【九州自立の会広域行政セミナー講演「東京の政治、日本のこれから」】

【九州自立の会広域行政セミナー講演「東京の政治、日本のこれから」】
6月7日から6月定例議会が始まりました。その初日に「九州の自立を考える会(九州自立の会)」の総会と広域行政セミナーが開催され、中央大学名誉教授の佐々木信夫氏が「東京の政治、日本のこれから」と題して講演を頂きました。
この講演が大変刺激的、80分間瞬きも出来ないほど。備忘録として纏めておきます。

○ 人とインフラが老いる東京
東京は日本最大のリスクを抱える都市となっていく。
国民の1割、GDPの2割500兆円、国税収入の4割を集める東京が、日本最大のリスクを抱えている。今でも借家住まいが4割を超える高齢者。団塊の世代が75歳を過ぎる2025年以降、税金も家賃も払えず住む所がない高齢者=ホームレスが溢れる大都市・東京となる可能性がある。「人が老いる東京」。
50年前の東京オリンピックの頃、首都高速をはじめとするインフラが整備された東京。一気にこれらの「インフラが老いる東京」。インフラの維持整備の為だけで東京に3−4兆円の投資が必要。重大な財政危機に陥る可能性がある。
人が老い、インフラが老いる東京を地方が支えなければ日本は構造として国を維持することが出来なくなる。

○ 東京圏が抱える税収面でのリスク
東京圏(一都三県)は国民の1/4、3500万人が住む。2040年にはその1/3が高齢者になる。
東京圏においても高齢者の増加により、郊外から段々限界集落かが始まっている。市町村の主力財源は住民税と固定資産税だが、高齢者が増えることにより、住民税が激減し、過去ニュータウンと言われた団地には若い人が入らずお年寄りばかりで固定資産税が入らなくなっている。これらの税金が失われると自治体行政が成り立たなくなる。日本全体で見ると東京圏は発展しているように見えるが、郊外から崩壊が始まっている。一方で医療介護費用は急増。
ふるさと納税創設当初は年間150億円規模だったが、今年は約3000億円と伸びている。地方にとっては良いことかも知れないが、一方では東京を崩壊させる可能性も有る。

○ 小池百合子都政の功罪
2016年6月舛添前知事が辞任し、小池都政が誕生。2017年10月に希望の党が大惨敗するまで日本は小池百合子一色。
小池都政の看板は「東京大改革」しかしやっていることは東京を変えるという話ではなく、「都政の見える化」つまり「都政改革」のレベル。看板とやっていることに大きなズレが有る。結局1年半経って小池都政の評価は「問題提起は良いけれども問題解決は出来ない」だった。都庁官僚を使わず特定の特別顧問に政策の意思決定を委ねており、事実上都庁の官僚制度は機能不全に陥っている。
2020年の東京オリンピックの準備は大幅に遅れている。築地市場移転を遅らせたため、大動脈になる筈だった環状2号線の整備も間に合わず恐らく大渋滞が発生する懸念等。このままでは東京オリンピックは大混乱に陥るのではないか?小池都政はあと2年間有るが、その前に都知事の首を差し替えた方が良いのではないかという空気も有る(本人の耳には届いていないだろうけど)。
都政の混乱は5年半前、石原慎太郎氏が都知事を辞任してから始まっている。後継指名された猪瀬氏は僅か1年で辞任、舛添氏は2年4ヶ月で辞任。
都政には振り子があり、「経済重視・ハード重点」と「生活重視・ソフト重点」が都知事ごとに交互に入れ替わるのが特徴で、過去、東・美濃部・鈴木・青島・石原(+後継の猪瀬)の歴代都政はそうだった。しかし石原・猪瀬都政以降はこの都政の方向性が全く見えない。小池都政がやっていることは「都政の見える化」、経済ハード・生活ソフトどちらでもない。

○ 東京2割減反政策
都政が解決すべき問題3つの問題は(1)2020東京五輪の成功、(2)「老いる東京」問題への挑戦、(3)東京一極集中の率先抑制
東京一極集中の率先抑制の秘策として「東京2割減反と副首都形成、そして道州制」がある。国土面積僅か1%の東京に総人口1割が住むことは、住んでいる人にとっても幸せとは思えない。8年間掛けて1300万人の東京の人口を1000万人に減らすという東京の減反政策を、前回の東京都知事選で小池氏に挑んだ増田寛也氏に提案した(さすがに、その事を演説では触れてくれなかったが)。

と、ここまでが前半です。後半も書きたいと思いますが期待せずお待ちください。