景気雇用特別調査委員会視察

Facebookでもご報告していたとおり、所属している景気雇用特別調査委員会の視察で兵庫県と大阪府を訪問しておりました。

兵庫県では県議会を訪問し政策労働局より兵庫県が取り組む職業能力開発についてご説明頂きました。

中でも印象的だったのは、兵庫県立ものづくり大学校に併設された「ものづくり体験館」。兵庫の匠や企業OB、賛助団体等の熟練技能者が先生となり、調理・左官・石工・服飾・木工・電工・金工・造園等々中学生に対して匠の技を実演し体験指導を行います。平成25年度に本格オープンして初年度から申込み殺到で、予算一杯一杯の102校1万2千人以上が利用しています。今年度もほぼ同じ規模の参加者を見込んでいるとのこと。

中学生位の多感な時期に、実際の職人技に触れる事は子供達にとっても将来の進路を左右するような大きなきっかけになると思いますし、企業OBなど地域の先達にとっても後輩達へ自らの分身とも言える熟練した技能を披露することはやりがい有ることでしょう。

大阪府では府の施設である「ものづくりビジネスセンター大阪(MOBIO)」と「OSAKAしごとフィールド」を視察。
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特徴的だったのは、本庁の担当課が本庁舎ではなく丸ごと施設内に入り込み施設運営、事業運営にきめ細やかな携わり方をしていました。また普通2-3年で人事ローテーションが行われる公務員ですが、こちらの担当者の方は10年以上の方が居たり、その道のプロとしてビジネスマッチングや就業支援に取り組んでいます。官のビジネス支援や就業支援において、相談者との信頼関係構築は大切で、その点でローテーションの長期化は有効だと思います。

また、広報や施設の雰囲気がなんか「役所」っぽくない。
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ちなみに「レイブル」とは「Late bloomer(遅咲き)」の意味で、働いていない所謂ニートと呼ばれる人々の中で働く意欲を持ち行動をする人々を「レイブル」と呼んで、効果的な就業支援策を講じているとの事。
業務委託されているパソナの担当者に聞いたところ、これはパソナだけの方針ではなく大阪府が主導で「役所っぽくない」雰囲気作りを行っているとの事でした。

それと、所謂ブラック企業等を排除して、就業者がトラブルに巻き込まれないような中小企業を大阪府自らが金融機関と協働でピックアップし、冊子に纏めた「関西優良企業就活ガイド」
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大企業指向が強まり、求人に苦労している中小企業にとっては行政のお墨付きになります。一方で、公平性の観点でどうなんだろうという議論もあり、よくここまで踏み込んだなぁというのが率直な感想です。

民間企業では、東大阪が産み出した世界一企業「ハードロック工業」を訪問しました
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この会社、知る人ぞ知る「世界一緩まないネジ(正確にはナット)」を発明した会社です。写真は「ナニワのエジソン」こと若林克彦社長。

鉄道車両・施設、エネルギープラント、鉄塔、橋・道路等々、最近では東京スカイツリーに40万本が使用されていたりするハードロックナット。開発されて40年以上経っていますが、未だにこれを置き換えるような製品が出てこないというのが凄い。まさにコア・コンピタンス。若林社長から直接開発秘話などをお話し頂き大変参考になりました。