を発明した会社です。写真は「ナニワのエジソン」こと若林克彦社長。

鉄道車両・施設、エネルギープラント、鉄塔、橋・道路等々、最近では東京スカイツリーに40万本が使用されていたりするハードロックナット。開発されて40年以上経っていますが、未だにこれを置き換えるような製品が出てこないというのが凄い。まさにコア・コンピタンス。若林社長から直接開発秘話などをお話し頂き大変参考になりました。

警察庁への陳情&皇宮警察

私は現在福岡県議会の警察常任委員会副委員長を仰せつかっていますが、この度野原委員長と共に警察庁を訪問し陳情をして参りました。
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主たる内容として

(1)暴力団壊滅のための抜本的措置として、新たな捜査手法の導入など法的措置、街頭防犯カメラ設置に対する自治体への財政的支援等
(2)暴力団対策の充実強化として、福岡県に対して捜査員・機動隊員の派遣継続、資機材車両の整備強化、暴力団犯罪捜査員への手当拡充等
(3)特殊詐欺撲滅に向けた水際対策の強化として、レターパックや宅配便が送金手段に使われる疑いがある場合の通報制度導入、携帯電話を不正取得し詐欺に使われないよう対策強化等
(4)治安基盤の充実強化として、凶悪犯罪・暴力団対策の推進の為に地方警察官の定員基準拡大、警察車両の充実、高齢者による交通事故対策として交通安全施設の充実

をお願いし、また福岡県に向けては既に暴力団対策として、全国の警察本部から捜査員・機動隊員を派遣して頂いておりそちらの御礼もしてきました。対応して頂いた組織犯罪対策部暴力団対策課長からは、福岡県警の樋口本部長が不退転の決意で暴力団対策に取り組んで頂いている事を高く評価して頂き、県下の状況について危機感を共有する事が出来たと感じました。

平行して、同様の陳情を福岡県選出国会議員に対しても行いました。来年度以降の政策への反映を切望するばかりです。

また昨日は皇宮警察本部を視察してきました。
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あまりご存じない方も多いかも知れませんが、枢密院の流れを汲み皇室守護という任務に特化し、全国の警察本部の中で最も定員が少ない(福岡県警本部が約1万人に対して、皇宮警察本部は約920名)のが皇宮警察です。
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同じ警察庁とは言え、枢密院をルーツにする皇宮警察は、事件の犯人を探して逮捕するという業務は殆どなく、皇室を護る為に警備・護衛・警戒・警防に特化した組織体制は我々が接する県警本部とは全く異質でした。

実は皇宮警察、定員数に対して福岡県出身者が多いらしく50名以上いらっしゃるとの事です。今回の視察の対応をして頂いたのも北九州市門司出身の方で、事前準備から説明まで大変懇切丁寧に対応をして頂きました。普通では入れない皇居の部分まで見学させて頂き大変勉強になりました、本当に有り難うございます。

ライオンズカップ開会&九州沖縄防衛議連総会

昨日より第15回瀬高ライオンズカップ杯みやま市少年ソフトボール大会が開催されます。
私はみやま市少年ソフトボール連盟会長として開会式のご挨拶をさせて頂きました。

みやま市少年ソフトボール連盟は8チームが加盟しています。決して多いとは言えませんが、その中から今年は大和ファイターズが県大会を優勝し8月9日から開催される九州大会に進出が決まりました。また先週末開催された第20回筑紫野市長杯小学校ソフトボール大会では36チームを勝ち抜き大江少年ソフトボールクラブが優勝の栄冠を手にしました。
みやま市民として地元チームの活躍を大変誇らしく思います。
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瀬高ライオンズカップは、瀬高ライオンズクラブの皆さんが地元少年ソフトボールの活発化とレベルアップを図るために開催して頂いているナイターのリーグ戦です。土日に行われるトーナメントタイプと違い1ヶ月近くで行われる長丁場、自ずと戦い方も違ってくると思いますが、今後控えるレインボーソフトボール大会など大きな大会に向けて鎬を削って欲しいです。

また昨日は九州沖縄防衛議員連盟連絡協議会総会が福岡県で開催され、九州・沖縄の8県24市町から防衛議員連盟が参加しました。
護衛艦「あしがら」や自衛隊装備品の見学を行った後、航空自衛隊西部航空方面隊司令官の宮川空将から「我が国を取り巻く安全保障環境と航空自衛隊の活動」というご講演を頂きました。
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地政学的に九州・沖縄は古来から重要な国防の要所であります。また一昨年の北部九州豪雨等大規模災害の時には自衛隊の災害対応が被害の拡大を防ぎ迅速な復旧を果たせました。
様々な情報収集や意見交換を行い、正しい知識の下自衛隊の活動実態に理解を深め、防衛意識の啓発を図る事は大切です。各地の防衛議連が住民の皆様と自衛隊の相互理解に寄与する事を期待します。

その防衛議連の見学会の最中、机からカメラを落としてしまったのですが、見事に液晶が割れてしまいました
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そんなに高い机じゃなかったのですが、、、、重宝していたカメラなのにショックです。

カリフォルニア州視察完了

7月14日から3泊5日でカリフォルニア州を視察して参りました。

福岡県が既に友好提携しているハワイ州以外にも、米国本土で連携が模索できないかというテーマで、福岡県が事務所を設置しているご縁もあるカリフォルニア州に白羽の矢が立ちました。
カリフォルニア州は自動車による排ガス問題や水問題、IT・新エネルギーなどで福岡とも共通点が多い州です。また、日本で唯一県の事務所を置いているのが福岡県。カリフォルニア州政府、在サンフランシスコ総領事館、JETROロサンゼルスや600人の会員を誇る南加福岡県人会・サンフランシスコ福岡県人会との意見交換など、短い行程でしたが充実した内容でした。
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特に水素自動車に関しては、州政府として100カ所の水素ステーションを早急に設置し、普及を加速させたいとの意向をブラウン州知事が持っており、福岡県としても連携には大いに意味があります。
カリフォルニア州は1994年に大阪府と既に友好姉妹都市提携を結んでおり、一つの州で複数の日本の都道府県と提携できるのか?ちょっとハードルが高いのは正直なところですが、今後、議員間の交流や、現地福岡県事務所や福岡県人会を有効活用して部分的な連携も視野に入れ友好関係を模索できないかと思います。

これから報告書まとめを始めねば。。。

時差ぼけのせいか、この時間でも眠れません、決して眠くない訳ではないのですが、海外出張はコンディションの調整が大変ですね。

帰りの飛行機で「ガリレオX 科学との付き合い方」というビデオを見たんですが、これが面白かった!
統計の悪用により、相関関係をあたかも因果関係のように錯覚させるような物の言い方は以前から気になっていたのですが、そんな心のモヤモヤを晴らしてもらいました。「科学的に証明されている」という決め台詞に惑わされること無く、慎重に物事を見極めなければなりませんね。

「神宿る島」沖ノ島

自民党県議団にて結成された「『神宿る島』沖ノ島を考える会」の視察に参加しました。

初日は宗像市谷井市長、宗像大社高向宮司等をお迎えして宗像・沖ノ島と関連遺産群の世界遺産登録へ向けての活動や沖ノ島を始めとする宗像大社に関する概要説明が行われました。
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そして今日、宗像大社を構成する3宮である、辺津宮、大島にある中津宮、沖ノ島にある沖津宮を視察し参拝することが出来ました。
大島へ渡った際は船着き場に可愛い子供達の出迎えも
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中津宮参拝の後は元大島村教育長である梶原實様より大島地区のコミュニティ運営や、大島で取り組まれた小中連携教育についてのお話しを伺いました。
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島に暮らす子供達は中学校を卒業すると、つまり「15の春」になると島外で親元を離れ自立することが半ば強制的に求められるという特殊性、それに対応するための教育をどう築くのか等興味深いものでした。私の地元みやま市においても小学校合併や小中連携の施策が行われている中、参考になるべき所は是非取り入れて欲しいものです。

その後、約1時間をかけて「海の正倉院」とも呼ばれる沖ノ島へ。通常、波の高さが2mを超えると渡航中止となるらしいですが本日は晴天でベタ凪。念の為服用した酔い止めが活躍することもなく沖ノ島が見えてきました
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段々と近づくその全景は神々しいの一言。
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近づく者を拒否するかのような断崖絶壁。こちらも背筋が伸びます。
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沖ノ島手前にある天狗岩と御門柱は沖津宮における鳥居のようなものらしいです。昔はこの間を舟が通って沖ノ島に出入りしていたそうですが、岩場が危険な為外側を回るそうです。上の写真の右の岩(御門柱)の右端を拡大すると実は釣り人がいるのが分かりますかね?ここら辺は絶好の磯釣りのポイントらしいです。

沖ノ島は「お言わず様」とも呼ばれ、「沖ノ島で見たり聞いたりしたものは、一切口外してはならない」との言い伝えがありますので沖ノ島上陸から先はブログにて詳細はお伝えできませんが、「一木一草一石たりとも持ち出してはならない」との禁忌の下、1600年もの間遺跡がほとんど手付かずの状態を保ってきたのは世界遺産として十分価値あるものだと思います。
一方で、世界遺産として登録されたとしても、「沖ノ島で見たり聞いたりしたものは、一切口外してはならない」「一木一草一石たりとも持ち出してはならない」「女人禁制」「上陸前の禊」等の禁忌とどう折り合いを付けるのか宗像大社を始めとする地元の皆さんとよく考える必要があるでしょう。

3宮の訪問によりもの凄いパワーを頂戴し、明日からの活動に弾みが付きました。特に沖ノ島は次いつ訪れる事が出来るか分からないほど上陸が困難な場所。関係各位のご配慮により大変貴重な経験をさせて頂いたと感謝しています。宗像市、宗像大社はじめとするご支援頂いた皆様本当に有り難うございました。

[参考]映像番組 沖ノ島 ~ 古代の祈りを今に伝える神の島(click!)