平成29年予算特別委員会「出会い・結婚応援事業について」

◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。
 午前中の松下委員の少子化対策についてと質問がかぶってしまいました。重複する部分もあるかと思いますけれども、出会い・結婚応援事業について質問いたします。
 県では、少子化の要因である未婚化、晩婚化に対する取り組みとして、平成十七年度から出会い・結婚応援事業を行っております。私も、議会や委員会の中で再三にわたり、少子化対策の一丁目一番地は、若者が結婚して家族づくりのスタートラインに立つことと指摘をしております。その出会い・結婚応援事業の中でも出会いイベントの成否の鍵を握る「あかい糸めーる」、こちらの利用状況はどうなっていますか。

◯井上忠敏委員長 上村子育て支援課長。

◯上村子育て支援課長 「あかい糸めーる」は平成二十年度から運用を開始しております。初年度のメルマガ会員数は千百二十人でございました。これを市町村にも広報紙等で呼びかけていただきまして、平成二十七年度末で五千五百七十九人となっております。また、利用を促進するため、本年度スマートフォンへの対応及び希望する配信時間、対象年齢等の設定が行えるようにしております。システム改修を行いまして、利便性の向上を図ったところでございます。さらに、県境を越えた出会いを応援するために、福岡県が中心となりまして、二十八年九月から九州、山口各県共同の使用を開始しております。

◯井上忠敏委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔、簡明にお願いします。

◯板橋 聡委員 きょうは質問数が多いですから、利用状況を聞いただけなので。
 メルマガ会員数は二十年から増えていると。しかしながら、携帯をかえたり、メールアドレスを変更して、同一人物が二重に登録している、あるいは今現在使用されていないメールアドレスも含まれていると想像しますけれども、アクティブユーザー数をきちんと把握しておりますか。

◯上村子育て支援課長 この事業は委託をしておりまして、委託されている事務局のほうで把握はしております。

◯板橋 聡委員 では、課長のほうでは把握していないと。事業の正確な分析はできていないと思います。
 一方で、事業効果を高めるための取り組みはどうなっていますか。

◯上村子育て支援課長 先ほど言いましたように、スマートフォンへの対応等、そういうものの改修によりまして利便性を高めたところでございます。

◯板橋 聡委員 利用促進の取り組みを聞いたのではなくて、事業効果のことを問うたんですね。課長、この事業の目的とは一体何なんですか。

◯上村子育て支援課長 出会い応援イベントを広く発信することでございます。

◯板橋 聡委員 違います。出会いを提供し、若者が家族をつくり、スタートラインに立つことが最終目的ではないのでしょうか。事業目的の把握が曖昧で事業効果を高めるのは難しいと思いますけれども、進みます。
 その観点から見れば、カップル成立組数と成婚報告数の割合が著しく低い。婚活イベントで、平成十七年度から累計で八千六百五組。婚活イベントですよ。みんな、結婚するために相手を探したいと、そういうところのイベントで八千六百五組カップルが成立しているのに、成婚報告数は三百七十八組、約四%、これは成婚数を高める努力とかしておるのでしょうか。過去の追跡調査とか、カップルが成立した方たちへ背中を押すような、もう一手間入れるような目的達成のための分析や努力をされておりますか。

◯上村子育て支援課長 委員御指摘のように、今まで八千六百組のカップルは成立しております。それに比べまして、結婚の御報告をいただいたのが三百七十八組でございます。この結婚の報告につきましては、任意で報告をしていただくようにしております。そういうことから、これが全ての数ではないと思っております。
 それから、フォローについては、相談窓口を設置しておりまして、そこでカップリング後の悩みであるとか、そういうことの相談を受けております。

◯板橋 聡委員 これは聞く限り、ここでもちょっと事業の現状分析とか努力が若干足りないのではないかと思います。
 ここで、出会い・結婚応援事業を含む子育て応援社会づくり推進費の資料を要求しておりますので、お取り計らいのほどよろしくお願いします。

◯井上忠敏委員長 お諮りいたします。
 ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯井上忠敏委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
 執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。

◯上村子育て支援課長 直ちに提出いたします。

◯井上忠敏委員長 資料を正副委員長に確認させてください。
     〔資料確認〕

◯井上忠敏委員長 事務局は資料を配付してください。
     〔資料配付〕

◯井上忠敏委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。

◯板橋 聡委員 資料の説明を簡潔にお願いします。

◯上村子育て支援課長 この資料は、県の出会い・結婚応援に係る施策の予算事項であります子育て応援社会づくり推進費の、事業ごとの予算を記載したものでございます。予算額欄ですけれども、1)として二十八年度の予算額を記載しております。これには経済対策としまして二十七年度二月補正予算を組んでおりますけども、それを繰り越した分も含んでおります。2)に二十九年度の当初予算の額を記載しております。右のほうに主な増減理由を記載しております。
 以上です。

◯板橋 聡委員 平成二十九年度の子育て応援社会づくり推進費は一億七千七百万円となっており、補正分を含めた平成二十八年度予算と比較し、約八千二百万円の大幅減となっております。出会い・結婚応援事業の減額理由が右側に書いてありまして、出会い・結婚応援宣言大会が終わった、結婚・子育て動画配信事業が終了した、だから予算が減ったというのはわかりますけど、事業が一段落しようが、福岡県の命運を左右する少子化対策という大きな目標がある以上、新たに事業を投入するなど継続的な予算獲得の努力があってしかるべきではないですか。塩川財政課長の査定は厳しいかもしれませんが、頑張らないと。
 また、予算減の最大の要因である地域少子化対策重点推進交付金の落ち込みの理由は何かお答えください。

◯上村子育て支援課長 先ほど委員が申されました交付金の減でございますけども、国の採択条件のほうが非常に厳しくございます。国の審査で不採択となる可能性が非常に高いということで、交付金を活用し事業に取り組むという市町村が減ったためでございます。この減が非常に大きいところでございます。県としましては、国の採択の方針等に沿って、企業、団体、学校など地域における多様な主体の参画、そういうものが求められておりますので、県の企業を取り込んだ事業の内容等について市町村に積極的に情報提供しまして、国の追加採択に向けた申請を引き続き働きかけてまいります。

◯板橋 聡委員 国からの交付金である地域少子化対策重点推進交付金の減少理由について、国の採択条件が厳しいとか、それを理由に、市町村がこの交付金を利用して少子化対策事業に取り組もうとしなかったとか、まるで国と市町村に問題があったかのような話ですけど、こういうときに県はしっかり知恵出して、汗かいて、市町村の申請が採択されるよう努力するのが役割と理解していますよ。農林水産部なんか必死にやっていますよ、これは。本県については、県の役割が特にことしの最初の採択についてはほとんど機能していないように感じますが、どうですか、課長。

◯上村子育て支援課長 委員おっしゃるとおり、相当の減になっております。これは非常に厳しいものですが、追加の採択がございます。この追加の採択に向けて、県としましても最大限努力をしてまいります。

◯板橋 聡委員 しかし、問われるのは結果ですから。地域少子化対策重点推進交付金事業の予算は半減した、これが結果ですね。
 さらに指摘しておきたいのは、平成二十八年度の地域少子化対策重点推進交付金ですけれども、この資料には予算額一億五千七百万と書いてありますが、採択額というのが結局は七千万円ぐらいしかないと、事業採択されていなかったと聞いております。残りの九千万円というのはどこに消えたのですか。

◯上村子育て支援課長 これは補正予算で繰り越しており、減額等できませんので、そのまま残として残っております。

◯板橋 聡委員 そうすると、平成二十八年度のこの予算額で書いていますけど、この数字自体意味をなさない。そんな数字をもとに議論とかできませんね。
 私は、ちょうど一年前の予算特別委員会で、企業をもっと出会い・結婚応援事業に巻き込んで、社会全体として結婚を応援する機運を高めるように要請して、当時の野田子育て支援課長から、まずは子育て応援宣言企業のトップに働きかけて、結婚応援宣言をしていただけるよう取り組んでまいると力強いお言葉をいただきました。今まで出会い応援団体に参加していなかった子育て応援宣言企業の中から、新たに結婚応援宣言をしてくれた企業は何社ですか。

◯上村子育て支援課長 何社かということはちょっと正確には今、手元にありません。

◯板橋 聡委員 本当に知りませんか。

◯上村子育て支援課長 私が現在把握しておるのでは三企業でございます。三企業、三社です。

◯板橋 聡委員 平成二十八年十二月末、子育て応援宣言企業は何社ありますか。

◯上村子育て支援課長 五百五十六でございます。

◯板橋 聡委員 間違っています。子育て応援宣言企業です。

◯上村子育て支援課長 六千三社でございます。

◯板橋 聡委員 微妙に間違っています。六千二社。六千二社のうち、一年間でたった三社、パーセンテージにすると〇・〇五%。昨年、私、予算特別委員会で質問をしたと申しましたけど、そのとき高橋前福祉労働部長は私の問いかけにこうおっしゃられました。幸いなことに、子育て応援宣言企業を所管する新雇用開発課と結婚応援事業を実施する子育て支援課は、いずれも福祉労働部で所管しており、まずは仕事と家庭の両立支援に理解のある子育て宣言企業に働きかける、さらに両事業が相乗効果を十二分に発揮できるよう、福祉労働部長として責任持って対応してまいる、こうおっしゃられました。
 高橋前部長は退職し、野田前課長は昇進し、この場にはいません。あれだけ前向きで力強い答弁にもかかわらず、一年かけて六千二社中三社しか新たに結婚応援に協力してくれなかった。子育て支援課の不作為か、新雇用開発課が非協力的だったのか、福祉労働部長がちゃんと対応しなかったのか、結果責任はこの三者のどこにあるのか。唯一、去年とことし続けてこの答弁の場にいる山口課長、三択で答えてください。

◯井上忠敏委員長 山口新雇用開発課長。

◯山口新雇用開発課長 私、子育て応援宣言を所管しておりますけれども、昨年、予算特別委員会で委員のほうから御指摘いただきまして、私どもで子育て応援宣言に対してメールマガジンを配信しております。その企業に対する結婚応援宣言のお知らせ、それから二月一日に六千社大会を開催させていただきまして、その際にも結婚応援宣言についてのパネルの掲示などをさせていただいたところでございます。

◯板橋 聡委員 答えてください。

◯山口新雇用開発課長 お答えが十分でなくて申しわけございません。先ほど申し上げましたように、福祉労働部として同じ結婚応援宣言、それから子育て応援宣言、同じ部内でやっておりますので、双方で情報交換をしながら、私どもとしましては、先ほどを申し上げたような連携をしているところです。結婚応援宣言大会におきましても、子育て応援宣言の情報提供ということで、双方で連携して行っているところでございます。

◯板橋 聡委員 答えていませんよね。
 両課長の答弁からわかったことは、事業の正確な現状分析ができていない。事業目的をきちんと把握していない。国や市町村に責任転嫁して、新たな予算獲得や交付金獲得のための県として適切な努力もしていない。さらに、その予算も一体どこまでが子育て応援社会づくり推進に関連しているかわからない数字が載って、そしてとどめに、部長と課長が責任持ってやる、頑張ると答弁したにもかかわらず、一年間ほとんど全く成果を出してない。これは議会に対する背信行為ですよ。執行部がこんな状態で、議会は一体どうやって、何を頼りに予算特別委員会にふさわしい少子化対策の質疑を行えばよいのか、県民の負託に応えればよいのか、部長、謝罪や言いわけは不要ですから、的確にお答えください。

◯井上忠敏委員長 小山福祉労働部長。

◯小山福祉労働部長 昨年の予算特別委員会で、今、委員御指摘があったような発言を前部長がしたことを私もきちんと把握しておりますし、引き継ぎを受けております。そのような中で、結果としてまだ子育て応援宣言企業から十分、結婚応援団体が出てきていないということは、私どもの努力不足であると認識をいたしております。

◯板橋 聡委員 質問に答えていないんです。朝、松下委員の少子化対策の質問でも随分、やりますよと頑張っていましたね。今、言いましたようなこと、もう一回言いましょうか。一年間ほとんど成果出していない、議会に対する背信行為だと。執行部がこんな状態で、議会は一体何を信用して、何を頼りに予算特別委員会で少子化対策の話をすればいいんですか。謝罪とか言いわけは要らないですから、答えてください。

◯小山福祉労働部長 平成二十九年度当初予算に新たに子育て応援、出会い・結婚応援事業に関する予算を計上させていただいております。この予算を御審議いただいて議決をいただいて、二十九年度しっかりと取り組んでまいりたいと考えておりますので、ぜひとも御審議を賜りたいと思っております。
     〔発言する者がある〕

◯井上忠敏委員長 理事の方は委員長席のところにお集まり願います。委員各位はそのままお待ち願います。
     〔理事集合〕
     〔理事協議〕

◯井上忠敏委員長 議事の都合により、この際、しばらく休憩します。再開は放送をもってお知らせいたします。
   午 後 三 時 二 十 一 分 休 憩
   午 後 六 時 四 十 分 再 開

◯井上忠敏委員長 ただいまから委員会を再開いたします。
 この際、委員各位に申し上げます。本日の審査は午後五時までを予定しておりましたが、議事の都合により、このまま続行させていただきます。よろしくお願いいたします。
 休憩前に引き続き、議事を進めます。

◯小山福祉労働部長 私どもの不適切な答弁によりまして、委員会に多大な御迷惑をおかけいたしましたことをまずもっておわび申し上げます。申しわけございませんでした。
 県の将来にとりまして極めて重要な少子化問題の取り組みといたしまして今年度からスタートさせました結婚応援宣言企業の取り組みに対しましては、一年前のこの予算特別委員会におきまして、委員から、結婚応援宣言企業をふやしていくためには子育て応援宣言企業が力強い応援団になっていただける可能性が強いとの御指摘をいただき、それに対し、前部長、前課長が同様の認識のもと、同事業が相乗効果を十二分に発揮できるよう責任を持って取り組んでいくと、この委員会の場でお約束したにもかかわらず、そういう結果になっていないということは、議会との信頼関係を損なうことであり、心からおわび申し上げます。
 人がかわりましょうと、所管がかわりましょうと、お約束したことにつきましては、今後このようなことがないよう、信頼関係を損なうことのないよう、しっかりと取り組んでまいります。

◯板橋 聡委員 謝罪の文言はよろしいかと思います。
 しかしながら、同じように一年前の予算特別委員会のときに部長から非常に力強いお言葉をいただいて、一年間ほたっておかれたわけです、私は。そういう意味では、小山部長とまだちゃんとした信頼関係が私はございません。ぜひこれは知事に直接質問させていただきたく、知事保留のお取り計らいをお願いします。

◯井上忠敏委員長 ただいま板橋委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。なお、知事保留質疑は三月二十四日金曜日に行う予定でありますので、御了承願います。

◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)