東北視察備忘録 その1

11月19日~21日に私が所属する総務企画地域振興委員会の視察が東北にて行われました。
今回の視察目的は3つ、(1)東日本大震災から1年8ヶ月を経過した現地の復興状況、(2)世界遺産登録された平泉における登録前の取組と登録後の状況、(3)滝沢村における産学官連携について、です。

先ず、東日本大震災被災地の復興状況を確かめに名取市と石巻市を訪問しました。
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名取市においては約1000名の方が亡くなったり行方不明となっていらっしゃいます。左上の写真は名取市の中でも一番被害が大きかった閖上地区です。農地だったのかと勘違いしそうですが、住宅基礎部分のブロックが生々しく残っている後継に絶句しました。

googleマップで名取市閖上を検索して、地図と航空写真を比較して頂ければ皆さんも実感して頂けると思います。

また右上の写真は閖上に有る日和山富士主姫神社があった高さ約10mの塚ですが、津波はこの上まで到達していたとの事です。この地域の高齢者の方は自立再建できない方も多かったり、小さいお子さんがいるような御家族は逆に沿岸部に戻ることに躊躇されている方も多く、地域の再建は非常に困難との事。また被災者に対する補助事業も仙台市のような大都市なら予算的にも融通が利く余地があるが、名取市や石巻市は独自の補助をするような予算的余裕はないとの事。集団移転は進んでいるが大きな街のコミュニティーそのものを移転させるような事は出来ないとの事です。
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死者・行方不明者約4000人を出した石巻市も、沿岸部の光景は似たようなものでした。右上の写真は門脇小学校です。ここは津波で被災したうえに、一緒に流れてきた油に火が燃え移り校舎が焼けてしまったそうです。石巻一帯はこのような津波による火災が至るところで発生し被害をさらに拡大したとの事。

復興予算の問題等が国会では話題になっておりましたが、コミュニティの再生という視点がちゃんと議論されているのか?議論されていてもそれが本当に地域にとって求められているものなのか?その上でスピード感も求められる、全てを満たすことは出来ないのかも知れませんが、だからこそ政治が決断してそれを国民が信頼し見守れるような関係が構築されていないければならないと感じました。

長くなってしまいましたので、続きは後日。